説明

歯磨剤用顆粒

【課題】歯のすき間だけでなく歯の表面に対しても優れた歯垢及び着色汚れの除去効果を有する歯磨剤用顆粒及びこれを含有する歯磨剤を提供する。
【解決手段】次の成分(A)及び(B):
(A)研磨性粉体 40〜90質量%、
(B)水不溶性無機結合剤 10〜45質量%、
を含有し、表面積の40%以上が凹凸面で形成され、凹凸面の平均高低差が2〜10μmであり、平均粒子径が50〜500μmである歯磨剤用顆粒。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯磨剤用顆粒及びこれを含有する歯磨剤に関する。
【背景技術】
【0002】
口の中で触知できる程度の強度と大きさを保有し、歯を磨いている過程で徐々に崩壊することにより、歯と歯のすき間の歯垢除去効果を示す顆粒及びこれを配合した歯磨剤が知られている。これらの顆粒としては、研磨性粉体として使用する水不溶性粉末材料を無機結合剤で結着させて得られる、崩壊強度が0.1〜10g/個でなめらかな球面を有する顆粒(特許文献1)、又は水不溶性粉末材料を油脂や高級脂肪酸等の有機結合剤で結着させて得られる、崩壊強度が0.1〜50g/個でなめらかな球面を有する顆粒(特許文献2)が知られている。また、ソフトな使用感を得るために、セルロース粉末に糖類や多糖類等の水溶性物質を結合剤に用いたもの(特許文献3)がある。さらに、結合剤を含まないものとして、少なくとも2種類以上の粒子径の異なる微粒子を凝集させて得られるもの(特許文献4)、平均一次粒子径が0.01〜0.5μmである炭酸カルシウム微粒子を結合したもの(特許文献5)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−299211号公報
【特許文献2】特開平4−243815号公報
【特許文献3】特開平11−236324号公報
【特許文献4】特表平10−506885号公報
【特許文献5】特開2002−275041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2、4及び5に記載されたようなブラッシングにより徐々に崩壊する顆粒は、歯と歯のすき間の歯垢除去効果が優れていることは明らかにされているが、崩壊前の顆粒による歯の表面に対する歯垢除去効果については十分に検討されているとは言えない。また、特許文献3に記載の顆粒もまた、ソフトな感触を得ることが課題であり、崩壊前の顆粒自体の歯の表面に対する歯垢除去効果は検討されていない。そこで、本発明者は前記従来の崩壊性顆粒を用いて歯と歯のすき間の歯垢又は着色汚れの除去効果だけでなく、崩壊前の顆粒自体による歯の表面の歯垢又は着色汚れの除去効果について詳細に検討した。その結果、前記従来の崩壊性顆粒自体の歯の表面における歯垢や着色汚れの除去効果は、顆粒調製前の原料粉体の除去効果よりも低下していることが判明した。このように、従来の崩壊性顆粒を用いて歯磨きをした場合、歯のすき間の歯垢除去効果は十分に高いが、歯の表面における歯垢又は着色汚れの除去効果は十分でないことが判明した。
従って、本発明の課題は、歯のすき間だけでなく歯の表面に対しても優れた歯垢除去効果を有する歯磨剤用顆粒及びこれを含有する歯磨剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者は、数多くの顆粒を製造し、顆粒自体の歯の表面の歯垢又は着色汚れに対する除去効果について検討したところ、前述の通り、表面に凹凸がない、なめらかな従来の顆粒は、歯の表面における歯垢又は着色汚れの除去効果が、顆粒調製前の原料粉体の除去効果よりも低下しているのに対し、研磨性粉体と水不溶性無機結合剤を用いて調製された表面に明確な凹凸面を有する顆粒は、歯の表面における歯垢又は着色汚れの除去効果が、原料として用いた研磨性粉体と同等であることから、崩壊による歯と歯のすき間の清掃性だけでなく、崩壊前の歯の表面の清掃性、つまり歯の表面の歯垢又は着色汚れの除去効果に優れていることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)研磨性粉体 40〜90質量%、
(B)水不溶性無機結合剤 10〜45質量%
を含有し、表面積の40%以上が凹凸面で形成され、凹凸面の平均高低差が2〜10μmであり、平均粒子径が50〜500μmである歯磨剤用顆粒を提供するものである。
また、本発明は、前記歯磨剤用顆粒を含有する歯磨剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の歯磨剤用顆粒は、崩壊前の顆粒自体に、歯の表面に対する清掃性、即ち、歯垢又は着色汚れの除去効果に優れていることから、この顆粒を用いた歯磨剤を用いれば、歯の表面及び歯と歯のすき間の清掃性が顆粒の崩壊前から崩壊後も持続し、歯磨き開始時から終了時まで歯垢や着色汚れを取り続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】顆粒1〜4の表面の線解析による算術平均粗さ(Ra値)を示す。
【図2】顆粒1〜4の表面の平均高低差を示す。
【図3】顆粒3の走査電子顕微鏡像を示す。
【図4】顆粒1の走査電子顕微鏡像を示す。
【図5】顆粒2の走査電子顕微鏡像を示す。
【図6】評価モデルの操作の概念図を示す。
【図7】実施例1と比較例1、比較例3と比較例4の刷掃回数と除去面積の関係を示す。
【図8】実施例2と比較例2、比較例5と比較例6の刷掃回数と除去面積の関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の歯磨剤用顆粒は、(A)研磨性粉体及び(B)水不溶性無機結合剤を含有するものである。(A)研磨性粉体としては、歯磨剤用の研磨剤として一般に用いられるもの、例えば第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、複合アルミノケイ酸塩、炭酸マグネシウム等が挙げられる。このうち、清掃効果が高いこと、また取り扱いのしやすさや汎用性の点から、炭酸カルシウム、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、ゼオライトが好ましく、無水ケイ酸が特に好ましい。これら研磨性粉体は単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
【0010】
(A)研磨性粉体の平均粒子径は、歯磨剤用顆粒が崩壊する前の歯の表面の歯垢除去性の点から、好ましくは5〜20μm、さらに6〜15μm、特に6〜10μmが好ましい。
【0011】
(A)研磨性粉体の吸油量は、通常、少ないほうが研磨性が高い。しかし、吸油量が少なすぎる研磨性粉体を用いて調製された本発明の歯磨剤用顆粒は、表面に凹凸が形成されず、その結果として歯の表面の歯垢除去効果が低い傾向にある。従って、本発明に用いる(A)研磨性粉体の吸油量は、歯磨剤用顆粒の表面に凹凸を形成する点及び顆粒崩壊前の歯の表面の歯垢除去性の点から、好ましくは80〜150mL/100gであり、さらに好ましくは90〜130mL/100gである。なお、(A)研磨性粉体のRDA値(研磨性)は口腔内における為害性防止や使用感と研磨性のバランスから、150〜90が好ましく、さらに140〜90が好ましい。
【0012】
ここで(A)研磨性粉体の吸油量は、JIS K5101−13−2に準ずる方法により、吸収される煮あまに油の量により特定する。具体的には、測定対象の研磨性粉体に煮あまに油を滴下しつつ鋼ヘラで練り合わせ、全体が鋼ヘラでラセン状にまくことができた時点を終点とし、吸収される煮あまに油の量を特定する。なお、煮あまに油はJIS K5421に規定するものを用いる。また、(A)研磨性粉体のRDA値は、ISO11609研磨性の試験方法 付随書Aにて測定するものを用いる。
【0013】
顆粒中の(A)研磨性粉体の含有量は、40〜90質量%であるが、顆粒崩壊前の歯の表面の研磨性、崩壊性、顆粒崩壊後の研磨性の点から、50〜85質量%が好ましく、特に60〜85質量%が好ましい。
【0014】
(B)水不溶性無機結合剤としては、例えばコロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム等のケイ素系化合物、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、水酸化アルミニウムゲル、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト等が挙げられる。これらのうち、ケイ素系化合物が好ましく、なかでも、噴霧造粒法での操作性などの点からコロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウムが好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。これら無機結合剤は単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
【0015】
顆粒中の(B)水不溶性無機結合剤の含有量は、10〜45質量%であるが、顆粒の強度と崩壊性のバランスの点から、10〜40質量%が好ましく、特に15〜35質量%が好ましい。
【0016】
また、本発明の顆粒には、上記成分(A)及び(B)に加えて、(C)水不溶性繊維を含有させるのが、崩壊性、歯垢除去性の点から好ましい。(C)水不溶性繊維としては、水不溶性食物繊維が好ましく、例えばセルロース、水不溶性ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン等が挙げられ、このうち顆粒の崩壊性、歯垢除去性、着色汚れ除去性の点からセルロースが特に好ましい。セルロースは、パルプ等を原料として粉末状の乾燥品として精製されたセルロースのほか、加工処理により結晶構造が認められる微結晶粉末セルロース等であっても良い。また、前述のセルロースのほかに、植物を原料として精製されたビートファイバー、コーンファイバー、アップルファイバー等が挙げられる。これらはセルロース、水不溶性ヘミセルロース、リグニン等からなり、水溶性繊維を含有するものもあるが、水不溶性食物繊維であれば使用可能である。
【0017】
顆粒中の(C)水不溶性繊維の含有量は、顆粒の崩壊性、歯垢除去性、着色汚れ除去性の点から、1〜40質量%、さらに2〜30質量%、さらに2〜25質量%、特に2〜20質量%が好ましい。
【0018】
また、本発明の顆粒には本発明の顆粒の形成、強度、及び崩壊性を阻害しない範囲で他の成分を含有することが可能である。例えば、本発明の顆粒に酸化チタン、群青等の着色剤も含有させることができ、着色顆粒による審美的効果を歯磨剤に付加できる。着色剤は顆粒中、0.01〜10質量%、特に0.1〜5質量%含有するのが適当である。
【0019】
本発明の顆粒の平均粒子径は、口の中での顆粒を触知でき、効果感を認識でき、かつ歯ブラシによるブラッシング圧により歯垢及び着色汚れ除去力を有する点で50〜500μmであるが、顆粒が崩壊することを考慮すると好ましくは75〜300μmである。ここで、顆粒の平均粒子径は、ふるい分け法(音波篩、筒井理化学SW−20−AT)により測定した値をいう。
【0020】
本発明の顆粒の崩壊強度は、口の中での顆粒を触知でき、効果感を認識できるにも関わらず、異物感をほとんど感ずることなく、また歯を傷つけることなく歯垢又は着色汚れの除去力を有する点で1〜20g/個が好ましく、さらに2〜15g/個が好ましく、特に5〜15g/個であるのが好ましい。ここで崩壊強度は、微小圧縮試験機(島津製作所、MCTM−500)を用いて、粒子径(180〜200μm)の顆粒を10個〜20個測定した平均値で表される。さらに本発明の顆粒は、練り歯磨剤に配合された場合(湿潤状態)においても同様の強度を有する。
【0021】
本発明の顆粒は公知の造粒法により製造することができる。例えば、本発明において、顆粒の形状は球状であることが好ましいため、造粒物の形状がほとんど真球にすることができる噴霧造粒法が挙げられ、これはハンドリングも容易であって、本発明の顆粒の製法として好適である。また、押し出し造粒法等のように不定形な形状の造粒物の場合、粒子の幅(粒子径)の概ね1/6〜1/2の範囲で突出した角ばった部分の先端領域を、例えばマルメライザーなどによる球状化操作を行うことにより球状粒子とすることができる。
【0022】
本発明の顆粒は、(A)研磨性粉体、(B)水不溶性無機結合剤及び(D)水を含む混合物である水スラリーを噴霧造粒により得ることが好ましい。この水スラリーを噴霧する前の25℃における粘度は、表面に凹凸のある顆粒を製造する点から100〜600mPa・sであるものが好ましく、さらに200〜500mPa・sであるものが好ましい。水スラリーの粘度は、研磨性粉体の吸油量、又は研磨性粉体の含有量によって調整することができる。ここで、水スラリーにおける研磨性粉体等の固形分の濃度は、40〜60質量%であるものが好ましい。
【0023】
本発明の顆粒は、表面積の40%以上が凹凸面で形成され、凹凸面における平均高低差が2〜10μmであって、好ましくは2〜8μm、特に2〜5μmであるものが好ましい。平均高低差は、顆粒を中心を含む平面で切断した場合の仮想断面の周縁における表面の凹凸について、凹部の底から隣りあう凸部の頂点までの距離を20〜30点測定した平均値により求めた。顆粒の表面の凹凸は、線解析による算術平均粗さ(Ra値)として求めることもできる。線解析によるRa値は、平均高低差と同じく、仮想断面でみたときの周縁における表面の凹凸の高さを平均して求めることができる。本発明の顆粒の線解析によるRa値は、0.5〜5μmであるものが好ましく、1〜3μmであるものが好ましい。
さらに、本発明の顆粒の凹凸面における平均高低差は、(A)研磨性粉体の平均粒子径の1/5〜1/2であるものが好ましく、さらに1/4〜1/2、さらに1/3〜1/2であるものが好ましい。
なお、本発明の顆粒の表面の凹凸の高さは、走査電子顕微鏡(VK-9500 キーエンス社製)により測定することができる。
【0024】
斯くして得られた本発明の顆粒は、練り歯磨、粉歯磨など各種歯磨剤に配合できるが、顆粒の審美性を表現できる上で特に練り歯磨剤に配合することが好適である。
【0025】
本発明の顆粒は歯磨剤中に1〜50質量%含むことが好ましく、さらに3〜30質量%含むのが好ましい。また、本発明の歯磨剤において、本発明の顆粒は、歯と歯のすき間だけでなく、歯の表面の歯垢又は着色汚れの除去効果に優れており、単独で研摩成分となり得るが、通常使用される歯磨用研摩剤、例えば前記成分(A)研磨性粉体を歯磨剤の基材中にそのまま、又は別の顆粒の形態で併用することができる。
【0026】
歯磨剤の基材の調製は常法に従って行われ、通常の歯磨剤に利用される他の成分を配合することができる。例えば粘結剤、湿潤剤、甘味剤、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤、香料、薬効成分等を使用できる。
【0027】
水の含有量は、剤形などに応じて適宜設定することができるが、歯磨剤全体中に、通常0〜60質量%程度、好ましくは10〜50質量%程度である。
【実施例】
【0028】
実施例A
(顆粒の製造)
表1に示す無水ケイ酸1〜4の各々について、コロイダルシリカ(スノーテックスSK、日産化学(株))、セルロース(KCフロック W−400G、日本製紙ケミカル(株))及び精製水を混合して水スラリーとした。このときの水スラリーは固形分50%濃度とした。さらに、水スラリーを噴霧造粒機により送風温度約200℃、排風温度80〜90℃で噴霧造粒した。得られた顆粒を1〜90μm/500μm(粒子径90〜500μm)のふるいで分級した。
噴霧乾燥後の顆粒の組成を表1に示す。
また、崩壊強度は、粒子径(180〜200μm)の顆粒10個〜20個を、微小圧縮試験機(島津製作所、MCTM−500)を用いて測定して平均値を算出した。その結果を合わせて表1に示す。また、用いた無水ケイ酸1〜4の吸油量、平均粒子径、比表面積、RDAを表2に示す。なお、比表面積はBET法にて測定した値であり、RDA値はISO11609研磨性の試験方法 付随書Aにて測定した値である。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
図1に顆粒1〜4の表面の線解析による算術平均粗さ(Ra値)を示す。なお、顆粒2については、凹凸面について測定した結果である。図2に走査電子顕微鏡(VK-9500 キーエンス社製)により測定した顆粒1〜4の表面の凹凸の高さの平均高低差を示す。顆粒2については凹凸面について測定した結果である。また、図4に顆粒1の走査電子顕微鏡(VK-9500 キーエンス社製)による写真を、図5に顆粒2の半面ずつの走査電子顕微鏡による写真を、図3に顆粒3の走査電子顕微鏡による写真を示す。これらの結果より顆粒1は表面が凹凸で形成され、顆粒2は表面の約50%が凹凸で形成され、顆粒3と4は概ねなめらかであると認められる。
【0032】
実施例B
実施例Aで得られた顆粒、無水ケイ酸を用いて、グリセリンと混合した試験液を調製した。50mLの容器に圧密充填した顆粒、無水ケイ酸と、同じく50mLのグリセリンとを混合した実施例1〜2、比較例1〜6を示す。
【0033】
【表3】

【0034】
得られた試験液(実施例1、2、比較例1〜6)について、以下の評価方法により歯垢又は着色汚れ除去の評価を行った。操作の概念図は図6に示す。図7及び8には、実施例1と2、比較例1〜6の刷掃回数と印刷テープがはがれた除去面積の関係を示す。本発明の顆粒1を含有する実施例1は、顆粒1に配合した無水ケイ酸1を粉体で含有する比較例1と同程度の除去面積が認められるが、顆粒3を含有する比較例3は、顆粒3に配合した無水ケイ酸3を粉体で含有する比較例4に比べて除去面積の大きな減少が認められた。また、本発明の顆粒2を含有する実施例2は顆粒2に配合した無水ケイ酸2を粉体で含有する比較例2と同程度の除去面積が認められるが、顆粒4を含有する比較例5は、顆粒4に配合した無水ケイ酸4を粉体で含有する比較例6に比べて除去面積の大きな減少が認められた。
【0035】
(評価方法)
(1)平坦なアルミ板の表面に歯垢又は着色汚れモデルとして、えんぴつ硬度2Hの印刷インク(素材:カーボンブラック及びオレフィン樹脂)を厚さ10μmでシリクスクリーン印刷したビデオテープ(素材OPP、厚さ25μm)を取り付け、これをビデオテープ磁性層とする。
(2)上記のビデオテープ磁性層を備えたアルミ板を試験台に装着し、ブラッシングマシーンを用いて各試験液による刷掃を行う。ブラッシングマシーンを用いた刷掃の概念図を図6に示す。
(3)刷掃条件は、荷重200g、速度120rpm、振幅30mm、歯ブラシ(チェックスタンダード(花王))を使用した。
(4)評価領域は、歯ブラシで磨かれる幅15mm、長さ30mmの範囲とする。即ち、評価領域の面積は、幅15mm×長さ30mmとなる。
(5)各刷掃回数ごとに、ビデオテープ磁性層を展開し、デジタルカメラで撮影し、画像解析し、画像解析によって、評価領域における印刷インクが剥がれて印刷前のテープが露出した(白くなった)部分の面積(mm2)を計算し、歯垢又は着色汚れの除去面積とした。
【0036】
実施例C
(歯磨組成物)
以下に示す組成に従って歯磨組成物を調製した。以下、%は質量%を意味する。
【0037】
実施例3
顆粒1 5%
ソルビトール液(70%) 30%
キシリトール 10%
グリセリン 20%
ポリエチレングリコール 5%
増粘性シリカ 3%
研磨性シリカ 5%
カルボキシメチルセルロース 1%
ラウリル硫酸ナトリウム 1%
フッ化ナトリウム 0.2%
香料 1.0%
精製水 18.8%
【0038】
実施例4
顆粒2 10%
ソルビトール液(70%) 35%
サッカリンナトリウム 0.2%
グリセリン 15%
ポリエチレングリコール 6%
増粘性シリカ 3.5%
キサンタンガム 0.2%
カラギーナン 0.2%
カルボキシメチルセルロース 0.6%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
香料 1.0%
精製水 26.8%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)研磨性粉体 40〜90質量%、
(B)水不溶性無機結合剤 10〜45質量%、
を含有し、表面積の40%以上が凹凸面で形成され、凹凸面の平均高低差が2〜10μmであり、平均粒子径が50〜500μmである歯磨剤用顆粒。
【請求項2】
成分(A)が、吸油量80〜150mL/100gの研磨性粉体である請求項1記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項3】
成分(A)が、平均粒子径5〜20μmの無水ケイ酸である請求項1又は2記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項4】
さらに(C)水不溶性繊維1〜40質量%を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項5】
噴霧前の粘度が25℃において100〜600mPa・sの水スラリーを噴霧乾燥する工程を含む噴霧造粒法により得られるものである請求項1〜4のいずれか1項記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の顆粒を含有する歯磨剤。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−11998(P2011−11998A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156122(P2009−156122)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】