説明

段差付き整列装置

1列に配置且つ搬送するための段差のある整列装置。整列装置が、搬送方向に進む中央コンベヤ及び2つの側方コンベヤを有している。コンベヤのローラが、コンベヤの厚さ方向を通って突出し、下に有る支持用軸受面の上に載ることで、コンベヤが搬送方向に進む際にローラが回転する。中央コンベヤのローラは、搬送方向に回転する。側方コンベヤのローラは、搬送方向に対して斜めの方向に回転し、ローラの上で搬送される物品が下流側に中央コンベヤに向けて導かれる。中央コンベヤのローラの上端は、垂直方向に側方の斜めのローラの上端に対して上下にオフセットしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して動力駆動のコンベヤに関し、特に、搬送される一塊の物品を1列に揃えるための整列コンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
整列装置の1つのバージョンが、ベルトの移動方向に対して垂直な軸の周りを回転するよう構成されたローラを具えた中央コンベヤベルトとして理解されている。これらの直列ローラは、ベルトの厚さ方向を通って突出し、ベルトの下方の搬送路に沿ったコンベヤパンの上に載る。ベルトの上部を超えて突出するローラの物品支持部は、ベルトの移動方向に回転してベルトに沿って搬送される物品を前に押し、後に続く物品から離す。中央ベルトの側方に位置するベルトは、ベルト移動の方向に対して斜めになっている軸の周りに回転するよう構成されたローラを具えた2つのベルトである。中央ベルトの両側のローラが回転して、搬送される物品を中央ベルトに向けて押して1つの列の中に入れる。また、斜め及び直列ローラの組み合わさった動作により、物品をベルト移動の方向に対して平行な主軸に向け易くする。中央ベルトのローラと同じように、側方に位置するベルトのローラが、ベルトの厚さ方向を通って突出し、ベルトの下に有る軸受面の上に載る。3つのベルトが全て共通面に接するローラと同一面上にある。
【0003】
このような整列装置に関する1つの問題は、中央ベルトの幅よりも幅の大きな物品が、整列装置のほぼ中央に位置するが、側方に位置する双方のベルトの斜めのローラにも依然として接触する場合に、横方向に前後に振動し易いことである。別の問題は、中央ベルトに全体的又はほぼ全体的に嵌まる幅の狭い物品が、異なる角度に構成された十分なローラとの十分な接触によって引き起こされる同時の回転効果を受け付けないため、適切な方向にうまく向かないことである。
【0004】
このため、これらの問題を最小限にするコンベヤを整列するための必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
これらの問題は、本発明の態様を実施する整列装置によって克服される。整列装置の1バージョンが、搬送方向に進む第1、第2、及び第3のコンベヤを具えている。第2及び第3のコンベヤは、第1のコンベヤの両側の側方にある。各コンベヤは、コンベヤの厚さを通って突出するローラを有している。ローラは、異なる方向に回転するよう配置されている。第1のコンベヤの上方に突出するローラの外周が、搬送方向に回転する。第2及び第3のコンベヤの上方に突出するローラの外周が、搬送方向に対して斜めに且つ第1のコンベヤに向けて回転する。ローラが第1、第2、及び第3のコンベヤの下方に配置された軸受面を回転する。第1のコンベヤのローラの外周上端が、全て第1のレベルに延びている。第2及び第3のコンベヤベルトのローラの外周上端が、全て第1のレベルの上方又は下方の第2のレベルに延びている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のこれらの態様が、他の態様及び利点とともに、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面を参照することによって、良く理解される。
【0007】
【図1】図1は、本発明の態様を実施する整列装置の1バージョンの部分的に切り欠いた等角図である。
【図2】図2は、下がった中央搬送領域を示す図1のライン2−2に沿った整列装置の断面図である。
【図3】図3は、幅の狭い物品を搬送する際に関する問題を示す従来技術の整列装置の平面図である。
【図4】図4は、幅の狭いパッケージの取り扱いを示す、図1の整列装置の平面図である。
【図5】図5は、持ち上がった中央搬送領域を具えた、図2に示すような別のバージョンの整列装置の断面図である。
【図6】図6は、幅の広い物品を搬送する際の問題を示す図3に示すような従来技術の整列装置の平面図である。
【図7】図7は、幅の広いパッケージの取り扱いを示す、図5の整列装置の平面図である。
【図8】図8は、中央搬送領域に小径のローラを具えた図2の別のバージョンの整列装置の断面図である。
【図9】図9は、中央搬送領域に大径のローラを具えた図5の別のバージョンの整列装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
搬送される物品を整列させるのに適したコンベヤの典型的なバージョンを図1に示す。整列装置(singulator)20は、両側に第2及び第3のコンベヤ24、26が位置する第1のコンベヤ22を有している。本実施例の3つのコンベヤ全ては、プーリ又はスプロケットセット28に巻かれた個別のエンドレスコンベヤベルトであり、コンベヤフレーム(図示せず)に取り付けられた軸受ブロック32に回転可能に支持されたシャフト30に取り付けられている。整列装置の一端側のシャフトに結合されたモータ34が、矢印36で示す搬送方向にコンベヤベルトを駆動する。コンベヤベルトは、コンベヤフレームに取り付けられた1又はそれ以上の搬送路パン38によって搬送路に沿って支持されている。シュー又はロール39が戻り路のベルトの弛みを減らす。パンに取り付けられた真っ直ぐなウェアストリップ40が、整列装置の長手方向に動くレーンを形成する。ウェアストリップが、搬送路に沿って2つの側方ベルト24、26を支持する。シート42が、センターベルト22の下に設けられ且つこれを支持する。代替的に、ウェアストリップをシートに代えることができ、シートを真っ直ぐなウェアストリップに代えることができる。
【0009】
中央コンベヤベルト22は、ベルトに形成された空洞46に位置しているローラ44を有している。空洞は、ベルトの上面48及び反対側の下面に開口している。ローラの突出部が、上面及び下面を越えてベルトの上下に突出している。搬送される物品は、搬送路のローラの上に載る。軸受面として機能するシート42は、搬送路に沿ってベルトの下方でローラに接触しこれを支持する。搬送方向に中央ベルトが駆動されると、ベルトとシートとの間の相対運動によりローラが回転する。ローラは、搬送方向に対して垂直な軸43を中心に回転するよう構成されており、ベルトの上方のローラの外周面が搬送方向に回転する。これらのローラ上の物品は、ベルトに対して前方に押される。
【0010】
側方コンベヤベルト24、26は、搬送方向及び中央ベルトに向いた横方向の双方の移動成分を与えるよう構成され、空洞54、56に取り付けられたローラ50、52を有している。中央ベルトのローラ44と同様に、側方ベルトのローラはベルトの上面及び下面58、59を越えて突出し、下に位置するウェアストリップ40の上に載る。第2のコンベヤベルト24のローラ50は、搬送方向に対して斜めに第1の軸60の周りを回転する。第2のベルトのローラ上の搬送される物品は、下流側に矢印61の方向に中央コンベヤに向けて導かれる。第3のコンベヤベルト26は、第2のベルトの鏡像である。そのローラ52は、搬送方向に対して斜めに第2の軸62の周りを回転する。これらのローラ上の搬送される物品は、下流側に矢印63方向に中央コンベヤベルトに向けて押される。
【0011】
図1に示し、図7に良く示すように、中央コンベヤベルト22は、両側に位置する斜めのローラベルト24、26よりも低くコンベヤベルトフレームに位置している。これは、側方ベルトを支持するウェアストリップ40の上部軸受面65のレベルの下方に、中央搬送路シート42の上部軸受面64を垂直にオフセットすることによって、本実施例で実現する。このような方法では、中央ベルトの直列ローラ44の外周上端66が、側方ベルトの斜めのローラ50、52の外周上端67のレベルLよりも低い第1のレベルLにある。
【0012】
図3の従来型の1レベルの整列装置の動作と対比した、下方に位置する中央ベルトを具えた整列装置の動作を図4に示す。従来型の整列装置では、幅の狭い物品68が側方ベルトと同じレベルの中央ベルト22’に向かう。物品がコンベヤのほぼ中央に位置すると、ほんのわずかな部分が中央コンベヤを越えて斜めのローラを具えたいずれかの側方コンベヤ24、26に延びる。このため、物品が側方ベルトの斜めのローラよりも中央ベルトの多くの直列ローラに支持され、斜めのローラによって加えられる十分な相対的な力が無く、これにより物品が搬送方向36−好適な部品の方向に沿ってその主軸70の周りを回転する。図4のように、中央コンベヤが下がっていると、2つの側方コンベヤに架かっている物品68’が、下がっている中央コンベヤ22の直列ローラから大きく離れる。そして、物品の外側の端部が、斜めのローラによって延びる力の横方向の成分を受け、物品を回転させその搬送方向の主軸70に揃え易くする。
【0013】
中央コンベヤが側方の斜めのローラのコンベヤから垂直にオフセットした搬送装置の別のバージョンを、図5に示す。本実施例では、図2のウェアストリップを、搬送方向に整列した軸74周りに自由に回転する長手方向のローラ72に置き換えている。これらの長手方向のローラは、斜めのローラ50、52及び長手方向のローラの外周の軸受面間、特に搬送方向に対して30°を超えるローラ角度の滑りを減らす。しかしながら、平らなウェアストリップ又は他の平らな軸受面を図5の実施例で使用でき、長手方向のローラを図2の整列装置の斜めのローラの下方で使用できる。中央コンベヤベルト22”が、側方ベルト24、26に対して持ち上がっている。これは、搬送路シート42’の軸受面64’のレベルを下に位置する長手方向のローラ上端よりも上方のレベルに持ち上げることによって実現する。ローラ上端の持ち上がりレベルLは、好適には、斜めのローラの上端のレベルLの上方約0.3cm(1/8インチ)である。(図2で、中央コンベヤのローラ上端のレベルLは、好適には、斜めのローラ上端のレベルLの下方約0.3cmである。)
【0014】
幅の広い物品を搬送する従来型の1レベルの整列装置の作動を図6に示す。ほぼ中央にある幅の広い物品76は、同じ高さの中央コンベヤ22’とともに側方コンベヤ24、26に延びているため、側方コンベヤのうちの一方の斜めのローラが物品に引っ掛かると、物品が横方向に前後に振動し易くなる。図5に示すように中央コンベヤ22”が持ち上がっていると、ほぼ中央に位置する物品76が、側方コンベヤの斜めのローラと大きく離れて中央コンベヤのわずかに持ち上がっている直列のローラの上でより安定して運ばれる。このため、中央に位置する物品の振動が減る。
【0015】
幅の狭い物品用の整列装置の別のバージョンを図8に示す。このバージョンでは、整列装置が、ベルトの側方領域81、82の斜めに構成されたローラ80及び中央領域85の直列ローラ84を具えている1つのコンベヤベルト78で構成されている。ローラは、ベルトの下方に位置する軸受面86、87の上に載っている。直列ローラ82は、斜めのローラ80よりも小さな直径を有している。小さな直列ローラの上端は、斜めのローラの上端よりも低いレベルにあるため、このような整列装置は図4に示すように機能する。小径の直列ローラに適合させるために、それらの下に有る軸受面87が斜めのローラの下に有る軸受面86のレベルの上方に持ち上がっている。
【0016】
図7に示すように機能する整列装置の別のバージョンを図9に示す。このような1ベルトの整列装置は、中央領域に大径の直列ローラ88を有している。大径のローラの上端は、側方の斜めのローラ80の外周上端のレベルよりも上方のレベルに位置している。大径のローラに適合させるために、直列ローラの下に有る軸受面90は、小径の斜めのローラの下に有る軸受面86よりも低い。このため、このような整列装置は、図5の整列装置と同じ方法で動作する。
【0017】
数種類のバージョンを参照して本発明を説明したが、他のバージョンが可能である。例えば、ローラが回転する軸を垂直方向にオフセットさせることによって、中央コンベヤを代替的に上げ下げすることができる。別の実施例として、斜め及び直列ローラ間の垂直方向のオフセットは、わずか0.3cm程度である。このため、これらの実施例が示唆するように、特許請求の範囲は、好適なバージョンの詳細に限定することを意味していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に進む第1のコンベヤであって、ローラを有し、当該ローラが前記搬送方向に回転するよう構成され、前記第1のコンベヤの上方に突出する外周を有し、前記第1のコンベヤの厚さ方向を通して突出するローラであり、当該ローラの外周上端が全て第1のレベルに延びている第1のコンベヤと;
前記第1のコンベヤの両側の側方に位置して前記搬送方向に進む第2及び第3のコンベヤであって、ローラを有し、当該ローラが前記搬送方向に対して斜めに且つ前記第1のコンベヤの方向に回転するよう構成され、前記第2及び第3のコンベヤの上方に突出する外周を有し、前記第2及び第3のコンベヤの厚さ方向を通して突出するローラであり、当該ローラの外周上端が全て前記第1のレベルに等しくない第2のレベルに延びている第2及び第3のコンベヤと;
前記第1、第2、及び第3のコンベヤの下方に配置された軸受面であって、これらのコンベヤが前記搬送方向に進むときに前記第1、第2、及び第3のコンベヤのローラがその上で回転する軸受面と;
を具えていることを特徴とする整列装置。
【請求項2】
前記第1のレベルが前記第2のレベルよりも低いことを特徴とする請求項1に記載の整列装置。
【請求項3】
前記第1のレベルが前記第2のレベルよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の整列装置。
【請求項4】
前記第1、第2、及び第3のコンベヤが、個別の隣接する第1、第2、及び第3のコンベヤベルトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の整列装置。
【請求項5】
前記第1のコンベヤベルトが、前記第2及び第3のコンベヤベルトとは異なる面で支持されていることを特徴とする請求項4に記載の整列装置。
【請求項6】
前記第1のコンベヤの前記ローラが、前記第2及び第3のコンベヤの前記ローラとは異なる半径を有していることを特徴とする請求項1に記載の整列装置。
【請求項7】
前記第1、第2、及び第3のコンベヤが、1つのコンベヤベルトの幅にわたる隣接する領域であることを特徴とする請求項1に記載の整列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−523435(P2010−523435A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502329(P2010−502329)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/059458
【国際公開番号】WO2008/124626
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】