説明

死角スポット警告デバイスおよび死角スポット警告システム

本発明は、ホスト乗り物(10)の外側にいるターゲット対象(30)に対して前記ホスト乗り物(10)の少なくとも1つの死角スポット(1乃至8)を示す警告(34)を包含する前記ホスト乗り物の外側に配される死角スポット警告デバイスに関し、前記警告(34)は、前記ホスト乗り物(10)に対する前記ターゲット対象の相対的な位置に依存してのみ前記ターゲット対象(30)に知覚可能となる。さらに死角スポット検出システム、死角スポット警告デバイス及び/または死角スポット検出システムを包含する車両が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1、29、31、および33のプリアンブルによるホスト乗り物のための死角スポット警告デバイスおよび死角スポット警告システム、およびそれを包含する乗り物に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの交通事故は、乗り物周囲の運転者の限られた視界、いわゆる死角スポット・エリアと関係がある。たとえば重量トラックについて考えると、当該乗り物の全周にわたって大きな死角スポットがあるが、この問題は、ほかの乗り物、たとえば乗用自動車、バス、または建設機械についても存在する。トラックの限られた視界が結果として危険な状況をもたらす可能性のある交通状況として次の例が挙げられる。
・助手席側に向かう車線変更および方向転換
・横断歩道において停止から動き始めるとき、またはそのほかの道路使用者が乗り物の正面に来る可能性のある状況
・たとえば荷積みドックに並ぶときのような後退の状況。
【0003】
追加のミラーにより運転者の視界を増加させることは可能であるが、この解決策は負の空気力学的効果を有し、しかも運転者のインターフェースの複雑性を増加させる可能性がある。その上、ミラーは、調整が難しく、広角ミラーは、周囲の交通の歪められた景色しか提供しない。
【0004】
死角スポット内に存在する物体を検出し、それについて運転者に警告を与える能動システムは、この問題に対する別の解決策となり得る。しかしながら、これでもまだ、死角スポット内にいる者(ターゲット対象)が、運転者(ホスト)が見ることができないところに自分がいることに気付いていないという多くの死角スポット事故の主要な問題点は解決されていない。注意する必要があるが、以下の『ターゲット対象』または『ターゲット』は、ほかの乗り物、自転車の乗り手、または歩行者等といったそのほかの任意の道路使用者とすることができる。ターゲット対象が、乗り物の死角スポット内に自分がいることを知っていれば、たとえば単純にホスト乗り物を通過するか、ホスト乗り物を先に行かせることによって容易に死角スポットが回避される。しかしながら、より困難なことは、当該本人が死角スポット内にいると認識することである。
【0005】
したがって、先端技術においては、ターゲットに対して当該本人が死角スポット内にいると通知することが提案されている。特許文献1によれば、これが、トラックの所望の効果をねらったエリアに死角スポット警告デカルコマニアを取り付けることによって行なうことが可能である。ターゲットに対して死角スポット・ゾーンの始まりと終わりを知らせるために、さらにこの先端技術によって、デカルコマニアの両端、すなわち死角スポット・ゾーンの始まりと終わりを示すことが意図された場所に反射器を配することが提案されている。
【0006】
不都合なことは、反射器の配置によるだけでは、実際に自分が死角スポット内にいるのか否かについてターゲットが評価できないことである。したがって、ターゲットは、死角スポット・ゾーンがどこから始まり、どこで終わるかを直観的に理解することができない。
【0007】
先端技術から、さらに別のターゲット通知システムを知ることができる。特許文献2は、トラックの近くにいる運転者に対して、近づきすぎていること、あるいはトラックの死角スポット内にいることを自動的に警告するトラック・ライト警告システムを開示している。そのため、この発明性のあるシステムは、トラックの死角スポットに配される、死角スポット・ゾーン内に入りつつある物体を検知するための複数のセンサ、および死角スポット・ゾーン内における物体の検出時に警告を表示する表示器を包含する。
【0008】
不都合なことは、センサおよび表示器を伴う装置が非常に高価であること、およびシステムの必要なすべての部品が電気的に接続される必要があるため、記述されたシステムを用いた既存のシステムのレトロフィットがしばしば可能でないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/082908号明細書
【特許文献2】米国特許第6,133,851号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】[online]、インターネット〈URL:http://www.holosonics.com/tech_directivity.html〉
【非特許文献2】Panphonics Directional Speakers Sound Shower、[online]、インターネット〈URL:http://www.panphonics.com/directional-speakers.html〉
【非特許文献3】[online]、インターネット〈URL:http://dakotaspeaker.com/〉
【非特許文献4】[online]、インターネット〈URL:http://www.browninnovations.com/sound_domes.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、乗り物への統合、取り付け、または配置が容易であり、かつ正確な死角スポット警告デバイスおよびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、特許請求の範囲の請求項1による死角スポット警告デバイス、請求項29、31、および33による死角スポット警告システム、および請求項39による乗り物によって解決される。
【0013】
本発明は、ホスト乗り物に対する特定の相対的な位置におけるターゲット対象についてのみ、特にターゲットが当該ホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内またはそれに近い場合にのみ知覚可能な死角スポット警告デバイスを提供するというアイディアに基づく。
【0014】
それによって死角スポット警告デバイスは、ターゲットがホスト乗り物の死角スポット内にあるか、またはそれに近いときにのみターゲットが知覚可能となるホスト乗り物の外側に配されるか、または配することが可能な警告標識、記号、テキスト、またはそのほかのデバイスを包含する。したがって警告は、ターゲットがホスト乗り物の死角スポット内でなくなるか、またはそれと近くなくなると終わる。
【0015】
既存の静的な警告標識と比較した本発明の主要な相違は、本発明が、ターゲット対象が死角スポット・ゾーン内にあるか、またはそれと非常に近いときにのみ警告を行なう点である。これの利点は2つ挙げられる。第1は、警告が一定して見えている場合および/または一定して聞こえている場合とはまったく異なり、警告デバイス内において何かが変化しているという事実が、警告標識(または、それの類)への注意を引かせ、したがってターゲット乗り物内の運転者が実際に警告に気付く、より大きな機会が存在するということである。第2は、相対的な位置依存を追加することによって、ターゲット乗り物内の運転者が、死角スポット・ゾーンがどこから始まってどこで終わるかについてのより直観的な理解を得るということである。
【0016】
たとえば、トラックがホスト乗り物であり、乗用自動車がターゲット乗り物である場合には、トラックの運転者がトラックのサイド・ミラー内において当該乗用自動車を見ることが可能であれば、当該乗用自動車の運転者(ターゲット対象)によって知覚可能でないように死角スポット警告デバイスが適合される。トラックの側方の死角スポットに自動車が入るか、またはそれに近づくとき、警告が乗用自動車の運転者によって知覚可能となり、運転者は、潜在的に危険な状況に気付き、回避動作を取ることができる(すなわち、トラックを追い越すか、または警告が知覚可能でなくなるまで速度を落とす)。
【0017】
上記の例は、トラック対自動車の状況について扱っているが、本発明は、そのほかのタイプの状況およびホスト乗り物、たとえばバス、自動車、建設機械、および列車等についても同様に適用することができる。
【0018】
さらに、この死角スポット警告デバイスは、ターゲット対象が死角スポット・ゾーン内に入るときだけでなく、ターゲット対象が死角スポット・ゾーンに近づきつつあるときにもターゲット対象に対して通知を行なうべく適合させることができる。好都合なことには、ターゲット対象が、早期の段階において、好ましくはターゲット対象が死角スポット・ゾーン内に入る前においてさえ死角スポット・ゾーンを回避するための対応策を取ることができる。それによって、死角スポットに起因する危険な状況を回避することができる。予備警告は、たとえばターゲット対象によって知覚される警告情報の色の変更、輝度の変更、音量の変更、メッセージの変更等によって実現することができる。
【0019】
さらにここで注意する必要があるが、ホスト乗り物は、1つより多くのタイプの死角スポット警告デバイスを装備することが可能である。好都合なことには、死角スポット・ゾーンに近づきつつあるか、またはその中にいるときに異なる警告によってターゲット対象の注意を刺激して案内することが可能であり、それによって、ターゲット対象が実際にホスト乗り物の死角スポット・ゾーンに気付くことが保証される。
【0020】
本発明の第1の態様によれば、ホスト乗り物の外側に配されるか、または配することが可能な死角スポット警告デバイスが、ホスト乗り物の外側にいるターゲット対象に対してホスト乗り物の少なくとも1つの死角スポットを示す警告を包含し、それにおいて警告は、ホスト乗り物の見地からのターゲット対象に依存してのみターゲット対象に知覚可能となる。死角スポット警告デバイスをホスト乗り物に取り付け可能な個別のデバイスとすること、またはすでに統合済みとすること、たとえば製造の間に、特に塗装または組み立てプロセスの間にホスト乗り物に統合される死角スポット警告デバイスとすることができる。
【0021】
好都合なことには、ターゲット対象がホスト乗り物の死角スポットのゾーン内にあるか、またはそれに近いときにのみ警告が知覚可能となるように、死角スポット警告デバイスがホスト乗り物の死角スポットの境界に対して較正される。
【0022】
追加の好ましい実施態様によれば、デバイスが、ターゲット対象がホスト乗り物の少なくとも1つの死角スポットのゾーン内にあるか、またはそれに近いときに死角スポット警告を図示する少なくとも1つの画像を示すべく適合された光学デバイスになる。上で述べたとおり、突然警告が現われることは、警告が一定して見えている場合とはまったく異なり、警告標識に対する注意を引き、その結果、ターゲット乗り物内の運転者が警告に気付く、より大きな機会が存在するようになる。さらに、この位置依存に起因してターゲット乗り物内の運転者は、死角スポット・ゾーンがどこから始まってどこで終わるかについてのより直観的な理解を得る。
【0023】
追加の好ましい実施態様によれば、死角スポット警告デバイスが、少なくとも2つの異なる画像を示すべく適合され、それにおいていずれの画像が可視となるかは、ターゲット対象の視点に依存する。
【0024】
さらに別の好ましい実施態様によれば、位置依存の警告の知覚可能性をレンズ・テクノロジーに基づかせることができ、それにおいて、好ましくはデバイスが複数の、好ましくは半円形のレンズを包含し、それらのレンズは、ホスト乗り物に対するターゲットの相対的な位置に依存して画像の1つに対して光を指向させるべく適合される。
【0025】
さらに別の好ましい実施態様によれば、位置依存の警告の知覚可能性をホログラフィ・テクノロジーに基づかせることができ、それにおいて、好ましくはターゲットの相対位置が死角スポット警告デバイスによって反射される光の振幅および光の位相を、画像のうちの1つが示されるように決定する。
【0026】
好都合なことには、これらの死角スポット警告デバイスが、ターゲット対象の注意を、そこに提供されている情報に、すなわち警告に向けさせる可能性を提供する。これは、ターゲット対象が死角スポット・ゾーンに近づき、その中に入り、あるいはそこから離れるときのデバイスの現われ方における変化に起因する。それに加えて、情報または警告が、たとえばテキスト『死角スポット』を示すことによってそのままで明白な場合には、ターゲット対象が死角スポット・ゾーン内にいるとき、ターゲット対象に対してその死角スポット・ゾーンの境界が直観的に伝えられる。
【0027】
さらに別の好ましい実施態様によれば、位置依存の警告の知覚可能性を、ホスト乗り物の少なくとも1つの死角スポットのゾーンの外側にターゲット対象がある場合に、画像を見ることを妨げる少なくとも1つの光遮蔽要素に基づかせることができる。この光遮蔽要素は、マイクロルーバー層とすることができ、それにおいてマイクロルーバー層は、好ましくは透明フィルム内に統合された微細不透明ルーバーを包含する。微細不透明ルーバーは、死角スポット警告デバイスから反射される光が、死角スポット・ゾーンと呼ばれる角度以外に届くことを妨げる。
【0028】
それに代えて、またはそれに追加して、光遮蔽要素を、ホスト乗り物の少なくとも1つの死角スポットのゾーンの外側にターゲット対象がある場合に画像を見ることを妨げる、好ましくはデバイスの周囲に配された少なくとも1つのブラインドとする。
【0029】
さらに別の好ましい実施態様によれば、少なくとも1つの光遮蔽要素が、ホスト乗り物の死角スポットの境界に対する較正のために機械的に、かつ/または電気的に調整可能であり、それにおいて好ましくは、ブラインドおよび/またはマイクロルーバーが調整可能である。
【0030】
それによって、正確な死角スポット・ゾーンの決定が可能となるように異なる死角スポット角度を適用することができる。異なる死角スポット角度、したがって異なる死角スポット・ゾーンは、たとえば異なる車線幅においても生じる可能性がある。
【0031】
さらに別の好ましい実施態様によれば、死角スポット警告デバイスが受動的なデカルコマニアであり、好ましくはそれが、接着または磁石によって乗り物の外側に取り付け可能である。
【0032】
好都合なことには、このデカルコマニアを、蛍光材料および/または反射材料および/または燐光性材料および/または化学発光性材料から作ることができる。この種の材料を使用することによって、夜間においても警告デバイスの知覚可能性が与えられる。それに加えて、日中における知覚可能性が増強される。
【0033】
さらに別の好ましい実施態様によれば、警告デバイスが、好ましくはそれの背面から照明可能である。これもまた、警告デバイスの知覚可能性を増強する。好都合なことには、警告デバイスを照明するために、ランプおよび/またはLED、好ましくはLEDのバックライトおよび/またはエレクトロルミネセンス素子、たとえばエレクトロルミネセンス・シート、エレクトロルミネセンス・パネル、および/またはエレクトロルミネセンス・ワイヤ等が使用される。これらの照明デバイスは、エネルギを節約する照明を提供し、かつ比較的平坦であり、そのため死角スポット警告デバイスがかさばらないようにできる。
【0034】
さらに別の好ましい実施態様によれば、死角スポット警告デバイスがコンピュータ表示器になる。位置依存の知覚可能性を提供するために、表示器の表面に配置されるマイクロルーバー層によって実現できるいわゆるプライバシ・フィルタをコンピュータ表示器に装備することができる。
【0035】
エネルギを節約するために、デバイスがさらに、ホスト乗り物の少なくとも1つの死角スポットのゾーン内に入りつつあるか、またはそれに近づいているターゲット対象の検出時にのみデカルコマニアの照明またはコンピュータ表示器の付勢が実行されるようにコントロールされるべく適合されると好都合である。さらに、死角スポット警告デバイスに対するターゲット対象の注意をさらに増加するために、照明がフラッシュするように死角スポット警告デバイスの照明をコントロールすることも可能である。
【0036】
それに代えて、かつ/またはそれに加えて、死角スポット警告デバイスは、ターゲット対象が少なくとも1つの死角スポットのゾーン内にあるか、またはそれに近づいている場合にのみターゲット対象に聞こえる聴覚の警報を指向させるべく適合された音響デバイスを包含できる。このサウンドの指向は、好ましくは超音波パラメトリック・アレイによって特別に配されたラウドスピーカを使用するテクノロジーを応用することによって可能である。超音波パラメトリック・アレイは、『オーディオ・スポットライト』として知られるが、超音波トランスデューサのアレイが使用されて非常に高い指向性を伴う可聴サウンドを作り出す技術である。このテクニックにおいては、トランスデューサが、サウンドが伝播する空気中におけるそのサウンドの速度を実質的に変更するに充分に強力(100乃至110dB)な変調された超音波の狭いビームを発射する。ビーム内の空気は、非線形に振舞い、変調された信号を超音波から抽出し、結果としてビームの経路に沿ってのみ聞くことが可能なサウンドをもたらす。このテクノロジーの基本は非特許文献1で述べられている。
【0037】
音響死角スポット警告を提供するための別の可能性は、たとえば、指向性ラウドスピーカの使用であり、それの指向性は静電原理に基づく。このテクノロジーは、『サウンド・シャワー』としても知られている。この場合においては発射するサウンドの波長と比較して大きな面積を有するトランスデューサ(ラウドスピーカ)を有することによって高い指向性が達成される。静電原理は、平坦であり、かつ大きな面積を有するラウドスピーカの構築に特に適している。追加の情報が非特許文献2に与えられている。
【0038】
さらに別の好ましい実施態様は、ラウドスピーカのフェーズド・アレイを使用し、それにおいては伝統的なラウドスピーカが使用されており、デジタル信号処理テクノロジーによってコントロールされて調整可能なサウンドのビームを提供する。焦点設定されたスピーカのアレイが、非常に薄く出張りのないユニット内に収められた複数の小型の高品質ラウドスピーカからなり、良好なサウンド品質および指向性オーディオ・コントロールを提供する。このテクニックにおいては、特別なデバイス(通常は、デジタル信号プロセッサ−DSP)が、波面の強めあう干渉および弱め合う干渉のパターンを作り出して狭い主ローブが結果としてもたらされるように各ラウドスピーカに送られる信号の位相(または時間遅延)および相対振幅をコントロールする。追加の情報については、非特許文献3を参照されたい。
【0039】
別の好ましい実施態様によれば、いわゆる『サウンド・ドーム』を使用することができる。これは、指向性サウンドを提供するパラボラ・ラウドスピーカである。このテクニックを使用し、1つまたは複数のラウドスピーカ・ドライバがパラボラの焦点に取り付けられ、パラボラ表面に向かってレシーバから離れる方向に向けられる。サウンドが、パラボラの反射面において反射され、平面波として集束されて出て行く。追加の情報は次に示す非特許文献4から得ることができる。
【0040】
上で述べたとおり、音響死角スポット警告デバイスもまた、死角スポット・ゾーン内に入りつつあるか、またはそれに近づいているターゲット対象の検出時にのみ警告の付勢が実行されるようにコントロールされるべくさらに適合できる。その種のコントロールを提供するために、以下において死角スポット対象検出システム(BSODS)を参照して説明されているとおり、コントローラおよび検出器を使用することができる。
【0041】
さらに別の好ましい実施態様によれば、死角スポット警告デバイスが各乗り物または実質的に類似する死角スポット・ゾーンを有する各タイプの乗り物のために個別に製造される。許容死角スポット・ゾーンが明確に(少なくともヨーロッパにおいては欧州議会および理事会指令2003/97/ECによって)定義されることから、乗り物の死角スポット・ゾーンを直接測定することなく、許容可能な境界に対して死角スポット警告デバイスの較正を行うことができる。これは、あらゆるタイプの乗り物のための死角スポット・デカルコマニアを製造し、そのデカルコマニアが取り付けられる場所についてのまさに詳細な情報を与える可能性を提供する。それによって、修理工場を訪ねることなくすべての乗り物のために利用可能であり、かつ使用可能なレトロフィットの可能性が与えられる。したがって、たとえば、給油スタンドにおいて死角スポット警告デバイスを販売することが可能になり、新しく購入したデカルコマニアを運転者が自ら乗り物に取り付けることが可能になる。このことがまた、その種のデバイスの受入れおよび広まりを促進することになり、続いてそれが、道路上の安全性を増加することができる。
【0042】
さらに別の好ましい実施態様によれば、ホスト乗り物の死角スポット境界に対する較正が、ホスト乗り物の備え付けの間において一度実行される。
【0043】
さらに別の好ましい実施態様によれば、ホスト乗り物の死角スポット境界における変化が予測されるとき、特に、当該乗り物が走行している車線幅における変化に依存して予測される場合に較正がマニュアルで、または自動的に実行される。それにより、異なる運転状況に対して警告デバイスを個別に、かつ連続的に適合することが可能になる。
【0044】
さらに別の好ましい実施態様によれば、乗り物が、乗り物とトレーラの組み合わせ、特にトラックとトレーラの組み合わせであり、乗り物とトレーラの組み合わせに変更がある場合に較正がマニュアルで、または自動的に実行される。
【0045】
本発明のさらに別の態様によれば、ホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にあるか、それに近いターゲット対象を検出するための少なくとも1つの検出器および前述した死角スポット警告デバイスを包含するホスト乗り物のための死角スポット警告システムが開示されており、それにおいて好ましくは、当該死角スポット警告システムがさらに、ターゲット対象がホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内に入ることになるか、またはそれに近いか、またはそれの中にあることが検出されたときに死角スポット警告デバイスをコントロールして知覚可能にするべく適合されたコントローラを包含している。
【0046】
さらに別の好ましい実施態様によれば、少なくとも1つの検出器が、対象を検出するための少なくとも1つのセンサ、特にカメラおよび/またはレーダ・センサを包含する。
【0047】
死角スポット・ゾーン内に入りつつあるターゲット対象を検出するための検出器、および死角スポット・ゾーン内に入りつつあるターゲット対象の検出時に警告を発するためのコントローラを包含するシステムを、以下においては、死角スポット対象検出システム(BSODS)と呼ぶことにする。
【0048】
本発明のさらに別の態様によれば、死角スポット警告デバイスを、ホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にある対象の検出時に表示されるべく死角スポット対象検出システムによってコントロールされる機械的デバイスとすることができる。この機械的デバイスは、ホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にある対象の検出時に延びるか、または飛び出る警告標識を伴った機械的なアームとすることができる。
【0049】
本発明のさらに別の態様によれば、ホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にあるターゲット対象を検出するための死角スポット対象検出システムを包含するホスト乗り物のための死角スポット警告システムが開示されており、それにおいてターゲット対象は、外部ソースから信号を受信するべく適合された内部インターフェースを包含し、死角スポット警告システムは、ターゲット対象がホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にあることを検出すると、ターゲット対象の内部インターフェースに対して警告信号を送信するべく適合される。これは、運転者が、たとえば運転者援助システムによって直接通知を受けることが可能であるという利点を有し、それもまた死角スポット警告の等閑視の可能性を低減する。
【0050】
さらに別の好ましい実施態様によれば、ターゲット対象が乗り物であり、ターゲット対象の内部インターフェースが、情報表示器、テルテール・ライト、サウンド・システム、および運転者援助システムのうちの少なくとも1つであり、それによって好ましくは、聴覚、視覚、および触覚の警告のうちの少なくとも1つを発することが可能になる。
【0051】
さらに別の好ましい実施態様によれば、死角スポット警告システムが、交通安全のための無線コンピュータ・ネットワーク、グローバル・ポジショニング・システム、無線データ・システム、またはそれらの類を経由してターゲット対象のインターフェースに対して警告信号を送信するべく適合される。
【0052】
好ましくは乗り物がトラック、自動車、バス、建設機械、農業機械、列車、または船舶である。しかしながら乗り物を、乗り物とトレーラの組み合わせ、たとえばトラックとトレーラの組み合わせ、自動車とトレーラの組み合わせ、特に自動車とキャンピング・トレーラの組み合わせ、バスとトレーラの組み合わせ、特にバスと長距離客車の組み合わせ、またはトレーラまたは作業機械を牽引している農業機械の構成とすることも可能である。
【0053】
上で述べたとおり、能動的な照明および/または音響死角スポット警告デバイスを、死角スポット対象検出システム(BSODS)によってコントロールすることもできる。乗り物の死角スポット・ゾーン内またはそれの近くにおいてターゲット対象(ほかの乗り物、歩行者、自転車の乗り手等)がBSODSによって(カメラ、レーダ、またはそのほかの検知装置および関連する処理ユニットを使用して)検出されたとき、死角スポット警告デバイスが付勢されて、ターゲット対象に危険な状況であることを通知する。
【0054】
さらに別の好ましい実施態様によれば、手前の段落の中で述べたとおりの死角スポット警告システムがBSODSを包含するが、それに加えて、ターゲット対象がホスト乗り物の死角スポット内にあるか、またはそれに近いときにターゲット対象の内部インターフェース(情報表示器、テルテール・ライト、サウンド・システム等)に対して警告信号が直接送信される。これは、交通安全のための無線コンピュータ・ネットワーク、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)/ディファレンシャルGPS(DGPS)、無線データ・システム(RDS)、またはそれらの類を経由して達成することが可能である。
【0055】
さらに、死角スポット警告システムは、上で述べたとおり、ターゲット対象がホスト乗り物の死角スポット内にあるか、またはそれに近いときに死角スポット警告標識を見せるべくホスト乗り物の死角スポット境界に対して較正された、ホスト乗り物の外側に配される受動的な視点依存のデカルコマニアを包含することもできる。
【0056】
さらに別の好ましい実施態様によれば、死角スポット警告システムが、死角スポット・ゾーンを構成する角度以外の角度に届く光を妨げる小型のスクリーンによって視点依存とされるランプ/LEDまたはランプ/LEDのアレイを包含する。このスクリーンは、(電子)機械的に調整可能にして警告ゾーンの較正手段を提供すること、または異なる死角スポット角度(車線幅の変化の結果として生じることがある)に適合することも可能である。
【0057】
上では詳細に述べられていないとしても、死角スポット警告デバイスのそれぞれが単独で存在すること、あるいはここに述べられているほかの死角スポット警告デバイスのうちの少なくとも1つと組み合わせることができる。たとえば、ホスト乗り物に上で述べた受動的な死角スポット警告デカルコマニアを装備し、かつそれに加えて上で述べたとおり、ターゲット乗り物内に直接送信されるメッセージによってターゲット乗り物に対する能動的な警告を提供することは可能である。別の実施態様においては、受動的な死角スポット警告デカルコマニアと、上で述べた音響警告デバイスと組み合わせることができる。第3の実施態様においては、ホスト乗り物に、前記受動的な死角スポット警告デカルコマニアおよび前記音響警告デバイスを装備し、それに加えて、ターゲット乗り物内に直接送信されるメッセージによってターゲット乗り物に対する能動的な警告を提供することが可能である。
【0058】
追加の利点および好ましい実施態様は、特許請求の範囲、図面、および詳細な説明の中で明らかにされている。
【0059】
以下においては、添付図面を補助として本発明について考察する。ここでの説明は、特許請求の範囲を限定する意図ではなく、本発明の原理の例示として解釈されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】トラックとトレーラの組み合わせにおける死角スポット・ゾーンを図解した概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施態様を図解した概略図である。
【図3】死角スポット警告ゾーンのみを図解した本発明の追加の好ましい実施態様の概略図である。
【図4】死角スポット警告ゾーンおよび死角スポット予備警告ゾーンを図解した図3に示されている好ましい実施態様の解略図である。
【図5】発明性のある死角スポット警告デバイスの好ましい実施態様を図解した略図的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、運転者のキャビン12およびトレーラ14を包含する乗り物の略図的な平面図を示している。通常、運転者は、運転者のキャビン12のウインドシールドおよびサイド・ウインドウを通じて自分の環境を直接観察することが可能である。それによって運転者は、エリア16、18、および20を直接見ることができる。運転者はまた、参照記号22および24によって示されているエリアもミラー(図示せず)を通じて間接的に見ることができる。しかしながら、直接的にも間接的にも運転者が見ることができない1から8までの番号で示される多数の死角スポット・ゾーンが残されている。
【0062】
追加のミラーにより運転者の視界を増加させることは可能であるが、この解決策は負の空気力学的効果を有し、しかも運転者のインターフェースの複雑性を増加させる可能性がある。その上、ミラーは、調整が難しく、広角ミラーは、周囲の交通の歪められた景色しか提供しない。
【0063】
死角スポット内に存在する物体を検出し、それについて運転者に警告を与える能動システムは、この問題に対する別の解決策となり得る。しかしながら、これでもまだ、死角スポット内にいる者(ターゲット)が、運転者(ホスト)が見ることができないところに自分がいることに気付いていないという多くの死角スポット事故の主要な問題点は解決されていない。ホスト乗り物の死角スポット内となることは、単純にホスト乗り物を通過するか、ホスト乗り物を先に行かせることによって容易に回避されるが、より困難なことは、本人が死角スポット内にいると認識することである。
【0064】
本発明は、ホスト乗り物の外側に取り付けられた、ホスト乗り物に対するターゲット対象の位置に応じてのみ知覚可能となる警告デバイス(標識またはその類)を使用して、周囲にいる道路使用者が死角スポット・ゾーン内に入るときに警告を与えることによって死角スポットの問題を解決することをねらいとする。
【0065】
好ましくは本発明による死角スポット警告デバイスが、ターゲットがホスト乗り物の死角スポット内にあるか、またはそれに近いときにのみターゲットが知覚可能となる、ホスト乗り物の外側に配されるか、取り付けられるか、またはその中に統合される警告標識、記号、テキスト、またはそのほかのデバイスを包含する。したがって警告は、ターゲットがホスト乗り物の死角スポット内でなくなると、現われなくなる。
【0066】
これがどのように機能するかについて、図2、3、および4に視覚的に示す。図2においては、トラック10がホスト乗り物であり、乗用自動車30がターゲット乗り物である。トラックの運転者がトラックのサイド・ミラー32(図2の左側パネル)内に乗用自動車30を見ることが可能な場合に、乗用自動車30内の運転者は、警告標識34、すなわち死角スポット警告デバイス上に表示されている警告(図2の右側のペイン内にのみ図示されている)を見ることができない。自動車30がトラックの側方死角スポット・ゾーン1、2に入ると、警告標識34が、図2の右側のペインに見ることができるように、自動車30の運転者によって知覚可能になる。続いて自動車30の運転者が潜在的に危険な状況に気付き、回避動作を取ることができる(すなわち、トラックを追い越すか、または警告標識34が見えなくなるまで速度を落とす)。
【0067】
図3は、上から見た図2と同じ状況のみを図示している。第1の段階I(図2の左側のペイン)においては、ターゲット乗り物の運転者に警告標識が知覚可能でない。死角スポット警告デバイス34は、たとえば黒色の標識またはホスト乗り物と同色の標識として現われるとすることができる。
【0068】
ターゲット乗り物の運転者が死角スポット・ゾーンに近づき、その後に続いて段階IIの角度αによって与えられる境界を越えると、死角スポット警告デバイス34が、たとえばメッセージ『死角スポット』を図示した標識または赤色の標識として現われて知覚可能となる(図2の左側ペインも併せて参照されたい)。
【0069】
ターゲット乗り物の運転者に警告のみを与えることに代えて、死角スポット警告の境界を越えつつある場合には、死角スポット・ゾーンに近づきつつある旨を通知することによって予備警告を運転者に与えることも可能である。その種の実施態様を図4に略図的に図解する。
【0070】
ここに図示された実施態様においては、図2および3に関してすでに述べたとおり、段階Iにあるターゲット乗り物の運転者に死角スポット警告デバイス34が知覚可能でない。ターゲット乗り物の運転者が死角スポット・ゾーンに近づくに従って、それに近づいていることが予備警告によって死角スポット警告デバイス34からその運転者に知らされる(段階II参照)。運転者が近づくことを止めずに最終的に死角スポット・ゾーン内に入ると、死角スポット警告デバイス34が再び変化して、死角スポット警告が現われる(段階III参照)。
【0071】
この警告の変化は、たとえば色の変化(たとえば、黒色から黄色、赤色へ)によって、メッセージの変化(メッセージなし、予備警告メッセージ、警告)によって、輝度の変化(暗、薄明、明)によって、または音響デバイスの場合であれば、音量の変化(無音、通常音量、大音量)によって実行することができる。好ましくは、警告の突然の変化が死角スポット警告デバイスへの運転者の注意を引くように、境界が鋭く画定される。しかしながら、死角スポット警告デバイスの見掛けまたは音量が漸進的に、たとえばフェードインによって変化することも可能である。
【0072】
図5は、発明性のある死角スポット警告デバイスの好ましい実施態様を通る断面図を図示している。この実施態様においては、死角スポット警告デバイスがデカルコマニア40を包含しており、好ましくはそれが、図2に示されているように乗り物、たとえばトラックの運転席ドア42に接着されるか、磁気的に取り付けられるか、またはラッピングすることができる。デカルコマニア40の上面には、透明フィルム46および透明フィルム内に統合された微細不透明ルーバー48を包含するマイクロルーバー層44があてがわれる。微細不透明ルーバー48は、透明なプラスチック条片の間に積層される不透明層(好ましくはトラックと同じ色を有する)によって構成することができる。微細ルーバー48の間の距離およびフィルム46の厚さによって、光を遮る角度αが決定される。
【0073】
たとえば、角度αおよびαからデカルコマニア40を見ているターゲット対象は、デカルコマニア40上の画像を見ることができる。それによれば、角度αおよびαは、死角スポット角度に対応し、その結果、ターゲット対象が乗り物の死角スポット・ゾーン内にあるか、またはそれに近い場合にのみデカルコマニア40上の画像が見えるようになる。より鋭角の、たとえばαおよびα等の角度においては、微細ルーバー48の不透明層に起因してデカルコマニア40が見えなくなる。
【0074】
好ましくは、死角スポット警告デバイスの全体的な寸法が極めて平坦なままとどまるようにフィルム46の厚さを数ミリメートル足らずとする。
【0075】
上で述べたとおり、死角スポット事故は非常に一般的であり、たとえばトラックの運転者は、毎日のように死角スポット状況に遭遇している。したがって、たとえばトラック製造者および運送会社にとって、死角スポット問題の解決を試みるテクノロジーを支持することは、大きな関心事である。上で述べた実施態様は、むしろ単純な受動的テクノロジーを伴い、したがって開発および大量製造が安価であり、このことは、結果として相手先ブランド製造者(OEM)および最終的な消費者にとって低い価格をもたらすことになる。この種の解決策は、製造状態にある乗り物およびレトロフィット・オプションの両方において警告デバイスが容易に統合されることも意味する。
【0076】
上で述べた実施態様のいくつかが技術的により複雑であり、BSODSがターゲット乗り物に取り付けられること、またはそれが警告デバイスとともに供給されることが必要となる場合であってさえ、それらは、新規であり、かつ効率的な解決策を死角スポット問題に提供する。これらの実施態様は、特に、新しく製造される乗り物に適したものとなる。
【符号の説明】
【0077】
1 側方死角スポット・ゾーン
2 側方死角スポット・ゾーン
10 トラック
12 運転者のキャビン
14 トレーラ
16 エリア
18 エリア
20 エリア
22 エリア
24 エリア
30 自動車、乗用自動車
32 サイド・ミラー
34 警告標識、死角スポット警告デバイス
40 デカルコマニア
42 運転席ドア
44 マイクロルーバー層
46 透明フィルム
48 微細不透明ルーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト乗り物の外側に配されるか、または配することが可能な死角スポット警告デバイスであって、前記ホスト乗り物(10)の外側にいるターゲット対象(30)に対して前記ホスト乗り物(10)の少なくとも1つの死角スポット(1乃至8)を示す警告(34)を包含し、前記警告(34)が、前記ホスト乗り物(10)に対する前記ターゲット対象の相対的な位置に依存してのみ前記ターゲット対象(30)に知覚可能となり、それによって前記ターゲット対象(30)が前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)内にあるか、またはそれに近いときにのみ前記警告が知覚可能となるように、前記デバイスが前記ホスト乗り物の死角スポットの境界に対して較正されることを特徴とする、死角スポット警告デバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、さらに、前記少なくとも1つの死角スポット・ゾーン(1乃至8)に近づいていることを、好ましくは予備警告を発することによって前記ターゲット対象(30)に対して通知するべく適合され、好ましくは前記予備警告が、前記ターゲット対象(30)が前記少なくとも1つの死角スポット・ゾーンに近い場合にのみ知覚可能となる、請求項1に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、前記ターゲット対象(30)が前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)内にあるか、またはそれに近いときに死角スポット警告を図示する少なくとも1つの画像を示すべく適合された光学デバイスである、請求項1または2に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項4】
少なくとも2つの異なる画像が図示されており、それにおいていずれの画像が可視となるかが前記ターゲット対象(30)の前記相対的な位置に依存する、請求項3に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項5】
前記警告(34)の前記位置依存の知覚可能性は、レンズ・テクノロジーに基づく、請求項1乃至4のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、複数の、好ましくは半円形のレンズを包含し、それにおいて前記レンズは、前記ターゲット対象(30)の相対的な位置に依存して前記画像の1つに対して光を指向させるべく適合される、請求項4または5に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項7】
前記警告(34)の前記位置依存の知覚可能性は、ホログラフィ・テクノロジーに基づく、請求項1乃至4のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項8】
前記ターゲット対象(30)の前記相対的な位置が、前記死角スポット警告デバイスによって反射される光の振幅および光の位相を、前記画像のうちの1つが示されるように決定する、請求項4または6に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項9】
前記警告の前記位置依存の知覚可能性は、前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)の外側に前記ターゲット対象(30)がある場合に、前記画像を見ることを妨げる少なくとも1つの光遮蔽要素に基づく、請求項3に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項10】
前記光遮蔽要素は、マイクロルーバー層(46,48)である、請求項9に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項11】
前記光遮蔽要素は、前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)の外側に前記ターゲット対象(30)がある場合に前記画像を見ることを妨げる、好ましくは前記デバイスの周囲に配された少なくとも1つのブラインドである、請求項9に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光遮蔽要素は、前記ホスト乗り物の死角スポットの境界に対する較正のために機械的に、かつ/または電気的に調整可能であり、それにおいて好ましくは、前記ブラインドおよび/またはマイクロルーバー(46,48)が調整可能である、請求項9乃至11のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項13】
前記死角スポット警告デバイスは、受動的なデカルコマニアであり、好ましくはそれが、接着または磁石によって前記乗り物の外側に取り付け可能である、請求項1乃至12のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項14】
前記デカルコマニアは、蛍光材料および/または反射材料および/または燐光性材料および/または化学発光性材料から作られる、請求項13に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項15】
前記デバイスは照明可能であり、好ましくは背面からそれが可能であり、かつ/または好ましくはLEDによって、および/または、エレクトロルミネセンス・シート、エレクトロルミネセンス・パネル、および/またはエレクトロルミネセンス・ワイヤ等のエレクトロルミネセンス素子によってそれが可能である、請求項13または14に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、コンピュータ表示器である、請求項1乃至15のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項17】
前記デバイスは、前記ターゲット対象(30)が前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)内にあるか、またはそれに近いときにのみ聴覚の警報が前記ターゲット対象(30)にとって可聴となるように前記聴覚の警報を指向する音響デバイスである、請求項1に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項18】
前記警告の前記位置依存の知覚可能性は、超音波トランスデューサ・アレイ・テクノロジーに基づく、請求項17に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項19】
前記警告の前記位置依存の知覚可能性は、指向性ラウドスピーカに基づく、請求項17または18に記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項20】
前記警告の前記位置依存の知覚可能性は、パラボラ・ラウドスピーカに基づく、請求項17乃至19のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項21】
前記警告の前記位置依存の知覚可能性は、ラウドスピーカのフェーズド・アレイ・テクノロジーに基づく、請求項17乃至20のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項22】
前記デバイスは、さらに、前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)内に入りつつあるか、またはそれに近づいているターゲット対象(30)の検出時に前記デカルコマニアの照明および/または前記コンピュータ表示器の付勢および/または前記音響デバイスの付勢が実行されるようにコントロールされるべく適合される、請求項15乃至21のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項23】
前記死角スポット警告デバイスが、さらに、請求項2乃至16のいずれかに記載の光学警告デバイスを包含する、請求項17乃至22のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項24】
前記ホスト乗り物(10)の前記死角スポット境界に対する前記較正は、備え付けの間において一度実行される、請求項1乃至23のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項25】
前記ホスト乗り物(10)の前記死角スポット境界における変化が予測されるとき、特に、前記乗り物が走行している車線幅における変化に依存して予測される場合に、前記較正がマニュアルで、または自動的に実行される、請求項1乃至24のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項26】
前記死角スポット警告デバイスは、各乗り物または実質的に類似する死角スポット・ゾーンを有する各タイプの乗り物のために個別に製造される、請求項1乃至25のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項27】
前記乗り物は、乗り物とトレーラの組み合わせ、特にトラックとトレーラの組み合わせであり、前記乗り物とトレーラの組み合わせに変更がある場合に前記較正がマニュアルで、または自動的に実行される、請求項1乃至26のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項28】
前記乗り物が、トラック、自動車、バス、建設機械、農業機械、列車、船舶、または乗り物とトレーラの組み合わせ、たとえばトラックとトレーラの組み合わせ、自動車とトレーラの組み合わせ、特に自動車とキャンピング・トレーラの組み合わせ、バスとトレーラの組み合わせ、特にバスと長距離客車の組み合わせ、またはトレーラまたは作業機械を牽引している農業機械の構成であり、かつ/または前記ターゲット対象(30)が、別の道路使用者、たとえば別の乗り物、自転車の乗り手、または歩行者である、請求項1乃至27のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス。
【請求項29】
請求項1乃至28のいずれかに記載の死角スポット警告デバイス、および前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)内におけるターゲット対象の存在を検出するための少なくとも1つの検出器要素を包含する乗り物内に搭載するための死角スポット警告システムであって、好ましくはさらに、前記ホスト乗り物(10)の前記少なくとも1つの死角スポットのゾーン(1乃至8)に入りつつあるか、または近づきつつある前記ターゲット対象(30)の検出時に知覚可能となるべく前記死角スポット警告デバイスをコントロールするためのコントローラを包含する死角スポット警告システム。
【請求項30】
前記死角スポット対象検出システムは、対象を検出するための少なくとも1つのセンサ、特にカメラおよび/またはレーダ・センサを包含する、請求項28に記載の死角スポット警告システム。
【請求項31】
少なくとも1つのホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にあるターゲット対象を検出するための死角スポット対象検出システムおよび死角スポット警告デバイスを包含するホスト乗り物(10)のための死角スポット警告システムであって、前記死角スポット警告デバイスは、ターゲット対象(30)が前記少なくとも1つのホスト乗り物の死角スポット・ゾーン(1乃至8)内にあることが検出されたときに警告を表示するために前記死角スポット対象検出システムによってコントロールされ、それにおいて前記死角スポット警告デバイスが、前記少なくとも1つのホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にある対象の検出時に表示されるべく前記死角スポット対象検出システムによってコントロールされる機械的デバイスであることを特徴とする死角スポット警告システム。
【請求項32】
前記機械的デバイスは、前記ホスト乗り物の死角スポット・ゾーン内にある対象の検出時に延びるか、または飛び出る警告標識を伴った機械的なアームである、請求項31に記載の死角スポット警告システム。
【請求項33】
少なくとも1つのホスト乗り物の死角スポット・ゾーン(1乃至8)内にあるターゲット対象を検出するための死角スポット対象検出システムを包含するホスト乗り物(10)のための死角スポット警告システムであって、前記ターゲット対象(30)が、外部ソースから信号を受信するべく適合された内部インターフェースを包含すること、および前記死角スポット警告システムが、前記ホスト乗り物の少なくとも1つの死角スポット・ゾーン(1乃至8)内において前記ターゲット対象(30)を検出すると前記ターゲット対象(30)の内部インターフェースに対して警告信号を送信するべく適合されることを特徴とする死角スポット警告システム。
【請求項34】
前記ターゲット対象(30)は乗り物であり、前記ターゲット対象(30)の内部インターフェースは、情報表示器、テルテール・ライト、サウンド・システム、および/または運転者援助システムであり、好ましくは、聴覚、視覚、および/または触覚の警告を提供するためのものである、請求項33に記載の死角スポット警告システム。
【請求項35】
前記死角スポット警告システムは、交通安全のための無線コンピュータ・ネットワーク、グローバル・ポジショニング・システム、無線データ・システム、またはそれらの類を経由して、前記ターゲット対象(30)のインターフェースに対して警告信号を送信するべく適合される、請求項33または34に記載の死角スポット警告システム。
【請求項36】
さらに、前記少なくとも1つのホスト乗り物(10)の死角スポット・ゾーン内にある対象(30)の検出時に前記ホスト乗り物(10)上で表示されるべく前記死角スポット対象検出システムによってコントロールされる機械的デバイスである死角スポット警告デバイスを包含し、それにおいて好ましくは前記機械的デバイスが、前記ホスト乗り物(10)の死角スポット・ゾーン内にある対象の検出時に延びるか、または飛び出る警告標識を伴った機械的なアームである、請求項33、34、または35に記載の死角スポット警告システム。
【請求項37】
前記死角スポット対象検出システムは、対象を検出するための少なくとも1つのセンサ、特にカメラおよび/またはレーダ・センサを包含する、請求項31乃至36のいずれかに記載の死角スポット警告システム。
【請求項38】
前記ホスト乗り物(10)が、さらに、請求項1乃至30のいずれかに記載の死角スポット警告デバイスを少なくとも1つ備える、請求項31乃至37のいずれかに記載の死角スポット警告システム。
【請求項39】
請求項1乃至28のいずれかに記載の死角スポット警告デバイスおよび/または請求項29乃至38のいずれかに記載の死角スポット警告システムを有する乗り物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−517583(P2013−517583A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549967(P2012−549967)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/SE2011/000006
【国際公開番号】WO2011/090417
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(502196511)ボルボ テクノロジー コーポレイション (52)
【Fターム(参考)】