説明

歯ブラシのカバーと外面との間に取外し可能な流体分注容器を封入するカバー構造

本発明は、ハンドル部、ヘッド部、及び流体輸送システムを有する流体分注電動歯ブラシに対するカバー部材に係る。流体輸送システムは、歯ブラシの操作においてハンドル部の外面に実質的に全体に沿って延在するよう位置付けられる流体容器を有する。カバー部材は、ハンドルに対してピボット式に取り付けられ、ハンドルの一部分にオーバーレイして嵌め合うよう、且つカバー部材が閉鎖位置にある際に歯ブラシの下部の外面を形成するよう構成される。カバー部材は、ハンドルの外面に対して間に空間を定義付けるよう構成され、カバー部材が閉鎖位置にある際に流体容器を収容するようにする。該流体容器は、カバー部材がその開放位置にある際、取外しのためにアクセス可能である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に液体分注歯ブラシに係り、より特には、かかる歯ブラシの可動カバー部材に係る。当該カバー部材は、歯ブラシのハンドル部の外面に近接して位置付けられる流体容器にオーバーレイする。
【背景技術】
【0002】
大半の流体分注電動歯ブラシにおいて、流体を有する、本願ではカートリッジとしても称される容器部分は、典型的には、複数回の使用に対する容量を有し、空になった際は取り外されて捨てられ、満杯の容器に置き換えられる。かかる容器は、ユーザが例えば歯ブラシにおけるカバーを開けることによって容易に手に取り得るものでなければならない。しかしながら、カバーが有する問題は、周知である。カバーは、使用が面倒及び不便であることが多くある。カバーは、頻繁に壊れ、交換が困難であり、また、通常はどのようにしても抑えられず、最初に開けられた後は自由に(バタバタと)動き回る。
【0003】
一般に、大半の流体分注歯ブラシにおいて容器に対する空間が必要とされるため、いずれのカバー構造も、可能な限り小さな追加的空間を求めるが容器をカバーする所望の結果は与えるよう配置されなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明は、流体分注電動歯ブラシに対するカバー部材に係る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
該電動歯ブラシは、ハンドル部、ヘッド部、及び、同様に組み立てられた歯ブラシにおけるハンドルの外面に沿って実質的に全体に延在する流体容器を有する流体システムを有する。当該カバー部材は、ハンドルの一部分にオーバーレイして(overlay)嵌め合うよう構成され、カバー部材が閉鎖位置にある際に歯ブラシの下部の外面の一部分を形成する。カバー部材は、ハンドルの外面に対して構成され、カバー部材が閉鎖位置にある際、流体容器を収容するために間に空間を定義付けるようにされる。流体容器は、カバー部材がその開放位置にある際、取外しに対してアクセス可能である。また、接続部組立体は、前出の開放位置と閉鎖位置との間でカバー部材が動き得るよう、カバー部材をハンドル部に対して可動式に取り付ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1及び図2を参照すると、流体分注電動歯ブラシは、参照符号10において全体的に図示される。歯ブラシ10は、従来のブラシヘッド14を有するヘッド部12を有する。歯ブラシ10はまた、選択された手法においてブラシヘッド14を動かす駆動システム(図示せず)を位置付けられたハンドル部16を有する。多くのかかる歯ブラシにおいて、ヘッド部12は、ハンドル部16から取外し可能である。しかしながら、本願中に全般的に説明される電動歯ブラシ10は全般的に多くの異なる構造及び配置を取り得る、ことは理解されるべきである。
【0007】
更には、流体分注歯ブラシ10は、ポンプ組立体20及び流体を充填された使い捨ての容器(カートリッジ)22を有する(図2)。適切なポンプ組立体は、米国特許第5,993,180号明細書中に示され、適切な容器は、米国特許出願第60/482,914号明細書中に示され、いずれの内容も参照として本願中に組み込まれる。
【0008】
ポンプ組立体20は、作動ボタン24を有する。作動ボタン24を内側に押すことによってポンプは作動され、結果として、接続流体ライン及び中空のブラシヘッドステム25を介して容器22からブラシヘッド14まで流体を輸送する。この構造は、本発明の譲受人による同時継続出願の「Structural arrangement for a Fluid-Dispensing Power Toothbrush」においてより詳細に説明され、その内容はこれによって参照として組み込まれる。
【0009】
本願中で図示及び説明される実施例におけるカバーは、全般的に参照符号30において示される。該カバーは、ハンドル14の下端32からその上端34まで延在し、ハンドル16の全長を実質的にカバーする。カバー30は、閉鎖位置にある際にハンドル16の大部分をオーバーレイするよう、断面構造において湾曲され、歯ブラシの下部、即ち延ばされた直径のハンドル部の外面の一部を形成する。図示された実施例において、カバー30は、ハンドルの形状をたどって、その上端におけるより下部においてわずかに狭い。図示される実施例では、カバー30は、カバーの長さにわたる歯ブラシの円周方向の外面の略50%をカバーする。カバーは、図示される実施例ではプラスチックから作られるが、他の材料から作られてもよい。典型的には、カバーは、ある程度可撓性があり、透明であり得る。
【0010】
図示される実施例では、カバーの湾曲した内面31は、全般的に半楕円の形状であり、カバーが略半円であるカバーの下端又は後方端部からその上端まで徐々に長くなる楕円の直径を有する。増大する直径を有する、半円構造から半楕円構造への漸進的な変化は、ユーザに対して便利なグリップ配置をもたらす。カバーの下端において全円の直径は約1.25インチ(1−1/4 inches)であり、上端においては、楕円の長軸が約2.25インチ(2−1/4 inches)、短軸が約1.5インチ(1−1/2 inches)である。この構造によって、カバーとハンドルの外面23との間に空間がもたらされる。
【0011】
カバーは、ハンドル部16の外面23に沿って延在する容器22にオーバーレイする。典型的には、容器22は、可撓性の材料から作られる。カバー30が閉じられる際、該カバーは容器22に対する状態になってハンドルの外面の湾曲構造を形成するよう、カバーの内面31は構成される。これは、歯ブラシにおける該容器に対して必要な空間を最低限に抑えるよう役立つため、有利である。
【0012】
ハンドル16の外面とカバー30の内面との間の三次元体積においてハンドル16の外面23に対して可撓性の容器22をぴったりと合わせることに加え、容器に対してカバーを閉じることは、容器における流体の少量をポンプへと送り込み、ポンプに迎え水をさす(priming the pump)。したがって、作動ボタン24上の最初の圧力は、分注するようブラシヘッドへの流体の運動をもたらす。
【0013】
カバー30の楕円形はまた、その一般的に楕円の断面がユーザの手に対して優れたフィット感をもたらし、歯ブラシが使用される際にユーザに対して自然な回転防止特性/特色を与える。楕円の断面は、ブラッシング中、該器具のコストを上げるソフトタッチの材料を使用する必要なく該器具のグリップを向上する。
【0014】
カバー30は、約180°離される同軸の2つの対向するピン42及び44によってハンドルの下端に対してヒンジ式に接続される。ピン42及び44は、互いに対する方向において内側にテイパし、ハンドル16の対向する面上の一致するテイパされた同軸開口46及び48に係合する。テイパピン42及び44と関連付けられた開口46,48との組み合わせは、カバーの適度に安定した保持力をもたらすが、カバーを損傷することなくハンドルからカバーを比較的便利且つ容易に取り外すことも可能にする。図示される実施例では、ピンは、長さ約1/16インチであり、ハンドルにおける同様に寸法をとられた開口と係合する。
【0015】
カバー30の下端は、カバーの残りの部分の法線である下部50を有する。図示される実施例では、ピン42及び44は、カバーの長手方向端部の下端において2つの耳部54及び56から内側に延在する。図示される実施例における下部50は、構造上半環状であり、約3/8インチである環状部50の厚さを有する。下部50は、ハンドルの下端44において浅いカットアウト部51と係合する。図2及び6中に示される通り(図8は、ハンドル16から離れて延在するカバー30を示す)、カバー30がその開放位置にある際、カバーの下部50の端部58は、ハンドルとカバーとの間の約120°の角度において、ハンドルの更なる回転に対するストップとしての役割を果たすハンドルの下面56を終端とする。
【0016】
ハンドル上の下への更なる圧力は、結果として、テイパピン42,44が嵌合い開口46,48から出て、カバーをハンドルから離すようにする。この配置は、カバーに対する損傷の危険性がないハンドルからのカバーの便利な取外し機能を与え、カバーが所望される際に容易に交換又は洗浄され得るようにする。取り外されたカバー又は新しいカバーは、ハンドルにおける嵌合い開口を係合するピン42,44を有して、容易に適所へと戻される。
【0017】
故に、ピン及びカバーの端部構造は、カバーがあまりに容易に離れることを防ぐものの、必要又は所望の際のカバーの迅速な取外し及び交換は可能にする。更には、同一の要素によって与えられるストップは、カートリッジの交換に対して便利な角度において位置付け可能であるカバーをもたらす。
【0018】
カバーの上部において、2つのラッチ要素60及び62(図4)は、その内面から延在する。図示される実施例において、ラッチ要素60及び62は、対応する受入れ要素64及び66と嵌め合わされる。該受入れ要素は、ラッチ要素を受け、カバーを閉鎖位置における適所に保持する。カバーは、カバーの上端部の近くで対向する長手方向端部に沿ってカバーを保持すること、また、そこから外へ引くことによって、閉鎖位置から動かされる。受入れ要素64及び66の対応する面に対して嵌め合う突起70及び72は、各ラッチ要素60及び62の下方に位置付けられ、閉鎖位置へと動かされる際にカバーに対して案内機能及び堅固なストップを与えるようにする。
【0019】
図示されるカバーの実施例は、下部においてヒンジ留めされ、上部においてラッチされる一方、上部においてヒンジされ、下部においてラッチされるカバーを有する反転がなされ得る。また、カバーは、一側に沿ってヒンジ留めされ、他側においてラッチされ得る。
【0020】
カバー30はまた、一体型の「ソフトタッチ」ボタン80を有する。ボタン80は、カバー30がその閉鎖位置にある際、ポンプに対して作動ボタンのすぐ上方及び実質的に近接して位置付けられる。図5中に最も明確に図示される通り、ボタン80は、「ドーム」型構造を有する。ソフトタッチボタン80は、カバーにおける開口にフィットするエラストマ材料を有して作られ、歯ブラシの作動中は、ユーザによって短い距離を内側に押され、作動ボタンと接触する。更なるボタン80上の圧力は、ポンプの作動及び流体のブラシヘッドへの輸送をもたらす。図示される実施例では、ボタン80は、直径約5/8インチの円形であり、ポンプの作動ボタンと実質的に同一である。この配置は、使用中のポンプ上での作動ボタンの保護、及びユーザに対する早く便利な動作等である複数の利点を有する。更には、制御ソフトタッチボタン80は、作動ボタンを隠し、作動ボタンの外観が重要ではないようにする。
【0021】
あるいは、カバー30は、ボタン80の近くに、ボタン80と略同一の寸法である開口を有し得る。この配置において、ボタン80は開口まで達し、ユーザは、直接流体をポンプするようボタン80を作動させる。他の配置において、歯ブラシは、作動ボタンが歯ブラシのヘッド部の一部分であって、その他の点では同一のままで(otherwise remaining the same)容器をオーバーレイするカバーを有するよう、構成される。
【0022】
したがって、本願は、ハンドルの外面に沿って延在する容器をカバーする流体分注歯ブラシにおける使用に対するカバーを開示する。該カバーは、歯ブラシに対して便利な外形を与え、また、容器への便利なアクセスを与えるよう接続される一方で、容易に取外し可能でもある。
【0023】
本発明の望ましい実施例が例証の目的で開示されてきたが、多種の変更、修正、及び代用が、添付の請求項によって定義付けられる本発明の趣旨から逸脱することなく実施例において組み込まれ得る、ことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施例の容器カバー構造を有する流体分注歯ブラシの該略図であり、閉鎖位置において示される。
【図2】開放位置において示される容器カバーを有する、図1と同様の該略図である。
【図3】流体に対するポンプ構造のオペレータボタンに対するカバー上のユーザボタンの関係を示す部分斜視図である。
【図4】流体に対するポンプ構造のオペレータボタンに対するカバー上のユーザボタンの関係を示す部分斜視図である。
【図5】カバーが閉鎖位置にある際に、カバー上のポンプに対するユーザボタンとポンプ作動要素との間の関係を示す断面図である。
【図6】カバーが完全に開放される際のハンドルの下部に対するカバーの配置を示す斜視図である。
【図7】ハンドルに対してカバーを接続するピン構造を示す断面図である。
【図8】ハンドルの下方端部に対するカバーの詳細の配置を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体分注電動歯ブラシに対するカバー部材であって、
前記歯ブラシは、ハンドル部と、ヘッド部と、前記歯ブラシの操作において前記ハンドルの外面に沿って実質的に全体に延在する流体容器を同様に有する流体システムと、を有し、
前記カバー部材は、カバー部材と、接続組立体と、を有し、
前記カバー部材は、前記ハンドルの一部分にオーバーレイして嵌め合うよう構成され、前記カバー部材が閉鎖位置にある際に前記歯ブラシの下部の外面を形成し、前記カバー部材は、閉鎖位置にある際に前記流体容器を収容するために間に空間を定義付けるよう前記ハンドルの前記外面に対して構成され、前記流体容器は、前記カバー部材が開放位置にある際、取外しのためにアクセス可能であり、
前記接続組立体は、前記カバー部材が前記開放位置と閉鎖位置との間で動き得るよう前記ハンドルに対して前記カバー部材を可動式に取り付ける、
カバー部材。
【請求項2】
前記接続組立体は、前記カバー部材及び前記ハンドルの下部近くに位置決めされ、前記ハンドルに対して開放位置と閉鎖位置との間で前記カバー部材のピボット運動を可能にする、
請求項1記載のカバー部材。
【請求項3】
前記接続組立体は、前記カバー部材及び前記ハンドル部の上部近くに位置決めされ、前記ハンドルに対して開放位置と閉鎖位置との間で前記カバー部材のピボット運動を可能にする、
請求項1記載のカバー部材。
【請求項4】
前記カバー部材は、その上端近くにラッチ部材を有し、前記ハンドルは、前記カバーをその閉鎖位置において固定するよう、前記ラッチ部材に対する受入れ部材を有する、
請求項2記載のカバー部材。
【請求項5】
前記カバー部材は、その下端近くにラッチ部材を有し、前記ハンドルは、その閉鎖位置において前記カバーを固定するよう、前記ラッチ部材に対する受入れ部材を有する、
請求項3記載のカバー部材。
【請求項6】
前記接続組立体は、前記カバー部材の一側端部において位置決めされる、
請求項1記載のカバー部材。
【請求項7】
前記接続組立体は、前記カバー部材の内面から互いに向かって内部に延在する2つの対向するテイパされたピン要素を有し、更には、前記ピン要素を回転可能に受けるよう前記ハンドル部において2つの嵌合いテイパ開口を有する、
請求項2記載のカバー部材。
【請求項8】
前記ピン要素は、高さが約1/16インチである、
請求項7記載のカバー部材。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記歯ブラシの下方部分の前記外面の一部分を形成する湾曲構造を有する、
請求項1記載のカバー部材。
【請求項10】
前記カバー部材が、その閉鎖位置へと動く際に前記ハンドル部の外面に対して前記容器を形成し、したがって前記歯ブラシにおいて前記容器に対して求められる前記空間を最小限に抑えるよう構成及び配置される内面を有する、
請求項1記載のカバー部材。
【請求項11】
前記カバー部材の前記内面は、前記カバー部材がその閉鎖位置へ動く際に流体の一部分を前記ポンプまで動かすよう構成され、したがって前記ポンプに迎え水をさし、その後前記歯ブラシにおいて新しい容器の取付けが行われる、
請求項10記載のカバー部材。
【請求項12】
前記カバー部材は、開いている際、前記カバー部材が前記ハンドル部に対して選択された角度に到達する際に前記カバー部材の更なる回転を止めるよう、前記ハンドル部の下端に対してストップの役割を果たすように構成される下端要素を有する、
請求項1記載のカバー部材。
【請求項13】
前記角度は、約120°である、
請求項10記載のカバー部材。
【請求項14】
前記カバー部材は、その表面の一部としてボタン部材を有し、ポンプに対する作動ボタンにオーバーレイし、
前記カバーボタンは、ポンプ作動要素に対する圧力下で内部に動き、また、前記ボタン上の圧力が開放される際に本来の形状に回復するよう適合及び構築される、
請求項1記載のカバー部材。
【請求項15】
前記カバー部材は、前記ポンプ上に作動部材を有して記載される開口を有し、前記カバーが閉鎖位置にある際にユーザがポンプを作動し得るようにする、
請求項1記載のカバー部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−502410(P2008−502410A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516135(P2007−516135)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051975
【国際公開番号】WO2005/122949
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】