説明

歯磨剤組成物

【課題】イソプロピルメチルフェノール由来のバイオフィルム殺菌効果が口腔内の隅々にまで速やかに到達し高い分散殺菌効果を奏する、イソプロピルメチルフェノール含有の歯磨剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)アニオン性界面活性剤、
(B)湿潤剤、
(C)有機増粘剤、及び
(D)イソプロピルメチルフェノール
を含有し、かつ(A)/(D)の質量比が10〜150であるイソプロピルメチルフェノール含有歯磨剤組成物が、(E)噴射剤と共にエアゾール容器に充填されてなることを特徴とするエアゾール歯磨剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌効果、特に分散殺菌効果に優れた、イソプロピルメチルフェノールを含有するエアゾール歯磨剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔の健康は、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の課題にも取り上げられ、国民一人一人が取り組むべき問題である。口腔疾患の多くは口腔細菌によるものと考えられ、例えば、う蝕はストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)等の連鎖球菌、歯周病はポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)等の偏性嫌気性グラム陰性桿菌を主とした細菌による感染症である。また、口腔に関する悩みとして多くの人に挙げられる口臭は、フゾバクテリウム ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)等の口腔内細菌が関与している。これらの口腔疾患の予防・改善に有効な手段として、プラークコントロール、すなわち口腔内の病原性細菌数を低レベルに保つことが有用であるとされている。
【0003】
口腔内の病原性細菌数を低下させる手段として、殺菌剤を口腔ケア製品に配合することが有効な手段となっており、中でもイソプロピルメチルフェノールは抗菌スペクトルが広い傾向にあり、また口腔バイオフィルム内への浸透性が他の殺菌成分より優れておりバイオフィルム中の菌に対する殺菌効果(バイオフィルム殺菌効果)を有するという特徴があることから、歯磨剤組成物に配合され、上市されている。
【0004】
しかしながら、練歯磨等の歯磨剤組成物では、通常粘性の高いペースト状であるために口腔内での分散性が十分とは言い難く、口腔内の隅々にまで殺菌成分が到達しにくい場合があり、イソプロピルメチルフェノール含有の歯磨剤組成物において、口腔内の隅々にまでイソプロピルメチルフェノール由来の効果を満足かつ有効に発揮させることは難しく、この点で未だ改善の余地があった。
【0005】
一方、歯磨剤組成物の分散性を向上させるのに、歯磨剤組成物をエアゾールタイプの製剤とすることが有効であることは知られており、イソプロピルメチルフェノール含有の歯磨剤組成物をエアゾールタイプに調製すれば、口腔内への分散性の改善を期待できる。しかしながら、エアゾールタイプの歯磨剤組成物で泡特性等の使用性や外観などを良好に保持しつつイソプロピルメチルフェノール由来の高いバイオフィルム殺菌効果を満足に発現させることは難しく、エアゾールタイプの歯磨剤組成物にイソプロピルメチルフェノールが配合された例は今までなかった。
また、歯磨剤組成物へのイソプロピルメチルフェノールの配合量を増やせばバイオフィルム殺菌効果の向上は期待できるが、この場合はイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味が発現し、使用感が低下してしまうという欠点があった。
【0006】
歯磨剤組成物の分散性を向上させるため、歯磨剤組成物をエアゾールタイプとする技術が提案され(特許文献1、2参照)、特に特許文献1には、トリクロサン、クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム等の抗菌剤を併用してもよい旨の記載があるが、これらの歯磨剤組成物では口腔バイオフィルムに対する浸透・殺菌効果が十分に得られない。なお、これらの特許文献には、エアゾールタイプの歯磨剤組成物にイソプロピルメチルフェノールを配合することについては示されていない。
【0007】
また、特許文献3には、カチオン性増粘剤と制汗、清涼又は収斂作用を有する化合物を配合した化粧料組成物が提案され、エアゾールタイプの皮膚用化粧料にイソプロピルメチルフェノールとカルボキシメチルセルロースを配合した組成が記載されている。しかし、これは皮膚などに使用され、耐塩性に優れベタツキのない良好な感触を与える化粧料に関する技術であり、しかも、この組成は界面活性剤と、多価アルコールや糖アルコール等のポリオールは含まれておらず、また皮膚に霧状に噴霧して用いるものである。特許文献3から、イソプロピルメチルフェノール含有歯磨剤組成物の口腔内分散性及び口腔バイオフィルム殺菌力の改善技術は予測できない。
【0008】
このように、イソプロピルメチルフェノールは抗菌スペクトルが広く、また口腔バイオフィルムへの浸透性が優れていることから、歯磨剤組成物の殺菌成分として有用であるが、歯磨剤組成物にイソプロピルメチルフェノールを配合して、製剤の使用性や外観安定性などを良好に保持しつつ口腔内の隅々にまで速やかに到達させて高い分散殺菌効果を発揮させることは、従来技術では困難であった。従って、イソプロピルメチルフェノールの口腔内分散性に優れ、口腔内の隅々にまでイソプロピルメチルフェノール由来の効果を満足かつ有効に発揮させることができる高い分散殺菌効果を有する、イソプロピルメチルフェノール含有の歯磨剤組成物の開発が切に望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2008−518927号公報
【特許文献2】特表2006−500329号公報
【特許文献3】特開2005−239633号公報
【特許文献4】特開2000−178155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、イソプロピルメチルフェノール由来のバイオフィルム殺菌効果が口腔内の隅々にまで速やかに到達し高い分散殺菌効果を奏する、イソプロピルメチルフェノール含有の歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、(A)アニオン性界面活性剤と、(B)湿潤剤と、(C)有機増粘剤と、(D)イソプロピルメチルフェノールとを配合し、かつ(A)/(D)の質量比が10〜150であるイソプロピルメチルフェノール含有歯磨剤組成物を、(E)噴射剤と共にエアゾール容器に充填することにより、製剤の使用性や外観安定性などを良好に保持しつつ、口腔内でイソプロピルメチルフェノールが迅速に分散して高い分散殺菌効果が発揮されることを知見し、本発明をなすに至った。
【0012】
本発明によれば、アニオン性界面活性剤、湿潤剤、有機増粘剤、及びイソプロピルメチルフェノールを配合し、アニオン性界面活性剤とイソプロピルメチルフェノールとの質量比を適切にした歯磨剤組成物を、噴射剤と共にエアゾール容器に充填することで、意外にも上記課題を解決してエアゾールタイプの製剤にイソプロピルメチルフェノールを有効に配合でき、泡性能等の使用性や外観安定性などが良好である上、口腔内で良好に分散して、イソプロピルメチルフェノール由来の口腔バイオフィルム殺菌効果が口腔内の隅々にまで速やかに到達し、高い分散殺菌効果を発揮させることができる。なお、ここで分散殺菌効果とは、歯磨剤組成物を歯ブラシ等に乗せて口腔内に適用した場合に、歯磨剤組成物中の殺菌成分が口腔内の隅々まで速やかに分散してバイオフィルム殺菌効果を発揮するという効果である。
【0013】
出願人は、界面活性剤とエタノールを含有し、エアゾール又は非エアゾールタイプの発泡容器に充填して用いる歯ブラシ除菌フォーム用剤の技術を提案している(特許文献4参照)。しかし、これは歯ブラシの除菌、洗浄を目的とし、殺菌剤としてトリクロサン、塩化セチルピリジニウム等を配合したもので、本発明とは異なる技術であり、いずれにしても、界面活性剤とイソプロピルメチルフェノールの適切な配合比率及び本発明の作用効果を示唆することはない。特許文献4からイソプロピルメチルフェノール含有歯磨剤組成物の口腔内分散性及び口腔バイオフィルム殺菌力の改善技術を予測することはできない。
【0014】
本発明では、(E)噴射剤として特に液化ガスを用いることが、容器内の歯磨剤組成物を使い切る時まで均一な泡を最後まで吐出できることからより有効である。
【0015】
本発明では、歯磨剤組成物に更に(F)ベタイン型界面活性剤を配合することができる。(F)成分の配合により、エアゾール容器から噴射した際の泡の保持性をより高めることができ、歯ブラシでよりブラッシングし易くなり、このため口腔内にイソプロピルメチルフェノールを有効に適用することができ、より高い分散殺菌効果が発揮される。
【0016】
本発明では、歯磨剤組成物に更に(G)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる1種又は2種以上の香料成分を配合することができる。(G)成分を配合することで、イソプロピルメチルフェノールに由来する嫌味を効果的にマスキングすることができ、製剤の味も良好に改善でき、これによりエアゾール製剤で泡性能等の使用性や外観安定性、更には使用感をも同時に良好に保持しつつ、口腔内でイソプロピルメチルフェノール由来の高い分散殺菌効果を発現させることができる。
なお、(G)成分の香料成分は、いずれも特徴的な香気を有しており、チーズなどの調合フレーバーに微量用いられることはあるがそれ自体不快な香気であるため、歯磨剤組成物の香料としての使用は限定的であったが、本発明にかかわる歯磨剤組成物に、イソプロピルメチルフェノールと併用して(G)成分を配合すると、意外にもイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味を十分に抑制でき、それ故、製剤の使用性や外観などを良好に維持しつつ高い分散殺菌効果を奏する上、使用感の良い製剤を得ることができる。
【0017】
更に本発明では、上記(G)成分の特定香料成分に加えて(H)アニスアルデヒドを配合することが好ましく、(G)及び(H)成分を併用して歯磨剤組成物に添加することでイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味のマスキング効果をより一層高めることができる。
【0018】
従って、本発明は下記の歯磨剤組成物を提供する。
請求項1:
(A)アニオン性界面活性剤、
(B)湿潤剤、
(C)有機増粘剤、及び
(D)イソプロピルメチルフェノール
を含有し、かつ(A)/(D)の質量比が10〜150であるイソプロピルメチルフェノール含有歯磨剤組成物が、(E)噴射剤と共にエアゾール容器に充填されてなることを特徴とするエアゾール歯磨剤組成物。
請求項2:
(B)湿潤剤が、グリセリンとソルビットと平均分子量190〜630のポリエチレングリコールとを組み合わせたものである請求項1記載のエアゾール歯磨剤組成物。
請求項3:
(E)噴射剤が、液化ガスであることを特徴とする請求項1又は2記載のエアゾール歯磨剤組成物。
請求項4:
更に、(F)ベタイン型界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のエアゾール歯磨剤組成物。
請求項5:
更に、(G)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる1種又は2種以上の香料成分を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のエアゾール歯磨剤組成物。
請求項6:
更に、(H)アニスアルデヒドを含有することを特徴とする請求項5記載のエアゾール歯磨剤組成物。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、エアゾールタイプの歯磨剤組成物にイソプロピルメチルフェノールを有効に配合でき、製剤の使用性や外観などを良好に保持できる上、口腔内に速やかに分散してイソプロピルメチルフェノール由来の高いバイオフィルム殺菌効果が口腔内の隅々において発揮される。本発明のエアゾール歯磨剤組成物は、口腔内の隅々まで速やかに分散して口腔バイオフィルムを有効に殺菌でき、歯周病等の口腔疾患の予防又は改善に有効である。更に本発明では、(F)ベタイン型界面活性剤を配合することで泡の保持性をより高めることができ、また、(G)成分の特定香料成分を配合すること、特に(G)成分に(H)アニスアルデヒドを併用して配合することで、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味を効果的にマスキングすることもでき、より優れた特性の製剤を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明のエアゾール歯磨剤組成物は、(A)アニオン性界面活性剤、(B)湿潤剤、(C)有機増粘剤、及び(D)イソプロピルメチルフェノールを含有し、かつ(A)/(D)が適切な割合であるイソプロピルメチルフェノール含有歯磨剤組成物が、(E)噴射剤と共にエアゾール容器に充填されてなることを特徴とする。
【0021】
(A)アニオン性界面活性剤としては、通常歯磨剤組成物に配合されるアニオン性界面活性剤の1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0022】
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム等のアシルサルコシン塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でもアルキル硫酸塩、アシルサルコシン塩、特にラウリル硫酸ナトリウムが、油溶性成分の可溶化能、口腔粘膜刺激、味の点でより好ましい。
【0023】
(A)アニオン性界面活性剤の配合量は、発泡性、油溶性成分の可溶化能や口腔粘膜刺激の点から、組成物全体の0.8〜5%(質量%、以下同様。)、特に1.0〜4%が好ましい。配合量が0.8%未満では発泡量が不十分であったり、イソプロピルメチルフェノールや香料成分等の油溶性成分の可溶化能が不十分となる場合があり、5%を超えると界面活性剤のミセルがリジッドになりすぎてイソプロピルメチルフェノールが標的部位においてミセルから放出されにくくなって十分な分散殺菌効果が得られない場合や、発泡量が多すぎて使用に支障が生じたり、苦味や口腔粘膜への刺激を生じる場合がある。
【0024】
(B)湿潤剤は、多価アルコール、糖アルコール等の1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。具体的には、グリセリン、ソルビット、プロピレングリコール、平均分子量190〜6,000のポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、パラチノース、トレハロース等が挙げられ、中でもグリセリン、ソルビット、プロピレングリコール、平均分子量190〜630のポリエチレングリコールが、乾燥防止効果、味、イソプロピルメチルフェノールのバイオフィルム殺菌に対する殺菌力の効果的な発現の点で好ましい。なお、本発明にかかわるポリエチレングリコールの平均分子量は、医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量を示す。
【0025】
平均分子量190〜6,000のポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール200(平均分子量190〜210)、ポリエチレングリコール300(平均分子量280〜320)、ポリエチレングリコール400(平均分子量380〜420)、ポリエチレングリコール600(平均分子量570〜630)が該当し、これらを好適に使用できる、商品によっては、例えばポリエチレングリコール#200のように、ポリエチレングリコールと数値の間に#がつく場合がある。
【0026】
(B)成分は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できるが、使用時の味の点から2種以上用いることがより好ましい。特にソルビット及びグリセリンを併用すると製剤の口腔内での滞留性が高まり、分散殺菌作用が効果的に発揮され、製剤のべたつきも抑えることができるため、これら両者と平均分子量190〜630のポリエチレングリコールとの3者の組み合わせが好ましい。
【0027】
(B)湿潤剤の配合量は、歯磨剤組成物の乾燥防止性や分散殺菌性の点から、組成物全体の30〜70%、特に40〜60%が好ましい。配合量が30%未満では歯磨剤組成物の乾燥防止性が不十分となって容器の開口部で固化して目詰まりを生じる場合があり、配合量が70%を超えると粘度が高くなるために分散性が低くなり、十分な発泡性が得られず、十分な分散殺菌性が得られない場合がある。
【0028】
(C)有機増粘剤としては、具体的に、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー、トラガントガム、グアガム、ヒドロキシプロピルグアガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、クインスシードガム、タマリンドガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、セルロース、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、アラビアガム、寒天、ペクチン、カゼインナトリウム、ポリビニルアルコール、プルラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。中でも泡保持性の点で、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0029】
(C)有機増粘剤の配合量は、泡保持性や分散殺菌性の点から、組成物全体の0.15〜0.4%、特に0.2〜0.35%が好ましい。配合量が0.15%未満では泡保持性に劣る場合があり、0.4%を超えると粘度が高くなるために分散性が低くなり、十分な分散殺菌性が得られない場合がある。
【0030】
(D)イソプロピルメチルフェノールは、1−ヒドロキシ−4−イソプロピル−3−メチルフェノールであり、市販品を使用できる。例えば商品名イソプロピルメチルフェノールとして大阪化成(株)から入手可能である。
【0031】
(D)イソプロピルメチルフェノールの配合量は、組成物全体の0.01〜0.2%、特に分散殺菌効果及び嫌味のなさの点から0.02〜0.1%が好適である。0.01%未満では十分な分散殺菌効果が発揮されない場合があり、0.2%を超えると嫌味を生じる場合がある。
【0032】
本発明では、発泡性や分散殺菌性の点から、(D)イソプロピルメチルフェノールに対する(A)アニオン性界面活性剤の質量比((A)/(D))が10〜150であり、好ましくは15〜80である。質量比が10未満では界面活性剤の大部分が油溶性成分の可溶化に用いられるために十分な発泡性が得られず、150を超えると界面活性剤のミセル中に取り込まれたイソプロピルメチルフェノールが標的部位で放出されず、十分に分散殺菌効果を発揮することができなかったり、発泡量が多すぎて使用性に問題が生じることがある。
【0033】
本発明の歯磨剤組成物には、(A)〜(D)成分に加えて、更に(F)ベタイン型界面活性剤、(G)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる香料成分、(H)アニスアルデヒドを配合することができる。
【0034】
本発明では、(F)ベタイン型の両性界面活性剤を配合することにより、泡の保持性をより向上させることができる。
(F)成分としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインや、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が挙げられ、味の点で特にイミダゾリニウムベタイン型、アミドプロピルベタイン型のものが好ましい。
具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(エナジコールC−40H、一方社油脂工業(株)製)、ラウリルジアミノ酢酸ベタイン(SWANOL AM−301、日本サーファクタント工業(株)製)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(TEGO BETAIN CK−OK、デグサ社製)等の市販品を使用できる。
【0035】
(F)ベタイン型界面活性剤を配合する場合、その配合量は、泡保持性の点から組成物全体の0.01〜0.5%、特に0.05〜0.3%が好ましい。配合量が0.01%未満では、十分な泡保持性向上効果が得られない場合があり、0.5%を超えると起泡量が多くなりすぎて使用性が悪くなったり、苦味を生じたりする場合がある。
なお、(F)成分を配合する場合は、((A)+(F))/(D)の質量比が10〜150の範囲内が望ましい。
【0036】
本発明では、更に(G)成分として3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンより選ばれる1種又は2種以上の香料成分を配合することができる。(G)成分の香料成分を配合することで、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味を有効にマスキングすることができる。
上記香料成分の2種以上を組み合わせる場合は、3−オクタノールと3−オクチルアセテート及び/又はフェンコンとの組み合わせが好適である。
なお、オクタノールであっても、歯磨剤組成物の香料として一般的な1−オクタノールはイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味をマスキングする効果がない。
【0037】
上記(G)成分は、市販品を用いることができ、例えば3−オクタノールは塩野香料(株)の製品、3−オクチルアセテート及び3−オクタノンはそれぞれ(株)井上香料製造所の製品、フェンコンは香栄興業(株)の製品などを用いることができる。
【0038】
(G)成分を配合する場合、その総配合量は組成物全体の0.0001〜0.1%、特に0.0005〜0.05%、とりわけ0.001〜0.02%が望ましい。配合量が0.0001%未満では、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味を満足にマスキングできない場合があり、0.1%を超えると香料成分由来の香味が強すぎて嫌味が生じる場合がある。
【0039】
本発明では、(G)成分の香料成分と共に、更に(H)成分のアニスアルデヒドを添加し、(G)及び(H)成分を組み合わせて配合することで、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味のマスキング効果をより一層高めることができる。
【0040】
(H)アニスアルデヒドとしては、大洋香料(株)の製品などの市販品を用いることができる。アニスアルデヒドを添加する場合の配合量は、組成量全体の0.0001〜0.1%、特に0.001〜0.02%が望ましい。配合量が0.0001%未満では、嫌味のマスキング効果を十分に高めることができない場合があり、0.1%を超えると、(G)成分と同様にアニスアルデヒド自体の香味が強すぎて嫌味が生じる場合がある。
【0041】
更に、(H)アニスアルデヒドの配合量は、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味のマスキング効果をより高める点から、(G)成分と(H)成分の合計配合量が組成物全体の0.0002〜0.15%、特に0.002〜0.03%となる範囲内が望ましい。合計配合量が0.0002%未満では嫌味のマスキング効果を十分に高めることができない場合があり、0.15%を超えると、(G)及び(H)成分自体の香味が強く発現しすぎて嫌味が生じる場合がある。
【0042】
なお、(G)成分と(H)成分との組み合わせとしては、特に3−オクタノールとアニスアルデヒドとの組み合わせが好ましく、これによりイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味に対して、とりわけ優れたマスキング効果が発揮される。
【0043】
本発明の歯磨剤組成物には、上記成分に加えて任意成分としてその他の公知の添加剤を配合できる。例えば(A)アニオン性界面活性剤及び(F)ベタイン型界面活性剤以外の界面活性剤、無機増粘剤、研磨剤、甘味剤、防腐剤、(D)イソプロピルメチルフェノール以外の各種有効成分、着色剤、(G)及び〈H〉成分以外の香料、溶剤等を本発明の効果を妨げない範囲で配合でき、これら成分と水とを混合し製造できる。
【0044】
アニオン性及びベタイン型以外の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられ、歯磨剤組成物に通常用いられるものを使用できる。具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アルキルグルコシド、ラウリン酸デカグリセリル、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム等が例示できる。これら界面活性剤の配合量は、(A)及び(F)成分を含めた合計で歯磨剤組成物全体の1〜5%の範囲内が好ましい。
【0045】
無機増粘剤としては、増粘性シリカ、ビーガム、スメクタイト、ラポナイト、モンモリロナイト、ベントナイト等が挙げられる(配合量は通常0〜8%、特に配合する場合は0.1〜8%)。
【0046】
研磨剤としては、シリカゲル、沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、非晶質無水ケイ酸、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水物、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、二酸化チタン、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ポリメチルメタアクリレート、ナイロンパウダー、シルクパウダー、セルロースパウダー、グルコマンナン等が挙げられる(通常は配合量0〜10%、特に配合する場合は0.1〜10%)。
【0047】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、グリチルリチン、ペリラルチン、ソーマチン、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、パラメトキシシンナミックアルデヒド、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル、アセスルファムカリウム、スクラロース、スクロース、グルコース、デキストロース、転化糖、フラクトース、オリゴ糖、還元水飴、アスパルテーム等を配合することができる。
【0048】
防腐剤としては、メチルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はそのエステルもしくは塩等が挙げられる。
【0049】
有効成分としては、イソプロピルメチルフェノールに加えて、他の有効成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。例えばトリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ドデシルジアミノエチルグリシン等の殺菌剤、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ等のフッ素化合物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤、アスコルビン酸及びその誘導体、トコフェロール及びその誘導体、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、β−カロテン、エルゴカルシフェロール、メナジオン、ユビキノン等のビタミン類、グリチルリチン酸塩類、グリチルレチン酸、アラントイン類、オウバク、オウレン、ローズマリー、チョウジ、セージ、タイム、オウゴン、トウキ、ハマメリス、ビワ、緑茶、イチョウ、セイヨウサンザシ、ホップ、ワレモコウ、オトギリソウ、ウーロン茶、シナノキ、アセンヤク、ノバラ、ドクダミ、スギナ、紅茶、シャクヤク、シラカバ、サンザシ、マロニエ、ゼニアオイなどの植物抽出物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素、スーパーオキシドジスムターゼ等の酵素、硝酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、γ−オリザノール、ジヒドロコレステロール、α−ビサボロール、アズレン、メトキシエチレン/無水マレイン酸共重合体、トリクロロカルバニリド、アラニン、グリシン、プロリン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸ナトリウム、トリメチルグリシン、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ゼオライト、水溶性無機リン酸化合物、乳酸アルミニウム、塩化ナトリウム等を1種又は2種以上配合することができる。
【0050】
着色剤としては、赤色2号、赤色3号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号等の法定色素、ベニバナ色素、クチナシ色素、コチニール色素、アナトー色素、雲母チタン、酸化チタン、ベンガラ等が挙げられる。
【0051】
香料として、(G)成分、更には(H)成分以外の香料を添加してもよい。例えば、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、バジル油、カルダモン油、コリアンダー油、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、オレンジ油、レモン油、マンダリン油、ライム油、グレープフルーツ油、柚子油、スウィーティー油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、セロリ油、ベイ油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、レモングラス油、ローズ油、ジャスミン油、パチュリ油、イリスコンクリート、ローズアブソリュート、オレンジフラワーアブソリュート、バニラアブソリュート、マンゴーアブソリュート、パチュリアブソリュート、ジンジャーオレオレジン、ペッパーオレオレジン、カプシカムオレオレジン、トウガラシ抽出物等の天然香料、及びこれら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、リモネン、ピネン、ブタノール、イソアミルアルコール、n−ヘキセノール、cis−3−ヘキセノール、cis−6−ノネノール、リナロール、α−テルピネオール、l−メントール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、アネトール、チモール、メチルチャビコール、オイゲノール、カルボン、メントン、プレゴン、1,8−シネオール、ヨノン、キャロン、n−ヘキサナール、trans−2−ヘキセナール、シトラール、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、エチル2−メチルブチレート、アリルヘキサノエート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、リナリルアセテート、メンチルアセテート、メンチルラクテート、カルビールアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、メチルジャスモネート、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、メチルシンナメート、メチルアンスラニレート、フェニルエチルグリシデート、エチルラクテート、バニリン、マルトール、炭素数4〜12のガンマ及びデルタラクトン、アンブレットリド、ジメチルサルファイド、トリメチルピラジン、エチルβ−メチルチオプロピオネート、フラネオール、エチルシクロペンテノロン、シクロテン、2−メチルブチリックアシッド、プロピオニックアシッド、p−メトキシシンナミックアルデヒド、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メントングリセリンアセタール、スピラントール、モノメンチルサクシネート、リナロールオキサイド、バニリルブチルエーテル、イソプレゴール等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、メロンフレーバー、バナナフレーバー、ピーチフレーバー、ラズベリーフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、マンゴーフレーバー、ウメフレーバー、オレンジフレーバー、レモンフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ティーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー等の調合香料、及び、エチルアルコール、トリアセチン、グリセリン脂肪酸エステル等の香料溶剤など、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。これらの香料素材の配合量は特に限定されないが、組成物中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、組成物中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
【0052】
また、溶剤としては、精製水や、未変性又は香料等により変性させたエタノール等が挙げられる。
【0053】
本発明では、上記成分を含有する歯磨剤組成物の原液(原液とは、(E)成分以外の、歯磨剤組成物に配合される全成分を脱気混合したものをいう(以下、同様。))が、(E)噴射剤と共にエアゾール容器に充填され、エアゾールタイプの製剤として調製される。
(E)噴射剤としては、エアゾール製剤の噴射剤として公知の液化ガス、圧縮ガスを使用でき、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメチルエーテル、液化石油ガス、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素等が挙げられる。
ここで、圧縮ガスとは、高圧ガス保安法の規定によれば、常用の温度又は35℃において、ゲージ圧力が1MPa以上となるガスをいう。液化ガスとは、一般的には加圧または冷却して液体となったガスをいい、高圧ガス保安法では、現に液体であって、常用の温度において圧力が0.2MPa以上となるもの、あるいは圧力が0.2MPaとなる温度が35℃以下のものと定義されているものであるが、本発明では、20℃における蒸気圧が0.2〜1.2MPaであるものが好ましい。これらのガスのうち、液化ガスは一定の圧力が最後まで得られるため好ましく、特にジメチルエーテル、イソペンタン、液化石油ガスが好ましく、中でもジメチルエーテルが、水との相溶性や味の点で好ましい。
【0054】
本発明において、歯磨剤組成物の原液と噴射剤との配合割合(質量比)は、原液:噴射剤が85:15〜99:1、特に90:10〜98:2が好ましい。原液の割合が多すぎて配合割合が99:1を超えると、噴射剤が相対的に少なくなり、発泡量が少ないために分散が不十分となって十分な分散殺菌性が得られない場合があり、原液の割合が少なすぎて配合割合が85:15に満たないと、噴射剤が相対的に多くなり、容器から吐出した際の膨張率が高いため、発泡量が多すぎて、使用性に問題が生じる場合がある。なお、噴射剤が液化ガスのみである場合は、噴射剤の含有量が3%以上で配合割合が97:3以下、特に4%以上で配合割合が96:4以下であることが好ましい。
【0055】
歯磨剤組成物を充填するエアゾール容器は、噴射剤として液化ガスや濃縮ガスを内容物と共に耐圧容器に封入し、使用時に内容物を泡状に噴出させエアゾール化できるものであり、高圧ガス保安法に定める条件を満足する公知のエアゾール容器を用いることができる。具体的には、ブリキサイドシーム溶接缶、ブリキシームレス缶、アルミモノブロック缶、ガラス容器、プラスチック容器等が挙げられる。
【0056】
本発明のエアゾール歯磨剤組成物を口腔内に適用する方法は、例えば使用時にエアゾール容器から噴出させた泡状組成物を歯ブラシ上に載せ、これを用いて通常の方法で歯をブラッシングする。また、歯ブラシ以外にスポンジブラシや綿棒等を用いてもよい。
【実施例】
【0057】
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%であり、純分換算した量で示した。
【0058】
これらの歯磨剤組成物の調製には、ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学(株)製)、ラウロイルサルコシンナトリウム(川研ファインケミカル(株)製)、ココイルメチルタウリンナトリウム(ダイヤポンK−SF、日本油脂(株)製)、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(エナジコールC−40H、一方社油脂工業(株)製)、ラウリルジアミノ酢酸ベタイン(SWANOL AM−301、日本サーファクタント工業(株)製)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(TEGO BETAIN CK−OK、デグサ社製)、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル(ライオンケミカル(株)製)、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO−20、日光ケミカルズ(株)製)、キサンタンガム(モナートガムDA、CPケルコ社製)、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギン、(株)キミカ製)、プロピレングリコール(旭硝子(株)製)、ソルビット液(70%水溶液、NEOSORB 70/02B、ROQUETTE社製)、グリセリン(85%水溶液、ライオン(株)製)、ポリエチレングリコール400(PEG#400、ライオンケミカル(株)製)、ポリエチレングリコール300(トーホーポリエチレングリコール300、東邦化学工業(株)製)、イソプロピルメチルフェノール(大阪化成(株)製)、ジメチルエーテル(DME、大洋液化ガス(株)製)、イソペンタン(大洋液化ガス(株)製)、二酸化炭素(実験用気体「二酸化炭素」、中村理科工業(株)製)、窒素(城東日酸(株)製)、3−オクタノール(塩野香料(株)製)、3−オクチルアセテート((株)井上香料製造所製)、3−オクタノン((株)井上香料製造所製)、フェンコン(香栄興業(株)製)、アニスアルデヒド(大洋香料(株)製)、1−オクタノール(高砂香料工業(株)製)を用いた。他成分については、シリカ、増粘性シリカ、サッカリンナトリウム、酸化チタン、精製水は粧原基(化粧品原料基準)規格品、フッ化ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムは外原規(医薬部外品原料規格)規格品、硝酸カリウムは食品添加物規格品、赤色226号、青色1号は法定色素規格品を使用した。
香料は表6〜12に示す組成の香料組成物A〜Iを調製して用いた。なお、下記香料組成物A〜I中に3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコン、及びアニスアルデヒドは含まない。
【0059】
[実施例、比較例]
表1〜5に示す組成で歯磨剤組成物の原料を脱気混合して原液を調製した後、これをガラス製のエアゾール試験瓶(70mLサイズ)に約50g充填し、更に表に示す原液:噴射剤の割合(質量比)で(E)成分の噴射剤を封入して、エアゾール歯磨剤組成物を調製した。なお、精製水の配合量は、原液全体で100%となるように調整した。エアゾール歯磨剤組成物について、下記方法で評価した。結果を表1〜5に示す。
【0060】
実験1:発泡性の評価
エアゾール容器のボタンを3秒間押して製剤(歯磨剤組成物)を吐出させ、下記基準で発泡性を目視評価した。
◎:よく発泡し、発泡量も適切であった
○:ややよく発泡した、もしくは発泡量がやや多いが使用上問題ないレベルであっ

△:あまり発泡しなかった、もしくは発泡量が多く使用上やや問題のあるレベルで
あった
×:発泡しなかった、もしくは発泡量が多すぎて使用上困難であった
【0061】
実験2:泡保持性の評価
エアゾール容器のボタンを3秒間押して製剤を吐出させ、泡の保持性を下記基準で目視評価した。泡が5秒以上保持されたものを泡保持性が高いと判断した。
◎:泡が30秒以上保持された
○〜◎:泡が20秒以上〜30秒未満保持された
○:泡が5秒以上〜20秒未満保持された
△:泡が1秒以上〜5秒未満で消失した
×:泡が1秒未満で消失、もしくは発泡しなかった
【0062】
実験3:排出性の評価
エアゾール容器のボタンを繰り返し押して、内容物がなくなるまで製剤を吐出させ、発泡状態を下記基準で目視評価した。評点が○、◎ものを排出性が良好であると判断した。
◎:最後まで一定の発泡が得られ、最後まで排出することができた
○:発泡は途中から若干弱くなったが、最後まで排出することができた
△:途中から発泡が弱くなり、最後まで排出することができなかった
×:最初から排出がほとんどできなかった
【0063】
実験4:乾燥防止性の評価
歯磨剤組成物の原液2gを50mLのビーカーに取って底面全体に広げ、室温に1日放置し、質量の減少率を測定し、下記基準で評価した。減少率が45%未満のものを乾燥防止性が高いと判断した。
◎:減少率35%未満
○:減少率35%以上45%未満
△:減少率45%以上50%未満
×:減少率50%以上
【0064】
実験5:油溶性成分の溶解性の評価
歯磨剤組成物の原液をポリエチレンテレフタレート製ボトル(容量80mL)に取って40℃の恒温槽内で1ヶ月間、加速劣化させた後、油溶性成分の分離を目視評価した。
◎:油溶性成分の分離が認められなかった
○:油溶性成分の分離がほとんど認められず、問題ないレベルであった
×:油溶性成分の分離が認められた
【0065】
実験6:分散殺菌力の評価
製剤を自然分散させた液のバイオフィルム殺菌力を指標にし、口腔内での歯磨剤組成物の分散殺菌力を下記方法で評価した。
直径7mmのハイドロキシアパタイト(HA)板を0.45μmのフィルターで濾過した人無刺激唾液で4時間処理し、ヘミン及びメナジオンを添加したトリプチケースソイブロス中、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)、アクチノマイセス ナエスランディ(Actinomyces naeslundii)、ベイヨネラ パルビュラ(Veillonella parvula)、フゾバクテリウム ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)及びポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の5菌種混合系で2週間連続培養することにより、HA板上にモデルバイオフィルムを形成させた。エアゾール容器から歯磨剤組成物を吐出させ、30mLサイズのビーカーの中央部に歯磨剤組成物5gを取り、37℃に加温した人工唾液(50mmol/L KCl+1mmol/L KH2PO4+1mmol/L CaCl2+0.1mmol/L MgCl2(pH7.0))10mLを添加し、自然に分散させ、20秒後にビーカー壁面より7mm内側の箇所にピペット先端を挿入して分散液を採取し、試験薬剤液とした。2週間培養後より1日1回、この試験薬剤液にモデルバイオフィルムを3分間浸漬処理し、更に3日間培養した(n=5)。培養終了時にモデルバイオフィルムを取り出し、分散後、寒天平板上で培養することによりモデルバイオフィルム中の各菌種の生菌数を求めた。生菌数は、培養条件により多少振れるが、試験薬剤の代わりに人口唾液を作用させた場合では、約8.5log cfu(colony forming units/HA板)であり、6.0log cfu/HA板未満の場合において、バイオフィルム分散殺菌力が高いと判断した。
判定基準:
◎:5.0log cfu/HA板未満
○:5.0log cfu/HA板以上6.0log cfu/HA板未満
△:6.0log cfu/HA板以上7.0log cfu/HA板未満
×:7.0log cfu/HA板以上
【0066】
実験7:嫌味のなさの評価
専門家パネラー10人を用いた官能試験を実施した。製剤約0.3gを市販品歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた嫌味のなさを、以下の評点に従って評価した。10名の評価結果の平均値を求め、以下の基準で◎及び○の評価が確保されるものを、嫌味のない香味の歯磨剤組成物であると判断した。
(評点)
4点:嫌味が全くない
3点:嫌味がほとんどない
2点:嫌味がややある
1点:嫌味がある
(評価基準)
◎ :3.7点以上〜4.0点以下
◎〜○:3.3点以上〜3.7点未満
○ :3.0点以上〜3.3点未満
△ :2.0点以上〜3.0点未満
× :2.0点未満
【0067】
【表1−1】

注:原液とは、(E)成分以外の、歯磨剤組成物に配合される全成分を脱気混合したもの(以下、同様。)。
【0068】
【表1−2】

【0069】
【表1−3】

【0070】
【表1−4】

【0071】
【表2】

注:比較例1は、均一な製剤を調製することができなかったため、発泡性、泡保持性、排出性、分散殺菌力の評価ができなかった。比較例4は、製剤を容器から吐出することができなかったため、発泡性、泡保持性、排出性の評価はできなかった。なお、比較例4の分散殺菌力(*)については、充填前の原液を用いて行った評価結果である。従って、本発明のエアゾール歯磨剤組成物は、エアゾールではない原液に比べて、口腔内で高い分散殺菌力を奏することがわかった。
【0072】
【表3】

【0073】
【表4】

【0074】
【表5−1】

【0075】
【表5−2】

【0076】
表1、2の結果から、本発明にかかわる(A)〜(D)成分を欠く組成や、(A)/(D)の質量比が不適切な組成、あるいは(E)成分を欠く場合は、発泡性、泡保持性、排出性、乾燥防止性、油溶性成分の溶解性、分散殺菌力のいずれかに劣り、満足な効果が得られなかったり、製剤化が不可能であったりした。これらに対して、本発明組成物は、これら全ての特性に優れ、口腔バイオフィルム殺菌効果が高く優れた分散殺菌力が発揮されることが確認された。
表3の結果から、(A)〜(D)成分に加え、更に(F)成分を配合することで、泡の持続性がより向上することが確認された。また、表4、5の結果から、更に(G)成分を配合することでイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味を効果的にマスキングでき、(G)及び(H)成分を併用することで嫌味のマスキング効果がより高まることが確認された。
なお、香料組成物Aを香料組成物B〜Iのいずれかに置き換えても、同様の結果が得られた。
以下に処方例を示す。なお、配合成分及びエアゾール試験瓶は上記と同様のものを使用した。
【0077】
[処方例1]歯磨剤組成物
(A)ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
(B)ポリエチレングリコール#300 2.5
ソルビット 20
グリセリン 22
(C)キサンタンガム 0.25
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
トリポリリン酸ナトリウム 1
サッカリンナトリウム 0.3
増粘性シリカ 3
シリカ 5
赤色226号 0.001
青色1号 0.001
酸化チタン 0.4
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の歯磨剤組成物の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分(噴射剤)を加えエアゾール歯磨剤組成物とした。
原液 95%
(E)イソペンタン 3
二酸化炭素 2
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0078】
[処方例2]歯磨剤組成物
(A)ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
(B)ポリエチレングリコール#400 2.5
ソルビット 20
グリセリン 22
(C)キサンタンガム 0.25
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
硝酸カリウム 9.3
トリポリリン酸ナトリウム 1
サッカリンナトリウム 0.3
増粘性シリカ 3
シリカ 5
酸化チタン 0.4
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分を加えエアゾール歯磨剤組成物とした。
原液 95%
(E)イソペンタン 3.5
二酸化炭素 1.5
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0079】
[処方例3]無研磨歯磨剤組成物
(A)ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
(B)ポリエチレングリコール#400 2.5
ソルビット 20
グリセリン 22
(C)キサンタンガム 0.25
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.3
増粘性シリカ 3
酸化チタン 0.4
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分を加えエアゾールタイプの無研磨歯磨剤組成物とした。
原液 95%
(E)ジメチルエーテル 5
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0080】
[処方例4]歯磨剤組成物
(A)ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
(B)ポリエチレングリコール#400 2.5
ソルビット 20
グリセリン 22
(C)キサンタンガム 0.25
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.3
増粘性シリカ 3
シリカ 5
酸化チタン 0.4
ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル 1
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分を加えエアゾール歯磨剤組成物とした。
原液 95%
(E)ジメチルエーテル 5
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0081】
[処方例5]歯磨剤組成物
(A)ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
(B)ポリエチレングリコール#300 2.5
ソルビット 20
グリセリン 22
(C)キサンタンガム 0.15
カラギーナン 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サッカリンナトリウム 0.3
増粘性シリカ 3
シリカ 5
酸化チタン 0.4
青色1号 0.001
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分を加えエアゾール歯磨剤組成物とした。
原液 95%
(E)イソペンタン 3.5
二酸化炭素 1.5
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0082】
[処方例6]歯磨剤組成物
(A)ココイルメチルタウリンナトリウム 1.5%
(B)ポリエチレングリコール#300 2.5
ソルビット 20
グリセリン 22
(C)キサンタンガム 0.15
カラギーナン 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
硝酸カリウム 9.3
トリポリリン酸ナトリウム 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サッカリンナトリウム 0.2
スクラロース 0.1
増粘性シリカ 3
シリカ 5
酸化チタン 0.4
青色1号 0.001
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分を加えエアゾール歯磨剤組成物とした。
原液 95%
(E)イソペンタン 3.5
二酸化炭素 1.5
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0083】
[処方例7]歯磨剤組成物
(A)ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
(B)ポリエチレングリコール#300 2.5
ソルビット 20
グリセリン 22
(C)キサンタンガム 0.15
カラギーナン 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
硝酸カリウム 9.3
トリポリリン酸ナトリウム 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サッカリンナトリウム 0.3
増粘性シリカ 3
シリカ 5
酸化チタン 0.4
青色1号 0.001
キノリンエロー 0.001
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分を加えエアゾール歯磨剤組成物とした。
原液 95
(E)イソペンタン 3.5
二酸化炭素 1.5
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0084】
[処方例8]歯磨剤組成物
(A)ラウリル硫酸ナトリウム 1.5%
(B)グリセリン 44.5
(C)キサンタンガム 0.15
カラギーナン 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
(F)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.1
(G)3−オクタノール 0.005
(H)アニスアルデヒド 0.005
フッ化ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.3
増粘性シリカ 3
シリカ 5
酸化チタン 0.4
青色1号 0.001
キノリンエロー 0.001
香料組成物A 1
精製水 残
合計 100.00%
上記組成の原液をエアゾール試験瓶に充填し、下記割合で(E)成分を加えエアゾール歯磨剤組成物とした。
原液 95
(E)ジメチルエーテル 5
合計 100%
(A)/(D)の質量比 30
原液:噴射剤=95:5
【0085】
【表6】

【0086】
【表7】

表中、部はいずれも質量部である(以下、同様。)。
【0087】
【表8】

【0088】
【表9】

【0089】
【表10】

【0090】
【表11】

【0091】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アニオン性界面活性剤、
(B)湿潤剤、
(C)有機増粘剤、及び
(D)イソプロピルメチルフェノール
を含有し、かつ(A)/(D)の質量比が10〜150であるイソプロピルメチルフェノール含有歯磨剤組成物が、(E)噴射剤と共にエアゾール容器に充填されてなることを特徴とするエアゾール歯磨剤組成物。
【請求項2】
(B)湿潤剤が、グリセリンとソルビットと平均分子量190〜630のポリエチレングリコールとを組み合わせたものである請求項1記載のエアゾール歯磨剤組成物。
【請求項3】
(E)噴射剤が、液化ガスであることを特徴とする請求項1又は2記載のエアゾール歯磨剤組成物。
【請求項4】
更に、(F)ベタイン型界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のエアゾール歯磨剤組成物。
【請求項5】
更に、(G)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる1種又は2種以上の香料成分を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のエアゾール歯磨剤組成物。
【請求項6】
更に、(H)アニスアルデヒドを含有することを特徴とする請求項5記載のエアゾール歯磨剤組成物。

【公開番号】特開2011−256125(P2011−256125A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130692(P2010−130692)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】