説明

歯列矯正用接着剤を識別する方法

本発明は、歯牙構造上の歯列矯正用接着剤を識別する方法を提供し、その方法は、歯列矯正用接着剤又は歯牙構造を含む表面の染色を選択的に含む。歯列矯正用装置を歯牙構造に接着する、及び歯牙構造から剥離する方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
歯列矯正治療は、位置異常の歯を歯列矯正的に正しい位置に移動させることを含む。ブラケットとして知られる、小さな歯列矯正用装置は、前歯、犬歯、及び小臼歯に固定され、アーチワイヤは歯の望ましい位置に移動を導く軌道を形成する。以前は、各歯列矯正装置を金属バンドに溶接又はろう着することにより、歯に歯列矯正装置を固定し、次いで望ましい歯に定置していた。しかし、近年は、ブラケットを歯表面に直接接着することが好ましくなっている。直接接着法は、金属バンドの使用を最小限に抑え、従って歯列矯正治療に付随することの多い「金属のような口(metallic mouth)」の外観を取り除く。
【0002】
接着法の使用は、通常、工程のなかでも特に、ある量の歯列矯正用接着剤をブラケットに定置する工程、ブラケットを望ましい歯、好ましくは事前調整した歯に適用する工程、及び過剰な歯列矯正用接着剤を取り除く工程を必要とする場合がある。従来の歯列矯正用接着剤は、通常、透明であるか、又は色素を含有し、それにより歯列矯正用接着剤を白色又は歯の色にする。十分な、しかし過剰ではない量の歯列矯正用接着剤を用いて、歯表面にブラケットを接着することが望ましい。歯上の過剰な歯列矯正用接着剤は、最終的には細菌の蓄積場所となる可能性がある。歯列矯正治療は18〜36カ月、又はそれ以上続くため、細菌の蓄積は歯に損傷を与え、歯列矯正用接着剤を変色させる可能性があり、それらはともに望ましくない場合がある。歯列矯正用接着剤に対比色が存在しないことにより、歯列矯正用接着剤の色と歯の色が類似している場合、歯表面から過剰な歯列矯正用接着剤を取り除くことは困難である場合がある。
【0003】
接着強度の強い歯列矯正用接着剤では、他の問題を生じる場合もある。例えば、歯列矯正治療過程で最も困難な局面の一つは、治療完了後にブラケットを取り外すことである場合がある。特定の剛性ブラケットと併用する特定の接着剤が、一部の剥離条件下でエナメル質を破壊し得ることは、業界では公知である。結果として、多くの市販セラミックブラケットは、ブラケットと接着剤の間の接合面で接着せず、剥離過程中の歯表面の損傷を防止するよう設計されてきた。このやり方では、ブラケットを取り外した後、大部分の硬化した接着剤パッドが歯表面の陰に残される。典型的に強力で、厳重に架橋した接着剤パッドを除去することは、臨床医にとって時間の浪費であり、患者にとっては不快である場合がある。
【0004】
歯列矯正用接着剤に対比色が存在しないことにより、硬化した歯列矯正用接着剤の色と歯の色が類似している場合、未硬化歯列矯正用接着剤と同様に、硬化した歯列矯正用接着剤を歯表面から除去することは困難である場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
未硬化及び/又は硬化した歯列矯正用接着剤と歯表面を有効に区別し、施術者が歯列矯正用接着剤を容易に除去できる方法に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある様態では、本発明は、歯牙構造上の歯列矯正用接着剤を識別する方法を提供する。ある実施形態では、方法は、歯列矯正用接着剤又は歯牙構造を含む表面を選択的に染色することを含む。好ましくは、方法は、着色表面及び非着色又は薄着色表面(本明細書で使用する時、「薄着色」表面とは、隣接する着色表面より薄い色の表面を意味する)を形成するための染色を選択的に含む。着色及び/又は非着色又は薄着色表面は、過剰な歯列矯正用接着剤を視覚的に識別し、当該技術分野において既知の方法によりそれを除去するのを補助するのに有用であり得る。
【0007】
幾つかの実施形態では、着色剤を含む歯列矯正用検出組成物を、歯列矯正用接着剤(例えば、硬化した又は未硬化の)又は歯牙構造を含む表面の染色に選択的に用いてよい。当該技術分野において既知の多様な適用方法によって、歯列矯正用検出組成物(例えば、溶液、分散液、又は懸濁液)を、歯列矯正用接着剤の少なくとも一部及び/又は歯牙構造の少なくとも一部に適用してよい。
【0008】
別の様態では、本発明は、歯表面に歯列矯正用装置を接着する方法を提供する。方法は、歯列矯正用装置を歯牙構造に接着するための基部を備える歯列矯正装置と、その基部上の歯列矯正用接着剤を提供すること;歯列矯正用装置の基部を歯牙構造に適用すること;及び歯列矯正用接着剤又は歯牙構造を含む表面を選択的に染色することを含む。好ましくは、方法は、着色表面及び非着色又は薄着色表面を提供するための選択的染色を含む。着色及び/又は非着色又は薄着色表面は、過剰な歯列矯正用接着剤、それは次いで除去されるのであるが、を視覚的に識別するのに有用であり得る。幾つかの実施形態では、着色剤を含む歯列矯正用検出組成物を、歯列矯正用接着剤(例えば、硬化した又は未硬化の)又は歯牙構造を含む表面の選択的染色に用いてよい。
【0009】
別の様態では、本発明は、歯牙構造から歯列矯正用装置を剥離する方法を提供する。方法は、歯列矯正用装置を歯牙構造に接着するための基部を備える歯列矯正用装置とその基部上の歯列矯正用接着剤を提供すること、歯列矯正用装置の基部を歯牙構造に適用すること;歯列矯正用接着剤を硬化すること、歯列矯正用装置を歯牙構造から取り除き歯牙構造上に硬化した歯列矯正用接着剤残留物を有する歯牙構造を提供すること、及び歯列矯正用接着剤残留物又は歯牙構造を含む表面を選択的に染色することを含む。好ましくは、方法は、着色表面及び非着色又は薄着色表面を提供するための染色を選択的に含む。着色及び/又は非着色又は薄着色表面は、次に除去されることができる、歯列矯正用接着剤残留物を視覚的に識別するのに有用であり得る。幾つかの実施形態では、着色剤を含む歯列矯正用検出組成物を、硬化した歯列矯正用接着剤残留物又は歯牙構造を含む表面の選択的染色に用いることができる。
【0010】
有利なことに、本発明は、使用が容易であり、歯及び歯列矯正用接着剤を含む表面の選択的染色に有効である方法を提供する。さらに、本発明は、適用が容易で、必要な場合再適用してもよい歯列矯正用検出組成物を用いる。歯列矯正用検出組成物は、例えばL−ポップ型パッケージ(米国特許第6,105,761号(ポイカー(Peuker)ら)に記載されたような)、小型噴霧瓶、小型バイアル瓶、ブラシ、予投与塗布器(pre-dosed applicator)(米国特許第6,413,087号(ペトリッチ(Petrich)ら)及び同第4,952、204号(コルトベーグ(Korteweg)に記載されたような)、トレイ、及びペンを含む、多様な単位用量及び/又は多用量塗布器により適用されてよい。好ましくは、歯列矯正用検出組成物は水性であり、そのため調製、適用、清浄を容易にし、且つ、歯肉部への刺激を少なくすることが可能である。さらに、当業者が構成成分を容易に選択し、望ましい特性(例えば、粘度、色の濃さ、及び光感受性)を実現することができる。
【0011】
本発明の方法の他の利点としては、例えば、歯列矯正用検出組成物の製造の容易性、通常の室内灯下での歯列矯正用接着剤及び歯牙構造の優れた視覚的区別、適用及び清浄の容易性、並びに刺激が最小限であることを挙げることができる。
【0012】
定義
本明細書で使用する時、「歯列矯正用装置」とは、歯列矯正用ブラケット、バッカルチューブ、舌固定装置、歯列矯正用バンド、開口器(bite openers)、ボタン、及びクリートが挙げられるが、これらに限定されない、歯牙構造に接着することを目的とするいずれかの装置を指す。装置は、接着剤を受容するための基部を有し、それは金属、プラスチック、セラミック、又はこれらの組み合わせから製造されるフランジであってよい。或いは、基部は、硬化した接着層(即ち、単層又は多層接着剤)から形成される特注基部であることができる。
【0013】
本明細書で使用する時、「歯牙構造」とは、例えば、天然及び人工の歯表面、骨、歯型等を含む表面を指す。
【0014】
本明細書で使用する時、「硬化性」とは、例えば、(例えば蒸発及び/又は加熱による)溶媒の除去、重合及び/若しくは架橋を誘導するための加熱、重合及び/若しくは架橋を誘導するための照射により、並びに/又は重合及び/若しくは架橋を誘導するための1以上の成分の混合により、硬化(例えば、重合又は架橋)又は固化し得る物質又は組成物を記述するものである。「混合」は、例えば、2以上の部分を組み合わせ、混合し、均質な組成物を形成することにより実施することができる。或いは、2以上の部分を、接合面で(例えば、自然発生的に又は剪断応力の適用により)相互混合(intermix)する分離層として提供し、重合を開始させてもよい。
【0015】
本明細書で使用する時、「硬化した」とは、硬化(例えば、重合又は架橋)又は固化した物質又は組成物を指す。
【0016】
本明細書で使用する時、「硬化剤」とは、樹脂の硬化を開始させるものを指す。硬化剤としては、例えば、重合開始剤系、光開始剤系、及び/又はレドックス開始剤系を挙げることができる。
【0017】
本明細書で使用する時、「光退色性」とは、化学線に曝露した際の色の消失を指す。
【0018】
本明細書で使用する時、「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレート、メタクリレート、又はこれらの組み合わせへの言及を略したものであり、「(メタ)アクリル」はアクリル、メタクリル、又はこれらの組み合わせへの言及を略したものである。
【0019】
「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」及び「1以上の」という語句は、本明細書で互換的に使用される。
【0020】
本明細書で使用する時、端点による数値範囲の列挙には、その範囲内に包含されるすべての数(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、等)が包含される。
【0021】
本明細書で使用する時、「含む」という用語及びその変化形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲で用いられた場合、制限的な意味を有しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、歯牙構造上の歯列矯正用接着剤を識別する方法を提供する。方法は、歯列矯正用接着剤又は歯牙構造を含む表面の染色を選択的に含む。幾つかの実施形態では、選択的染色は、着色剤を含む歯列矯正用検出組成物を、歯列矯正用接着剤の少なくとも一部及び歯牙構造の少なくとも一部に適用することを含む。
【0023】
歯列矯正用検出組成物の使用は、(化学線に曝露する前に)歯列矯正用接着剤及び/又は歯に色を与え、それにより施術者が、歯から未硬化及び/又は硬化した歯列矯正用接着剤を除去するのを補助することができる。方法は、施術者が、歯列矯正用装置を歯牙構造に適用する際の過剰な接着剤を除去するだけでなく、歯列矯正用装置の剥離後、歯牙構造上の硬化した歯列矯正用接着剤残留物を除去するのにも特に有用である場合がある。
【0024】
歯列矯正用検出組成物は、好ましくは、歯列矯正用接着剤と歯の間に色の対比をもたらすことができる。好ましくは、歯列矯正用検出組成物は、歯肉、舌、及び頬のような軟組織に刺激を与えない。有用な初期色としては、例えば、ピンク、赤、青、オレンジ、及び緑を挙げることができ、これらは歯に対して良好な色対比をもたらす傾向がある。
【0025】
ある実施形態では、本発明は、光安定性であってよい歯列矯正用検出組成物を用いて、歯牙構造上の歯列矯正用接着剤を識別する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、光及び/又はpH変化に曝露した際光退色することがある歯列矯正用検出組成物を用いて、歯牙構造上の歯列矯正用接着剤を識別する方法を提供する。歯列矯正用検出組成物はまた、例えば、増感剤、反応開始剤、及び電子供与性化合物が挙げられる任意成分を含有し、色変化能を付与してもよい。歯列矯正医が、標準的な診療室条件下、即ち標準的な照明、22℃〜26℃の室温、及び35%RH〜65%RHの標準的な相対湿度(RH)下で、歯列矯正用検出組成物を用いて作業している間、歯列矯正用検出組成物は実質的に退色(例えば、目に見える退色)しないことが好ましい。換言すれば、歯列矯正用検出組成物は、歯列矯正医が使用している間、初期色の実質的に全て(比色計を用いて測定した場合、少なくとも30%、好ましくは80%)を保持すべきである。典型的な作業時間は、典型的には歯一本あたり2分〜10分の範囲である。
【0026】
歯列矯正用検出組成物は、これは通常溶液、分散液、又は懸濁液であるが、当該技術分野において既知の多様な適用方法によって、歯列矯正用接着剤の少なくとも一部、及び/又は歯牙構造の少なくとも一部に適用してよい。有用な適用方法としては、例えば、ブラッシング、噴霧、浸漬、及びスポンジ、ペン等の塗布器の使用が挙げられる。
【0027】
歯列矯正用検出組成物は、直接又は間接接着系のいずれかを用いた未硬化及び/又は硬化した歯列矯正用接着剤を含む、多様な歯列矯正用接着剤上に用いることができる。これらの歯列矯正用接着剤としては、例えば、親水性歯列矯正用接着剤、疎水性歯列矯正用接着剤、セメント、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0028】
好適な親水性歯列矯正用接着剤としては、例えば、3M APC PLUS(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))、ASSURE接着剤及び封止剤(イリノイ州アイタスカ(Itasca)のリライアンス・オーソドンティック・プロダクツ社(Reliance Orthodontic Products, Inc)、3Mマルチキュア(MULTICURE)グラス・アイオノマー・セメント(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))、FUJI ORTHO LC(イリノイ州アスリップ(Aslip)のGCアメリカ社(GC America Inc.)等の取引表記で入手可能なものを挙げることができる。
【0029】
好適な疎水性歯列矯正用接着剤としては、例えば、3Mトランスボンド(TRANSBOND)XT(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))、APCII(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))、ORMCO ENLIGHT(カリフォルニア州オレンジのシブロン・デンタル・スペシャリティーズ(Sybron Dental Specialties)、ライトボンド(LIGHT BOND)(イリノイ州アイタスカ(Itasca)のリライアンス・オーソドンティック・プロダクツ社(Reliance Orthodontic Products, Inc)、トランスボンド(TRANSBOND)LR(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))、コンサイス(CONCISE)(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))、及びユナイト(UNITE)(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))の取引表記で入手可能なものを挙げることができる。
【0030】
典型的に、歯列矯正用検出組成物は着色剤を含み、任意に、例えば、増感剤、反応開始剤及び/又は電子供与性化合物を含んでよい。歯列矯正用検出組成物は、水及び/若しくは溶媒を含む溶液、分散液並びに/又は懸濁液であってよい。好適な溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、アセトン、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0031】
本明細書内で開示された歯列矯正用検出組成物は、任意に、例えば、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の水及び/又は1以上の溶媒を含んでよい。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、水及び/又は溶媒を、少なくとも1重量%、時に少なくとも5重量%、10重量%、30重量%、50重量%、70重量%、又は90重量%さえ含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、水及び/又は溶媒を、最大99重量%、時に最大98重量%、95重量%、又は92重量%でさえ含む。
【0032】
着色剤
本発明は、着色剤の使用を通して歯列矯正用接着剤及び/又は歯に色を付与する歯列矯正用検出組成物を使用し、歯列矯正用接着剤及び歯を選択的に染色する方法を提供する。幾つかの実施形態では、任意の増感剤及び/又は反応開始剤及び/又は電子供与性化合物は、歯列矯正用検出組成物に幾つかの色を提供することができる。幾つかの実施形態では、増感剤は、光活性化をもたらし、歯列矯正用検出組成物に色を付与するという二重の目的を果たすことができる。他の実施形態では、光安定性着色剤は単独で用いてもよく、又は例えば、増感剤、反応開始剤及び/又は電子供与性化合物が挙げられる任意成分とともに用いてもよい。
【0033】
歯列矯正用検出組成物は、通常、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の1以上の着色剤を含む。このような組成物は、典型的に、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、着色剤を、少なくとも0.0005重量%、時に少なくとも0.01重量%、他の場合には少なくとも0.1重量%含む。このような組成物は、通常、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、着色剤を、最大10重量%、時に最大5重量%、1重量%、又は最大0.25重量%さえ含む。選択された着色剤の量は、その吸光係数、ヒトの目の初期色認識能、及び歯列矯正用接着剤と歯間の望ましい色対比に応じて変動してよい。選択された着色剤の量は、望ましい色を得るために有効な量であるべきである。
【0034】
着色剤は、例えば、色素、染料(パルマー(PALMER)及びリキティント(LIQUITINT)の取引表記で、サウスカロライナ州スパータンバーグ(Spartanburg)のミリケン・アンド・カンパニー(Milliken & Company)から入手可能であるもののような高分子染料を含む)、又はこれらの組み合わせであってよい。食品、医薬品及び化粧品用等級の着色剤が好ましい。歯列矯正用検出組成物中の着色剤は、例えば、反応性又は光退色性であってよい。非反応性着色剤を単独で用いて、又は反応性若しくは光退色性着色剤と併用して、所望の色を得ることができる。幾つかの実施形態では、水によって容易に除去できるため、水溶性着色剤が好ましい。
【0035】
歯列矯正用検出溶液が光退色性染料を含む実施形態では、光退色性染料の色形成及び退色特性は、例えば、酸強度、誘電率、極性、酸素量、大気中の水分含量のようなさまざまな要因に応じて変動してよい。歯列矯正用検出組成物に放射線を照射し、色の変化を評価することにより、染料の退色特性を容易に測定できる。
【0036】
歯列矯正用検出組成物に色を付与することがある好適な着色剤としては、例えば、メチレンブルー、アマランス、エリスロシン、フロシン(floxine)、ローズベンガル、アシッドレッド、タルトラジン、サンセットイエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリリアントブルーFCF、インディゴカルミン、フェノールフタレイン、スルホフタレイン、エールバイオレット、メチルオレンジ、フルオレセイン、メチルバイオロジン、インドフェノール、ジムロスベタイン、ブロメオシンY、ラウダミンB、チオニン、ニュートラルレッド、トルイジンブルーO、インドシアニングリーン、スルホブロモフタレイン、ウラニン、リトールルビンB、レーキレッドC、リトールレッド、テトラクロロテトラブロモフルオレセイン、ブリリアントレーキレッドR、ディープマルーン、トルイジンレッド、テトラブロムフルオレセイン、ファストアシッドマゼンタ、パーマネントレッド、ジブロムフルオレセイン、パーマネントオレンジ、ウラニン、キノンイエロー、アリザリンシアニングリーンF、キニザリングリーンSS、ライトグリーンSFイエロー、パテントブルーNA、カーバスレンブルー、レゾルシノールブラウン、アリザリンパープルSS、ブリリアントファストスカーレット、パーマネントレッドF5R、ポンセオ(Ponceaux)SX、ファストレッドS、オイルオレンジSS、ポラーイエロー5G、ファストライトイエロー3G、ナフトールグリーンB、ギニアグリーンB、スーダンブルーB、アリザロールパープル、ナフトールブルーブラック、クロシン、クロシンブルー、オレンジパプリカ、クロロフィル、カルタミン、サフラワーイエロー、ビートレッド、ダイレクトファストイエローGC、ダイレクトファストオレンジ、ダイレクトファストスカーレット4BS、ファストレッド6BLL、ダイレクトスカイブルー5B、ダイレクトファストターコイズブルーGL、ダイレクトカッパーブルー2B、コプランチンブルーG、ダイレクトファストブラックD、ミリングイエローO、アシッドブリリアントスカーレット3R、アシッドバイオレット5B、アリザリンダイレクトブルーA2G、アシッドシアニン6B、アシッドシアニン5R、アシッドシアニングリーンG、ミリングブラウン3G、アシッドファストブラックVLG、アシッドブラックWA、カチオンイエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL、カチオンフラビン10G、カチオンイエロー5GL、カチオンオレンジR、カチオンブラウン3GL、カチオンピンFG、カチオンブリリアントレッド4G、カチオンレッドGTL、カチオンレッドBLH、カチオンレッド6B、カチオンレッド5B、カチオンブルーGLH、カチオンネイビーブルーRHL、アリザリン、クロムファストブルーMB、クロムファストブラウンKE、クロムブラックP2B、クロムブラックT、ファストスカーレットGベース、ナフトールAS、ナフトールAS−G、バットイエローGCN、バットオレンジRRTS、インディゴ、バットブルーRSN、バットブルーBC、バットブリリアントグリーンFFB、バットオリーブグリーンB、バットオリーブT、バットブラウンR、バットグレイM、ディスパースファストイエローG、ディスパースピンクRF、ディスパースブルーFFR、ディスパースブルーグリーンB、ディスパースイエロー5G、ディスパースゴールデンイエローGG、ディスパースイエローRL、ディスパースイエロー3G、ディスパースオレンジB、ディスパースイエローブラウン2R、ディスパースファストルビー3B、ディスパースファストレッドFB、ディスパースレッドFL、ディスパースレッドGFL、ディスパースブリリアントピンクREL、ディスパースバイオレットHFRL、ディスパースブルーFB、ディスパースターコイズブルーGL、ディスパースネイビーブルー2GL、ディスパースディベロッパー、エリトロシンイエロウィッシュブレンド蛍光増白剤WG、蛍光増白剤ERN、蛍光増白剤AT、蛍光増白剤SA、ソルベントオレンジG、ソルベントファストイエロー3RE、ソルベントファストレッドB、ソルベントファストブルーHFL、リアクティブイエロー3G、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブスカーレット2G、リアクティブブルー3G、リアクティブブルーR、リアクティブブルーBR、リアクティブターコイズGF、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックB、ファストイエローG、ファストイエロー10G、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾイエローAAMX、フラバンイエロー、クロモフタルイエローGR、メチンイエローGR、メチンイエロー、サンセットイエローレーキ、アントラピリミジンイエロー(anthrapyrimidine yellow)、イソインドリノンイエローR、キノフタロンイエロー、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ジアニジンオレンジ、ペルシアンオレンジレーキ、ベンズイミダゾロンオレンジHL、ペリノンオレンジ、ピラントロン(pyranthrone)オレンジ、パラレッド、ナフトールレッドFRR、トルイジンレッド、ナフトールカルミンFB、ナフトールレッドM、ナフトールレッドBS、ナフトールレッドRN、ピラゾロンレッド、パーマネントレッド2B、リトールレッド、レーキレッドC、レーキレッドC、ブリリアントカルミン6B、ブリリアントカルミン3B、ボルドー10B、ボンマルーンM、ブリリアントスカーレットG、ローダミン6Gレーキ、マダーレーキ、チオインディオボルドー、ナフトールレッドFGR、ブリリアントカルミンBS、キナクリドンマゼンタ、ペリレンバーミリアン、ナフトールカルミンFBB、ペリレンレッドBL、クロモフタルスカーレット、アントロンレッド、ナフトールレッドF5RK、エリトロシンレーキ、ジアントラキノリルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、ベンズイミダゾロンカルミンHF4C、ペリレンスカーレット、アマランスレーキ、キナクリドンレッドE、ピラントロンレッド、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、アリザリンマルーンレーキ、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、チオインディゴマゼンタ、ビクトリアブルーレーキ、ビクトリアブルー6Gレーキ、フタロシアニンブルー、アルカリブルーG、インダントロンブルー、ブリリアントグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーン6Y、ベンズイミダゾロンブラウンHFR、アニリンブラック、ジアリライドイエローH10G、ジアリライドイエローHR、カルバゾールバイオレット、メタクレゾールパープル、ブロモフェノールブルー、クリスタルバイオレット、ゲンチアナバイオレット、ブロモクレゾールグリーン、ブロモチモールブルー、FD&C染料(例えば、FD&Cブルー1、FD&Cレッド3、及びFD&Cレッド40)、アルミナレーキ、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。追加の着色剤としては、国際公開特許第2004/069944号(クワン(Kwan)ら)及び同第2004/072194号(クワン)に開示されているものが挙げられる。
【0037】
好ましい着色剤としては、エリトロシンイエロウィッシュブレンド、FD&Cブルー1、ローズベンガル、メチレンブルー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
光退色性染料を用いた場合、歯列矯正用検出組成物の色変化は、光により開始されてもよい。好ましくは、歯列矯正用検出組成物の色変化は、例えば、十分な時間、可視光又は近赤外光(IR)を放射する歯科用照明を用いて開始される。
【0039】
本発明による着色剤として色素を用いる場合、色素分散剤を併用してよい。用いることができる色素分散剤としては、例えば、ポリマー分散剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
任意の添加剤
本明細書で開示されたような歯列矯正用検出組成物は、任意に、例えば、増感剤、反応開始剤、及び/又は電子供与性化合物を含んでよい。
【0041】
増感剤
任意の増感剤の選択は、着色剤、反応開始剤及び電子供与性化合物の存在にある程度依存してよい。好ましくは、増感剤は、400〜1200nm、より好ましくは400〜700nm、及び最も好ましくは400〜600nmの波長の範囲内のいずれかで光を吸収することが可能である。
【0042】
増感剤は、染料又は色素着色剤に加えて、着色剤として作用することがある。例えば、カンファーキノンは本発明の物質に黄色を付与し、ローズベンガルは物質に赤色を付与することがある。或いは、増感剤は、光退色に作用する、及び/又は、本発明の物質に光退色した色を付与することがる。
【0043】
好適な増感剤としては、例えば、ケトン類、クマリン染料(例えば、ケトクマリン類)、キサンテン染料、フルオロンアクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン類、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリルメタン類、メロシアニン類、スクアリリウム染料、及びピリジニウム染料の範疇の化合物を挙げることができる。キサンテン染料としては、例えば、分子構造がキサンテンに関連し、45000〜45999の範囲の色度指数を有する染料を挙げることができる。ケトン類(例えば、モノケトン類又はα−ジケトン類)、ケトクマリン類、アミノアリールケトン類、及びp−置換アミノスチリルケトン化合物が、好ましい増感剤である。
【0044】
例えば、好ましい部類のケトン増感剤は、以下の式を有する。
【0045】
ACO(X)
式中、XはCO又はCR(R及びRは同一でも異なってもよく、水素、アルキル、アルカリール又はアラルキルであってよい)であり、bは0又は1であり、A及びBは同一でも異なってもよく、置換(1以上の不干渉置換基を有する)若しくは非置換アリール、アルキル、アルカリール、若しくはアラルキル基であってよく、又はA及びBは、置換若しくは非置換脂環式、芳香族、複素芳香族若しくは縮合芳香環であってよい環状構造を形成してよい。
【0046】
上記式の好適なケトン類としては、例えば、2,2−、4,4−又は2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ジ−2−ピリジルケトン、ジ−2−フラニルケトン、ジ−2−チオフェニルケトン、ベンゾイン、フルオレノン、カルコン、ミヒラーケトン、2−フルオロ−9−フルオレノン、2−フロロチオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−又は2−アセトナフトン、9−アセチルアントラセン、2−、3−又は9−アセチルフェナアントレン、4−アセチルビフェニル、プロピオフェノン、n−ブチロフェノン、バレロフェノン、2−、3−又は4−アセチルピリジン、3−アセチルクマリン、及びこれらの組み合わせのようなモノケトン類(b=0)を挙げることができる。
【0047】
好適なジケトン類としては、例えば、アントラキノン、フェナントレンキノン、o−、m−及びp−ジアセチルベンゼン、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−及び1,8−ジアセチルナフタレン、1,5−、1,8−及び9,10−ジアセチルアントラセン、及びこれらの組み合わせのようなアラルキルジケトン類を挙げることができる。
【0048】
好適なα−ジケトン類(b=1及びX=CO)としては、例えば、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、ベンジル,2,2’−3,3’−及び4,4’−ジヒドロキシルベンジル,フリル,ジ−3,3’−インドリルエタンジオン、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、ビアセチル,1,2−シクロヘキサンジオン、1,2−ナフタキノン、アセナフタキノン、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。好ましい増感剤は、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)である。幾つかの実施形態では、増感剤は検出組成物中の着色剤であってよい。
【0049】
歯列矯正用検出組成物は、任意に、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の1以上の増感剤を含んでよい。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、さらにより好ましくは少なくとも0.4重量%の増感剤を含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、最大5重量%、時に最大1重量%、及び他の場合には最大0.75重量%の増感剤を含む。
【0050】
反応開始剤
任意の反応開始剤の選択は、選択された着色剤、増感剤、及び電子供与性化合物にある程度依存してよい。
【0051】
好適な反応開始剤としては、例えば、モノ及びビス−アシルホスフィンオキシド類を挙げることができる。これらの反応開始剤としては、例えば、商標名イルガキュア(IRGACURE)819、2005、2010、及び2010(ニュージャージー州タリータウン(Tarrytown)のチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals))として入手可能なものを挙げることができる。
【0052】
好適な反応開始剤としてはまた、例えばヨードニウム塩類を挙げることができる。好適なヨードニウム塩類は、米国特許第3,729,313(スミス)、同第3,741,769号(スミス)、同第3,808,006号(スミス)、同第4,250,053号(スミス)、及び同第4,394,403号(スミス)に記載されている。ヨードニウム塩は、単塩(例えば、Cl、Br、I、CSO、CSOのような陰イオンを含有する)又は金属錯体塩(例えば、AsF、SbF、及び/又はこれらの部分的に加水分解された形態、例えば、SbFOH)であってよい。必要に応じて、ヨードニウム塩類の混合物を用いてよい。好ましいヨードニウム塩類としては、例えば、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0053】
歯列矯正用検出組成物は、任意に、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の1以上の反応開始剤を含んでよい。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、少なくとも0.05重量%、特に少なくとも0.25重量%、及び他の場合少なくとも0.7重量%の反応開始剤を含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、最大5重量%、時に最大1重量%、さらに他の場合最大0.8重量%の反応開始剤を含む。
【0054】
電子供与性化合物
特定の電子供与性化合物の選択は、選択された着色剤、増感剤、及び反応開始剤にある程度依存してよい。好適な電子供与性化合物としては、例えば、アミン類(例えば、アミノアルデヒド類及びアミノシラン類を含む)、アミド類(例えば、ホスホラミド類を含む)、エーテル類(例えば、チオエーテル類を含む)、尿素類(例えば、チオ尿素類を含む)、フェロセン、スルフィン酸類及びそれらの塩類、フェロシアニド塩類、アスコルビン酸及びその塩類、ジチオカルバミン酸及びその塩類、キサントゲン酸塩類、エチレンジアミン四酢酸塩類、テトラフェニルボロン酸塩類、及びトリフェニルアルキルボロン酸塩類を挙げることができる。電子供与性化合物は、非置換又は1以上の不干渉置換基で置換されてよい。好ましい電子供与性化合物は、窒素、酸素、リン、又は硫黄原子のような電子供与原子、及び、電子供与原子のα位の炭素又はケイ素原子に結合した引抜可能な(abstractable)水素原子を含有する。
【0055】
好適なアミン供与体化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、トリエタノールアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、2,4−ジメチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、o−、m−、及びp−トルイジン、ベンジルアミン、アミノピリジン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ピペラジン、4,4’−トリメチレンジピペリジン、4,4’−エチレンジピペリジン、p−N,N’−ジメチル−アミノフェンタノール及びp−N−ジメチルアミノベンゾジトリル(dimethylamxnobenzonitrile)のようなアルキル−、アリール−、アルカリール−、及びアラルキル−アミン類、p−N,N’−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−N,N’−ジエチルアミノベンズアルデヒド、9−ジュノリジンカルボキシアルデヒド及び4−モルホリノベンズアルデヒドのようなアミノアルデヒド類、並びに、トリメチルシリルモルホリン、トリメチルシリルピペリジン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、トリス(ジメチルアミノ)メチルシラン、N,N’−ジエチルアミノトリメチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシラン、トリス(メチルシリル)アミン、トリス(ジメチルシリル)アミン、ビス(ジメチルシリル)アミン、N,N’−ビス(ジメチルシリル)アニリン、N−フェニル−N−ジメチルシリルアニリン及びN,N’−ジメチル−N−ジメチルシリルアミンのようなアミノシラン類を挙げることができる。
【0056】
好適なアミド供与体化合物としては、例えば、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−フェニルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド、ヘキサエチルホスホラミド、ヘキサプロピルホスホラミド、トリモルホリノホスフィンオキシド及びトリピペリジノホスフィンオキシドを挙げることができる。
【0057】
好適なエーテル供与体化合物としては、例えば、4,4’−ジメトキシビフェニル、1,2,4−トリメトキシベンゼン及び1,2,4,5−テトラメトキシベンゼンを挙げることができる。
【0058】
好適な尿素供与体化合物としては、例えば、N,N’−ジメチル尿素、N,N−ジメチル尿素、N,N’−ジフェニル尿素、テトラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラ−n−ブチルチオ尿素、N,N−ジ−n−ブチルチオ尿素、N,N’−ジ−n−ブチルチオ尿素、N,N−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ジエチルチオ尿素を挙げることができる。
【0059】
好ましい電子供与性化合物としては、エチル−4−ジメチルアミノ安息香酸、エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0060】
歯列矯正用検出組成物は、任意に、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の1以上の電子供与性化合物を含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、少なくとも0.05重量%、時に少なくとも1重量%、さらに他の場合少なくとも2重量%の電子供与性化合物を含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、最大10重量%、時に最大5重量%、及び他の場合最大3重量%の電子供与性化合物を含む。
【0061】
任意の種々の添加剤
歯列矯正用検出組成物はまた、例えば、口腔環境での使用に好適な添加剤をさらに含んでよい。かかる追加の添加剤としては、本明細書でさらに記載するような安定剤、モノマー、オリゴマー、ポリマー及び/又は充填剤が挙げられる。
【0062】
安定剤
好適な安定剤としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、置換ベンゾフェノン、置換ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類、及びヒンダードベンゾエート類、シアソーブ(CYASORB)UVとして入手可能なもの(ニュージャージー州ウエストパターソン(West Patterson)のサイテック・インダストリーズ(Cytec Industries))、ジエチル−3−アセチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−ホスホネート、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、パラベン、レゾルシノールモノベンゾエート、stabilizers available under 取引表記チヌビン(TINUVIN)123、234、320、326、327、328、329、213(ニューヨーク州、タリータウン(Tarrytown)のチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Company)、シーソーブ(Seesorb)102、103、110、501、202、712、704(日本、大阪のシプロ化成(Shipro Kasai)、イルガノックス(IRGANOX)1010、1076、B215、B220、B225、B900、HP2215、HP2225、HP2251及びHP2921(ニューヨーク州、タリータウン(Tarrytown)のズスペシャルティー・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Company)及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0063】
歯列矯正用検出組成物は、任意に、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の1以上の安定剤を含んでよい。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、時に少なくとも0.1重量%、及び他の場合少なくとも0.5重量%の安定剤を含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、最大5重量%、時に最大2重量%、及び他の場合最大1重量%の安定剤を含む。
【0064】
モノマー、オリゴマー、及び/又はポリマー
好適なモノマーとしては、例えば、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸及びこれらの組み合わせを挙げることができる。好適なオリゴマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド類、ポリビニルアセテート、ポリ−n−ビニルピロリドン類、ポリエチレングリコールモノメタクリル酸(monomethacyrlic)エステル類、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。好適なポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド類、ポリビニルアセテート類、ポリ−n−ビニルピロリドン類、ポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル類、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0065】
歯列矯正用検出組成物は、任意に、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の1以上のモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含んでよい。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、少なくとも1重量%、時に少なくとも10重量%、及び他の場合少なくとも20重量%のモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、最大95重量%、時に最大90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、又は30重量%さえのモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含む。
【0066】
充填剤
本明細書で開示されたような歯列矯正用検出組成物は、任意に、例えば、望ましい結果物を製造するのに好適な割合の1以上の充填剤を含んでよい。好適な充填剤としては、例えば、シラン処理された及びシラン処理されていないシリカ、ジルコニア、フルオロアルミノシリケート、ヒュームドシリカ、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0067】
幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、時に少なくとも1重量%、及び他の場合少なくとも10重量%の充填剤を含む。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、歯列矯正用検出組成物の総重量を基準として、最大30重量%、時に最大20重量%、及び他の場合最大15重量%の充填剤を含む。
【0068】
追加の任意の種々の添加剤
追加の任意の種々の添加剤としては、例えば、1以上の風味剤、抗菌剤、粘度調整剤、フッ化物放出物質、pH調製剤、及び界面活性剤(例えば、米国特許出願公開第2005/0214720号(ミラノビッチ(Milanovich)ら)に開示されたような);抗苦味剤(例えば、米国特許出願公開第2005/0203207号(クレットク(Klettke)ら)に開示されたような);芳香剤(米国特許第6,528,555号(ニクトースキー(Nikutowski)ら)に開示されたような)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0069】
以下の実施例により本発明を説明する。特定の実施例、材料、量および手順が本明細書で記載された本発明の範囲および趣旨により広く解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【実施例】
【0070】
以下の実施例は例示のために与えられるが、本発明の範囲を制限するものではない。特に指示のない限り、すべての部および百分率は重量により、すべての分子量は重量平均分子量である。特に規定のない限り、用いた化学物質は全て、シグマ・アルドリッチ社(ミズーリ州セントルイス(St.Louis))から市販されている。
【0071】
【表1】

【0072】
歯列矯正用検出組成物の調製
表2に列挙したような、歯列矯正用検出組成物の構成成分A〜Kを、別々の黒色ジャーに添加し、磁気攪拌子を各ジャーに加えた。ジャーを40℃のオーブン内に15分間定置し、次いで磁性攪拌器とともに室温で一晩攪拌した。
【0073】
6滴の青色食用色素及び4滴の赤色食用色素をバイアル瓶の中で混合することにより、歯列矯正用検出溶液Lを調製した。染料を混合し、紫色濃縮物を形成した。紫色濃縮物の容量のおよそ3分の1(1/3)を別のバイアル瓶に移動し、アセトンで2回希釈し、暗紫色歯列矯正用検出溶液を得た。
【0074】
【表2】

【0075】
(実施例1〜9)
3Mユニテック社のブラシホルダーに保持された3M社の使い捨てブラシを用いて、牛歯(bovine teeth)上の未硬化3Mトランスボンド(TRANSBOND)XT歯列矯正用接着剤に、歯列矯正用検出組成物を塗布した。未硬化歯列矯正用接着剤の歯表面に対する色の許容性について、歯列矯正用検出組成物を評価した。結果を表3に示す。
【0076】
3M社の商標APC PLUS透明歯列矯正用ブラケットを、3Mトランスボンド(TRANSBOND)XT歯列矯正用接着剤を用いて牛歯に接着した。6時間後、歯列矯正用ブラケットを剥離し、牛歯に硬化した歯列矯正用接着剤パッドを利用することを可能にした。3Mユニテック社のブラシホルダーに保持された3M社の使い捨てブラシを用いて、硬化した歯列矯正用接着剤残留物に、歯列矯正用検出組成物を塗布した。歯列矯正用検出組成物を、歯列矯正用接着剤パッド及び歯表面の色の許容性について、視覚的に1〜4の等級をつけ、1は最も色の許容性が低く、4は最も色の許容性が高い。結果を表3に示す。
【0077】
歯及び硬化した歯列矯正用接着剤はともに、実施例1〜6及び9の歯列矯正用検出組成物を受容したが、実施例7及び8は受容しなかった。歯列矯正用検出組成物の塗布は、実施例8では歯に限定された。
【0078】
【表3】

【0079】
青色食用色素及び/又は赤色食用色素を含む、水性及び非水性組成物間で差異が認められた。例えば、水性及び非水性歯列矯正用検出組成物は、硬化した歯列矯正用接着剤残留物に吸着したが、水性アルコール性歯列矯正用検出組成物は、湿潤及び歯表面に付着しなかった。
【0080】
CPQ/EDMAB/DPIHFPを含有する全ての歯列矯正用検出組成物は、水性色変化系を含む、歯列矯正用接着剤残留物及び歯の両方に十分吸着した。特に、この反応開始剤系の添加により、たとえ食用色素が光感受性でなくとも、食用色素の硬化した歯列矯正用接着剤残留物への吸着が著しく改善した。理論に束縛されるものではないが、食用色素の硬化した歯列矯正用接着剤残留物への吸着が強化されるのは、EDMAB及び恐らくDPIHFPの存在のためである可能性があると推論される。
【0081】
次いで、歯列矯正用検出溶液で染色された、硬化した接着剤を有する歯の試料を数分間脱イオン水で洗浄し、歯列矯正用接着剤の色、並びに白色光下での歯の色を評価した。歯及び硬化した歯列矯正用接着剤から色が落ちた。食用色素は若干容易に除去できるように思われるが、色変化染料もまた、流水及び/又は軽く磨くことにより、歯及び歯列矯正用接着剤から容易に除去できる。
【0082】
実施例1〜9に記載した、着色及び硬化した残留物の未使用試料を調製し、光感受性を試験した。ORTHOLUX LEDを、セラミックブラケットの標準的な接着時間である、5秒間用いたが、肉眼では色退色は検出不能であった。試料は通常、周辺光(光源から6〜8フィート(1.8m〜2.4m)離れた診療室の蛍光照明)下で10〜15分間以内に退色する。退色までの時間は、歯列矯正用検出組成物中のDPIHFPの量を減らすことにより延長できる。
【0083】
(実施例10〜13)
3M商標APC PLUS透明歯列矯正用ブラケットを、3MAPC PLUS歯列矯正用接着剤を用いて牛歯に接着した。6時間後、歯列矯正用ブラケットを剥離し、牛歯に硬化した歯列矯正用接着剤パッドを利用することを可能にした。3Mユニテック社のブラシホルダーに保持された3M社の使い捨てブラシを用いて、硬化した歯列矯正用接着剤残留物に、歯列矯正用検出組成物を塗布した。歯列矯正用検出組成物を、歯列矯正用接着剤パッド及び歯表面の色の許容性について、1は最も色の許容性が低く、4は最も色の許容性が高い、1〜4の等級を視覚的につけた。結果を表4に示す。
【0084】
歯及び硬化した歯列矯正用接着剤はともに、実施例10、11及び13の歯列矯正用検出組成物を受容したが、実施例12では受容しなかった。歯列矯正用検出組成物の塗布は、実施例12では歯列矯正用接着剤残留物に限定された。青色食用色素を含む歯列矯正用検出組成物は、実施例11では歯列矯正用接着剤残留物と歯の間に視覚的な色の区別をもたらしたが、実施例12でより明白であった。
【0085】
【表4】

【0086】
青色食用色素及び/又は赤色食用色素を含む、水性及び非水性組成物間で差異が認められた。例えば、水性及び非水性歯列矯正用検出組成物は、硬化した歯列矯正用接着剤残留物に吸着したが、水性アルコール性歯列矯正用検出組成物は、湿潤及び歯表面に付着しなかった。
【0087】
CPQ/EDMAB/DPIHFPを含有する全ての歯列矯正用検出組成物は、水性色変化系を含む、歯列矯正用接着剤残留物及び歯の両方に十分吸着した。特に、この反応開始剤系の添加により、たとえ食用色素が光感受性でなくとも、食用色素の硬化した歯列矯正用接着剤残留物への吸着を著しく改善した。理論に束縛されるものではないが、食用色素の硬化した歯列矯正用接着剤残留物への吸着が強化されるのは、EDMAB及び恐らくDPIHFPの存在のためである可能性があると推論される。
【0088】
次いで、歯列矯正用検出溶液で染色された、硬化した接着剤を有する歯の試料を数分間脱イオン水で洗浄し、歯列矯正用接着剤の色、並びに白色光下での歯の色を評価した。歯及び硬化した歯列矯正用接着剤から色が落ちた。食用色素は若干容易に除去できるように思われるが、色変化染料もまた、流水及び/又は軽く磨くことにより、歯及び歯列矯正用接着剤から容易に除去できる。
【0089】
実施例10〜13に記載した、着色及び硬化した残留物の未使用試料を調製し、光感受性を試験した。ORTHOLUX LEDを、セラミックブラケットの標準的な接着時間である、5秒間用いたが、肉眼では色退色は検出不能であった。試料は通常、周辺光(光源から6〜8フィート(1.8m〜2.4m)離れた診療室の蛍光照明)下で10〜15分間以内に退色する。退色までの時間は、歯列矯正用検出組成物中のDPIHFPの量を減らすことにより延長できる。
【0090】
(実施例14)
歯列矯正用検出組成物Lを、剥離したAPC PLUS透明歯列矯正用ブラケットの歯列矯正用接着剤残留物(透明6100−601ブラケット上にコーティングされたAPC PLUS接着剤、カリフォルニア州モンロビア(Monrovia)の3Mユニテック社(3M Unitek))上に塗布した。暗紫色の歯列矯正用検出組成物は、歯列矯正用接着剤残留物及び歯に速やかに吸着した。歯列矯正用接着剤に歯列矯正用検出組成物を丁寧に塗布した場合、着色した歯列矯正用接着剤と歯の間の対比(図1のカラー写真で説明するように)は、非着色試料(図2のカラー写真で説明するように)に比べて強かった。
【0091】
前述の説明および実施例は理解を明確化するためにのみ提示した。その説明から、不必要な限定が解釈されるべきではない。当業者に対して明らかな変形が特許請求の範囲において規定された本発明の範囲に含まれるため、本発明は、示され、記載された厳密な詳細事項に限定されるべきでない。
【0092】
本特許又は出願書類は、少なくとも1つのカラー印刷図面を含む。カラー図面を備える、本特許又は特許出願公開の複製は、依頼し、必要な手数料を支払うことにより、特許庁によって提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】実施例14に記載したような、着色した、歯上の接着剤残留物のカラー写真。
【図2】着色した、歯上の接着剤残留物のカラー写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯牙構造上の歯列矯正用接着剤を認識するための組成物を調製するための歯列矯正用検出組成物の使用であって、前記認識が、歯列矯正用検出組成物を前記歯列矯正用接着剤の少なくとも一部及び前記歯牙構造の少なくとも一部に適用し、前記歯列矯正用接着剤又は前記歯牙構造を含む表面を選択的に染色することを含む使用。
【請求項2】
前記歯列矯正用装置を歯牙構造に接着するための基部を備える歯列矯正用装置と、前記基部上の歯列矯正用接着剤を提供することと、
前記歯列矯正用装置の前記基部を前記歯牙構造に適用し、前記歯牙構造上に前記歯列矯正用接着剤を提供することとをさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記歯列矯正用接着剤が硬化していない、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記歯列矯正用接着剤が少なくとも部分的に硬化している、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
前記歯列矯正用接着剤を硬化することと、
前記歯列矯正用装置を前記歯牙構造から取り外し、上部に硬化した歯列矯正用接着剤残留物を有する歯牙構造を提供することと、をさらに含む、請求項2に記載の使用であって、
適用が、前記歯列矯正用検出組成物を前記歯列矯正用接着剤残留物の少なくとも一部及び前記歯牙構造の少なくとも一部に適用し、前記歯列矯正用接着剤残留物又は前記歯牙構造を含む表面を選択的に染色することを含む使用。
【請求項6】
選択的染色により、着色表面及び非着色又は薄着色表面を形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
少なくとも一部の着色表面を過剰な歯列矯正用接着剤として視覚的に識別することをさらに含む、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記過剰な歯列矯正用接着剤を取り除くことをさらに含む、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
少なくとも前記非着色又は薄染色表面の一部を過剰な歯列矯正用接着剤として視覚的に識別することをさらに含む、請求項6に記載の使用。
【請求項10】
前記過剰な歯列矯正用接着剤を取り除くことをさらに含む、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記歯列矯正用検出組成物が着色剤を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記着色剤が、色素、食用色素、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記着色剤が、FD&Cブルー1、エリトロシンイエロウィッシュブレンド、ローズベンガル、メチレンブルー、エオシン及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項11又は12に記載の使用。
【請求項14】
前記歯列矯正用検出組成物が増感剤をさらに含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
前記増感剤が、カンファーキノン、メチレンブルー、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記歯列矯正用検出組成物が反応開始剤をさらに含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
前記反応開始剤が、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記歯列矯正用検出組成物が電子供与性化合物をさらに含む、請求項11〜17のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
前記電子供与性化合物が、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル−9,10−ジメトキシアントラセン及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記歯列矯正用検出組成物が溶液、分散液、又は懸濁液である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−521447(P2009−521447A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547421(P2008−547421)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048345
【国際公開番号】WO2007/075627
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】