説明

歯付き動力伝達ベルト用の改良された布及びベルト

ポリアリーレンスルフィド繊維を含む動力伝達ベルト補強用の布、及びその布を使用するベルト。布は、長手方向において、加工され又はラップされた弾性芯伸縮性ヤーンを有して良い。長手ヤーンはPPSを含んでも良く、かつ加工された横断ヤーンはナイロンを含んでも良い。ヤーンは、高性能繊維と、ナイロン又は他の繊維の混合を含んでも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね歯付き動力伝達ベルトに関し、より詳細には歯保持のために耐熱・摩耗性布を有する歯付きベルトに関し、特にポリフェニレンスルフィドの繊維を含有する歯保持布を有する歯付きベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
歯付き動力伝達ベルトは、ベルト駆動に同期して使用される。歯付きベルトは、通常、高い寸法安定性を与える補強抗張心線の層を有するエラストマー本体を有する。心線層下の本体は、プーリ又はスプロケットと噛み合い、かつ抗張心線に駆動荷重を伝達する一連の歯に形成される。歯は、通常、例えばナイロン66マルチフィラメントヤーン(yarn)の織物伸縮性布のような補強布で被覆される。歯補強布は、平織又は綾織等であって良い。布層は、歯付きベルトの背面、マルチVリブドベルトの背面若しくはプーリ接触輪郭に、又はVベルト若しくは平ベルトで使用されて良い。ナイロン66(ポリアミド66又はPA−66としても知られる)布は、ここで参照することによりここに組み入れられる米国特許第4826472号明細書に例えば記述されるように、一方向に加工(textured)又は捲縮(crimped)されたヤーンを通常使用し、ベルト長手方向における十分な伸縮を可能にし、ここで参照することによりここに組み入れられる米国特許第3078206号明細書に例えば記述されるように、流動ベルト製造工程中に歯に一致する。他の布は、ここで参照することによりここに組み入れられる米国特許第5529545号明細書に例えば記述されるように、弾性芯ヤーンを使用し、長手方向における十分な伸縮を達成する。これらヤーンは、以下、ベルトの縦方向の“長手ヤーン”と呼ばれるのに対して、長手ヤーンと組み合わされるヤーンは、“横断ヤーン”と呼ばれる。しかし、“長手ヤーン”及び“横断ヤーン”は、織物構造を述べるために使用される用語“経糸(warp)”及び“緯糸(weft)”と必ずしも一致するわけではない。
【0003】
動力伝達ベルト、特に自動推進ボンネット下の用途分野における増加する要求は、例えば国際公開第2006−066669号パンフレットに開示されるように、通常のナイロン緯糸又は繊維のいくらか又は全てを、例えばパラアラミド、メタアラミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ヤーン又は繊維に置き換え又は使用することを含む、動力伝達ベルトの性能を改善しようとする多数の布改変をもたらした。提案される改変それぞれは限界があるので、新規の布代替が未だ望まれる。1つの問題は、PEEK、アラミド及びPTFEは、ナイロンのように、容易にエラストマーベルト本体組成物に接合しないことであり、そのため、例えば国際公開第2006−066669号パンフレットに開示されるように、緯糸におけるナイロンからの置き換えはごくわずかの量であることが実用的である。他の問題は、パラアラミドが、ナイロンのように加工され得ないことであり、そのため、例えば米国特許第5529545号明細書に開示されるように例えばアラミドを弾性ヤーンと組み合わせて、いくらかの長手ヤーンに伸縮を加える他の手段が使用されなければならない。斯様に組み合わされたヤーンは、低下した性能に悩まされるかもしれない。多くの斯様な高性能ヤーン及び布は、経済的配慮により使用が限られるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
必要とされることは、高い熱、流体、屈曲及び摩耗耐久性を有するが、他の提案される解決法よりもはるかに合理的なコストである動力伝達ベルト用伸縮性布である。必要とされることは、従来のナイロン66伸縮性布のように処理され得る布である。必要とされることは、ベルトに使用されるエラストマー材料に対する良好な接着性を有する布である。本発明は、これら必要性のうち1以上に合致する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば歯表面又はベルト背面を被覆する高い熱、流体、摩耗耐久性補強布を有する動力伝達ベルトを提供するシステム及び方法を対象とする。本発明は、さらに動力伝達ベルト用の補強布を提供する。
【0006】
本発明は、エラストマー本体、抗張心線補強部材、及び補強布部材を有する動力伝達ベルトを対象とする。本発明は、さらに動力伝達ベルト用の補強布を対象とする。一実施形態において、補強布部材は、ポリアリーレンスルフィド材料のヤーン、スレッド(thread)、又は繊維を備える。布は、織布又は不織布であっても良い。好ましいポリアリーレンスルフィド材料は、ポリ(p−フェニレンスルフィド)(“PPS”)である。PPS繊維、スレッド、又はマルチフィラメントヤーンは、従来の織物ベルト布の長手ヤーンにおけるナイロン66の繊維、スレッド、又はヤーンのいくつか又は全てに代えて、置き換えられても良い。PPS繊維は、布の経糸又は緯糸に存在するが、好ましくはベルト布の少なくとも長手ヤーンに存在する。PPSを含有する長手ヤーンは、好ましくは長手方向に伸縮を与えるように加工(textured)される。横断ヤーンは加工されても良い。緯糸は長手方向に、経糸は横断方向にあって良い。
【0007】
ベルトは、歯付きベルト、平ベルト、Vベルト、又はマルチVリブドベルトであって良い。布は、ベルトの歯又は他のプーリ接触面を被覆して良く、また、布は背面を被覆し、若しくはエラストマーベルト本体に埋設されても良い。
【0008】
布は、加工されたナイロン66繊維又はヤーンを含有する横断ヤーンを有しても良い。布は、エラストマー本体に対する接着性を促進するために処理されても良い。
【0009】
本発明に従って布にPPS繊維を使用することにより、その布は、従来のナイロン66布よりも、より良好な耐熱性、耐油性、耐摩擦性が与えられる。それゆえ、本発明は、合理的なコスト差により、より良好な耐久性、及び熱、流体、摩擦耐久性を与える。
【0010】
本発明は、さらに補強布を有する動力伝達ベルト、及び動力伝達ベルト用の補強布を対象とし、ここで、その補強布は、好ましくは少なくとも約50%で又は少なくとも約80%で、伸び可能な長手ヤーンと、加工されたマルチフィラメントナイロン繊維を有する横断ヤーンとを含む。長手ヤーンの少なくとも一部は、ナイロン繊維、並びに、パラアラミド、メタアラミド、ポリエステル、ポリケトン、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリスルフォンアミド、アクリル、フルオロポリマー、及びポリアリーレンスルフィドから成る群から選択される1又はそれより多い繊維を有する。横断ヤーンに加工されたナイロン繊維を使用することにより、ベルト本体に対する布の接着性は改善されて良く、及び/又は布への処理の浸透が改善されて良い。種々の実施形態において、長手伸縮ヤーンは、前述した材料の加工され混合されたヤーン、又は前述した材料でラップされた弾性芯ヤーンであっても良い。
【0011】
下記の発明の詳細な説明によってさらに良く理解させるために、前記は、本発明の特徴及び技術的な利点をむしろ広く概説したものである。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明の付加的な特徴及び利点は、この後述べられる。開示される概念及び特定の実施形態は、本発明と同じ目的を達成するために、他の構造を改変又は設計する根拠として直ちに使用されて良いことを、当分野の当業者によって理解されるべきである。斯様な等価の構成は、添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱しないことを、当業者によって直ちに理解されるべきである。構成及び操作方法の両方に関し、更なる目的及び利点とともに、本発明の特徴であると信じられる新規の特徴は、添付図面との関係が考慮されたとき、下記の説明からより良好に理解される。しかしながら、各図面は、単に説示及び説明を目的として提供されるものであって、本発明の限定を定義するものとして意図されたものでないことは、明らかに理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は、明細書に組み入れられかつその一部を形成し、同等の符号が同等の部材を示し、かつ本記載とともに本発明の実施形態を示し、本発明の本質を説明するために提供される。図面において:
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に従って構成された歯付きベルトの部分的に破断された斜視図である。
【0014】
【図2】本発明の一実施形態に従って構成された布の一部を表示したものである。
【0015】
【図3】本発明の一実施形態で使用されるヤーンの一部を表示したものである。
【0016】
【図4】本発明の一実施形態で使用される伸縮性ヤーンの一部を表示したものである。
【0017】
【図5】本発明の一実施形態を使用するベルト・プーリシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、動力伝達ベルトに有用である布、及び結果物としてのベルトに関する。図1は、本発明の一実施形態に従って構成された歯付きベルトの部分的に破断された斜視図である。図1において、歯付きベルト10は、エラストマー背12、エラストマー歯16、及び埋設される抗張部材18を含むエラストマー本体を有する。歯補強布14は、歯部17及びランド部19を被覆し、歯付きベルトのプーリ接触面である。本発明の一実施形態に従うと、布14は、ポリ(アリーレンスルフィド)(“PAS”)ポリマーの繊維を備える。好ましくは、PASポリマーは、ポリ(p−フェニレンサルファイド)(“PPS”)である。図2は、本発明の一実施形態に従う2×2の綾織布を示す。織布20は、経糸ヤーン22と、緯糸ヤーン24から形成される。ベルト10の補強布14として使用されるとき、経糸又は緯糸のいずれか一方は、他方がベルトの横断方向に(すなわち、一般的に抗張部材18に直角に)配向されつつ、ベルトの長手方向に(すなわち、一般的には抗張部材18に平行に)配向されていて良い。PAS又はPPS繊維は、布14において、ベルトの長手方向、横断方向、又は両方向に存在しても良い。
【0019】
本発明の一実施形態に従うベルトは、典型的には、少なくともベルト、駆動プーリ、及び従動プーリを含んでも良いベルト駆動システムにおいて使用される。図5は、ベルト10、駆動プーリ56、及び従動プーリ58を有するベルト駆動システムを示す。
【0020】
本発明の一実施形態は、PASの繊維を備える動力伝達ベルトを補強するための布である。本発明の実施に際し使用されるための繊維に適当なPASポリマーは、ホモ重合体、共重合体、三元共重合体等、又はポリマーの混合物であって良い。ポリアリーレンスルフィドポリマーの例は、ポリ(2,4−トルエンスルフィド)、ポリ(4,4’−ビフェニレンスルフィド)、及びポリ(p−フェニレンスルフィド)(“PPS”)を含む。その入手可能性及び望ましい性能のため、PPS繊維が現在のところ好ましい。適当なPPS繊維は、テストリ(Testori)グループによってその商標名によって販売されるSulfar Fiber、ダイオレンインダストリアルファイバーズ(Diolen Industrial Fibers)からのDiofort(登録商標)のマルチフィラメントPPSヤーン、及び、東洋紡績株式会社によって、その商標名によって販売されるProconPPS繊維を含む。商業的なポリアリーレンスルフィド繊維は、繊維形成物質が、スルフィド結合の少なくとも85%が2つの芳香族環に直接結合される長鎖合成ポリスルフィドである合成繊維であると信じられる。PPSは、硫黄とジクロロベンゼンの反応物によって形成され、その後、ステープル(staple)又はフィラメント繊維を製造するために、溶融紡糸により押し出されて良い。PPSは、パラ置換ベンゼン環と硫黄原子が繰り返される、対称的で硬直な主鎖を有する結晶性ポリマーである。
【0021】
種々の実施形態において、布は、織布又は不織布であって良い。適当な織布は、経糸及び緯糸のスレッドを有して良く、前記経糸及び緯糸のスレッドの少なくとも一方は、PAS繊維、又は好ましくはPPS繊維のマルチフィラメントヤーンを含んでいる。布は、さらにナイロン66繊維を含んでいても良い。一実施形態において、布は緯糸に存在するPPS繊維を有しており、かつ経糸は加工(textured)されたナイロン66を含み、或いは実質的にそれから成る。ベルトに使用されるために、好ましくは、PPSは長手ヤーンに存在するとともに、横断ヤーンは加工されたナイロン66を含み、又は実質的にそれから成る。長手ヤーンは、ナイロン66とPPSの両方の繊維を含んでも良く、加工されても良い。
【0022】
種々の実施形態において、動力伝達ベルトは、歯付きベルト、平ベルト、Vベルト、又はマルチVリブドベルトであって良い。PAS、又は好ましくはPPSの繊維を有する布は、ベルトの歯又は他のプーリ接触面を被覆して良く、或いはその布は背面を被覆し又はエラストマーベルト本体に埋設されても良い。本発明の一実施形態に従ってPAS繊維を組み入れることにより、有利に適応されても良いベルト及び布の種々の例は、本発明を限定する意図なく言及されても良い。ここで参照することによりここに組み入れられる米国特許第6793599号明細書は、プーリ係合不織領域を有するVベルト及びマルチVリブドベルトについて記述し、ここでは不織布材料は合成繊維材料を含んでも良い。参照することによりここに組み入れられる米国特許第5529545号明細書は、流動製造工程において使用されるための伸縮性布を有する歯付きベルトを記述する。本発明の布の有用な実施形態は、予成形製造工程において歯付きベルトの歯を被覆するために、或いは、殆ど伸縮が必要とされないVベルト又はベルト背面を被覆するために、非伸縮性又は半伸縮性(semi stretch)布を含んでいても良い。ここで参照することによりここに組み入れられる米国特許第5645504号明細書及び第6863761号明細書に開示されるように、編布又は編み補強を使用したベルトは、本発明の一実施形態に従うと、有用に改善されるかもしれない。
【0023】
典型的な自動推進同期又は歯付きベルトは、ベルト歯における被覆要素として接着剤コートした100%ナイロン布を使用する。一実施形態において本発明は、ナイロン繊維と、ナイロンに比べて、より良好な耐熱性及び/又は耐油性、及び又は他の高い性能特性を有する他の繊維とから成る複合構造を有する歯布に関する。本発明のある実施形態において、他の繊維は、例えばベルトの本体に使用されるエラストマー材料に接合するのが困難かもしれない高性能ポリマーから構成されて良い。耐熱性及び/又は耐油性繊維は、これら材料のスレッド又は繊維をナイロン又は他の従来の材料に組み合わせることにより、布における1以上の緯糸又は長手ヤーン内に組み込まれても良い。経糸又は横断ヤーンは、100%ナイロンであって良いが、従来のナイロン布と異なり、経糸又は横断ヤーンは、後続のRFL又は他の接着剤コートによって、より高い被覆の程度と浸透を与えるために加工される。布に対するコートの改良された浸透は、疲労及び/又は摩耗に対する改良された保護を与えても良い。
【0024】
従って、本発明の他の一実施形態では、2kgの張力で、好ましくは少なくとも約80%伸び可能な長手ヤーンと、好ましくは約1%〜約20%で伸び可能な加工されたマルチフィラメントヤーンを有する横断ヤーンとを有し、長手ヤーンの少なくとも一部がナイロン繊維と、例えばパラアラミド、メタアラミド、ポリエステル、ポリケトン、フルオロポリマー、ポリイミド、ポリスルフォンアミド、ポリアリーレンスルフィド、アクリル等のように、エラストマーに接合することが相対的に困難かもしれない1以上の高性能材料とを含む、動力伝達ベルトを補強するための織布である。
【0025】
織布の伸び能力は、長手ヤーンを加工することによって与えられて良い。加工すること(texturing)は、一般的に、ナイロン繊維とは別に又は共に、例えばポリエステル、ポリケトン、ポリアリーレンスルフィド等の熱可塑性繊維において可能である。加工することは、例えば仮撚り、捲縮、ラム押出ボックス(stuffer box)、ニットデニット(knit-de-knit)、エアジェット等のいかなる公知の加工方法(texturing method)によって達成されても良い。加工されたヤーンの伸びは、加工の程度を特徴づける1つの方法である。特に、例えば2kgのように特定の荷重での伸びは、ヤーンの加工程度の有用な評価基準を提供して良い。歯被覆布用の加工された長手ヤーンは、好ましくは、2kgの張力で少なくとも約50%、又は2kgの張力で少なくとも約80%伸び可能である。
【0026】
代替的に、織布の伸び能力は、長手ヤーンに、ナイロンと高性能繊維から選択される1以上のものによってラップされた弾性芯スレッドを使用することによって与えられて良い。例えば、選択される高性能繊維が少なくとも弾性芯周りの第1ラップに、ナイロン66が少なくとも第2ラップに使用されて良い。第2ラップが第1ラップと反対のラップ方向であることは、利点があるかもしれない。斯様な伸縮性ヤーン構成の例は、ここで参照することによりここに組み入れられる米国特許第5529545号明細書、欧州特許第637704号明細書、及び欧州特許第1436450号明細書により与えられる。図4は、斯様な伸縮性ヤーンを示す。図4では伸縮性ヤーン45に言及されており、弾性芯46は、まず、有利にPAS又はPPSを含んでも良いヤーン47によって第1方向でラップされ、そして第2に、ナイロンで構成されて良いヤーン48によって反対方向でラップされる。
【0027】
横断ヤーンの加工は、長手ヤーンのために上記で記述されたものと同一の方法で達成されて良い。本発明の一実施形態では、横断ヤーンの加工程度は、実質的に長手ヤーン未満であって良い。長手ヤーンの2kgにおける伸びは、例えば、約50%より大きく、又は80%より大きくて良い。横断ヤーンの2kgにおける伸びは、例えば、約1%〜約15%、又は2%〜約10%の範囲であって良い。長手方向におけるより高い伸縮性は、歯の全体輪郭を形成するように、布が抗張部材のラインに従って伸びる流動工程によって、歯付きベルトを製造するのに有用である。横断方向におけるより小さい伸縮性のヤーンは、その方向における加工の上述した利点を与えるのに十分である。本発明の一実施形態において横断ヤーンは、加工されたマルチフィラメントナイロンヤーン、好ましくはナイロン66から実質的に成っていても良い。上述した布は、動力伝達ベルトに使用されても良い。
【0028】
例として図3は、本発明の一実施形態において有用に使用される代表的な長手高加工ヤーン、横断低加工ヤーン、及び非加工ヤーンの代表的な長さ部分を示す。図3を参照すると、高加工ヤーン34は、2kgの張力で約88%の伸びを示す。低加工横断ヤーン32は、2kgの張力で約3%の伸びを示す。非加工ヤーン30の破断伸びは、約100kgで約25%であるとともに、低加工ヤーン32では104kgで約30%である。高加工ヤーン34の破断伸びは、323kgで約180%である。ヤーン34はヤーン30、32の約3倍多いフィラメントを有するため、その破断強度はより高い。
【0029】
高性能ヤーン又は繊維それぞれは、ヤーン又は心線製造工程のいかなる段階で、好ましくはナイロンから構成されて良い、又はアクリル、ポリエステル、綿等から構成されても良い従来のヤーン又は繊維と、混合、共合わせ(co-plied)、又は共撚り(co-twisted)されても良い。第1の高性能ヤーン及びナイロンとともに、いかなる割合で第3の高性能又は耐熱性ヤーンが混合されても良いことは注目すべきである。ステープルヤーンも使用されても良く、PEEK、PPS、及び/又はその他を含有する混合ステープルヤーンであって良い。
【0030】
ナイロンによっては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等を含むいかなる熱可塑性ポリアミド繊維が意味される。ナイロン66は、好ましいポリアミドである。さらにナイロン66は、高強力の種類、又は中又は通常の強力のものであって良い。
【0031】
アラミドによっては、パラ又はメタ位のいずれかで、2つの芳香族環に直接結合されるアミド結合を有する長鎖合成ポリアミドが意味される。本発明においては、例えば、PPD−T、ポリ(p−ベンズアミド)、コポリ(p−フェニレン/3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド)等の使用がなされても良い。PPD−Tによっては、p−フェニレンジアミンとテレフタロイルクロリドの分子−分子(mole-for-mole)重合の結果としてのホモ重合体、さらには、p−フェニレンジアミンに少量の他のジアミン、及びテレフタロイルクロリドに少量の他の二酸塩化物が組み入れられることの結果としての共重合体も意味される。本発明の実施に際し適当な商業的なアラミド繊維は、帝人株式会社によって商標名TEIJINCONEX、TECHNORA、及びTWARONで、イー・アイ・デュ・ポン・ド・ヌムール社(E.I. DuPont de Nemours and Company)によって商標名NOMEX及びKEVLARで販売されるものを含む。
【0032】
適当な商業的なLCP繊維は、セラネセアセテート社(Celanese Acetate LLC)及び株式会社クラレによって商標名VECTRANで販売される液晶性ポリエステル−ポリアリレート繊維である。PBOは、東洋紡績株式会社によって商標名ZYLONで販売される。ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)を含む。PENは、ハネウェルインターナショナル社(Honeywell International Inc.)によって商標名PENTEXで販売される。PENは、帝人株式会社、インビスタ(INVISTA)、ヒュースン社(Hyosung Corporation)によっても販売される。
【0033】
適当なフルオロポリマーは、限定されるわけではないが、例えばポリテトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)、ポリトリフルオロモノクロロエチレンポリマー(PTFCE)、ポリフッ化ビニルデンポリマー(PVDF)、フッ素化エチレンポリマー(FEP)、及びパーフルオロアルコキシポリマー(PFA)を含んでも良い。
【0034】
ポリイミド及び/又はポリアミド−イミド繊維(“PI”)、特に高温ポリイミドが使用されて良い。適当なPI繊維は、インスペックファイバー(Inspec Fibres)、デグサ社(Degussa Company)によって、その商標名で販売されるP84であっても良い。ポリアクリロニトリル(“PAN”)繊維は、例えば東洋紡績株式会社によって販売される。PAN繊維は、一般的に少なくとも85%のアクリロニトリルと、例えばメタアクリル酸メチル、酢酸ビニル等の種々のコモノマーであるアクリル含有量の範囲の繊維を含んでいて良い。
【0035】
ポリスルフォンアミド(“PSA”)繊維は、SO基及びアミド結合とパラ結合されるベンゼン環の主鎖を有する芳香族ポリアミド繊維の1種である。PSA繊維は、現在、商標名Tanlonでシャンハイタンロンファイバー社(Shanghai Tanlon Fiber Co., Ltd.)によってステープル形状で販売されている。PSAの特徴は、高温耐久性、優れた耐燃性、高温における寸法安定性、及び高い化学安定性を含む。
【0036】
ポリケトン繊維は、主鎖にケトン結合又は基を有するポリマーから形成される。例えば、米国特許第5130408号明細書は、多数の種類、すなわち、本発明で有利に使用されるかもしれないポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)を含む芳香族ポリケトンを記載する。商業的なPEEK材料の一例は、超高温耐久性を有する直鎖の芳香族半結晶性ポリマーを形成するオキシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレン−カルボニル−1,4−フェニレンの繰り返し単位を有する。適当なPEEK繊維は、ザイエックス社(Zyex Ltd.)によって商標名Zyexで販売される。
【0037】
他の有用なポリケトン繊維は、従来の手順で用意されたエチレンが、一酸化炭素とポリ(1−オキソトリメチレン)に完全に共重合され、約5.9dl/gの固有粘度を有するポリケトンポリマーから形成されても良い。一般に、有用なポリオレフィンケトン(POK)は、米国特許第6763867号明細書及びここで引用される文献に開示されるように、溶融紡糸又は湿式紡糸により得られ得る。米国特許第6763867号明細書に開示されるように、以下の式によって表される構造を有するポリオレフィンケトン繊維を使用することは有利であるかもしれない:--(CH2--CH2--CO)n--(R--CO)m--;ここで、1.05≧(n+m)/n≧1.00であり、Rは3以上の炭素を有するアルキレン基。米国特許第6818728号明細書に記載されるように、POK繊維は、有利に一酸化炭素とエチレンの交互ポリマーで構成されても良い。上記種類のポリケトン繊維の全ては、ここで及び特許請求の範囲において“PK”又はポリケトンとして言及される。
【0038】
表1は、本発明の実施形態に有利に適用されて良い多数の高性能繊維を、いくつかの典型的な特性とともに示す。表において“−”は悪いことを意味し、“0”は適当であることを意味し、“+”は良好であることを意味し、“++”は優れていることを意味する。さらに表において、“MR”は水分率、“m.p.”は融点、“HAS”は熱老化収縮、及び“Eb”は破断伸びである。
【0039】
【表1】

【0040】
本発明の一実施形態に従うベルト構成において、心線上部12及び歯16において使用される一般的に柔軟な材料又は複数の材料は、一般的に互いに混和性がある(compatible)べきであるとともに、同一又は異なる種類の材料によって構成されて良い。本発明の当該実施形態では、注型及び非注型の両方のエラストマーを含む、いかなる適当な及び/又は従来のエラストマーが、心線上部部分12及び/又は歯16(以下、集合的に“ベルト本体部”とする)として使用されても良い。適当な注型エラストマーの例は、限定されるわけではないが、注型ポリウレタン(ポリウレタン、ポリウレタン/ウレア、及びポリウレアを含む)、プラスチゾル、オルガノゾル、液状クロロプレン、液状ポリスルフィド、液状ゴム、シリコーン、エポキシド、ウレタン、ポリエステルベース樹脂、ポリエーテルベース樹脂等、さらにはこれらの2以上の混合物を含む。ポリウレタンエラストマーは、現在のところ、それらの好ましい引張強度と耐摩耗性、及び十分なモジュラスと弾性のために、他の種類の注型エラストマーに比べて一般的には好ましい。斯様なポリウレタンは、例えば、ポリウレタンプレポリマーを、連鎖延長剤及び選択的な量の可塑剤又は他の成分に配合することによってのように、いかなる従来の方法で用意されても良い。一般的に当分野で知られている従来の連鎖延長剤が、使用されて良い。
【0041】
本発明によって与えられる利益を享受するであろう、斯様なベルトのベルト本体部として有用な非注型エラストマーは、例えばクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR(HNBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン(ACSM)、エピクロヒドリン、ブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(天然ゴム(NR)及び合成ポリイソプレンを含む)、及びエチレンプロピレンジエン三元共重合体エラストマー(EPDM)として例示されるエチレン−α−オレフィンエラストマー、さらには、これらのいかなる2以上のブレンド又は混合物を含む。殆どの熱可塑性エラストマーも、本構成内と予期される。例えば熱可塑性エラストマーが、心線及び布上に押し出され、かつ回転モールドにおいて加圧されて形成される連続的な又は長尺ベルトは、本構成内と予期される。
【0042】
注型又は非注型エラストマーのいずれが、ベルトのエラストマー部を形成するための組成物に使用されるに関わらず、一般的に斯様な組成物は、意図される用途で使用されるのに一般的に適当な量で従来の添加剤を含有して良い。従って、例えば、斯様な組成物は、ゴム100重量部に対して約0部(phr)〜約500phr、代替的には約20phr〜約250phrの量の補強、部分的に補強、又は非補強フィラー;約0phr〜約30phr、或いは代替的に約1phr〜約25phrの量の1以上の可塑剤;硬化に有効なすなわち例えば約0phr〜約30phrの量で、硫黄、例えば過酸化物のようなフリーラジカル生成物質、及び電離線等を含む1以上の加硫剤又は硬化剤;約0phr〜約100phrの量で1以上の共薬剤(co-agent)又は活性剤;及び約0phr〜約15phrの量で1以上の分解防止剤(antidegradant)等を含んでも良い。本発明の一実施形態では、ベルト10の心線上部12及び歯16の少なくとも1つは、斯様なエラストマー組成物に関する開示がここで参照することにより組み入れられるWhitfieldの米国特許第6358171号明細書に例えば記載される、適当な水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)組成物;又は、斯様なエラストマー組成物に関する開示がここで参照することにより組み入れられるWuその他の国際公開第09602584号パンフレットに例えば記載される、適当なポリウレタン/ウレア組成物によって形成される。
【0043】
エラストマー心線上部部分12は、好ましくは補強抗張層、又は、例えば長手に延在しかつ間隔が空けられた図示される心線18のように、当分野で周知の複数の抗張部材をいくつでも備える。これら抗張心線18は、限定されるわけではないが、典型的には図示される1以上の埋設された螺旋巻き心線として配置され、ポリアミド心線、アラミド心線、ガラス繊維心線、カーボン繊維心線、ポリエステル心線、又はフィラメントワイヤ心線、又はこれらの複合物又は組み合わせを含む、いかなる適当な耐歪み材料の1以上のストランドから成っても良い。抗張部材は、特にHNBRのように非注型エラストマーがベルト本体部に又はとして使用される場合、適当な接着剤又は加工助剤材料で、プレストレスドされ、又は含浸され、又はコートされても良い。
【0044】
歯16及び/又は心線上部12部を形成するための柔軟材料は、ステープル繊維、パルプ繊維、又はチョップド繊維補強材料を含有する、いかなる適当な又は従来の材料が非加硫状態にあるときに、エラストマー組成物内部に組み入れられることにより、選択的に非連続的な繊維が充填されていても良い。繊維充填のための適当な材料は、例えば、デュポン化学社(DuPont Chemical Co.)によって商品名KEVLARで入手可能なもののように、メタ−及びパラ−アラミドを含むアラミド、ナイロン、ポリエステル、アクリル、カーボン、及び綿を含む。繊維充填は、斯様な繊維充填タイプ及びレベルに関する開示がここで参照することにより組み入れられる米国特許第6358171号明細書に開示されるように、用途にとって適当ないかなるレベルであっても良く、かつ、歯付きベルトの場合には、少なくとも相当な数の繊維が、ベルト走行に対して垂直な方向に配向することを含んでも良い。1以上の斯様な繊維は、さらに、エラストマー材料から突出しても良い。
【0045】
一般的な耐摩擦性布14又は布20は、図1に示される歯付きベルトの場合、ベルト10の動力伝達表面に沿って、図示されるように、少なくともベルト10の交互の歯16とランド部に沿って、その被覆を形成するために、密接し取り付けられる。使用される布は、綾、平、マット織り1×1、1×2、1×3、2×1、2×2、2×3、3×1、3×2、3×3の布のような織物を含み、いかなる所望の角度をなす経糸及び緯糸スレッドから成る例えば従来の織物のように、いかなる所望の構成であっても良いし、また、ピックコード(pick cord)を備え、又は編まれた若しくは編組された構造、又は不織布構造等であっても良い。異なる種類の布の組み合わせを含む1プライより多い布が、使用されても良い。所望により布は、当分野で周知のように、ストランドがベルト走行方向に対して角度を形成するように、バイアスカットされても良い。例えば、綿、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド、麻、黄麻、繊維ガラス、及び種々の他の天然及び合成繊維のような従来の繊維が、使用されても良い。
【0046】
本発明の一実施形態において、布層14は、バイアスカットの2×2綾又はマット織布を備える。さらに、経糸又は緯糸ヤーンの少なくとも1つは、それぞれ当分野において周知のように、精練され、ヒートセットされ、加工され、撚られ、及び/又は他の処理がなされても良い。選択的に、動力伝達面から離れたベルトの表面も、ここで述べられるような布要素(以下、“背布”という)を含んでいても良く、背布は、ベルト10の歯部17とランド部19に沿って使用されるものと同じ種類と形状であっても良いし、異なる種類と形状であっても良い。
【0047】
本発明の一実施形態において、所定量の内部潤滑剤が、布被覆要素上で及び/又は内部に使用されても良い。潤滑剤は、例えばRFLのような布処理に含まれ、または、別個の潤滑処理が施されても良い。ベルト布に潤滑剤を使用する例は、ここで参照することによりその内容がここに組み入れられる米国特許第7042021号明細書及び米国公開第2007/249451号明細書に開示される。
【0048】
実施例は、本発明の実施形態の有用性及び利点を示すために作製され、試験されても良い。ベルト試験の詳細は以下のとおりである:
【0049】
最大力試験(空気環境)は、超高荷重ディーゼルモータエンジンで試験される120歯、30mm幅のベルトを使用する。エンジン速度は、試験全期間にわたって変化させ、ベルトに最大荷重を負荷する。試験は外気温度で実施する。
【0050】
高温試験(空気環境)は、高荷重ディーゼルモータエンジンで試験される141歯、15mm幅のベルトを使用する。エンジンは、4000rpmの一定速度に維持される。噴射ポンプへの燃料の流量は、480ml/分に調整される。試験は、ベルト温度が200℃となるように、入熱制御された加熱ボックスで実施される。
【0051】
本発明及びその優位点が詳細に述べられたが、種々の変更、置換及び代替が、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、ここではなされ得ることが理解されるべきである。さらに本出願の範囲は、明細書で述べられた工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されることが意図されていない。当分野の当業者が本発明の開示から直ちに理解するとき、ここで述べられた実施形態に対応するものと、実質的に同一の機能を果たし、又は実質的に同一の結果を達成する、現在ある又はその後開発される工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法又はステップは、本発明に従って使用されても良い。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内における斯様な工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法又はステップを含むことが意図されたものである。ここで開示された発明は、ここで具体的に開示されないいかなる要素を欠く場合も、適当に実施されて良い。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアリーレンスルフィド繊維を備える動力伝達ベルト補強用布。
【請求項2】
経糸及び緯糸スレッドを備え、前記経糸及び緯糸スレッドの少なくとも1つが、ポリp−フェニレンスルフィド繊維のマルチフィラメントヤーンを備えることを特徴とする請求項1の布。
【請求項3】
前記ポリp−フェニレンスルフィド繊維が前記緯糸にあるとともに、前記経糸が加工されたポリアミド繊維を備えること特徴とする請求項1の布。
【請求項4】
前記ポリアミドは、ナイロン66であることを特徴とする請求項3の布。
【請求項5】
エラストマー本体、前記本体内部に埋設される抗張部材、プーリ接触面、及び背面を有し、前記面の少なくとも1つに、ポリアリーレンスルフィド繊維を備える布を備える動力伝達ベルト。
【請求項6】
前記プーリ接触面にある歯を有し、かつ前記布が前記歯を被覆する歯付きベルト形状である請求項5のベルト。
【請求項7】
前記布が横断及び長手スレッドを有する織物であって、前記横断スレッドがナイロン66繊維を備えるとともに、前記長手スレッドがナイロン66とポリp−フェニレンスルフィド繊維の両方を備えることを特徴とする請求項6のベルト。
【請求項8】
前記横断スレッドが、2kgの張力で1%〜20%の伸びを達成できるように加工されるとともに、前記長手スレッドが2kgの張力で少なくとも50%の伸びを有することを特徴とする請求項7のベルト。
【請求項9】
少なくとも約50%の伸びが可能な長手ヤーンと、横断ヤーンとを備え、
前記長手ヤーンの少なくとも一部が、ポリアミド繊維と、パラアラミド、メタアラミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリスルフォンアミド、ポリケトン、フルオロポリマー、及びポリアリーレンスルフィドから成る群から選択される1又はそれより多い繊維とを備えるとともに、
前記横断ヤーンが加工されたマルチフィラメントポリアミドヤーンを備える
動力伝達ベルト補強用の織物伸縮性布。
【請求項10】
前記長手ヤーンが、前記伸び能力を達成できるように加工されていることを特徴とする請求項9の布。
【請求項11】
前記長手ヤーンは、前記ポリアミド繊維としてのナイロン66を有しつつ弾性芯スレッドを備えるとともに、前記ナイロン66及び前記選択された繊維が前記芯周りにラップされることを特徴とする請求項9の布。
【請求項12】
前記横断ヤーンは、2kgの張力下で約1%〜約20%の範囲で伸び可能であることを達成するように加工されることを特徴とする請求項9の布。
【請求項13】
前記横断ヤーンは、加工されたマルチフィラメントナイロンヤーンから実質的に成ることを特徴とする請求項9の布。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれかの布を備える動力伝達ベルト。
【請求項15】
前記長手ヤーンがポリアリーレンスルフィドを備えるとともに、前記横断ヤーンが、ポリエステル、ポリケトン、ポリアリーレンスルフィド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル等のような熱可塑性ポリマーから成る群から選択される1又はそれ以上をさらに備えることを特徴とする請求項9の布。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−532289(P2012−532289A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518623(P2012−518623)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/040955
【国際公開番号】WO2011/003090
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)
【Fターム(参考)】