説明

殺ダニ剤および新規ウレア化合物

【課題】効果が確実で安全に使用できる殺ダニ剤、並びに殺ダニ剤の活性成分となり得る新規ウレア化合物及びその塩を提供する。
【解決手段】式(I)で表される化合物又はその塩の少なくとも一種を有効成分として含有する殺ダニ剤。


(式中、Rはアルキル基等、Rはアルキル基等、Rはハロゲン原子等、Rは水素原子等、Rはアルキル基等、m、nは0〜2の整数、XはN=CN等、AはO等。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺ダニ剤、並びに殺ダニ剤の有効成分として有用な新規ウレア化合物及びその塩に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の殺ダニ剤が使用されているが、その効力が不十分であったり、薬剤抵抗性問題によりその使用が制限されたり、また、植物体に薬害や汚染を生じたり、あるいは人畜魚類等に対する毒性が強かったりすることから、必ずしも満足すべき殺ダニ剤とは言い難いものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全に使用できる新しい殺ダニ剤の開発が要望されている。
【0003】
本発明に関連して、特許文献1には、本発明化合物と類似した骨格を有する化合物が記載されている。
しかしながら、この文献には、その化合物が殺ダニ活性を有する旨や、本発明化合物については記載されていない。
【特許文献1】WO2007/015533号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、効果が確実で安全に使用できる殺ダニ剤、並びに殺ダニ剤の有効成分として有用な新規ウレア化合物及びその塩を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記式(I)で示される化合物が優れた殺ダニ活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は第1に、式(I)
【0006】
【化1】

【0007】
〔式中、Rは、C1〜20アルキル基又はC1〜20ハロアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
【0008】
は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
【0009】
は、水素原子、シアノ基、ホルミル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、又は、無置換若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、式(a)
【0010】
【化2】

【0011】
で表される、無置換若しくは置換基を有する含窒素ヘテロ環基、式(b)
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、R、Rはそれぞれ独立して、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC3〜6シクロアルキル基、C2〜6アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、又は無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。又は、RとRが一緒になって結合して、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を1〜4個含んでいてもよい3〜8員のへテロ環を形成する。)で表される基、無置換若しくは置換基を有するピロリジン−2−イル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、無置換若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、又は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基を表す。
【0014】
Xは、式:N−CNで表される基、又は式:N−OR’(R’は水素原子又は無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基を示す。)で表される基を表す。
nは0〜2のいずれかの整数を表し、mは0〜2のいずれかの整数を表す。但し、m+n≦2である。
【0015】
Aは酸素原子、硫黄原子、又は、式:N−Q(Qは、シアノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、又は式:OR10で表される基を示す。R10は、水素原子、無置換若しくは置換基を有するC1〜10アルキル基を表す。)で表される基を示す。〕で示される化合物又はその塩の少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする殺ダニ剤を提供する。
本発明は第2に、式(I−1)
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、Rは、C1〜20アルキル基又はC1〜20ハロアルキル基を表す。
21は、無置換又は置換基を有するC1〜20アルキル基を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
【0018】
は、水素原子、シアノ基、ホルミル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、又は、無置換若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
、Rはそれぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、又は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基を表す。また、R、Rは一緒になって、無置換若しくは置換基を有する環を形成してもよい。さらに、該環は、環内に、式:−N(R)−C(=O)−で表される基に結合する窒素原子以外にヘテロ原子を含んでいてもよい。)
で示されるウレア化合物又はその塩を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、効果が確実で安全に使用できる殺ダニ剤、並びに殺ダニ剤の有効成分として有用な新規ウレア化合物及びその塩が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1は、前記式(I)で示される化合物(以下、「化合物(I)」ということがある。)又はその塩の少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする殺ダニ剤である。
【0021】
(1)化合物(I)
式(I)中、Rは、C1〜20アルキル基又はC1〜20ハロアルキル基を表す。
のC1〜20アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。
【0022】
のC1〜20ハロアルキル基としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トルフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rとしては、C1〜20ハロアルキル基が好ましく、C1〜6ハロアルキル基がより好ましく、C1〜6フルオロアルキル基が更に好ましい。
【0023】
は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基(アシル基の炭素数はカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。以下にて同じ。)、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基(チオアシル基の炭素数はチオカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。以下にて同じ。)、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
【0024】
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアミノ基としては、アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノC1〜C6アルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジC1〜C6アルキルアミノ基;アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基;フェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよいフェニルアミノ基;等が挙げられる。
【0025】
無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基のC1〜20アルキル基としては、前記Rで例示したのと同様のものが挙げられる。
【0026】
無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基のC2〜20アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
【0027】
無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基のC2〜20アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基等が挙げられる。
【0028】
C1〜20アルキル基、C2〜20アルケニル基、C2〜20アルキニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のC1〜6アルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
【0029】
無置換若しくは置換基を有するアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
【0030】
無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基のC1〜20アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基等のC1〜20アルキルカルボニル基(アルキルカルボニル基の炭素数はカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。);アリルカルボニル基、クロチルカルボニル基等のC2〜20アルケニルカルボニル基(アルケニルカルボニル基の炭素数はカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。);プロパルギルカルボニル基等のC2〜20アルキニルカルボニル基(アルキニルカルボニル基の炭素数はカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。);ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;等が挙げられる。
【0031】
無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基のC1〜20チオアシル基としては、チオアセチル基、チオプロピオニル基等のC1〜20アルキルチオカルボニル基(アルキルチオカルボニル基の炭素数はチオカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。);アリルチオカルボニル基、クロチルチオカルボニル基等のC2〜20アルケニルチオカルボニル基(アルケニルチオカルボニル基の炭素数はチオカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。);プロパルギルチオカルボニル基等のC2〜20アルキニルチオカルボニル基(アルキニルチオカルボニル基の炭素数はチオカルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。);チオベンゾイル基等のアリールチオカルボニル基;等が挙げられる。
【0032】
無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基のC1〜20アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0033】
無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基のC2〜20アルケニルオキシ基としては、アリルオキシ基、クロチルオキシ基等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基のC2〜20アルキニルオキシ基としては、プロパルギルオキシ基等が挙げられる。
【0034】
無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0035】
無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基のヘテロイルオキシ基としては、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、2−イミダゾリルオキシ基、4−イミダゾリルオキシ基等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基のC1〜20アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等が挙げられる。
【0036】
無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基のC2〜20アルケニルチオ基としては、アリルチオ基、クロチルチオ基等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基のC2〜20アルキニルチオ基としては、プロパルギルチオ基等が挙げられる。
【0037】
無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基のアリールチオ基としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基のヘテロイルチオ基としては、2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−イミダゾリルチオ基、4−イミダゾリルチオ基等が挙げられる。
【0038】
無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基のC1〜20アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基のアリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基等が挙げられる。
【0039】
無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基のC1〜20アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基のアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等が挙げられる。
【0040】
また、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基のヘテロ環基としては、環内に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも一種の原子を有する、飽和又は不飽和の環状化合物の基が挙げられる。
【0041】
具体的には、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、3−ピリダジル基、4−ピリダジル基、2−(1,3,5−トリアジル)基、3−(1,2,4−トリアジル)基、5−(1,2,4−トリアジル)基、6−(1,2,4−トリアジル)基等の6員環化合物の基;
2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、3−(1,2,4−トリアゾリル)基、5−(1,2,4−トリアゾリル)基、2−ピラジル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−(1,3,4−チアジアゾリル)基、3−(1,2,4−チアジアゾリル)基、5−(1,2,4−チアジアゾリル)基、5−(1,2,3−チアジアゾリル)基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−(1,3,4−オキサジアゾリル)基、3−(1,2,4−オキサジアゾリル)基、5−(1,2,4−オキサジアゾリル)基、5−(1,2,3−オキサジアゾリル)基等の5員環化合物の基;等が挙げられる。
【0042】
前記C1〜20アシル基(アリールカルボニル基を除く)、C1〜20チオアシル基、C1〜20アルコキシ基、C2〜20アルケニルオキシ基、C2〜20アルキニルオキシ基、C1〜20アルキルチオ基、C2〜20アルケニルチオ基、C2〜20アルキニルチオ基、C1〜20アルキルスルフィニル基、C1〜20アルキルスルホニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;フェニル基、4−メチルフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
【0043】
前記アリール基、アリールカルボニル基、アリールオキシ基、ヘテロイルオキシ基、アリールチオ基、ヘテロイルチオ基、アリールスルフィニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基の置換基としては、メチル基、エチル基等のC1〜6アルキル基;トリフルオロメチル基等のC1〜6ハロアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のC1〜6アルコキシ基;フェニル基、4−メトキシフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;ニトロ基;等が挙げられる。
【0044】
これらの中でも、Rとしては、シアノ基、ニトロ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基が好ましく、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基がより好ましく、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基が更に好ましい。
【0045】
は、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、並びに、前記Rと同様の(ハロゲン原子、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基)を表す。
これらの中でも、Rとしては、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0046】
は、水素原子、シアノ基、ホルミル基、前記Rと同様の無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、前記Rと同様の無置換又は置換基を有するC1〜20アシル基、又は、無置換若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
の無置換若しくは置換基を有するフェニル基の置換基としては、前記Rのアリール基等の置換基として例示したのと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、Rとしては、水素原子、ホルミル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基が好ましく、水素原子、C1〜20アルキル基、C1〜20アシル基がより好ましい。
【0047】
は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、前記式(a)で表される、無置換若しくは置換基を有する含窒素ヘテロ環基、前記式(b)で表される基、無置換若しくは置換基を有するピロリジン−2−イル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、無置換若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、又は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基を表す。
【0048】
前記Rの、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、及び、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基としては、前記Rで例示したのと同様の基が挙げられる。また、前記Rの無置換若しくは置換基を有するフェニル基としては、前記Rで例示したのと同様の基が挙げられる。
【0049】
前記Rの、式(a)で表される無置換若しくは置換基を有する含窒素ヘテロ環基(以下、「含窒素へテロ環基(a)」ということがある。)の含窒素ヘテロ環は、環内に1以上の窒素原子を有する、飽和又は不飽和のヘテロ環である。該含窒素ヘテロ環は、窒素原子のほかに酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでいてもよく、単環のものであっても、縮合環構造を有するものであっても、架橋構造を有するものであってもよい。
【0050】
前記含窒素へテロ環基(a)の含窒素ヘテロ環を構成する、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の合計数は、通常1〜4、好ましくは1〜3である。
また、前記含窒素ヘテロ環基(a)の含窒素ヘテロ環を構成する炭素数は10以下であるのが好ましく、1〜8であるのがより好ましい。
【0051】
前記含窒素ヘテロ環基(a)として、具体的には、下記第1表に掲げるものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。なお、窒素原子上及び環を構成する原子上の置換基は省略し、基本的な骨格のみを記載してある。
【0052】
【表1】

【0053】
これらの中でも、含窒素ヘテロ環基(a)としては、ピロリジン−1−イルが特に好ましい。
【0054】
含窒素ヘテロ環基(a)の置換基は特に限定されない。例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基等の置換基を有していてもよいC1〜6アルキル基;アリル基、3−クロロアリル基等の置換基を有していてもよいC2〜6のアルケニル基;プロパルギル基等の置換基を有していてもよいC2〜6のアルキニル基;フェニル基、4−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいアリール基;ホルミル基;
【0055】
アセチル基、トリフルオロアセチル基等の、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキルカルボニル基;シンナミル基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルカルボニル基;プロパルギルカルボニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルカルボニル基;ベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールカルボニル基;チオアセチル基等の、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオカルボニル基;アリルチオカルボニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルチオカルボニル基;プロパルギルチオカルボニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルチオカルボニル基;チオベンゾイル基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールチオカルボニル基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基;ビニルオキシカルボニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニル基;
【0056】
プロパルギルオキシカルボニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6のアルキニルオキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、2,4−ジクロロフェノキシカルボニル基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシカルボニル基;シアノ基;アミノ基、ジメチルアミノ基、アセチルアミノ基等の、無置換若しくは置換基を有するアミノ基;ニトロ基;水酸基;オキソ基;チオキソ基;メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基等の、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基;アリルオキシ基、クロチルオキシ基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシ基;プロパルギルオキシ基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシ基;フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基;無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基;メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基等の、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基;アリルチオ基、クロチルチオ基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルチオ基;プロパルギルチオ基等の、無置換若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルチオ基;フェニルチオ基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基;無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基;メチルスルフィニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキルスルフィニル基;フェニルスルフィニル基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基;メチルスルホニル基等の、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基;及び、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基;等が挙げられる。
【0057】
前記含窒素ヘテロ環基(a)の置換基である、(無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基)を構成するヘテロ環としては、環内に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも一種の原子を有する、飽和又は不飽和の環状化合物が挙げられる。具体的には、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリール、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、インドレニン、テトラザインデン、フラン等の芳香族へテロ環;ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アジリジン、アゼチジン、オキサゾリジン、ピペラジン、チアゾリジン、トリオキサン等の非芳香族へテロ環;が挙げられる。
【0058】
これらの中でも、含窒素ヘテロ環基(a)の置換基としては、ハロゲン原子、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基が好ましく、ハロゲン原子がより好ましい。
また、含窒素ヘテロ環基(a)は、任意の位置に同一又は相異なって1又は複数個の置換基を有していてもよい。
【0059】
前記式(b)中、R、Rはそれぞれ独立して、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC3〜6シクロアルキル基、C2〜6アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、又は無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
【0060】
、Rの無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基のC1〜6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0061】
C1〜6アルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1−フルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等のハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ基;等が挙げられる。
【0062】
、Rの無置換若しくは置換基を有するC3〜6シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、2−クロロシクロプロピル基、2,2−ジクロロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0063】
、RのC2〜6アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
【0064】
前記C2〜6アルケニル基の置換基としては、前記C1〜6アルキル基の置換基として例示したのと同様のものが挙げられる。
【0065】
、Rの、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基のヘテロ環基としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−オキサゾリニル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、3−イソオキサゾリニル基、2−チアゾリル基、2−チアゾリニル基、3−イソチアゾリル基、3−イソチアゾリニル基、2−ピラニル基、4−テトラヒドロピラニル基、1−アゼチジニル基、2−アゼチジニル基、3−アゼチジニル基、2−ピロリル基、2−ピロリジニル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2−イミダゾリニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピペリジル基、ピペリジノ基、2−モルホリニル基、モルホリノ基、2−ピペラジニル基、2−ピリミジニル基、3−ピリダジニル基、2−ピラジニル基等が挙げられる。
【0066】
、Rの、フェニル基、へテロ環基の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;クロロメチル基、フルオロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;又は、メタンスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基等のアルキルスルホニル基;等が挙げられる。
【0067】
また、RとRは一緒になって結合して、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を1〜4個含んでいてもよい3〜8員のへテロ環を形成していてもよい。
かかるヘテロ環としては、チオフェン環、テトラヒドロチオフェン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環、4−オキサチアン環、チオモルホリン環、1,4−ジチアン環、テトラヒドロチオピラン−4−オン環等が挙げられる。
【0068】
前記Rの、無置換若しくは置換基を有するピロリジン−2−イル基の置換基としては、メチル基等のC1〜6アルキル基;N−t−ブトキシカルボニル基等のエステル基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
【0069】
前記Rの、無置換若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
前記C3〜8シクロアルキル基の置換基としては、前記Rのアリール基等の置換基として例示したのと同様の基が挙げられる。
【0070】
Xは、式:N−CNで表される基、又は、式:N−OR’で表される基を表す。式中、R’は、水素原子、又は前記Rで例示したのと同様の、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基を表す。
nは0〜2のいずれかの整数を表し、mは0〜2のいずれかの整数を表す。但し、m+n≦2である。
【0071】
Aは、酸素原子、硫黄原子、又は、式:N−Qで表される基を表す。
式:N−QのQは、シアノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、又は式:OR10で表される基を示す。
【0072】
Qの、無置換又は置換基を有するC1〜20アルキル基としては、前記Rで例示したのと同様の基が挙げられる。
式:OR10のR10は、水素原子、無置換又は置換基を有するC1〜10アルキル基を表す。
10の、無置換又は置換基を有するC1〜10アルキル基のC1〜10アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。その置換基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するフェニル基等が挙げられる。
本発明の殺ダニ剤においては、化合物(I)が、下記式(Ia)
【0073】
【化5】

【0074】
(式中、R〜R、A、及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物であるのが好ましい。
【0075】
(2)本発明化合物(I−1)
本発明の第2は、化合物(I)のうちの、前記式(I−1)で表される、新規なウレア化合物又はその塩(以下、「本発明化合物(I−1)」ということがある。)である。
式(I−1)中、R、R及びRは、前記と同じ意味を表す。
【0076】
21は、無置換又は置換基を有するC1〜20アルキル基を表す。無置換又は置換基を有するC1〜20アルキル基としては、前記Rの無置換又は置換基を有するC1〜20アルキル基と同様のものが挙げられる。
【0077】
、Rは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、又は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基を表す。
【0078】
、Rの、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、又は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基としては、Rで例示した対応する基と同様のものが挙げられる。
【0079】
また、R、Rは一緒になって、無置換若しくは置換基を有する4〜8員環を形成してもよい。さらに、該4〜8員環は、環内に、式:−N(R)−C(=O)−で表される基に結合する窒素原子以外にヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0080】
なお、本発明化合物には、炭素−窒素二重結合に基づく、E−Zの立体異性体が存在する場合や、不斉炭素原子に基づく光学異性体が存在する場合があるが、これらの異性体はすべて本発明に含まれる。
【0081】
(3)製造方法
化合物(I)は、例えば、以下に示す製造方法により製造することができる。
(製造方法1)
前記化合物(I)のうち、下記式(Ib)、(Ib’)で表される化合物は、下記に示す方法によって製造することができる。
【0082】
【化6】

【0083】
【化7】

【0084】
(式中、R〜R、R、R、及びnは前記と同じ意味を表し、A’は酸素原子又は硫黄原子を表す。)
すなわち、(i)式(1)で表されるイソ(チオ)シアネート化合物に、式(2)で表されるアミン化合物を反応させることにより、式(Ib)で表される(チオ)ウレア化合物を得ることができる。また、(ii)式(3)で表されるアミン化合物に、式(2’)で表されるイソ(チオ)シアネート化合物を反応させることにより、式(Ib’)で表される(チオ)ウレア化合物を得ることができる。これらの反応は、イソ(チオ)シアネート類とアミン類とを反応させて(チオ)ウレア化合物を得る公知の反応方法と同様にして行うことができる。
【0085】
(製造方法2)
前記化合物(I)のうち、下記式(Ic)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造することができる。
【0086】
【化8】

【0087】
(式中、R〜R及びnは前記と同じ意味を表す。Lはハロゲン原子等の脱離基を表し、R5’は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基を表す。)
すなわち、式(3)で表されるアミン化合物と、(式(4)で表されるカルボン酸、式(5)で表される酸ハライド、又は式(6)で表される酸無水物)とを、常法により反応させて、式(Ic)で表される化合物を得ることができる。
【0088】
(製造方法3)
また、下記式(Id)で表される化合物を、酸化剤を用いて酸化することにより、式(Ie)で表される化合物を得ることもできる。
【0089】
【化9】

【0090】
(式中、R〜R、Aは前記と同じ意味を表し、n’は1又は2を表す。)
用いる酸化剤としては、特に制限はないが、例えば、m−クロロ過安息香酸、過酢酸等が挙げられる。
【0091】
(製造方法4)
下記式で示すように、式(Id)で表される化合物に、シアナミド及びヨードベンゼンジアセタート等の酸化剤を反応させることにより、式(I)において、A=O、n=0、m=1で、X=N−CNである化合物(If)を得ることができる(Organic Letters,2007,9(15),2951等を参照)。
【0092】
【化10】

【0093】
(式中、R〜R、Aは前記と同じ意味を表す。)
(製造方法5)
下記式で示すように、式(Id’)で表される化合物を公知の方法によりSアルキル化して、式(Ig)で表される化合物を得た後、式(Ig)で表される化合物に、式:Q’−NH〔Q’はOR10(R10は前記と同じ意味を表す。)で表される基を示す。〕で表される化合物を反応させることによって、式(I)において、R=H、A=NOR10、n=0、m=0である化合物(Ih)を得ることができる。
【0094】
【化11】

【0095】
(式中、R〜R、R、Q’は前記と同じ意味を表し、R11はアルキル基を表す。)
(製造方法6)
下記式で示すように、式(3’)で表される化合物に、(S,S)−ジアルキル−N−シアノジチオイミノカルボナート(7)を作用させて、式(Ii)で表される化合物を得ることができる。また、このものに、式(a’)
【0096】
【化12】

【0097】
で表される化合物をさらに反応させることによって、式(I)において、R=H、A=NCN、n=0、m=0であり、Rが、式(a’)
【0098】
【化13】

【0099】
で表される、無置換若しくは置換基を有する含窒素ヘテロ環基である化合物(Ij)を得ることができる(下記)。
【0100】
【化14】

【0101】
(式中、R〜Rは前記と同じ意味を表し、R12はアルキル基を表す。)
化合物(I)の塩としては、農園芸学的に許容されるものであれば特に限定されない。例えば、化合物(I)の、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸の塩;酢酸、プロピオン酸、乳酸等の有機酸の塩;が挙げられる。
化合物(I)の塩は、例えば、化合物(I)に、無機酸又は有機酸を作用させることにより製造することができる。
【0102】
いずれの反応においても、反応終了後は有機合成化学における通常の後処理操作、及び分離精製を行うことにより、目的物を単離することができる。
目的物の構造は、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の公知の分析手段により同定、確認することができる。
【0103】
(4)殺ダニ剤
本発明の殺ダニ剤は、以上のようにして得られる化合物(I)及びその塩(以下、「化合物(I)等」という。)の少なくとも一種を有効成分として含有する。
【0104】
本発明の殺ダニ剤中の有効成分量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜90重量%、特に好ましくは0.05〜85重量%である。
【0105】
化合物(I)等は、各種ダニ類に対して、優れた殺成虫、殺若虫、殺幼虫、殺卵作用を有する。化合物(I)等を有効成分として含有する本発明の殺ダニ剤は、農園芸作物に寄生するハダニ類を防除する農園芸用殺ダニ剤として、あるいは、衛生害虫であるマダニ類を防除する防疫用殺ダニ剤等として使用できる。
本発明の殺ダニ剤は、殺ダニ剤抵抗性系統の農園芸作物に寄生するダニにも優れた殺ダニ効果を有する。
また、本発明の殺ダニ剤は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。
【0106】
本発明の殺ダニ剤が防除の対象とするダニ類としては、例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、ミカンサビダニ、リンゴサビダニ、チャノホコリダニ、ブレビパルパス属、エオテトラニカス属、ロビンネダニ、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、オウシマダニ、フタトゲチマダニ等が挙げられる。
【0107】
本発明の殺ダニ剤を農園芸用殺ダニ剤として使用する場合、化合物(I)等の一種又は二種以上を、他の成分を加えることなくそのまま使用することができる。また、化合物(I)等に、さらに、各種添加剤、固体担体、液体担体、ガス状担体等を混合し、或いは、化合物(I)等を、多孔セラミック板や不織布等の基剤に含浸し、必要により界面活性剤、その他の補助剤を添加して製剤化することもできる。かかる製剤としては、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤、フロアブル、エアゾール、煙霧剤、加熱蒸散剤、燻煙剤、毒餌、マイクロカプセル等が挙げられる。
【0108】
用いる添加剤及び担体としては、固体の剤型を目的とする場合は、大豆粒、小麦粉等の植物性粉末;珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレイ等の鉱物性微粉末;安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物;が挙げられる。また、液体の剤型を目的とする場合は、ケロシン、キシレン及びソルベントナフサ等の石油留分、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を溶剤として使用することができる。噴射剤を目的とする場合には、ブタンガス、LPG、ジメチルエーテル及び炭酸ガス等のガス状担体を使用することができる。
【0109】
界面活性剤は均一かつ安定な形態をとるために添加される。用いる界面活性剤としては、特に限定されない。例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合体等が挙げられる。
【0110】
本発明の殺ダニ剤は、その製剤形態が水和剤、乳剤、懸濁剤、フロアブル剤、水溶剤、顆粒水和剤等である場合には、これらの製剤を水で所定の濃度に希釈して、溶解液、懸濁液あるいは乳濁液として使用することができる。また、粉剤・粒剤である場合には、そのまま植物或いは土壌に散布する方法で使用することができる。
【0111】
本発明の殺ダニ剤を防疫用の殺ダニ剤として使用する場合には、その製剤形態を、乳剤、水和剤、フロアブル剤とし、これらの製剤を水で所定の濃度に希釈して施用することができる。また、その製剤形態が、油剤、エアゾール、煙霧剤、毒餌、防ダニシート等である場合には、そのまま施用することができる。
【0112】
ウシ、ブタ等の家畜類、イヌ、ネコ等のペット類の動物外部寄生虫防除用の有害生物防除剤として使用する場合は、本発明化合物を、獣医学的に公知の方法で製剤して用いることができる。その使用方法としては、例えば全身的抑制(systemic control)を目的とする場合には、錠剤、カプセル、浸漬液、飼料混入、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)等により投与する方法が挙げられ、非全身的(non−systemic control)を目的とする場合は、油性または水性液剤を噴霧、注ぎかけ(pour−on)、滴下(spot−on)等により投与する方法および樹脂製剤を首輪、耳札等の適当な形状に成形した物を装着する方法が挙げられる。この場合、宿主動物1kgに対して、本発明化合物として、通常0.01−1000mgの割合で使用することができる。
【0113】
本発明の殺ダニ剤は単独でも十分有効であることはいうまでもないが、他の殺ダニ剤、殺菌剤、殺虫・殺ダニ剤、除草剤、植物調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料、他の衛生害虫駆除剤等の1種又は2種以上と混用又は併用することもできる。
【0114】
また、必要に応じて製剤時又は散布時に他種の除草剤、各種殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤等と混合施用しても良い。
【0115】
特に他の農薬あるいは植物ホルモンと混合施用することにより、施用薬量の低減による低コスト化、混合薬剤の相乗作用による殺虫スペクトラムの拡大やより高い有害生物防除効果が期待できる。この際、同時に複数の公知農薬との組み合わせも可能である。
【0116】
本発明化合物と混合使用する農薬の種類としては、例えばクロップ・プロテクション・ハンドブック(Crop Protection Handbook)2007年版に記載されている化合物等が挙げられる。具体的にその一般名を例示すれば次の通りであるが、必ずしもこれらのみに限定されるものではない。
【0117】
殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)等のアニリノピリミジン系化合物;
フルアジナム(fluazinam)等のピリジナミン系化合物;
トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、マイクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ファーコナゾールシス(furconazole‐cis)、プロクロラズ(prochloraz)、メトコナゾール(metconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、シプコナゾール(sipconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、フルトリアフオール(flutriafol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、シメコナゾール(simeconazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イプコナゾール(ipconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イマザリル(imazalil)等のアゾール系化合物;
【0118】
キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、フェバム(ferbam)、ナーバム(nabam)、メタム(metam)、チラム(thiram)、ジラム(ziram)等のジチオカーバメート系化合物;
【0119】
フサライド(fthalide)、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)等の有機塩素系化合物;
ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate‐methyl)、カルベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリアゾール(fuberiazole)、シアゾファミド(cyazofamid)等のイミダゾール系化合物;
シモキサニル(cymoxanil)等のシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル−M(metalaxyl−M)、メフェノキサム(mefenoxam)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフレース(ofurace)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル−M(benalaxyl−M)、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラム(cyprofuram)等のフェニルアミド系化合物;
ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
ジノキャップ(dinocap)等のニトロフェニル系化合物;
水酸化第二銅(cupric hydroxide)、有機銅(oxine copper)等の銅系化合物;
ヒメキサゾール(hymexazol)等のイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(fosetyl−Al)、トルコホスメチル(tolcofos‐methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネート等の有機リン系化合物;
【0120】
キャプタン(captan)、キャプタホル(captafol)、フォルペット(folpet)等のN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)等のジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、ゾキサミド(zoxamid)、チアジニル(tiadinil)等のベンズアニリド系化合物;
カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、ボスカリド(boscalid)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオピラム(fluopyram)、ビキサフェン(bixafen)等のアニリド系化合物;
【0121】
トリホリン(triforine)等のピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(pyrifenox)等のピリジン系化合物;
フェナリモル(fenarimol)、フルトリアフォル(flutriafol)等のカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(fenpropidine)等のピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)等のモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(fentin hydroxide)、フェンチンアセテート(fentin acetate)等の有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(pencycuron)等の尿素系化合物;
ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)フルメトーバー(flumetover)等のシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(diethofencarb)等のフェニルカーバメート系化合物;
【0122】
フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)等のシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim‐methyl)、メトミノフェン(metominofen)、メトミノストロビン(metominostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)等のストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(famoxadone)等のオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(ethaboxam)等のチアゾールカルボキサミド系化合物;
シルチオファム(silthiopham)等のシリルアミド系化合物;
イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブ−イソプロピル(benthiavalicarb−isopropyl)等のアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
【0123】
フェナミドン(fenamidone)等のイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(fenhexamid)等のハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(flusulfamide)等のベンゼンスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(cyflufenamid)等のオキシムエーテル系化合物;
フェノキサニル(fenoxanil)等のフェノキシアミド系化合物;
バリダマイシン(validamycin)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxins)等の抗生物質;
イミノクタジン(iminoctadine)等のグアニジン系化合物;
【0124】
また、その他の化合物として、トリフルアニド(tolyfluanid)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロメジン(diclomezine)、キノキシフェン(quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)、スピロキサミン(spiroxamine)、クロルピクリン(chloropicrin)、ダゾメット(dazomet)、メタムナトリウム塩(metam‐sodium)、ニコビフェン(nicobifen)、メトラフェノン(metrafenone)、UBF−307、ジクロシメット(diclocymet)、プロキンアジド(proquinazid)、アミスルブロム(amisulbrom)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、マンジプロパミド(mandipropamid)、5−chlor−7−(4−methyl−piperidin−1−yl)−6−(2,4,6−trifluor−phenyl)−[1,2,4]triazolo[1,5−a]pyrimidin、OK−5203等が挙げられる。
【0125】
散布液中の農薬類である、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、プロフェノホス(profenofos)、ジクロルボス(dichlorvos)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(diazinon)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、アセフェート(acephate)、プロチオホス(prothiofos)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホスホカルブ(phosphocarb)、カズサホス(cadusafos)、ジスルホトン(dislufoton)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、デメトン−S−メチル(demeton−S−methyl)、ジメトエート(dimethoate)、メタミドホス(methamidophos)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス(isofenphos)、エチオン(ethion)、エトリムホス(etrimfos)、キナルホス(quinalphos)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、スルプロホス(sulprofos)、チオメトン(thiometon)、バミドチオン(vamidothion)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methyl)、プロパホス(propaphos)、ホサロン(phosalone)、ホルモチオン(formothion)、マラチオン(malathion)、テトラクロルビンホス(tetrachlovinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、シアノホス(cyanophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、メチダチオン(methidathion)、フェントエート(phenthoate)、ESP、アジンホスメチル(azinphos−methyl)、フェンチオン(fenthion)、ヘプテノホス(heptenophos)、メトキシクロル(methoxychlor)、パラチオン(paration)、モノクロトホス(monocrotophos)、イミシアホス(imicyafos)、パラチオン−メチル(parathion−methyl)、テルブホス(terbufos)、ホスファミドン(phospamidon)、ホスメット(phosmet)、ホレート(phorate)等の有機リン酸エステル系化合物;
【0126】
カルバリル(carbaryl)、プロポキスル(propoxur)、アルジカルブ(aldicarb)、カルボフラン(carbofuran)、チオジカルブ(thiodicarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、ピリミカルブ(pirimicarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、フラチオカルブ(furathiocab)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メトルカルブ(metolcarb)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、フェノチオカルブ(fenothiocarb)等のカーバメート系化合物;
【0127】
カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensultap)、チオスルタップナトリウム(thiosultap−sodium)等のネライストキシン誘導体;
ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)、エンドスルファン(endosulufan)、ジエノクロル(dienochlor)、ディルドリン(dieldrin)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、シヘキサチン(cyhexatin)等の有機金属系化合物;
【0128】
フェンバレレート(fenvalerate)、ペルメトリン(permethrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、テフルトリン(tefluthrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、シフルトリン(cyfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ラムダシハロトリン(lambda−cyhalothrin)、ピレスリン(pyrethrins)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、テトラメスリン(tetramethrin)、レスメスリン(resmethrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ゼータシペルメトリン(zeta−cypermethrin)、アクリナトリン(acrinathrin)、アルファシペルメトリン(alpha−cypermethrin)、アレスリン(allethrin)、ガンマシハロトリン(gamma−cyhalothrin)、シータシペルメトリン(theta−cypermethrin)、タウフルバリネート(tau−fluvalinate)、トラロメスリン(tralomethrin)、プロフルスリン(profluthrin)、ベータシペルメトリン(beta−cypermethrin)、 ベータシフルトリン(beta−cyfluthrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、フェノトリン(phenothrin)等のピレスロイド系化合物;
【0129】
ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、トリフルムロン(triflumuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、フルアズロン(fluazuron)等のベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ジオフェノラン(diofenolan)等の幼若ホルモン様化合物;
【0130】
ピリダベン(pyridaben)等のピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フィプロニル(fipronil)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、エチプロール(ethiprole)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、アセトプロール(acetoprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、ニチアジン(nithiazine)等のネオニコチノイド;
テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)等のヒドラジン系化合物;
【0131】
その他の化合物として、フロニカミド(flonicamid)、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、 アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、シラフルオフェン(silafluofen)、トリアザメイト(triazamate)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、インドキサカルブ(indoxacarb)、アセキノシル(acequinocyl)、エトキサゾール(etoxazole)、シロマジン(cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3−dichloropropene)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、フルフェンリム(flufenerim)、ピリダリル(pyridalyl)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマット(spirotetramat)、プロパルギット(propargite)、クロフェンテジン(clofentezine)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、メタフルミゾン(metaflumizone)、フルベンジアミド(flubendiamide)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、クロルアントラニルピロール(chlorantraniliprole)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、フェナザキン(fenazaquin)、アミドフルメット(amidoflumet)、クロロベンゾエート(chlorobenzoate)、スルフルアミド(sulfluramid)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、メタアルデヒド(metaldehyde)、リアノジン(ryanodine)等の化合物等が挙げられる。
【0132】
更に、Bacillus thuringienses aizawai、Bacillus thuringienses kurstaki、Bacillus thuringienses israelensis、Bacillus thuringienses japonensis、Bacillus thuringienses tenebrionis、Bacillus thuringiensesが生成する結晶タンパク毒素、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤等のような微生物農薬、アベルメクチン(avermectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin−benzoate)、ミルベメクチン(milbemectin)、スピノサッド(spinosad)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)、等のような抗生物質或いは半合成抗生物質;
アザディラクチン(azadirachtin)、ロテノン(rotenone)等のような天然物;
ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)のような協力剤;
ディート(deet)のような忌避剤等が挙げられる。
【実施例】
【0133】
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例によって本発明は何ら制限されることはない。なお、化合物番号は、下記第2表〜第4表中の化合物番号に対応する。
【0134】
(実施例1)
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキサミドの合成
【0135】
【化15】

【0136】
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)アニリン0.5gを酢酸エチル15mlに溶解し、ビス(トリクロロメチル)カーボネート0.25gを加え3時間加熱還流した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)イソシアネート0.55gを得た。2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)イソシアネートにベンゼン15mlを加え、水冷下で3,3,4,4−テトラフルオロピロリジン塩酸塩0.41gとN−エチルジイソプロピルアミン0.54gを添加し、室温で6時間撹拌した。反応混合物に水冷下で1規定塩酸を加えて分液して、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。粗生成物をジエチルエーテルとn−ヘキサン混合溶媒で洗浄して、3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキサミド(化合物番号6)0.51gを白色結晶として得た。(融点135−137℃)
【0137】
(実施例2)
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキサミドの合成
【0138】
【化16】

【0139】
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキサミド0.30gをクロロホルム20mlに溶解し、氷水冷下で3−クロロ過安息香酸0.22gを加え室温で3時間撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液後、有機層を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)、3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキサミド(化合物番号7)0.22gを白色結晶として得た。(融点61−63℃)
【0140】
(実施例3)
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕−N−メチルピロリジン−1−カルボキサミドの合成
【0141】
【化17】

【0142】
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキサミド0.20gをN,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、氷水冷下で水素化ナトリウム30mgを加え、室温で10分間撹拌した。更に氷水冷下でヨウ化メチル0.16gを添加し、室温で4時間撹拌した。反応混合物を希塩酸中に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)で精製して、3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェニル〕−N−メチルピロリジン−1−カルボキサミド(化合物番号9)0.17gを白色結晶として得た。(融点91−93℃)
【0143】
(実施例4)
N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕シクロプロパンカルボキサミドの合成
【0144】
【化18】

【0145】
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)アニリン0.36gをジクロロメタン5mlに溶解し、シクロプロパンカルボニルクロリド0.17gとトリエチルアミン0.18gを加え1時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)、N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕シクロプロパンカルボキサミド(化合物番号63)0.46gを白色結晶として得た。(融点110−112℃)
【0146】
(実施例5)
S−〔4−フルオロ−2−メチル−5−(3,3,4,4−テトラフルオロピロリジン−1−カルボニルアミノ)フェニル〕−S−(2,2,2−トリフルオロエチル)−N−シアノスルフィルイミンの合成
【0147】
【化19】

【0148】
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキサミド0.40gをアセトニトリル5mlに溶解し、シアナミド0.05gとヨードベンゼンジアセタート0.42gを加え3時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)、S−〔4−フルオロ−2−メチル−5−(3,3,4,4−テトラフルオロピロリジン−1−カルボニルアミノ)フェニル〕−S−(2,2,2−トリフルオロエチル)−N−シアノスルフィルイミン(化合物番号159)0.14gを白色結晶として得た。(融点98−102℃)
【0149】
(実施例6)
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボチオアミドの合成
【0150】
【化20】

【0151】
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)アニリン 1.20gを酢酸エチル10mlに溶解した溶液に、トリエチルアミン1.0gを加えた後、さらにチオホスゲン0.57gを加え、全容を15分間攪拌した。得られた反応混合物に、3,3,4,4−テトラフルオロピロリジン塩酸塩0.99g、及びジイソプロピルエチルアミン1.9gを添加して、40℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、濃縮物を中圧カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)で生成して、3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボチオアミド(化合物番号238)を1.69g得た。融点91−94℃
【0152】
(実施例7)
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕−N’−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシイミダミドの合成
(1)メチル 3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルビミドチオエートの合成
【0153】
【化21】

【0154】
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボチオアミド0.8gをアセトニトリル5mlに溶解し、炭酸カリウム0.35gとヨウ化メチル0.33gを加え、室温で1昼夜撹拌した。得られた反応混合物を濃縮後、濃縮物を中圧カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)で精製して、メチル 3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルビミドチオエートをオイルとして0.73g得た。
【0155】
(2)3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕−N’−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシイミダミドの合成
【0156】
【化22】

【0157】
(1)で得た、メチル 3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルビミドチオエート0.22gをエタノール2.5mlに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩52mg及びピリジン68mgを加えた後、60℃で7時間撹拌した。得られた反応混合物を濃縮し、濃縮物を中圧カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)で精製して、(E)−3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕−N’−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシイミダミドを0.04g(化合物番号248、アモルファス)、及び、(Z)−3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕−N’−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシイミダミド(化合物番号249、融点80−81℃)を0.08gそれぞれ得た。
【0158】
(実施例8)
3,3,4,4−テトラフルオロ−N−(2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル)−N’−メトキシピロリジン−1−カルボキシイミダミドの合成
【0159】
【化23】

【0160】
メチル 3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルビミドチオエート0.22gをエタノール1.5mlに溶解し、メトキシアミン塩酸塩63mg及びピリジン120mgを加えた後、60℃で7時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、濃縮物を中圧カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)で精製することで、3,3,4,4−テトラフルオロ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕−N’−メトキシピロリジン−1−カルボキシイミダミド(化合物番号260、アモルファス)を0.11g得た。
【0161】
(実施例9)
メチル N’−シアノ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕カルバミドチオエートの合成
【0162】
【化24】

【0163】
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)アニリン 1.20gをピリジン7.5mlに溶解し、(S,S)−ジメチル−N−シアノジチオイミノカルボナート1.46gを加えた後、1昼夜加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルと希塩酸を加え分液後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。粗生成物を中圧カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)で精製して、N’−シアノ−N−(2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル)カルバミドチオエート(化合物番号251、融点134−137℃)を0.92g得た。
【0164】
(実施例10)
N’−シアノ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキシイミダミドの合成
【0165】
【化25】

【0166】
メチル N’−シアノ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕カルバミドチオエート0.34gをアセトニトリル3mlに溶解し、ピロリジン0.17gを加え、60℃で10時間撹拌した。得られた反応混合物を濃縮した後、濃縮物を中圧カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒)で精製して、N’−シアノ−N−〔2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル〕ピロリジン−1−カルボキシイミダミド(化合物番号252、融点132−133℃)を0.27g得た。
【0167】
実施例1〜10と同様にして得られる、本発明の殺ダニ剤の有効成分として用いられる化合物の構造式及び物理恒数を、実施例1〜10で得られた化合物を含め、第2表〜第4表に示す。
表中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Phはフェニル基を、cPrはシクロプロピル基を、cPenはシクロペンチル基を、Acはアセチル基を、Buはブチル基を、Bnはベンジル基をそれぞれ表す。なお、表中、*は結合位置を表し、[ ]は融点(℃)を示す。
【0168】
【表2】

【0169】
【表3】

【0170】
【表4】

【0171】
【表5】

【0172】
【表6】

【0173】
【表7】

【0174】
【表8】

【0175】
【表9】

【0176】
【表10】

【0177】
【表11】

【0178】
【表12】

【0179】
【表13】

【0180】
【表14】

【0181】
【表15】

【0182】
【表16】

【0183】
【表17】

【0184】
【表18】

【0185】
上記表中、*1:化合物番号248はE体であり、*2:化合物番号249はZ体である。
次に、H−NMRスペクトルデータを示す。以下において、「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「br」はブロードシングレット、「q」はカルテット、「m」はマルチプレットをそれぞれ表す。また、内標準としてTMSを用いた。
【0186】
(化合物番号12)
H−NMR(CDCl,δppm)0.90(t,3H),1.20−1.41(m,2H),1.28(s,3H),1.30(s,3H),1.46−1.82(m,2H),1.89−2.18(m,4H),2.47(s,3H),2.88(br,1H),3.30(q,2H),3.55(m,1H),4.84(br,1H),7.02(d,1H),7.31(d,1H)
【0187】
(化合物番号13)
H−NMR(CDCl,δppm)1.89−2.21(m,4H),2.51(s,3H),2.72(br,1H),3.32(q,2H),3.34(br,1H),4.95(br,1H),7.111(d,1H),7.36(d,1H),9.11(s,1H)
【0188】
(化合物番号30)
H−NMR(CDCl,δppm)2.07(m,4H),2.42(s,3H),3.38(q,2H),3.64(t,4H),6.54(s,1H),6.95(d,1H),8.25(d,1H)
【0189】
(化合物番号33)
H−NMR(CDCl,δppm)2.31(m,2H),2.39(s,3H),3.39(q,2H),4.11(t,4H),6.04(s,1H),6.91(d,1H),8.37(d,1H)
【0190】
(化合物番号47)
H−NMR(CDCl,δppm)1.33(t,3H),2.41(s,3H),3.38(q,2H),4.26(q,2H),6.73(s,1H),6.94(d,1H),8.27(d,1H)
【0191】
(化合物番号48)
H−NMR(CDCl,δppm)3.36(q,2H),3.68(q,2H),7.97(s,1H),8.75(s,1H),9.45(s,1H)
【0192】
(化合物番号51)
H−NMR(CDCl,δppm)2.18(m,4H),2.30(s,3H),3.28(q,2H),3.33(m,1H),3.76(m,1H),4.71(m,1H),7.42(s,1H),7.82(s,1H),8.38(s,1H)
【0193】
(化合物番号52)
H−NMR(CDCl,δppm)2.41(s,3H),2.48(m,2H),3.39(q,2H),3.73(t,2H),3.85(t,2H),6.27(s,1H),6.94(d,1H),8.32(d,1H)
【0194】
(化合物番号53)
H−NMR(CDCl,δppm)1.62(m,2H),1.89(m,1H),2.12(m,1H),2.35(m,1H),2.41(s,3H),2.88(m,1H),2.99(m,1H),3.38(q,2H),3.91(m,1H),4.36(m,1H),6.53(s,1H),6.94(d,1H),8.25(d,1H)
【0195】
(化合物番号54)
H−NMR(CDCl,δppm)1.62(m,2H),1.97(m,2H),2.27(m,1H),2.41(s,3H),2.91(m,2H),3.38(q,2H),4.17(m,2H),6.51(s,1H),6.94(d,1H),8.27(d,1H)
【0196】
(化合物番号56)
H−NMR(CDCl,δppm)1.98(m,2H),2.03(m,1H),2.34(s,3H),2.47(m,1H),3.35(q,2H),3.79(m,2H),4.88(m,1H),6.28(s,H),6.78(d,1H),7.35(m,5H),8.34(d,1H)
【0197】
(化合物番号58)
H−NMR(CDCl,δppm)2.41(s,3H),2.69(m,4H),3.38(q,2H),3.81(m,4H),6.48(s,1H),6.94(d,1H),8.25(d,1H)
【0198】
(化合物番号59)
H−NMR(CDCl,δppm)1.60(d,3H),2.41(s,3H),3.10(m,1H),3.28(m,1H),3.39(q,2H),3.74(m,1H),3.95(m,1H),5.35(q,1H),6.38(s,1H),6.94(d,1H),8.33(d,1H)
【0199】
(化合物番号61)
H−NMR(CDCl,δppm)1.21(d,6H),2.41(s,3H),3.38(q,2H),3.44(t,2H),3.94(t,2H),4.24(m,1H),6.97(d,1H),8.42(d,1H),10.67(s,1H)
【0200】
(化合物番号236)
H−NMR(CDCl,δppm)2.40(s,3H),3.41(s,3H),6.94(d,1H),7.19(d,1H),7.32(t,1H),7.45−7.53(m,2H),7.59(d,1H)
【0201】
(化合物番号243)
H−NMR(CDCl,δppm)1.48(s,9H),1.94(m,3H),2.42(s,3H),2.51(m,1H),3.32(q,2H),3.43(m,2H),4.48(m,1H),6.95(d,1H),8.53(d,1H).9.50(s,1H)
【0202】
(化合物番号244)
H−NMR(CDCl,δppm)2.08−2.21(m,3H),2.41(s,3H),2.55(m,1H),3.36(q,1H),3.49(m,2H),5.02(m ,1H),6.94(d,1H),8.10(d,1H),9.17(s,1H),11.04(s,1H)
【0203】
(化合物番号247)
H−NMR(CDCl,δppm)2.45(s,3H),3.19(q,2H),7.02(d,1H),7.04−7.09(m,2H),7.34(d,1H),7.39−7.47(m,2H)
【0204】
(化合物番号248)
H−NMR(CDCl,δppm)2.41(s,3H),3.31(q,2H),3.92−4.02(m,4H),6.95(d,1H),7.11(d,1H)
【0205】
(化合物番号254)
H−NMR(CDCl,δppm)1.86−2.23(m,4H),2.43(s,3H),3.33(q,2H),3.63(m,1H),4.03(m,1H),5.06(m,1H),6.99(d,1H),7.25(d,1H)
【0206】
(化合物番号258)
H−NMR(CDCl,δppm)1.32(m,1H),1.66(m,1H),2.25−2.30(m,2H),2.45(s,3H),3.40(q,2H),5.95(m,1H),7.04(d,1H),8.72(d,1H),8.78(s,1H)
【0207】
(化合物番号260)
H−NMR(CDCl,δppm)2.42(s,3H),3.31(q,2H),3.55−3.65(m,4H),3.89(s,3H),6.41(s,1H),6.97(d,1H),7.41(d,1H)
【0208】
(化合物番号261)
H−NMR(CDCl,δppm)1.27(s,9H),2.41(s,3H),3.31(q,2H),3.55−3.65(m,4H),6.45(s,1H),6.96(d,1H),7.44(d,1H)
【0209】
(化合物番号262)
H−NMR(CDCl,δppm)2.41(s,3H),3.29(q,2H),3.55−3.65(m,4H),4.94(s,2H),6.42(s,1H),6.95(d,1H),7.27−7.37(m,6H)
【0210】
(化合物番号263)
H−NMR(CDCl,δppm)2.42(s,3H),3.30(q,2H),3.55−3.65(m,4H),5.04(s,2H),6.31(s,1H),6.98(d,1H),7.31(d,1H)
【0211】
次に、これらの化合物を有効成分とする殺ダニ剤の製剤実施例を若干示すが、添加物及び添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。また、製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0212】
製剤実施例1 水和剤
化合物(I) 40部
クレー 48部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
以上を均一に混合して微細に粉砕し、有効成分40%の水和剤を得る。
【0213】
製剤実施例2 乳剤
化合物(I) 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解し、有効成分10%の乳剤を得る。
【0214】
製剤実施例3 粉剤
化合物(I) 10部
クレー 90部
以上を均一に混合して微細に粉砕し、有効成分10%の粉剤を得る。
【0215】
製剤実施例4 粒剤
化合物(I) 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0216】
製剤実施例5 懸濁剤
化合物(I) 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0217】
製剤実施例6 顆粒水和剤
化合物(I) 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物
5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後、適量の水を加えてから練り込んで粘土状にする。粘土状物を造粒した後乾燥し、有効成分40%の水和剤を得る。
【0218】
得られた本発明の殺ダニ剤の試験例を以下に示す。
(試験例1)ナミハダニに対する効力
3寸鉢に播種したインゲンの発芽後7〜10日を経過した第1本葉上に、有機リン剤抵抗性のナミハダニ雌成虫を17頭接種したのち、製剤実施例1に示された処方に従い得た水和剤を、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、3日後に殺成虫率を調査した。試験は2反復である。その結果、以下の化合物が100%の殺ダニ率を示した。
【0219】
化合物番号:1、3、4、6、7、9、10、11、13、29、30、35、36、39、40、42、43、52、53、54、56、57、59、64、65、238、239、240、247、248、249、250、257、258、263
対照に用いたクロルジメフォルムの殺ダニ率は40%であった。
【0220】
(試験例2)フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)に対する効力
20mL容のガラスバイアル瓶を試験前日までにアセトンで良く洗浄し試験に用いた。
試験化合物をアセトンで4000ppmに溶解し、更にアセトンで公比10の希釈溶液を調製した。
バイアル瓶にアセトン溶液0.118mLを加え、ドライヤーで送風しながらバイアル瓶を回転させてアセトンを揮散させて化合物の薄膜を形成させた(400ppm溶液を用いたとき、1μg/cmとなる)。
【0221】
この中に、幼ダニ(15−40頭/バイアル)を接種して速やかに蓋を閉じ、マダニの動きが落ち着いてから供試個体数を計数した。このとき不健全な個体を除外した。
以後観察室(25℃、暗黒下)に5日間放置し、経時的に生死判定を行い、殺虫率を算出した。その結果、以下の化合物が90%以上の殺虫率を示した。
化合物番号:3、4、6、10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、Rは、C1〜20アルキル基又はC1〜20ハロアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
は、水素原子、シアノ基、ホルミル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、又は、無置換若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、式(a)
【化2】

で表される、無置換若しくは置換基を有する含窒素ヘテロ環基、式(b)
【化3】

(式中、R、Rはそれぞれ独立して、無置換若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC3〜6シクロアルキル基、C2〜6アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、又は無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。又は、RとRが一緒になって結合して、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を1〜4個含んでいてもよい3〜8員のへテロ環を形成する。)で表される基、無置換若しくは置換基を有するピロリジン−2−イル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、無置換若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、又は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基を表す。
Xは、式:N−CNで表される基、又は式:N−OR’(R’は水素原子又は無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基を示す。)で表される基を表し、
nは0〜2のいずれかの整数を表し、mは0〜2のいずれかの整数を表す。但し、m+n≦2である。
Aは酸素原子、硫黄原子、又は、式:N−Q(Qは、シアノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、又は式:OR10で表される基を示す。R10は、水素原子、無置換若しくは置換基を有するC1〜10アルキル基を示す。)で表される基を表す。〕
で示される化合物又はその塩の少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする殺ダニ剤。
【請求項2】
式(I−1)
【化4】

(式中、Rは、C1〜20アルキル基又はC1〜20ハロアルキル基を表す。
21は、無置換又は置換基を有するC1〜20アルキル基を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、無置換若しくは置換基を有するアミノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20チオアシル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルオキシ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニルチオ基、無置換若しくは置換基を有するアリールチオ基、無置換若しくは置換基を有するヘテロイルチオ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルスルホニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、又は、無置換若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。
は、水素原子、シアノ基、ホルミル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アシル基、又は、無置換若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
、Rはそれぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルケニル基、無置換若しくは置換基を有するC2〜20アルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルコキシ基、又は、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキルチオ基を表す。また、R、Rは一緒になって、無置換若しくは置換基を有する4〜8員環を形成してもよい。さらに、該4〜8員環は、環内に、式:−N(R)−C(=O)−で表される基に結合する窒素原子以外にヘテロ原子を含んでいてもよい。)
で示されるウレア化合物又はその塩。

【公開番号】特開2011−42611(P2011−42611A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191045(P2009−191045)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】