説明

歯槽骨吸収抑制剤

【課題】
歯周病原性細菌の内毒素による局所的かつ速い速度で進行する歯槽骨吸収に対して、歯周病の予防・改善に有効な安全性が高く効果も高い歯槽骨吸収抑制剤を提供する。
【解決手段】
卵黄由来タンパク質を含有することによって、歯槽骨吸収抑制効果が格段に優れたものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯周病の主原因であるポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)やアクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)などの細菌の内毒素による歯槽骨吸収に対して優れた抑制効果を有する歯槽骨吸収抑制剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯周病は、ポルフィロモナス・ジンジバリスや、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス等の歯周病原性細菌により引き起こされる歯周組織の疾患である。この歯周病原性細菌の形成するプラークは、歯周組織である歯肉、歯根膜に炎症を起こし、やがては歯槽骨の吸収を招き、最終的には歯の脱落を引き起こす。歯周病の進行に伴って発生する歯槽骨の吸収は、歯牙の喪失を引き起こし、QUALITY OF LIFE(QOL)の低下や健康寿命の短縮化を招く大きな問題である。
【0003】
従来、歯周病の予防、改善にはその一番の原因である歯周病原性細菌の殺菌、除去を目的とした殺菌剤、抗菌剤が用いられており、また、歯周組織の炎症予防、治療には抗プラーク剤によるプラーク抑制及び抗炎症剤が用いられている。歯周病原性細菌を殺菌、除去し、プラークを除去した口腔内環境を維持することで、軽度な歯周病の場合には炎症が改善され、歯周組織は健全な状態に戻ることが知られている。
【0004】
しかしながら、歯周病が進行し、歯槽骨の吸収が引き起こされるレベルに至ると、改善の可能性は低下し、まして歯槽骨の吸収の結果、歯が喪失されてしまった場合には、健全な歯周組織及び歯の回復は望めない。
【0005】
一方、骨の吸収については、骨粗鬆症の問題から研究が進められており、骨形成促進効果を有する剤や骨吸収抑制効果を有する剤が、医薬品や食品成分から見出され利用されている。
【0006】
しかしながら、これらの作用は大腿骨や腰骨、踵骨の骨密度の増強作用を指標とし、あるいは、骨折率の低下を最終的な有効性判断の基準としているため、歯周病による歯槽骨の吸収への抑制効果については明確ではなかった。
【0007】
また、骨粗鬆症と歯周病の関係については、カルシウムの摂取不足が歯周病を引き起こしやすいとの報告や、女性において骨粗鬆症が増加し始める更年期において歯周病患者数も増加するなど、骨粗鬆症が歯周病のリスク因子であることが言われ始めている。
【0008】
しかしながら、歯周病による歯槽骨の吸収は、歯周病原因菌により進行するために局所的、かつ、骨粗鬆症に比べてより速い速度で進行する。そのため、骨粗鬆症に有効な剤ではなく、歯周病による歯槽骨の吸収に有効な歯槽骨吸収抑制剤が求められている。
【0009】
つまり、歯周病ケアにおいて歯槽骨の吸収を予防することは、歯周病による決定的なダメージを受けることを阻止する上で非常に重要である。
【0010】
歯槽骨の吸収阻止剤としては、フルルビプロフェン(非特許文献1参照)、インドメタシン(非特許文献2参照)などの非ステロイド系の抗炎症剤にその効果があることが報告されている。また、イブプロフェン、フルルビプロフェンが歯槽骨吸収抑制に効果があること(特許文献1参照)、更にその効果が非ステロイド系抗炎症剤と塩酸ミノサイクリンとの併用により高まることが示されている(特許文献2参照)。また、アセチルオイゲノールやステアロイルオイゲノールなどの二価フェノール誘導体が歯槽骨吸収抑制に効果があることが示されている(特許文献3参照)。また、タウリンとコレウス・フォルスコリィ根の抽出物、及びタウリンとメントール系香料との組合せに歯槽骨吸収抑制効果があることが示されている(特許文献4参照、特許文献5参照)。パントテン酸カルシウムが歯槽骨吸収抑制に効果があることが示されている(特許文献6参照)。大豆イソフラボン抽出物やアグリコンとカルシウム等の組み合わせに歯槽骨吸収抑制効果があることが示されている(特許文献7参照、特許文献8参照、特許文献9参照)。牛乳由来ラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼや牛乳由来塩基性シスタチンによる歯槽骨吸収抑制効果が示されている(特許文献10参照、特許文献11参照)。また、卵黄由来タンパク質が骨成長効果として、骨強化作用を有することが示されている(特許文献12参照)。
【0011】
しかしながら、これら薬剤の実際の使用濃度での効果は充分ではなく、非ステロイド系抗炎症剤を高濃度で使用することは口腔粘膜への偽害作用が懸念され、タウリンは食品としての使用が認められていないことからその使用に制限があり、その他の成分についても効果の面で不十分であり、実使用において安全で十分満足できる効果を有するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭60−61524号号公報
【特許文献2】特開平7−69851号公報
【特許文献3】特開平7−10727号公報
【特許文献4】特開2003−171250号公報
【特許文献5】特許第3240738号公報
【特許文献6】特開平8−133969号公報
【特許文献7】特開2002−121146号公報
【特許文献8】特許第3648587号公報
【特許文献9】再公表WO2005−46702号公報
【特許文献10】特開2000−281587号公報
【特許文献11】特許第4082782号公報
【特許文献12】特開2005−21087号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】J.Periodont.Res.23,166−169.1988
【非特許文献2】J.Periodont.Res.17,90−100.1982
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、歯周病原性細菌の内毒素による局所的かつ速い速度で進行する歯槽骨吸収に対して、歯周病の予防・改善に有効な安全性が高く効果も高い歯槽骨吸収抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、卵黄由来のタンパク質に高い歯槽骨吸収抑制効果があることを知見し、本発明を成すに至ったものである。
【0016】
従って、本発明は下記歯槽骨吸収抑制剤を提供する。
[1].卵黄由来タンパク質を含有する歯槽骨吸収抑制剤。
[2].口腔用である[1]に記載の歯槽骨吸収抑制剤。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、歯周病原性細菌の内毒素による局所的かつ速い速度で進行する歯槽骨吸収に対して、歯周病の予防・改善に有効な安全性が高く効果も高い歯槽骨吸収抑制剤が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の歯槽骨吸収抑制剤は、卵黄由来のタンパク質からなるものである。卵黄由来タンパク質は、鶏等の鳥類の卵を、エタノールやイソプルパノールなどの食品加工に用いられる有機溶媒により脱脂し、さらにその乾燥粉末を温水、又は0.5%塩化ナトリウム水溶液により抽出したときの上清として得ることができる。また、本抽出には、抽出効率を上げるためにアラビアガム、カラギーナン、キサンタンガムなどの天然ゴム質水溶液を加えても良い。
【0019】
上記の処理によって得られる卵黄由来タンパク質は、分子量10,000〜200,000の間に主要なピークの分布が存在する。
【0020】
本成分としては、市販されている製品を使用しても良く、例えば鶏卵から得られる卵黄抽出タンパク質(商品名:ボーンペップ、株式会社ファーマフーズ製)などがある。
【0021】
本発明における卵黄由来タンパク質の使用量は、歯槽骨吸収抑制作用が期待できる配合量であれば特に規定は無いが、口腔用組成物としての1回使用量として、卵黄由来タンパク質の乾燥粉末換算で、0.1mg〜3000mgが好ましく、1mg〜1000mgがより好ましく、10mg〜500mgがさらに好ましい。0.1mg未満では、十分な歯槽骨吸収抑制作用の得られない場合があり、3000mgを超える使用量では、使用感に問題が出てくる場合がある。
【0022】
本発明の歯槽骨吸収抑制剤は、例えばガム、各種歯磨、洗口剤、口腔用軟膏剤、口腔用ゲル剤、歯周ポケット挿入剤、口腔用貼布剤、口中清涼剤(マウスウオッシュ)、トローチ、口腔用パスタ、キャンディ、飴、グミ、咀嚼錠、うがい薬、義歯安定剤等の種々の剤型に調製し、適用することができる。
【0023】
この場合、これらの製剤には、本発明の効果を妨げない範囲で、その種類等に応じた適宜な成分、例えば、研磨剤、アルコール、界面活性剤、甘味剤、酸味剤、果汁、香料、安定化剤、各種薬効成分、その他賦形剤、pH調整剤、増粘剤等の製剤化成分等、食品、医薬品の経口製品に配合可能な成分を適宜配合することができる。
【0024】
例えば、研磨剤としては公知のものを使用し得、また高分子物質としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、プルラン、トラガントガム、キサンタンガム、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリメタアクリル酸もしくはこれらの塩類、ゼラチン、ペプトン、カゼイン、コラーゲン、アルブミン、カラギーナン、アラビアガム、カラヤガム、カルボキシビニルポリマー、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリビニルアセタール・ジメチルアミノアセテート、セルロースアセテート・ジブチルヒドロキシプロピルエーテル等が配合できる。
【0025】
アルコールとしては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール及びエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、1,5−ペンタジオール、ソルビット、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が配合できる。
【0026】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール・ペンタエリストール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アニオン性界面活性剤としてはアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、カチオン性界面活性剤としてはアルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩、両性の界面活性剤としては酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン等が配合できる。
【0027】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ソーマチン、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、水飴等が配合できる。
【0028】
酸味剤としては、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、酪酸、氷酢酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸などの有機酸類、及び、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩等が配合できる。
【0029】
果汁としては、果実から搾汁して得られるエキスの他、野菜類から搾汁して得られるエキスを使用してもよく、例えば、オレンジ、ミカン、リンゴ、モモ、ナシ、ブドウ、ブルーベリー、グレープフルーツ、パイナップル、シークヮーサー、グアバ、アセロラ、プルーン、パパイヤ、マンゴー、ラズベリー、クランベリー、ライム、ストロベリー、メロン、グレープ、キウイフルーツ、パッションフルーツ、ヤマモモ、バナナ、ユズ、レモン、スモモ、カリン、キンカン、スダチ、らかん果、梅、トマト、ケール、セロリ、パセリ、ニンジン、クワの葉、アロエ、シソ、ショウガ、等の搾汁エキスが配合できる。
【0030】
香料としては、ペパーミント、スペアミント等の精油、l−メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、の他、食品添加物として添加可能な、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等のシトラス系香料、アップル、バナナ、グレープ、ピーチ、ストロベリー、パイナップル等のフルーツ系香料、ペッパー、シンナモン、ナツメグ、クローブ等のスパイス系香料、バニラ、コーヒー、ココア、ヘーゼルナッツ等のナッツ系香料、紅茶、緑茶等の茶系香料、リナロール、シトロネロール等のフローラル系の各種香料が配合できる。
【0031】
安定化剤としては、ビタミンC、ビタミンE、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等が配合できる。
【0032】
更には各種の薬効成分を配合してもよく、例えばクロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、ヒノキチオールなどの抗菌剤、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫、モノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッ素化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、プロテアーゼなどの歯垢形成抑制剤、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸などの止血剤、アズレン、アラントイン、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸類などの抗炎症剤、ポリリン酸類などの歯石予防剤、塩化ナトリウムなどの歯肉引き締め剤、酢酸トコフェロールなどの各種ビタミンが挙げられる。
【0033】
なお、これらの成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例、比較例及び処方例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において特に断らない限り%は、質量%である。
【0035】
[カルシウム遊離抑制効果]
方法:歯槽骨の代用としてマウス頭骸骨を用いた。すなわち、BALB/cマウス新生仔(5日齢前後)の頭骸骨(N=10)を摘出し、これを2分割し、それぞれをα−MEM細胞培養用の培地中で24時間炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度5%)内において培養した。その後、分割した一方の頭蓋骨はアクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンスY−4株から分離調製した内毒素(LPS、各1μg/mL)を含む培地に移し、他方の頭蓋骨には同量の内毒素と、卵黄由来タンパク質(ボーンペップ、(株)ファーマフーズ製)を1mg/mL、または、10mg/mLの濃度で含む培地に移した。その後、炭酸ガスインキュベーター内で48時間培養した後、培養液を採取し、培養液中に遊離してきたカルシウム量を、チバコーニング550を用いて測定した。
骨吸収抑制率は、マウス頭骸骨にLPSのみ添加したものをコントロール(比較例1)とし、コントロールの遊離カルシウム量と各薬剤濃度(実施例1、実施例2)添加時の遊離カルシウム量から、下記の式を用いて計算し、表1に示した。
【0036】
【数1】

【0037】
【表1】


(*:Mean±S.D.)
【0038】
[歯槽骨吸収抑制効果]
方法:シリアンハムスター雄性(8週齢)を用いて検討した。すなわち、ハムスター(N=10)の下顎第一臼歯に糸を結紮した後、本部位に表2に示した評価薬剤を1日2回、9日間結紮部位に塗布した。塗布量は1回当たり50μgとした。試験開始から10日目にハムスターを屠殺し、顎標本を作製の後、歯槽骨吸収量を測定した。歯槽骨吸収量はセメント−エナメルジャンクションから歯槽骨の骨頂までの距離とし、歯槽骨吸収抑制率は、下記式を用いて、薬剤無処置群(比較例2)の歯槽骨吸収量を100としたときの、薬剤処置群(比較例3、実施例3、実施例4)の歯槽骨吸収量から算出した。結果は表3に示すとおりであった。
【0039】
【数2】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】


(*:Mean±S.D.)
【0042】
以下、処方例を示す。
〔処方例1〕ガム
常法により、下記成分を用いてガムを製造した。
キシリトール 28.0%
マルチトール 28.0
ガムベース 32.8
リゾチーム 0.1
グリセロールリン酸カルシウム 5.0
3−メチル−4−イソプロピルフェノール 0.1
卵黄由来タンパク質 3.5
香料 2.0
精製水 残
計 100.0%
【0043】
〔処方例2〕ガム
常法により、下記成分を用いてガムを製造した。
ガムベース 20.0%
香料 1.0
水飴 20.0
粉糖 10.0
クエン酸3ナトリウム 1.5
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.5
ソルビトール 15.0
キシリトール 10.0
卵黄由来タンパク質 3.0
精製水 残
計 100.0%
【0044】
〔処方例3〕チューインガム
常法により、下記成分を用いてチューインガムを製造した。
砂糖 45.0%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
卵黄由来タンパク質 2.0
DL−アラニル−DL−アラニン 0.5
香料 0.5
精製水 残
計 100.0%
【0045】
〔処方例4〕チューインガム
常法により、下記成分を用いてチューインガムを製造した。
ガムベース 20.0%
砂糖 2.0
イソマルトース 20.0
パラチノース 10.0
キシリトール 10.0
コーンシロップ 12.0
水飴 10.5
L−アスコルビン酸 0.5
アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩 0.15
卵黄由来タンパク質 3.0
香料 0.6
精製水 残
計 100.0%
【0046】
〔処方例5〕チューインガム
常法により、下記成分を用いてチューンンガムを製造した。
ガムベース 25.0%
マルチトール 25.0
キシリトール 30.0
還元水飴 10.0
炭酸カルシウム 3.0
スクラロース 0.15
卵黄由来タンパク質 3.0
香料 3.85
計 100.0%
【0047】
〔処方例6〕糖衣チューインガム
常法により、下記成分を用いて糖衣チューインガムを製造した。
糖衣層
マルチトール 28.0%
アラビアガム 2.0
カルナウバワックス 0.04
オイル香料 0.15
チューインガム層
ガムベース 18.0
キシリトール 24.0
マルチトール 20.6
還元水飴 1.3
スクラロース 0.1
卵黄由来タンパク質 2.5
香料 3.31
計 100.0%
【0048】
〔処方例7〕練歯磨
常法により、下記成分を用いて練歯磨を製造した。
第2リン酸カルシウム 45.0%
カルボキシメチルセルロース 1.0
カラギーナン 1.0
グリセリン 15.0
プロピレングリコール 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
ラウリル酸ジエタノールアミド 0.5
卵黄由来タンパク質 2.0
安息香酸ナトリウム 0.1
サッカリンナトリウム 0.1
香料 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0049】
〔処方例8〕練歯磨
常法により、下記成分を用いて練歯磨を製造した。
沈降性シリカ 25.0%
ソルビット 25.0
グリセリン 25.0
ポリビニルピロリドン 1.0
ラウロイルポリグリセリンエステル 1.0
P.O.E(60)ソルビタンモノラウレート 0.5
パラオキシ安息香酸エチル 0.1
サッカリンナトリウム 0.2
フッ化ナトリウム 0.05
卵黄由来タンパク質 1.5
精製水 残
計 100.0%
【0050】
〔処方例9〕練歯磨
常法により、下記成分を用いて練歯磨を製造した。
リン酸カルシウム 25.0%
無水ケイ酸 5.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
カルボキシメチルセルロース 0.8
カラゲナン 0.5
フッ化ナトリウム 0.2
メシル酸ガベキサート 0.05
ソルビトール 15.0
卵黄由来タンパク質 1.0
香料 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0051】
〔処方例10〕練歯磨
常法により、下記成分を用いて練歯磨を製造した。
無水ケイ酸 15.0%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
キサンタンガム 0.5
アルギン酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.1
メシル酸ガベキサート 0.02
イプシロンアミノカプロン酸 0.05
ソルビトール 10.0
キシリトール 5.0
卵黄由来タンパク質 2.5
香料 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0052】
〔処方例11〕練歯磨
常法により、下記成分を用いて練歯磨を製造した。
沈降性シリカ 25.0%
グリセリン 25.0
ソルビット 15.0
キシリトール 10.0
ラウロイルデカグリセリンエステル 1.0
ミリスチン酸ジエタノールアミド 2.0
香料 1.0
サッカリンナトリウム 0.2
卵黄由来タンパク質 1.5
精製水 残
計 100.0%
【0053】
〔処方例12〕液体歯磨
常法により、下記成分を用いて液体歯磨を製造した。
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0%
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 5.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.5
β−グリチルレチン酸 1.0
サッカリンナトリウム 0.2
香料 1.0
卵黄由来タンパク質 1.5
精製水 残
計 100.0%
【0054】
〔処方例13〕液体歯磨
常法により、下記成分を用いて液体歯磨を製造した。
グリセリン 35.0%
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
無水ケイ酸 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.3
安息香酸ナトリウム 0.3
トリクロサン 0.1
β−グリチルレチン酸 0.05
卵黄由来タンパク質 2.0
硝酸カリウム 3.0
トラネキサム酸 0.1
トリプトファン 0.5
グリセロールリン酸カルシウム 0.5
香料 2.0
精製水 残
計 100.0%
【0055】
〔処方例14〕洗口剤
常法により、下記成分を用いて洗口剤を製造した。
ソルビット 10.0%
エタノール 5.0
蔗糖モノパルミテート 0.2
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.01
サッカリンナトリウム 0.2
卵黄由来タンパク質 3.5
塩化セチルピリジニウム 0.5
フッ化ナトリウム 0.3
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
【0056】
〔処方例15〕洗口剤
常法により、下記成分を用いて洗口剤を製造した。
エタノール 50.0%
グリセリン 30.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
サッカリンナトリウム 0.3
色素 0.0002
卵黄由来タンパク質 1.5
塩化リゾチーム 0.3
硝酸カリウム 5.0
グリセロールリン酸カルシウム 0.5
トリクロサン 0.1
硫酸アンモニウム 0.2
香料 1.5
精製水 残
計 100.0%
【0057】
〔処方例16〕軟膏剤
常法により、下記成分を用いて軟膏剤を製造した。
白色ワセリン 10.0%
ステアリルアルコール 10.0
プロピレングリコール 2.0
卵黄由来タンパク質 1.0
ポリエチレングリコール#4000 25.0
ポリエチレングリコール#400 40.0
エタノール 残
計 100.0%
【0058】
〔処方例17〕口腔用軟膏剤
常法により、下記成分を用いて口腔用軟膏剤を製造した。
流動パラフィン 15.0%
セタノール 10.0
グリセリン 20.0
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 5.0
香料 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
卵黄由来タンパク質 2.5
精製水 残
計 100.0%
【0059】
〔処方例18〕口腔用ゲル剤
常法により、下記成分を用いて口腔用ゲル剤を製造した。
ヒロドキシエチルセルロース 1.5%
ポリエチレングリコール4000 15.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸エチル 0.03
卵黄由来タンパク質 2.0
精製水 残
計 100.0%
【0060】
〔処方例19〕歯周ポケット挿入剤
常法により、下記成分を用いて歯周ポケット挿入剤を製造した。
ヒドロキシプロピルセルロース 92.0%
グリセリン 5.0
卵黄由来タンパク質 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0061】
〔処方例20〕口腔用貼付剤
常法により、下記成分を用いて口腔用貼付剤を製造した。
粘着層
ポリアクリル酸 51.0%
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース 29.0
ポリエチレングリコール400 5.0
卵黄由来タンパク質 5.0
計 100.0%
支持層
エチルセルロース 67.0%
ヒマシ油 33.0
計 100.0%
【0062】
〔処方例21〕口中清涼剤
常法により、下記成分を用いて口中清涼剤を製造した。
エタノール 5.0%
グリセリン 10.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 5.0
サッカリンナトリウム 0.2
卵黄由来タンパク質 0.5
香料 0.2
精製水 残
計 100.0%
【0063】
〔処方例22〕口中清涼剤
常法により、下記成分を用いて口中清涼剤を製造した。
エタノール 30.0%
キシリトール 10.0
香料 2.0
ポリオキシエチレン(EO60)硬化ヒマシ油 1.5
卵黄由来タンパク質 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0064】
〔処方例23〕口中清涼剤
常法により、下記成分を用いて口中清涼剤を製造した。
ポリビニルピロリドン 6.5%
ポリアクリル酸ナトリウム 20.0
グリセリン 10.0
卵黄由来タンパク質 1.5
精製水 残
計 100.0%
【0065】
〔処方例24〕口中清涼剤
常法により、下記成分を用いて口中清涼剤を製造した。
グリセリン 15.0%
エタノール 15.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
サッカリンナトリウム 0.01
安息香酸ナトリウム 0.3
色素 0.004
モノグリセリド硫酸ナトリウム 0.3
リン酸2ナトリウム 0.05
硝酸カリウム 1.0
イノシン酸ナトリウム 1.0
グリセロールリン酸ナトリウム 1.5
トリクロサン 0.15
塩化アンモニウム 0.1
卵黄由来タンパク質 2.0
香料 2.0
精製水 残
計 100.0%
【0066】
〔処方例25〕トローチ
常法により、下記成分を用いてトローチを製造した。
乳糖 99.0%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05
ポリオキシエチレン(60)モノステアレート 0.2
卵黄由来タンパク質 0.5
ステビア抽出物 0.03
香料 0.01
ヒドロキシエチルセルロース 残
計 100.0%
【0067】
〔処方例26〕トローチ
常法により、下記成分を用いてトローチを製造した。
キシリトール 90.0%
アラビアゴム 5.0
タルク 2.0
ステアリン酸マグネシウム 0.7
卵黄由来タンパク質 1.5
ヒドロキシエチルセルロース 残
計 100.0%
【0068】
〔処方例27〕トローチ
常法により、下記成分を用いてトローチを製造した。
乳糖 97.0%
P.O.E(60)モノステアレート 0.2
ラウリル硫酸ナトリウム 0.05
クロルヘキシジングルコン酸塩 0.02
サリチル酸メチル 0.2
イソオイゲノール 0.05
卵黄由来タンパク質 1.0
香料 0.02
ヒドロキシエチルセルロース 残
計 100.0%
【0069】
〔処方例28〕口腔用パスタ
常法により、下記成分を用いて口腔用パスタを製造した。
流動パラフィン 15.0%
グリセリン 15.0
安息香酸ナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.2
セタノール 5.0
マイクロクリスタリンワックス 10.0
パラフィンワックス 5.0
モノステアリン酸ソルビタン 4.0
卵黄由来タンパク質 1.5
香料 0.4
精製水 残
計 100.0%
【0070】
〔処方例29〕口腔用パスタ
常法により、下記成分を用いて口腔用パスタを製造した。
流動パラフィン 24.0%
ソルビット 14.0
安息香酸ナトリウム 0.1
セタノール 5.0
マイクロクリスタリンワックス 10.0
パラフィンワックス 5.0
ヒドロキシプロピルセルロース 1.5
卵黄由来タンパク質 1.5
香料 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0071】
〔処方例30〕口腔用パスタ
常法により、下記成分を用いて口腔用パスタを製造した。
セタノール 15.0%
スクワラン 15.0
無水ケイ酸 5.0
P.O.E(20)硬化ヒマシ油 2.0
ヒドロキシプロピルセルロース 1.5
ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0
卵黄由来タンパク質 2.0
香料 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0072】
〔処方例31〕口腔用パスタ
常法により、下記成分を用いて口腔用パスタを製造した。
プラスティベース 87.0%
ソルビタンモノオレイン酸 10.0
卵黄由来タンパク質 2.5
精製水 残
計 100.0%
【0073】
〔処方例32〕口腔用パスタ
常法により、下記成分を用いて口腔用パスタを製造した。
セタノール 5.0%
スクワラン 20.0
沈降性シリカ 5.0
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.1
ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
サッカリンナトリウム 0.6
卵黄由来タンパク質 1.0
フッ化スズ 0.05
ソルビトール 10.0
香料 0.6
精製水 残
計 100.0%
【0074】
〔処方例33〕キャンディ
常法により、下記成分を用いてキャンディを製造した。
砂糖 50.0%
水飴 33.0
有機酸 2.0
卵黄由来タンパク質 2.5
香料 0.2
精製水 残
計 100.0%
【0075】
〔処方例34〕キャンディ
常法により、下記成分を用いてキャンディを製造した。
還元パラチノース 70.0%
還元水飴 24.0
スクラロース 1.0
卵黄由来タンパク質 3.0
香料 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0076】
〔処方例35〕グミ
常法により、下記成分を用いてグミを製造した。
砂糖 34.0%
水飴 45.0
ゼラチン 8.0
果汁 2.0
クエン酸 0.5
リンゴ酸 0.5
卵黄由来タンパク質 2.5
香料 0.5
精製水 残
計 100.0%
【0077】
〔処方例36〕咀嚼錠
常法により、下記成分を用いて咀嚼錠を製造した。
エリスリトール 85.0%
馬鈴薯デンプン 4.0
タルク 3.5
ステアリン酸マグネシウム 1.5
クエン酸 4.0
卵黄由来タンパク質 2.0
計 100.0%
【0078】
〔処方例37〕義歯安定剤
常法により、下記成分を用いて義歯安定剤を製造した。
カルボキシメチルセルロース 35.0%
ポリエチレンオキシド 15.0
ワセリン 32.9
流動パラフィン 14.5
リン酸水素2ナトリウム 0.5
パラベン 0.05
色素 0.01
香料 0.04
卵黄由来タンパク質 2.0
計 100.0%
【0079】
〔処方例38〕うがい用錠剤
常法により、下記成分を用いてうがい用錠剤を製造した。
炭酸水素ナトリウム 53.0%
クエン酸 18.0
無水硫酸ナトリウム 12.0
第2リン酸ナトリウム 10.0
ポリエチレングリコール 3.0
香料 2.0
卵黄由来タンパク質 2.0
計 100.0%
【0080】
〔処方例39〕うがい用錠剤
常法により、下記成分を用いてうがい用錠剤を製造した。
炭酸水素ナトリウム 50.5%
クエン酸 15.0
無水硫酸ナトリウム 12.8
第2リン酸ナトリウム 10.0
ポリエチレングリコール 3.0
モノフルオルリン酸ナトリウム 0.1
卵黄由来タンパク質 3.0
香料 2.0
オレイン酸 0.1
精製水 残
計 100.0%
【0081】
〔処方例40〕うがい用錠剤
常法により、下記成分を用いてうがい用錠剤を製造した。
炭酸水素ナトリウム 71.0%
無水硫酸ナトリウム 12.4
第2リン酸ナトリウム 10.0
ポリエチレングリコール 3.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.1
卵黄由来タンパク質 1.5
香料 2.0
計 100.0%
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の歯槽骨吸収抑制剤は、歯周病原性細菌の内毒素による局所的かつ速い速度で進行する歯槽骨吸収に対して、優れた歯槽骨吸収抑制効果を有し、かつ長期にわたる使用に十分耐え得る安全性を備えるものである。また、本発明の歯槽骨吸収抑制剤を含有した口腔用組成物は、歯周病原性細菌の内毒素による局所的かつ速い速度で進行する歯槽骨吸収に対して、予防・改善剤として好適である。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵黄由来タンパク質を含有する歯槽骨吸収抑制剤。
【請求項2】
口腔用である請求項1に記載の歯槽骨吸収抑制剤。




【公開番号】特開2010−260794(P2010−260794A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110290(P2009−110290)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】