説明

歯付ベルト用継手および歯付ベルト

【課題】歯付ベルトを簡単に連結することができ、かつ汎用性のある歯付ベルト用継手を提供がすることである。
【解決手段】歯付ベルト1を片面側の歯面1aに長手方向と直交する歯2を設けたものとし、連結される歯付ベルト1の各端部の歯面1a側に重ね合わされ、歯付ベルト1の幅よりも広幅に形成された係合片部11の幅方向両側に、係合片部11と重ね合わされる歯付ベルト1の背面1b側へ屈曲可能な挟持片部12を連設して、係合片部11に重ね合わされた歯付ベルト1の各端部の歯2と係合する係合凹部14を設け、幅方向両側の挟持片部12を、係合凹部14に歯2を係合させた歯付ベルト1の背面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部12と係合片部11との間に歯付ベルト1の各端部を挟持するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線状の歯付ベルトの端部同士を連結する歯付ベルト用継手と、歯付ベルト用継手を用いて連結した歯付ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械の送り機構やインクジェットプリンタのキャリッジ等の高い位置決め精度を要求される往復送り機構には、ベルトの片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設けた歯付ベルトを、この歯と噛み合う歯付プーリに巻回した動力伝達機構が採用されている。歯付プーリに巻回される歯付ベルトは、直線状のベルトの端部同士を歯付ベルト用継手で連結してループ状に形成されることが多い。2本以上のベルトの端部同士を連結してループ状に形成したものもある。
【0003】
この歯付ベルトの端部同士を連結する歯付ベルト用継手には種々の形態のものがあるが、基本的な構成としては、長手方向と直交する複数の係合溝を設け、これらの係合溝を連結される歯付ベルトの各端部の歯と係合させるようにしたものが多い(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1に記載されたものは、複数の係合溝を設けた歯付ベルト片を連結される歯付ベルトの各端部の歯面側に重ね合わせて、各係合溝を歯面の歯と係合させ、歯付ベルト片と歯付ベルトの各背面側に、それぞれクランクプレートとテーブルを重ね合わせて、クランクプレートをクランクボルトでテーブルに固定し、重ね合わせた歯付ベルトと歯付ベルト片を挟持することにより、歯付ベルトの端部同士を連結するようにしている。
【0004】
特許文献2に記載されたものは、長手方向に沿って側方へ開放された凹溝を設け、この凹溝内の一側壁に、歯付ベルトの歯と係合する複数の係合溝を設け、連結される歯付ベルトの各端部を、歯面を係合溝側に向けて凹溝へ側方から嵌入することにより、各係合溝を歯面の歯と係合させることにより、歯付ベルトの端部同士を連結するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−69433号公報
【特許文献2】特開2009−144750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された歯付ベルト用継手は、係合溝を設けた歯付ベルト片を歯付ベルトの各端部の歯面に重ね合わせ、さらに、これらの背面側にクランクプレートとテーブルを重ね合わせて、クランクプレートをクランクボルトでテーブルに固定する必要があるので、歯付ベルトの連結に手間がかかる問題がある。
【0007】
一方、特許文献2に記載された歯付ベルト用継手は、歯付ベルトの各端部を凹溝へ側方から嵌入するのみでよく、簡単に歯付ベルトを連結することができるが、歯付ベルトの厚みが変わると、凹溝へ嵌入することができず、汎用性に欠ける問題がある。また、歯付ベルトの厚みにバラツキがあると、嵌入が困難になったり、嵌入された歯付ベルトと凹溝の間に隙間が生じて、がたつきが発生したりする問題もある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、歯付ベルトを簡単に連結することができ、かつ汎用性のある歯付ベルト用継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、直線状の歯付ベルトの端部同士を連結する歯付ベルト用継手において、前記歯付ベルトを、片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設けたものとし、前記連結される歯付ベルトの各端部の前記歯面側に重ね合わされ、前記歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部と、この係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる前記歯付ベルトの背面側へ屈曲可能に連設された挟持片部とからなり、前記係合片部に、前記重ね合わされた歯付ベルトの各端部の歯面の歯と係合する少なくとも1つずつの係合凹部を設け、前記幅方向両側の挟持片部を、前記係合凹部に歯を係合させた歯付ベルトの背面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と前記係合片部との間に、前記歯付ベルトの各端部を挟持する構成を採用した。
【0010】
すなわち、歯付ベルトを片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設けたものとし、連結される歯付ベルトの各端部の歯面側に重ね合わされ、歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる歯付ベルトの背面側へ屈曲可能な挟持片部を連設して、係合片部に重ね合わされた歯付ベルトの各端部の歯面の歯と係合する少なくとも1つずつの係合凹部を設け、幅方向両側の挟持片部を、係合凹部に歯を係合させた歯付ベルトの背面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と係合片部との間に歯付ベルトの各端部を挟持することにより、歯付ベルトを簡単に連結することができ、かつ汎用性のあるものとした。
【0011】
また、本発明は、直線状の歯付ベルトの端部同士を連結する歯付ベルト用継手において、前記歯付ベルトを、片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設け、背面側の端部に前記歯面の歯よりも高さの高い少なくとも1つの凸部を設けたものとし、前記連結される歯付ベルトの各端部の前記背面側に重ね合わされ、前記歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部と、この係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる前記歯付ベルトの歯面側へ屈曲可能に連設された挟持片部とからなり、前記係合片部に、前記重ね合わされた歯付ベルトの各端部の背面の前記凸部と係合する係合凹部を設け、前記幅方向両側の挟持片部を、前記係合凹部に凸部を係合させた歯付ベルトの歯面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と前記係合片部との間に、前記歯付ベルトの各端部を挟持する構成も採用した。
【0012】
すなわち、歯付ベルトを、片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設け、背面側の端部に前記歯面の歯よりも高さの高い少なくとも1つの凸部を設けたものとし、連結される歯付ベルトの各端部の背面側に重ね合わされ、歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる歯付ベルトの歯面側へ屈曲可能な挟持片部を連設し、係合片部に重ね合わされた歯付ベルトの各端部の背面の凸部と係合する係合凹部を設け、幅方向両側の挟持片部を、係合凹部に凸部を係合させた歯付ベルトの歯面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と係合片部との間に歯付ベルトの各端部を挟持することにより、歯付ベルトを簡単に連結することができ、かつ汎用性のあるものとした。
【0013】
前記係合片部の係合凹部を、無底の貫通凹部とすることにより、歯面の歯または背面の凸部の高さと無関係にこれらを係合させることができ、より汎用性を高めることができる。また、係合凹部の加工も容易にすることができる。
【0014】
前記歯付ベルト用継手を形成する素材を塑性または熱可塑性を有するものとし、前記歯付ベルトに重ねるように屈曲させた幅方向両側の挟持片部を、加圧または熱加圧することによって、前記歯付ベルトの各端部を挟持することにより、歯付ベルトをがたつきなく強固に連結することができる。
【0015】
また、本発明の歯付ベルトは、上述したいずれかの歯付ベルト用継手で端部同士を連結した構成を採用することにより、簡単にループ状に形成できるものとした。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る歯付ベルト用継手は、歯付ベルトを片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設けたものとし、連結される歯付ベルトの各端部の歯面側に重ね合わされ、歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる歯付ベルトの背面側へ屈曲可能な挟持片部を連設して、係合片部に重ね合わされた歯付ベルトの各端部の歯面の歯と係合する少なくとも1つずつの係合凹部を設け、幅方向両側の挟持片部を、係合凹部に歯を係合させた歯付ベルトの背面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と係合片部との間に歯付ベルトの各端部を挟持するようにしたので、歯付ベルトを簡単に連結することができ、かつ汎用性のあるものとすることができる。
【0017】
また、本発明に係る歯付ベルト用継手は、歯付ベルトを、片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設け、背面側の端部に歯面の歯よりも高さの高い少なくとも1つの凸部を設けたものとし、連結される歯付ベルトの各端部の背面側に重ね合わされ、歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる歯付ベルトの歯面側へ屈曲可能な挟持片部を連設し、係合片部に重ね合わされた歯付ベルトの各端部の背面の凸部と係合する係合凹部を設け、幅方向両側の挟持片部を、係合凹部に凸部を係合させた歯付ベルトの歯面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と係合片部との間に歯付ベルトの各端部を挟持する構成も採用したので、歯付ベルトを簡単に連結することができ、かつ汎用性のあるものとすることができる。この歯付ベルト用継手は、例えば、プリンタのキャリッジに用いられる歯付ベルトのように、歯のピッチが細かく、歯の高さが低いものであっても、係合凹部に高さの高い凸部を係合させて、強固に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)、(b)は、それぞれ第1の実施形態の歯付ベルトと歯付ベルト用継手を示す外観斜視図
【図2】(a)は図1の歯付ベルトを歯付ベルト用継手で連結する過程を示す縦断面図、(b)は(a)のIIb−IIb線に沿った断面図
【図3】(a)は図1の歯付ベルトを歯付ベルト用継手で連結した状態を示す縦断面図、(b)は(a)のIIIb−IIIb線に沿った断面図
【図4】(a)は図3で連結された歯付ベルトの歯面側からの平面図、(b)は(a)の背面側からの平面図
【図5】第2の実施形態の歯付ベルトを示す外観斜視図
【図6】(a)は図5の歯付ベルトを歯付ベルト用継手で連結する過程を示す縦断面図、(b)は(a)のVIb−VIb線に沿った断面図
【図7】(a)は図5の歯付ベルトを歯付ベルト用継手で連結した状態を示す縦断面図、(b)は(a)のVIIb−VIIb線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は、第1の実施形態を示す。図1(a)は歯付ベルト1を、図1(b)は、歯付ベルト1の端部同士を連結する歯付ベルト用継手10を示す。この直線状の歯付ベルト1は、片面側の歯面1aに長手方向と直交する歯2が所定ピッチで設けられており、後述するように、端部同士が歯付ベルト用継手10で連結されて、歯付プーリ(図示省略)に巻回されるように歯面1aを内側に向けてループ状に形成される。
【0020】
前記歯付ベルト用継手10は塑性変形可能な金属板で形成されており、連結される歯付ベルト1の各端部の歯面1a側に重ね合わされ、歯付ベルト1の幅よりも広幅に形成された2つの係合片部11と、各係合片部11の幅方向両側に、係合片部11と重ね合わされる歯付ベルト1の背面1b側へ屈曲可能に連設された挟持片部12とからなり、2つの係合片部11が、中央部でくびれた形状の連結部13によって長手方向に連結されている。連結部13は任意の形状とすることができ、くびれのないストレートな形状であってもよい。また、連結部13は省略することもできる。
【0021】
前記各係合片部11の表面側には、長手方向と直交するように延びる複数の係合凹部14が、重ね合わされる歯付ベルトの各端部の歯面1aの歯2と係合するように、歯付ベルト1の歯2と同じピッチで設けられている。これらの係合凹部14は、無底で裏面側へ貫通する貫通凹部とされており、各係合片部11に10個ずつ設けられている。係合凹部14の個数は、各係合片部11に少なくとも1個ずつ、合計2個以上あればよく、各係合片部11に3〜10個程度設けるのが好ましい。
【0022】
前記各挟持片部12は、歯付ベルト1の幅よりも広い各係合片部11の幅方向両端部から、係合凹部14が設けられた表面側へ幅方向内方に向いて傾斜するように立ち上がっている。各挟持片部12の幅は、歯付ベルト1の幅の半分よりも狭く形成されている。
【0023】
以下に、前記歯付ベルト1の各端部を歯付ベルト用継手10で連結する過程を説明する。まず、図2(a)、(b)に示すように、各係合片部11の表面側に歯付ベルト1の各端部の歯面1aを重ね合わせて、各係合凹部14に歯2を係合させる。こののち、幅方向内方へ傾斜した各挟持片部12を、プレス等によって折り曲げるように、歯付ベルト1の背面1b側へ加圧し、図3(a)、(b)に示すように、各挟持片部12を塑性変形させて、各係合片部11と各挟持片部12との間に歯付ベルト1の各端部を挟持することにより、連結作業が完了する。
【0024】
このように、この歯付ベルト用継手10は、歯付ベルト1を簡単に連結することができる。また、歯付ベルト1の厚みが変わっても、その厚みに応じて各挟持片部12の折り曲がり位置が自然に変化するので、汎用性も優れている。さらに、各係合凹部14は貫通凹部、すなわちスリットとされているので、容易に加工することができ、歯付ベルト1の歯2の高さが変わっても、これらの歯2と係合させることができる。
【0025】
また、前記各挟持片部12をプレス等で加圧する際には、決め押しをすることにより、各挟持片部12を歯付ベルト1の背面1bに高い圧力で密着させ、歯付ベルト1の各端部を強固に挟持することができる。なお、プレスで加圧する場合は、連結部13の両側の各挟持片部12を同時に加圧して、歯付ベルト1の各端部を同時に連結することができる。
【0026】
図4(a)、(b)は、前記歯付ベルト用継手10で各端部を連結された歯付ベルト1を示す。図4(a)は歯面1a側、図4(b)は背面1b側を示す。歯付ベルト1の各端部は、各係合片部11の10個ずつの係合凹部14に歯面1aの歯2が嵌まり込み、背面1bを幅方向両側から各挟持片部12で挟持されて、強固に連結されている。
【0027】
図5乃至図7は、第2の実施形態を示す。この実施形態では、図5に示すように、歯付ベルト1の歯面1aの歯2が細かいピッチで高さの低いものとされ、背面1b側の端部に、歯2よりもピッチが大きく高さの高い10個の凸部3が、長手方向と直交して延びるように設けられている。凸部3の個数は、各端部に少なくとも1個ずつあればよく、3〜10個程度設けるのが好ましい。なお、歯付ベルト用継手10は、図1(b)に示した第1の実施形態のものと同じであり、塑性変形可能な金属板で形成されている。
【0028】
以下に、前記歯付ベルト1の各端部を歯付ベルト用継手10で連結する過程を説明する。この実施形態では、図6(a)、(b)に示すように、各係合片部11の表面側に歯付ベルト1の各端部の背面1bを重ね合わせて、各係合凹部14に凸部3を係合させる。こののち、第1の実施形態の場合と同様に、幅方向内方へ傾斜した各挟持片部12を、プレス等によって折り曲げるように、歯付ベルト1の歯面1a側へ加圧し、図7(a)、(b)に示すように、各挟持片部12を塑性変形させて、各係合片部11と各挟持片部12との間に歯付ベルト1の各端部を挟持することにより、連結作業が完了する。
【0029】
この実施形態は、例えば、プリンタのキャリッジに用いられる歯付ベルト1のように、歯2のピッチが細かく、高さが低いものに好適であり、係合凹部14に高さの高い凸部3を係合させているので、歯付ベルト1をより強固に連結することができる。
【0030】
第2の実施形態では、歯付ベルト1の背面1bの凸部3を長手方向と直交して延びる突条としたが、この凸部3は、長手方向と斜めに傾斜して延びる突条とすることもでき、各種形状の点状突部等とすることもできる。
【0031】
上述した各実施形態では、歯付ベルト用継手を金属板で形成して、その塑性変形を利用して挟持片部を折り曲げるように加圧し、係合片部と挟持片部で歯付ベルトの端部を挟持するようにしたが、歯付ベルト用継手を熱可塑性を有する樹脂板で形成し、熱加圧によって挟持片部を折り曲げるように加圧し、係合片部と挟持片部で歯付ベルトの端部を挟持することもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 歯付ベルト
1a 歯面
1b 背面
2 歯
3 凸部
10 歯付ベルト用継手
11 係合片部
12 挟持片部
13 連結部
14 係合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状の歯付ベルトの端部同士を連結する歯付ベルト用継手において、前記歯付ベルトを、片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設けたものとし、前記連結される歯付ベルトの各端部の前記歯面側に重ね合わされ、前記歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部と、この係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる前記歯付ベルトの背面側へ屈曲可能に連設された挟持片部とからなり、前記係合片部に、前記重ね合わされた歯付ベルトの各端部の歯面の歯と係合する少なくとも1つずつの係合凹部を設け、前記幅方向両側の挟持片部を、前記係合凹部に歯を係合させた歯付ベルトの背面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と前記係合片部との間に、前記歯付ベルトの各端部を挟持するようにしたことを特徴とする歯付ベルト用継手。
【請求項2】
直線状の歯付ベルトの端部同士を連結する歯付ベルト用継手において、前記歯付ベルトを、片面側の歯面に長手方向と直交する歯を設け、背面側の端部に前記歯面の歯よりも高さの高い少なくとも1つの凸部を設けたものとし、前記連結される歯付ベルトの各端部の前記背面側に重ね合わされ、前記歯付ベルトの幅よりも広幅に形成された係合片部と、この係合片部の幅方向両側に、係合片部と重ね合わされる前記歯付ベルトの歯面側へ屈曲可能に連設された挟持片部とからなり、前記係合片部に、前記重ね合わされた歯付ベルトの各端部の背面の前記凸部と係合する係合凹部を設け、前記幅方向両側の挟持片部を、前記係合凹部に凸部を係合させた歯付ベルトの歯面側に重ねるように屈曲させて、これらの幅方向両側の挟持片部と前記係合片部との間に、前記歯付ベルトの各端部を挟持するようにしたことを特徴とする歯付ベルト用継手。
【請求項3】
前記前記係合片部の係合凹部を、無底の貫通凹部とした請求項1または2に記載の歯付ベルト用継手。
【請求項4】
前記歯付ベルト用継手を形成する素材を塑性または熱可塑性を有するものとし、前記歯付ベルトに重ねるように屈曲させた幅方向両側の挟持片部を、加圧または熱加圧することによって、前記歯付ベルトの各端部を挟持するようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の歯付ベルト用継手。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の歯付ベルト用継手で端部同士を連結したことを特徴とする歯付ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−117614(P2012−117614A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268208(P2010−268208)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)