説明

歯間ブラシの成形方法および成形装置

【課題】歯肉を傷めず、歯垢、食物残滓等を略完全に除去できる歯間ブラシを安価に成形できる歯間ブラシの成形方法を提供する。
【解決手段】歯間ブラシは、硬質材からなる本体部(H)と軟質材からなり多数のブラシ毛がを有するブラシ部(B)とから構成する。このような歯間ブラシを、固定側金型(1)と、可動側金型(10)と、可動側金型(10)のパーティング側に設けられている成形治具(30)とからなる成形装置によって成形する。金型(1、10)には1次成形位置(X1)と2次成形位置(X2)が設けられ、成形治具(30)は180°回転させてこれらの位置を交互に移動させることができる。1次成形して本体部(H)を成形する。本体部(H)は成形治具(30)に載せて、成形治具(30)と共に2次成形位置(X2)に移動させ、2次成形によって本体部(H)にブラシ部(B)を成形する。1次成形と2次成形は実質的に同時に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形法を適用した歯間ブラシの成形方法および成形装置に関するもので、具体的には固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とからなる、歯間ブラシの成形方法および成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯と歯の間、あるいは歯と歯肉との間の歯垢、食物残滓などの汚れを清掃する道具として歯間ブラシが知られている。手動の歯間ブラシは、周知のように、ブラシ毛が植えられている先方のブラシ部と、後方の握り部とからなっている。したがって、ブラシ部を歯間、または歯と歯肉間に入れてゆっくり動かすことにより歯垢などの汚れを除去することができる。このような歯間ブラシは、色々提案されているが、特開平9−84632号公報に開示されているブラシは、ブラシ部と、その後方部の熱可塑性合成樹脂製のハンドル部あるいは握り部とから構成されている。ブラシ部は、金属ワイヤステムと、その先方部に撚り込まれたブラシ毛とからなっている。そして、ワイヤステムの後端部をハンドル部の嵌挿孔に挿入して高周波誘導加熱手段によりワイヤステムを発熱させるか、または挿入前に高周波誘導加熱手段によってワイヤステムを発熱させた後、ハンドル部の嵌挿孔に押し込み、或いはハンドルを縮経するように押さえ込んで、ブラシ部と握り部とが一体化されている。この歯間ブラシは、ブラシ部の金属製のワイヤステムを高周波誘導加熱により加熱し、熱可塑性合成樹脂製のハンドル部に融着されるので、比較的安価に製造できる利点があり、また使用時には金属製のワイヤステムの角度を自由に調節でき、使用勝手が良いという特徴も有する。
【0003】
しかしながら、ブラシ毛はナイロン製で、また金属製のワイヤステムが適用されているので、乱暴に使用すると歯肉を傷めることがある。そこで、特許文献1により、ハンドル部は第1のプラスチック製で、ブラシ部すなわちクリーナ部は柔らかい第2のプラスチックからなる歯間クリーナあるいは楊枝が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2001−8506514号公報
【0005】
上記特許文献1に示されている楊枝は、第1のプラスチック材料からなる細長い棒状の支持体と、その表面の一部を覆っているインサートまたはコーティングと呼ばれるクリーナ部とからなっている。クリーナ部は、第1のプラスチック材料よりも軟らかい第2のプラスチック材料から作られている。第2のプラスチック材料が棒状のもの、複数個の環状あるいは突起状のもの等色々な形になっている。この楊枝は、第1のプラスチック材料の支持体の上に第2のプラスチック材料を射出成形することにより、あるいは溶接することにより製造されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の楊枝によると、支持体にもクリーナ部にも金属は使用されてはおらず、クリーナ部は柔軟な第2のプラスチック材料から構成されているので、歯肉を傷めることが少ないという利点は認められる。しかしながら、クリーナ部が棒状、環状、突起等の凹凸部から構成されているので、均一な歯への接触は保証できない。また、その成形に関しては請求項23、24のそれぞれに「23.インサートまたはコーティング(14、18)の第2のプラスチック材料が支持体(11)の第1のプラスチック材料の上に射出成形されることを特徴とする、請求項1から22のうちの1つに記載の歯間クリーナ、特に楊枝の製造方法。」、「24.インサートまたはコーティング(14、18)の第2のプラスチック材料が支持体(11)の第1のプラスチック材料に溶接されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。」と記載されているだけで具体的な射出成形による製法は開示されていない。特許文献1に記載の製法では、2種類のプラスチック材料からなる楊枝を安価に成形できるとは認められない。
【0007】
したがって、本発明は、歯の表面あるいは歯間に凹凸があっても均一に接し、かつ歯肉を傷めることなく、歯垢、食物残滓等を略完全に取り除くことができる歯間ブラシを安価に成形できる歯間ブラシの成形方法およびこの方法の実施に使用される成形装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、歯間ブラシを本体部とブラシ部とから構成し、握り部とこの握り部から伸びるステム部とステム部の先端の芯部とからなる本体部はポリプロピレン(PP)のような硬質材から、そして芯部を環状に被覆するボス部とこのボス部に形成されている多数のブラシ毛とからなるブラシ部は熱可塑性エラストマ(TPE)のような軟質材から形成する。本発明は、このような歯間ブラシを、固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とからなる成形装置によって成形し、この成形装置においては、本体部を成形する1次成形と、本体部の芯部にブラシ部を形成する2次成形とを実質的に同時に行うようにする。すなわち、1次成形において、本体部の握り部とステム部は、成形治具を可動側金型の1次成形位置へ移動して型締めすることにより、成形治具の治具分離面側の凹部と可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、そして芯部は可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形する。そして2次成形において、1次成形された本体部を保持している成形治具を可動側金型の2次成形位置へ移動して型締めすることにより、本体部の芯部の外周面と可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形する。このような1次成形と2次成形を実質的に同時に行うように構成する。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、 固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とから歯間ブラシを成形する方法であって、前記1次成形において、前記本体部の握り部とステム部は、前記成形治具を前記可動側金型の1次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記成形治具の治具分離面側の凹部と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、そして前記芯部は前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、前記2次成形において、前記1次成形された本体部を保持している前記成形治具を前記可動側金型の2次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記本体部の芯部の外周面と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、前記1,2次成形は実質的に同時に行うように構成される。
請求項2に記載の発明は、固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とから歯間ブラシを成形する方法であって、前記1次成形において、前記本体部の握り部の一部とステム部の一部は、前記成形治具を前記可動側金型の1次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記成形治具の治具分離面側の凹部と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、前記本体部の握り部の他の部分とステム部の他の部分と、前記芯部は前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、前記2次成形時は、前記1次成形された本体部を保持している前記成形治具を前記可動側金型の2次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記本体部の芯部の外周部と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、前記1,2次成形は実質的に同時に行うように構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の成形方法において、前記2次成形位置へ移動して型締めするとき、前記可動側金型と成形治具に保持されている前記握り部とステム部の自由になっている部分を前記可動側金型のパーティング面側に形成されている保持用凹部に保持するように構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の成形方法において、1成形サイクル毎に、その握り部の一部が連なっている複数本の歯間ブラシを実質的に同時に成形するように構成される。
【0010】
そして請求項5に記載の発明は、固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とから歯間ブラシを成形するための成形装置であって、前記成形治具は、その治具分離面が前記可動側金型のパーティング面と同一面になる第1の位置と、前記パーティング面から所定量だけ突き出る第2の位置を採ると共に、前記第2の位置では前記固定側及び可動側金型のパーティング面側に選定されている1次成形位置と2次成形位置へと移動可能であり、前記成形治具の治具分離面には前記本体部の握り部とステム部の一部を成形するための治具側凹部が形成され、前記可動側金型の1次成形位置には、前記本体部の握り部とステム部の他の部分を成形するための握り部及びステム部用凹部と、前記本体部の芯部を成形するための芯部用凹部とが、前記治具側凹部に整合するようにして設けられ、そして2次成形位置には、前記本体部の芯部と共同してボス部および多数のブラシ毛を成形するためのブラシ部用凹部が設けられ、前記固定側金型の1次成形位置のパーティング面側には、前記治具側凹部と前記可動側金型の握り部及びステム部用凹部と芯部用凹部とにそれぞれ対応する固定側凹部が、そして2次成形位置には、前記成形治具に保持されている握り部とステム部を保持する保持用凹部が設けられていると共に、前記可動側金型のブラシ部用凹部と対をなす凹部が設けられている、歯間ブラシの成形装置として構成される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の成形装置において、前記成形治具は、前記可動側金型を横切るようにしてそのパーティング面に垂直に設けられている駆動軸に取り付けられ、そして前記駆動軸により回転あるいは揺動的に回転されるようになっていると共に、前記可動側金型の前記1、2次成形位置は、互いに回転角度的に180°離間するように構成される。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の成形装置において、前記成形治具は前記駆動軸に対して対称的に設けられている一対の治具部材からなり、前記治具側凹部は、その治具分離面に並列的に複数個逆向きに設けられるように構成される。
請求項8に記載の発明は、請求項5または6に記載の成形装置において、前記成形治具は前記駆動軸に対して対称的に設けられている第1、2の治具構成要素(31、31’)から構成され、前記第1、2の治具構成要素は、所定間隔に配置された一対の治具部材(32a、32b、32’a、32’b)からなり、前記治具側凹部は、それぞれの治具分離面(33a,33b、33’a、33’b)に並列的に複数個逆向きに設けられるように構成される。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明は、固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とから歯間ブラシを成形する方法として構成されている。すなわち、成形対象の歯間ブラシは、ブラシ部が軟質材からなる多数のブラシ毛からなるので、歯の表面あるいは歯間に凹凸があっても均一に接し、かつ歯肉を傷めることなく、歯垢、食物残滓等を略完全に取り除くことができる。このような品質の高い歯間ブラシを容易に成形できる方法として構成されている。そして本発明は、1次成形と2次成形とによって容易に成形できるように構成されている。すなわち、1次成形において、前記本体部の握り部とステム部は、前記成形治具を前記可動側金型の1次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記成形治具の治具分離面側の凹部と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、そして前記芯部は前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、2次成形において、前記1次成形された本体部を保持している前記成形治具を前記可動側金型の2次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記本体部の芯部の外周面と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形するように構成されている。さらにこれらの1、2次成形は実質的に同時に行う用に構成されている。従って高品質の歯間ブラシを効率よく連続的に成形できる。これによって歯間ブラシを安価に提供することが可能になる。そして他の発明によると、1成形サイクル毎に、その握り部の一部が連なっている複数本の歯間ブラシを実質的に同時に成形するように構成されているので、さらに大量生産することが可能になり歯間ブラシを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態により得られる歯間ブラシを示す図で、その(ア)は一度に成形される途中の段階の、複数個の歯間ブラシを、その(イ)は成形された複数個の歯間ブラシをそれぞれ示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る治具を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る成形装置を示す図で、その(ア)は模式的な側断面図、その(イ)は金型のパーティング面から見た可動金型の平面図、その(ウ)は(イ)においてx−xで見た断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る成形装置の要部を拡大して示す図で、その(ア)は図3の(イ)において矢印Yで示す部分の、その(イ)は図3の(イ)において矢印Zで示す部分の拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る成形装置を使用して歯間ブラシを成形している途中の段階を模式的に示す断面図で、その(ア)は一次射出をしている状態を、その(イ)は一次成形が終わって治具を突き出している状態を、その(ウ)は一次および二次成形ができるようになっている状態をそれぞれ示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態に係る歯間ブラシは、概略的には握り部等からなる本体部と、本体部の先端部の外周面に成形されているブラシ部とからなっている。以下、本体部は硬質のポリプロピレン(PP)から、そしてブラシ部は軟質の熱可塑性エラストマー(TPE)から成形する例について説明する。
【0014】
本実施の形態によると、図1の(ア)に示されているように、本体部Hは握り部Nと、握り部Nの先端部から棒状に延びている小径のステム部Sと、ステム部Sからテーパ状に縮径している芯部Cとから1次射出成形により一体的に成形される。握り部Nおよびステム部は、詳しくは、それぞれ第1、2の部分N1、N2、第1、2の部分S1、S2からなっている。そして、芯部Cの外周部に、図1の(イ)に示されているように複数本あるいは多数のブラシ毛からなるブラシ部Bが2次射出成形により成形される。本実施の形態によると、複数本の歯間ブラシは握り部N、N、…の一部において繋がって成形され、そして例えばユーザがその都度切り離して使用するようになっている。
【0015】
本実施の形態に係る成形装置は、図3の(ア)に示されているように、概略的には固定側金型1と、この固定側金型1に対して型開閉される可動側金型10と、可動側金型10のパーティング面P側に設けられている成形治具30とからなっている。成形治具30は、詳しくは後述するように可動側金型10のパーティング面Pから必要量だけ突き出すことができ、突き出した状態ではその軸を中心に例えば180°回転することができるようになっている。
【0016】
成形治具30は、図2の斜視図、図3の(イ)の平面図等に良く示されているように、本実施の形態によると、形状及び構造が同じ、一対の第1、2の治具構成要素31、31’から構成されている。そして、これらの治具構成要素31、31’も同様に形状及び構造が同じ、一対の第1、2の治具部材から構成されている。したがって、以下第1の治具構成要素31について説明し、第2の治具構成要素31’については同じ参照数字にダッシュ「’」を付けて、特別の場合を除いて重複説明はしない。
【0017】
第1の治具構成要素31は、横方向に長い一対の第1、2の治具部材32a、32bから構成されている。これらの治具部材32a、32bの両端部は、所定間隔になるように結合部材34、34により結合され、平面的に見ると略井桁状を呈している。このように構成されている一対の第1、2の治具構成要素31、31’は、その中心部において直線状の結合アーム35で、回転角度的に180°離れた状態で結合されている。そして、この結合アーム35の中心部に駆動軸36が一体的に設けられている。この駆動軸36は、一対の第1、2の治具構成要素31、31’に対して垂直になっており、図2、3等において矢印Aで示されている軸方向に駆動されると共に回転方向にも駆動されるようになっている。したがって、一対の第1、2の治具構成要素31、31’からなっている成形治具30は、可動側金型10のパーティング面Pに対して出入りする方向および軸を中心とする回転方向に駆動可能である。駆動軸36を上記のように駆動する駆動装置は、図には示されていない。
【0018】
上記のように構成されている第1の治具部材32aは、型締時に固定側金型1のパーティング面Pに接する治具分離面33aを有する。この治具分離面33aは、本実施の形態では便宜上4ブロックに区切られ、そして1ブロックに10個の凹部40、40、…が形成されている。これらの凹部40は、図4の(ア)の詳細図に示されているように、握り部Nの第1の部分成形用の凹部41と、ステム部Sの第2の部分成形用の凹部42とからなっている。第1の握り部成形用の凹部41、41、…は、横方向に一列に並びその一部は互いに連通している。また、握り部Nの第1の部分成形用の凹部41の先端部は山形に絞られ、その先端部から側部方向に略直角に所定径の、前記のステム部Sの第2の部分成形用の凹部42が形成されている。
【0019】
第2の治具部材32bの治具分離面33bにも、図2の模式的斜視図に一部が示されているように、逆向きに同じ形状の、1個のブロックに10個の凹部40、40、…が、4ブロック形成されている。また、第2の治具構成要素31’の一対の第1、2の治具部材32’a、32’bの治具分離面33’a、33’bにも同じ形状、同じ向きの10個の凹部40’、40’、…が、それぞれ4ブロックずつ形成されている。
【0020】
このように10個の凹部40、40,…を1ブロックとして第1の治具部材32aに、図3の(イ)の平面図に示されているように、4ブロック設けられており、第2の治具部材32bにも4ブロック設けられている。したがって、第1の治具構成要素31には8個のブロックが設けられ、第2の治具構成要素31’にも8個のブロックが設けられ、全体として16ブロック設けられている。本実施の形態によると、歯間ブラシは1、2次成形により成形されるので、詳しくは後述するように1サイクル当たり8ブロックすなわち80本の歯間ブラシが成形されることになる。
【0021】
上記のように構成されている成形治具30は、駆動軸36を対称中心として、第1、2の治具構成要素31、31’は対称になっているので、可動側金型10に形成されている透孔11から等距離の位置に、成形治具30が嵌合自在に嵌る嵌合溝12a、12b、12’a、12’b、13が形成されている。これらの嵌合溝は、パーティング面P側に開口している。嵌合溝12a、12bには、第1、2の治具部材32a、32bがそれぞれ嵌合し、嵌合溝12’a、12’bには、第2の治具部材32’a、32’bが嵌合し、嵌合溝13には結合アーム35がそれぞれ嵌合するようになっている。結合部材34〜34’用の嵌合溝は図示されていない。これらの嵌合溝12a、12b、12’a、12’b、13の深さは、成形治具30の前述した構成要素32a〜32’bがこれらの溝に嵌ったとき、その治具分離面33a〜33’bが可動側金型10のパーティング面Pと同一面になる深さになっている。
【0022】
一対の第1、2の治具構成要素31、31’は、前述したように同じ大きさで、同じ構造をし、そして角度的に180°離間しているので、嵌合溝12a、12bと嵌合溝12’a、12’bも180°離間している。このように離間している可動側金型10のパーティング面Pの第1、2の位置すなわち1、2次成形位置X1、X2には形状の異なる凹部が形成されている。すなわち、1次成形位置には本体部Hの他の部分を成形するための凹部が、2次成形位置にはブラシ部Bを成形するための凹部が形成されている。以下、さらに詳しく説明する。図3の(イ)においてX1で示されている1次成形位置X1の嵌合溝12a、12bの外側のパーティング面Pには、図3の(イ)にその一部が、全体的にはその概略が図4の(ア)示されているように、ステム部Sの第2の部分成形用の凹部15、15、…と、芯部成形用の凹部16、16、…とが整合して形成されている。ステム部Sの第2の部分成形用の凹部15、15、…は、成形治具30のステム部Sの第1の部分成形用の凹部42、42、…と整合している。また、1次成形位置X1の嵌合溝12a、12bの内側のパーティング面Pには、握り部Nの第2の部分成形用の凹部17、17、…が形成されている。握り部Nの第2部分成形用の凹部17、17、…は、成形治具30の握り部Nの第1の部分成形用の凹部41、41、…と整合している。
【0023】
可動側金型10の2次成形位置X2の嵌合溝12’a、12’bの外側のパーティング面Pには、図3の(イ)にその一部が、全体的にはその概略が図4の(イ)に示されているように、1次成形されたステム部Sの第2の部分S2が密に保持される半割状の保持用凹部15’、15’、…と、芯部Cが入る同様に半割状の凹部19、19、…が形成されている。凹部19はテーパ状に先端部は細くなっているが、挿入される芯部Cと凹部19の内周壁との間には所定の間隔があり、この間隔すなわちキャビティにより芯部Cの回りにTPEからなるボス部bが成形されることになる。このような凹部19の内周壁に連通あるいは開口して複数個あるいは多数のブラシ毛成形用の凹部20、20、…が形成されている。これらのブラシ毛成形用凹部20は先端部がテーパ状に細くなり可動側金型10のパーティング面Pに多数個形成され、またパーティング面Pに対して垂直方向にも多数形成されている。凹部20、20、…は、このようなテーパ構造及び位置に形成されているので、2次成形後にブラシ部Bを有する歯間ブラシを金型1、10から容易に取り出すことができる。
【0024】
また、2次成形位置X2の嵌合溝12’a、12’bの内側のパーティング面Pには、2次成形時に握り部Nの第2の部分N2が嵌る、あるいは保持される半割状の保持用凹部17’、17’、…が形成されている。これらの保持用の凹部17’、17’、…は、成形治具30の握り部Nの第1の部分成形用の凹部41、41、…と整合している。なお、可動側金型10に形成されている保持用凹部15’、17’は、1次成形された本体部Hが嵌り易いように、成形用の凹部15、17よりも大きくなっている。
【0025】
可動側金型10のパーティング面Pには、上記したように、ステム部Sの第2の部分成形用の凹部15、芯部成形用の凹部16、半割状の保持用凹部15’、半割状の凹部17’等が形成され、また成形治具30の第1、2の治具部材32a〜32’bの治具分離面33a〜33’bにも、上記したような、握り部Nの第1の部分成形用の凹部41、ステム部Sの第1の部分成形用の凹部42が形成されているが、1次成形位置X1の固定側金型1のパーティング面側にも、前述した成形用の凹部41、42、15、16、19等と対をなす凹部が形成されている。また、2次成形位置X2の固定側金型1のパーティング面側には、本体部Hのステム部S、握り部Nの一部等を2次成形時に押さえた状態で保持する凹部と、ブラシ毛成形用の凹部とが形成されている。しかし、その構造あるいは形状は当業者には容易に理解されるので図面には示されていないし、格別に説明もされていない。
【0026】
上記のように構成されている固定側金型1には、図3の(ア)に示されているように、固定側金型1を横切るようにして第1、2のスプル2、3が設けられ、第1のスプル2は複数個のスプルおよびランナに分岐して握り部Nの第2の部分成形用の凹部17、17、…にそれぞれのゲートを介して開口している。同様に第2のスプル3も複数個のスプルおよびランナに分岐して半割状の凹部19、19、…にそれぞれのゲートを介して開口している。図3の(ア)には示されていないが、第1のスプル2からはポリプロピレン(PP)が、そして第2のスプル3からは熱可塑性エラストマー(TPE)が射出されるようになっている。
【0027】
次に、上記成形装置を使用した歯間ブラシの成形例を、図5を参照しながら説明する。駆動軸36を駆動あるいは引いて成形治具30を可動側金型10の嵌合溝12a、12b、12’a、12’b、13に嵌め込む。そうして、可動側金型10を固定側金型1に対して型締めする。型締めした状態が図5の(ア)に示されている。型締めすると、一対の第1、2の治具部材32a、32bの握り部Nの第1の部分成形用の凹部41、41、…とステム部Sの第1の部分成形用の凹部42、42、…と、可動側金型10の握り部Nの第2の部分成形用の凹部17、17、…とステム部Sの第2の部分成形用凹部15、15、…と芯部Cの成形用の凹部16、16、…により本体部Hの成形用のキャビティが構成される。このとき、前記キャビティは、前述したように固定側金型1のパーティングP面側に形成されている凹部等と共働して構成される。
【0028】
第1の射出機J1により、従来周知のようにポリプロピレンを可塑化し、そして第1のスプル2から分岐したスプルおよびゲートを介して前記キャビティに充填する。この1次成形により、図5の(ア)において多数の点々で示されているように、握り部Nとステム部Sと芯部Cとからなる本体部Hが80個成形される。
【0029】
可動側金型10を開く。そうすると、成形治具30の凹部の形状、大きさ等と固定側金型1のそれらとの差により、本体部Hは成形治具30の方に残って開かれる。駆動軸36を矢印A2方向に駆動して成形治具30を突き出す。突き出した状態が図5の(イ)に示されている。成形治具30は、本体部H、H、…を保持した状態で回転可能な状態になっている。
【0030】
1次成形位置X1にある成形治具30を180°回転する。そうすると、本体部H、H、…を保持している成形治具30の第1、2の治具部材32a、32bは、第2の成形位置X2に、そして未充填の成形治具30の第1、2の治具部材32’a、32’bは第1の成形位置X1に到達する。駆動軸36を引き込む。そうすると、本体部H、H、…を保持した成形治具30の第1、2の治具部材32a、32bは可動側金型10の嵌合溝12’a、12’bに嵌る。このとき、1次成形された握り部Nの第2の部分N2は可動側金型10の半割状の保持用凹部17’に密に保持され、ステム部Sの第2の部分S2は半割状の保持用凹部15’に同様に密に保持される。芯部Cは、半割状の凹部19中に隙間をもって保持される。
【0031】
可動側金型10を固定側金型1に対して型締めする。そうすると、1次成形位置X1では第1、2の治具部材32’a、32’bの凹部と可動側金型10の凹部と固定側金型1の凹部とにより、図5の(ア)に関して説明したように、本体部Hを1次成形するためのキャビティが構成される。2次成形位置X2では、芯部Cの外周面とボス部b成形用の凹部19と、ブラシ毛成形用の凹部20、20、…とにより、芯部Cの回りにボス部bと一体的に成形されるブラシ毛を成形するためのキャビティが構成される。第2の射出機J2から可塑化した熱可塑性エラストマー(TPE)を射出する。この2次成形により本体部Hとブラシ部Bとからなる歯間ブラシが成形される。これと実質的に同時に第1の射出機から1次成形位置X1のキャビティにポリプロピレン(PP)を射出する。冷却固化を待って、可動側金型10を開く。2次成形位置X2では、前述したように80個の歯間ブラシが、図示されないエジェクタ装置により突き出される。1次成形位置X1では第1、2の治具部材32’a、32’bの凹部に本体部Hは保持されている。以下、1、2次成形を上記したようにした実質的に同時に実施して成形する。
【0032】
本実施の形態は色々変形可能である。例えば、1サイクル当たりの成形本数が上記実施の形態に限定されることはない。また、1次成形では本体部Hの握り部Nとステム部Sは、成形治具30と可動側金型10とにわたって形成されている凹部で成形されているが、芯部C以外は全てを成形治具30で成形することもできる。そうすると、1次成形位置X1の可動側金型10構造は簡単になる。さらには、成形治具30の一対の治具構成要素31、31’は、第1、2の治具部材32a、32b、32’a、32’bから構成されているが、第1の治具部材32a、32’aで実施することもできる。また、本実施の形態によると、一対の治具構成要素31、31’が角度的に180°離間しているのでバランスが良くなっているが、180°に限定される必要はない。
【符号の説明】
【0033】
H 本体部 N 握り部
N1 握り部の第1の部分 N2 握り部の第2の部分
C 芯部 S ステム部
S1 ステム部の第1の部分 S2 ステム部の第2の部分
B ブラシ部 b ボス部
1 固定側金型 10 可動側金型
11 透孔
12a、12b 嵌合溝
15 ステム部の第2の部分成形用の凹部
15’ 保持用凹部 16 芯部成形用の凹部
17 握り部の第2の部分成形用の凹部
17’ 保持用凹部
19 凹部 30 成形治具
31、31’ 第1、2の治具構成要素
32a、32b 第1、2の治具部材
33a 治具分離面
34 結合部材 35 結合アーム
36 駆動軸 40 凹部
41 握り部の第1の部分成形用の凹部
42 ステム部の第1の部分成形用の凹部
X1 1次成形位置 X2 2次成形位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とから歯間ブラシを成形する方法であって、
前記1次成形において、前記本体部の握り部とステム部は、前記成形治具を前記可動側金型の1次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記成形治具の治具分離面側の凹部と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、そして前記芯部は前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、
前記2次成形において、前記1次成形された本体部を保持している前記成形治具を前記可動側金型の2次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記本体部の芯部の外周面と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、
前記1,2次成形は実質的に同時に行う、歯間ブラシの成形方法。
【請求項2】
固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とから歯間ブラシを成形する方法であって、
前記1次成形において、前記本体部の握り部の一部とステム部の一部は、前記成形治具を前記可動側金型の1次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記成形治具の治具分離面側の凹部と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、前記本体部の握り部の他の部分とステム部の他の部分と、前記芯部は前記可動側金型のパーティング面側の凹部と前記固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、
前記2次成形時は、前記1次成形された本体部を保持している前記成形治具を前記可動側金型の2次成形位置へ移動して型締めすることにより、前記本体部の芯部の外周部と前記可動側金型のパーティング面側の凹部と固定側金型のパーティング面側の凹部との間に構成されるキャビティにより成形し、
前記1,2次成形は実質的に同時に行う、歯間ブラシの成形方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の成形方法において、前記2次成形位置へ移動して型締めするとき、前記可動側金型と成形治具に保持されている前記握り部とステム部の自由になっている部分を前記可動側金型のパーティング面側に形成されている保持用凹部に保持する、歯間ブラシの成形方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの項に記載の成形方法において、1成形サイクル毎に、その握り部の一部が連なっている複数本の歯間ブラシを実質的に同時に成形する、歯間ブラシの成形方法。
【請求項5】
固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉される可動側金型と、前記可動側金型のパーティング側に設けられている成形治具とを使用して、硬質材を射出して握り部とステム部と芯部とからなる本体部を一体的に成形する1次成形と、軟質材を射出して前記本体部の芯部の外周部に多数のブラシ毛からなるブラシ部を成形する2次成形とから歯間ブラシを成形するための成形装置であって、
前記成形治具は、その治具分離面が前記可動側金型のパーティング面と同一面になる第1の位置と、前記パーティング面から所定量だけ突き出る第2の位置を採ると共に、前記第2の位置では前記固定側及び可動側金型のパーティング面側に選定されている1次成形位置と2次成形位置へと移動可能であり、前記成形治具の治具分離面には前記本体部の握り部とステム部の一部を成形するための治具側凹部が形成され、
前記可動側金型の1次成形位置には、前記本体部の握り部とステム部の他の部分を成形するための握り部及びステム部用凹部と、前記本体部の芯部を成形するための芯部用凹部とが、前記治具側凹部に整合するようにして設けられ、そして2次成形位置には、前記本体部の芯部と共同してボス部および多数のブラシ毛を成形するためのブラシ部用凹部が設けられ、
前記固定側金型の1次成形位置のパーティング面側には、前記治具側凹部と前記可動側金型の握り部及びステム部用凹部と芯部用凹部とにそれぞれ対応する固定側凹部が、そして2次成形位置には、前記成形治具に保持されている握り部とステム部を保持する保持用凹部が設けられていると共に、前記可動側金型のブラシ部用凹部と対をなす凹部が設けられている、歯間ブラシの成形装置。
【請求項6】
請求項5に記載の成形装置において、前記成形治具は、前記可動側金型を横切るようにしてそのパーティング面に垂直に設けられている駆動軸に取り付けられ、そして前記駆動軸により回転あるいは揺動的に回転されるようになっていると共に、前記可動側金型の前記1、2次成形位置は、互いに回転角度的に180°離間している、歯間ブラシの成形装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の成形装置において、前記成形治具は前記駆動軸に対して対称的に設けられている一対の治具部材(32a、32’a)からなり、前記治具側凹部は、その治具分離面(33a,33’a)に並列的に複数個逆向きに設けられている、歯間ブラシの成形装置。
【請求項8】
請求項5または6に記載の成形装置において、前記成形治具は前記駆動軸に対して対称的に設けられている第1、2の治具構成要素(31、31’)から構成され、前記第1、2の治具構成要素は、所定間隔に配置された一対の治具部材(32a、32b、32’a、32’b)からなり、前記治具側凹部は、それぞれの治具分離面(33a,33b、33’a、33’b)に並列的に複数個逆向きに設けられている、歯間ブラシの成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−152928(P2012−152928A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11644(P2011−11644)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】