説明

歯科用窯

【課題】操作性およびサイクル時間の観点において改善された、歯科補綴部材のための歯科用窯を提供する。
【解決手段】歯科補綴部材用の歯科用窯10に係り、燃焼室を備えていてその中の特に窯基底部14と窯上部材12の間に特にマッフル内に収容された歯科補綴部材を挿入することができ、また前記歯科用窯10の制御装置と結合されたセンサを備えてなり、特に温度センサ22からなる前記センサが燃焼室の外側に延在するとともに同様に燃焼室の外側に延在する測定レンジ40を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1前段に記載の歯科補綴部材のための歯科用窯に関する。
【背景技術】
【0002】
温度制御装置を備えた歯科用窯は長く知られている。
【0003】
例えば独国特許第1160777号明細書によって既にマッフル窯内の温度を一定に保持することが達成されている。この種の歯科用窯は、製造すべき歯科補綴部材の雌型を含んだマッフル内で歯科補綴部材を焼結するよう機能する。上記の解決方式によれば、実質的な燃焼室の下方に予加熱室が設けられ、そこの燃焼室加熱器の加熱出力が無段式の変換器を介して制御あるいは操作される。PIDコントローラの原型とみなすこともできるいわゆるチョッパバーコントローラが加熱出力を制御する。
【0004】
前述の特許文献に記載されている解決方式は、歯科補綴部材に関して短いサイクル時間および人間工学的に良好な作業手順を提供する必要がある場合むしろ複雑あるいは扱い難くなる。このことは一つには、予加熱領域が内蔵されており従ってプレス室内に挿入して焼結に曝し得るようにする前に通常冷たいマッフルを専らその内蔵された予加熱領域で加熱しなければならないという事実に依る。
【0005】
しかしながら、この解決方式においては窯頭部が固定的な支柱上に設置されてそこで静止するが、他方で脆弱な歯科補綴部材を移動させなければならないことが極めて問題である。従ってこの解決方式は極めて低コストであるが、焼結サイクルが終了するまでに歯科用窯が完全に冷却される間の非常に長いサイクル時間を見込まない限り高い品質基準を満たすものにはならない。
【0006】
しかしながら近年の歯科用窯において、複数ユニットのブリッジを成形あるいはプレス成形する場合でもより短いサイクル時間を達成することが必須になっている。特にプレスプランジャがグリーンボディをマッフル内の管路に押し込みそのグリーンボディとも呼ばれるプレス材料あるいは未加工材が液化すると同時に雌型内で歯科補綴部材が製造されるプレス窯が、短いサイクル時間で高品質の歯科補綴部材製造を可能にする。
【0007】
歯科技術のための燃焼窯およびプレス窯の温度制御は数十年間基本的に変わることなく使用されてきた。温度コントローラと組み合わせた熱電対要素の使用のさらに別の例が独国特許第2656316号明細書に記載されている。
【0008】
さらに独国特許出願公開第10136584号(A1)明細書にもマッフルを含んだ歯科用窯が記載されており、その場合の特徴は温度センサがいわばマッフル内に侵入しその温度を検出するという事実である。しかしながらその目的のために市販のマッフルとは互換性のない特殊なマッフル形状が必要となる。さらには、マッフル内に特別な窪み部を形成する場合、プレスプランジャの相当に高いプレス圧力に際して脆弱性のためその部分でマッフルにクラックが形成される危険性があるため、歯科補綴部材のためのキャビティが前記の窪み部に近づき過ぎないように配慮する必要がある。
【0009】
独国特許出願公開第102005015435号(A1)明細書の解決方式によって精密な温度制御を達成することができ、それによれば基本的にマッフルから離間した温度センサが例えば放射温度計の方式でマッフルの温度を測定する。その温度測定は発熱体に面した表面から明確に離間した位置において実施されるため正確なマッフル温度が検出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明の目的は、操作性およびサイクル時間の観点においてさらに改善された、請求項1前段に記載の歯科補綴部材のための歯科用窯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題は請求項1によって解決される。従属請求項によって好適な追加構成が定義される。
【0012】
本発明によれば、歯科補綴部材に対して指向している温度センサに加えてあるいはそれに代えて、燃焼室の外側に配置されているとともに歯科用窯に接近する対象物の温度を検出するものである温度センサを設けることが極めて好適である。そのためその温度センサは所定の測定レンジを有していて、すなわちそれはその温度センサが室温と比較して上昇した温度に反応するとともに上昇した温度を有する対象物がそこに存在することを発信するレンジである。
【0013】
本発明においてこの極めて単純な方式が既に予加熱窯内で予加熱された高温の歯科補綴部材あるいはマッフル等の対象物の接近に対応して歯科用窯を開放するために使用され、その開放によって前記歯科補綴部材あるいはマッフルの挿入が可能になる。
【0014】
歯科用窯はその歯科用窯の加熱器を収容した窯天蓋部と固定的に設置された窯基底部を備えることが好適である。前記窯天蓋部は公知の方式の窯旋回ジョイント部品を介して窯基底部と結合される。
【0015】
ここで高温の対象物の接近に応答して窯天蓋部がモータによって迅速に持ち上げられ、従ってその際に歯科医師あるいは歯科技工士は予加熱されたマッフル等の対象物を即座に燃焼室底床上に設置することができる。
【0016】
可動式の窯天蓋部を有する構成が好適ではあるものの、それに代えて窯天蓋部が固定され燃焼室底床が降下する構成形態も問題なく可能であることが理解されよう。また、燃焼室に自動開放ドアを設けてそれを介してマッフルを挿入することも考えられるが、この解決方式は操作性の点に関しては明らかに劣性のものとなる。
【0017】
本発明によれば、温度センサあるいはプローブの測定レンジが歯科用窯から顕著な距離を有する点から既に開始することが極めて好適である。測定レンジは窯天蓋部の前方で所定の斜角をもって側方に延在するように指向させることが好適である。マッフルの接近が流動的あるいは円滑な動作を有する場合、窯天蓋部がモータの付勢によって開放されるために充分な時間が保持される。開放は例えば1秒以内に実施することができ、歯科技工士が高温のマッフルを窯天蓋部に向かって斜めに例えば80cm移動させるのに1秒強の時間を要する。
【0018】
測定レンジは垂直および水平方向に見て極めて狭くすることも可能であり、すなわちこれは歯科技工士が歯科用窯を開放するために高温のマッフルを前記測定レンジ内で的を絞って移動させることも可能なためである。
【0019】
測定レンジは90°あるいはそれ以上の二面角にわたって実現し得ることが理解されるが;複数の歯科用窯が近接して配置される場合は高温のマッフルによって複数の歯科用窯が不必要に同時付勢されることを防止するために測定レンジの広がりを例えば50°程度まで顕著に縮小することが好適であることが理解される。
【0020】
本発明の極めて好適な構成形態によれば、熱放射に対する反射器を窯天蓋部上に設け、その反射器が温度センサの光軸に対して所定の射角をもって延在する。
【0021】
前記の反射器は一種の金属テープによって容易に形成することができ、歯科技工士が彼の個人的な要望に従って測定レンジを調節し得るようにある程度塑形することが可能になる。反射器は特に赤外線、すなわち800nmの波長領域の放射線を良好に反射するように選択することが理解される。
【0022】
それに代えて温度センサを歯科用燃焼窯に対して異なった位置に取り付けることも容易に可能である。例えば、温度センサを窯天蓋部の外側に取り付けそこから側方に向かって延在する測定レンジを有するようにすることが可能である。他方、温度センサを窯基底部に取り付け、いずれも歯科用窯の垂直軸に関して、測定レンジが実質的に垂直上方に延在するか、あるいは斜め外側/上方に延在するようにすることができる。
【0023】
基本的に反射器の構成は、特に高温の部材が例えば跳ねて逸れた場合にそれが金属テープあるいは金属板によって形成された反射器のみに衝突するため、温度センサが実質的により良好に保護されるという利点を有する。
【0024】
さらに、前記の解決方式によって温度センサの多機能使用が可能になる。温度センサが固定的な方式で支承、すなわち窯基底部に固定的に結合され窯の内側方向に指向する場合、窯天蓋部が閉鎖されている際に反射器によって反射された熱放射が温度センサに衝突するため近接センサとして機能することができる。
【0025】
一方窯天蓋部が開放されている場合は温度センサの測定レンジが窯の内側、例えばその中に設置されたマッフルあるいは歯科補綴部材の方向を指向し、その温度を容易に検出できるようになる。
【0026】
市販の赤外線センサを高温のマッフル、すなわち例えば500℃超の温度を有するマッフルの接近を検出する温度センサとして使用することができる。他方、サーマルイメージングカメラあるいはその他の赤外線領域に感応するカメラを使用することもできる。さらに、約300℃ないし約850℃のマッフル温度に応答する赤外線検知ダイオードのアレイを使用することもできる。
【0027】
温度検出要素が窯天蓋部に固定された反射器を介した測定レンジ内で温度を検出する構成を選定する場合、窯天蓋部が開放されている場合に燃焼室の排熱から前記温度検出要素を保護することが重要になる。このことは窯天蓋部から温度検出要素への適宜な距離を選定するか、あるいは熱を遮断する方式で作用するとともに赤外線センサの前方の測定レンジの角度でその赤外線センサからある程度離間して延在し温度センサの方向に向かって窯天蓋部から放射された窯放射線を遮断するような極めて小さな開口部を単に備えた遮蔽物によって実現することができる。
【0028】
本発明によれば、本発明の作用によって初めて、歯科用窯が開放されている際の的を絞った正確な方式の非接触の操作が可能になることが極めて好適である。
【0029】
変更された実施形態において、センサはマッフルの接近に応答して窯の開放を可能にする近接センサとして形成される。この構成の場合、バーコード、ユーザの虹彩等の少なくとも1つの別の独立した特徴が不要な接近からのさらなる識別および差別化を可能にすることが極めて好適である。
【0030】
好適な構成形態によれば、温度センサの出力信号に基づいた歯科用窯の開放に先行して燃焼室が対象物、特にマッフルを収容するために充分な温度を有するかどうかを制御装置が判定する。
【0031】
別の好適な実施形態によれば、歯科用窯が歯科補綴部材のためのマッフルプレス窯として形成され、燃焼室がマッフルを収容するように設計され、測定レンジ内で検出すべき対象物がマッフルプレス窯のマッフルとされる。
【0032】
別の好適な実施形態によれば、特に架台上にあるマッフルあるいは歯科補綴部材が温度センサの測定レンジに到達した際に制御装置が特殊な制御機能を実施する。
【0033】
別の好適な実施形態によれば、制御機能が歯科用窯の燃焼工程の開始と関連付けられた機能を含み、例えば歯科用窯のスイッチオン、あるいは特に歯科用窯の開放等の機能を含む。
【0034】
別の好適な実施形態によれば、温度センサの測定レンジがその温度センサを起点にしてその温度センサに対して横断方向に拡大され、また測定レンジが歯科用窯の側面に対して斜めに延在する。
【0035】
別の好適な実施形態によれば、温度センサの測定レンジが窯上部材に沿って延在し、また温度センサの測定レンジが特に実質的に水平あるいは斜め上方あるいは斜め下方に延在し窯上部材の側方のレンジをカバーする。
【0036】
別の好適な実施形態によれば、温度センサは窯基底部に取り付けられ、センサの測定レンジがそのセンサの光軸の周りで特に上方に向かって延在する。
【0037】
別の好適な実施形態によれば、温度センサの測定レンジが(窯基底部を起点にして)窯上部材に沿って上方あるいは斜め上方に向かって延在する。
【0038】
別の好適な実施形態によれば、温度センサはその光軸をもって窯の方向を指向し、温度センサに衝突する熱放射を反射するために適した方式で形成された反射器に前記温度センサの光軸が当接する。
【0039】
別の好適な実施形態によれば、温度センサの光軸が窯上部材内において燃焼室の垂直軸と交差するか、あるいは前記垂直軸と温度センサを結ぶ直線から最大でも15°逸脱した角度をもって延在する。
【0040】
別の好適な実施形態によれば、温度センサがスペクトル感応性を備えていてその焦点が赤外線波長領域内に存在し、測定レンジ内に位置していて上昇した温度、すなわち室温に比べて著しく高く、特に100℃超さらに好適には300℃超高い温度を有する対象物に対して反応する。
【0041】
別の好適な実施形態によれば、温度センサがサーマルイメージングカメラの形式で形成され、測定レンジ内に位置する対象物が上昇した温度を有する限りにおいてその対象物の画像情報を検出する。
【0042】
別の好適な実施形態によれば、温度センサが測定レンジ内で上昇した温度を有する対象物の存在を検出した際に制御装置が歯科用窯を開放する。
【0043】
別の好適な実施形態によれば、温度センサが2つの下位測定レンジに分割された測定レンジを有し、温度センサがまず窯からより離間している第1の下位検出レンジ内に対象物を検出し続いてより窯の近くの測定レンジ内に対象物を検出した際、すなわち温度センサが対象物の窯への確実な接近を検出した際に制御装置が歯科用窯を開放する。
【0044】
別の好適な実施形態によれば、温度センサが一次元あるいは二次元フィールドの赤外線検知ダイオードとして構成され、また温度センサは燃焼室から少なくとも10cm離れて配置される。
【0045】
別の好適な実施形態によれば、センサが燃焼室の外側に配置されるとともに同様に燃焼室の外側に延在する測定レンジを有し、さらにセンサが近接センサとして形成されるとともに少なくとも1個の別のセンサが対象物および/または歯科用窯の使用者の接近を検出および認識する。
【0046】
本発明のその他の詳細、特徴ならびに利点は、添付図面を参照しながら後述する実施例の説明によって明らかされる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る歯科用窯の一実施例を示した概略図である。
【図2】本発明に係る歯科用窯の別の実施例を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1に示された歯科用窯10は窯上部材としての窯天蓋部12と窯基底部14を備える。これはマッフルプレス窯として構成されており、円形の窯天蓋部12がその内部に公知の方式で燃焼室を形成し、その直径も略円形で実質的にシリンダ形状のマッフルを収容するために充分なものとなる。
【0049】
窯基底部は傾斜した面16を含み、その面がタッチパネル式ディスプレイ18を支承していてそれによって本発明に係る歯科用窯10を付勢することができる。
【0050】
窯天蓋部12は公知の方式によって持ち上げ/旋回部品を介して窯下部材14上に支承され、従って間隙を保持しながら窯下部材から持ち上げて旋回開放することができる。同様に公知の方式により、窯天蓋部を閉じてその窯天蓋部内の加熱体を点入しマッフルを加熱した状態でそのマッフル内に用意された型キャビティ内に歯科補綴部材材料を圧入するプレスプランジャを前記マッフルに挿入することによって焼結工程を実施することができる。
【0051】
本発明に従って温度センサ22が窯基底部に支承されるようにして取り付けられ、そのセンサが歯科用窯の垂直軸24の方向を指向する。センサ22の支承は直接的に窯基底部14上面26上、すなわち窯天蓋部12の下端で成される。
【0052】
さらに、温度センサ22の近傍の窯天蓋部12の外周に反射器30が取り付けられる。
【0053】
前記の反射器30は例えばアルミ箔あるいはその他の金属板から金属テープとして形成され、熱放射を反射するために適したものとされる。これは窯天蓋部から幾らか傾斜し、例えば45°の角度で延在する。正確な方向性は必要に応じて広範に調節し得ることが理解されよう。
【0054】
反射器の角度を45°とした場合、測定レンジ40は温度センサ22の光軸42に対して90°の角度で延在する。公知の方式で測定レンジ40が円錐形状に広がることが理解されよう。長い距離の場合にも極めて高感度な温度の検出を可能にするように非常に強度な集束を設定することが好適である。その集束は凹面鏡の方式に従って反射器30を形成することによって改善することもできる。
【0055】
図示された実施例においてマッフル50は、そのマッフルから放出された熱放射が温度センサ22の測定レンジ40内に存在するような位置に概略的に図示されている。
【0056】
マッフルは予加熱窯内で予め700℃の温度まで加熱され、依然として約500℃の表面温度を有している。その際マッフルから放出される熱放射が反射器30を介して測定レンジ40内で温度センサ22に衝突する。温度センサ22は、窯基底部14内に収容することが好適である制御装置52と電気的に結合される。高温のマッフル50が接近した際に制御装置が持ち上げ/旋回装置20に対して開放信号を発信し、前記持ち上げ/開放装置は信号によって付勢されて窯天蓋部12を持ち上げて窯基底部上の光軸42の下方にマッフル50を載置することを可能にし、その際その操作を一気に、すなわち歯科用窯に向かうマッフル50の動作を減速必要なく実施することを可能にする。
【0057】
温度センサ22と制御装置52の間の接続は任意の適宜な方式で形成し得ることが理解されよう。温度センサ22は台座上に固定的に取り付け歯科用窯に固定することが好適であるものの、任意の適宜な方式、例えば公知の方式の無線、ブルートゥース、赤外線通信、または電線を介して制御装置に接続される。
【0058】
測定レンジの方向性は任意の適宜な方式で操作し得ることが理解されよう。必要であれば、例えば複数の反射器30を標準的に窯天蓋部12に取り付け、また温度センサ22に対して複数の取り付け位置を設定することができる。歯科技工士は(仮に左利きであったとしても)温度センサ22を任意の適宜な方式で設置することができ、また歯科用窯10へのマッフル50の接近に応答して自動的に開放を開始させることができる。
【0059】
図2には変更された歯科用窯の実施例が示されている。ここで前記の実施例のものと同一の構成要素には同一の参照符号を付して示す。
【0060】
図1の実施例と異なって温度センサ22の測定レンジ40が実質的に垂直に延在する。温度センサ22の光軸42は、例えば窯天蓋部12の斜め側方で(窯下部材14を起点にして)垂直上方に延在する。
【0061】
この場合、必要であれば歯科技工士の選択に従って測定レンジの変更を可能にするように温度センサ22に対して複数の可能な取り付け位置を設け得ることが理解されよう。この場合も温度センサ22のトリガは、マッフル50が少なくとも部分的に測定レンジ40内に到達しそのマッフル50から放出された熱放射が窯基底部14内の制御装置52を介して窯天蓋部12の持ち上げを誘発する方式によって実行される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窯基底部と窯上部材を備えてなる歯科補綴部材用の歯科用窯であって、特にマッフル内に収容された歯科補綴部材を挿入することができる燃焼室と前記歯科用窯の制御装置と結合されたセンサをさらに備えてなる歯科用窯であり、特に温度センサ(22)からなる前記センサが燃焼室の外側に延在するとともに同様に燃焼室の外側に延在する測定レンジ(40)を有することを特徴とする歯科用窯。
【請求項2】
歯科用窯(10)が歯科補綴部材のためのマッフルプレス窯として形成され、燃焼室がマッフル(50)を収容するように構成され、測定レンジ(40)内で検出すべき対象物がマッフルプレス窯のマッフルとされることを特徴とする請求項1記載の歯科用窯。
【請求項3】
特に架台上にあるマッフル(50)あるいは歯科補綴部材が温度センサ(22)の測定レンジ(40)に到達した際に制御装置(52)が特定の制御機能を実施することを特徴とする請求項1または2記載の歯科用窯。
【請求項4】
制御機能が歯科用窯の燃焼工程の開始と関連付けられた機能を含み、例えば歯科用窯のスイッチオン、あるいは特に歯科用窯(10)の開放等の機能を含むことを特徴とする請求項3記載の歯科用窯。
【請求項5】
温度センサ(22)の測定レンジ(40)がその温度センサを起点にしてその温度センサに対して横断方向に拡大され、また測定レンジ(40)が歯科用窯(10)の側面に対して斜めに延在することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項6】
温度センサ(22)の測定レンジ(40)が窯上部材(12)に沿って延在し、また温度センサ(22)の測定レンジ(40)が特に実質的に水平あるいは斜め上方あるいは斜め下方に延在し窯上部材(12)の側方の領域をカバーすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項7】
温度センサ(22)は窯基底部(14)に取り付けられ、センサの測定レンジ(40)がそのセンサの光軸(42)の周りで特に上方に向かって延在することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項8】
温度センサ(22)の測定レンジ(40)が、窯基底部(14)を起点にして、窯上部材(12)に沿って上方あるいは斜め上方に向かって延在することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項9】
温度センサ(22)はその光軸(42)をもって窯の方向を指向し、温度センサ(22)に衝突する熱放射を反射するために適した方式で形成された反射器(30)に前記温度センサの光軸が当接することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項10】
温度センサ(22)の光軸(42)が窯上部材(12)内において燃焼室の垂直軸(24)と交差するか、あるいは前記垂直軸(24)と温度センサ(22)を結ぶ直線から最大でも15°逸脱した角度をもって延在することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項11】
温度センサ(22)がスペクトル感応性を備えていてその焦点が赤外線波長領域内に存在し、測定レンジ(40)内に位置していて上昇した温度、すなわち室温に比べて著しく高く、特に100℃超さらに好適には300℃超高い温度を有する対象物に対して反応することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項12】
温度センサ(22)がサーマルイメージングカメラの形式で形成され、測定レンジ(40)内に位置する対象物が上昇した温度を有する限りにおいてその対象物の画像情報を検出することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項13】
温度センサ(22)が測定レンジ(40)内で上昇した温度を有する対象物の存在を検出した際に制御装置(52)が歯科用窯を開放することを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項14】
温度センサ(22)が2つの下位測定レンジに分割された測定レンジ(40)を有し、温度センサ(22)がまず窯からより離間している第1の下位検出レンジ内に対象物を検出し続いてより窯の近くの測定レンジ(40)内に対象物を検出した際、すなわち温度センサが対象物の窯への確実な接近を検出した際に制御装置(52)が歯科用窯(10)を開放することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項15】
温度センサ(22)が一次元あるいは二次元フィールドの赤外線検知ダイオード群として構成され、また温度センサは燃焼室から少なくとも10cm離れて配置されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の歯科用窯。
【請求項16】
窯基底部と窯上部材を備えてなる歯科補綴部材用の歯科用窯であって、歯科補綴部材を挿入することができる燃焼室と前記歯科用窯の制御装置と結合されたセンサを備えてなる歯科用窯であり、前記センサが燃焼室の外側に配置されるとともに同様に燃焼室の外側に延在する測定レンジ(40)を有し、さらに前記センサが近接センサとして形成されるとともに特に少なくとも1個の別のセンサが対象物および/または歯科用窯(10)の使用者の接近を検出および認識することを特徴とする歯科用窯。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−27702(P2013−27702A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−164237(P2012−164237)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【出願人】(596032878)イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト (63)