説明

段ばらしされた物体の経路を検出する、扁平物体の段ばらしするための装置

扁平物体を段ばらしするための装置(1)は、段ばらしされるべき物体(2)が、それの縁部によって、微動縁部(5)に抗して、かつ、第1の物体(2A)を分離しかつ微動縁部(5)に直角な段ばらし方向(A)に前記物体を運ぶように設けられる段ばらしプレート(4)に対向して積み重ねられるマガジン(3)と、微動縁部(5)から下流に入口(7A)を有する段ばらしされた物体のためのコンベヤ(7)と、微動縁部(5)とコンベヤの入口(7A)との間に配置され、物体(2A、2B)に対して物体の移動に対抗する保持力を加えるように制御される保持手段(8)とを含む。装置は、共に移動する複数の物体の存在を検出し、前記物体を分離するように前記検出に基づいて前記保持手段を制御するために、微動縁部とコンベヤとの間を移動する物体の経路を感知し、分析することができる検出装置(9、10)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平物品のスタックを、特にこれらを連続して並べこれらをコンベヤで連続して搬送するように、パンフレットなどの大判の郵便物や「平たい小包(flats)」のスタックを段ばらしする分野に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、扁平物品を段ばらしするためのアンスタッカ装置に関し、前記アンスタッカ装置は、
段ばらしされるべき扁平物品が、端を揃えて、段ばらしプレートに面するスタックに、かつ微動縁部に抗して配置され、段ばらしプレートが、スタックの他の物品からスタックの第1の物品を分離し、微動縁部に実質的に直角である一定の段ばらし方向にこれを駆動するように配置されるマガジンと、
連続してかつ端を揃えて段ばらしされた物品を搬送するのに適し、段ばらし方向に対して微動縁部(jogging edge)から下流に配置される入口を有するコンベヤと、
微動縁部とコンベヤの入口との間に実質的に配置され、微動縁部とコンベヤの入口との間で段ばらし方向に移動する物品の面に保持力、たとえば摩擦力や吸引力を加えるように作動させられ、その保持力が段ばらし方向への前記物品の移動に対抗する保持手段とを備えている。
【背景技術】
【0003】
保持手段がコンベヤの入口に配置される通過センサによって送信される信号に応じて系統的に作動させられる、このような郵便物アンスタッカ装置が知られている。このような装置は、郵便物のすべての移動にブレーキを掛ける欠点を免れず、それによって、アンスタッカ装置の性能に悪影響を及ぼす。さらに、保持手段を系統的に作動させる場合、厚みの薄い郵便物は、損傷されることがあり、厚みのより大きな郵便物は、不正確に分離されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、扁平物品、および特に扁平郵便物を段ばらしするためのアンスタッカ装置を改善することであり、したがって、保持手段は、これらがコンベヤに入らないように一緒に段ばらしされる郵便物、すなわち重ね合わされた郵便物を分離するためにより効果的に作動させられる。これにより、コンベヤの入口で最適なレートで1つずつ郵便物を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のため、本発明は、扁平物品を段ばらしするためのアンスタッカ装置を提供し、前記アンスタッカ装置は:
段ばらしされるべき扁平物品が、端を揃えて、段ばらしプレートに面するスタックに、かつ微動縁部に抗して配置され、段ばらしプレートが、スタックの他の物品からスタックの第1の物品を分離し、微動縁部に実質的に直角である一定の段ばらし方向にこれを駆動するように配置されるマガジンと、
連続してかつ端を揃えて段ばらしされた物品を搬送するのに適し、段ばらし方向に対して微動縁部から下流に配置される入口を有するコンベヤと、
微動縁部とコンベヤの入口との間に実質的に配置され、微動縁部とコンベヤの入口との間で段ばらし方向に移動する物品の面に保持力を加えるように作動させられ、その保持力が段ばらし方向への前記物品の移動に対抗する保持手段とを備え、
前記アンスタッカ装置は、微動縁部とコンベヤの入口との間を移動するそれぞれの段ばらしされた物品の軌跡を感知し、一緒に移動する複数の物品の存在を検出するように、かつこのような検出に基づいて、一緒に移動している物品の分離の目的のために前記保持手段を作動させるように前記軌跡を解析するのに適した検出装置をさらに備えることを特徴とする。
【0006】
それぞれの段ばらしされた物品の軌跡(各物品の底縁部のイメージ(impression))は、リニアアレイカメラなどの光学手段によって感知されることができるが、他のタイプの検出器、たとえば櫛型の検出器が使用され得る。したがって、それぞれの段ばらしされた物品の軌跡は、一緒に移動している複数の物品の存在、および郵便物の相対位置を明らかにすることができ、したがって、このような軌跡により、たとえば2つの物品が一緒に移動している場合、いずれのものが段ばらし方向へ他のものの先に進んでいるかを決定することができる。このような決定により、先行技術の系統的な駆動に比べて保持手段の駆動の制御を改善することができる。試験は、複数の郵便物が一緒に移動する状況の60%だけが、保持手段が系統的に作動させられる従来のアンスタッカ装置によって修正され得ることを示している。このような先行技術の装置では、複数の郵便物が一緒に段ばらしされるとき、さらに先に進んでいる郵便物が保持手段と同じ側のものである(さらに遅れている他の郵便物は段ばらしプレートによって駆動されるものである)場合には、さらに先に進んでいる郵便物は既にコンベヤによって駆動されており、したがってさらに遅れている郵便物からもはや分離され得ないので、保持手段の動作はいかなる効果もない。本発明のアンスタッカ装置では、複数の郵便物が一緒に段ばらしされる状況が初期に検出され、それによって、複数の郵便物がコンベヤの入口に到達する前に保持手段を作動させることができる。さらに、郵便物の段ばらしのさまざまな形態に応じて、異なって保持手段を作動させることを考えることができる。この初期の検出により、先行技術のアンスタッカ装置によって処理されない、一緒に段ばらしされる複数の郵便物のうちの40%を処理することができる。
【0007】
本発明のアンスタッカ装置は、有利には次の特徴を有することができ:
それぞれの段ばらしされた物品の軌跡の画像を形成するように、微動縁部とコンベヤの入口との間に段ばらしされた物体の経路の下に前記段ばらし方向に横断方向に延在するリニアアレイカメラが設けられ、かつ、一緒に段ばらしされている少なくとも2つの物品の存在が検出される場合に、2つの物品のうちのいずれが前記段ばらし方向へ他のものの先に進んでいるかを決定し、この決定に基づいて、保持手段を作動させるように配置されるデータ処理装置が設けられ、
リニアカメラが、段ばらし方向に対して保持手段から上流に配置され、
段ばらし方向の周りに互いに対向して配置される第1の保持手段および第2の保持手段が設けられ、
段ばらし方向に沿って位置合わせして配置される第1の保持手段および場合により第2の保持手段が設けられ、
各保持手段が、吸引装置であり、
データ処理装置が、画像に基づいてそれぞれの段ばらしされた郵便物の厚さを測定するように配置され、この測定が、保持手段によって加えられる保持力を調整する働きをすし、
データ処理装置が、画像に基づいて郵便物のステープルの存在を検出するように配置され、この検出が、保持手段によって加えられる保持力を調整する働きをする。
【0008】
本発明は、本発明の非限定的な例を示している添付の図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のアンスタッカ装置の非常に概略的な平面図である。
【図2】本発明による郵便物の底縁部の軌跡を感知するための光学装置を示す図である。
【図3A】本発明の検出装置によって得られる、単独で郵便物のグレースケール(GS)画像を示す図である。
【図3B】束になって一緒に段ばらしされる複数の郵便物のグレースケール画像を示し、画像は本発明の検出装置によって得られる図である。
【図3C】左の郵便物が右の郵便物の先に進んでいる2つの郵便物のグレースケール画像を示し、画像は本発明の検出装置によって得られる図である。
【図3D】右の郵便物が左の郵便物の先に進んでいる2つの郵便物のグレースケール画像を示し、画像は本発明の検出装置によって得られる図である。
【図3E】両方の郵便物の前縁が同じ横座標値に置かれている2つの郵便物のグレースケール画像を示し、画像は本発明の検出装置によって得られる図である。
【図4】本発明の検出プロセスを示すフローチャートである。
【図5A】本発明の検出装置によって得られる、2つの郵便物の他のグレースケール画像を示す図である。
【図5B】図5Aのグレースケール画像の投影を示す図である。
【図6】本発明の保持手段が制御される手法を示すフローチャートである。
【図7】本発明のアンスタッカ装置の他の実施形態の非常に概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、扁平郵便物2を段ばらしするためのアンスタッカ装置1の平面図であり、前記アンスタッカ装置は、段ばらしされるべき郵便物2が、端を揃えて、段ばらしプレート4に面するスタックに、かつ段ばらしプレート4に実質的に直角である微動縁部5に抗して配置されるマガジン3を含んでいる。
【0011】
段ばらしプレート4には、駆動手段6、たとえば、矢印Aによって示される一定の段ばらし方向に段ばらしプレート4に面する段ばらしされるべきスタック2の第1の郵便物2Aを、段ばらしプレート4に平行に、かつ微動縁部5に直角に駆動するのに適した、段ばらし電磁弁と協働する穿孔されたベルトが設けられる。
【0012】
図1に示されるように、アンスタッカ装置1は、コンベヤの入口7Aを形成する2つの対向するモータ駆動型プーリの形でこの例では示されている、挟むことによってこの例では作動するコンベヤ7さらに含んでいる。入口7Aは、通常、アンスタッカ装置の「ニップ点」と呼ばれる。これは、段ばらし方向Aに、段ばらしプレート4から下流に配置される。コンベヤの入口7Aと微動縁部5との間に、段ばらし方向Aに、保持手段8たとえば吸引ノズル8、および検出装置9が設けられる。
【0013】
保持手段8は、微動縁部とコンベヤの入口との間を移動する郵便物に保持力を加えるように、方向Aに郵便物の経路の1つの側に配置され、前記保持力は、段ばらし方向Aに前記郵便物の移動に対抗する。以下で説明されるように、本発明のアンスタッカ装置は、たとえば、段ばらし方向Aの周りに相互に対向する、すなわち微動縁部とコンベヤの入口との間で郵便物の経路のどちらの側にも配置される2つの保持手段、またはさらに郵便物の経路の同じ側に一列に並べられる2つ以上の保持手段を含むことができる。
【0014】
検出装置9は、この例では、微動縁部5と入口7Aとの間の郵便物の経路の下に配置される、電荷結合デバイス(CCD)のリニアアレイカメラ13である光学装置を備えている。カメラ13は、一緒に移動している郵便物を初期に検出できるように、微動縁部5の近くに、かつ段ばらし方向Aに対して保持手段8から上流に配置されることが好ましい。リニアアレイカメラ13は、微動縁部5(または段ばらしプレート4)とコンベヤの入口7Aとの間を移動する各郵便物の軌跡の画像を感知するように、段ばらし方向Aに対して横断方向に延在する。画像は、特に、デジタルグレースケール画像であることができる。上で示されるように、カメラ13を使用する代わりに、たとえば、郵便物の重量に敏感である触知性の櫛型のセンサを使用することができる。
【0015】
段ばらしプレート4とコンベヤ7との間に、通過センサ11、12、たとえばそのそれぞれがエミッタおよび受信機を備える光電セルが設けられ得る。特に、第1のセンサ11は、郵便物が段ばらしプレートを去るとすぐに各郵便物の前縁を検出できるように微動縁部5に設けられる。第2のセンサ12は、コンベヤの入口7Aに到達する各郵便物の前縁を検出するためにコンベヤ7の入口7Aに設けられる。
【0016】
図2は、光学装置9を詳細に示しており、この光学装置9は、適切なレンズ14と、光ビーム15Aを送出する照明装置15とを伴い、この例ではラインジェネレータによるレーザダイオードで構成される、CCDタイプのリニアアレイカメラ13を備える。カメラ13は、各郵便物の底縁部を感知するように、その軸13Bまたは通視線が段ばらし方向Aに対して直角であるように方向付けられる視野13Aの幅を有する。したがって、カメラ13の取得のラインは、段ばらし方向Aに直角な、図2の矢印Bによって示される水平方向に、郵便物2Aの縁部に実質的に直角に延在する。したがって、カメラ13は、郵便物2Aなどの郵便物が段ばらし方向Aにカメラを通り過ぎて移動している際に、連続的に線画像を形成する。連続的に取得される線画像は、郵便物2Aの底縁部2Cの2次元画像を形成するように、メモリに並置される。
【0017】
アンスタッカ装置1に検出装置9を機械的に組み込むことをより容易にするように検出装置9のコンパクトさを高めるために、照明装置15の軸15Bは、カメラ13の軸13Bに対して実質的に直角に延在し、ビームスプリッタ16が、カメラ13の軸13Bとこれを位置合わせするような具合に、照明を位置出しするように設けられる。したがって、ビームスプリッタ16(たとえば、プレート)は、光ビーム15Aを偏光させるようにカメラ13の軸13Bに対して約45°に、また照明装置15の軸15Bに対して約45°に位置出しされる。したがって、カメラ13は、ビームスプリッタ16を通して郵便物2Aの画像を取得する。ビームスプリッタ16を有するこのような照明装置15により、郵便物2Aの照明を改善しながら検出装置9の被写界深度を増大させることができる。
【0018】
カメラ13は、512ピクセルリニアアレイセンサであることが好ましく、取得される画像の解像度は、方向Bに1ミリメートル(mm)当たり約16ピクセルであることができ、郵便物2A、または0.1mmより薄い厚さの2つの郵便物の間の隙間を検出することができるための限度を表している。毎秒約2.4メートルの速度(m/s)における取得の度数は、1ミリメートル当たり約4ピクセル、または1ミリメートル当たり4列の解像度になる。変形例では、カメラ13は、郵便物2Aの縁部の2次元画像を直接取得するマトリックスアレイカメラであることができる。
【0019】
カメラ13は、段ばらしプレートとコンベヤとの間のアンスタッカの基部に設けられるスロットに位置出しされ得る。これは、マガジン3で段ばらしを待ち受ける郵便物の画像の感知を避けるように微動縁部5から十分遠く離されているべきであるが、データ処理ユニット10を通して保持手段8がリアルタイムで作動されるように十分近くにあるべきである。以下で説明されるように、ユニット10は、束になって一緒に段ばらしされる複数の郵便物の存在を検出し、すなわち郵便物の数を数え、これらの相対位置を決定し、かつ、複数の画像が検出されると保持手段8を作動させるために、郵便物の軌跡の画像を解析するように配置される。
【0020】
図3Aから図3Eは、カメラ13によって形成されるグレースケール画像の例を示している。図3Aの画像は、単一の軌跡を示している。図3Bの画像は、4つの軌跡、したがって、束になって一緒に段ばらしされる複数の郵便物の存在を示す。図3Cおよび図Dの画像は、2つの軌跡、したがって、やはり束になって一緒に段ばらしされる複数の郵便物の存在を示している。全体にわたって、段ばらし形態の4つのタイプの間を識別することができる。郵便物は、これが単独で段ばらしされる場合、「標準」または「S」タイプからなると言われている(図3A)。少なくとも2つの郵便物が一緒に段ばらしされるときに、郵便物は、図3Cで見られ得るように、搬送方向Aに左の郵便物の前縁が右の郵便物の前縁の先に進んでいる場合には、「ポジティブ」または「P」、「非標準」または「nS」タイプからなると言われており、図3Dで見られ得るように、搬送方向Aに右の郵便物の前縁が左の郵便物の前縁の先に進んでいる場合には、「ネガティブ」または「N」、「nS」タイプからなると言われている。最後に、図3Eに示されるように、一緒に段ばらしされる2つの郵便物の前縁が正確に一致する場合(すなわち、これらが搬送方向Aに沿って同じ横座標値を有する場合)、郵便物は、「完全」または「Pf」、「nS」からなると言われている。
【0021】
図1に示されるアンスタッカ装置1の形態では、スタック2内の第1の2つの郵便物が束になって一緒に段ばらしされる場合、スタック内の第1の郵便物は、搬送方向Aに、左に位置出しされ、第2の郵便物は右に位置出しされる。ポジティブタイプの郵便物は、スタック内の第1の郵便物の前縁が第2の郵便物の前縁の先に進んでいる形態に対応することが理解され得る。非標準郵便物の約75%を表すのでこれは最も頻繁に観察される形態である。したがって、保持手段8は、大多数の場合遅れている第2の郵便物を保持するように、搬送方向Aに対して右側に配置されている。当然のこととして、図1に示される形態に対して対称であるアンスタッカ装置の形態では、この場合は、ポジティブタイプの郵便物は、左の郵便物の先に進んでいる右の郵便物に対応することが理解され得る。
【0022】
したがって、処理ユニット10は、郵便物が一緒に段ばらしされる場合、郵便物のタイプS、P、N、またはPfを決定するように、かつ、したがって保持手段8を適切に制御するように配置される。
【0023】
図4は、保持手段8が制御される手法を示している。ステップ41では、センサ11によって郵便物が検出されるとすぐに、たとえば、前記郵便物が方向Aに移動されると、各郵便物の底縁部の連続するGS線画像が、連続的に形成される。変形例では、郵便物の縁部の画像の感知および解析は、段ばらしのサイクル時間の長さに制限される場合があり、すなわち、これらは、駆動手段6の駆動と同時に起動され、前記駆動手段の駆動停止後に決められた時間の経過で停止される。段ばらしされる郵便物の高速(約2.4m/s)のため、段ばらしされる郵便物の軌跡によって与えられる情報を管理するためにユニット10によって処理画像に割り当てられる時間は、アンスタッカ装置1の形態に応じて10ミリセカンド(ms)よりも短い可能性がある。このリアルタイムの制限条件を満足させるために、ユニット10は、取得列の限定された数、たとえばこの例では、段ばらしされる郵便物について約8mmの長さに対応する32列を含む2次元の部分画像を解析する。したがって、各部分画像は、GSピクセルの32列および512行を含む。
【0024】
また、解析は、スライディングウィンドウ、たとえば、連続する画像の間のオーバーラップを有するように、かつ画像取得の4行ごとに、すなわち郵便物の前進の1ミリメートルごとに解析を更新するように4行×4行を滑らせるウィンドウを有する、32行の部分画像について行うこともできる。
【0025】
2次元の部分画像は、ステップ42でメモリ内に形成され、複数の郵便物が一緒に段ばらしされているかどうかを決定するように、かつ存在する郵便物の数を決定するようにステップ43で解析される。この解析中に、現在の郵便物は引き続き方向Aに移動し、部分画像の更新を完了する前に郵便物の軌跡の0.5mmの長さに対応する、2つの取得列が失われることを評価することができる。複数の郵便物が検出されると、処理は、以下で説明されるように、46でヒストリをできるだけ考慮に入れながら保持手段を制御45するように、ステップ44で郵便物のタイプS、またはP、N、またはPf、非標準の決定を続ける。
【0026】
ステップ43およびステップ44は、図6においてより詳細に示されている。
【0027】
ステップ61では、部分画像が、メモリ内に構成される。画像解析は、前記画像内に目に見える一緒に段ばらしされる郵便物の数を決定することにある。図5Aで見られ得るように、この目的のために、画像内に複数の郵便物の軌跡の間で変化し得る大きさの空間18が存在するということを用いることが行われる。
【0028】
画像内では、これは、暗いゾーン20(郵便物の軌跡)と薄いゾーン19(郵便物の周りおよび空間18)が交互になることになる。方向Bでの暗いゾーンと薄いゾーンとの間の移行の回数は、郵便物のタイプを決定することが可能になるロバスト特性である。当然のこととして、選択される画像化の慣行に応じて、空間18は、逆に、暗いゾーンに対応することもでき、郵便物は、薄いゾーンに対応することもできることが理解され得る。
【0029】
ステップ62では画像内の移行の回数を数えるために、まず、画像が、図5Bで見られ得るように固定サイズのストリップ21に方向Bに再分される。次いで、グレースケールレベルの投影が、各ストリップ21について計算され、すなわち、ピクセルのグレースケールレベルの平均が、ストリップの列すべてが投影後に同じ値を有するようにGS画像ストリップの行ごとに計算される。このようにして、GS画像は平滑化され、それによって、存在する郵便物の数を検出する方法はノイズに対する感度が低くなる。ストリップの幅は、適切に選択されることが理解されることができ、すなわち、小さなストリップの幅は、余りにも雑音の多すぎる、かつ局所的な変動を免れない投影信号をもたらす。逆に、余りにも幅広いストリップの幅は、信号を平滑化し、双峰性分布の特性ピークを減衰させる(暗いゾーン/薄いゾーン)。さらに、過度に幅広いストリップは、郵便物が湾曲された標準郵便物である場合、方法を誤解させることがある(図3A、郵便物の頂部を参照されたい)。
【0030】
次いで、各ストリップ21について、暗い移行/薄い移行に対応するグレースケールレベルで極値の数について調査が行われる。知られているように、極値の調査は、まず、局所的な最大および最少を調査することからなり、次いで、局所的な最大または最小が余り異なってない、または余りにも類似している場合、これらは、2つの郵便物を検出するために2つの最大の間にある最少が見つけられるまで拒否される。次いで、次の関係を用いて全画像部分について平均移行回数Scを表す計算が行われる。
【数1】

【0031】
Scは、通常、単独で段ばらしされる郵便物Sの場合の0から2つの一緒に束になった郵便物の場合の1までの範囲にあることが理解され得る。しかしながら、実際には、Scは、3つ以上の郵便物が一緒に段ばらしされている場合、1よりも大きいことがある。スコアScは、ファジイ部分集合の帰属度の概念に結び付けられ得る。帰属の曖昧度を出力として伝えることは、1つの郵便物Sから一緒に段ばらしされる複数の郵便物まで連続的に進むことができ、それによって、閾値効果を回避するので、このアプローチの主要な利点を構成している。
【0032】
平均移行回数Scに基づいて、まず、現在の段ばらしされる郵便物について、これが、スコアScで単に閾値化することによってSタイプおよびnSタイプで構成される2つのカテゴリのうちの1つに属するかどうかが決定される。したがって、Scがゼロである場合(ステップ63)の郵便物は、64でSタイプからなると宣言され、Scが一定の閾値τよりも大きい場合(ステップ65)の郵便物は、66でnSタイプからなると宣言される(すなわち、それが確かであり得る郵便物のすべてが、Sタイプからならない)。Scが0からτまでの範囲にある場合(ステップ67)の郵便物は、タイプ(SまたはnS)のいずれにも帰属する等しい可能性を有する。値Scのこの範囲は、68で郵便物の曖昧な分類に対応する方法についての不確実性のゾーンである。したがって、閾値τは、不正確な方向(Sタイプの郵便物であるとして検出されるnSタイプの郵便物によって生じる)への仕分けと、nSタイプの郵便物であるとして不正確に検出されているSタイプの郵便物との間の良好な歩み寄りを得るように選択される。
【0033】
郵便物が、ステップ66で十分に信頼性のある信頼度ランクをもってnSタイプからなると宣言されている場合、方法は、一緒に段ばらしされる郵便物のタイプ、すなわちポジティブ、ネガティブ、または完全を決定するように設計されるラベリングアルゴリズムをステップ44で続ける。
【0034】
ステップ69では、ラベリングアルゴリズムは、GS画像から郵便物の左の輪郭および右の輪郭を抽出し、次いでピークを検出する目的で前記輪郭を解析することからなる。現在の郵便物の左の輪郭
【数2】

は、GS画像の各列が図3Cで示されるように搬送方向Aに直角な方向Bに左から右に走査されるときに、一定の閾値σよりも大きなグレースケールレベルを有する第1のピクセルの組であるとして定義される。
【0035】
【数3】

ここに、iおよびjは、各ピクセルの座標であり、iは、列の位置指標を示し、jは、行の位置指標を示し、image[i,j]は、GS画像内の座標(i,j)のピクセルの値である。
【0036】
同じ方法で、右の輪郭Pr(i)は、図3Cで示されるように搬送方向Aに直角な方向Bに閾値σよりも大きなグレースケールレベルを有する最後のピクセルの組であるとして定義される:
Pr(i)=Max{j/image[i,j]>σ}
【0037】
閾値σは、たとえばシャドー現象を考慮に入れるように、左の輪郭または右の輪郭を定義するために異なる場合があることが理解され得る。
【0038】
ラベリングアルゴリズムは、それぞれの関数、左の輪郭については
【数4】

および右の輪郭については|Pr(i+1)−Pr(i)|の局所的極値であるとして輪郭の左のピークおよび右のピークを定義することによって続く。
【0039】
最後に、ピークが輪郭内に存在するかまたは欠如しているかどうかに応じて、アルゴリズムは、次の方法で郵便物を標識付けする:
ピークが左の輪郭に存在する場合、郵便物は、ステップ72でNタイプからなるとして宣言され(図3D)、
ピークが欠如する場合、郵便物は、ステップ71でPfタイプからなるとして宣言され(図3E)、
ピークが右の輪郭に存在する場合、郵便物はステップ70でPタイプからなるとして宣言される(図3C)。
【0040】
次いで、得られた結果に応じて、かつ先の決定46のヒストリに基づいて、ユニット10は、ステップ45において保持手段8を作動させ、または作動させず:
ステップ73では、郵便物が標準Sタイプからなる場合(図3A)、保持手段8(図6で参照符号RMで示されている)は作動されず、
ステップ74では、郵便物がPタイプからなる場合(図3C)、保持手段8は、郵便物2Aがニップ点7A(図6で参照符号NPで示されている)でセンサ12によって検出される前または後のいずれかに、郵便物の厚さに応じて作動されることができ、すなわち、さらに先に進んでいる郵便物(左の郵便物)は、郵便物コンベヤ7によって挟まれ、右の郵便物は、保持手段8によって保持され、それによって左の郵便物からこれを分離し、郵便物コンベヤ7が詰まることを回避し、
ステップ76では、郵便物がNタイプからなる場合(図3D)、保持手段8は、郵便物2Aがニップ点7Aでセンサ12によって検出される前に作動され、すなわち、さらに先に進んでいる郵便物(右の郵便物)は、保持手段8によって保持され、左の郵便物は、段ばらしされ、郵便物コンベヤ7によって挟まれ、それによって2つの郵便物を分離し、郵便物コンベヤ7が詰まることを回避し、
ステップ75では、郵便物がPfタイプからなる場合(図3E)、作動は、Nタイプの郵便物の場合と同じであり、すなわち、保持手段8は、郵便物2Aがニップ点7Aでセンサ12によって検出される前に作動され、すなわち、右の郵便物は、保持手段8によって保持され、左の郵便物は、郵便物コンベヤ7によって挟まれ、
ステップ77では、郵便物の分類について不確実性がある場合、保持手段8は、郵便物がセンサ12によって検出された後、すなわちニップ点7Aに到達した後に系統的に作動される。これは、先行技術の方法で作動する保持手段8に対応する。
【0041】
決定46のヒストリにより、郵便物がコンベヤ7で駆動されるまで、ユニット10は、郵便物の移動を監視し、経時的に作動を適応させることができるようになる。たとえば、郵便物が第1の画像に基づいてPタイプまたはNタイプとして標識付けされると、次の画像は、保持手段8の対応する作動を起動することは必要なしに、2つの郵便物が重ね合わされる場所に対応して「Pfタイプ」の結果をもたらす。
【0042】
本発明のアンスタッカ装置1によって生じる利点は2つの面を有する。第1に、Sタイプの郵便物が存在する場合の保持手段8の不正確な駆動を最小限にし、それによって郵便物を損傷する危険が低減し、アンスタッカ装置1のスループットレートが改善する。第2に、非標準の郵便物が存在する場合、適切なときに保持手段8を作動させることにより、コンベヤ7で複数の郵便物を同時に駆動することを回避することができる。
【0043】
図6では、ステップ45の後に、プロセスは、新しい画像(たとえば、または32列の画像の一部)のためにステップ61までループバックすることを理解すべきである。
【0044】
図7は、扁平郵便物102を段ばらしするための他のアンスタッカ装置100を示している。装置100は、段ばらしされるべき郵便物102が、端を揃えて、段ばらしプレート104に面するスタックに、かつ微動縁部105に抗して配置されるマガジン103を含む。アンスタッカ装置100は、これらを挟むことによって郵便物を搬送するための、かつ2つの対向するプーリの形でこの例では示されるその入口109Aまたはニップ点を有する郵便物コンベヤ109をさらに含む。段ばらしプレートとニップ点との間に、段ばらし方向Cに郵便物102を駆動するための駆動手段107が設けられる。
【0045】
図7に示されるように、この例では、アンスタッカ装置100には、段ばらし方向Cに間隔を置いて設けられ、郵便物102の底縁部の画像を取得するように設計される2つのカメラ110を有する検出装置が備え付けられる。さらに、連続する保持手段111が、段ばらし方向Cに沿って位置合わせして配置される。また、複数の連続する保持手段111を設けることもできる。
【0046】
アンスタッカ装置100では、2つのカメラ110により、駆動手段107および保持手段111の動作をリアルタイムで監視し、前記動作の結果に応じて、データ処理装置112を通して保持手段111のそれぞれをリアルタイムで制御することができる。たとえば、複数の郵便物が一緒に段ばらしされると、2つの保持手段111は、特定の郵便物にブレーキを掛け、またはブレーキを掛けないように、異なる方法で選択的に制御され得る。
【0047】
上の実施形態の説明は、本発明を決して限定しているものではないことを理解されたい。たとえば、一緒に搬送される郵便物の保持を改善するために、かつ段ばらし方向Cに連続して郵便物を系統化することを改善するために、搬送方向Aに相互に対向して向い合せに2つ以上の保持手段8を配置することができる。
【0048】
さらに、本発明の方法は、郵便物が保持される有効性、および、したがってこれらが分離される有効性を決定するように、かつそれに見合ったように保持力を調整するように、各郵便物の厚さ、および/または郵便物の移動の速度、および/または一緒に段ばらしされている郵便物の相対移動を測定することを組み込むことができる。したがって、各郵便物のそれなりの脆性を考慮に入れるように、保持手段によって郵便物に加えられる保持力を調整することができる。
【0049】
また、郵便物のGS画像に基づいて、郵便物の縁部にステープルが存在するかどうかを決定し、郵便物が、開いたもの(ステープルあり)か、または閉じたもの(ステープルなし)であるかを示し、かつ、開いた郵便物を損傷することを回避するように、郵便物に加えられる保持力の調整を可能にすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ばらしされるべき扁平物品(2、102)が、端を揃えて、段ばらしプレート(4、104)に面するスタックに、かつ微動縁部(5、105)に抗して配置され、段ばらしプレート(4、104)が、スタックの他の物品(2、102)からスタックの第1の物品(2A)を分離し、微動縁部(5、105)に実質的に直角である一定の段ばらし方向(A、C)にこれを駆動するように配置されるマガジン(3、103)と、
連続してかつ端を揃えて段ばらしされた物品を搬送するのに適し、段ばらし方向(A、C)に対して微動縁部(5、105)から下流に配置される入口(7A、109A)を有するコンベヤ(7、109)と、
微動縁部(5、105)とコンベヤの入口(7A、109A)との間に実質的に配置され、微動縁部(5、105)とコンベヤの入口(7A、109A)との間で段ばらし方向(A、C)に移動する物品(2A、2B)の面に保持力を加えるように作動させられ、その保持力が、段ばらし方向(A、C)への前記物品の移動に対抗する保持手段(8、111)とを備える、扁平物品を段ばらしするためのアンスタッカ装置(1、100)であって、
微動縁部(5、105)とコンベヤの入口(7A、109A)との間を移動するそれぞれの段ばらしされた物品の軌跡を感知し、一緒に移動する複数の物品の存在を検出するように、かつこのような検出に基づいて、一緒に移動している物品を分離する目的のために前記保持手段(8、111)を作動させるように前記軌跡を解析するのに適した検出装置(9、10、110、112)をさらに備えることを特徴とする、アンスタッカ装置。
【請求項2】
それぞれの段ばらしされた物品の軌跡の画像を形成するように、微動縁部(5、105)とコンベヤの入口(7A、109A)との間に段ばらしされた物体の経路の下に前記段ばらし方向に横断方向に延在するリニアアレイカメラ(9、110)と、一緒に段ばらしされている少なくとも2つの物品の存在が検出される場合に、2つの物品のうちのいずれが前記段ばらし方向(A、C)へ他のものの先に進んでいるかを決定し、この決定に基づいて、保持手段(8、111)を作動させるように配置されるデータ処理装置(10、112)とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
リニアカメラが、段ばらし方向(A、C)に対して保持手段(8、111)から上流に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
段ばらし方向に関して互いに対向して配置される第1の保持手段および第2の保持手段を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のアンスタッカ装置。
【請求項5】
段ばらし方向(C)に沿って位置合わせして配置される第1の保持手段および第2の保持手段(111)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のアンスタッカ装置。
【請求項6】
各保持手段(8、111)が、吸引装置である、請求項1から5のいずれか一項に記載のアンスタッカ装置。
【請求項7】
データ処理装置(10、112)が、画像に基づいてそれぞれの段ばらしされた郵便物の厚さを測定するように配置され、この測定が、保持手段によって加えられる保持力を調整する働きをする、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
データ処理装置(10、112)が、画像に基づいて郵便物のステープルの存在を検出するように配置され、この検出が、保持手段によって加えられる保持力を調整する働きをする、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記段ばらし方向(C)に間隔を置いて設けられた複数のリニアアレイカメラ(110)を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のアンスタッカ装置(1、100)を含む、郵便物処理機械。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−516232(P2012−516232A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546931(P2011−546931)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051417
【国際公開番号】WO2011/007077
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(597038530)
【Fターム(参考)】