説明

歯磨剤組成物

【課題】歯面汚れの清掃力に優れ、歯面に対する刷掃実感が十分に得られると共に、ブラッシング時に粒のザラつきによる違和感がなく、しかも歯ブラシに採取する時の容器からの押出し易さが良好で、かつ経時での製剤の液分離安定性に優れる歯磨剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(B)平均粒径が50〜400μmであり、かつ平均崩壊強度が10〜200g/個である顆粒、(C)研磨性シリカ、及び(D)アニオン性粘結剤を配合してなり、(B)成分の含有量が1〜5質量%及び(D)成分の含有量が0.2〜0.5質量%であることを特徴とする歯磨剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯面の汚れに対する清掃力に優れ、かつ歯面に対する高い刷掃実感から清掃しているという満足感が得られると共に、ブラッシング時に粒のザラつきによる違和感も無く、歯ブラシ上に採取する時の容器からの押出し易さが良好であり、かつ、経時での製剤の液分離安定性に優れる歯磨剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯磨剤組成物には、歯面等の口腔内表面に付着した汚れを清掃するという基本機能を付与するために、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、研磨性シリカなどの研磨剤を配合しており、その配合量は個々の研磨剤の清掃力に応じて設定している。リン酸カルシウムや炭酸カルシウムは、比較的清掃力が小さいことから一般的に歯磨剤組成物への配合量が30〜60質量%であるのに対して、研磨性シリカは比較的に清掃力が高いので10〜25質量%配合される場合が多い。一般的な市販の歯磨剤組成物では、何れの研磨剤を使用する場合も清掃力は一定の領域に調整されており大きな差異はないが、それ故、固形成分である研磨剤配合量には2〜3倍の差異が生じている。これが、歯磨きブラッシングをした時の歯面などに対する使用感への違いに繋がり、研磨剤の配合量が多い組成物のほうが歯磨きブラッシング時に歯面に対して磨いている感覚(刷掃実感)が高くなる傾向が生じる。
【0003】
しかしながら、研磨性シリカを研磨剤として用いた場合は、その配合量を少なく設定するため高い刷掃実感が得られ難いという課題があった。一方、炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの研磨剤では、これらの配合量が多いことから刷掃実感は高まる傾向にあるが、カルシウムイオンが溶出し易い物性であるため、溶出するカルシウムイオンの影響などにより使用後に残留感がありサッパリ感が不足するといった課題があった。
【0004】
研磨性シリカを配合した歯磨剤組成物で刷掃感を高める技術としては、無機又は有機の顆粒物を配合することによって歯面への歯ブラシの物理的作用力を高めることで刷掃感を得る方法などが知られている。しかし、この技術では、必ずしも十分な刷掃実感が感じられない場合があり、また、十分な刷掃実感を得るために顆粒の配合量を多くすると、ブラッシング時に粒のザラザラした違和感を与える場合があるなどの課題があった(特許文献1、2参照。)。
【0005】
一方、合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムは、合成ベントナイト、即ち膨潤性粘土鉱物の1種であり、層状珪酸塩で層間に水を取り込むことで膨潤してゲル構造をとる性質から、高分子の粘結剤同様に歯磨剤組成物に配合することで増粘性や保形性が得られることが知られている(特許文献3参照)。
【0006】
一般的に歯磨剤組成物には、歯ブラシに採取し易くするための保形性を維持するために、粘結剤として、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどの高分子物質が1質量%程度配合されている。これらの粘結剤は歯磨剤組成物のレオロジー特性に関与し、歯磨きブラッシングにおける使用感にも影響を与えている。概して、粘結剤の配合量が多くなると研磨剤が歯面に当たり清掃している感じがわかり難くなる傾向があり、歯磨きブラッシングという行為に対して、感覚的に清掃したという十分な満足感に繋がらない場合があった。一方、粘結剤の配合量を低減すると固体粒子を含む乳化分散状態である歯磨剤ペーストは経時での安定性が低下し、乳化分散状態の変化から溶液が一部分離するなどの問題を生じる。このため、満足な清掃実感と液分離安定性とを両立させることは難しかった。
【0007】
いずれにしても、これら従来技術は、歯面の汚れに対する清掃力に優れ、歯面に対する刷掃実感から清掃しているという実感が十分満足に得られると共に、歯ブラシに採取する時の押出し易さが良好であり、かつ、経時での製剤の液分離安定性にも優れ、これら全てを満たすという本発明の構成及びその技術的思想を想起させるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−68072号公報
【特許文献2】特開2008−266251号公報
【特許文献3】特表2009−519235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、清掃力が高く、清掃感に繋がるブラッシング時の刷掃感が十分に得られ、かつ使用後のサッパリ感が得られる一般特性も良好な新たな歯磨剤組成物を提供することが、本発明の技術課題である。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、歯面汚れの清掃力に優れ、歯面に対する刷掃実感が十分に得られると共に、ブラッシング時に粒のザラつきによる違和感がなく、しかも歯ブラシに採取する時の容器からの押出し易さが良好で、かつ経時での製剤の液分離安定性に優れる歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(B)平均粒径が50〜400μmであり、かつ平均崩壊強度が10〜200g/個である顆粒、(C)研磨性シリカ、及び(D)アニオン性粘結剤を配合し、(B)成分の含有量が1〜5質量%及び(D)成分の含有量が0.2〜0.5質量%であることにより、歯面汚れの清掃力が高く、優れた刷掃実感を有し、かつ、使用後のザラザラした違和感がなくサッパリ感が良好であり、しかも押出し性及び外観安定性も良好な製剤が得られること、更に(A)/(D)の質量比が5〜25であることで刷掃実感がより向上することを見出した。
【0011】
合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムを歯磨剤組成物に配合すると、高分子の粘結剤と同様に増粘性や保形性が得られることが知られている。出願人は、本化合物が微細の層状構造からなるため、高分子の粘結剤とは異なり物理的な機械力を加えると構造が崩壊して急激に粘度が低下する性質に着目し、これを利用して、合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムを配合した歯磨剤組成物でブラッシング時の分散性等を向上させる技術を特願2009−267392に提案した。
【0012】
出願人は、合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムの歯磨剤組成物への配合について更に検討をすすめた結果、合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムが、歯磨剤組成物への配合により増粘性や保形性が得られるが、通常の粘結剤と異なりシェアを掛けると急激に粘度が低下する性質を利用し、合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムと特定の顆粒とを組み合わせて配合し、かつ研磨性シリカを併用することで、歯磨きブラッシング時に通常は一般的な高分子物質等の粘結剤によって減衰してしまう無機粒子の歯面への作用性が効率的かつ直接的に歯面に伝わること、これが高い清掃力と刷掃実感に繋がる技術を開発し、本発明をなすに至った。本発明によれば、上記(A)合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムと(B)適切な平均粒径及び平均崩壊強度を有する顆粒とを組合せ、かつ(C)研磨性シリカ及び(D)アニオン性粘結剤を適切に配合することによって、上記作用効果が有効に発揮され、研磨性シリカに由来する清掃力が十分発揮され、歯面に付着したステイン等を効果的に除去でき、かつ清掃感に繋がるブラッシング時の刷掃実感が満足に得られる上、使用後のサッパリ感が得られ、一般特性も良好な歯磨剤組成物を提供することができる。本発明では、研磨剤に無水ケイ酸等のシリカ系研磨剤を用い、研磨剤の配合量がリン酸カルシウム等に比べて少ないにもかかわらず刷掃実感に優れると共に、使用後のザラザラした違和感が感じられずサッパリ感が良好であり、かつ優れた清掃力が得られる。更に、アニオン性粘結剤を適切に併用して配合することによって、上記優れた感覚と共に歯磨剤の一般特性である良好な押出し性及び液分離安定性も確保することができる。
【0013】
従って、本発明は下記の歯磨剤組成物を提供する。
〔1〕
(A)合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(B)平均粒径が50〜400μmであり、かつ平均崩壊強度が10〜200g/個である顆粒、(C)研磨性シリカ、及び(D)アニオン性粘結剤を配合してなり、(B)成分の含有量が1〜5質量%及び(D)成分の含有量が0.2〜0.5質量%であることを特徴とする歯磨剤組成物。
〔2〕
(B)成分が、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、水不溶性メタリン酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、アルミノ珪酸塩、炭酸マグネシウム、ジルコノシリケート、硫酸カルシウムから選ばれる1種以上の水不溶性粉体を顆粒状に形成させた粒子である〔1〕記載の歯磨剤組成物。
〔3〕
(D)成分が、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナンから選ばれる1種以上のアニオン性粘結剤である〔1〕又は〔2〕記載の歯磨剤組成物。
〔4〕
(A)/(D)が質量比で5〜25であることを特徴とする〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の歯磨剤組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、歯面に対する清掃力及び刷掃実感に優れる上、粒子によるザラザラした違和感が無く、かつ歯ブラシに採取する時の押出し易さが良好で、経時での製剤の液分離安定性に優れ一般特性も良好な歯磨剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液状歯磨等の歯磨剤として、特に練歯磨として好適に調製されるもので、(A)合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(B)平均粒径が50〜400μmであり、かつ平均崩壊強度が10〜200g/個である顆粒、(C)研磨性シリカ、及び(D)アニオン性粘結剤を含有する。
【0016】
(A)成分の合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムは、層状ケイ酸塩である合成ベントナイト(ヘクトライト)の一種である。一般的には厚さが約1nm、一辺が20〜100nmの大きさを有する板状の結晶が層状に重なった構造を有する。その構成成分としては、近似質量%としてSiO2:58.0%、MgO:25.4%、Na2O:3.1%、Li2O:1.0%であり、その他成分としては若干の水と微量金属を含む合成粘土剤である。完全な合成品であり、ナトリウム塩、マグネシウム塩及びリチウム塩にケイ酸ナトリウムを混合し、反応させることで製造される。
(A)成分の合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムとしては、B型粘度計を用いて測定した粘度が3,000〜10,000mPa・sであるものが好ましく、特に5,000〜8,000mPa・sであるものがより好ましい。粘度が3,000mPa・s未満では十分な刷掃実感が得られない場合があり、10,000mPa・sを超えると組成物が固くなり押出し易さを損なう場合がある。
なお、上記粘度は、イオン交換水に4%の合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムを分散し、30分間スターラーにて攪拌した後に、B10H型粘度計で測定(ローターNo.5、回転数;20rpm、測定時間;3分間、25℃)した値である。
このような合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムとしては、例えばラポナイトD、ラポナイトDF(いずれもロックウッド アディティブズ社製)等の市販品を用いることができる。
【0017】
合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムの配合量は、清掃力向上、刷掃実感向上、液分離安定性、押出し固さの点から、組成物全量に対して2〜8%(質量%、以下同様。)、特に4〜6%が好ましい。2%未満では十分な清掃力や刷掃実感が得られない場合や、更に経時での液分離を生じやすくなる場合があり、8%を超えると組成物が固くなり押出し易さを損なう場合がある。
【0018】
(B)成分の顆粒は、水不溶性粉体を顆粒状に形成させた粒子であり、粒状化には結合剤を用いても良いが、特には結合剤を用いないものが良い。水不溶性粉体としては、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、水不溶性メタリン酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、アルミノ珪酸塩、炭酸マグネシウム、ジルコノシリケート、硫酸カルシウムなどの無機粉体やこれらの混合物が挙げられ、特にシリカ顆粒が好適である。
【0019】
シリカ顆粒としては、湿式法のゲル法シリカ、沈降法シリカが好適に用いられ、一次粒子径は3〜15nm程度、好ましくは4〜10nmが良好である。例えば、ゲル法で4〜10nm程度に一次粒子径を成長させたシリカゲルの塊を洗浄、乾燥させた後に粉砕して平均粒径が50〜400μmであるシリカ顆粒に分級する方法、シリカヒドロゾルを空気中に噴霧させゲル化させることで顆粒を調製する方法、また、沈降法で一次粒子の成長を抑えながら凝集させた後に一次粒子径を4〜10nm程度に成長させることで調製する方法などが知られており、これら方法でシリカ顆粒を調製できる。中でも、ゲル法で調製したシリカゲルの塊を粉砕する方法は製造上簡便であり、分級による平均粒径のコントロールが容易であることから、好適である。このような方法で調製することで、適切な平均崩壊強度を有する顆粒を得ることができ、研磨性も低いものが得られ、(B)成分として好適なシリカ顆粒を得ることができる。
【0020】
顆粒の平均粒径は50〜400μmであり、特に60〜200μmであるものが、刷掃実感が高い上、違和感がない点から好ましい。平均粒径が50μmより小さいと、十分な刷掃実感が得られない場合があり、400μmより大きいとブラッシング時に粒のザラザラした違和感が生じる場合がある。
なお、平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)を用いて測定した。測定値は体積平均を用いたメジアン径(d50)で求め、これを平均粒径とした。
【0021】
顆粒の平均崩壊強度は10〜200g/個であり、特に20〜50g/個が好ましい。平均崩壊強度が10g/個より小さいと、十分な刷掃実感が得られない場合があり、200g/個より大きいとブラッシング時に粒のザラザラした違和感が生じる場合がある。
なお、平均崩壊強度は、サン科学社製のレオメーター(サンレオメーターCR−200D)により顆粒30個の自動破断強度測定値(顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に本顆粒が崩壊する時の荷重を測定した値。)の平均値から求めた。
【0022】
このような平均粒径及び平均崩壊強度を有する顆粒としては、市販品を使用でき、具体的にシリカ顆粒としてニップジェル(東ソー・シリカ(株)製)、Sorbosil(PQコーポレーション)などが挙げられる。
【0023】
顆粒の配合量は組成物全量に対して1〜5%であり、特に2〜4%が好ましい。1%未満では十分な刷掃実感が得られない。5%を超えると使用時の粒のザラザラした違和感が生じる。
【0024】
(C)成分の研磨性シリカは、(B)成分のシリカ顆粒とは異なる、研磨性を有する沈降性シリカであり、無水ケイ酸や5%以下のジルコニウム又はアルミニウム等を製造過程で添加した非晶質無水ケイ酸などが挙げられる。
研磨性シリカの平均粒径は、体積平均を用いたメジアン径(d50)が5〜40μm、特に10〜30μmが好適である。メジアン径が5μm未満では十分な研磨性が得られず、50μmを超えると使用時に違和感(異物感)を生じる場合がある。なお、メジアン径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)を用いて測定した値である。これら研磨性シリカを用いることで、炭酸カルシウム等に比べ使用後に良好なサッパリ感を得ることができる。
【0025】
研磨性シリカとしては、市販品を使用でき、例えばローディア日華(株)から販売されているTIXOSIL 73(沈降性シリカ、平均粒径はメジアン径の測定値で14μm)などが挙げられる。
【0026】
研磨性シリカの配合量は、組成全体の10〜25%が好ましく、より好ましくは14〜22%である。配合量が10%未満では十分な清掃力や刷掃実感が得られず、25%を超えると押出し固さが固くなる場合がある。
【0027】
(D)成分のアニオン性粘結剤としては、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナンなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でもアルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギーナンが好適であり、とりわけ液分離安定性が良好であることからキサンタンガムがより好適である。
【0028】
アニオン性粘結剤の配合量は、組成物全量に対して0.2〜0.5%であり、好ましくは0.3〜0.4%である。0.2%未満では液分離を生じてしまう。0.5%を超えると刷掃実感が感じられなかったり、押出し固さが固くなる。
【0029】
更に本発明では、(A)合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムと(D)アニオン性粘結剤の配合割合、すなわち(A)/(D)が質量比で5〜25、特に10〜18であることが好ましく、このような割合であることで刷掃実感をより向上させることができる。配合割合が5未満では刷掃実感が十分に得られない場合があり、25を超えると押出し固さが固くなったり、液分離が生じやすくなる場合がある。
【0030】
本発明の歯磨剤組成物は、上記した構成成分に加えて、任意成分として通常歯磨剤組成物に配合されるその他の公知成分、例えば(C)成分以外の研磨剤、粘稠剤、(D)成分以外の粘結剤、界面活性剤、保湿剤、更には必要に応じて甘味料、着色料、防腐剤、保存安定化剤、pH調整剤、薬効成分等の適宜の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得、これら成分と水とを混合して通常の方法で製造できる。
【0031】
研磨剤としては、(C)成分の研磨性シリカに加えて、その他の研磨剤を配合してもよい。例えば、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、二酸化チタン、ポリメチルメタアクリレート、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウムなどが挙げられる。なお、本発明にかかわる使用後のサッパリ感を得るためには、カルシウムイオンの溶出性が高い研磨剤は配合しないことが好ましい。これら研磨剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で、組成物全体の0〜6%、特に0〜2%が好適である。
【0032】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としてはラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−ラウロイルタウリン塩、ラウロイルサルコシン塩、α−オレフィンスルホン酸塩などが挙げられ、塩としては溶解性等からナトリウム塩が好適である。両性界面活性剤として、例えばN−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等が挙げられ、脂肪酸の鎖長が炭素数12〜14のものが溶解性の点で好ましい。ノニオン性界面活性剤として、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
なお、これら界面活性剤の配合量は通常、組成物全体の0.5〜5%であり、好ましくは0.8〜3%である。
【0033】
粘稠剤としては、例えばソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、エリスリトールなどの多価アルコールや糖アルコール等を配合してもよい。粘稠剤の配合量は通常10〜60%、好ましくは20〜40%である。
【0034】
粘結剤としては、必要に応じて(D)成分のアニオン性粘結剤に加えて、それ以外の粘結剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースなどの非アニオン性粘結剤を配合することができる。これら粘結剤の配合量は0〜2%、好ましくは0〜1%である。
【0035】
薬効成分としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、クロルヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン塩類、ソルビン酸塩、ヒノキチオール、アズレンスルホン酸塩等の抗菌性物質、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、プロテアーゼ、リゾチーム等の分解酵素、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症物質、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化ストロンチウムなどの無機塩類、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ゼオライト、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性化合物、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ピリドキシン等の各種ビタミン類、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の天然抽出物などが挙げられる。これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
【0036】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ぺリラルチン等、防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
【0037】
着色料としては、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号、雲母チタン、酸化チタン等を挙げることができる。
【0038】
pH調整剤としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、ピロリン酸、グリセロリン酸やこれらの各種塩、水酸化ナトリウムなどを挙げることができる。なお、本発明の歯磨剤組成物は、pH6〜10、特に7〜9に調整されることが好ましい。
【0039】
香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これらの天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアセデヒド、シトラール、プレゴン、カルビートアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、歯磨剤組成物中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
【0040】
歯磨剤組成物の収容容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨剤組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器や、これらのプラスチックとアルミ箔から構成されるラミネート容器等が使用できる。
【実施例】
【0041】
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
【0042】
〔実験例1〕
表1,2に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を下記方法で調製し、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブに充填した。得られた歯磨剤組成物について、清掃力、刷掃実感、違和感の無さ、押出し易さ、液分離安定性を下記の方法で評価した。結果を表1,2に示す。
【0043】
試験歯磨剤組成物の調製:
歯磨剤組成物の調製は、精製水にサッカリンナトリウム、フッ化ナトリウムなどの水溶性物質を溶解させ、ソルビットを加えた後、(A)成分の合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウムを加えた分散液に、別途、プロピレングリコールに(D)成分のアニオン性粘結剤を分散させた液を加え、攪拌した。その後、香料、(C)成分の研磨性シリカ、(B)成分の顆粒、更にラウリル硫酸ナトリウムを加え、減圧下(5.3kPa)で攪拌し、歯磨剤組成物を得た。製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社製)を用いた。なお、比較例の歯磨剤組成物も上記と同様にして調製した。
【0044】
これら歯磨剤組成物の調製に用いた各成分は、合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム(ラポナイトD、ロックウッド アディティブズ社製、粘度*;6,660mPa・s)、顆粒(商品名 ニップジェル、東ソー・シリカ(株)製、AYグレードシリカ顆粒、平均粒径及び平均崩壊強度は表に示すとおり。)、キサンタンガム(モナートガムDA、大日本住友製薬(株)製)、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギンI−3、(株)キミカ製)、カラギーナン(CPケルコ(株)製)、ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H、日本純薬(株)製)、研磨性シリカ(Rhodia(株)製のTIXOSIL 73、平均粒径14μm)を用い、プロピレングリコール、ソルビット(70%水溶液)、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、精製水等の他成分については、いずれも医薬部外品原料規格2006の規格品を用いた。形態が水溶液の成分については、表中も含め何れも純分換算の配合量を示した。香料は、表3に示す香料A〜香料Iを、表4〜9に示すフレーバー組成を用い作成し、配合した。
*;B10H型粘度計(TVB10H型粘度計、東機産業(株))を用いて、ローターNo.5、回転数;20rpm、測定時間;3分間、25℃で測定した4%合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム水溶液(イオン交換水使用)の粘度。
【0045】
使用した顆粒の平均粒径は、粒度分布を粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)で測定した50%粒度(体積平均を用いたメジアン径(d50)を平均粒径とした。顆粒の平均崩壊強度は、サン科学社製のレオメーター(サンレオメーターCR−200D)により顆粒30個の自動破断強度測定値(顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に本顆粒が崩壊する時の荷重を測定した値。)の平均値で求めた。
【0046】
また、下記評価において使用した収容容器は、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブ(大日本印刷(株)製)であり、層構成は最外層よりLDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30、厚さ257μmである。略号の示すところは下記の通りであり、数値は各層の厚さ(μm)を示す。
LDPE:低密度ポリエチレン 白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
【0047】
(1)清掃力評価の試験方法
(1−1);ステイン付着ハイドロキシアパタイトペレットの作製方法
ハイドロキシアパタイトペレット表面(ペンタックス社製、直径7mm×厚さ3.5mm)をサンドブラストにて処理後、中性洗剤水溶液中、超音波洗浄機で洗浄した。30%リン酸水溶液にて表面をエッチング(10分間)、水洗し、自然乾燥後、タンニン鉄ステイン付着前のペレットのLab値(L0)を測定した。上記のペレットに対し、0.5%アルブミン水溶液→タンニン抽出液→0.6%クエン酸鉄(III)アンモニウム水溶液で1時間ずつ繰り返し浸漬する操作を50回繰り返し、常温で1日風乾した後、流水で洗浄し、再び風乾して着色ペレットを作製した。なお、タンニン抽出液は、沸騰させたイオン交換水1200mL中に、日本茶(銘柄:老松)50g、紅茶(ブリスクティーバック(商品名)、リプトン社製)5袋、インスタントコーヒー(ネスカフェ(商品名)、ネスレ日本社製)12gを入れ一晩放置し、日本茶及び紅茶をろ過にて取り除き作製した。作製した着色ペレットの表面の色を測定し、その値をL1とした。
【0048】
(1−2)ステイン除去効果の評価法
表1、2に示す組成の歯磨剤組成物を2倍量のイオン交換水で希釈し、歯磨分散液を作製した。上記方法で作製したタンニン鉄ステイン付着ハイドロキシアパタイトペレットを歯磨分散液に浸漬し、平切りの歯ブラシ(商品名 PCクリニカ、ライオン(株)製)をセットした自動研磨試験機(加重250g)にて200回ブラッシングし、ブラッシング後のペレットのLab値(L2)を測定した。以下の式より、タンニン鉄ステイン除去率を算出し、このタンニン鉄ステイン除去率から以下の基準に従い評価した。
タンニン鉄ステイン除去率(%)=〔(L2−L1)/(L0−L1)〕×100
清掃力(ステイン除去効果)の評価基準
◎:タンニン鉄ステイン除去率50%以上
○:タンニン鉄ステイン除去率40%以上50%未満
△:タンニン鉄ステイン除去率30%以上40%未満
×:タンニン鉄ステイン除去率30%未満
【0049】
(2)刷掃実感の評価方法
被験者10名を用いて歯磨剤組成物約1gをブラシヘッド幅10mm、長さ20mmの歯ブラシ上にのせ、ブラッシングした時の刷掃実感を「刷掃感を非常に感じる」、「刷掃感を感じる」、「刷掃感をあまり感じない」、「刷掃感を感じない」の4段階で回答を得た。この回答のうち、「刷掃感を非常に感じる」を4点、「刷掃感を感じる」を3点、「刷掃感をあまり感じない」を2点、「刷掃感を感じない」を1点として、10名の平均点から以下の基準で刷掃実感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
【0050】
(3)違和感の評価方法
被験者10名を用いて歯磨剤組成物約1gをブラシヘッド幅10mm、長さ20mmの歯ブラシ上にのせ、ブラッシングした時のザラザラした違和感を「違和感を感じない」、「違和感をほとんど感じない」、「違和感をやや感じる」、「違和感を感じる」の4段階で回答を得た。この回答のうち、「違和感を感じない」を4点、「違和感をほとんど感じない」を3点、「違和感をやや感じる」を2点、「違和感を感じる」を1点として、10名の平均点から以下の基準でザラザラした違和感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
【0051】
(4)押出し易さの評価
歯磨剤組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を50℃、1ヶ月間保存した後、わら半紙上に10cm歯磨剤組成物を押出し、押出し易さを下記の4段階で評価した。
4点:指先で押出したとき、一気に押出して10cm以上の長さで練が出る。
3点:指先で押出したとき、一気に押出して5cm以上10cm未満の長さで練が出
る。
2点:指先で押出したとき、一気に押出して2cm以上5cm未満の長さで練が出る

1点:指先で押出したとき、一気に押出して2cm未満の長さで練が出る。
3本の評価点の平均値を求め、押出し易さの度合いを下記4段階で判定した。◎、○となるものを50℃保存時における製剤の押出し易さに優れる歯磨剤組成物であると判断した。
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0052】
(5)液分離安定性の評価方法
歯磨剤組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を50℃、1ヶ月間保存した後、わら半紙上に10cm歯磨剤組成物を押出し、液分離安定性を下記の4段階で評価した。
◎:液分離がない
○:ほとんど液分離がない(1mm未満)
△:やや液分離がある(1mm以上5mm未満)
×:液分離がある(5mm以上)
【0053】
【表1】

*純分換算した値を示した。
【0054】
【表2】

*純分換算した値を示した。
【0055】
表1,2の結果から、合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム又は特定顆粒が配合されていない場合は刷掃実感に劣り、不適切な顆粒を配合した場合は刷掃実感又は違和感に劣るのに対して、本発明の歯磨剤組成物は、歯面の汚れに対する清掃力に優れ、かつ歯面に対する刷掃実感から清掃しているという実感が得られる上、粒のザラザラした違和感が無く、しかも、歯ブラシに採取する時の押出し易さが良好であり、経時での製剤の液分離安定性が良好となり、全てを満たす優れた品質を有していた。
【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
【表6】

【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)合成層状ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(B)平均粒径が50〜400μmであり、かつ平均崩壊強度が10〜200g/個である顆粒、(C)研磨性シリカ、及び(D)アニオン性粘結剤を配合してなり、(B)成分の含有量が1〜5質量%及び(D)成分の含有量が0.2〜0.5質量%であることを特徴とする歯磨剤組成物。
【請求項2】
(B)成分が、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、水不溶性メタリン酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、アルミノ珪酸塩、炭酸マグネシウム、ジルコノシリケート、硫酸カルシウムから選ばれる1種以上の水不溶性粉体を顆粒状に形成させた粒子である請求項1記載の歯磨剤組成物。
【請求項3】
(D)成分が、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナンから選ばれる1種以上のアニオン性粘結剤である請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
【請求項4】
(A)/(D)が質量比で5〜25であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。

【公開番号】特開2012−149035(P2012−149035A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273019(P2011−273019)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】