歯車形軸継手の使用限界判定方法
【課題】歯車形軸継手を稼動中に開放することなく、内部の歯車の摩耗量を検知し、歯車形軸継手の使用限界の判定を行う
【解決手段】内歯車５を有する外筒６と、外歯車４を有する内筒３とを備える歯車形軸継手に、外筒６に連動して回転するように取り付けられたピン１０と、内筒３に連動して回転するように取り付けられたプレート１１とを設置し、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係から歯車の摩耗量を検知し、歯車形軸継手の使用限界を判定する。
【解決手段】内歯車５を有する外筒６と、外歯車４を有する内筒３とを備える歯車形軸継手に、外筒６に連動して回転するように取り付けられたピン１０と、内筒３に連動して回転するように取り付けられたプレート１１とを設置し、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係から歯車の摩耗量を検知し、歯車形軸継手の使用限界を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、歯車形軸継手（ギヤカップリング）を稼動中に開放せずに内部の歯車の使用限界を判定する方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、歯車形軸継手を開放せずに歯車形軸継手の内部歯車の使用限界を判定することについては、種々提案されている。
【０００３】
例えば、特許文献１には、歯車継手部の歯車摩耗量を、歯車の正転逆転時のバックラッシの動きにより検出する装置において、歯車継手部外筒内筒のいずれか一方にペン書き装置を他方に記録紙を設置し、前記歯車継手部のバックラッシの相対的なずれ量を検出し、ずれ量をペン書き装置で記録紙に記録するようにした、歯車継手部の歯車の摩耗量を検出する装置に関する発明が提案されている。
【０００４】
また、特許文献２には、歯車形軸継手の駆動側と負荷側の各々に１回転で１パルス検出するパルス検出器を設け、正転時の駆動側パルスと負荷側パルスの検出時間間隔と、逆転時の同時間間隔の差から駆動側、負荷側のギヤ間のバックラッシを測定して、歯車（ギヤ）の摩耗量を検出する歯車形軸継手における歯車摩耗量検出方法の発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平５−２８０９０５号公報
【特許文献２】特公昭５９−４１１３６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１で提案されている歯車形軸継手における使用限界の検出方法では、バックラッシのずれ量の検出確認を、稼動中の設備を停止させ記録紙を回収して行う必要があり、稼働率の低下等、実用上問題があった。
【０００７】
特許文献２で提案されている歯車形軸継手における使用限界の検出方法では、パルスの発信器および検出器を設ける必要があり、また、正転逆転しなければ、摩耗量の推定ができないため、操業中同一方向に回転する機械では、一時的に操業を中止して行わざるをえず、操業中に検出を行えるものではなかった。
【０００８】
本発明は、上記のような問題点を解決するために発明したもので、稼動中の設備における歯車の摩耗量の検出が可能であり、歯車形軸継手を開放することなく、歯車形軸継手の使用限界を判定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、下記の（１）〜（６）に示す歯車形軸継手の使用限界判定方法を要旨とする。
【００１０】
（１）内歯車を有する外筒と、外歯車を有する内筒とを備える歯車形軸継手の使用限界判定方法であって、外筒または内筒に連動して回転するように取り付けられたピンと、ピンが取り付けられていない内筒または外筒に連動して回転するように取り付けられたプレートとを有し、外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートと相対的な位置関係から歯車の摩耗量を検知する歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１１】
（２）外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートとの相対的な位置は、歯車が初期状態では一定以上の距離を保っているが、歯車の摩耗量が許容限界を超えたときにはピンがプレートに接触して変形するように取り付けられており、ピンの変形から歯車の摩耗量を検知する上記（１）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１２】
（３）１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後のいずれか一方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有する上記（１）または（２）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１３】
（４）１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後両方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有する上記（１）または（２）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１４】
（５）外筒および内筒の回転方向が長手方向となるように長穴を形成したプレートと、長穴の短径よりも小さい外径を有するピンとを有し、初期状態ではプレートに接触せず一定以上の距離を保つようにピンを長穴に挿入して取り付けた上記（１）または（２）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１５】
（６）１つのプレートと、外筒および内筒の回転方向におけるプレートの前後両方に、初期状態ではプレートと一定以上の距離を保つように取り付けたピンとを有する上記（１）または（２）の使用限界判定方法。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、簡易的な方法により、歯車形軸継手を稼動中に開放することなく、内部の歯車の摩耗量を検知し、歯車形軸継手の使用限界の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】ピンおよびプレートを設置した歯車形軸継手の一部を断面で表した側面図
【図２】ピンおよびプレートを設置した歯車形軸継手の上面図
【図３】初期状態の歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図 （ａ）歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図 （ｂ）ピンおよびプレートの位置関係を示す図
【図４】一定期間使用した歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図 （ａ）歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図 （ｂ）ピンおよびプレートの位置関係を示す図
【図５】一定期間使用した歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図 （ａ）歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図 （ｂ）ピンおよびプレートの位置関係を示す図
【図６】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係を示す図 （ａ）初期状態におけるピンおよびプレートの位置関係 （ｂ）一定期間使用後、正方向（図面右方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係 （ｃ）一定期間使用後、逆方向（図面左方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係
【図７】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【図８】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【図９】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【図１０】一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、図を使って、本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法の例を説明する。
【００１９】
図１は、ピンおよびプレートを設置した歯車形軸継手の一部を断面で表した側面図を示しており、図２は、同歯車形軸継手の上面図を示している。
【００２０】
図１および図２に示すように、本発明の対象である歯車形軸継手は、内歯車５を有する外筒６と、外歯車４を有する内筒３とを備え、例えば、内筒３が駆動側軸１ｂに接続されており、駆動側軸１ｂに連動して回転し、内筒３の回転は、その外歯車４と噛み合う内歯車５に伝えられ、外筒６が内筒３に連動して回転することにより、負荷側軸１ａが回転する仕組みを有する継手である。ここで、負荷側軸１ａは、固定フランジ２と接続され、固定フランジ２と外筒６とは、ボルト、ナット７を介して連結されている。
【００２１】
本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法においては、例えば、外筒６に連動して回転するピン１０と、内筒３に連動して回転するプレート１１とを設置する。ピン１０は、その飛散を防止するため、ワイヤ１３を介して歯車形軸継手に接続されている。図１および２に示すように、ピン１０と接続したワイヤ１３の他端は、例えば、プレート１１に接続することができる。なお、図１および図２には、外筒６に連動して回転するピン１０と、内筒３に連動して回転するプレート１１とを設置した例を示しているが、その逆、すなわち、プレート１１を外筒６に、ピン１０を内筒３にそれぞれ連動して回転するように設置してもよい。
【００２２】
そして、本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法は、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１と相対的な位置関係から歯車（外歯車４および内歯車５）の摩耗量を検知するものである。即ち、内筒３の外歯車４および外筒６の内歯車５の接触面が摩耗し、バックラッシにずれが生じてくると、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係が変化するため、歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えると、ピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【００２３】
例えば、図２に示すように、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置は、歯車（外歯車４および内歯車５）が初期状態では一定以上の距離を保っている。内筒３の外歯車４および外筒６の内歯車５の接触面が摩耗し、バックラッシにずれが生じてくると、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係が変化し、歯車（外歯車４および／または内歯車５）の摩耗量が許容限界を超えたときにはピン１０がプレート１１に接触して変形する。これによって、ピン１０の変形から歯車の摩耗量を検知することが可能となる。
【００２４】
以上のように、ピン１０およびプレート１１は、歯車（外歯車４および内歯車５）が初期状態では一定以上の距離を保っているが、歯車（外歯車４および／または内歯車５）の摩耗量が許容限界を超えたときにはピン１０がプレート１１に接触するような位置に設置すればよく、それぞれの形態については特に制約はない。例えば、図２に示すように、外筒６および内筒３の回転方向が長手方向となるように長穴１２を形成したプレート１１と、長穴１２の短径よりも小さい外径を有するピン１０とを有するものを用いることができる。この例では、歯車が初期状態のとき、ピン１０は、プレート１１と一定以上の距離を保つように長穴１２に挿入して取り付けられており、プレート１１に接触しないが、歯車（外歯車４および／または内歯車５）の摩耗量が許容限界を超えたときにはピン１０がプレート１１の長穴１２の内面に接触し、変形されるので、歯車の摩耗量を検知することができる。
【００２５】
以下、ピン１０を外筒６に、プレート１１を内筒３にそれぞれ連動して回転するように設置した場合を例にとって、本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法の原理を詳しく説明する。
【００２６】
図３は、初期状態の歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図であり、図４および図５はいずれも、一定期間使用した歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図である。図３〜図５のいずれにおいても、（ａ）は歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図、（ｂ）はピンおよびプレートの位置関係を示す図である。
【００２７】
なお、実際の歯車形軸継手では、外歯車、内歯車ともに湾曲しているが、図３〜図５では、歯車形軸継手のピッチ円を直線で表している。また、実際の歯車形軸継手では、外歯車、内歯車ともに、その山部がＲ形状であり、また、若干のバックラッシがあるが、図３〜図５ではこれらを省略している。さらに、歯車形軸継手には、正方向および逆方向のいずれにも回転させる方式のものがあるが、図３〜図５では、基本的に正方向（図面右方向）にしか回転させず、歯車の山の一面のみが摩耗する方式のものを示している。
【００２８】
図３（ａ）に示すように、歯車形軸継手における外歯車４及び内歯車５は、初期状態においては、決められたバックラッシがあるものの、ほとんど隙間がなく噛み合わされた状態である。このとき、バックラッシのズレ量の許容範囲をδａｌとし、ピン１０およびプレート１１を、例えば、図３（ｂ）に示すように設置するものとする。そして、歯車形軸継手の使用を重ねることによって、外歯車４、内歯車５とも、その接触面が摩耗し、図４（ａ）のような状態となる。図４（ａ）の状態では歯車の摩耗量が許容範囲内にあるため、ピン１０とプレート１１とは接触しないが、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係の変化から、歯車の摩耗量を把握することができる。
【００２９】
図５（ａ）に示すように、内筒の外歯車４および外筒の内歯車５それぞれの摩耗が進み、その摩耗量が許容範囲を超えると、ピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。これによって、歯車形軸継手の交換時期を検知することができるのである。
【００３０】
本発明の歯車形軸継手の使用限界判定方法は、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手に限定されることなく、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手についても適用することができる。この場合、例えば、図６に示すように、初期設定の段階で、許容範囲を一方向だけでなく、逆方向にも設定するのがよい。
【００３１】
図６には、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法によるピンおよびプレートの位置関係を示す図であり、（ａ）は初期状態を示し、（ｂ）および（ｃ）は一定期間使用後の状態を示している。なお、（ｂ）は、正方向（図面右方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係を示し、（ｃ）は、逆方向（図面左方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係を示している。
【００３２】
図６に示す歯車形軸継手の使用限界判定方法においては、例えば、図６（ａ）に示すように、基準位置にピン１０を設け、このピン１０に対して、正方向（図面右方向）の許容範囲と、逆方向（図面左方向）の許容範囲を設定し、その範囲となるようにプレート１１を取り付ける。そして、一定期間使用された後、ピン１０およびプレート１１は、正方向（図面右方向）への回転時には図６（ｂ）に示されるような位置関係となり、逆方向（図面左方向）への回転時には図６（ｃ）に示されるような位置関係となるので、正逆それぞれの方向への回転時における歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えるとピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【００３３】
正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界の判定には、図２に示すような長穴を有する物のほか、例えば、図７〜図９に示すもの用いることができる。
【００３４】
図７〜図９には、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図である。いずれの図においても、（ａ）は上面図、（ｂ）は回転軸方向側面図を示している。正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の場合には、例えば、図７に示すように、一つのピン１０と、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０の前後両方（即ち、図の左右両方）に、二枚のプレート１１を取り付けたものを用いることができる。また、図８に示すように、一つのピン１０と、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０の前後両方（即ち、図の左右両方）に、コの字型のプレートを取り付けたものを用いることができる。更に、図９に示すように、１つのプレート１１と、外筒６および内筒３の回転方向におけるプレート１１の前後両方（即ち、図の左右両方）に、ピン１０を取り付けたものを用いることができる。
【００３５】
図７〜図９のいずれの例においても、プレート１１は、初期状態ではピン１０と一定以上の距離を保つように取り付けられており、歯車の摩耗によりピン１０およびプレート１１との相対的な位置が変化するため、正逆それぞれの方向への回転時における歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えるとピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【００３６】
なお、図７〜図９に示す例は、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いるのに適しているが、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の場合の使用限界判定方法に用いても差し障りがない。但し、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の場合の使用限界判定方法においては、下記のピンおよびプレートを用いても良い。
【００３７】
図１０は、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図である。図１０に示すように、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の場合、１つのピン１０と、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０の前後（即ち、図の左右）のいずれか一方にプレート１１を取り付けたものを用いることができる。プレート１１は、初期状態ではピン１０と一定以上の距離を保つように取り付けられており、歯車の摩耗によりピン１０およびプレート１１との相対的な位置が変化するため、回転時における歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えるとピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【００３８】
本発明によれば、簡易的な方法により、歯車形軸継手を稼動中に開放することなく、内部の歯車の摩耗量を検知し、歯車形軸継手の使用限界の判定を行うことができる。
【符号の説明】
【００３９】
１ａ 負荷側軸
１ｂ 駆動側軸
２ 固定フランジ
３ 内筒
４ 外歯車
５ 内歯車
６ 外筒
７ ボルト、ナット
８ 金物（ガイド）
９ ボルト
１０ ピン
１１ プレート
１２ 長穴
１３ ワイヤ
P.C ピッチ円
δａｌ バックラッシのズレ量の許容範囲
【技術分野】
【０００１】
本発明は、歯車形軸継手（ギヤカップリング）を稼動中に開放せずに内部の歯車の使用限界を判定する方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、歯車形軸継手を開放せずに歯車形軸継手の内部歯車の使用限界を判定することについては、種々提案されている。
【０００３】
例えば、特許文献１には、歯車継手部の歯車摩耗量を、歯車の正転逆転時のバックラッシの動きにより検出する装置において、歯車継手部外筒内筒のいずれか一方にペン書き装置を他方に記録紙を設置し、前記歯車継手部のバックラッシの相対的なずれ量を検出し、ずれ量をペン書き装置で記録紙に記録するようにした、歯車継手部の歯車の摩耗量を検出する装置に関する発明が提案されている。
【０００４】
また、特許文献２には、歯車形軸継手の駆動側と負荷側の各々に１回転で１パルス検出するパルス検出器を設け、正転時の駆動側パルスと負荷側パルスの検出時間間隔と、逆転時の同時間間隔の差から駆動側、負荷側のギヤ間のバックラッシを測定して、歯車（ギヤ）の摩耗量を検出する歯車形軸継手における歯車摩耗量検出方法の発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平５−２８０９０５号公報
【特許文献２】特公昭５９−４１１３６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１で提案されている歯車形軸継手における使用限界の検出方法では、バックラッシのずれ量の検出確認を、稼動中の設備を停止させ記録紙を回収して行う必要があり、稼働率の低下等、実用上問題があった。
【０００７】
特許文献２で提案されている歯車形軸継手における使用限界の検出方法では、パルスの発信器および検出器を設ける必要があり、また、正転逆転しなければ、摩耗量の推定ができないため、操業中同一方向に回転する機械では、一時的に操業を中止して行わざるをえず、操業中に検出を行えるものではなかった。
【０００８】
本発明は、上記のような問題点を解決するために発明したもので、稼動中の設備における歯車の摩耗量の検出が可能であり、歯車形軸継手を開放することなく、歯車形軸継手の使用限界を判定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、下記の（１）〜（６）に示す歯車形軸継手の使用限界判定方法を要旨とする。
【００１０】
（１）内歯車を有する外筒と、外歯車を有する内筒とを備える歯車形軸継手の使用限界判定方法であって、外筒または内筒に連動して回転するように取り付けられたピンと、ピンが取り付けられていない内筒または外筒に連動して回転するように取り付けられたプレートとを有し、外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートと相対的な位置関係から歯車の摩耗量を検知する歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１１】
（２）外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートとの相対的な位置は、歯車が初期状態では一定以上の距離を保っているが、歯車の摩耗量が許容限界を超えたときにはピンがプレートに接触して変形するように取り付けられており、ピンの変形から歯車の摩耗量を検知する上記（１）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１２】
（３）１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後のいずれか一方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有する上記（１）または（２）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１３】
（４）１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後両方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有する上記（１）または（２）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１４】
（５）外筒および内筒の回転方向が長手方向となるように長穴を形成したプレートと、長穴の短径よりも小さい外径を有するピンとを有し、初期状態ではプレートに接触せず一定以上の距離を保つようにピンを長穴に挿入して取り付けた上記（１）または（２）の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【００１５】
（６）１つのプレートと、外筒および内筒の回転方向におけるプレートの前後両方に、初期状態ではプレートと一定以上の距離を保つように取り付けたピンとを有する上記（１）または（２）の使用限界判定方法。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、簡易的な方法により、歯車形軸継手を稼動中に開放することなく、内部の歯車の摩耗量を検知し、歯車形軸継手の使用限界の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】ピンおよびプレートを設置した歯車形軸継手の一部を断面で表した側面図
【図２】ピンおよびプレートを設置した歯車形軸継手の上面図
【図３】初期状態の歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図 （ａ）歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図 （ｂ）ピンおよびプレートの位置関係を示す図
【図４】一定期間使用した歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図 （ａ）歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図 （ｂ）ピンおよびプレートの位置関係を示す図
【図５】一定期間使用した歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図 （ａ）歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図 （ｂ）ピンおよびプレートの位置関係を示す図
【図６】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係を示す図 （ａ）初期状態におけるピンおよびプレートの位置関係 （ｂ）一定期間使用後、正方向（図面右方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係 （ｃ）一定期間使用後、逆方向（図面左方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係
【図７】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【図８】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【図９】正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【図１０】一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図 （ａ）上面図 （ｂ）回転軸方向側面図
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、図を使って、本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法の例を説明する。
【００１９】
図１は、ピンおよびプレートを設置した歯車形軸継手の一部を断面で表した側面図を示しており、図２は、同歯車形軸継手の上面図を示している。
【００２０】
図１および図２に示すように、本発明の対象である歯車形軸継手は、内歯車５を有する外筒６と、外歯車４を有する内筒３とを備え、例えば、内筒３が駆動側軸１ｂに接続されており、駆動側軸１ｂに連動して回転し、内筒３の回転は、その外歯車４と噛み合う内歯車５に伝えられ、外筒６が内筒３に連動して回転することにより、負荷側軸１ａが回転する仕組みを有する継手である。ここで、負荷側軸１ａは、固定フランジ２と接続され、固定フランジ２と外筒６とは、ボルト、ナット７を介して連結されている。
【００２１】
本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法においては、例えば、外筒６に連動して回転するピン１０と、内筒３に連動して回転するプレート１１とを設置する。ピン１０は、その飛散を防止するため、ワイヤ１３を介して歯車形軸継手に接続されている。図１および２に示すように、ピン１０と接続したワイヤ１３の他端は、例えば、プレート１１に接続することができる。なお、図１および図２には、外筒６に連動して回転するピン１０と、内筒３に連動して回転するプレート１１とを設置した例を示しているが、その逆、すなわち、プレート１１を外筒６に、ピン１０を内筒３にそれぞれ連動して回転するように設置してもよい。
【００２２】
そして、本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法は、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１と相対的な位置関係から歯車（外歯車４および内歯車５）の摩耗量を検知するものである。即ち、内筒３の外歯車４および外筒６の内歯車５の接触面が摩耗し、バックラッシにずれが生じてくると、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係が変化するため、歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えると、ピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【００２３】
例えば、図２に示すように、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置は、歯車（外歯車４および内歯車５）が初期状態では一定以上の距離を保っている。内筒３の外歯車４および外筒６の内歯車５の接触面が摩耗し、バックラッシにずれが生じてくると、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係が変化し、歯車（外歯車４および／または内歯車５）の摩耗量が許容限界を超えたときにはピン１０がプレート１１に接触して変形する。これによって、ピン１０の変形から歯車の摩耗量を検知することが可能となる。
【００２４】
以上のように、ピン１０およびプレート１１は、歯車（外歯車４および内歯車５）が初期状態では一定以上の距離を保っているが、歯車（外歯車４および／または内歯車５）の摩耗量が許容限界を超えたときにはピン１０がプレート１１に接触するような位置に設置すればよく、それぞれの形態については特に制約はない。例えば、図２に示すように、外筒６および内筒３の回転方向が長手方向となるように長穴１２を形成したプレート１１と、長穴１２の短径よりも小さい外径を有するピン１０とを有するものを用いることができる。この例では、歯車が初期状態のとき、ピン１０は、プレート１１と一定以上の距離を保つように長穴１２に挿入して取り付けられており、プレート１１に接触しないが、歯車（外歯車４および／または内歯車５）の摩耗量が許容限界を超えたときにはピン１０がプレート１１の長穴１２の内面に接触し、変形されるので、歯車の摩耗量を検知することができる。
【００２５】
以下、ピン１０を外筒６に、プレート１１を内筒３にそれぞれ連動して回転するように設置した場合を例にとって、本発明に係る歯車形軸継手の使用限界判定方法の原理を詳しく説明する。
【００２６】
図３は、初期状態の歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図であり、図４および図５はいずれも、一定期間使用した歯車形軸継手における外歯車及び内歯車の位置関係を示す模式図である。図３〜図５のいずれにおいても、（ａ）は歯車の噛み合わせ状況を示す拡大図、（ｂ）はピンおよびプレートの位置関係を示す図である。
【００２７】
なお、実際の歯車形軸継手では、外歯車、内歯車ともに湾曲しているが、図３〜図５では、歯車形軸継手のピッチ円を直線で表している。また、実際の歯車形軸継手では、外歯車、内歯車ともに、その山部がＲ形状であり、また、若干のバックラッシがあるが、図３〜図５ではこれらを省略している。さらに、歯車形軸継手には、正方向および逆方向のいずれにも回転させる方式のものがあるが、図３〜図５では、基本的に正方向（図面右方向）にしか回転させず、歯車の山の一面のみが摩耗する方式のものを示している。
【００２８】
図３（ａ）に示すように、歯車形軸継手における外歯車４及び内歯車５は、初期状態においては、決められたバックラッシがあるものの、ほとんど隙間がなく噛み合わされた状態である。このとき、バックラッシのズレ量の許容範囲をδａｌとし、ピン１０およびプレート１１を、例えば、図３（ｂ）に示すように設置するものとする。そして、歯車形軸継手の使用を重ねることによって、外歯車４、内歯車５とも、その接触面が摩耗し、図４（ａ）のような状態となる。図４（ａ）の状態では歯車の摩耗量が許容範囲内にあるため、ピン１０とプレート１１とは接触しないが、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０とプレート１１との相対的な位置関係の変化から、歯車の摩耗量を把握することができる。
【００２９】
図５（ａ）に示すように、内筒の外歯車４および外筒の内歯車５それぞれの摩耗が進み、その摩耗量が許容範囲を超えると、ピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。これによって、歯車形軸継手の交換時期を検知することができるのである。
【００３０】
本発明の歯車形軸継手の使用限界判定方法は、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手に限定されることなく、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手についても適用することができる。この場合、例えば、図６に示すように、初期設定の段階で、許容範囲を一方向だけでなく、逆方向にも設定するのがよい。
【００３１】
図６には、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法によるピンおよびプレートの位置関係を示す図であり、（ａ）は初期状態を示し、（ｂ）および（ｃ）は一定期間使用後の状態を示している。なお、（ｂ）は、正方向（図面右方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係を示し、（ｃ）は、逆方向（図面左方向）への回転時に把握されるピンおよびプレートの位置関係を示している。
【００３２】
図６に示す歯車形軸継手の使用限界判定方法においては、例えば、図６（ａ）に示すように、基準位置にピン１０を設け、このピン１０に対して、正方向（図面右方向）の許容範囲と、逆方向（図面左方向）の許容範囲を設定し、その範囲となるようにプレート１１を取り付ける。そして、一定期間使用された後、ピン１０およびプレート１１は、正方向（図面右方向）への回転時には図６（ｂ）に示されるような位置関係となり、逆方向（図面左方向）への回転時には図６（ｃ）に示されるような位置関係となるので、正逆それぞれの方向への回転時における歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えるとピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【００３３】
正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界の判定には、図２に示すような長穴を有する物のほか、例えば、図７〜図９に示すもの用いることができる。
【００３４】
図７〜図９には、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図である。いずれの図においても、（ａ）は上面図、（ｂ）は回転軸方向側面図を示している。正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の場合には、例えば、図７に示すように、一つのピン１０と、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０の前後両方（即ち、図の左右両方）に、二枚のプレート１１を取り付けたものを用いることができる。また、図８に示すように、一つのピン１０と、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０の前後両方（即ち、図の左右両方）に、コの字型のプレートを取り付けたものを用いることができる。更に、図９に示すように、１つのプレート１１と、外筒６および内筒３の回転方向におけるプレート１１の前後両方（即ち、図の左右両方）に、ピン１０を取り付けたものを用いることができる。
【００３５】
図７〜図９のいずれの例においても、プレート１１は、初期状態ではピン１０と一定以上の距離を保つように取り付けられており、歯車の摩耗によりピン１０およびプレート１１との相対的な位置が変化するため、正逆それぞれの方向への回転時における歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えるとピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【００３６】
なお、図７〜図９に示す例は、正逆両方向への回転が想定される歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いるのに適しているが、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の場合の使用限界判定方法に用いても差し障りがない。但し、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の場合の使用限界判定方法においては、下記のピンおよびプレートを用いても良い。
【００３７】
図１０は、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の使用限界判定方法に用いることができるピンおよびプレートの位置関係の例を示す図である。図１０に示すように、一方向のみの回転が与えられる歯車形軸継手の場合、１つのピン１０と、外筒６および内筒３の回転方向におけるピン１０の前後（即ち、図の左右）のいずれか一方にプレート１１を取り付けたものを用いることができる。プレート１１は、初期状態ではピン１０と一定以上の距離を保つように取り付けられており、歯車の摩耗によりピン１０およびプレート１１との相対的な位置が変化するため、回転時における歯車の摩耗量を把握することができる。特に、摩耗量が許容範囲を超えるとピン１０がプレート１１に接触し、変形されるような位置に設置することで、摩耗量の検知が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【００３８】
本発明によれば、簡易的な方法により、歯車形軸継手を稼動中に開放することなく、内部の歯車の摩耗量を検知し、歯車形軸継手の使用限界の判定を行うことができる。
【符号の説明】
【００３９】
１ａ 負荷側軸
１ｂ 駆動側軸
２ 固定フランジ
３ 内筒
４ 外歯車
５ 内歯車
６ 外筒
７ ボルト、ナット
８ 金物（ガイド）
９ ボルト
１０ ピン
１１ プレート
１２ 長穴
１３ ワイヤ
P.C ピッチ円
δａｌ バックラッシのズレ量の許容範囲
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内歯車を有する外筒と、外歯車を有する内筒とを備える歯車形軸継手の使用限界判定方法であって、
外筒または内筒に連動して回転するように取り付けられたピンと、ピンが取り付けられていない内筒または外筒に連動して回転するように取り付けられたプレートとを有し、
外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートとの相対的な位置関係から歯車の摩耗量を検知することを特徴とする歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項２】
外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートとの相対的な位置は、歯車が初期状態では一定以上の距離を保っているが、歯車の摩耗量が許容限界を超えたときにはピンがプレートに接触して変形するように取り付けられており、ピンの変形から歯車の摩耗量を検知することを特徴とする請求項１に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項３】
１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後のいずれか一方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有することを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項４】
１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後両方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有することを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項５】
外筒および内筒の回転方向が長手方向となるように長穴を形成したプレートと、長穴の短径よりも小さい外径を有するピンとを有し、初期状態ではプレートに接触せず一定以上の距離を保つようにピンを長穴に挿入して取り付けたことを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項６】
１つのプレートと、外筒および内筒の回転方向におけるプレートの前後両方に、初期状態ではプレートと一定以上の距離を保つように取り付けたピンとを有することを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項１】
内歯車を有する外筒と、外歯車を有する内筒とを備える歯車形軸継手の使用限界判定方法であって、
外筒または内筒に連動して回転するように取り付けられたピンと、ピンが取り付けられていない内筒または外筒に連動して回転するように取り付けられたプレートとを有し、
外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートとの相対的な位置関係から歯車の摩耗量を検知することを特徴とする歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項２】
外筒および内筒の回転方向におけるピンとプレートとの相対的な位置は、歯車が初期状態では一定以上の距離を保っているが、歯車の摩耗量が許容限界を超えたときにはピンがプレートに接触して変形するように取り付けられており、ピンの変形から歯車の摩耗量を検知することを特徴とする請求項１に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項３】
１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後のいずれか一方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有することを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項４】
１つのピンと、外筒および内筒の回転方向におけるピンの前後両方に、初期状態ではピンと一定以上の距離を保つように取り付けたプレートとを有することを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項５】
外筒および内筒の回転方向が長手方向となるように長穴を形成したプレートと、長穴の短径よりも小さい外径を有するピンとを有し、初期状態ではプレートに接触せず一定以上の距離を保つようにピンを長穴に挿入して取り付けたことを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【請求項６】
１つのプレートと、外筒および内筒の回転方向におけるプレートの前後両方に、初期状態ではプレートと一定以上の距離を保つように取り付けたピンとを有することを特徴とする請求項１または２に記載の歯車形軸継手の使用限界判定方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１０−２８１５８２（Ｐ２０１０−２８１５８２Ａ）
【公開日】平成２２年１２月１６日（２０１０．１２．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１３２８５３（Ｐ２００９−１３２８５３）
【出願日】平成２１年６月２日（２００９．６．２）
【出願人】（０００００２１１８）住友金属工業株式会社 (2,544)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月１６日（２０１０．１２．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年６月２日（２００９．６．２）
【出願人】（０００００２１１８）住友金属工業株式会社 (2,544)
【Ｆターム（参考）】
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