説明

歯磨剤

【課題】高分子系の粘結剤を多量に配合しない場合であっても十分な保形性を有し、粉体配合量が少なくても味や白残りがなく、口腔内での分散性が良好で軽い使用感の歯磨剤を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)吸油量が150〜500mL/100gの増粘性シリカ 0.1〜10質量%、
(B)炭酸カルシウム 0.1〜10質量%、
(C)水 40〜70質量%
を含有し、成分(B)と成分(A)の質量比(B:A)が2:1〜0.5:99.5である歯磨剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用感の良好な歯磨剤に関する。
【背景技術】
【0002】
歯磨剤には、歯垢や着色物除去の目的で研磨剤が配合されることが多い。当該研磨剤としては、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、研磨性シリカ、水酸化アルミニウム等が広く用いられている。一方、歯磨剤には、歯ブラシへの取りやすさ、口腔内での分散性、生産性、歯面における滞留性の目的から適度な粘弾性と形状を付与することが求められ、その目的のために粘結剤が配合される。当該粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウムに代表される水溶性高分子やベントナイトなどの粘土鉱物が用いられている。従って、炭酸カルシウム等の研磨剤と粘結剤を併用した歯磨剤も報告されている(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−47158号公報
【特許文献2】特開2006−117598号公報
【特許文献3】再公表2006−3989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の粘結剤を使用した歯磨剤は、保形性は優れているものの、感触が重く、口腔内での分散性が十分でなく、殺菌成分や香料成分の作用が十分に奏されない場合がある。また、粘結剤を少なくして粉体成分を多くして保形性をもたせると、味が低下したり、口腔周辺に付着した場合白く残りやすい等の問題がある。
従って、本発明の課題は、軽い使用感でありながら十分な保形性を有し、口腔内での分散性が良好な使用感の優れた歯磨剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者は、軽い使用感でありながら高い保形性を有する歯磨剤を開発すべく検討したところ、炭酸カルシウムと増粘性シリカとを一定の比率で配合すれば、水分量が多いにもかかわらず十分な保形性を有する歯磨剤が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)吸油量が150〜500mL/100gの増粘性シリカ 0.1〜10質量%、
(B)炭酸カルシウム 0.1〜10質量%、
(C)水 40〜70質量%
を含有し、成分(B)と成分(A)の質量比(B:A)が2:1〜0.5:99.5である歯磨剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の歯磨剤は、水分量が多いにもかかわらず高い保形性を有しており、粉体量は多くないことから味が良好で白残りがない。また、口腔内での分散性が良好で、従来の歯磨剤にはない軽い使用感を有する。また、殺菌成分、水溶性フッ化物、水溶性薬効成分等を多量に配合することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の歯磨剤は、(A)吸油量150〜500mL/100gの増粘性シリカを含有する。増粘性シリカは、通常研磨性シリカとして歯磨剤に配合されるシリカより吸油量が大きいものである。増粘性シリカと炭酸カルシウムとを一定比率で水に分散させることにより、水を多量に包含したヒドロゲルが形成され、当該ゲルは歯磨剤として良好な保形性を有する。吸油量が150mL/100g未満のシリカと炭酸カルシウムを併用しても十分な保形性は得られない。保形性の点から好ましい吸油量は、200〜400mL/100gであり、さらに好ましい吸油量は250〜380mL/100gである。当該増粘性シリカとしては、富士シリシア化学製SYLOPURE25、CROSFIELD社製SORBOSILTC15等の市販品を使用することができる。なお、吸油量は、JISK5101-13-2に準ずる方法によって測定することができる。また用いられる増粘性シリカの平均粒子径は1〜10μmが好ましく、さらに1.5〜8μm、さらに2〜8μmが好ましい。
【0009】
(A)増粘性シリカの本発明歯磨剤中の含有量は、適度な保形性、口腔内の分散性、使用感の点から、0.1〜10質量%であり、さらに0.5〜8質量%、さらに2〜8質量%、さらに3〜7質量%、さらに3〜8質量%が好ましい。
【0010】
本発明の歯磨剤に用いられる(B)炭酸カルシウムは、成分(A)とともにゲルを形成するが、研磨剤としても機能する。炭酸カルシウムとしては、沈降炭酸カルシウム(軽微性又は軽質炭酸カルシウム)及び重質炭酸カルシウムが挙げられるが、ゲルの形成能の点から重質炭酸カルシウムが好ましい。また用いられる炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.1〜50μmが好ましく、さらに1〜10μmが好ましい。
【0011】
(B)炭酸カルシウムの本発明歯磨剤中の含有量は、適度な保形性、味(粉っぽさのない)、使用感の点から、0.1〜10質量%であり、さらに0.5〜8質量%、特に1〜7質量%が好ましい。また、成分(B)と成分(A)の含有量の合計は、保形性と香りだちの点から5〜18質量%であるものが好ましく、さらに5〜15質量%、さらに7〜15質量%が好ましい。
【0012】
また、本発明の歯磨剤においては、成分(B)と成分(A)の質量比(B:A)を2:1〜0.5:99.5の範囲とすることにより、水を多量に含有する保形性のあるゲルが形成される。(B)炭酸カルシウムの含有量を少なくし、かつ保形性を保つことにより、味、白残り、口腔内における分散性が良好になることから、B:Aは、さらに3:2〜1:99、さらに5:5〜1:99、さらに5:6〜1:99が好ましい。
【0013】
本発明の歯磨剤は、成分(A)と成分(B)で形成されるゲルが多量に水を含有し、かつ保形性も良好であることから、水を40〜70質量%含有することができる。このような多量の水を含有するにもかかわらず、保形性が良好であることから、本発明の歯磨剤は口腔内での分散性が良好で、かつ使用感が軽く良好である。より好ましい水の含有量は、45〜70質量%あり、さらに好ましくは50〜70質量%である。なお、本発明の歯磨剤中の水の含有量には、ソルビトール液などの配合成分中に含まれる水と、別に配合した水とを含む。
なお、歯磨き組成物中の水分量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業)を用いることができる。この装置では、歯磨き組成物を5gとり、無水メタノール25gにより懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を測定することができる。
【0014】
本発明の歯磨剤中の成分(A)と成分(C)の重量比(A:C)は、粉っぽさの点から1:7〜1:20が好ましく、さらに1:8〜1:20が好ましい。
【0015】
本発明の歯磨剤には、上記成分以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、炭酸カルシウム以外の研磨剤、界面活性剤、粘結剤、湿潤剤、香料、甘味料、殺菌剤、防腐剤、水溶性フッ化物、pH調整剤、各種薬効成分等を必要に応じて含有させることができる。
【0016】
ここで、研磨剤としては、含水シリカ、吸油量が50〜120mL/100gの無水シリカ、歯磨用リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸カリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ベントナイト、ゼオライト、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、レジン等を挙げることができる。
【0017】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。これらの界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の中から1の界面活性剤のみを用いても良いが、2以上の界面活性剤を用いる場合には、いずれか1の界面活性剤を0.1質量%以下にすることが好ましい。尚、上記界面活性剤の中から1の界面活性剤のみを用いる場合、例えばアニオン性界面活性剤を含有する場合には、複数組成のアニオン性界面活性剤を用いることができるし、2以上の界面活性剤について複数組成の界面活性剤を用いることができる。
【0018】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アシルグルタミン酸ナトリウム、アシルサルコシンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、アルキルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド塩、イセチオン酸の脂肪酸エステル塩、N−メチル長鎖アシルタウリンナトリウム塩、ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩が挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤における疎水基のアルキル基、アシル基は炭素数6〜18、特に10〜14のものが好ましい。また、その塩としてはナトリウム塩が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、発泡性が良く、また、安価に入手可能な点からアルキル硫酸エステル塩が特に好ましい。
アニオン性界面活性剤は、本発明の歯磨剤中に0〜5質量%含有することが好ましく、さらに好ましい含有量は0.1〜3質量%である。
【0019】
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン付加系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤、モノ又はジエタノールアミド系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを挙げることができる。この中でもソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが好ましく、モノステアリン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステルが特に好ましい。本発明ではこれらを1種以上用いることができる。
非イオン界面活性剤の含有量は、本発明の歯磨き組成物中に0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜10質量%である。
【0020】
ここで、粘結剤としては、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられ、特にカルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン及びキサンタンガムが好ましい。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの粘結剤は、歯磨剤中に0.01〜3質量%、さらに0.1〜2質量%含有するのが好ましい。
【0021】
湿潤剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、トレハロース等を挙げることができ、中でもソルビトール、グリセリンが好ましい。
【0022】
香料としては、l−メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、オシメン、n−アミルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、メチルアセテート、シトロネオールアセテート、シネオール、1,8−シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール等の合成香料、スペアミント油、ペパーミント油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、シソ油、ハツカ油、アニス油、冬緑油、ウインダーグリーン油、サッサフラス油、丁子油、セージ油、ユーカリ油、マヨナラ油、肉桂油、タイム油、レモン油及びオレンジ油等の天然香料が挙げられる。
【0023】
殺菌剤としては、クロルヘキシジンの塩類、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0024】
防腐剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0025】
各種薬効成分としては、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、エピジヒドロコレステリン、α−ビサボロール、グリチルリチン酸及びその塩類等の抗炎症剤;ヒノキチオール等のフェノール性化合物;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤;α−トコフェロール、酢酸α−トコフェロール(dl体、d体)及びその塩;銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物;塩化ナトリウム、硝酸カリウム等の塩類;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、塩化リゾチーム等の酵素;トウキ、オウバク、チョウジ、オウゴン、ベニバナ等の抽出物;乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、ジヒドロコレステロール、クエン酸亜鉛等が挙げられ、なかでも、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びその塩類;銅クロロフィリンナトリウム、グルクン酸銅等の銅化合物;塩化ナトリウム、硝酸カリウム等の塩類;塩化ストロンチウム及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム等の水溶性薬効成分が好適である。
【0026】
水溶性フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化アンモニウム等が挙げられ、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムが好適である。
【0027】
本発明の歯磨剤は、歯ブラシ上に吐出可能な歯磨剤であって、ゲル状歯磨剤、練歯磨剤が可能で、練歯磨剤とするのが好ましい。そのpHは、4〜11、さらに5〜10が好ましい。また、練歯磨とした場合の粘度(25℃)は800〜5000dPa・s、さらに1000〜4000dPa・s、特に1000〜3000dPa・sとするのが軽い使用感、口腔内における分散性と保形性とのバランスの点で好ましい。
【実施例】
【0028】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0029】
(吸油量の測定)
増粘性シリカ(無水ケイ酸)の吸油量は、JIS K5101−13−2に準ずる方法により、無水ケイ酸に吸収される煮あまに油の量を測定する。具体的には、測定対象の無水ケイ酸に煮あまに油を滴下しつつ鋼ヘラで練り合わせ、全体が鋼ヘラでラセン状にまくことができた時点を終点とし、吸収される煮あまに油の量を特定する。なお、煮あまに油はJIS K5421に規定するものを用いる。
【0030】
(粘度の測定)
粘度は、ヘリパス粘度計(東機産業株式会社製 TVB-10R)により、測定温度25℃、ロータC、回転速度2.5rpm、1分間の測定条件により測定した。
【0031】
試験例1
炭酸カルシウム(平均粒子径6μm)と、吸油量の相違するシリカとの組み合わせによるゲル形成能を試験した。シリカ1(吸油量300mL/100g,平均粒子径4μm)、シリカ2(吸油量70mL/100g,平均粒子径10μm)及びシリカ3(顆粒:平均粒子径250μm)を用いた。炭酸カルシウムとシリカ1〜3を表1の量で120mL容量のビンに、イオン交換水90mLとともに投入し混合した。このとき、ゲル形成により生じる白色部分の高さ(mm)を測定した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1から明らかなように、シリカ1(増粘性シリカ)と炭酸カルシウムとを併用した場合に、顕著にゲル形成が生じることがわかる。
【0034】
試験例2
次に、炭酸カルシウムと増粘性シリカとの組み合わせによるゲル形成能と、それらの量比との関係について検討した。試験方法は試験例1と同様である。
【0035】
【表2】

【0036】
その結果、炭酸カルシウム(B):増粘性シリカ(A)=8:2〜1:99の場合にシリカ(無水ケイ酸1)のみを含有する試験液よりもゲル形成量が大きくなった。なお、炭酸カルシウムは少量の添加でも優れたゲル形成能を有し、B:Aの上限は0.5:99.5でも良好である。試験例からB:A=2:1〜1:99の場合にシリカ(無水ケイ酸1)のみを含有する試験液の1.5倍以上のゲル形成量が認められ、さらに5:5〜1:99の場合にシリカ(無水ケイ酸1)のみを含有する試験液の2倍以上のゲル形成量が認められ、良好であることがわかる。
【0037】
試験例3
表3記載の練歯磨剤を製造し、保形性(ハミガキ高さ、ハブラシからの垂れ)、白残り、粘度、味を評価した。
【0038】
ハミガキ高さは、吐出口の口径(内径)が8mmのチューブからハミガキを約1.5cm絞り出し、30秒後の高さ(mm)を測定した。ハブラシからの垂れは、ハミガキをハブラシ上に絞り出した30秒後、ブラシの毛の先端で形成される上面からブラシの毛の外側下方に垂れるかを評価した。白残りは、約0.1gのハミガキをヒトの手の甲に直径約20mmの円状に広げて10分後の白さの変化を観察した。味はハミガキ時の粉っぽさから判断し、香りだちは歯磨剤を歯ブラシにとり使用するときの香りと口腔内における香りの両方の拡散性から判断した。香りだちの判断は、3名により行い、2名以上の評価を採用した。結果を表3に示す。
香りだちの評価
3:非常に香りの拡散性が良い
2:香りの拡散性がよい
1:香りがする
【0039】
【表3】

【0040】
その結果、本発明の歯磨剤である実施例1と実施例2は、保形性がよく、白残りせず、かつ味、香りの拡散性も良好であることが認められた。
【0041】
試験例4(実施例3、4)
表4記載の練歯磨剤を製造し、試験例3と同様に保形性(ハミガキ高さ、ハブラシからの垂れ)、白残り、味、香りだちを評価した。
【0042】
【表4】

【0043】
その結果、実施例3及び4のいずれも保形性がよく、白残りせず、かつ味、香りだちも良好であることが認められた。
【0044】
下記組成の歯磨剤を調製したところ、いずれも味、香りだちに優れ、保形性がよく使用感に優れていた。
【0045】
実施例5
炭酸カルシウム 5
シリカ1 6
シリカ2 5
シリカ3 4
ソルビトール液(70%水溶液) 32
水 42
キサンタンガム 2
サッカリンナトリウム 0.25
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.75
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
香料 1.5
【0046】
実施例6
炭酸カルシウム 0.5
シリカ1 9.5
シリカ2 3
シリカ3 3
ソルビトール液(70%水溶液) 15
水 63
カラギーナン 3
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
香料 1.5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)吸油量が150〜500mL/100gの増粘性シリカ 0.1〜10質量%、
(B)炭酸カルシウム 0.1〜10質量%、
(C)水 40〜70質量%
を含有し、成分(B)と成分(A)の質量比(B:A)が2:1〜0.5:99.5である歯磨剤。
【請求項2】
成分(A)と成分(C)の質量比(A:C)が1:7〜1:20である請求項1記載の歯磨剤。
【請求項3】
成分(A)と成分(B)の合計量が5〜18質量%である請求項1又は2記載の歯磨剤。
【請求項4】
粘度(25℃)が800〜5000dPa・sである請求項1〜3のいずれか1項記載の歯磨剤。

【公開番号】特開2010−280616(P2010−280616A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135510(P2009−135510)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】