説明

歯科成形品の製造方法

歯科成形品の製造方法において、成形品のモデル(2)の形状に実質的に対応する形状の中空空間(11)をもつ鋳型(10)が製造され、中空空間(11)に硬化可能な材料を充満して、鋳造物(20)が製造および硬化される。モデル(2)には、鋳型(10)の製造を考慮したオフセット(2a,2b,2c)が設けられており、鋳造物(20)の硬化後、材料を除去することにより当該硬化された鋳造物(20)が加工されて、歯科成形品が製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1あるいは20のプリアンブルにもとづく歯科成形品の製造方法に関する。特に、本発明は、加工が困難な貴金属合金あるいは非鉄金属合金の射出成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科技術において、患者の指示、審美的要求、健康への意識、経済的状況によって、最大限の種類の材料から歯の補てい物(補形提供物:prosthetic provision)が製造される。レーザ溶接、ガルバノ技術のような新規な製造技術と歯科CAD/CAMシステムのたゆまぬ進歩の結果として、旧来型の貴金属鋳造合金と並んで、チタン、ガラスセラミックス、高性能セラミックスあるいはプラスティックのような半製品の材料形態であって新規な生物学的適合性をもつ材料が実用化されている。
【0003】
旧来型の貴金属鋳造合金の割合は、固定あるいは結合(いわゆる付着)歯科補てい物の製造において、依然として高い。このことは、貴金属合金は、患者の口の中での信頼性、および構造的な配置やデザインの欠陥に対する耐性が高いこと、特に高い生物学的適合性を示すことが何十年にわたって証明されているからである。貴金属合金のさらなる利点は、これらの成形品のために、試験により実証された範囲および加工容易な単板セラミックスが容易に入手可能であることにある。
【0004】
しかしながら、これらの利点に反して歯科CAD/CAMシステムを用いた貴金属歯科補てい物の製造において、必要とする半完成品に対する仕入れ価格および加工消費貴金属の価格がかかる。これにより、現時点での加工消費の水準は90%以上であると考慮される。この結果、歯科研究所あるいは実用化研究所においてCAD/CAMシステムを用いた貴金属歯科補てい物の製造のほとんどの試みは、価格の理由で失敗に終わっていた。
【0005】
CAD/CAMシステムを用いて非鉄金属合金の半完成物により歯科補てい物を製造する際に、Co−Cr−Moセラミックス合金の加工性の困難さが問題となる。経済的な非鉄金属合金を用いることによる価格の節約は、高価な加工機械の激しい磨耗と、長い加工時間によって相殺される。長い加工時間は、高い装置の使用時間の価格に至る。
【0006】
貴金属合金あるいは非鉄合金を用いた歯科補てい物の製造における上記した問題を回避するための1つの提案が、いわゆるレーザ焼結である。しかしながら、そのような設備は、数十万ユーロという巨大な投資を必要とし、概して歯科研究所あるいは実用化研究所によって受け入れることができない。さらに、積層化によって成形品を形成するために、精度の物理的な限界があり、その結果、長く、複雑な機械的および手動的な仕上げが必要となる。焼結加工のために必要な微細な金属粉の製造は、これ以上に、技術的に非常に複雑であり、特に、貴金属の場合には経済的でない。さらに、歯科技工士は、補てい物の作業に基づいて回さなければならず、すなわち、外部の作業場へ補てい物を渡さなければならないため、待ち時間が発生し、その結果として、歯科技工士は製造の経済的な連鎖の実質的な成分を再び失うこととなる。
【0007】
貴金属合金を用いた歯科成形品を製造する方法は、少なくとも部分的にCAD/CAMシステムの利点を用いたものが、米国特許第5,224,049号から知られている。ここで、形成すべき成形品のモデルが製造された後には、一連の所定の型枠(いわゆる鋳型)の中から、製造すべき成形品に最も近い構造の鋳型が選択される。製造すべき成形品から逸脱している場合には、製造すべき成形品に対応する中空空間となるまで鋳型が加工される。それから、これに硬化可能な材料、例えば貴金属合金が充満される。
【0008】
米国特許第5,224,049から知られている方法によって、歯科成形品の製造のための支出が低減されるが、この方法はその精度に関して一定の限界があることが見出されている。特に、さらに複雑な表面構造をもつ歯科成形品を実現するに必要な精度を出すことは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はそれゆえ、できるだけ合理化された方法により複雑な構造をもつ歯科成形品をも製造する可能性を示すという目的に基づいている。特に可能な限りCAD/CAM技術の利点を用いることが可能であるという可能性に基づくべきである。
【0010】
上記の目的は、請求項1および請求項20に係る成形品の製造方法を用いることにより達成される。従属請求項は、当該発明に基づく方法のさらなる有利な展開に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の歯科成形品の製造方法は、(a)形成すべき成形品のモデルを製造する工程と、(b)実質的に前記モデルの形態に対応する形態の中空空間をもつ鋳型を製造する工程と、(c)前記中空空間に硬化性材料を充満させて、鋳造物を製造する工程と、(d)前記鋳造物を硬化させる工程とを有する。
【0012】
本発明の第1の観点に基づけば、前記a)工程で製造されたモデルには、前記鋳型の製造を考慮したオフセットが設けられており、前記鋳造物の硬化後、材料を除去することにより当該鋳造物が加工されて、最終的な歯科成形品が製造される。オフセットの厚さは、製造対象となる成形品の形態および硬化性材料の双方によって変え、オフセットは部分的にあるいは完全にモデルを覆っていてもよい。
【0013】
本発明は、変形態様において旧来型の鋳造技術を用いた旧来型のCAD/CAM技術の利点に関係または補うものであり、これにより、歯科研究所および実用化研究所において貴金属合金あるいはCo−Cr−Mo合金の歯科補てい物を高精度に、一部自動的に、そして経済的に製造することができる。米国特許第5,224,049号で知られている方法と比較して、鋳型の製造方法は簡素化する。その理由は、オフセットの使用により、製造すべき成形品のより複雑な表面構造を補正して、その結果、鋳型を比較的早く簡単に製造することができるからである。公知の方法と比べて、その後に硬化した鋳造物の加工が必要となるが、この方法を用いることにより、最終的に、所望の成形品が非常に高精度に製造されるという利点が提供される。それ以上に、本発明にもとづく方法によれば、他の方法では難しいか実現できないような、成形品のより複雑な表面構造を製造することができる。
【0014】
CAD/CAMシステムの利点を最大限に使用できるようにするため、本発明に基づく方法、特に好ましい変形方法によれば、少なくとも1つの鋳型材に対して、特にフライス盤、回転、穴あけ、および/または研削を用いて、完全に自動的な材料除去加工を施すことにより、鋳型を製造されることが提供される。材料除去プログラムは、鋳型の所望の輪郭を考慮しており、材料除去装置に対して制御コマンドを与える。当該プログラムは、オフセットが設けられたモデルの3次元CAD再構成に基づいて製造される。さらに、鋳型の製造と同時に、少なくとも1つの挿入用チャネルが鋳型材に加工され、その後に、硬化性材料が当該挿入用チャネルを通して充満される。
【0015】
本発明の第2の観点に基づけば、鋳造物の硬化後に、仕上げ加工のために、材料除去機械の型受け器内に前記鋳型とともに鋳造物が置かれて、鋳造物は加工される。鋳型の製造に使用されたものと同じ材料除去機械を用いることが好ましい。この場合には、工具機械にはめ込まれた鋳造物を正確に再配置することができるため、成形品のその後の加工の高精度化を確保できる。
【0016】
さらに、本発明の第2の観点では、鋳型材料は、同時に、ミリングマシンによる加工あるいは研削が可能な支持材あるいは保持材として機能するため、非常に薄くて壊れやすい鋳造物の加工が可能となる。鋳型材料を部分的に除去した後、鋳造物の後ろに他の支持材料を埋め込んで、その後、咬み合わせる鋳造物の残りの加工を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、貴金属合金あるいは非鉄合金からなる歯科成形品を非常に効率的な方法で製造することができるとともに、成形品の製造における最大限の高精度化を保証することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して本発明のさらなる詳細について説明する。
【0019】
図1〜10は、本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示し、図11は、歯科鋳造物の旧来型の製造方法と、本発明の製造方法の各工程の一覧を示す。
【0020】
本発明の歯科成形品の製造方法は、旧来型の金鋳造物の製造方法に比べて、多くの加工工程は通常自動的あるいは機械により行われるので、より明確な工程となる。本発明の利点を明確にするため、個々の金のキャップの旧来型の製造方法を以下に簡潔に述べる。
【0021】
事前処理の後、初めは、ホイルキャップが圧伸(deep drawn)されて、先の加工された歯の残根に適用される。歯の残根を隔離した後、ホイルキャップが固定されて、製造すべき歯冠のワックスモデルが製造される。このワックスモデルに塗料が塗られ、鋳造の準備がなされ、マッフル炉の準備がなされる。埋め込み用の質量をもつ流動物(スラリー)が製造され、歯冠のワックスモデルが少量埋め込まれる。完全に埋め込んだ後、マッフル炉の洗浄および予備加熱が行われ、最終的に液状貴金属合金が注がれる。鋳造物の硬化後、これが取り出されて、鋳造未加工品の仕上げ洗浄が行われ、挿入チャネルが分離される。
【0022】
その後、このような方法で製造された鋳造物片はハンドピースにより加工されて、所望の歯冠キャップとなる。このキャップは、その後、表面処理のために、ブラスト処理および洗浄される。歯の残根の洗浄後、そのキャップは最終的な処理に置かれる。
【0023】
現在までに知られている方法は、図11の表に要約している。上記要約からわかるように、旧来型の方法の仕事の大部分は手動で行われ、加工処理のいくつかは長い時間を要する。特に、ワックスの歯冠の造形およびハンドピースを用いた鋳造物の加工は比較的に多くの時間を要する。これに比べて、以下に述べるように、本発明の製造方法は、速度をかなり向上させることができ、自動化を図ることができる。
【0024】
本発明に係る方法の初めは、旧来型の製造方法に対応している。すなわち、事前処理において、歯がまず加工される。そして、適切なモニタリングにより、加工用の資料、モデル、マージンなどが製造される。また、一般的に供給される図1に示す歯の残根1、あるいは同じポジティブモデルが製造される。歯の残根1は、旧来型の押印等によって製造され、その後3次元光学測定が行われる。この目的のために使用される適切な測定装置は、一般的に知れられているCAD/CAMシステムである。
【0025】
歯の残根の3次元構造に関する全てのデータが入手できるとすぐに、PC制御された、自動表面再構成が行われ、最終的に歯冠キャップの構成を導く。従来のCAD−3D技術を用いることにより、数学的に複雑な方法を用いて表現される歯の残根図形、いわゆるNURB(non-uniform rational B splines)表面上における歯冠キャップがほぼ自動的に生成される。そして、必要なだけ手動で軽微な補正が行われる。これにより、図2に示すようにデジタル形態のキャップの3次元モデル2が提供され、この3次元モデル2は、その構造に関する限り、製造すべき成形品に正確に対応している。
【0026】
本発明の第1の観点に係る方法における重要な工程は、図3に示すように、3次元モデリングあるいはCAD再構成の範囲内で、キャップ2にオフセット2aが設けられ、これは、キャビティ(虫歯)および/または咬合側上の層に追加される。このオフセット2aは、一方では製造すべき成形品の構造、他方では材料の種類によって変えてよく、代表的には約0.5mmからの範囲内にある。オフセットは、部分的あるいは完全にモデル2を覆ってもよい。
【0027】
図4に示すように、このオフセット2aに追加のモデルが作製され、すなわち、層2b,2cが追加される。その結果、全体的にオフセット形態3が作製され、これはほぼ製造すべき成形品の形態に対応するが、部分的あるいは全ての部位は追加の層で覆われている。オフセット2aへの追加の形態は、特にオフセット形態3のための比較的簡素な表面構造を形成するために採用することができる。オフセット形態3により、鋳造方法を実行するための鋳型の製造が容易になる。
【0028】
次の工程では、図5に示すように、参照符号10で示す鋳型が製造される。鋳型10は中空空間11を有し、中空空間11は、好ましくはオフセットが設けられた成形品の構造に対応する。
【0029】
鋳型の製造は、例示した実施形態に対応して、完全に自動的に行われる。ここでは、初めに、CAMモジュールを用い、モデル図形を考慮して、鋳型の製造用のNCプログラムが作成される。CAMモジュールは、中空空間11を形成するために、自動的に型区分を生成し、適切な加工プログラムを生成する。
【0030】
鋳型の製造は、図6(a),6(b)に示している。鋳型の製造のため、まず、適切な材料13からなる第1鋳型材12が、材料除去機械のマウントブリッジに配置される。材料除去機械は、例えばミリングマシン、回転、穴あけ、あるいは研削機械である。そして、第1鋳型材12は、中空空間の底部の外側表面14を形成するために、適切な工具5を用いた材料除去により加工される。図6(b)に示すように、今度は、第2鋳型材15が工具5を用いて加工されて、中空空間の上部の境界表面17が製造される。鋳型の図形に応じて、1あるいは2つの鋳型材がこのように加工され、好ましくは、5軸加工されて、最終的に組み合わさった状態において、図4に示すオフセットの形状に対応する構造の中空空間が形成される。加工工程を実行する間、同時に、後の鋳型を加工するためのNCプログラムが作成されてもよい。この加工は、適切なキャビティおよび所望の咬合側をもつ所望の歯冠キャップ図形を得るために必要である。
【0031】
鋳型材12,15の加工において、図7に示す適切な挿入チャネル21を形成することは重要である。挿入チャネル21は、後に液状合金で中空空間11を満たすために用いられる。鋳型あるいは鋳型の半分が適切に加工されるとすぐに、これらはマウントブリッジとともに取り出され、2つの鋳型材に関する限りにおいて、鋳造装置内において組み立てられて配置される。
【0032】
このようにして形成された鋳型は、貴金属合金あるいはCo−Cr−Mo合金で満たされる。特別な加工性の鋳型材を用いた結果、これまでに知られている方法に対応する鋳造前の予備加熱はもはや必要でなくなる。鋳造品が十分に硬化するとすぐに、2つの半型12,15で構成される鋳型10は、ミリング機械(図7)のマウントブリッジに再配置される。正確な再配置の可能性によって、後の加工においてできる限りの精度が可能となる。
【0033】
材料除去工具6により、鋳造物20の最終的な加工が施される。最終加工において、図8に示すように、まず、鋳造物20が上側から加工され、寸法および構造的に所望の歯冠キャップに対応する表面25が最終的に形成される。仕上げおよび微細仕上げの加工サイクルにおいて、最小の材料除去によりオフセットが除かれて、正確な寸法のキャビティが生成される。鋳造物20の外側が残りの鋳型材料13あるいは16によって支持されるため、非常に精巧な鋳造物が加工される。このとき、加工によるダメージを受けること、特に破壊するといったこともない。
【0034】
咬合側の最終加工の前に、再度キャビティ側が例えば適切なミリングワックスあるいは樹脂からなる埋め込み用質量をもつ材料22により埋め込まれて、支持される。その結果、図10に示す最終加工工程の間、成形品は安全に搭載および支持される。この工程において、咬合側は、最終的に所望の歯冠構造に相当する表面構造26をもつようになるまで加工される。
【0035】
加工工程の結果、加工された鋳造物20は機械から除かれて、埋め込みワックスあるいは樹脂から解放される。鋳造物20は、熱風を用いた熱処理が施されてもよい。まれなケースでは、キャビティの内側を再加工するために、歯科モータハンドピースを用いた最終的な軽微な補正が必要となる。
【0036】
このようにして提供される歯冠キャップは、ブラスト装置においてベニア表面での内側および外側が簡潔にブラスト処理される。そして、歯の残根の洗浄とともに、汚染粒子等を適切に除去した後に、そのキャップが配置されて、最終的な処置が実行される。
【0037】
上記した加工工程は、旧来型の歯科鋳造方法と比べて、歯科技術者の主要な活動をCAD/CAMワークスステイションと、CNC制御の好ましくは5軸のミリング装置に向けている。図11の表で比較して示すように、手動動作の大半は避けられている。多くの加工工程はPCあるいは機械に移されており、特に自動的に行われ得る。対照的に、残っている手動の仕事は、主として非常に速く行われるものだけである。
【0038】
さらに、通常これまでは必要でなかった加工用鋳型が制御された熱工程において延長時間を越えて予備加熱されて、加熱下の状態において鋳造装置へ移されることによりさらなる利点が提供される。
【0039】
鋳型材料は、フライス削りあるいは研削による加工性がよく、大きな工具の磨耗を発生させることもない。このため、鋳型鋳造の後、マウントブリッジにおける鋳造物のマウントとして機能する。利点として、仕上げ加工の間において鋳造物の支持がなされる。同時に、非常に正確な再位置決めが可能となる。これらの利点により、非常に薄いオフセットを加工することで済み、高価な貴金属の消費が抑制される。対照的に、Co−Cr−Mo合金を採用した場合には、微小量の除去で済むことから、工具の磨耗が低減され、そのような合金を用いたことによるコストを相殺した製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図8】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図9】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図10】本発明の好ましい実施形態に係る方法の各工程を示す図である。
【図11】歯科鋳造物の旧来型の製造方法と、本発明の製造方法の各工程の一覧を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科成形品を製造する方法であって、当該方法は下記の工程、すなわち、
(a)形成すべき前記成形品のモデル(2)を製造する工程と、
(b)実質的に前記モデル(2)の形状に対応する形状の中空空間(11)をもつ鋳型(10)を製造する工程と、
(c)前記中空空間(11)に硬化可能な材料を充満して、鋳造物(20)を製造する工程と、
(d)前記鋳造物(20)を硬化させる工程と
を有し、
前記(a)工程で製造されたモデル(2)には、前記鋳型の製造を考慮してオフセット(2a,2b,2c)が設けられており、
前記鋳造物(20)の硬化後、当該硬化された鋳造物が材料の除去の作業が行われて、歯科成形品が製造されることを特徴とする
歯科成形品の製造方法。
【請求項2】
前記モデル(2)の少なくともキャビティ側に完全にオフセット(2a,2b,2c)が設けられていることを特徴とする
請求項1記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項3】
前記モデル(2)の少なくとも咬合側に完全にオフセット(2a,2b,2c)が設けられていることを特徴とする
請求項1記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項4】
前記モデル(2)の全面にオフセット(2a,2b,2c)が設けられていることを特徴とする
請求項1記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項5】
前記オフセット(2a,2b,2c)の厚さは、前記製造すべき成形品の形状に依存することを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項6】
前記オフセット(2a,2b,2c)の厚さは、硬化可能な材料に依存することを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項7】
前記形成すべき成形品のモデル(2)は、前記成形品が配置されるべき歯の残根(1)の光学的測定に基づいて製造されることを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項8】
前記オフセット(2a,2b,2c)をもつ前記モデル(2)は、3次元CAD再構成技術によって製造され、歯の残根(1)の光学的測定において得られたデータが考慮されていることを特徴とする
請求項7記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項9】
前記鋳型(10)は、材料除去機械を用いて少なくとも1つの鋳型材(12,15)を加工することにより製造されることを特徴とする
請求項1〜8のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項10】
少なくとも1つの鋳型材(12,15)の加工は、特にミル加工(milling)、回転、穴あけ、および/または研削を用いて、完全に自動的に遂行されることを特徴とする
請求項9記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項11】
材料除去プログラムは、前記鋳型(10)および前記中空空間(11)の所望の輪郭が考慮されており、前記材料除去装置への制御コマンドを含むことを特徴とする
請求項10記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項12】
前記材料除去プログラムは、前記オフセット(2a,2b,2c)が設けられた前記モデル(2)の3次元CAD再構成に基づいて製造される
請求項8、10のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項13】
前記鋳型(10)の製造と同時に、少なくとも1つの挿入用チャネル(21)が鋳型ブランク(12,15)内に加工されることを特徴とする
請求項9〜12のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項14】
前記鋳造物(20)の硬化後に、硬化した鋳造物の加工のために、硬化した鋳造物が材料除去機械の工具受け器内に前記鋳型とともに配置されることを特徴とする
請求項1〜13のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項15】
前記鋳型ブランク(12,15)および前記鋳造物(20)の加工のために同じ機械が使用され、正確に再位置決めされた受け器内に前記鋳型が再び配置されることを特徴とする
請求項9〜14のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項16】
前記鋳造物(20)の加工において、前記鋳型材料(13,16)は支持材あるいはマウント材として作用することを特徴とする
請求項14あるいは15に記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項17】
前記鋳造物(20)の加工は少なくとも2つの工程において行われ、各工程において、前記鋳造物(20)の一定の領域が加工され、前記鋳造物(20)の既に加工された領域が再び埋め込み用質量材(22)、特にミリングワックスあるいは樹脂によって覆われることを特徴とする
請求項16に記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項18】
前記鋳造物(20)の加工は、特にミル加工、回転、穴あけ、および/または研削によって、完全に自動的に行われることを特徴とする
請求項14から17のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項19】
材料除去プログラムは、前記鋳造物(20)および製造すべき前記成形品の輪郭が考慮されており、材料除去機械への制御コマンドを含むことを特徴とする
請求項18記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項20】
歯科成形品を製造する方法であって、当該方法は下記の工程、すなわち、
(a)形成すべき前記成形品のモデル(2)を製造する工程と、
(b)実質的に前記モデル(2)の形状に対応する形状の中空空間(11)をもつ鋳型(10)を製造する工程と、
(c)前記中空空間(11)に硬化可能な材料を充満して、鋳造物(20)を製造する工程と、
(d)前記鋳造物(20)を硬化させる工程と
を有し、
前記鋳造物(20)の硬化後に、成形品を製造するために、前記硬化された鋳造物(20)は材料除去方法で加工されるが、当該加工のために、材料除去機械の工具受け器内に前記鋳型とともに前記硬化された鋳造物が置かれることを特徴とする
歯科成形品の製造方法。
【請求項21】
前記鋳造物(20)の加工において、前記鋳型材料(13,16)は支持材あるいは受け材として作用することを特徴とする
請求項20記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項22】
前記鋳造物(20)の加工は少なくとも2つの工程において施され、各工程において、前記鋳造物(20)の一定の領域が加工され、ここで、前記鋳造物(20)の既に加工された領域が再び埋め込み用質量材(22)、特にミリングワックスあるいは樹脂によって覆われることを特徴とする
請求項21記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項23】
前記鋳造物(20)の加工は、特にミル加工、回転、穴あけ、および/または研削を用いて、完全に自動的に行われることを特徴とする
請求項20〜22のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項24】
前記成形品は、貴金属合金によって形成されることを特徴とする
請求項1〜23のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。
【請求項25】
前記成形品は、非鉄金属合金、特にCo−Cr−Mo合金により形成されることを特徴とする
請求項1〜23のいずれかに記載の歯科成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−520229(P2006−520229A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504804(P2006−504804)
【出願日】平成16年3月22日(2004.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003022
【国際公開番号】WO2004/082512
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(500577585)カルテンバッハ ウント ホイクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント カンパニー カーゲー (6)
【Fターム(参考)】