説明

残留ラジアル内部すきま測定装置

【課題】ゲージ本体の自重による円筒度の悪化を抑制して、残留ラジアル内部すきまの設定誤差を極力小さくすることができる残留ラジアル内部すきま測定装置を提供する。
【解決手段】残留ラジアル内部すきま測定装置10は、開口部12側及びスリット部13側でゲージ本体11の底面と対向し、ゲージ本体11を支持する一対の台座17,18を備え、ゲージ本体11の内周面を、内輪に組み込まれた複数の円筒ころに外嵌して、該複数の円筒ころの外接円径を測定する。一対の台座17,18は、スリット部13の円周方向中間位置とゲージ本体11の中心Oとを通過する仮想線S1上に沿ってゲージ本体11を切断した場合の一方の半円環部分11bの重心位置G1及び他方の半円環部分11cの重心位置G2より当該仮想線S1から離れた円弧部17c,17d,18c,18dを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、工作機械の主軸、回転テーブルや主軸旋回機構部、印刷機の回転支持部等に用いられる円筒ころ軸受の組込み時の残留ラジアル内部すきまを測定する残留ラジアル内部すきま装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、NC旋盤やマシニングセンタ等の工作機械の主軸装置において、特に剛性が必要とされる場合、図5に示すように、ハウジング101と主軸102との間に複列円筒ころ軸受103(或いは単列円筒ころ軸受)が使用される。
【0003】
この円筒ころ軸受103は、内輪104と主軸102との嵌め合い面がテーパ面となっており、内輪104を主軸102に嵌合した後、内輪104をテーパ面の大径側に移動させることで、円筒ころ105の外接円径がテーパ面により押し広げられて大きくなる。この状態での円筒ころ105の外接面と外輪106の内周面とのすきまが残留ラジアル内部すきまとなる。
【0004】
残留ラジアル内部すきまは、通常、軸受の組み立て後にダイヤルゲージやシム等の治具で測定されるが、NC旋盤等の工作機械では負すきまで使用されることが多く、これらの治具では負すきまは測定することができない。このため、残留ラジアル内部すきまの測定には、円筒ころの外接円径を直接測定することができる残留ラジアル内部すきま測定装置が使用されている(例えば、非特許文献1および特許文献1参照)。
【0005】
この残留ラジアル内部すきま測定装置110は、図6に示すように、円環状のゲージ本体111を備えている。ゲージ本体111には、円周方向の一部が切断された開口部112が形成されるとともに、ゲージ本体111の中心に対して開口部112と反対側で、内周面に開口し、該内周面から外周面に向けて延び、且つ、外径側で円周方向両側に略直線状に延びる略T字状のスリット部113が形成されている。
【0006】
また、ゲージ本体111には、開口部112の円周方向の間隔を調整するセットスクリュー114と、ゲージ本体111の内径寸法を表示するダイヤルゲージ115と、このダイヤルゲージ115の指針を調整するダイヤルゲージ指針調整ボルト116とが設けられている。セットスクリュー114を締め込むことでゲージ本体111が径方向外方に弾性変形して開口部112の円周方向の間隔が広がり、セットスクリュー114を緩めることでゲージ本体111の弾性復元力により開口部112の円周方向の間隔が狭まる(元に戻る)ようになっている。
【0007】
さらに、開口部112側及びスリット部113側には、ゲージ本体111の底面と対向し、ゲージ本体111を支持する一対の台座117,118が設けられており、各台座117,118には、径方向外方に延びるホルダー119が取り付けられている。
【0008】
そして、残留ラジアル内部すきまを測定するには、図7を参照して、まず、ハウジング101に嵌め込まれた外輪106の内径寸法Aをシリンダゲージ120(図8参照。)を用いて測定する(図7(a)参照)。次いで、図7(b)に示すように、測定装置110の内周面にシリンダゲージ120をあて、測定装置110のセットスクリュー114を回してゲージ本体111の内径寸法A′が外輪106の内径寸法Aになるように調整して外輪106の内径寸法Aを写し取る。この状態で、ダイヤルゲージ指針調整ボルト116を回してダイヤルゲージ115の指針を基準値に設定する。
【0009】
次に、図7(c)に示すように、主軸102に嵌合された内輪104に組み込まれた複数の円筒ころ105にゲージ本体111の内周面を外嵌した後、セットスクリュー114を緩めて、内径が広がったゲージ本体111をその弾性復元力によって元に戻し、ゲージ本体111の内周面が円筒ころ105に接するようにクランプする。そして、この状態でのダイヤルゲージ115の指針値Bと前記基準値とを比較することにより、図7(d)に示すように、円筒ころ軸受103の組込み時の残留ラジアル内部すきまを測定することができ、この測定値に基づいて、要求される適正なすきま(正のすきま、負のすきまを問わず)に調整する。
【0010】
また、特許文献1に記載の測定装置では、ゲージ本体の周方向全周に沿って断面凹形状の周溝を形成して軽量化を図るとともに、この周溝と略T字状のスリット部とを繋げて、スリット部の応力の分散を図っている。
【0011】
【非特許文献1】日本精工株式会社 カタログ精密転がり軸受CAT.No.1254 2002 E−10 PAGE114〜115,184〜185
【特許文献1】特開2007−212432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記従来の残留ラジアル内部すきま測定装置では、図7(a)及び図7(b)に示すように、ハウジング101に嵌め込まれた外輪106の内径寸法Aをシリンダゲージ120を用いてゲージ本体111の内周面に写し取る作業の際に、作業を容易にするため等の理由で、ゲージ本体111を縦置き(径方向が鉛直方向)ではなく、横置き(径方向が水平方向)で行なうことがある。
【0013】
この場合、ゲージ本体111は、開口部112やスリット部113のために曲げ剛性が低下しており、図8に示すように、開口部112とスリット部113によって二分されるゲージ本体111の各半円環部分の重心位置G1,G2が台座117,118の外側に位置するため、ゲージ本体111が自重によって台座117,118上で撓んでしまう。この結果、ゲージ本体111の内周面の円筒度が悪化(ゲージ本体111の内周面の上端寸法>下端寸法のようにゲージ本体111に数μmの傾斜が発生)して、シリンダゲージ120の測定値がばらつき、外輪106の内径寸法Aをゲージ本体111の内周面に写し取る際に誤差が発生してしまう。
【0014】
図5に示すような工作機械の場合、主軸102のラジアル方向の剛性は、円筒ころ軸受103によってほぼ確定し、かつ残留ラジアル内部すきまが正確に設定されているか否かによって大きく影響を受けるので、残留ラジアル内部すきまの設定誤差は極力小さくする必要がある(通常、残留ラジアル内部すきまの設定誤差は、2〜3μm以下、好ましくは1μm以下に抑えることが望ましい)。
【0015】
また、残留ラジアル内部すきま測定装置は、測定対象となる円筒ころ軸受のサイズや名番に合わせてそれぞれ必要となるが、サイズが大きくなるほど、測定装置自体も大きくなり、ゲージ本体の自重による円筒度の悪化が顕著になる。
【0016】
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、ゲージ本体を横置きにした際の該ゲージ本体の自重による円筒度の悪化を抑制して、残留ラジアル内部すきまの設定誤差を極力小さくすることができる残留ラジアル内部すきま測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 円周方向の一部が切断されて開口部が形成されるとともに、該開口部と反対側の位置で、内周面に開口し、該内周面から外周面に向けて延び、且つ、外径側で円周方向両側に延びる略T字状のスリット部が形成される略円環状のゲージ本体と、
該ゲージ本体の内径寸法を表示する測定器と、
前記開口部の円周方向の間隔を調整するセットスクリューと、
前記開口部側及び前記スリット部側で前記ゲージ本体の底面と対向し、前記ゲージ本体を支持する一対の台座と、を備え、
前記ゲージ本体の内周面を、円筒ころ軸受の内輪に組み込まれた複数の円筒ころに外嵌して、該複数の円筒ころの外接円径を測定する残留ラジアル内部すきま測定装置であって、
前記一対の台座は、前記スリット部の円周方向中間位置と前記ゲージ本体の中心とを通過する仮想線上に沿って該ゲージ本体を切断した場合の一方の半円環部分の重心及び他方の半円環部分の重心より当該仮想線から離れた補助部分を有することを特徴とする残留ラジアル内部すきま測定装置。
(2) 前記補助部分は、ホルダーが取り付けられる台座本体と一体に形成されることを特徴とする(1)に記載の残留ラジアル内部すきま測定装置。
(3) 前記補助部分は、ホルダーが取り付けられる台座本体と別体で、前記ゲージ本体の底面に取り付けられた補助台座であることを特徴とする(1)に記載の残留ラジアル内部すきま測定装置。
(4) 前記ゲージ本体の外周面の軸方向中央部には、周方向全周に沿って断面凹形状の周溝が形成されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の残留ラジアル内部すきま測定装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明の残留ラジアル内部すきま測定装置によれば、一対の台座は、スリット部の円周方向中間位置とゲージ本体の中心とを通過する仮想線上に沿ってゲージ本体を切断した場合の一方の半円環部分の重心及び他方の半円環部分の重心より当該仮想線から離れた補助部分を有するので、ゲージ本体を横置きにした際の該ゲージ本体の自重による円筒度の悪化を抑制することができ、これにより、残留ラジアル内部すきまの設定誤差を極力小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る残留ラジアル内部すきま測定装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
本実施形態の残留ラジアル内部すきま測定装置10は、図1に示すように、略円環状のゲージ本体11を備えている。ゲージ本体11には、円周方向の一部が切断された開口部12が形成されるとともに、ゲージ本体11の中心Oに対して開口部12と反対側で、内周面に開口し、該内周面から外周面に向けて延び、且つ、外径側で円周方向両側に略直線状に延びる略T字状のスリット部13が形成されている。
【0021】
図2に示すように、スリット部13とゲージ本体11の外周面との間には、薄肉部11aが形成されており、該薄肉部11aは、図7を参照して、ゲージ本体11の内周面を円筒ころ105に嵌合した際に、円筒ころ105の外接部に対して適正な測定荷重を加える板ばねとして機能する。薄肉部11aの径方向の厚みTが適正でないと、円筒ころ105の外接部に加える測定荷重が安定せず、測定誤差やころきず等が発生する。従って、本実施形態では、薄肉部11aの径方向の厚みTの精度ばらつきを抑えるため、スリット部13の加工後、ゲージ本体11の外周面を最終研磨加工にて平面に仕上げる。仕上げ平面研磨のための取り代は、スリット部13の加工時に残してある。
【0022】
図1に戻って、ゲージ本体11には、開口部12の円周方向の間隔を調整するセットスクリュー14と、ゲージ本体11の内径寸法を表示する測定器であるダイヤルゲージ15と、このダイヤルゲージ15の指針を調整するダイヤルゲージ指針調整ボルト16とが設けられている。セットスクリュー14を締め込むことでゲージ本体11が径方向外方に弾性変形して開口部12の円周方向の間隔が広がり、セットスクリュー14を緩めることでゲージ本体11の弾性復元力により開口部12の円周方向の間隔が狭まる(元に戻る)ようになっている。ここで、ゲージ本体11の内径寸法を表示する測定器としては、ダイヤルゲージの他、ミニメータ(ミクロメータ)や電気マイクロメータなどのいずれであってもよい。
【0023】
さらに、開口部12側及びスリット部13側には、ゲージ本体11の底面と対向し、ゲージ本体11を支持する一対の台座17,18が設けられており、各台座17,18には、ゲージ本体11の外周面から径方向外方に延びるホルダー19が取り付けられている。
【0024】
図1(b)に示すように、台座17,18は、側面視略L字状に形成されており、ホルダー19が取り付けられる取り付け部17a,18aと、取り付け部17a,18aから折り曲がって、ゲージ本体11の底面に向けて延び、開口部12またはスリット部13と軸方向にオーバーラップする略台形形状の台座基部17b,18bと、台座基部17b,18bから円周方向にそれぞれ連続して形成され、ゲージ本体11と略同心の補助部分としての円弧部17c,17d,18c,18dと、を備える。台座基部17b,18bと円弧部17c,17d,18c,18dは、略一様な厚さを有し、ゲージ本体11の底面と対向している。
【0025】
ここで、本実施形態では、スリット部13の円周方向中間位置とゲージ本体11の中心Oとを通過する仮想線S1上に沿って該ゲージ本体11を切断した場合において、一方の半円環部分11bの重心位置をG1、他方の半円環部分11cの重心位置をG2とする。この場合、円弧部17c,18cの先端部は、重心位置G1よりΔ1、Δ2だけそれぞれ仮想線S1から離れるように長く形成されている。また、円弧部17d、18dの先端部も、重心位置G2よりΔ3、Δ4だけそれぞれ仮想線S1から離れるように長く形成されている。
【0026】
これにより、ゲージ本体11を横置きにした際、ゲージ本体11が台座17,18によって撓みが抑制された状態で支持され、該ゲージ本体11の自重による円筒度の悪化を抑制することができる。なお、Δ1〜Δ4の値(正の値)は同一でも同一でなくてもよい。なお、残留ラジアル内部すきまを測定する方法については、既に図7で説明した内容と同様であるので、その説明を省略する。また、各台座17,18は、半円環部分11b,11cのいずれかの側で、ゲージ本体11に締結固定されていればよく、本実施形態では、いずれも他方の半円環部分11c側で固定されている。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の残留ラジアル内部すきま測定装置10によれば、一対の台座17,18は、スリット部13の円周方向中間位置とゲージ本体11の中心Oとを通過する仮想線S1上に沿ってゲージ本体11を切断した場合の一方の半円環部分11bの重心位置G1及び他方の半円環部分11cの重心位置G2より当該仮想線S1から離れた円弧部17c,17d,18c,18dを有するので、ゲージ本体11を横置きにした際の該ゲージ本体11の自重による円筒度の悪化を抑制することができ、これにより、残留ラジアル内部すきまの設定誤差を極力小さくすることができる。
【0028】
また、本実施形態の補助部分としての円弧部17c,17d,18c,18dは、ホルダー19が取り付けられる、取り付け部17a,18a及び台座基部17b,18bを含む台座本体と一体に形成されている。これにより、この台座17,18を従来の台座117,118と取り替えることで、従来の残留ラジアル内部すきま測定装置に本発明を適用することができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る残留ラジアル内部すきま測定装置について、図3を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と重複又は相当する部分については、図に同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
【0030】
本実施形態の残留ラジアル内部すきま測定装置20では、一対の台座17´,18´は、取り付け部17a,18aと台座基部17b,18bとを有するとともに、台座基部17b,18bから連続して形成され、ゲージ本体11の中心Oを通過して上述した仮想線S1と直交する他の仮想線S2と略平行に延びる補助部分としての直線部17e,17f,18e,18fを備える。台座基部17b,18bと直線部17e,17f,18e,18fは、略一様な厚さを有し、ゲージ本体11の底面と対向している。
【0031】
そして、この場合にも、直線部17e,18eの先端部は、重心位置G1よりΔ1、Δ2だけそれぞれ仮想線S1から離れるように長く形成されている。また、直線部17f、18fの先端部も、重心位置G2よりΔ3、Δ4だけそれぞれ仮想線S1から離れるように長く形成されている。これにより、ゲージ本体11を横置きにした際の該ゲージ本体11の自重による円筒度の悪化を抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態では、ゲージ本体11の外周面の軸方向中央部に、周方向全周に沿って断面凹形状の周溝21を形成している。これにより、軸基準の断面2次モーメントを確保(断面2次モーメント/断面積が大)しながら、ゲージ本体11を軽量化することができる。つまり、測定時のゲージ本体11の内周面に生じるいびつな変形(測定誤差の原因)やゲージ本体11の自重による傾斜等を極力小さくすることができる。
その他の構成及び作用は、上記第1実施形態のものと同様である。
【0033】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る残留ラジアル内部すきま測定装置について、図4を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と重複又は相当する部分については、図に同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
【0034】
本実施形態の残留ラジアル内部すきま測定装置30では、一対の台座17´´,18´´は、取り付け部17a,18aと、台座基部17b,18bと、上述した他の仮想線S2と略平行に延びる直線部17e´,17f´,18e´,18f´を備える台座本体と、この台座本体と別体で、他の仮想線S2上に位置する、一方の半円環部分11bの重心位置G1よりΔ1だけ仮想線S1から離れた補助部分としての補助台座31と、台座本体と別体で、他の仮想線S2上に位置する、他方の半円環部分11cの重心位置G2よりΔ3だけ仮想線S1から離れた補助部分としての補助台座32と、を有する。直線部17e´,17f´,18e´,18f´は、従来の台座117,118と同様に、重心位置G1,G2より仮想線S1寄りに配置されている。
【0035】
補助台座31,32は、台座基部17b,18bと直線部17e´,17f´,18e´,18f´と、略一様な厚さを有し、ゲージ本体11の底面に締結固定されている。これにより、ゲージ本体11を横置きにした際、ゲージ本体11が台座17´´,18´´と、補助台座31,32とによって撓みが抑制された状態で支持され、該ゲージ本体11の自重による円筒度の悪化を抑制することができる。また、補助台座31,32は、台座本体と別体に形成されるので、この補助台座31,32を取り付けることで、従来の残留ラジアル内部すきま測定装置に本発明を適用することができる。
【0036】
その他の構成及び作用効果は、上記第1及び第2実施形態と同様である。なお、補助台座31,32は、台座17´´,18´´毎に仮想線S2に対して両側に別々に設けてもよい(計4ヶ所)が、本実施形態のように、各台座17´´,18´´で共用して2箇所に配置するほうが、部品点数の観点から好ましい。
【0037】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係る残留ラジアル内部すきま測定装置を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図2】ゲージ本体の薄肉部を説明するための説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る残留ラジアル内部すきま測定装置を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る残留ラジアル内部すきま測定装置を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図5】工作機械の主軸装置の一例を示す断面図である。
【図6】従来の残留ラジアル内部すきま測定装置を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図7】残留ラジアル内部すきまの測定方法を説明するための説明図である。
【図8】ゲージ本体を横置きにした際に、該ゲージ本体が自重により撓んで円筒度が悪化する不具合を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0039】
10 残留ラジアル内部すきま測定装置
11 ゲージ本体
11b 一方の半円環部分
11c 他方の半円環部分
12 開口部
13 スリット部
14 セットスクリュー
15 ダイヤルゲージ
17,18,17´,18´,17´´,18´´ 台座
17c,17d,18c,18d 円弧部(補助部分)
17e,17f,18e,18f 直線部(補助部分)
21 周溝
31,32 補助台座(補助部分)
103 円筒ころ軸受
104 内輪
105 円筒ころ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周方向の一部が切断されて開口部が形成されるとともに、該開口部と反対側の位置で、内周面に開口し、該内周面から外周面に向けて延び、且つ、外径側で円周方向両側に延びる略T字状のスリット部が形成される略円環状のゲージ本体と、
該ゲージ本体の内径寸法を表示する測定器と、
前記開口部の円周方向の間隔を調整するセットスクリューと、
前記開口部側及び前記スリット部側で前記ゲージ本体の底面と対向し、前記ゲージ本体を支持する一対の台座と、を備え、
前記ゲージ本体の内周面を、円筒ころ軸受の内輪に組み込まれた複数の円筒ころに外嵌して、該複数の円筒ころの外接円径を測定する残留ラジアル内部すきま測定装置であって、
前記一対の台座は、前記スリット部の円周方向中間位置と前記ゲージ本体の中心とを通過する仮想線上に沿って該ゲージ本体を切断した場合の一方の半円環部分の重心及び他方の半円環部分の重心より当該仮想線から離れた補助部分を有することを特徴とする残留ラジアル内部すきま測定装置。
【請求項2】
前記補助部分は、ホルダーが取り付けられる台座本体と一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の残留ラジアル内部すきま測定装置。
【請求項3】
前記補助部分は、ホルダーが取り付けられる台座本体と別体で、前記ゲージ本体の底面に取り付けられた補助台座であることを特徴とする請求項1に記載の残留ラジアル内部すきま測定装置。
【請求項4】
前記ゲージ本体の外周面の軸方向中央部には、周方向全周に沿って断面凹形状の周溝が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の残留ラジアル内部すきま測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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