説明

歯周病の予防又は治療用の食品組成物、口腔組成物

【課題】歯周病の予防又は治療効果に優れた、安全性の高い組成物、特に食品組成物、口腔用組成物及び医薬組成物を提供する。
【解決手段】糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖を含有する、歯周病予防・治療用の食品組成物、口腔用組成物及び医薬組成物。該リン酸化糖は、リン酸化糖無機塩であり得、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩であり得る。さらにビタミンC類を含むことが好ましい。該ビタミンC類はビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯周病予防又は治療用の食品組成物、口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯槽膿漏等の歯周疾患は、多くの人々が罹患しており、特に成人の罹患率は非常に高いため、今後老齢化が進む中で歯周疾患の予防、治療は重要な課題である。この歯周疾患の主な原因は、歯周ポケットに蓄積する歯垢中の細菌であり、中でも嫌気性のグラム陰性細菌、特にポルフィロモナス・ジンジバリスが歯周病原因菌として注目されている。これらの細菌は、歯周ポケット内に定着、増殖すると、様々な因子を出して歯周組織に悪影響を及ぼすものである。
【0003】
これに対して生体側は、細菌感染を防御するために白血球等の感染防御細菌や成分を歯周ポケットに動員して細菌を排除しようとする一方で、プロスタグランジンや活性酵素などの種々の炎症メディエーターや、コラゲナーゼ、プロテアーゼなどの組織破壊因子を産生し、歯周組織の炎症を憎悪させてしまうと考えられている。
【0004】
その対策として、細菌による予防・治療はよく行われているが、この方法は正常な細菌叢を乱してしまいあまり適当でない。更に従来より、このような歯周病を予防または改善するために、殺菌剤や抗炎症剤等を含む口腔用組成物も用いられてきている(特許文献1)。また一方で、歯肉細胞のコラーゲン産生能促進剤を配合して破壊されたコラーゲン組織を再生し、歯周疾患を予防する提案もある(特許文献2、特許文献3)。しかしながらこれらの方法では安全性や嗜好面から、使用の継続性で十分とはいえず、従って総合的な効果としても十分とはいい難いのが現状である。
【0005】
【特許文献1】特開2001−181162号公報
【特許文献2】特開2006−312613号公報
【特許文献3】特開平8−245352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、歯周病の予防又は治療効果に優れた、安全性の高い組成物、特に食品組成物、口腔用組成物
及び医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、リン酸化糖、とりわけリン酸化糖ミネラル塩に、歯肉細胞のコラーゲン産生能を増強させることにより歯肉組織を再生することにより、歯周疾患を予防する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者はまた、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、リン酸化糖とビタミンC類とを併用することにより、歯肉細胞のコラーゲン産生促進効果を相乗的に強めることができるとともに、ビタミンC類による抗炎症効果がリン酸化糖およびビタミンCによるコラーゲン産生効果と相乗的に働き、歯周疾患予防に非常に優れた効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する:
(項目1)
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖を含有する、歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目2)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目1に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目3)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目1に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目4)
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである項目1に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目5)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目4に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目6)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目4に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目7)
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖、並びに、ビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体を含有する歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目8)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目7に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目9)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目7に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目10)
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである項目7に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目11)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目10に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目12)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目10に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
(項目13)
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖を含有する、歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目14)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目13に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目15)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目13に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目16)
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである項目13に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目17)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目16に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目18)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目16に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目19)
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖、並びに、ビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体を含有する、歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目20)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目19に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目21)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目19に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目22)
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである項目19に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目23)
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、項目22に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
(項目24)
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、項目22に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の組成物は、歯肉細胞のコラーゲン産生を促進し、優れた歯周病予防又は治療の作用を有している。また、本発明組成物では、合成系のコラーゲン産生促進剤と比較し、服用・摂取による副作用が少ない天然起源のオリゴ糖を含む抽出物を用いているため、安全性が高く、長期間の使用が可能であり、歯周病予防又は治療用の食品組成物、口腔用組成物
又は医薬組成物として有用である。
本発明の組成物は単独でもコラーゲン産生促進効果を有するリン酸化糖、リン酸化糖無機塩もしくはリン酸化糖がカルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄およびナトリウムの中から選ばれる少なくとも一つのミネラルと結合している物質がビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体のなかから選ばれる少なくとも一つの成分との併用により、本来単独で有する効果を相乗的に高めることができる。さらにビタミンCが有する抗炎症効果と歯肉細胞のコラーゲン産生能促進効果の二つの効果が相乗的に働くことにより、歯周疾患の予防及び治療効果にきわめて優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1.リン酸化糖)
本発明の組成物は、リン酸化糖を含む。本明細書で用いる場合、用語「リン酸化糖」とは、分子内に少なくとも1個のリン酸基を有する糖をいう。リン酸化糖のリン酸基の数は特に限定されないが、リン酸化糖1分子あたり10個以下が好ましく、5個以下がより好ましい。さらに好ましくは、リン酸化糖のリン酸基の数は、リン酸化糖1分子あたり1個、2個または3個であり、特に好ましくは1個または2個である。
リン酸化糖中の糖の重合度は、好ましくは、2以上であり、より好ましくは3以上である。リン酸化糖中の糖の重合度は、好ましくは100以下であり、より好ましくは90以下であり、より好ましくは80以下であり、より好ましくは70以下であり、より好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下であり、より好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下であり、より好ましくは20以下であり、より好ましくは10以下であり、より好ましくは9以下であり、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは7以下であり、より好ましくは6以下であり、特に好ましくは5以下である。
リン酸化糖の分子量は、好ましくは400以上であり、より好ましくは500以上であり、さらに好ましくは600以上であり、特に好ましくは700以上である。リン酸化糖の分子量は、好ましくは100万以下であり、より好ましくは10万以下であり、さらに好ましくは1万以下であり、特に好ましくは2000以下であり、1つの実施形態では1000以下である。
【0011】
本明細書で用いる場合、用語「中性糖」とは、リン酸基が結合していない糖をいう。リン酸化糖は、遊離形態であってもよく、解離形態であってもよく、塩の形態であってもよい。好ましくは、リン酸化糖は、無機塩の形態である。リン酸化糖は、好ましくはリン酸化糖無機塩であり、より好ましくはカルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である。好ましくは、本発明で用いられるリン酸化糖は、特開平8−104696号公報に記載されるリン酸化糖である。歯周病予防・治療用食品組成物および口腔組成物にリン酸化糖無機塩を配合することにより強力なコラーゲン産生能を持った、歯周病予防・治療用食品組成物および口腔組成物の開発が可能となる。
リン酸化糖の糖部分は、任意の糖であり得る。糖部分は、好ましくは、グルカン、還元グルカン、マンナン、デキストラン、寒天、シクロデキストリン、フコイダン、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、およびキサンタンガムからなる群より選択される。グルカンまたは還元グルカンが好ましい。ここで、還元グルカンとは、グルカンの還元末端のアルデヒドがアルコールに還元されたものをいう。還元グルカンは、例えば、グルカンに水素添加してアルデヒドをアルコールに還元することによって得られる。
【0012】
グルカンまたは還元グルカン中の重合度、すなわち、グルコース残基の数は、好ましくは、2以上であり、より好ましくは3以上である。グルコース残基の数は、好ましくは100以下であり、より好ましくは90以下であり、より好ましくは80以下であり、より好ましくは70以下であり、より好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下であり、より好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下であり、より好ましくは20以下であり、より好ましくは10以下であり、より好ましくは9以下であり、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは7以下であり、より好ましくは6以下であり、特に好ましくは5以下である。
【0013】
本明細書では、用語「還元リン酸化糖」とは、還元末端のアルデヒドがアルコールに還元された構造を持つリン酸化糖をいう。
リン酸化糖のリン酸基はマイナスの電荷を持っているため、プラスの電荷を持った原子、分子などを結合させることができる。つまり、リン酸化糖にプラスの電荷を有する任意の無機イオンを結合させることができる。なお、本明細書中では、無機イオンのことをミネラルともいう。
【0014】
本明細書では、用語「リン酸化糖無機塩」とは、無機塩の形態のリン酸化糖をいう。リン酸化糖無機塩はアルカリ金属であってもよく、アルカリ土類金属であってもよく、遷移金属であってもよい。人体への悪影響が少ないことが知られている無機イオンが好ましい。例えば、カルシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩、ナトリウム塩等であり得る。
無機イオンの数は特に限定されず、リン酸化糖中に存在するリン酸基のすべてに無機イオンが結合しても良いし、一部のみに無機イオンが結合しても良い。リン酸化糖1分子に1個のみの無機イオンが存在しても良いし、2個存在してもよく、または3個以上存在しても良い。好ましくは、リン酸化糖1分子中に20個以下であり、より好ましくは、10個以下である。
【0015】
リン酸化糖カルシウムには歯の再石灰化効果、カルシウム吸収促進効果、味質改善効果、皮膚の保湿効果、さらには皮膚細胞のコラーゲン産生促進効果があることが知られている。しかしながらリン酸化糖無機塩を、歯周病予防・治療用口腔組成物や口腔組成物に応用し、歯肉細胞のコラーゲン産生促進効果があることは全く知られていなかった。
好ましい実施態様では、リン酸化糖は、糖部分がグルカンまたは還元グルカンであり、ここで、グルカン1分子あたり少なくとも1個のリン酸が結合している。さらに別の好ましい実施態様では、リン酸化糖は、糖部分がグルカンまたは還元グルカンであり、ここで、このグルカンまたは還元グルカンに1個〜2個のリン酸基が結合している。
さらに別の好ましい実施態様では、リン酸化糖は、糖部分がグルカンまたは還元グルカンであり、ここで、このグルカンが、α−1,4結合した3〜5個のグルコースからなり、そしてこのグルカンまたは還元グルカンに1個のリン酸基が結合している。
さらに別の好ましい実施態様では、リン酸化糖は、糖部分がグルカンまたは還元グルカンであり、ここで、このグルカンまたは還元グルカンは、α−1,4結合した2〜8個のグルコースからなり、そしてこのグルカンまたは還元グルカンに1個〜2個のリン酸基が結合している。
さらに別の好ましい実施態様では、リン酸化糖は、糖部分がグルカンまたは還元グルカンであり、ここで、このグルカンまたは還元グルカンは、α−1,4結合したグルコースを主鎖とし、α−1,6結合またはα−1,4結合したグルコースを側鎖とする。
【0016】
本発明で用いられるリン酸化糖は、純粋な1種類の化合物として用いられてもよく、複数種の混合物として用いられてもよい。特開平8−104696号公報に記載される方法に従って製造すると混合物が得られる。その混合物をそのまま用いてもよく、純粋な化合物に分離した後に、1種類の化合物のみを選択して用いてもよい。リン酸化糖は、1種類で用いた場合も、混合物として用いた場合も、優れた性能を発揮する。
【0017】
リン酸化糖の配合量は、好ましくは、本発明組成物全量中の約0.01重量%以上、より好ましくは約0.05重量%以上、さらに好ましくは、約0.1重量%以上である。リン酸化糖の配合量は、好ましくは本発明組成物全量中の約30重量%以下、より好ましくは約20重量%以下、さらに好ましくは、約10重量%以下である。
リン酸化糖は、例えば、公知の糖類をリン酸化することにより製造され得る。リン酸化糖の製造方法は、特開平8−104696号公報に記載される。
【0018】
リン酸化糖の製造原料である糖としては、グルカン、マンナン、デキストラン、寒天、シクロデキストリン、フコイダン、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、およびキサンタンガムが挙げられる。以下、グルカンの場合について説明する。一般の粗製植物澱粉、好ましくは馬鈴薯の粗製澱粉などのリン酸基が多く結合した澱粉が適しているが、精製品でもよい。化工澱粉もまた、好適に用いられ得る。さらに、リン酸基を化学的に結合させた各種糖質を用いることもまた可能である。馬鈴薯澱粉中では、これを構成するグルコースの3位および6位にリン酸基が比較的多くエステル結合している。リン酸基は主にアミロペクチンに存在する。
好ましい実施態様では、糖がグルカンの場合には、リン酸基を有する澱粉または化工澱粉を分解して得られ得る。
好適な実施態様では、リン酸基を有する澱粉または化工澱粉に、澱粉分解酵素、糖転移酵素、またはα−グルコシダーゼ、あるいはそれらの1種以上の組み合わせ(但し、α−グルコシダーゼ1種のみを除く)を作用させる。
好ましい実施態様では、上記澱粉分解酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、またはネオプルラナーゼの1種以上の組み合わせからなるものである。好ましい実施態様では、上記糖転移酵素は、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼである。
好ましい実施態様では、上記製造方法は、リン酸化糖に糖転移酵素を作用させる。上記糖転移酵素がシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼである。
リン酸化糖の誘導体は、例えば、リン酸化糖またはリン酸化糖誘導体にアルカリ土類金属の塩または鉄の塩を作用させて製造される。
【0019】
このようなリン酸化糖は、口腔内組織への安全性や薬剤としての経時安定性にも優れた化合物である。
【0020】
(2.第2成分)
本発明の、歯周病予防・治療用食品組成物および口腔用組成物は、加えて、第2成分(本明細書では、補助成分という場合もある)としてビタミンCをを含み得る。リン酸化糖と補助成分とを併用することにより、歯肉細胞のコラーゲン産生促進効果を相乗的に強めることができるとともに、ビタミンC類による抗炎症効果がリン酸化糖およびビタミンCによるコラーゲン産生効果と相乗的に働き、歯周疾患予防に非常に優れた効果を発揮することが可能となる。
【0021】
本発明組成物において、リン酸化糖と組み合わせて使用するのは、ビタミンC(L−アスコルビン酸:VC)またはそれらの塩またはビタミンC誘導体である。ビタミンC(L−アスコルビン酸)の塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、第一鉄の塩、パルミチン酸エステルの塩等が挙げられる。ビタミンC誘導体としてはアスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレートなどのアスコルビン酸モノアルキルエステル類、アスコルビン酸モノリン酸エステル、アスコルビン酸−2−硫酸のようなアスコルビン酸モノエステル誘導体、アスコルビン酸ジステアレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ジオレートなどのアスコルビン酸ジリン酸エステルのようなアスコルビン酸ジエステル誘導体、アスコルビン酸トリステアレート、アスコルビン酸トリパルミテート、アスコルビン酸トリオレートなどのアスコルビン酸トリアルキルエステル類、アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのアスコルビン酸トリエステル誘導体、アスコルビン酸−2−グルコシドのようなアスコルビン酸配糖体などが挙げられる。これら本発明ビタミンC類は、単独で用いてもよく、2種以上を選択して用いてもよい。
【0022】
本発明組成物における、ビタミンC類の配合量は、本発明の効果が得られるものであれば特に限定されるものではないが、本発明組成物全量に対して、0.005〜50重量%、特に5〜15重量%配合することが好ましい。
【0023】
本発明組成物において、リン酸化糖と本発明ビタミンC類との配合比は、本発明の目的を達成できる限り特に限定されるものではないが、15:1〜1:4、好ましくは10:1〜1:3とするのが好ましい。
【0024】
本発明組成物は、上記した成分以外に、pH調整剤、有機酸、糖アルコール、甘味料、香料、ビタミン類、骨代謝ビタミン類、抗酸化剤、賦形剤、可溶化剤、結合剤、滑沢剤、懸濁剤、湿潤剤、皮膜形成物質、矯味剤、矯臭剤、着色料、保存剤、抗菌剤、殺菌剤、抗炎症剤等が適宜配合でき、これらの他、医薬組成物、口腔用組成物
又は、食品処方設計に通常用いられるその他の添加物乃至食品素材等を適宜配合することができる。このような素材については、具体的には下記ものが含まれる。
【0025】
pH調整剤としては、乳酸、パントテン酸、リン酸塩、リンゴ酸、クエン酸が挙げられる。
【0026】
ビタミン類としては、本発明ビタミン類であるビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体、ビタミンE、ビタミンA、ベータカロチン、ビタミンD群、ビタミンK群、ビタミンP等を配合することができる。
【0027】
賦形剤としては、ショ糖、乳糖、デンプン、デキストリン、ブドウ糖、結晶性セルロース、マンニット、ソルビット、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、パラチノース、マルチトール、トレハロース、ラクチトール、環状オリゴ糖、還元澱粉糖、還元イソマルトオリゴ糖、カップリングシュガー、ガムベース、アラビアガム、ゼラチン、セチルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルソース、メチルセルロース、プルラン、アミロース、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウムが挙げられる。
【0028】
可溶化剤としては、アルコール、エステル類、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類が挙げられる。
【0029】
粘結剤としては、セルロース誘導体、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、キサンタンガム等が挙げられる。
【0030】
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油等が挙げられる。
【0031】
懸濁剤又は湿潤剤としては、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、パセリ油、パセリ種子オイル、乳酸カルシウム、紅花油、大豆リン脂質、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、エチレングリコール等が挙げられる。
【0032】
被膜形成物質としては、例えば、酢酸フタル酸セルロース等の炭水化物誘導体、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル等のアクリル酸系共重合体、メタアクリル酸系共重合体等が挙げられる。
【0033】
また、本発明組成物には、矯味剤又は矯臭剤として、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビアエキス、グラニュー糖、粉糖、水飴、食塩、オレンジ油、水溶性カンゾウエキス、メントール、ユーカリ油等の、甘味料、香料、着色料、保存剤を含有させてもよい。
【0034】
本発明組成物に配合できるその他の成分としてはリジン、マグネシウム塩、大豆イソフラボン類、グリチルリチン類、天然ポリフェノール類、が挙げられる。
【0035】
本発明組成物は、その形態に応じて上記したような種々の公知成分を配合して調製することができ、食品組成物、口腔用組成物、医薬組成物としての各種形態乃至剤型に調製することができる。
【0036】
食品組成物の形態としては、例えば、トローチ、タブレット、カプセル、顆粒、粉末ジュース、チューインガム、キャンディ、グミキャンディ等の形態に処方設計することができる。
【0037】
本発明の食品組成物の各種形態においては、少なくとも上記有効成分、即ちリン酸化と本発明ビタミン類が嚥下可能であればよく、チューインガムのガムベース等は、嚥下できなくてもよい。
【0038】
口腔用組成物 の形態としては、例えば、歯磨剤、洗口剤、トローチ剤、ゲル剤等が挙げられ、医薬組成物の剤型としては、例えば錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等が挙げられる。またこれらの液剤を不織布などに含浸させた拭取り布や綿棒のような形態のものを用いることも可能である。
【0039】
本発明組成物は、リン酸化糖と本発明ビタミン類とを混合すればよく、又は、同時に若しくは別々に他の成分と共に混合すればよく、その形態又は剤型において慣用されている方法により調製することができる。
【0040】
本発明食品組成物の摂取量は、食品の形態、摂取するヒトの年齢、体重、性別、健康状態等において適宜決定でき、特に限定されるものではないが、通常、有効成分であるリン酸化糖と本発明ビタミン類の総重量として、成人1日当たり1kg当たり、0.00001〜1g程度を摂取するのが好ましい。
【0041】
本発明医薬組成物の投与量は、その組成物の形態、投与するヒトの年齢、体重、性別、疾患の程度等に応じて適宜決定でき、特に限定されるものではないが、通常、有効成分であるリン酸化糖と本発明ビタミン類の総重量として、成人1日当たり体重1kg当たり、0.00001〜1g程度を摂取するのが好ましい。
【0042】
医薬組成物の投与方法として、特に制限はなく、剤型、患者の年齢、性別、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば、上記したような錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合は、経口投与される。
【0043】
以上のようにして調製される本発明組成物は、リン酸化糖を使用することにより、歯肉細胞のコラーゲン産生が増強され、優れた歯周病予防効果を有するものである。さらにリン酸化糖をビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体と組合せて使用することにより、歯肉細胞のコラーゲン産生が相乗的に増強されるとともに、ビタミンCの抗炎症効果が相乗的に働くことにより、さらに優れた歯周病予防効果を有するものである。また、本発明組成物は、服用・摂取による副作用が少ないリン酸化糖を用いているため、安全性が高く、長期間の使用が可能である。
【0044】
このように、優れた歯周病予防乃至治療効果を有する本発明組成物は、安全性が高く、長期間使用することが可能である歯周病予防又は治療組成物として使用することができる。
【0045】
また、本発明組成物を食品組成物として使用する場合は、歯周病の予防又は治療効果を期待でき、健康食品、特定保健用食品として摂取することも可能である。
【0046】
本発明組成物を口腔用組成物
として使用する場合も、優れた歯周病予防又は治療効果を期待でき、医薬部外品としても使用することができる。
【0047】
また、歯周病の治療中に本発明食品組成物又は口腔用組成物
を摂取又は使用することにより、治療効果が向上することも期待できる。
【0048】
本発明食品組成物又は口腔用組成物
は、歯周病の予防又は治療に使用できるが、特に、(A) リン酸化糖、並びに、(B) ビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体より選ばれる1種又は2種以上、を含有する歯周病予防・治療用食品組成物又は歯周病予防・治療用口腔用組成物として使用した場合、きわめて優れた効果を発揮する。
【実施例】
【0049】
本実施例に用いたリン酸化糖は、特開平8−104696号の実施例1記載の馬鈴薯澱粉より調製したリン酸化糖を指す。つまり、α−1,4結合した2から8個のグルコースからなるオリゴ糖に分子内に1個から2個のリン酸基が結合したリン酸化糖である。また、本実施例に用いた還元リン酸化糖とは、そのリン酸化糖をニッケルの触媒下、高温、高圧で水素添加する一般的な方法によって製造することができる。実験室レベルでは、室温で1時間程度、水素化ホウ素ナトリウムと共存させることで、簡単に作成しうる。還元末端が還元されていることは、リン酸化糖を酸加水分解して、ソルビトールがリン酸化糖と等モル生成していることで一般的には容易に確認することができる(Kamasaka,H.,To−o,K.,Kusaka,K.,Kuriki,T.,Kometani,T.,Hayashi,H.,and Okada,S.,Biosci.Biotech.Biochem.61,238−244,1997)。
さらに、このリン酸化糖および還元リン酸化糖のリン酸基がカルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩になるように調製できる。ナトリウム塩の調製方法については、特開平8−104696号の実施例1記載の方法で調製できる。また、本実施例で塩化ナトリウムの代わりに塩化カルシウムを用いればカルシウム塩が、塩化マグネシウムを用いればマグネシウム塩が、塩化カリウムを用いればカリウム塩が、塩化亜鉛を用いれば亜鉛塩がそれぞれ調製できる。
イオン交換樹脂を用いる本方法以外にも、一般的な電気透析によって、脱塩後、各金属塩を添加することで容易に各種金属塩のリン酸化糖が調製できる。なお、リン酸化糖のカルシウム塩については、江崎グリコ(株)(大阪市)から販売されているものも好適に用いることができる。
【0050】
(実施例1:リン酸化糖カルシウム塩がヒト歯肉繊維芽細胞のコラーゲン産生に与える影響)
ヒト歯肉由来正常線維芽細胞「Gin−1」を1ウェル当たり2.5×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、牛胎児血清10容量%を添加したDMEMにて24時間培養した後、培地をリン酸化糖カルシウム塩(リン酸化オリゴ糖カルシウム:江崎グリコ製)の最終濃度が0.1%となるように添加した牛胎児血清10容量%含有DMEMに交換し、さらに3日間培養した。培養3日後に回収した培養上清中に含まれるコラーゲン量を、市販のコラーゲン定量用ELIZAキット(Applied
Cell Biotechnologies, Inc)を用いて定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系を対照とした。その結果、対照では0.7μg/mLのコラーゲンが産生されたが、リン酸化糖カルシウム塩添加区では1.4μg/mLであり、リン酸化糖カルシウムの添加により対称と比較して約2倍のコラーゲン産生を誘導する効果が認められた。
【0051】
(実施例2:リン酸化糖マグネシウム塩がヒト歯肉繊維芽細胞のコラーゲン産生に与える影響)
ヒト歯肉由来正常線維芽細胞「Gin−1」を1ウェル当たり2.5×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、牛胎児血清10容量%を添加したDMEMにて24時間培養した後、培地をリン酸化糖マグネシウム塩の最終濃度が0.1%となるように添加した牛胎児血清10容量%含有DMEMに交換し、さらに3日間培養した。培養3日後に回収した培養上清中に含まれるコラーゲン量を、市販のコラーゲン定量用ELIZAキット(Applied
Cell Biotechnologies, Inc)を用いて定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系を対照とした。その結果、対照では0.7μg/mLのコラーゲンが産生されたが、リン酸化糖マグネシウム塩添加区では1.5μg/mLであり、リン酸化糖マグネシウム塩の添加により対称と比較して約2.1倍のコラーゲン産生を誘導する効果が認められた。
【0052】
(実施例3:リン酸化糖カルシウムとアスコルビン酸がヒト歯肉繊維芽細胞のコラーゲン産生に与える影響)
ヒト歯肉由来正常線維芽細胞「Gin−1」を1ウェル当たり2.5×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、牛胎児血清10容量%を添加したDMEMにて24時間培養した後、培地をリン酸化糖カルシウム塩の最終濃度が0.1%、さらにアスコルビン酸ナトリウムの最終濃度が0.004%となるように添加した牛胎児血清10容量%含有DMEMに交換し、さらに3日間培養した。培養3日後に回収した培養上清中に含まれるコラーゲン量を、市販のコラーゲン定量用ELIZAキット(Applied
Cell Biotechnologies, Inc)を用いて定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた無添加区、およびリン酸化糖カルシウム塩あるいはアスコルビン酸ナトリウムをそれぞれ単独で添加した区を比較対照とした。その結果、無添加区では0.7μg/mL、リン酸化糖カルシウム塩添加区では1.3μg/mL、アスコルビン酸ナトリウム添加区では4.5μg/mLのコラーゲンが産生されたが、リン酸化糖カルシウム塩とアスコルビン酸ナトリウム併用区では7.0μg/mLであり、両者の併用により単独でのコラーゲン産生誘導効果と比べて約140%の相乗効果を得ることができた。
【0053】
以下に、本発明組成物の処方例を記載する。なお、実施例4から10の処方例の組成物は、常法に従って調製することができ製造適性に問題がなかった。また、実施例4から10の処方例に従って製造した組成物について官能評価を行った結果、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ビタミンCを添加していないサンプルと同等の味質、風味を有した。
【0054】
実施例4 チューインガム

【0055】
実施例5 タブレット

【0056】
実施例6 キャンディ

【0057】
実施例7 練歯磨き

【0058】
実施例8 洗口液

【0059】
実施例9 トローチ

【0060】
実施例10 口腔用ゲル

【産業上の利用可能性】
【0061】
トローチ、タブレット、カプセル、顆粒、粉末ジュース、チューインガム、キャンディ、グミキャンディ等の食品組成物や歯磨剤、洗口剤、トローチ剤、ゲル剤等の口腔用組成物あるいは、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等の医薬組成物
にリン酸化糖無機塩を配合することにより、歯肉組織を再生し歯周疾患を予防する本発明組成物が実現される。しかも安全性が高いことから、長期間使用できる有効な本発明組成物の開発が可能となる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖を含有する、歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項2】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項1に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項3】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項1に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項4】
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである請求項1に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項5】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項4に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項6】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項4に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項7】
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖、並びに、ビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体を含有する、歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項8】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項7に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項9】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項7に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項10】
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである請求項7に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項11】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項10に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項12】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項10に記載の歯周病予防・治療用食品組成物。
【請求項13】
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖を含有する、歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項14】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項13に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項15】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項13に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項16】
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである請求項13に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項17】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項16に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項18】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項16に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項19】
糖部分とリン酸基またはその塩とからなるリン酸化糖、並びに、ビタミンCまたはそれらの塩またはビタミンC誘導体を含有する、歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項20】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項19に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項21】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項19に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項22】
リン酸化糖の糖部分が、重合度2以上100以下のグルカンまたは還元グルカンである請求項19に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項23】
リン酸化糖が、リン酸化糖無機塩である、請求項22に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。
【請求項24】
リン酸化糖が、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはナトリウム塩である、請求項22に記載の歯周病予防・治療用口腔用組成物。



【公開番号】特開2009−143836(P2009−143836A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321675(P2007−321675)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000000228)江崎グリコ株式会社 (187)
【Fターム(参考)】