説明

段差学習システム

【課題】段差エリアが検出された場合であっても、段差を学習するのに相応しくない状況においては学習しないようにして、車両の走行安定性や乗り心地が低下することがなく、段差に対して適切にサスペンション制御を行うことができるようにする。
【解決手段】道路の段差を検出する段差検出手段と、該段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を記憶する記憶手段と、車両の走行状況を判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいて、前記段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を前記記憶手段に選択的に記憶させる記憶処理手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段差学習システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置が搭載された車両において、前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データに対応させてサスペンション制御を行うことができるようにした車両のサスペンション制御装置が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、道路上に段差があるか否かをデータベースに基づいて判定し、サスペンションの硬さを制御する。そして、サスペンションからの入力である上下方向加速度を取得し、取得した上下方向加速度に基づいて道路上に段差があるか否かを判定し、データベースに記録する学習も行われている。すなわち、実際のサスペンションの制御結果と予測される制御内容とを比較し、比較結果に基づいてデータベースの内容を修正する。
【特許文献1】特開2000−318634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のサスペンション制御装置においては、道路上にある段差をそのまま学習し、学習した結果に基づいてサスペンション制御を行うので、道路の状態によっては、段差のある場所でサスペンションをソフトにすると走行安定性が悪化したり、却(かえ)って乗り心地が悪化してしまうことある。例えば、段差がコーナ中にある場合に、その段差に対応してサスペンションをソフトにすると走行安定性が低下してしまう。また、路面が大きくうねっている場所に段差がある場合に、その段差に対応してサスペンションをソフトにすると車両の上下動が激しくなり、却って乗り心地が低下してしまう。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、段差エリアが検出された場合であっても、段差を学習するのに相応しくない状況においては学習しないようにして、車両の走行安定性や乗り心地が低下することがなく、段差に対して適切にサスペンション制御を行うことができる段差学習システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明の段差学習システムにおいては、道路の段差を検出する段差検出手段と、該段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を記憶する記憶手段と、車両の走行状況を判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいて、前記段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を前記記憶手段に選択的に記憶させる記憶処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、段差エリアが検出された場合であっても、段差を学習するのに相応しくない状況においては学習しないようになっている。そのため、車両の走行安定性や乗り心地が低下することがなく、段差に対して適切にサスペンション制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図2は本発明の実施の形態における段差学習システムの構成を示すブロック図である。
【0009】
図に示されるように、本実施の形態における段差学習システムは、道路情報としての車両の走行環境情報を出力する走行環境情報出力ユニットとしてのナビゲーション装置10、車両のサスペンション(懸架装置)を制御する制御ユニットとしてのサスペンション制御装置20、及び、サスペンションユニット30を有する。ここで、前記車両は乗用車、トラック、バス、二輪車等道路を走行可能なものであればいかなる種類のものであってもよいが、本実施の形態においては、説明の都合上、前記車両が4つの車輪を備える乗用車である場合について説明する。なお、前記サスペンションユニット30は4つの車輪のそれぞれに取り付けられているものとする。
【0010】
そして、11はGPS(Global Positioning System)センサ、12は車両の回転角速度、すなわち、旋回角を検出するジャイロセンサ、13は車両の速度を検出する車速センサ、及び、14は車両の加速度を検出するGセンサである。
【0011】
ここで、前記ナビゲーション装置10は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、レーザホログラム等の表示手段、タッチパネル、リモートコントローラ、押しボタンスイッチ等の入力手段、通信インターフェイス等を備える。なお、前記ナビゲーション装置10は、前記GPSセンサ11、ジャイロセンサ12、車速センサ13、Gセンサ14に加えて、運転者が操作する車両のステアリングの舵(だ)角を検出するステアリングセンサ、車両の方向指示器としてのウィンカの動作を検出するウィンカセンサ、運転者が操作するアクセル開度を検出するアクセルセンサ、運転者が操作する車両のブレーキペダルの動きを検出するブレーキセンサ、車両の重量情報を取得する車重センサ、地磁気センサ、距離センサ、ビーコンセンサ、高度計等を備えていてもよい。この場合、前記GPSセンサ11は、図示されないGPS衛星が発信した電波を受信することによって地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサは、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサは、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。また、前記ビーコンセンサは、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。そして、前記ナビゲーション装置10は、前記GPSセンサ11、ジャイロセンサ12、車速センサ13、Gセンサ14等からの信号に基づいて、車両の現在位置、車両が向いている方位、車両の速度、車両の移動距離等を検出する。
【0012】
また、前記ナビゲーション装置10の記憶手段は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、及び、各地域のホテル、ガソリンスタンド等の施設の情報が記憶された施設情報データファイルから成る地図データベース部15を備える。さらに、前記記憶手段は、サスペンション制御装置20が検出した道路上の段差に関する情報、すなわち、段差情報や経路を探索するためのデータの他、前記表示手段の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータを記憶する記憶メディア部19を備える。なお、該記憶メディア部19には、所定の情報を音声出力するための各種のデータも記憶される。また、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
【0013】
そして、前記交差点データファイルには交差点データが、ノードデータファイルにはノードデータが、道路データファイルには道路データが、それぞれ、記憶され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表示手段の画面に表示される。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかが含まれる。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び、各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記ノード点は、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
【0014】
また、前記道路データには、道路自体について、幅員、勾(こう)配、カント、高度、バンク、路面の状態、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等のデータが含まれる。なお、高速道路や幹線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路データとして格納され、2条化道路として処理される。例えば、片側2車線以上の幹線道路の場合、2条化道路として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、それぞれ、独立した道路として道路データに格納される。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等のデータが含まれる。さらに、道路属性については、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、主要地方道、一般道、高速道等)等のデータが含まれる。
【0015】
さらに、前記ナビゲーション装置10の通信インターフェイスは、サスペンション制御装置20との間で通信を行うとともに、FM送信装置、電話回線網、インターネット、携帯電話網等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPSセンサ11の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。
【0016】
そして、前記ナビゲーション装置10は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部16、サスペンション制御装置20が検出した段差に関する情報に基づいて段差エリア算出処理を実行する段差エリア算出処理部17、及び、車両の進行方向前方の道路上にある段差についての情報をサスペンション制御装置20に通知するための段差情報通知処理を実行する段差情報通知処理部18を有する。さらに、ナビゲーション装置10は、同一地点において送信された学習要求の数をカウントするカウンタとしての図示されない学習要求カウンタを有する。また、前記ナビゲーション装置10は、通常の車両用ナビゲーション装置と同様に、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等の基本処理を実行し、地図を表示手段の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する。なお、該案内情報は、発音手段によって音声出力されるようにしてもよい。また、前記ナビゲーション装置10は車両の現在位置を特定する現在位置特定手段として機能する。さらに、前記ナビゲーション装置10は、車両の走行経路において車両の前方に位置するコーナ等(交差点、T字路、高速道路出入口ランプウェイ等も含む)の形状、該コーナ等への推奨進入速度等を含む走行環境を認識する。そして、該走行環境情報はサスペンション制御装置20に送信される。
【0017】
また、該サスペンション制御装置20は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える。そして、前記サスペンション制御装置20は、例えば、車両内に配設されたボディ通信網としての車内LAN(Local Area Network)等の通信網を介して、ナビゲーション装置10と通信可能に接続されている。なお、前記サスペンション制御装置20は、道路上にある段差を検出する段差検出処理を実行する段差検出処理部21、及び、サスペンションユニット30の特性を制御するサスペンション特性制御部としての減衰力制御部25を有する。
【0018】
そして、前記段差検出処理部21は、段差検出センサ22に接続され、該段差検出センサ22の検出信号に基づいて、車両が段差上を走行したことを検出する。前記段差検出センサ22は、例えば、上下加速度センサであり、サスペンションユニット30における車体側の部分であるばね上部分が上下方向に移動する加速度としての車両の上下方向加速度を検出する。なお、前記ナビゲーション装置10のGセンサ14や図示されない車高センサを段差検出センサ22として兼用することもできる。そして、段差検出処理部21は、上下加速度の高周波成分をバンドパスフィルタで抽出し、所定の閾(しきい)値以上であれば、車両が段差上を走行したと判断する。なお、検出された上下加速度が低周波である場合には、段差によるものでなく、路面のうねりによるものと考えることができるので、車両が段差上を走行したと判断しないようになっている。
【0019】
また、前記減衰力制御部25は、車両の速度を検出する車速センサ26及び運転者が操作する車両のステアリングの舵角を検出するステアリングセンサ27に接続され、前記車速センサ26及びステアリングセンサ27の検出信号、並びに、ナビゲーション装置10の段差情報通知処理部18から取得した段差情報に基づいて、各サスペンションユニット30の特性を制御する。なお、前記ナビゲーション装置10の車速センサ13及びステアリングセンサを車速センサ26及びステアリングセンサ27として兼用することもできる。また、減衰力制御部25は、前記サスペンションユニット30のいかなる特性を制御してもよく、例えば、ばね部材のばねレート(ばね定数又はスプリングレート)の値を制御してもよいが、ここでは、サスペンションユニット30の特性としての減衰力を制御する場合について説明する。また、該減衰力の制御はいかなる方法で行われてもよいが、ここでは、各サスペンションユニット30の油圧ダンパ34に内蔵されたアクチュエータを駆動してオリフィス切り換え型減衰可変バルブを回転させることによって、油流路におけるオリフィスの直径の大きさを変化させるものとする。
【0020】
ここで、サスペンションユニット30は、一端が車体に回動可能に取り付けられ、他端が車軸を支持するハブ部材等に取り付けられたアッパーアーム31、ロワーアーム32等の車輪支持装置、並びに、コイルスプリング33等のばね部材及び油圧ダンパ34等の減衰器から成る緩衝装置を有する。なお、図に示される車輪支持装置及び緩衝装置は、一例に過ぎず、サスペンションユニット30はいかなるタイプの車輪支持装置及び緩衝装置を有するものであってもよい。図に示される油圧ダンパ34は、アクチュエータ内蔵型の減衰力可変ダンパである。なお、前記サスペンションユニット30は、サスペンション制御装置20に制御状況情報を送信する。また、図に示される例においては、サスペンション制御装置20が独立した構成になっているが、サスペンション制御装置20が有する機能をサスペンションユニット30に付属させることもできる。
【0021】
本実施の形態において、段差学習システムは、機能の観点から、段差検出手段、記憶手段、判定手段、記憶処理手段及び段差情報通知手段を有する。前記段差検出手段は、道路の段差を検出するものであり、段差検出処理部21、段差検出センサ22等の機能を含むものである。また、前記記憶手段は、段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を記憶するものであり、記憶メディア部19等の機能を含むものである。さらに、前記判定手段は、車両の走行状況を判定するものであり、ナビゲーション装置10及びサスペンション制御装置20の機能を含むものである。さらに、前記記憶処理手段は、判定手段による判定結果に基づいて、前記段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を前記記憶手段に選択的に記憶させるものであり、段差検出処理部21、現在位置検出部16、段差エリア算出処理部17等の機能を含むものである。さらに、段差情報通知手段は、現在位置と記憶手段に記憶されている段差エリアの段差情報に基づいて段差情報を通知するものであり、現在位置検出部16、段差情報通知処理部18等の機能を含むものである。
【0022】
次に、前記構成の段差学習システムの動作について説明する。
【0023】
車両が道路上の段差を走行する際に、例えば、減衰力を弱くすることによって、サスペンションユニット30の特性をソフトな、すなわち、柔らかな設定に変更することによって、乗り心地を向上させることができる。しかし、段差があることを検出してからサスペンションユニット30の特性を変更しても間に合わないので、十分な効果を得ることができない。そのため、十分な効果を得るためには、サスペンションユニット30の特性を事前に柔らかな設定に変更する必要がある。そして、サスペンションユニット30の特性を事前に変更するためには、ナビゲーション装置10の地図データベース部15にあらかじめ段差情報を格納し、該段差情報と車両の現在位置とに基づいて、車両の進行方向前方の所定距離範囲内に段差があることを判断することが考えられるが、道路のすべての段差に関する段差情報を格納した地図データファイルや道路データファイルを作成することは、コストが高く、また、ファイルの記憶容量が膨大なものになってしまうので、事実上困難である。また、車両に取り付けたカメラ等の撮像装置やミリ波レーダ等のレーダ装置によって、車両の進行方向前方の所定距離範囲内にある段差を検出することも考えられるが、高い精度で段差を検出することはコストが高くなる。
【0024】
そこで、本実施の形態においては、サスペンション制御装置20が段差を検出するとナビゲーション装置10に学習要求として段差を検出した旨の信号を送信し、ナビゲーション装置10が学習要求に応じて検出された段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶して学習するようになっている。なお、前記段差エリアは、道路上において段差の存在する範囲である。また、前記段差情報は、前記段差エリアの始点及び終点の位置情報等を含む段差エリアに関する情報である。
【0025】
そして、段差情報を記憶メディア部19に記憶した後に該当する段差エリアのある道路を走行する場合、ナビゲーション装置10は記憶した段差エリアの段差情報を事前にサスペンション制御装置20に送信する。そのため、該サスペンション制御装置20は、ナビゲーション装置10から受信した段差情報に基づいてサスペンションユニット30の特性を事前に柔らかな設定に変更することができる。この場合、前述のようにコストが高くなることがなく、また、ファイルの記憶容量が膨大なものになることもなく、乗り心地を向上させることができる。
【0026】
ところで、道路の状態によっては、段差情報に基づいてサスペンションユニット30の特性を事前に柔らかな設定に変更すると走行安定性が低下したり、却って乗り心地が低下してしまうことある。例えば、段差がコーナ中にある場合には、走行安定性が低下してしまう可能性があり、また、路面が大きくうねっている場所に段差がある場合には、車両の上下動が激しくなり、却って乗り心地が低下してしまうことがある。
【0027】
そこで、本実施の形態においては、段差を検出した場合であっても、車両の走行安定性が低下していると考えられるとき、段差を誤検出し易いと考えられるとき、及び、段差エリアの位置を誤検出し易いと考えられるときには、段差の学習を禁止して、検出された段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶しないようになっている。
【0028】
ここで、車両の走行安定性が低下していると考えられるときとは、車両が旋回中であるとき、路面のうねっている道路、すなわち、うねり道を走行中であるとき、路面が凍結している道路、すなわち、凍結路を走行中であるとき等である。車両が旋回中であるときにサスペンションユニット30の減衰力を弱くすると、車両のロールが大きくなり、車両の走行安定性が更に低下する可能性がある。また、うねり道を走行中であるときにサスペンションユニット30の減衰力を弱くすると、車両の揺り返しが大きくなり、車両の走行安定性が更に低下する可能性がある。
【0029】
そして、段差を誤検出し易いと考えられるときとは、急減速中のように車両がノーズダイブをして段差を通過した際における車両の上下方向加速度が大きくなるときである。このようなときには、段差レベルの小さな段差であっても、上下加速度の値が段差を検出するための閾値以上となって、段差が誤検出されてしまう可能性がある。
【0030】
また、段差エリアの位置を誤検出し易いと考えられるときとは、道路位置が不明瞭なとき、道路外を走行しているとき等である。ここで、道路位置が不明瞭なときとは、分岐点の直後であって2本の道路が接近している箇所を車両が走行しているときのように、どちらの道路上を走行中であるかの特定がナビゲーション装置10にとって困難なときである。また、道路外を走行しているときとは、ナビゲーション装置10がマップマッチングを行っても車両の現在位置と道路とのマッチングが行われないとき、すなわち、マッチング外れが生じたときである。このようなときには、誤制御の可能性がある。
【0031】
なお、フェールが発生したとき、すなわち、ナビゲーション装置10又はサスペンション制御装置20に故障が発生したときにも、段差の学習を禁止して、検出された段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶しない。
【0032】
次に、段差学習システムの実行する処理について説明する。
【0033】
図3は本発明の実施の形態における段差学習システムの実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【0034】
まず、サスペンション制御装置20は段差検出処理を実行する。ここで、該段差検出処理は、サスペンション制御装置20の段差検出処理部21が、段差検出センサ22の検出信号に基づいて、車両が段差上を走行したことを検出する処理である。この場合、前記段差検出処理部21は、段差検出処理を所定周期で、例えば、10〔msec〕毎に繰り返して実行し、実行する都度、段差が検出されているか否かを判断する。なお、段差学習禁止条件がONである場合には、段差の検出を行わないようになっている。そして、段差が検出されていない状態から検出されている状態に変化したときには段差検出ON信号をナビゲーション装置10に送信し、段差が検出されている状態から検出されていない状態に変化したときには段差検出OFF信号をナビゲーション装置10に送信する。この場合、段差検出ON信号は検出された段差エリアとしての学習要求エリアの始点に該当し、段差検出OFF信号は検出された段差エリアとしての学習要求エリアの終点に該当する。なお、前記段差検出ON信号及び段差検出OFF信号は、段差検出情報として送信される。また、減衰力制御部25が段差制御を実行した場所で段差が検出されなかった場合には、段差削除要求情報をナビゲーション装置10に送信する。
【0035】
続いて、該ナビゲーション装置10は段差情報記憶禁止処理を実行する。ここで、該段差情報記憶禁止処理は、ナビゲーション装置10が検出された段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶するか否かを判断し、検出された段差エリアの位置が誤検出し易いものであるとき、又は、ナビゲーション装置10にフェールが発生したときには、その段差情報の記憶を禁止する処理である。なお、検出された段差エリアの位置が誤検出し易いものである場合には、その段差情報を記憶メディア部19に記憶する。
【0036】
また、ナビゲーション装置10は、車両の進行方向前方における所定範囲内にある学習された段差エリアがある場合には、段差情報通知処理を実行する。ここで、該段差情報通知処理は、ナビゲーション装置10の段差情報通知処理部18が、現在位置検出部16から取得した車両の現在位置及び記憶メディア部19から取得した学習エリアの情報に基づいて、車両の進行方向前方における所定範囲内にある学習された段差エリアとしての学習エリアの段差情報をサスペンション制御装置20に送信する処理である。この場合、段差情報通知処理部18は段差エリアが存在する道路の道路種別を判断し、学習要求カウンタのカウント値が道路種別に対応する閾値以上である学習エリアの段差情報だけをサスペンション制御装置20に送信する。
【0037】
すると、該サスペンション制御装置20は減衰力制御処理を実行する。ここで、該減衰力制御処理は、サスペンション制御装置20の減衰力制御部25が、ナビゲーション装置10から受信した段差情報に基づいて、段差レベルに応じてサスペンションユニット30の減衰力を下げて乗り心地を向上させる処理である。
【0038】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 サスペンション制御装置20は段差検出処理を実行する。
ステップS2 ナビゲーション装置10は段差情報記憶禁止処理を実行する。
【0039】
次に、ステップS1における段差検出処理のサブルーチンについて説明する。
【0040】
図4は本発明の実施の形態における段差検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0041】
この場合、段差検出処理は所定タイミング、例えば、10〔msec〕毎に1回ずつ、繰り返して実行される。まず、サスペンション制御装置20の段差検出処理部21は、車体の上下加速度を段差検出センサ22からの検出信号に基づいて検出する。そして、前記段差検出処理部21は、上下加速度の高周波成分を抽出する。
【0042】
続いて、段差検出処理部21は段差学習禁止処理を実行する。ここで、段差学習禁止処理は、車両の走行安定性が低下していると考えられるとき、段差を誤検出し易いと考えられるとき、又は、サスペンション制御装置20に故障が発生したときには、段差の学習を禁止する処理である。そして、段差の学習を禁止するときには段差学習禁止条件をONにし、段差の学習を禁止しないときには段差学習禁止条件をOFFにする。
【0043】
続いて、段差検出処理部21は段差学習禁止条件がONであるか否かを判断する。そして、段差学習禁止条件がONである場合には、段差の学習が禁止されているのであるから、そのまま処理を終了する。また、段差学習禁止条件がONでない場合、すなわち、段差学習禁止条件がOFFである場合には、段差の学習を行うために、段差制御が実行中であるか否かを判断する。この場合、減衰力制御部25が、ナビゲーション装置10から受信した段差情報に基づいて、段差レベルに応じてサスペンションユニット30の減衰力を下げて乗り心地を向上させる制御を実行中であるか否かを判断する。
【0044】
そして、段差制御が実行中である場合、段差検出処理部21は、段差制御実行中の段差検出閾値G1を選択する。ここで、段差検出センサ22が、上下加速度センサであり、サスペンションユニット30における車体側の部分であるばね上部分が上下方向に移動する加速度としての車両の上下方向加速度を検出し、前記段差検出センサ22の検出信号に基づいて、車両が段差上を走行したことを検出する場合、サスペンションユニット30の制御状態によって、同じ段差上を走行しても、車両の上下方向加速度が相違する。例えば、サスペンション制御装置20が、ナビゲーション装置10から受信した段差情報に基づいてサスペンションユニット30の特性を事前に柔らかな設定に変更した場合、段差上を走行しても、車両の上下方向加速度の高周波成分の値が小さくなる。この場合、上下加速度の高周波成分の値が段差を検出するための閾値、すなわち、段差検出閾値未満となって、段差が検出されなくなってしまうことがある。
【0045】
そこで、本実施の形態においては、サスペンション制御装置20の減衰力制御部25が、ナビゲーション装置10から前方の段差情報に従って、サスペンションユニット30の減衰力を下げて乗り心地を向上させている場合、すなわち、段差制御を実行中の場合には、段差検出閾値を小さくするようになっている。この場合、段差検出処理部21は比較的小さな値の段差検出閾値である段差制御実行中の段差検出閾値G1を選択し、段差検出処理を実行する。なお、段差制御実行中の段差検出閾値G1の値は、任意に設定することができる。
【0046】
続いて、段差検出処理部21は、上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G1以上であるか否かを判断する。ここで、上下加速度の高周波成分が段差制御実行中の段差検出閾値G1以上である場合には、段差検出フラグをONにする。また、上下加速度の高周波成分が段差制御実行中の段差検出閾値G1以上でない場合には、段差検出フラグをOFFにする。
【0047】
続いて、段差検出処理部21はナビゲーション装置10に段差検出信号を送信する。該段差検出信号は、段差エリアの始点を示す段差検出ON信号、段差エリアの終点を示す段差検出OFF信号、算出された段差レベル等を含むものである。なお、前記段差検出処理部21は、繰り返して実行する段差検出処理において、前回実行された段差検出処理で段差を検出せずに、今回の段差検出処理で段差を検出すると、段差検出フラグをONにするようになっている。そして、段差検出フラグをONのままに維持し、段差検出処理で段差を検出しなくなると、段差検出フラグをOFFにして段差検出OFF信号を出力し、また、段差検出フラグをOFFのままに維持し、段差検出処理で車両が段差を検出すると、段差検出フラグをONにして段差検出ON信号を出力する。
【0048】
さらに、段差検出処理部21は段差制御を実行した場所で実際に段差が検出されなかったか否かを判断する。この場合、減衰力制御部25がナビゲーション装置10から受信した段差情報に基づいて減衰力制御処理を行っている場所を車両が走行した際に、段差検出フラグをOFFにしたか否かを判断する。そして、実際に段差が検出された場合にはそのまま処理を終了する。また、実際に段差が検出されなかった場合、段差検出処理部21はナビゲーション装置10に段差削除要求情報を送信し、処理を終了する。
【0049】
また、段差制御が実行中であるか否かを判断して段差制御が実行中でない場合、段差検出処理部21は、段差制御非実行中の段差検出閾値G2を選択する。なお、段差制御非実行中の段差検出閾値G2の値は、前記段差制御実行中の段差検出閾値G1の値より大きく、任意に設定することができる。
【0050】
続いて、段差検出処理部21は、上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G2以上であるか否かを判断する。ここで、上下加速度の高周波成分が段差制御非実行中の段差検出閾値G2以上である場合には、段差検出フラグをONにする。また、上下加速度の高周波成分が段差制御非実行中の段差検出閾値G2以上でない場合には、段差検出フラグをOFFにする。そして、段差検出処理部21はナビゲーション装置10に段差検出信号を送信し、処理を終了する。
【0051】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 車体の上下加速度を段差検出センサ22からの検出信号に基づいて検出する。
ステップS1−2 上下加速度の高周波成分を抽出する。
ステップS1−3 段差学習禁止処理を実行する。
ステップS1−4 段差学習禁止条件がONであるか否かを判断する。段差学習禁止条件がONである場合は処理を終了し、段差学習禁止条件がONでない場合はステップS1−5に進む。
ステップS1−5 段差制御が実行中であるか否かを判断する。段差制御が実行中である場合はステップS1−6に進み、段差制御が実行中でない場合はステップS1−13に進む。
ステップS1−6 段差制御実行中の段差検出閾値G1を選択する。
ステップS1−7 上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G1以上であるか否かを判断する。上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G1以上である場合はステップS1−8に進み、上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G1以上でない場合はステップS1−9に進む。
ステップS1−8 段差検出フラグをONにする。
ステップS1−9 段差検出フラグをOFFにする。
ステップS1−10 ナビゲーション装置10に段差検出情報を送信する。
ステップS1−11 段差制御を実行した場所で実際に段差が検出されなかったか否かを判断する。段差制御を実行した場所で実際に段差が検出されなかった場合はステップS1−12に進み、段差制御を実行した場所で実際に段差が検出された場合は処理を終了する。
ステップS1−12 ナビゲーション装置10に段差削除要求情報を送信し、処理を終了する。
ステップS1−13 段差制御非実行中の段差検出閾値G2を選択する。
ステップS1−14 上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G2以上であるか否かを判断する。上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G2以上である場合はステップS1−15に進み、上下加速度の高周波成分が段差検出閾値G2以上でない場合はステップS1−16に進む。
ステップS1−15 段差検出フラグをONにする。
ステップS1−16 段差検出フラグをOFFにする。
ステップS1−17 ナビゲーション装置10に段差検出情報を送信し、処理を終了する。
【0052】
次に、ステップS1−3における段差学習禁止処理のサブルーチンについて説明する。
【0053】
図1は本発明の実施の形態における段差学習禁止処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0054】
まず、段差検出処理部21は、サスペンション制御装置フェール中であるか否かを判断する。この場合、サスペンション制御装置20に故障が発生しているか否かを判断し、故障が発生しているときは、サスペンション制御装置フェール中であるとして、段差学習禁止条件をONにして処理を終了する。
【0055】
また、故障が発生していない場合、サスペンション制御装置フェール中でないとして、段差検出処理部21は、旋回中であるか否かを判断する。この場合、ステアリングセンサ27の検出信号に基づいて車両が旋回中であるか否かを判断する。なお、段差検出処理部21が図示されないヨーレートセンサや横加速度センサに接続されているのであれば、該ヨーレートセンサや横加速度センサの検出信号に基づいて車両が旋回中であるか否かを判断することもできる。そして、旋回中である場合は、段差学習禁止条件をONにして処理を終了する。
【0056】
また、旋回中でない場合は、段差検出処理部21は、うねり道走行中であるか否かを判断する。すなわち、車両が路面のうねっている道路を走行中であるか否かを判断する。この場合、車体の上下加速度を段差検出センサ22からの検出信号に基づいて検出し、上下加速度の低周波成分に基づいてうねり道走行中であるか否かを判断する。そして、うねり道走行中である場合は、段差学習禁止条件をONにして処理を終了する。
【0057】
また、うねり道走行中でない場合は、段差検出処理部21は、急減速中であるか否かを判断する。この場合、Gセンサ14の検出信号に基づいて車両が急減速中であるか否かを判断する。そして、急減速中である場合、段差学習禁止条件をONにして処理を終了する。また、急減速中でない場合、段差学習禁止条件をOFFにして処理を終了する。
【0058】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−3−1 サスペンション制御装置フェール中であるか否かを判断する。サスペンション制御装置フェール中である場合はステップS1−3−6に進み、サスペンション制御装置フェール中でない場合はステップS1−3−2に進む。
ステップS1−3−2 旋回中であるか否かを判断する。旋回中である場合はステップS1−3−6に進み、旋回中でない場合はステップS1−3−3に進む。
ステップS1−3−3 うねり道走行中であるか否かを判断する。うねり道走行中である場合はステップS1−3−6に進み、うねり道走行中でない場合はステップS1−3−4に進む。
ステップS1−3−4 急減速中であるか否かを判断する。急減速中である場合はステップS1−3−6に進み、急減速中でない場合はステップS1−3−5に進む。
ステップS1−3−5 段差学習禁止条件をOFFにして処理を終了する。
ステップS1−3−6 段差学習禁止条件をONにして処理を終了する。
【0059】
次に、ステップS2における段差情報記憶禁止処理のサブルーチンについて説明する。
【0060】
図5は本発明の実施の形態における段差情報記憶禁止処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0061】
まず、ナビゲーション装置10は、段差検出情報又は段差削除要求情報があるか否か、すなわち、段差検出情報又は段差削除要求情報を段差検出処理部21から受信したか否かを判断する。そして、段差検出情報及び段差削除要求情報のいずれもない場合にはそのまま処理を終了する。
【0062】
また、段差検出情報又は段差削除要求情報がある場合、ナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置フェール中であるか否かを判断する。この場合、ナビゲーション装置10自体に故障が発生しているか否かを判断し、故障が発生しているときは、ナビゲーション装置フェール中であるとして、段差検出情報又は段差削除要求情報をクリアして、すなわち、消去して処理を終了する。
【0063】
また、故障が発生していない場合、ナビゲーション装置フェール中でないとして、ナビゲーション装置10は、ナビ現在位置が不明瞭であるか否かを判断する。この場合、道路位置が不明瞭なとき、道路外を走行しているとき等は、現在位置検出部16が検出する現在位置が不明瞭であると判断し、ナビ現在位置が不明瞭であるとして、段差検出情報又は段差削除要求情報をクリアして、すなわち、消去して処理を終了する。
【0064】
また、現在位置検出部16が検出する現在位置が明瞭であると判断した場合、ナビゲーション装置10は、ナビ現在位置が不明瞭でないとして、段差検出情報又は段差削除要求情報に基づいて学習データを記憶メディア部19に記憶し、処理を終了する。
【0065】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 段差検出情報又は段差削除要求情報があるか否かを判断する。段差検出情報又は段差削除要求情報がある場合はステップS2−2に進み、段差検出情報又は段差削除要求情報がない場合は処理を終了する。
ステップS2−2 ナビゲーション装置フェール中であるか否かを判断する。ナビゲーション装置フェール中である場合はステップS2−5に進み、ナビゲーション装置フェール中でない場合はステップS2−3に進む。
ステップS2−3 ナビ現在位置が不明瞭であるか否かを判断する。ナビ現在位置が不明瞭である場合はステップS2−5に進み、ナビ現在位置が不明瞭でない場合はステップS2−4に進む。
ステップS2−4 段差検出情報、段差削除要求情報に基づいて、学習データを記憶メディア部19に記憶し、処理を終了する。
ステップS2−5 段差検出情報、段差削除要求情報をクリアし、処理を終了する。
【0066】
このように、本実施の形態においては、車両の走行中に道路上にある段差を検出した場合であっても、段差を学習するのに相応しくない状況にあるときには、検出された段差を学習しない。すなわち、車両の姿勢を判定し、車両の姿勢が変化中であるときには、段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶させないようになっている。なお、車両が旋回中であるとき、車両が路面のうねっている道路を走行中であるとき、及び、車両が急減速中であるときに、車両の姿勢が変化中であると判定される。また、車両の現在位置を判定し、車両の現在位置が不明瞭であるときには、段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶させないようになっている。さらに、車両の故障を判定し、車両に故障が発生しているときには、段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶させないようになっている。そのため、車両の走行安定性や乗り心地が低下することがなく、段差に対して適切にサスペンション制御を行うことができる。
【0067】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態における段差学習禁止処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態における段差学習システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における段差学習システムの実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における段差検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における段差情報記憶禁止処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
10 ナビゲーション装置
16 現在位置検出部
17 段差エリア算出処理部
18 段差情報通知処理部
19 記憶メディア部
20 サスペンション制御装置
21 段差検出処理部
22 段差検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)道路の段差を検出する段差検出手段と、
(b)該段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を記憶する記憶手段と、
(c)車両の走行状況を判定する判定手段と、
(d)該判定手段による判定結果に基づいて、前記段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を前記記憶手段に選択的に記憶させる記憶処理手段とを有することを特徴とする段差学習システム。
【請求項2】
(a)前記判定手段は車両の姿勢を判定し、
(b)前記記憶処理手段は、車両の姿勢が変化中であるときには、前記段差エリアの段差情報を前記記憶手段に記憶させない請求項1に記載の段差学習システム。
【請求項3】
前記判定手段は、車両が旋回中であるとき、車両が路面のうねっている道路を走行中であるとき、及び、車両が急減速中であるときに、車両の姿勢が変化中であると判定する請求項2に記載の段差学習システム。
【請求項4】
(a)前記判定手段は車両の現在位置を判定し、
(b)前記記憶処理手段は、車両の現在位置が不明瞭であるときには、前記段差エリアの段差情報を前記記憶手段に記憶させない請求項1に記載の段差学習システム。
【請求項5】
(a)前記判定手段は車両の故障を判定し、
(b)前記記憶処理手段は、車両に故障が発生しているときには、前記段差エリアの段差情報を前記記憶手段に記憶させない請求項1に記載の段差学習システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−218942(P2006−218942A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−32844(P2005−32844)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】