段差解消機
【課題】テーブル上の車椅子等の転落阻止の形態と、テーブル上からの車椅子等の搬送を許容させる形態とを簡単な手操作によって実現させることができる段差解消機の提供。
【解決手段】昇降機構により昇降するテーブル2を備え、このテーブル2には固定柵3が設けられ、この固定柵3には中空管4,5が固設され、これらの中空管4,5に第1手摺り6及び第2手摺り7が回転自在に挿入支持されるとともに、第1手摺り6及び第2の手摺り7が、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺り6が回転を拘束された状態で第2手摺り7のみの回転を許容させる回転連携手段を備えた構成にしてある。
【解決手段】昇降機構により昇降するテーブル2を備え、このテーブル2には固定柵3が設けられ、この固定柵3には中空管4,5が固設され、これらの中空管4,5に第1手摺り6及び第2手摺り7が回転自在に挿入支持されるとともに、第1手摺り6及び第2の手摺り7が、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺り6が回転を拘束された状態で第2手摺り7のみの回転を許容させる回転連携手段を備えた構成にしてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段差を有する箇所に活用され、車椅子等を搭載可能なテーブルを備えた段差解消機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の段差解消機において従来、テーブル上に搭載した車椅子の脱落を防止する安全柵として、テーブルの両側方に固定柵を設け、車椅子の出入り口には、起立式の車止めを設置したものやチェーンを両側の固定柵間に張ったものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−101687号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで段差解消機においては、テーブル上に車椅子を搭載し、段差解消機の出入り口方向の車椅子の脱落を防止するための車止めのセット操作、セットの解除操作、段差解消機の上昇、下降操作などは、介添え者が行うのが一般的である。しかしながら、段差解消機が設置されるテーブル上のスペースは狭い場合がほとんどであり、介添え者が車椅子が搭載されているテーブル上にあって、テーブルの出口と入口間を行き来することは困難であった。したがって、テーブルの一方の出入り口の車止めをセットし、あるいはセットを解除するために、また反対側の他方の車止めをセットし、あるいはセットを解除するために、介添え者はテーブルの外側を移動するしかなく、損雑な手操作が必要であった。
【0004】
なお、このような介添え者の煩雑な手操作を解消するために、車止めを電動駆動とすることが考えられるが、このように電動駆動させようとすると構造が複雑となり、機械の大型化を招き、また高価なものとなってしまう。
【0005】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、テーブル上の車椅子等の転落阻止の形態と、テーブル上からの車椅子等の搬送を許容させる形態とを簡単な手操作によって実現させることができる段差解消機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、昇降機構により昇降するテーブルを備えた段差解消機において、前記テーブルには固定柵が設けられ、この固定柵には、1個、あるいは複数個の中空管が固設され、この中空管に第1手摺り及び第2手摺りが回転自在に挿入支持されるとともに、第1手摺り及び第2の手摺りが、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺りが回転を拘束された状態で第2手摺りのみの回転を許容させる回転連携手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明は、テーブルが下降端に位置している状態で、このテーブル上に車椅子等を載せた後、例えばテーブル上の介添え者が、第2手摺りを車椅子等の転落を阻止する転落阻止位置まで回転させることにより、回転連携手段を介して第1手摺りも第2手摺りと同期して転落阻止位置まで回転させることができる。また、テーブルが上昇端部に位置し、テーブル上の車椅子等を例えば階段の最上段の床面まで搬送しようとする場合には、回転連携手段を介して第1手摺りを拘束させた状態で、第2手摺りのみを回転させ、この第2手摺りの回転によって形成された出口空間から車椅子等を搬出させることができる。このように介添え者等の第2手摺りのみの簡単な手操作によって、車椅子等の転落を阻止する転落阻止形態と、車椅子等の搬送を可能にする形態とを容易に実現させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、固定柵に固設した中空管と、この中空管に回転自在に支持される第1手摺り及び第2手摺りとともに、第1手摺り及び第2の手摺りが、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺りが回転を拘束された状態で第2手摺りのみの回転を許容させる回転連携手段を備えたことから、テーブル上の車椅子等の転落阻止の形態と、テーブル上からの車椅子等の搬送を許容させる形態とを、簡単な手操作によって実現させることができる。したがって、介添え者等の操作に伴う疲労を従来よりも軽減できるとともに、電動駆動に比べれば簡単な構造とすることができ、製作費を安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る段差解消機を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の段差解消機の一実施形態を示す正面図、図2は図1のA−A線に沿う拡大断面図、図3は図1のB−B線に沿う拡大断面図である。図4は図3のD−D線に沿う拡大断面図、図5は図3のE−E線に沿う拡大断面図、図6は図5のH−H線に沿う断面図である。図7は図5のF−F線に沿う断面図、図8は図7のC−C曲線に沿う断面図、図9は図5のG−G線に沿う断面図、図10は図9のJ−J曲線に沿う断面図である。
【0011】
本実施形態に係る段差解消機1は、図1に示すように、上方に図示しない昇降機構によって昇降するテーブル2が設置され、このテーブル2の上面には、両側方に固定柵3が固設されている。図1は段差解消機のテーブル2が上昇した状態を示しており、下降状態では、テーブル2が地面に近い位置まで下降し折りたたまれる。
【0012】
図1〜3に示すように、中空管4と中空管5が、固定柵3にねじ止め、あるいは溶接などで固設されている。本実施形態は図1,2に示すように、中空管4と中空管5との2個の中空管が取り付けられているが、テーブル2のサイズによっては、中空管を1個あるいは3個以上取り付けてもよい。
【0013】
図4に示すように、中空管4の内部に、パイプ状の第1手摺り6が回転自在に挿入されている。図5,6に示すように、中空管5内部においては、第1手摺り6の端部が位置しており、この第1手摺り6の端部の孔部6bに、パイプ状の第2手摺り7の端部が挿入されている。第1手摺り6の孔部6bの内面には、ばね座9が設けられ、このばね座9と第2手摺り7の端部との空隙を形成する孔部6の部分には、圧縮ばね8が組み込まれている。
【0014】
図7〜10に示すように、第1手摺り6に設けられた第1突起10は、中空管5の内面に設けた概ねL字状をした第1溝5aにはめ込まれ、この第1突起10は、第1溝5aに案内され、第2手摺り7を連結した状態の第1手摺り6が回転可能に、また軸方向に摺動可能になっている。
【0015】
また、第2手摺り7に設けられた第2突起11は、第1手摺り6に設けたL字状の第2溝6aにはめ込まれ、この第2突起11は第2溝6aに案内され、第1手摺り6が拘束された状態では、第2手摺り7が、第1手摺り6を軸方向へ移動させず、かつ回転もさせることなくばね8を圧縮する方向に摺動可能で、かつ回転可能となっている。
【0016】
上述した第1手摺り6の端部付近に形成された第1突起10と、中空管5の内面に形成され、第1突起10を案内する第1溝5aと、第1手摺り6の端部に形成された第2溝6aと、第2手摺り7の端部付近に形成され、第2溝6aと係合する第2突起11と、第1手摺り6の第2溝6a付近に設けられたばね座9と、このばね座9と第2手摺り7の端面との間に装着されたばね8とによって、第1手摺り6及び第2の手摺り7が、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺り6が回転を拘束された状態で第2手摺り7のみの回転を許容させる回転連携手段が構成されている。
【0017】
図11は本実施形態において、第1手摺り及び第2手摺りを回転させた状態を示す正面図、図12は図11のK−K線に沿う拡大断面図、図13は図12のV−V線に沿う拡大断面図、図14は図13のL−L線に沿う断面図、図15は図13のM−M線に沿う断面図、図16は図15のP−P曲線に沿う断面図、図17は図14のN−N線に沿う段断面図である。
【0018】
このように構成した本実施形態において、テーブル2上に例えば図示しない車椅子を搭載させた後、介添え者が、車椅子の脱落を防止する為に、第2手摺り7をテーブル2の中心側に向かって回転させると、第2手摺り7の第2突起11を介して第1手摺り6が同期して回転し、この第1手すり6の第1突起10が、中空管5に設けた第1溝5aに案内され、回転すると同時に軸方向に摺動する。すなわち、第1突起10は図8に示す第1溝5aの始点部から図16に示す第1溝5aの終端部まで移動する。第1突起10が第1溝5aの終端部に係合したところで、第1手摺り6が中空管5に回転を拘束された状態に保持される。これに伴い第2手摺り7も第1手摺り6と一体的に保持される。これによって、テーブル2上の車椅子の転落を阻止する形態が形成される。
【0019】
図18は23のU−U線に沿う拡大断面図、図19は図18のR−R線に沿う断面図、図20は図19のS−S線に沿う断面図、図21は図20のT−T曲線に沿う断面図、図22は本実施形態において、第2手摺りのみを回転させて元の位置に戻した状態を示す正面図、図23は図22のW−W曲線に沿う断面図である。
【0020】
上述した状態からテーブル2を上昇させた後、テーブル2上の図示しない車椅子を例えば階段の最上段の床面まで搬送する場合には、介添え者は、図18,19に示すように、第1突起10と第1溝5aの終端部との係合によって第1手摺り6の回転が拘束されている状態において、第2手摺り7をばね8を圧縮させる方向に移動させ、この第2手摺り7を元に戻す方向に回転させればよい。これによって第2手摺り7は、第2突起11と第2溝6aとの係合を介して元の状態に保持される。したがって、第2手摺り7側に形成される出口空間から、すなわち介添え者側から車椅子の搬出が可能となる。
【0021】
なお、図22に示す状態から図1に示す状態に復帰させるには、上述の手操作と逆の手操作を行なえばよい。すなわち、図22に示す状態において、第2手摺り7をテーブル2の中心方向に回転させると、ばね8の力によって第2手摺り7が戻されるように移動して図11に示す状態となる。この状態から、少し力を加えて第2手摺り7を押し下げると、第1突起10と第1溝5aとの係合が解かれ、第1手摺り6と第2手摺り7とが同期して回転し、図1に示す状態に復帰する。
【0022】
以上のように構成した本実施形態によれば、テーブル2上の車椅子の転落阻止の形態と、テーブル2上からの車椅子の搬送を許容させる形態とを、第2手摺り7側においてのみの簡単な手操作によって実現させることができる。したがって、介添え者の操作に伴う疲労を従来よりも軽減できるとともに、電動駆動に比べれば簡単な構造とすることができ、製作費を安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の段差解消機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図4】図3のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図5】図3のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図6】図5のH−H線に沿う断面図である。
【図7】図5のF−F線に沿う断面図である。
【図8】図7のC−C曲線に沿う断面図である。
【図9】図5のG−G線に沿う断面図である。
【図10】図9のJ−J曲線に沿う断面図である。
【図11】本実施形態において、第1手摺り及び第2手摺りを回転させた状態を示す正面図である。
【図12】図11のK−K線に沿う拡大断面図である。
【図13】図12のV−V線に沿う拡大断面図である。
【図14】図13のL−L線に沿う断面図である。
【図15】図13のM−M線に沿う断面図である。
【図16】図15のP−P曲線に沿う断面図である。
【図17】図14のN−N線に沿う段断面図である。
【図18】図23のU−U線に沿う拡大断面図である。
【図19】図18のR−R線に沿う断面図である。
【図20】図19のS−S線に沿う断面図である。
【図21】図20のT−T曲線に沿う断面図である。
【図22】本実施形態において、第2手摺りのみを回転させて元の位置に戻した状態を示す正面図である。
【図23】図22のW−W曲線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 段差解消機
2 テーブル
3 安全柵
4 中空管
5 中空管
5a 第1溝
6 第1手摺り
6a 第2溝
7 第2手摺り
8 ばね
9 ばね座
10 第1突起
11 第2突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、段差を有する箇所に活用され、車椅子等を搭載可能なテーブルを備えた段差解消機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の段差解消機において従来、テーブル上に搭載した車椅子の脱落を防止する安全柵として、テーブルの両側方に固定柵を設け、車椅子の出入り口には、起立式の車止めを設置したものやチェーンを両側の固定柵間に張ったものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−101687号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで段差解消機においては、テーブル上に車椅子を搭載し、段差解消機の出入り口方向の車椅子の脱落を防止するための車止めのセット操作、セットの解除操作、段差解消機の上昇、下降操作などは、介添え者が行うのが一般的である。しかしながら、段差解消機が設置されるテーブル上のスペースは狭い場合がほとんどであり、介添え者が車椅子が搭載されているテーブル上にあって、テーブルの出口と入口間を行き来することは困難であった。したがって、テーブルの一方の出入り口の車止めをセットし、あるいはセットを解除するために、また反対側の他方の車止めをセットし、あるいはセットを解除するために、介添え者はテーブルの外側を移動するしかなく、損雑な手操作が必要であった。
【0004】
なお、このような介添え者の煩雑な手操作を解消するために、車止めを電動駆動とすることが考えられるが、このように電動駆動させようとすると構造が複雑となり、機械の大型化を招き、また高価なものとなってしまう。
【0005】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、テーブル上の車椅子等の転落阻止の形態と、テーブル上からの車椅子等の搬送を許容させる形態とを簡単な手操作によって実現させることができる段差解消機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、昇降機構により昇降するテーブルを備えた段差解消機において、前記テーブルには固定柵が設けられ、この固定柵には、1個、あるいは複数個の中空管が固設され、この中空管に第1手摺り及び第2手摺りが回転自在に挿入支持されるとともに、第1手摺り及び第2の手摺りが、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺りが回転を拘束された状態で第2手摺りのみの回転を許容させる回転連携手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明は、テーブルが下降端に位置している状態で、このテーブル上に車椅子等を載せた後、例えばテーブル上の介添え者が、第2手摺りを車椅子等の転落を阻止する転落阻止位置まで回転させることにより、回転連携手段を介して第1手摺りも第2手摺りと同期して転落阻止位置まで回転させることができる。また、テーブルが上昇端部に位置し、テーブル上の車椅子等を例えば階段の最上段の床面まで搬送しようとする場合には、回転連携手段を介して第1手摺りを拘束させた状態で、第2手摺りのみを回転させ、この第2手摺りの回転によって形成された出口空間から車椅子等を搬出させることができる。このように介添え者等の第2手摺りのみの簡単な手操作によって、車椅子等の転落を阻止する転落阻止形態と、車椅子等の搬送を可能にする形態とを容易に実現させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、固定柵に固設した中空管と、この中空管に回転自在に支持される第1手摺り及び第2手摺りとともに、第1手摺り及び第2の手摺りが、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺りが回転を拘束された状態で第2手摺りのみの回転を許容させる回転連携手段を備えたことから、テーブル上の車椅子等の転落阻止の形態と、テーブル上からの車椅子等の搬送を許容させる形態とを、簡単な手操作によって実現させることができる。したがって、介添え者等の操作に伴う疲労を従来よりも軽減できるとともに、電動駆動に比べれば簡単な構造とすることができ、製作費を安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る段差解消機を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の段差解消機の一実施形態を示す正面図、図2は図1のA−A線に沿う拡大断面図、図3は図1のB−B線に沿う拡大断面図である。図4は図3のD−D線に沿う拡大断面図、図5は図3のE−E線に沿う拡大断面図、図6は図5のH−H線に沿う断面図である。図7は図5のF−F線に沿う断面図、図8は図7のC−C曲線に沿う断面図、図9は図5のG−G線に沿う断面図、図10は図9のJ−J曲線に沿う断面図である。
【0011】
本実施形態に係る段差解消機1は、図1に示すように、上方に図示しない昇降機構によって昇降するテーブル2が設置され、このテーブル2の上面には、両側方に固定柵3が固設されている。図1は段差解消機のテーブル2が上昇した状態を示しており、下降状態では、テーブル2が地面に近い位置まで下降し折りたたまれる。
【0012】
図1〜3に示すように、中空管4と中空管5が、固定柵3にねじ止め、あるいは溶接などで固設されている。本実施形態は図1,2に示すように、中空管4と中空管5との2個の中空管が取り付けられているが、テーブル2のサイズによっては、中空管を1個あるいは3個以上取り付けてもよい。
【0013】
図4に示すように、中空管4の内部に、パイプ状の第1手摺り6が回転自在に挿入されている。図5,6に示すように、中空管5内部においては、第1手摺り6の端部が位置しており、この第1手摺り6の端部の孔部6bに、パイプ状の第2手摺り7の端部が挿入されている。第1手摺り6の孔部6bの内面には、ばね座9が設けられ、このばね座9と第2手摺り7の端部との空隙を形成する孔部6の部分には、圧縮ばね8が組み込まれている。
【0014】
図7〜10に示すように、第1手摺り6に設けられた第1突起10は、中空管5の内面に設けた概ねL字状をした第1溝5aにはめ込まれ、この第1突起10は、第1溝5aに案内され、第2手摺り7を連結した状態の第1手摺り6が回転可能に、また軸方向に摺動可能になっている。
【0015】
また、第2手摺り7に設けられた第2突起11は、第1手摺り6に設けたL字状の第2溝6aにはめ込まれ、この第2突起11は第2溝6aに案内され、第1手摺り6が拘束された状態では、第2手摺り7が、第1手摺り6を軸方向へ移動させず、かつ回転もさせることなくばね8を圧縮する方向に摺動可能で、かつ回転可能となっている。
【0016】
上述した第1手摺り6の端部付近に形成された第1突起10と、中空管5の内面に形成され、第1突起10を案内する第1溝5aと、第1手摺り6の端部に形成された第2溝6aと、第2手摺り7の端部付近に形成され、第2溝6aと係合する第2突起11と、第1手摺り6の第2溝6a付近に設けられたばね座9と、このばね座9と第2手摺り7の端面との間に装着されたばね8とによって、第1手摺り6及び第2の手摺り7が、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺り6が回転を拘束された状態で第2手摺り7のみの回転を許容させる回転連携手段が構成されている。
【0017】
図11は本実施形態において、第1手摺り及び第2手摺りを回転させた状態を示す正面図、図12は図11のK−K線に沿う拡大断面図、図13は図12のV−V線に沿う拡大断面図、図14は図13のL−L線に沿う断面図、図15は図13のM−M線に沿う断面図、図16は図15のP−P曲線に沿う断面図、図17は図14のN−N線に沿う段断面図である。
【0018】
このように構成した本実施形態において、テーブル2上に例えば図示しない車椅子を搭載させた後、介添え者が、車椅子の脱落を防止する為に、第2手摺り7をテーブル2の中心側に向かって回転させると、第2手摺り7の第2突起11を介して第1手摺り6が同期して回転し、この第1手すり6の第1突起10が、中空管5に設けた第1溝5aに案内され、回転すると同時に軸方向に摺動する。すなわち、第1突起10は図8に示す第1溝5aの始点部から図16に示す第1溝5aの終端部まで移動する。第1突起10が第1溝5aの終端部に係合したところで、第1手摺り6が中空管5に回転を拘束された状態に保持される。これに伴い第2手摺り7も第1手摺り6と一体的に保持される。これによって、テーブル2上の車椅子の転落を阻止する形態が形成される。
【0019】
図18は23のU−U線に沿う拡大断面図、図19は図18のR−R線に沿う断面図、図20は図19のS−S線に沿う断面図、図21は図20のT−T曲線に沿う断面図、図22は本実施形態において、第2手摺りのみを回転させて元の位置に戻した状態を示す正面図、図23は図22のW−W曲線に沿う断面図である。
【0020】
上述した状態からテーブル2を上昇させた後、テーブル2上の図示しない車椅子を例えば階段の最上段の床面まで搬送する場合には、介添え者は、図18,19に示すように、第1突起10と第1溝5aの終端部との係合によって第1手摺り6の回転が拘束されている状態において、第2手摺り7をばね8を圧縮させる方向に移動させ、この第2手摺り7を元に戻す方向に回転させればよい。これによって第2手摺り7は、第2突起11と第2溝6aとの係合を介して元の状態に保持される。したがって、第2手摺り7側に形成される出口空間から、すなわち介添え者側から車椅子の搬出が可能となる。
【0021】
なお、図22に示す状態から図1に示す状態に復帰させるには、上述の手操作と逆の手操作を行なえばよい。すなわち、図22に示す状態において、第2手摺り7をテーブル2の中心方向に回転させると、ばね8の力によって第2手摺り7が戻されるように移動して図11に示す状態となる。この状態から、少し力を加えて第2手摺り7を押し下げると、第1突起10と第1溝5aとの係合が解かれ、第1手摺り6と第2手摺り7とが同期して回転し、図1に示す状態に復帰する。
【0022】
以上のように構成した本実施形態によれば、テーブル2上の車椅子の転落阻止の形態と、テーブル2上からの車椅子の搬送を許容させる形態とを、第2手摺り7側においてのみの簡単な手操作によって実現させることができる。したがって、介添え者の操作に伴う疲労を従来よりも軽減できるとともに、電動駆動に比べれば簡単な構造とすることができ、製作費を安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の段差解消機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図4】図3のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図5】図3のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図6】図5のH−H線に沿う断面図である。
【図7】図5のF−F線に沿う断面図である。
【図8】図7のC−C曲線に沿う断面図である。
【図9】図5のG−G線に沿う断面図である。
【図10】図9のJ−J曲線に沿う断面図である。
【図11】本実施形態において、第1手摺り及び第2手摺りを回転させた状態を示す正面図である。
【図12】図11のK−K線に沿う拡大断面図である。
【図13】図12のV−V線に沿う拡大断面図である。
【図14】図13のL−L線に沿う断面図である。
【図15】図13のM−M線に沿う断面図である。
【図16】図15のP−P曲線に沿う断面図である。
【図17】図14のN−N線に沿う段断面図である。
【図18】図23のU−U線に沿う拡大断面図である。
【図19】図18のR−R線に沿う断面図である。
【図20】図19のS−S線に沿う断面図である。
【図21】図20のT−T曲線に沿う断面図である。
【図22】本実施形態において、第2手摺りのみを回転させて元の位置に戻した状態を示す正面図である。
【図23】図22のW−W曲線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 段差解消機
2 テーブル
3 安全柵
4 中空管
5 中空管
5a 第1溝
6 第1手摺り
6a 第2溝
7 第2手摺り
8 ばね
9 ばね座
10 第1突起
11 第2突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機構により昇降するテーブルを備えた段差解消機において、
前記テーブルには固定柵が設けられ、この固定柵には、1個、あるいは複数個の中空管が固設され、この中空管に第1手摺り及び第2手摺りが回転自在に挿入支持されるとともに、
第1手摺り及び第2の手摺りが、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺りが回転を拘束された状態で第2手摺りのみの回転を許容させる回転連携手段を備えたことを特徴とする段差解消機。
【請求項2】
前記請求項1記載の発明において、
前記回転連携手段は、前記第1手摺りの端部付近に形成された第1突起と、前記中空管の内面に形成され、前記第1突起を案内する第1溝と、前記第1手摺りの端部に形成された第2溝と、前記第2手摺りの端部付近に形成され、前記第2溝と係合する第2突起と、前記第1手摺りの前記第2溝付近に設けられたばね座と、このばね座と前記第2手摺りの端面との間に装着されたばねとを含むことを特徴とする段差解消機。
【請求項1】
昇降機構により昇降するテーブルを備えた段差解消機において、
前記テーブルには固定柵が設けられ、この固定柵には、1個、あるいは複数個の中空管が固設され、この中空管に第1手摺り及び第2手摺りが回転自在に挿入支持されるとともに、
第1手摺り及び第2の手摺りが、相互に同期して回転することを許容させ、かつ、第1手摺りが回転を拘束された状態で第2手摺りのみの回転を許容させる回転連携手段を備えたことを特徴とする段差解消機。
【請求項2】
前記請求項1記載の発明において、
前記回転連携手段は、前記第1手摺りの端部付近に形成された第1突起と、前記中空管の内面に形成され、前記第1突起を案内する第1溝と、前記第1手摺りの端部に形成された第2溝と、前記第2手摺りの端部付近に形成され、前記第2溝と係合する第2突起と、前記第1手摺りの前記第2溝付近に設けられたばね座と、このばね座と前記第2手摺りの端面との間に装着されたばねとを含むことを特徴とする段差解消機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−308293(P2007−308293A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141815(P2006−141815)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【出願人】(591106118)サイタ工業株式会社 (10)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【出願人】(591106118)サイタ工業株式会社 (10)
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