説明

残ガス廃棄機構

【課題】 取扱い性に優れた残ガス廃棄機構を提供する。
【解決手段】 残ガス廃棄機構20は、押ボタン15の外周16に180度対称に一対の突起21を設けるとともに、押ボタン15の頂部15aにスリット22を設け、キャップ18の内周18aに、一対の突起21を案内する傾斜状の案内面25をそれぞれ設け、スリット22を用いて押ボタン15を回して一対の突起21を各案内面25に沿って案内することにより、押ボタン15をエアゾール式缶本体11に向けて押し込むように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押ボタンを押圧することによりエアゾール式缶内のガスを噴射するエアゾール容器の残ガス廃棄機構に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール缶の頂部に備えた押ボタンを押圧することにより、エアゾール式缶内のガスを噴射するエアゾール容器が使用されている。
このエアゾール容器は、一般に、使い切った場合でも、使用済みエアゾール容器に内容物放出用のガスが残っていることが多い。このため、使用済みのエアゾール容器を廃棄する際に、残留ガスを簡単な手間で放出できる残ガス廃棄機構が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−168356号公報
【0003】
上記特許文献の残ガス廃棄機構によれば、押ボタンと一体に形成したガス抜きモード設定用レバーをキャップの外周面に露出させ、このガス抜きモード設定用レバーを少し押し下げてから反時計回り方向に回動することにより、ガス抜きモード設定用レバーの梁状片部がテーパ面に案内されてガス抜きモード設定用レバーが容器本体に向けて移動する。
これにより、ガス抜きモード設定用レバーとともに、押ボタンが容器本体に向けて移動し、押ボタンでステムを容器本体内に押し下げて容器本体内の残留ガスを放出する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献の残ガス廃棄機構では、ガス抜きモード設定用レバーがキャップの外周面に露出している。
このため、通常の使用時に、ガス抜きモード設定用レバーが邪魔になる場合や、誤操作を起こす場合があり、取扱い性の観点から改良の余地が残されていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、取扱い性に優れた残ガス廃棄機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の残ガス廃棄機構は、エアゾール缶本体の頂部のステムに押ボタンを連結し、該押ボタンの外周を覆うキャップをエアゾール式缶本体に設たエアゾール容器の残ガス廃棄機構において、
前記押ボタンの外周に180度対称に一対の突起を設けるとともに、押ボタンの頂部にスリットを設け、前記キャップの内周に、前記一対の突起を案内する傾斜状の案内面を設け、前記スリットを用いて押ボタンを回して前記一対の突起を各案内面に沿って案内することにより、押ボタンを前記エアゾール缶本体に向けて押し込むように構成したことを特徴とする。
【0007】
押ボタンの外周に突起を設けるとともに、キャップの内周に、突起を案内する傾斜状の案内面を少なくとも一方に設け、さらに、押ボタンの頂部にスリットを設けた。
このスリットを用いて押ボタンを回して突起を案内面に沿って案内することにより、押ボタンをエアゾール式缶本体に向けて押し込む。
スリットは凹状の溝であり、押ボタンの頂部に設けても、通常の使用状態において、押ボタンを押し下げる際に邪魔になることがなく、さらに、誤操作を起こす虞もない。
【0008】
さらに、スリットを設けることで、常に身近に備えているコインなどをスリットに差し込んで、押ボタンを簡単に回すことができる。このため、押ボタンを回すためにドライバーなどを用意する必要がない。
【0009】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、前記押ボタンを前記エアゾール缶本体に向けて押し込んだ状態に突起を保持する戻り防止手段を、前記案内面の少なくとも一方に備えたことを特徴とする。
【0010】
案内面に戻り防止手段を備えることで、戻り防止手段で突起が案内面に沿ってエアゾール缶本体から離れる方向に移動することを防ぐ。
これにより、突起を、残留ガスを放出する位置に確実に保持することが可能になり、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
【0011】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、前記押ボタンを前記エアゾール式缶本体に向けて押し込んだ状態に突起を保持する係止突起を、前記案内面の少なくとも一方に備えたことを特徴とする。
【0012】
案内面に係止突起を備えることで、係止突起で突起が案内面に沿ってエアゾール式缶本体から離れる方向に移動することを防ぐ。
これにより、突起を、残留ガスを放出する位置に確実に保持することが可能になり、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
【0013】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、通常の使用状態において、突起が案内面に侵入することを防ぐ誤操作防止突起を、前記案内面に備えたことを特徴とする。
【0014】
案内面に誤操作防止突起を備えることで、通常の使用時に、突起が案内面側に侵入することを防ぐ。
これにより、通常の使用時に、押ボタンを円滑に押し下げることが可能になり、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
【0015】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、通常の使用状態において、突起がキャップから抜け出すことを防ぐ抜け防止部を、前記キャップに備えたことを特徴とする。
【0016】
キャップに抜け防止部を備えることで、通常の使用時に、押ボタンが上方に抜け出すことを防ぎ、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
加えて、抜け防止部で突起を覆うことが可能になり、意匠性の向上を図ることができる。
【0017】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、前記スリットは両端部のうちの、一端部に矢印が形成されたことを特徴とする。
【0018】
スリットの一端部に矢印を形成することで、この矢印を、例えば押ボタンの噴出口に合わせることで、矢印で噴出口の位置を確認することが可能になり、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
【0019】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、前記スリットは、側断面の溝形状が湾曲状または角形状に形成されたことを特徴とする。
【0020】
スリットの溝形状を湾曲状または角形状とすることで、例えば、スリットに、コインをドライバーの代わりに差し込んだ際に、コインの外周がスリットの底部に当接する。
これにより、コインの外周をスリットの底部で確実に支え、コインで押ボタンを簡単に回すことが可能になり、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
【0021】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、前記突起の形状は断面形状が略丸形であることを特徴とする。
【0022】
突起の断面形状を略丸形にすることで、突起を案内面に沿って円滑に移動し、押ボタンを簡単に回すことが可能になり、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
【0023】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、前記キャップと押ボタンとをブリッジで連結した状態に一体形成し、形成後にブリッジを切断してキャップと押ボタンを切り離したことを特徴とする。
【0024】
キャップと押ボタンを一体形成することで、設備を一つに纏めることが可能になり、設備費を抑えることができる。
加えて、キャップと押ボタンを一体形成することで、生産性の向上を図ることができる。
【0025】
また、本発明の残ガス廃棄機構は、ブリッジを切断して前記キャップと押ボタンとを切り離した際に、押ボタンに残ったブリッジの一部を、前記一対の突起として用いたことを特徴とする。
【0026】
キャップと押ボタンを切り離した際に押ボタンに残ったブリッジの一部を、突起として用いることで、押ボタンに突起を設ける必要がなく、成形型の簡素化を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、押ボタンの頂部にスリットを設け、スリットを用いて押ボタンを回すことで、押ボタンを押し下げる際に邪魔になることや、誤操作を起こす虞がなく、取扱い性に優れた残ガス廃棄機構を提供することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に示すように、エアゾール容器10は、エアゾール式缶本体11の頂部中央(頂部)12からバルブ(図示せず)のステム13を突出させ、ステム13に押ボタン15を連結し、押ボタン15の頂部15aに窪み15bを形成し、押ボタン15の外周16を覆うキャップ18をエアゾール式缶本体11の頂部外周19に備える。
押ボタン15の頂部15aに窪み15bを形成することで、押ボタン15の頂部15aが押圧し易くなる。
【0029】
このエアゾール容器10は、エアゾール式缶本体11の残ガスを放出する手段として、第1実施の形態に係るエアゾール容器の残ガス廃棄機構20を備える。
【0030】
エアゾール容器の残ガス廃棄機構20は、図2に示すように、押ボタン15の外周16に180度対称に一対の突起21(図1も参照)を設けるとともに、押ボタン15の頂部15aにスリット22(図1も参照)を設け、キャップ18の内周18aに、一対の突起21を案内する傾斜状の案内面25(図3も参照)をそれぞれ設け、スリット22を用いて押ボタン15を回して一対の突起21を各案内面25に沿って案内することにより、押ボタン15をエアゾール式缶本体11(図1参照)に向けて押し込むように構成したものである。
【0031】
突起21は、図3に示すように、断面形状が略丸形に形成されている。
また、スリット22は、図1に示すように、押ボタン15の噴出口15cの上方に一端部22aが位置し、噴出口15cからのガスの噴き出し方向と平行に形成されている(図2も参照)。
さらに、案内面25は、図3に示すように、上端25aが鉛直ガイド溝26に臨み、上端25aから下端25bに向けて徐々に下降するように、下り勾配に形成されている。
【0032】
図1に示すエアゾール容器10によれば、通常の使用状態において、エアゾール式缶本体11に向けて押ボタン15の頂部15aを上方から押圧することにより、一対の突起21が鉛直ガイド溝26に沿って矢印A方向(図3参照)に下降する。
【0033】
これにより、ステム13を、待機位置(図1の位置)に保持する復元用のばね部材(図示せず)のばね力に抗してエアゾール式缶本体11内に押し込む。
ステム13のガス噴射口13aからエアゾール式缶本体11内のガスを噴射し、噴射したガスを押ボタン15の流路15aを経て噴出口15cから外部に噴き出す。
【0034】
一方、エアゾール容器10を廃棄する際には、残ガス廃棄機構20を用いてエアゾール式缶本体11内の残留ガスを放出する。以下、残ガス廃棄機構20の使用例について説明する。
すなわち、先ず、図1に示すように、スリット22に、例えばコイン27を、ドライバーの代わりに差し込み、コイン20の外周をスリット22の底部22bに当接する。
【0035】
次に、図2に示すように、コイン27で押ボタン15を矢印B方向に回して突起21を案内面25の上端25aから下端25bまで案内面25に沿って矢印C方向(図3も参照)に案内する。
突起21を案内面25に沿って下端25bまで案内することで(図3参照)、押ボタン15をエアゾール式缶本体11に向けて押し込み、ステム13を噴射位置まで押し込む。
【0036】
この状態において、前記復元用のばね部材(図示せず)のばね力で、一対の突起21を案内面25の下端25bに押し付ける。
突起21と案内面25の下端25bとに摩擦力が生じ、この摩擦力で、一対の突起21を案内面25の下端25bに保持できる。
これにより、ステム13を噴射位置まで押し込んだ状態に保持し、エアゾール式缶本体11内の残留ガスを放出する。
【0037】
ここで、スリット22は、側断面の溝形状が湾曲状(図1参照)または角形状(図4参照)に形成されている。
これにより、例えば、図1、図4に示すように、スリット22にコイン27を差し込んだ際に、コイン27の外周がスリット22の底部22bに当接する。
コイン27の外周をスリット22の底部22bで確実に支え、コイン27で押ボタン15を簡単に回すことが可能になる。
【0038】
さらに、コインの形状にあったスリット22を設けることで、常に身近に備えているコインなどを利用して、押ボタン15を簡単に回すことができる。このため、押ボタン15を回すためにドライバーなどを用意する必要がない。
【0039】
加えて、突起21は、図3に示すように、断面形状が略丸形に形成されている。突起21の断面形状を略丸形にすることで、突起21を案内面に沿って円滑に移動し、押ボタン15をより一層簡単に回すことが可能になる。
【0040】
また、スリット22は、図5に示すように、凹状の溝であり、押ボタン15の頂部15aに設けても、通常の使用状態において、押ボタン15を押し下げる際に邪魔になることがなく、さらに、誤操作を起こす虞もない。
【0041】
次に、残ガス廃棄機構20の製造方法について説明する。
残ガス廃棄機構20としては、キャップ18と押ボタン15とを個別に形成することが第1の製造方法である。
また、第2の製造方法として、キャップ18と押ボタン15とを、複数個(図では3個)のブリッジ28(図2参照)で連結した状態に一体形成し、形成後にブリッジ28を切断してキャップ18と押ボタン15を切り離すことも可能である。
【0042】
キャップ18と押ボタン15を一体形成することで、設備を一つに纏めることが可能になり、設備費を抑えることができる。
加えて、キャップ18と押ボタン15を一体形成することで、生産性の向上を図ることができる。
【0043】
さらに、ブリッジ28を切断してキャップ18と押ボタン15とを切り離した際に、押ボタン15側に残ったブリッジ28の一部を、一対の突起15として用いることも可能である。
これにより、押ボタン15に、個別に突起15を設ける必要がなく、成形型の簡素化を図ることができる。
【0044】
変形例
第1実施の形態の残ガス廃棄機構20は、スリット22を平面視において直線上に形成した例について説明したが、図6に示すように、スリット22の両端部のうちの、押ボタン15の噴出口15c(図1も参照)の上方に位置する一端部22aに矢印29を形成することも可能である。
【0045】
第1実施の形態の変形例によれば、スリット22の一端部22aに矢印29を形成することで、この矢印29を、例えば押ボタン15の噴出口15cに合わせることで、矢印29で噴出口15cの位置を確認することが可能になり、取扱い性のより一層の向上を図ることができる。
【0046】
次に、第2〜第6実施の形態を図7〜図11に基づいて説明する。なお、第2〜第6実施の形態において、第1実施の形態と同一類似部材については同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
第2実施の形態
図7(A),(B)に示す第2実施の形態の残ガス廃棄機構40は、案内面25の下端25b近傍に戻り防止手段41を備えた点で第1実施の形態の残ガス廃棄機構20と異なるだけで、その他の構成は第1実施の形態の残ガス廃棄機構20と同じである。
【0048】
戻り防止手段41は、案内面25の下端25bに、案内面25に対して逆方向に傾斜された部位である。
戻り防止手段41を設けることで、突起21を案内面25の下端25bまで移動したとき、突起21を案内面25の下端25bに保持する。
これにより、押ボタン15をエアゾール式缶本体11(図1参照)に向けて押し込んだ状態に確実に保つことができる。
【0049】
以上説明したように、第2実施の形態の残ガス廃棄機構40によれば、案内面25の下端25a近傍に戻り防止手段41を備えることで、突起21を、残留ガスを放出する位置に確実に保持することが可能になる。
【0050】
第3実施の形態
図8(A),(B)に示す第3実施の形態の残ガス廃棄機構50は、案内面25の下端25b近傍に係止突起51を備えた点で第1実施の形態の残ガス廃棄機構20と異なるだけで、その他の構成は第1実施の形態の残ガス廃棄機構20と同じである。
【0051】
係止突起51は、案内面25の下端25b近傍に、案内面25から下方に突出させた凸部である。
係止突起51は、突起21を案内面25の下端25bまで移動する際に、突起21が乗り越えるように形成されている。
【0052】
係止突起51を設けることで、突起21を案内面25の下端25bまで移動したとき、突起21を係止突起51を超えて案内面25の下端25bに保持する。
これにより、押ボタン15をエアゾール式缶本体11(図1参照)に向けて押し込んだ状態に確実に保つことができる。
【0053】
以上説明したように、第3実施の形態の残ガス廃棄機構50によれば、案内面25の下端25a近傍に係止突起51を備えることで、突起21を、残留ガスを放出する位置に確実に保持することが可能になる。
【0054】
第4実施の形態
図9(A),(B)に示す第4実施の形態の残ガス廃棄機構60は、案内面25の上端25aに誤操作防止突起61を備えた点で第2実施の形態の残ガス廃棄機構40と異なるだけで、その他の構成は第4実施の形態の残ガス廃棄機構40と同じである。
【0055】
誤操作防止突起61は、案内面25の上端25aに、案内面25から下方に突出させた凸部である。
誤操作防止突起61を設けることで、通常の使用状態において、押ボタン15を押圧して突起21を、鉛直ガイド溝26に沿って矢印A方向に下降させた際に、突起21が案内面25に簡単には侵入することを防ぐことができる。
【0056】
第4実施の形態の残ガス廃棄機構60によれば、案内面25の上端25aに誤操作防止突起61を備えることで、通常の使用時に、押ボタン15を円滑に押し下げることが可能になる。
【0057】
第5実施の形態
第4実施の形態の残ガス廃棄機構60では、第2実施の形態の残ガス廃棄機構40に誤操作防止突起61を備えた例について説明したが、図10に示す第5実施の形態の残ガス廃棄機構70のように、第3実施の形態の残ガス廃棄機構50に誤操作防止突起61を備えることも可能である。
【0058】
第5実施の形態の残ガス廃棄機構70によれば、第4実施の形態の残ガス廃棄機構60と同様に、案内面25の上端25aに誤操作防止突起61を備えることで、通常の使用時に、押ボタン15を円滑に押し下げることが可能になる。
【0059】
第6実施の形態
図11(A),(B)に示す第6実施の形態の残ガス廃棄機構80は、鉛直ガイド溝26の上端26aに抜け防止部81を備えた点で第1実施の形態の残ガス廃棄機構20と異なるだけで、その他の構成は第1実施の形態の残ガス廃棄機構20と同じである。
【0060】
抜け防止部81は、キャップ18に形成した鉛直ガイド溝26の上端26aに設けることで、通常の使用状態において、突起21が矢印D方向に上昇した際に、突起21がキャップ18から抜け出すことを防ぐ部材である。
【0061】
第6実施の形態の残ガス廃棄機構80によれば、鉛直ガイド溝26の上端26aに抜け防止部81を備えることで、通常の使用時において、取扱い性の向上が図れる。
加えて、外部から突起21が見えないように、抜け防止部81で突起21を隠すことが可能になり、意匠性が向上する。
【0062】
なお、前記実施の形態では、突起21の断面形状を略丸形に形成した例について説明したが、これに限らないで、その他の例として、四角形、三角形や半円弧形にすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の残ガス廃棄機構は、押ボタンを押圧することによりエアゾール式缶内のガスを噴射するエアゾール容器への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る第1実施の形態の残ガス廃棄機構を示す断面図である。
【図2】第1実施の形態に係る残ガス廃棄機構を示す平面図である。
【図3】図2のX1−Y1線断面図である。
【図4】第1実施の形態に係る残ガス廃棄機構のその他の例を示す説明図である。
【図5】第1実施の形態に係る残ガス廃棄機構のスリットを示す断面図である。
【図6】第1実施の形態に係る残ガス廃棄機構の変形例を示す説明図である。
【図7】(A)は第2実施の形態に係る残ガス廃棄機構を示す平面図、(B)は(A)のX2−Y2線断面図である。
【図8】(A)は第3実施の形態に係る残ガス廃棄機構を示す平面図、(B)は(A)のX3−Y3線断面図である。
【図9】(A)は第4実施の形態に係る残ガス廃棄機構を示す平面図、(B)は(A)のX4−Y4線断面図である。
【図10】第5実施の形態に係る残ガス廃棄機構を示す断面である。
【図11】(A)は第6実施の形態に係る残ガス廃棄機構を示す平面図、(B)は(A)のX5−Y5線断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 エアゾール容器
11 エアゾール式缶本体
12 エアゾール式缶本体の頂部中央(頂部)
13 ステム
13a ガス噴射口
15 押ボタン
16 押ボタンの外周
15a 押ボタンの頂部
18 キャップ
18a キャップの内周
20,40,50,60,70,80 残ガス廃棄機構
21 突起
22 スリット
22a 一端部
25 案内面
28 ブリッジ
29 矢印
41 戻り防止手段
51 係止突起
61 誤操作防止突起
81 抜け防止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール缶本体の頂部のステムに押ボタンを連結し、該押ボタンの外周を覆うキャップをエアゾール式缶本体に設たエアゾール容器の残ガス廃棄機構において、
前記押ボタンの外周に180度対称に一対の突起を設けるとともに、押ボタンの頂部にスリットを設け、
前記キャップの内周に、前記一対の突起を案内する傾斜状の案内面を設け、
前記スリットを用いて押ボタンを回して前記一対の突起を各案内面に沿って案内することにより、押ボタンを前記エアゾール缶本体に向けて押し込むように構成したことを特徴とする残ガス廃棄機構。
【請求項2】
前記押ボタンを前記エアゾール缶本体に向けて押し込んだ状態に突起を保持する戻り防止手段を、前記案内面の少なくとも1方に備えたことを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項3】
前記押ボタンを前記エアゾール缶本体に向けて押し込んだ状態に突起を保持する係止突起を、前記案内面の少なくとも一方に備えたことを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項4】
通常の使用状態において、突起が案内面に侵入することを防ぐ誤操作防止突起を、前記案内面の少なくとも一方に備えたことを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項5】
通常の使用状態において、突起がキャップから抜け出すことを防ぐ抜け防止部を、前記キャップに備えたことを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項6】
前記スリットは両端部のうちの、一端部に矢印が形成されたことを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項7】
前記スリットは、側断面の溝形状が湾曲状または角形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項8】
前記突起の形状は断面形状が略丸形であることを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項9】
前記キャップと押ボタンとをブリッジで連結した状態に一体形成し、形成後にブリッジを切断してキャップと押ボタンを切り離すことを特徴とする請求項1記載の残ガス廃棄機構。
【請求項10】
ブリッジを切断して前記キャップと押ボタンとを切り離した際に、押ボタンに残ったブリッジの一部を、前記一対の突起として用いることを特徴とする請求項9記載の残ガス廃棄機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−143282(P2006−143282A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336562(P2004−336562)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000141118)株式会社丸一 (47)
【Fターム(参考)】