歯槽骨移植材の加工方法及びそれによる歯槽骨移植材、並びに上記歯槽骨移植材を利用した治療方法{ALVEOLARBONEGRAFTPROCESSINGMETHODANDALVEOLARBONEGRAFTTHEREFROMANDMETHODFORTREATMENTUSINGALVEOLARBONEGRAFT}
本発明は、歯槽骨移植材及びその加工方法、並びに治療方法を開示し、本発明による加工方法は、(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ、(b)上記クラウンとルートの神経内の軟組織とエナメルを除去するステップ、(c)上記(b)ステップを経たクラウンとルートを洗浄するステップ、(d)上記洗浄したクラウンとルートに多数の貫通孔を設けるステップ、(e)上記多数の貫通孔が設けられたクラウンとルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ、及び(f)上記クラウンとルートを冷凍乾燥するステップを含む。本発明によると、インプラント施術の安定性を向上させることができ、自分の歯牙を用いることによって、同種、異種(動物)移植材の伝染性疾患の転移を予防し、追加の手術なしに自家骨移植が可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯槽骨移植材に関し、さらに詳しくは、抽出された自分又は同種の歯牙を物理的、化学的加工を経てブロック膜、ブロック板、及び歯根形態の歯槽骨移植材に加工する方法と、上記ブロック膜、上記ブロック板、及び上記歯根形態の歯槽骨移植材、並びに上記歯槽骨移植材を利用する治療方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
既に普遍化しているインプラント施術は、最近、抜歯後即時埋入へと推移している。この場合、損傷した歯槽骨の保存と増強は必須である。
【0003】
インプラント施術のための歯槽骨の保存と増強に多くの合成骨、異種骨、同種骨の移植材が用いられているが、自家骨を凌駕する骨移植材はなく、現在、用いられているほとんどの移植材は、自家骨の無機質、有機質、又はその成分の一部を合成するものであって、自家骨の機能の一部を果たしてきた。
【0004】
また、歯槽骨に先天的又は後天的な欠陥がある患者の場合、インプラント施術のためのフィクスチャーがしっかりと固定され難い。従って、このような場合は、インプラント施術は、他人の骨や人工構造物からなる骨移植材を歯槽骨に移植した後に進められる。
【0005】
しかし、他人の骨からなる骨移植材は、免疫上の問題点と、上記免疫上の問題を除去するために複雑な処理過程が要求されるという問題点とを有する。
【0006】
また、従来の人工構造物からなる骨移植材は、骨形成蛋白質を含んでいないため、歯骨の生成速度が低いという問題点を有する。また、自家骨を利用する場合にも、付加的な手術が必要であり、材料の量が制限される等の問題点がある。従って、上述した問題点を解決することができる骨移植材の開発が切実に必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明は、抽出された自分又は同種の歯牙を加工し、インプラント施術に利用することができる歯槽骨移植材とその加工方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、自分又は同種の歯牙をブロック膜、ブロック板、及び歯根の形態に加工する歯槽骨移植材とその加工方法を提供する。
【0009】
なお、本発明は、上記した歯槽骨移植材を利用し、歯槽骨の欠陥を治療することができる治療方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の歯槽骨移植材の加工方法は、(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;(b)上記クラウンとルートの軟組織とエナメルを除去するステップ;(c)上記(b)ステップを経たクラウンとルートを洗浄するステップ;(d)上記クラウンとルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;及び(e)上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記クラウン及びルートを冷凍乾燥するステップ;を含む。
【0011】
上記(c)ステップを経て洗浄した上記クラウンとルートに多数の貫通孔を設けることができ、上記貫通孔は、1mm以下の直径を有するように設けられ得る。
【0012】
上記冷凍乾燥した上記クラウン及びルートは、滅菌処理されることが好ましい。
【0013】
上記(c)ステップにおける洗浄は、超音波を利用した純水洗浄と、超音波を利用した過酸化水素洗浄とを含むことができる。
【0014】
上記(d)ステップにおける脱水、脱脂、及び脱灰した後、上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記クラウンとルートを追加洗浄するステップ、及び上記追加洗浄した歯牙を追加脱水及び追加脱脂するステップをさらに含むことができる。
【0015】
上記(d)ステップにおける脱水は、エチルアルコールを利用することができ、上記脱脂は、エチルエーテルを利用することができ、上記脱灰は、塩酸を利用することができる。
【0016】
上記(e)ステップを経た上記クラウン及び上記ルートは、ブロック膜、ブロック板、又は歯根の形態に加工することができる。
【0017】
上記(e)ステップで切り出さなかったルートフォームのルートを歯根の形態に加工することができる。
【0018】
上記滅菌は、放射線又はエチレンオキシドガスを用いて行われ得る。
【0019】
上記ブロック膜形態の移植材は、繊維質を物理的基材で解きほぐすステップ;及び上記繊維質を一定の厚さに圧縮、加工するステップを経て歯槽骨移植材に加工され得る。
【0020】
また、本発明による歯槽骨移植材は、上述した方法により加工され、インプラント施術に利用され得る。
【0021】
上述した歯槽骨移植材を利用した本発明による治療方法は、(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;(b)軟組織とエナメルを除去し、デンティン成分を有するように上記クラウンと上記ルートを処理するステップ;(c)上記(b)ステップを経た上記クラウンと上記ルートを洗浄するステップ;(d)洗浄した上記クラウン及び上記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;(e)上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記クラウンとルートのうち少なくとも何れか1つをブロック膜、ブロック板、及び歯根のうち何れか1つの形態を有する歯槽骨移植材に加工するステップ;(f)上記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び(g)上記歯槽骨移植材をインプラント施術する上記患者の歯槽骨に移植するステップ;を含む。
【0022】
ここで、上記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、上記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工することができ、上記歯根は、上記骨板の厚さ以上に加工することが好ましい。
【0023】
また、本発明による治療方法は、上記骨膜形態の上記クラウンと上記ルートの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び上記繊維質を一定の厚さに圧縮し、上記歯槽骨移植材に加工するステップ;をさらに含むことができる。
【0024】
なお、本発明による治療方法は、(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;(b)軟組織を除去し、デンティン成分を有するように上記ルートを処理するステップ;(c)上記(b)ステップを経た上記ルートを洗浄するステップ;(d)洗浄した上記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;(e)上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記ルートを歯根形態の歯槽骨移植材に加工するステップ;(f)上記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び(g)上記歯槽骨移植材をインプラント施術する上記患者の歯槽骨に移植するステップ;を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、自分の抽出された歯牙を利用してブロック膜、ブロック板、又は歯根形態に歯槽骨移植材を加工することができ、治療方法を提供することができるので、骨移植材料の量を増やすことができ、インプラント施術の安定性を向上させることができ、自分の歯牙を用いることによって、異種(動物)移植材の伝染性疾患の転移を予防し、追加の手術なしに自家骨を移植して同一の効果を得ることができる。
【0026】
また、自家歯牙を利用するため、本発明による歯槽骨移植材は、免疫拒否反応のない安全でかつ経済的な施術を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、歯牙をクラウンとルートに切り出した図面である。
【図2】図2は、神経内の軟組織とエナメルを全て除去し、デンティンのみが残ったクラウンの図面である。
【図3】図3は、多数の貫通孔を設けたクラウンの図面である。
【図4】図4は、神経内の軟組織とエナメルを全て除去し、デンティンのみが残ったルートの図面である。
【図5】図5は、多数の貫通孔を設けたクラウンの図面である。
【図6】図6は、組織切片機(microtome knife)を用いてクラウンをブロック膜で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図7】図7は、組織切片機を用いてクラウンをブロック板で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図8】図8は、組織切片機を用いてルートをブロック膜で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図9】図9は、組織切片機を用いてルートをブロック膜で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図10】図10は、歯根の形態で用いる歯槽骨移植材の図面である。
【図11】図11は、歯槽骨移植材の加工方法とインプラント施術の適用過程を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、歯槽骨移植材の加工方法とインプラント施術の適用過程の中で洗浄、脱水、脱脂、及び脱灰するステップが付加された施術の適用過程を説明するフローチャートである。
【図13】図13は、歯槽骨移植材のうち、歯根形態の歯槽骨移植材の加工方法とインプラント施術の適用過程を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、自分又は同種の歯牙を利用し、部位別、用途別に機能に合うように使用することができる歯槽骨移植材及びその加工方法と治療方法に関する。本発明による歯槽骨移植材は、ブロック膜、ブロック板、又は歯根の形状に加工され得る。上述した歯槽骨移植材は、欠損部の形状と形態によってブロック膜、ブロック板、及び歯根の形態に組織切片機(microtome knife)を利用して加工され得る。
【0029】
歯牙の成分は、ほとんど自家骨と類似しているが、部位別にやや他の構成成分と物理的性質が異なり、それぞれ他の加工及び処理を行って自家骨移植の用途に合うように用いることができ、使用可能な歯牙は、エナメルとデンティンである。本発明では、エナメルを除去したデンティンを利用した歯槽骨移植材について言及する。
【0030】
以下では、ブロック膜とブロック板、歯根の形態に加工する方法について具体的に検討する。
【0031】
先ず、本発明の基本材料となる歯牙を患者から抜歯する(S100)。抜歯した歯牙は、アルコール、生理食塩水、蒸溜水等に浸して冷蔵保管する。
【0032】
冷蔵保管した歯牙をクラウン(Crown、頭の部分)とルート(Root、根元の部分)との境界面(CEJ:cemento enamel junction)で切り出して分離する(S200)。図1を参照すると、歯牙がクラウンとルートに分離された形態を観察することができる。
【0033】
クラウンは、エナメルと神経内の軟組織を全て除去(trimming)し、デンティンのみを残しておく(S300)。図2を参照すると、デンティンのみが残ったクラウンを観察することができる。
【0034】
デンティンのみが残ったクラウンを洗浄した後(S400)、各面に直径1mm以下の多数の貫通孔を開ける(S500)。図3を参照すると、多数の貫通孔を有するクラウンを観察することができる。
【0035】
ルートも、上記クラウンと同様の過程を経ることとなる。
【0036】
ルートは、軟組織を除去(trimming)し、神経組織を除去する(S300)。軟組織と神経組織を除去し、デンティンのみが残ったルートは、図4のように観察することができる。
【0037】
上記のような方法で整えられたルートの端部を1−2mm水平に切り出して除去して扁平にする。そして、直径1mmの小さい孔を一定に貫通させて開ける(S500)。図5を参照すると、多数の貫通孔が開けられているルートを観察することができる。
【0038】
ルートの端部を除去することは、歯槽骨移植材をインプラント施術に適用する際に正しい位置に定着させて外部(周囲の骨)の影響を受けないためである。
【0039】
上記で設けた多数の貫通孔は、血管の浸透空間を確保するためのものである。即ち、移植材の作用機序は、自家骨の無機質、有機質(コラーゲン繊維及び蛋白質)を含有しており、これらが作用するには、適切な血液供給が最優先である。従って、一定の体積を維持する歯根形態(又はブロック膜やブロック板)の移植材に血液の供給のための微細空間の確保が必須であり、このために多数の貫通孔が設けられる。また、貫通孔は、直径0.25乃至1.00mmの多孔を歯根の外部から内部に特殊な器具(物理的な器具)を用いて設けることができ、多孔の間隔は、平均1乃至2mm程度をなすようにし、個数は、表面積によって異なり得るが、通常、成人の小臼歯である場合は40乃至55個、又は成人の大臼歯である場合は50乃至70個の程度で設けられ得る。
【0040】
上記のような過程を経たクラウンとルートは、洗浄して汚染物及び残余の軟組織を除去する。
【0041】
洗浄は、クラウンとルートを純水(demineralized water)又は過酸化水素に入れた後、超音波洗浄器を利用することができる(S400)。純水−超音波洗浄器を利用する場合、約5〜10分ずつを3回、過酸化水素−超音波洗浄器を利用して約10〜30分ずつを3回、さらに純水−超音波洗浄器を利用して約5〜10分間を3回ずつ行う。過酸化水素の濃度は、5%乃至7%で純水の代わりに滅菌蒸留水を用いることもできる。洗浄過程中に上層に浮遊した脂肪は、エーテルで洗い流す。洗浄液の体積は、デンティンの5乃至10倍を用いる。
【0042】
洗浄したクラウンとルートを脱水、脱脂すると、消毒が容易でかつ汚染の可能性が減る(S600)。脱水及び脱脂の過程を経ると、クラウンとルートの脂肪が除去され、骨の形成に有利な無機質と有機質とコラーゲンのみが残り、免疫拒否反応が全くない移植材の役割をすることとなる。脱水は、洗浄したクラウンのデンティンとルートの約5−10倍の体積のエタノール(エチルアルコール)で約10分乃至1時間行う。脱脂は、脱水したクラウンとルートの約5−10倍の体積のエチルエーテルで10分乃至1時間行う。
【0043】
上記クラウンとルートを0.2N乃至0.7Nの塩化水素(HCl)(20倍 の体積)溶液に12−72時間脱灰する。脱灰後に残存するカルシウムの量は、8%以下になり得る。塩化水素溶液は、脱脂したデンティン{ぞうげしつ}1g当り約5mlずつ用いることができる。
【0044】
脱灰したクラウンとルートは、追加の洗浄過程を経ることができ(S610)、純水−超音波を用いて5〜10分ずつ3回が行われ得る。追加の洗浄過程後、クラウンとルートは、追加の脱水及び脱脂の過程を経ることができる(S620)。追加脱水は、エタノールで10分乃至1時間行い、追加脱脂もエチルエーテルで10分乃至1時間行う。
【0045】
図12を見ると、追加の洗浄過程と脱水、脱脂の過程が適用された歯槽骨移植材がインプラント施術に適用される過程を観察することができる。
【0046】
上記クラウンとルートを組織切片機(microtome knife)を利用し、0.2、0.4、0.6、0.8mm(1mm以下の様々な厚さ)の厚さに切り出し、ブロック膜に加工して利用することができる(S700)。図6を参照すると、組織切片機でクラウンを切り出したブロック膜を観察することができる。図8を参照すると、ルート部でブロック膜を観察することができる。ブロック膜には多孔を観察することができるが、ブロック膜の形状は、これに制限されるものではなく、欠損部の形状と形態によって変更され得る。
【0047】
ブロック膜で移植材を形成した場合、物理的な方法で歯牙の繊維質を解きほぐすことができ、これは、脱灰過程により残存するカルシウムの量が減るにつれて可能である。上記繊維質は、物理的な機械を利用して一定の厚さに加工することができる。このように加工されたブロック膜を規格に合うように裁断し、欠損部位に適合したブロック膜に製造、加工することができる。
【0048】
上記の物理的な機械は、圧着、圧力等を利用した機械として、ローラ又はプレス圧着機等が用いられ得る。
【0049】
本発明に好適な実施例として、1.0、1.5、2.0、3.0、4.0、5.0mmの厚さに切り出してブロック板として利用することができる(S700)。図7を参照すると、組織切片機でクラウンをブロック板の形態に切り出した形状を観察することができる。また、図9を参照すると、ルートをブロック板の形態に切り出した形状を観察することができる。多孔があるブロック板も観察することができるが、ブロック板の形状はこれに制限されず、欠損部の形状と形態によって変更され得る。また、歯槽骨移植材は、ブロック膜とブロック板以上の厚さを有する歯根の形態に製作されることができ、歯根の形状と形態は、欠損部によって様々に適用され得る。
【0050】
歯槽骨移植材において歯根の形態に利用する場合は、ルートをそのまま用いて抜歯した本来の位置に移植し、損傷した歯槽骨を原形どおりに復旧するためのものである(S710)。これに関する製造方法は、歯牙から分離したルートは、内部神経及び軟組織を除去した後(S300)、直径1mm以下の多数の貫通孔を設けた後(S500)、上記で言及した脱脂、脱水、及び脱灰の過程を経た後(S600)、再び0.2−0.7Nの塩化水素(HCl)を溶かした塩酸溶液で約12−72時間脱灰過程を経ることとなる。この後、再び洗浄過程を経て歯槽骨移植材が完成されるが、ブロック膜、ブロック板とは異なり、切り出さなかったルートフォームをルートが抜歯された元の位置に移植して歯槽骨を復元するか、インプラントに取り付けて用いるという特徴がある。図10を参照すると、歯根の形態に製造された歯槽骨膜移植材を観察することができる。
【0051】
また、図13を参照すると、歯根の形態を有する歯槽骨移植材を加工する方法から、これを利用してインプラント施術に導入する過程を観察することができる。
【0052】
上記のブロック膜、ブロック板、歯根は、場合によって他の方向に切り出して形状と形態を整えて歯槽骨移植材に製造することができる。切り出す方向は、歯牙の水平や垂直方向に用途に合うように切り出す。上記形状を形成したブロック膜移植材を冷凍乾燥する(S800)。冷凍乾燥は、組織の物性を維持し、水分の含量を減少させる。
【0053】
冷凍乾燥以後かつ施術以前に滅菌ステップを1ステップさらに追加することができる(S900)。上記冷凍乾燥した歯牙の場合、患者のインプラントが施術される歯槽骨に適用させ(S1000)、インプラントを施術するステップに利用することができる(S1100)。
【0054】
図11を参照すると、本発明である歯槽骨移植材をインプラント施術に適用する方法を説明している。
【0055】
本発明は、過去に抜歯後に捨てた歯牙を自家骨移植と同一の機能と効力を有する歯槽骨移植材に変化させる技術である。本発明による骨膜の場合、天然自家歯槽骨と同一の成分のコラーゲンと骨形成誘導蛋白質を含有し、骨の改造に含まれる吸収能力を有しており、既存の骨誘導再生術に最適である。また、骨片(骨ブロック)の場合、骨誘導再生術と垂直増強術を同時に行う能力を有する。また、ルートの場合、損失した歯牙を原形に再生する能力を有するようになる。
【0056】
また、歯牙は、骨の持っている成分がほとんど同一であり、特に、歯槽骨と硬組織、軟組織の構成成分と作用が同一である。従って、本発明により自家骨移植と同一の機能が行えるように、先ず、歯牙の硬組織と軟組織を保存し、軟組織に含まれた骨形成因子も構成成分と作用が同一であるので、移植時にこれらが機能をするように保存すれば、歯槽骨移植材は、自家骨と同一の機能を維持することができ、適切な消毒で免疫拒否反応がないように(自家歯組織であるので)処理することができる。
【0057】
従って、本発明によると、一般の移植材が有する短所、即ち、異種(動物)移植材の伝染性疾患の転移、炎症等、一部分に極限された機能を補完し、自家骨と同一の安全な歯槽骨移植材を得ることができる。
【0058】
また、本発明によると、自家骨と同一の能力を有する移植材を付加的な手術なしに捨てた歯牙を用い、その量と質を同時に解決することができる。
【0059】
また、本発明によると、上記冷凍乾燥した歯槽骨移植材を放射線又はエチレンオキシドガスを利用して滅菌する。従って、残存するハイドロキシアパタイトと有機質のコラーゲン、骨形成因子を用いることができるので、本発明による歯槽骨移植材は、自家骨とさらに類似した機能を有することとなる。
【0060】
上記のような過程を経る本発明によると、自家又は同種の歯牙の移植用として骨移植材料の量を増やすことができ、インプラント施術の安定性を向上させることができ、自分又は同種の歯牙を用いることによって、異種(動物)移植材の伝染性疾患の転移を予防し、追加の手術なしに自家骨移植が可能であり、また、免疫拒否反応のない安全でかつ経済的な施術が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯槽骨移植材に関し、さらに詳しくは、抽出された自分又は同種の歯牙を物理的、化学的加工を経てブロック膜、ブロック板、及び歯根形態の歯槽骨移植材に加工する方法と、上記ブロック膜、上記ブロック板、及び上記歯根形態の歯槽骨移植材、並びに上記歯槽骨移植材を利用する治療方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
既に普遍化しているインプラント施術は、最近、抜歯後即時埋入へと推移している。この場合、損傷した歯槽骨の保存と増強は必須である。
【0003】
インプラント施術のための歯槽骨の保存と増強に多くの合成骨、異種骨、同種骨の移植材が用いられているが、自家骨を凌駕する骨移植材はなく、現在、用いられているほとんどの移植材は、自家骨の無機質、有機質、又はその成分の一部を合成するものであって、自家骨の機能の一部を果たしてきた。
【0004】
また、歯槽骨に先天的又は後天的な欠陥がある患者の場合、インプラント施術のためのフィクスチャーがしっかりと固定され難い。従って、このような場合は、インプラント施術は、他人の骨や人工構造物からなる骨移植材を歯槽骨に移植した後に進められる。
【0005】
しかし、他人の骨からなる骨移植材は、免疫上の問題点と、上記免疫上の問題を除去するために複雑な処理過程が要求されるという問題点とを有する。
【0006】
また、従来の人工構造物からなる骨移植材は、骨形成蛋白質を含んでいないため、歯骨の生成速度が低いという問題点を有する。また、自家骨を利用する場合にも、付加的な手術が必要であり、材料の量が制限される等の問題点がある。従って、上述した問題点を解決することができる骨移植材の開発が切実に必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明は、抽出された自分又は同種の歯牙を加工し、インプラント施術に利用することができる歯槽骨移植材とその加工方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、自分又は同種の歯牙をブロック膜、ブロック板、及び歯根の形態に加工する歯槽骨移植材とその加工方法を提供する。
【0009】
なお、本発明は、上記した歯槽骨移植材を利用し、歯槽骨の欠陥を治療することができる治療方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の歯槽骨移植材の加工方法は、(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;(b)上記クラウンとルートの軟組織とエナメルを除去するステップ;(c)上記(b)ステップを経たクラウンとルートを洗浄するステップ;(d)上記クラウンとルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;及び(e)上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記クラウン及びルートを冷凍乾燥するステップ;を含む。
【0011】
上記(c)ステップを経て洗浄した上記クラウンとルートに多数の貫通孔を設けることができ、上記貫通孔は、1mm以下の直径を有するように設けられ得る。
【0012】
上記冷凍乾燥した上記クラウン及びルートは、滅菌処理されることが好ましい。
【0013】
上記(c)ステップにおける洗浄は、超音波を利用した純水洗浄と、超音波を利用した過酸化水素洗浄とを含むことができる。
【0014】
上記(d)ステップにおける脱水、脱脂、及び脱灰した後、上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記クラウンとルートを追加洗浄するステップ、及び上記追加洗浄した歯牙を追加脱水及び追加脱脂するステップをさらに含むことができる。
【0015】
上記(d)ステップにおける脱水は、エチルアルコールを利用することができ、上記脱脂は、エチルエーテルを利用することができ、上記脱灰は、塩酸を利用することができる。
【0016】
上記(e)ステップを経た上記クラウン及び上記ルートは、ブロック膜、ブロック板、又は歯根の形態に加工することができる。
【0017】
上記(e)ステップで切り出さなかったルートフォームのルートを歯根の形態に加工することができる。
【0018】
上記滅菌は、放射線又はエチレンオキシドガスを用いて行われ得る。
【0019】
上記ブロック膜形態の移植材は、繊維質を物理的基材で解きほぐすステップ;及び上記繊維質を一定の厚さに圧縮、加工するステップを経て歯槽骨移植材に加工され得る。
【0020】
また、本発明による歯槽骨移植材は、上述した方法により加工され、インプラント施術に利用され得る。
【0021】
上述した歯槽骨移植材を利用した本発明による治療方法は、(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;(b)軟組織とエナメルを除去し、デンティン成分を有するように上記クラウンと上記ルートを処理するステップ;(c)上記(b)ステップを経た上記クラウンと上記ルートを洗浄するステップ;(d)洗浄した上記クラウン及び上記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;(e)上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記クラウンとルートのうち少なくとも何れか1つをブロック膜、ブロック板、及び歯根のうち何れか1つの形態を有する歯槽骨移植材に加工するステップ;(f)上記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び(g)上記歯槽骨移植材をインプラント施術する上記患者の歯槽骨に移植するステップ;を含む。
【0022】
ここで、上記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、上記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工することができ、上記歯根は、上記骨板の厚さ以上に加工することが好ましい。
【0023】
また、本発明による治療方法は、上記骨膜形態の上記クラウンと上記ルートの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び上記繊維質を一定の厚さに圧縮し、上記歯槽骨移植材に加工するステップ;をさらに含むことができる。
【0024】
なお、本発明による治療方法は、(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;(b)軟組織を除去し、デンティン成分を有するように上記ルートを処理するステップ;(c)上記(b)ステップを経た上記ルートを洗浄するステップ;(d)洗浄した上記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;(e)上記脱水、脱脂、及び脱灰した上記ルートを歯根形態の歯槽骨移植材に加工するステップ;(f)上記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び(g)上記歯槽骨移植材をインプラント施術する上記患者の歯槽骨に移植するステップ;を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、自分の抽出された歯牙を利用してブロック膜、ブロック板、又は歯根形態に歯槽骨移植材を加工することができ、治療方法を提供することができるので、骨移植材料の量を増やすことができ、インプラント施術の安定性を向上させることができ、自分の歯牙を用いることによって、異種(動物)移植材の伝染性疾患の転移を予防し、追加の手術なしに自家骨を移植して同一の効果を得ることができる。
【0026】
また、自家歯牙を利用するため、本発明による歯槽骨移植材は、免疫拒否反応のない安全でかつ経済的な施術を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、歯牙をクラウンとルートに切り出した図面である。
【図2】図2は、神経内の軟組織とエナメルを全て除去し、デンティンのみが残ったクラウンの図面である。
【図3】図3は、多数の貫通孔を設けたクラウンの図面である。
【図4】図4は、神経内の軟組織とエナメルを全て除去し、デンティンのみが残ったルートの図面である。
【図5】図5は、多数の貫通孔を設けたクラウンの図面である。
【図6】図6は、組織切片機(microtome knife)を用いてクラウンをブロック膜で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図7】図7は、組織切片機を用いてクラウンをブロック板で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図8】図8は、組織切片機を用いてルートをブロック膜で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図9】図9は、組織切片機を用いてルートをブロック膜で切り出した歯槽骨移植材の図面である。
【図10】図10は、歯根の形態で用いる歯槽骨移植材の図面である。
【図11】図11は、歯槽骨移植材の加工方法とインプラント施術の適用過程を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、歯槽骨移植材の加工方法とインプラント施術の適用過程の中で洗浄、脱水、脱脂、及び脱灰するステップが付加された施術の適用過程を説明するフローチャートである。
【図13】図13は、歯槽骨移植材のうち、歯根形態の歯槽骨移植材の加工方法とインプラント施術の適用過程を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、自分又は同種の歯牙を利用し、部位別、用途別に機能に合うように使用することができる歯槽骨移植材及びその加工方法と治療方法に関する。本発明による歯槽骨移植材は、ブロック膜、ブロック板、又は歯根の形状に加工され得る。上述した歯槽骨移植材は、欠損部の形状と形態によってブロック膜、ブロック板、及び歯根の形態に組織切片機(microtome knife)を利用して加工され得る。
【0029】
歯牙の成分は、ほとんど自家骨と類似しているが、部位別にやや他の構成成分と物理的性質が異なり、それぞれ他の加工及び処理を行って自家骨移植の用途に合うように用いることができ、使用可能な歯牙は、エナメルとデンティンである。本発明では、エナメルを除去したデンティンを利用した歯槽骨移植材について言及する。
【0030】
以下では、ブロック膜とブロック板、歯根の形態に加工する方法について具体的に検討する。
【0031】
先ず、本発明の基本材料となる歯牙を患者から抜歯する(S100)。抜歯した歯牙は、アルコール、生理食塩水、蒸溜水等に浸して冷蔵保管する。
【0032】
冷蔵保管した歯牙をクラウン(Crown、頭の部分)とルート(Root、根元の部分)との境界面(CEJ:cemento enamel junction)で切り出して分離する(S200)。図1を参照すると、歯牙がクラウンとルートに分離された形態を観察することができる。
【0033】
クラウンは、エナメルと神経内の軟組織を全て除去(trimming)し、デンティンのみを残しておく(S300)。図2を参照すると、デンティンのみが残ったクラウンを観察することができる。
【0034】
デンティンのみが残ったクラウンを洗浄した後(S400)、各面に直径1mm以下の多数の貫通孔を開ける(S500)。図3を参照すると、多数の貫通孔を有するクラウンを観察することができる。
【0035】
ルートも、上記クラウンと同様の過程を経ることとなる。
【0036】
ルートは、軟組織を除去(trimming)し、神経組織を除去する(S300)。軟組織と神経組織を除去し、デンティンのみが残ったルートは、図4のように観察することができる。
【0037】
上記のような方法で整えられたルートの端部を1−2mm水平に切り出して除去して扁平にする。そして、直径1mmの小さい孔を一定に貫通させて開ける(S500)。図5を参照すると、多数の貫通孔が開けられているルートを観察することができる。
【0038】
ルートの端部を除去することは、歯槽骨移植材をインプラント施術に適用する際に正しい位置に定着させて外部(周囲の骨)の影響を受けないためである。
【0039】
上記で設けた多数の貫通孔は、血管の浸透空間を確保するためのものである。即ち、移植材の作用機序は、自家骨の無機質、有機質(コラーゲン繊維及び蛋白質)を含有しており、これらが作用するには、適切な血液供給が最優先である。従って、一定の体積を維持する歯根形態(又はブロック膜やブロック板)の移植材に血液の供給のための微細空間の確保が必須であり、このために多数の貫通孔が設けられる。また、貫通孔は、直径0.25乃至1.00mmの多孔を歯根の外部から内部に特殊な器具(物理的な器具)を用いて設けることができ、多孔の間隔は、平均1乃至2mm程度をなすようにし、個数は、表面積によって異なり得るが、通常、成人の小臼歯である場合は40乃至55個、又は成人の大臼歯である場合は50乃至70個の程度で設けられ得る。
【0040】
上記のような過程を経たクラウンとルートは、洗浄して汚染物及び残余の軟組織を除去する。
【0041】
洗浄は、クラウンとルートを純水(demineralized water)又は過酸化水素に入れた後、超音波洗浄器を利用することができる(S400)。純水−超音波洗浄器を利用する場合、約5〜10分ずつを3回、過酸化水素−超音波洗浄器を利用して約10〜30分ずつを3回、さらに純水−超音波洗浄器を利用して約5〜10分間を3回ずつ行う。過酸化水素の濃度は、5%乃至7%で純水の代わりに滅菌蒸留水を用いることもできる。洗浄過程中に上層に浮遊した脂肪は、エーテルで洗い流す。洗浄液の体積は、デンティンの5乃至10倍を用いる。
【0042】
洗浄したクラウンとルートを脱水、脱脂すると、消毒が容易でかつ汚染の可能性が減る(S600)。脱水及び脱脂の過程を経ると、クラウンとルートの脂肪が除去され、骨の形成に有利な無機質と有機質とコラーゲンのみが残り、免疫拒否反応が全くない移植材の役割をすることとなる。脱水は、洗浄したクラウンのデンティンとルートの約5−10倍の体積のエタノール(エチルアルコール)で約10分乃至1時間行う。脱脂は、脱水したクラウンとルートの約5−10倍の体積のエチルエーテルで10分乃至1時間行う。
【0043】
上記クラウンとルートを0.2N乃至0.7Nの塩化水素(HCl)(20倍 の体積)溶液に12−72時間脱灰する。脱灰後に残存するカルシウムの量は、8%以下になり得る。塩化水素溶液は、脱脂したデンティン{ぞうげしつ}1g当り約5mlずつ用いることができる。
【0044】
脱灰したクラウンとルートは、追加の洗浄過程を経ることができ(S610)、純水−超音波を用いて5〜10分ずつ3回が行われ得る。追加の洗浄過程後、クラウンとルートは、追加の脱水及び脱脂の過程を経ることができる(S620)。追加脱水は、エタノールで10分乃至1時間行い、追加脱脂もエチルエーテルで10分乃至1時間行う。
【0045】
図12を見ると、追加の洗浄過程と脱水、脱脂の過程が適用された歯槽骨移植材がインプラント施術に適用される過程を観察することができる。
【0046】
上記クラウンとルートを組織切片機(microtome knife)を利用し、0.2、0.4、0.6、0.8mm(1mm以下の様々な厚さ)の厚さに切り出し、ブロック膜に加工して利用することができる(S700)。図6を参照すると、組織切片機でクラウンを切り出したブロック膜を観察することができる。図8を参照すると、ルート部でブロック膜を観察することができる。ブロック膜には多孔を観察することができるが、ブロック膜の形状は、これに制限されるものではなく、欠損部の形状と形態によって変更され得る。
【0047】
ブロック膜で移植材を形成した場合、物理的な方法で歯牙の繊維質を解きほぐすことができ、これは、脱灰過程により残存するカルシウムの量が減るにつれて可能である。上記繊維質は、物理的な機械を利用して一定の厚さに加工することができる。このように加工されたブロック膜を規格に合うように裁断し、欠損部位に適合したブロック膜に製造、加工することができる。
【0048】
上記の物理的な機械は、圧着、圧力等を利用した機械として、ローラ又はプレス圧着機等が用いられ得る。
【0049】
本発明に好適な実施例として、1.0、1.5、2.0、3.0、4.0、5.0mmの厚さに切り出してブロック板として利用することができる(S700)。図7を参照すると、組織切片機でクラウンをブロック板の形態に切り出した形状を観察することができる。また、図9を参照すると、ルートをブロック板の形態に切り出した形状を観察することができる。多孔があるブロック板も観察することができるが、ブロック板の形状はこれに制限されず、欠損部の形状と形態によって変更され得る。また、歯槽骨移植材は、ブロック膜とブロック板以上の厚さを有する歯根の形態に製作されることができ、歯根の形状と形態は、欠損部によって様々に適用され得る。
【0050】
歯槽骨移植材において歯根の形態に利用する場合は、ルートをそのまま用いて抜歯した本来の位置に移植し、損傷した歯槽骨を原形どおりに復旧するためのものである(S710)。これに関する製造方法は、歯牙から分離したルートは、内部神経及び軟組織を除去した後(S300)、直径1mm以下の多数の貫通孔を設けた後(S500)、上記で言及した脱脂、脱水、及び脱灰の過程を経た後(S600)、再び0.2−0.7Nの塩化水素(HCl)を溶かした塩酸溶液で約12−72時間脱灰過程を経ることとなる。この後、再び洗浄過程を経て歯槽骨移植材が完成されるが、ブロック膜、ブロック板とは異なり、切り出さなかったルートフォームをルートが抜歯された元の位置に移植して歯槽骨を復元するか、インプラントに取り付けて用いるという特徴がある。図10を参照すると、歯根の形態に製造された歯槽骨膜移植材を観察することができる。
【0051】
また、図13を参照すると、歯根の形態を有する歯槽骨移植材を加工する方法から、これを利用してインプラント施術に導入する過程を観察することができる。
【0052】
上記のブロック膜、ブロック板、歯根は、場合によって他の方向に切り出して形状と形態を整えて歯槽骨移植材に製造することができる。切り出す方向は、歯牙の水平や垂直方向に用途に合うように切り出す。上記形状を形成したブロック膜移植材を冷凍乾燥する(S800)。冷凍乾燥は、組織の物性を維持し、水分の含量を減少させる。
【0053】
冷凍乾燥以後かつ施術以前に滅菌ステップを1ステップさらに追加することができる(S900)。上記冷凍乾燥した歯牙の場合、患者のインプラントが施術される歯槽骨に適用させ(S1000)、インプラントを施術するステップに利用することができる(S1100)。
【0054】
図11を参照すると、本発明である歯槽骨移植材をインプラント施術に適用する方法を説明している。
【0055】
本発明は、過去に抜歯後に捨てた歯牙を自家骨移植と同一の機能と効力を有する歯槽骨移植材に変化させる技術である。本発明による骨膜の場合、天然自家歯槽骨と同一の成分のコラーゲンと骨形成誘導蛋白質を含有し、骨の改造に含まれる吸収能力を有しており、既存の骨誘導再生術に最適である。また、骨片(骨ブロック)の場合、骨誘導再生術と垂直増強術を同時に行う能力を有する。また、ルートの場合、損失した歯牙を原形に再生する能力を有するようになる。
【0056】
また、歯牙は、骨の持っている成分がほとんど同一であり、特に、歯槽骨と硬組織、軟組織の構成成分と作用が同一である。従って、本発明により自家骨移植と同一の機能が行えるように、先ず、歯牙の硬組織と軟組織を保存し、軟組織に含まれた骨形成因子も構成成分と作用が同一であるので、移植時にこれらが機能をするように保存すれば、歯槽骨移植材は、自家骨と同一の機能を維持することができ、適切な消毒で免疫拒否反応がないように(自家歯組織であるので)処理することができる。
【0057】
従って、本発明によると、一般の移植材が有する短所、即ち、異種(動物)移植材の伝染性疾患の転移、炎症等、一部分に極限された機能を補完し、自家骨と同一の安全な歯槽骨移植材を得ることができる。
【0058】
また、本発明によると、自家骨と同一の能力を有する移植材を付加的な手術なしに捨てた歯牙を用い、その量と質を同時に解決することができる。
【0059】
また、本発明によると、上記冷凍乾燥した歯槽骨移植材を放射線又はエチレンオキシドガスを利用して滅菌する。従って、残存するハイドロキシアパタイトと有機質のコラーゲン、骨形成因子を用いることができるので、本発明による歯槽骨移植材は、自家骨とさらに類似した機能を有することとなる。
【0060】
上記のような過程を経る本発明によると、自家又は同種の歯牙の移植用として骨移植材料の量を増やすことができ、インプラント施術の安定性を向上させることができ、自分又は同種の歯牙を用いることによって、異種(動物)移植材の伝染性疾患の転移を予防し、追加の手術なしに自家骨移植が可能であり、また、免疫拒否反応のない安全でかつ経済的な施術が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)軟組織とエナメルを除去し、デンティン成分を有するように前記クラウンを処理するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記クラウンを洗浄するステップ;
(d)洗浄した前記クラウンを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;及び
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンを冷凍乾燥するステップ;
を含む歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項2】
前記(c)ステップを経て洗浄した前記クラウンの各面に、多数の貫通孔を設けるステップをさらに含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項3】
前記貫通孔は、1mm以下の直径を有するように設けられる、請求項2に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項4】
前記(e)ステップを経た前記クラウンを滅菌するステップをさらに含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項5】
前記滅菌は、放射線又はエチレンオキシドガスを用いて行う、請求項4に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項6】
前記(c)ステップにおける前記洗浄は、超音波を利用した純水洗浄と、超音波を利用した過酸化水素洗浄のうち少なくとも何れか1つ以上を含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項7】
前記(d)ステップにおける前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンを洗浄するステップ;及び
前記クラウンを追加脱水及び追加脱脂するステップ;
をさらに含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項8】
前記(d)ステップで、前記脱水は、エチルアルコールを利用する、請求項1又は7に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項9】
前記(d)ステップで、前記脱脂は、エチルエーテルを利用する、請求項1又は7に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項10】
前記(d)ステップで、前記脱灰は、塩酸を利用する、請求項1又は7に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項11】
前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンは、ブロック膜、ブロック板、及び歯根のうち何れか1つの形態に加工する、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項12】
前記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、前記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工する、請求項11に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項13】
前記歯根は、前記骨板の厚さ以上に加工する、請求項12に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項14】
前記クラウンは、垂直又は水平方向に切り出して加工する、請求項11に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項15】
前記ブロック膜形態の前記クラウンの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び
前記繊維質を一定の厚さに圧縮加工するステップ;
をさらに含む、請求項11に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項16】
請求項1、11又は15の方法で加工された歯槽骨移植材。
【請求項17】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)前記ルートの軟組織を除去するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記ルートを洗浄するステップ;
(d)前記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;及び
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記ルートを冷凍乾燥するステップ;
を含む歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項18】
前記(c)ステップを経て洗浄した前記ルートの各面に、多数の貫通孔を設けるステップをさらに含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項19】
前記貫通孔は、1mm以下の直径を有するように設けられる、請求項18に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項20】
前記ルートの端部を水平に1乃至2mm程度水平に除去するステップをさらに含む、請求項18に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項21】
前記(e)ステップを経た前記ルートを滅菌するステップをさらに含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項22】
前記滅菌は、放射線又はエチレンオキシドガスを用いて行う、請求項21に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項23】
前記(c)ステップにおける前記洗浄は、超音波を利用した純水洗浄と、超音波を利用した過酸化水素洗浄のうち少なくとも何れか1つ以上を含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項24】
前記(d)ステップにおける前記脱水、脱脂、及び脱灰したデンティンを洗浄するステップ;及び
前記デンティンを追加脱水及び追加脱脂するステップ;
をさらに含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項25】
前記(d)ステップで、前記脱水は、エチルアルコールを利用する、請求項17又は24に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項26】
前記(d)ステップで、前記脱脂は、エチルエーテルを利用する、請求項17又は24に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項27】
前記(d)ステップで、前記脱灰は、塩酸を利用する、請求項17又は24に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項28】
前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記ルートは、ブロック膜、ブロック板、及び歯根のうち何れか1つの形態に加工する、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項29】
前記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、前記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工する、請求項28に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項30】
前記歯根は、前記骨板の厚さ以上に加工する、請求項29に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項31】
前記ルートは、垂直又は水平方向に切り出して加工する、請求項28に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項32】
前記ブロック膜形態の前記ルートの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び
前記繊維質を一定の厚さに圧縮加工するステップ;
をさらに含む、請求項28に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項33】
請求項17、28又は32の方法で加工された歯槽骨移植材。
【請求項34】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)軟組織とエナメルを除去し、デンティン成分を有するように前記クラウンと前記ルートを処理するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記クラウンと前記ルートを洗浄するステップ;
(d)洗浄した前記クラウン及び前記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンとルートのうち少なくとも何れか1つを、骨膜、骨板、及び骨ブロックのうち何れか1つの形態を有する歯槽骨移植材に加工するステップ;
(f)前記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び
(g)前記歯槽骨移植材をインプラント施術する前記患者の歯槽骨に移植するステップ;
を含む歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項35】
前記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、前記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工する、請求項34に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項36】
前記歯根は、前記ブロック板の厚さ以上に加工する、請求項35に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項37】
前記クラウンと前記ルートは、垂直又は水平方向に切り出して加工する、請求項34に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項38】
前記ブロック膜形態の前記クラウンと前記ルートの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び
前記繊維質を一定の厚さに圧縮し、前記歯槽骨移植材に加工するステップ;
をさらに含む、請求項34に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項39】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)軟組織を除去し、デンティン成分を有するように前記ルートを処理するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記ルートを洗浄するステップ;
(d)洗浄した前記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記ルートを歯根形態の歯槽骨移植材に加工するステップ;
(f)前記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び
(g)前記歯槽骨移植材をインプラント施術する前記患者の歯槽骨に移植するステップ;
を含む、歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項1】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)軟組織とエナメルを除去し、デンティン成分を有するように前記クラウンを処理するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記クラウンを洗浄するステップ;
(d)洗浄した前記クラウンを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;及び
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンを冷凍乾燥するステップ;
を含む歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項2】
前記(c)ステップを経て洗浄した前記クラウンの各面に、多数の貫通孔を設けるステップをさらに含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項3】
前記貫通孔は、1mm以下の直径を有するように設けられる、請求項2に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項4】
前記(e)ステップを経た前記クラウンを滅菌するステップをさらに含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項5】
前記滅菌は、放射線又はエチレンオキシドガスを用いて行う、請求項4に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項6】
前記(c)ステップにおける前記洗浄は、超音波を利用した純水洗浄と、超音波を利用した過酸化水素洗浄のうち少なくとも何れか1つ以上を含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項7】
前記(d)ステップにおける前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンを洗浄するステップ;及び
前記クラウンを追加脱水及び追加脱脂するステップ;
をさらに含む、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項8】
前記(d)ステップで、前記脱水は、エチルアルコールを利用する、請求項1又は7に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項9】
前記(d)ステップで、前記脱脂は、エチルエーテルを利用する、請求項1又は7に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項10】
前記(d)ステップで、前記脱灰は、塩酸を利用する、請求項1又は7に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項11】
前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンは、ブロック膜、ブロック板、及び歯根のうち何れか1つの形態に加工する、請求項1に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項12】
前記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、前記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工する、請求項11に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項13】
前記歯根は、前記骨板の厚さ以上に加工する、請求項12に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項14】
前記クラウンは、垂直又は水平方向に切り出して加工する、請求項11に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項15】
前記ブロック膜形態の前記クラウンの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び
前記繊維質を一定の厚さに圧縮加工するステップ;
をさらに含む、請求項11に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項16】
請求項1、11又は15の方法で加工された歯槽骨移植材。
【請求項17】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)前記ルートの軟組織を除去するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記ルートを洗浄するステップ;
(d)前記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;及び
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記ルートを冷凍乾燥するステップ;
を含む歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項18】
前記(c)ステップを経て洗浄した前記ルートの各面に、多数の貫通孔を設けるステップをさらに含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項19】
前記貫通孔は、1mm以下の直径を有するように設けられる、請求項18に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項20】
前記ルートの端部を水平に1乃至2mm程度水平に除去するステップをさらに含む、請求項18に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項21】
前記(e)ステップを経た前記ルートを滅菌するステップをさらに含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項22】
前記滅菌は、放射線又はエチレンオキシドガスを用いて行う、請求項21に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項23】
前記(c)ステップにおける前記洗浄は、超音波を利用した純水洗浄と、超音波を利用した過酸化水素洗浄のうち少なくとも何れか1つ以上を含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項24】
前記(d)ステップにおける前記脱水、脱脂、及び脱灰したデンティンを洗浄するステップ;及び
前記デンティンを追加脱水及び追加脱脂するステップ;
をさらに含む、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項25】
前記(d)ステップで、前記脱水は、エチルアルコールを利用する、請求項17又は24に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項26】
前記(d)ステップで、前記脱脂は、エチルエーテルを利用する、請求項17又は24に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項27】
前記(d)ステップで、前記脱灰は、塩酸を利用する、請求項17又は24に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項28】
前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記ルートは、ブロック膜、ブロック板、及び歯根のうち何れか1つの形態に加工する、請求項17に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項29】
前記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、前記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工する、請求項28に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項30】
前記歯根は、前記骨板の厚さ以上に加工する、請求項29に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項31】
前記ルートは、垂直又は水平方向に切り出して加工する、請求項28に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項32】
前記ブロック膜形態の前記ルートの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び
前記繊維質を一定の厚さに圧縮加工するステップ;
をさらに含む、請求項28に記載の歯槽骨移植材の加工方法。
【請求項33】
請求項17、28又は32の方法で加工された歯槽骨移植材。
【請求項34】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)軟組織とエナメルを除去し、デンティン成分を有するように前記クラウンと前記ルートを処理するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記クラウンと前記ルートを洗浄するステップ;
(d)洗浄した前記クラウン及び前記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記クラウンとルートのうち少なくとも何れか1つを、骨膜、骨板、及び骨ブロックのうち何れか1つの形態を有する歯槽骨移植材に加工するステップ;
(f)前記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び
(g)前記歯槽骨移植材をインプラント施術する前記患者の歯槽骨に移植するステップ;
を含む歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項35】
前記ブロック膜は、1mm未満の厚さを有し、前記ブロック板は、1mm以上の厚さを有するように加工する、請求項34に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項36】
前記歯根は、前記ブロック板の厚さ以上に加工する、請求項35に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項37】
前記クラウンと前記ルートは、垂直又は水平方向に切り出して加工する、請求項34に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項38】
前記ブロック膜形態の前記クラウンと前記ルートの繊維質を物理的に解きほぐすステップ;及び
前記繊維質を一定の厚さに圧縮し、前記歯槽骨移植材に加工するステップ;
をさらに含む、請求項34に記載の歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【請求項39】
(a)患者から採取した歯牙をクラウンとルートに分離するステップ;
(b)軟組織を除去し、デンティン成分を有するように前記ルートを処理するステップ;
(c)前記(b)ステップを経た前記ルートを洗浄するステップ;
(d)洗浄した前記ルートを脱水、脱脂、及び脱灰するステップ;
(e)前記脱水、脱脂、及び脱灰した前記ルートを歯根形態の歯槽骨移植材に加工するステップ;
(f)前記歯槽骨移植材を冷凍乾燥及び滅菌するステップ;及び
(g)前記歯槽骨移植材をインプラント施術する前記患者の歯槽骨に移植するステップ;
を含む、歯槽骨移植材を利用した治療方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2013−500823(P2013−500823A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523567(P2012−523567)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005142
【国際公開番号】WO2011/016684
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(512028884)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005142
【国際公開番号】WO2011/016684
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(512028884)
【Fターム(参考)】
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