説明

殺微生物剤として有用な複素環式アミド誘導体

【課題】殺微生物活性、特に殺真菌活性を有する三環式アミン誘導体に使用される新規な中間体の提供。
【解決手段】式(D)で表される


(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺微生物活性、特に殺真菌活性を有する新規な三環式アミン誘導体に関する。本発明はまた、これらの化合物の調製、これらの調製において使用される新規な中間体、活性成分として少なくとも1つの該新規化合物を含んで成る農薬組成物、該農薬組成物の調製及び病原性微生物、特に真菌による植物の感染を制御又は予防するための農業又は園芸における該活性成分又は組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の三環式アミン誘導体の調製及び殺微生物的使用は、WO2004/035589に記載されている。本発明は、殺微生物活性を有するほかの三環式アミン誘導体の提供に関係する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、式(I)
【化1】

(式中、Hetは、それぞれ酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5−又は6−員の複素環であって、該環は、基R6、R7及びR8により置換されており;
1は、水素、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、CH2C≡CR9、CH2CR10=CHR11、CH=C=CH2又はCOR12であり;
2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり;
4及びR5はそれぞれ、独立に、ハロ、シアノ及びニトロから選択され;あるいはR4及びR5の一方は水素であり、他方はハロ、シアノ及びニトロから選択され;
6、R7及びR8はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4ハロアルコキシ(C1-4)アルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、ただしR6、R7及びR8の少なくとも1つは水素ではなく;
9、R10及びR11はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルであり;そして
12は、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ又はアリールである)の化合物、を供する。
【0004】
置換基単独、又は他の置換基との組み合わせ(例えば、ハロアルキル)のいずれかとしてのハロは、一般に、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードであり、そして通常はフルオロ、クロロ又はブロモである。
【0005】
各アルキル部分(又はアルコキシ、アルキルチオ等のアルキル部分)は、直鎖又は分枝鎖であり、そして1〜4個又は1〜6個の炭素原子を含有するかに依存し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、iso−プロピル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、neo−ペンチル、n−ヘプチル又は1,3−ジメチルブチルであり、そして通常はメチル又はエチルである。
【0006】
ハロアルキル部分は、1又は複数の同じ又は異なるハロゲン原子により置換されたアルキル部分であり、例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1−フルオロエチル、2−クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−2,2,2−トリクロロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロエチル及び2,2,2−トリクロロエチルであり、そして典型的にはトリクロロメチル、ジフルオロクロロメチル及び2,2,2−トリクロロエチルであり、そして典型的にはトリクロロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びジクロロフルオロメチルである。
【0007】
アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシであり、通常はメトキシ又はエトキシである。
【0008】
ハロアルコキシは、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び2,2,2−トリクロロエトキシであり、通常はジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシ及びトリフルオロメトキシである。
【0009】
アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、iso−プロピルチオ、n−ブチルチオ、iso−ブチルチオ、sec−ブチルチオ又はtert−ブチルチオであり、通常はメチルチオ又はエチルチオである。
【0010】
アルコキシアルキルは、例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、n−プロポキシメチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシメチル又はイソプロポキシエチルである。
【0011】
アリールは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フルオレニル及びインダニルを含むが、通常はフェニルである。
【0012】
式(I)の化合物は、異なる幾何異性体又は光学異性体として、あるいは異なる互変異性体において存在することができる。これらは、周知(通常はクロマトグラフィー)技術により分離及び単離することができ、そしてこのような全ての異性体及び互変異性体及び全ての割合におけるこれらの混合物、並びに同位体、例えば、重水素化化合物は、本発明の一部である。
【0013】
本発明のある観点において、Het、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりであり、そしてR1は、水素、CH2C≡CR9、CH=C=CH2又はCOR12であり、ここでR9及びR12は上述のとおりである。通常、R1は、水素、CH2C≡CH、CH=C=CH2又はCO(CH3)又はCO(OCH3)であり、典型的にはCH2C≡CH又はCH=C=CH2であり、そして好ましくは水素である。
【0014】
本発明のほかの観点において、Het、R1、R4及びR5は上に規定されたとおりであり、そしてR2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ(特に、フルオロ、クロロ又はブロモ)、C1-4アルキル(特にメチル)又はC1-4アルコキシ(特にメトキシ)である。通常、R2及びR3の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ又はメチル(例えば、7−フルオロ、7−クロロ、6−ブロモ又は7−メチル)であり、あるいはR2及びR3は、共に水素、共にフルオロ、クロロ又はブロモ(例えば、6,8−ジブロモ)、あるいは共にメトキシ(例えば、6,8−ジメトキシ又は7,8−ジメトキシ)である。典型的には、R2及びR3は共に水素である。
【0015】
本発明のさらにほかの観点において、Het、R1、R2及びR3は上に規定されたとおりであり、そしてR4及びR5は、共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ又はニトロである。典型的には、R4及びR5は、共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、好ましくは共にフルオロである。
【0016】
4及びR5が異なる場合、一般式(I)の化合物は、(E)−及び(Z)−異性体の形態において存在することができるものと考えられる。これらは、異なる生物学的特性を有し得、そして既知のクロマトグラフィー手段によりその混合物から分離及び単離することができる。本発明は、別々に又は混合物において両方の異性体を含み、ラセミ体混合物を利用することは、殺微生物剤的使用のために、特に殺真菌剤的使用のために十分であることが見出された。
【0017】
本発明のよりさらに異なる観点において、Het、R1、R2、R3、R4及びR5は上に規定されたとおりであり、そしてHetは、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイニル、オキサジニル、チアジニル又はトリアジニルであり、該環は、上に規定されるR6、R7及びR8の基の少なくとも1つにより置換されている。
【0018】
通常、Hetは、ピロリル(特にピロール−3−イル)、ピラゾリル(特にピラゾール−4−イル)、チアゾリル(特にチアゾール−5−イル)、オキサゾリル(特にオキサゾール−5−イル)、1,2,3−トリアゾリル(特に2−ピリジニル(特にピリド−3−イル)、又は2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイニル(特に2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイン−5−イル)であり、典型的には、ピロール−3−イル、ピラゾール−4−イル、チアゾール−5−イル又はピリド−3−イルであり、好ましくはピラゾール−4−イルである。
【0019】
Hetの置換基(R6、R7及びR8)は、互いに独立して、通常、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-4アルキル(特にメチル及びエチル)、C1-4ハロアルキル(特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル及びクロロジフルオロメチル)及びC1-4アルコキシ(C1-4)アルキル(特にメトキシメチル)である。
【0020】
Hetの典型的なものは、
一般式(Het1)のピロール−3−イル及び一般式(Het2)のピラゾール−4−イル:
【化2】

(式中、R6はC1-4アルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキル(特にメチル、エチル又はメトキシメチル)であり、R7はC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル又はクロロジフルオロメチル)であり、そして、R8は水素又はハロ(特に、水素、フルオロ又はクロロ)である);
一般式(Het3)のチアゾール−5−イル及びオキサゾール−5−イル:
【化3】

(式中、Qは酸素又は硫黄であり、R6はC1-4アルキル(特にメチル)であり、そしてR7はC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル又はトリフルオロメチル)である);
一般式(Het4)の1,2,3−トリアゾール−4−イル:
【化4】

(式中、R6はC1-4アルキル(特にメチル)であり、そしてR7はC1-4ハロアルキル(特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はモノフルオロメチル)である);
一般式(Het5)のピリド−3−イル:
【化5】

(式中、R6はハロ又はC1-4ハロアルキル(特にクロロ、ブロモ又はトリフルオロメチル)である);あるいは
一般式(Het6)の2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイン−5−イル:
【化6】

(式中、R6はC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル又はトリフルオロメチル)である)、
である。
【0021】
特に注目の化合物は、Hetが直前に記載されたものの1つを有し、そしてR1、R2、R3、R4及びR5が、以下の4セットの1つを有するものである:
【0022】
1)R1は水素、CH2C≡CR9、CH=C=CH2又はCOR12であり、ここでR9は水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルであり、そしてR12は水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ又はアリールであり;R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシであり;そしてR4及びR5は共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ又はニトロである。
【0023】
2)R1は水素、CH2C≡CH、CH=C=CH2、CO(CH3)又はCO(OCH3)であり;R2及びR3の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、又はメチルであり、あるいはR2及びR3は共に水素、共にフルオロ、共にクロロ、共にブロモ又は共にメトキシであり;そしてR4及びR5は共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ又はニトロである。
【0024】
3)R1は水素、CH2C≡CH又はCH=C=CH2であり;R2及びR3は共に水素であり、そしてR4及びR5は共にフルオロ、共にクロロ、共にブロモ、共にヨード又は共にシアノである。
【0025】
4)R1は水素であり;R2及びR3は共に水素であり;R4及びR5は共にフルオロ、共にクロロ、共にブロモ、共にヨード又は共にシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ又はニトロである。
【0026】
5)R1は水素であり;R2及びR3は共に水素であり;R4及びR5は共にフルオロ、共にクロロ、共にブロモ、共にヨード又は共にシアノであり、好ましくは共にフルオロである。
【0027】
本発明のほかの観点において、一般式(I)の化合物であって、式中、Hetは、1位においてC1-4アルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキル(特にメチル、エチル又はメトキシメチル)により置換され、4位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル又はクロロ−ジフルオロメチル)により置換され、そして2位においてハロ(特にフルオロ又はクロロ)により任意的に置換されたピロール−3−イル、1位においてC1-4アルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキル(特にメチル、エチル又はメトキシメチル)により置換され、3位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル又はクロロ−ジフルオロメチル)により置換され、そして5位においてハロ(特にフルオロ又はクロロ)により任意的に置換されたピラゾリル−4−イル、2位においてC1-4アルキル(特にメチル)により置換され、そして4位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル又はトリフルオロメチル)により置換されたチアゾール−5−イル又はオキサゾール−5−イル、6位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル又はトリフルオロメチル)により置換された2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイン−5−イル、2位においてハロ又はC1-4ハロアルキル(特にクロロ、ブロモ又はトリフルオロメチル)により置換されたピリド−3−イル、あるいは2位においてC1-4アルキル(特にメチル)により置換され、そして5位においてC1-4ハロアルキル(特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル及びモノフルオロメチル)により置換された1,2,3−トリアゾール−4−イルであり;R1は、水素、CH2C≡CH、CH=C=CH2又はCOR12であり、ここでR12は、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシ(特にメチル又はメトキシ)であり;R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、R3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)であり;そしてR4及びR5は共にハロ又は共にシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はハロ、シアノ又はニトロ(特に共にフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード)である化合物が供される。
【0028】
本発明のさらにほかの観点において、一般式(I)の化合物であって、式中、Hetは、2−C1-4アルキル−4−C1-4ハロアルキルチアゾール−5−イル、2−ハロピリド−3−イル、1−C1-4アルキル−4−C1-4ハロアルキルピロール−3−イル、1−C1-4アルキル−3−C1-4ハロアルキルピラゾール−4−イル又は1−C1-4アルキル−3−C1-4ハロアルキルピラゾール−4−イルであり;R1、R2及びR3は全て水素であり;そしてR4及びR5は共にハロである化合物が供される。
【0029】
本発明のよりさらにほかの観点において、一般式(I)の化合物であって、式中、Hetは、2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル、2−クロロピリド−3−イル、1−メチル−4−トリフルオロメチルピロール−3−イル、1−メチル3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル又は1−メチル3−ジフルオロ−メチルピラゾール−4−イルであり;R1、R2及びR3は全て水素であり;そしてR4及びR5は共にフルオロ、共にクロロ又は共にブロモである化合物が供される。
【0030】
本発明は、表1〜30において以下に挙げられる式(I)の個々の化合物によりさらに例証される。特性データは表31に与えられる。
【化7】

【0031】
表1〜30
表1〜30は、それぞれ69個の式(I)の化合物を含んで成り、ここで式中R1、R2、R3、R4及びR5は以下の表X中に与えられた意味を有し、そしてHetは以下の関連する表1〜30において与えられた意味を有する。従って、表1はXが1であり、かつHetが表1において与えられた意味を有する場合の表Xに対応し、表2はXが2であり、かつHetが表2において与えられた意味を有する場合の表Xに対応し、そして表3〜30についても同様である。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
表1は、Hetが
【化8】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0036】
表2は、Hetが
【化9】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0037】
表3は、Hetが
【化10】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0038】
表4は、Hetが
【化11】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0039】
表5は、Hetが
【化12】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0040】
表6は、Hetが
【化13】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0041】
表7は、Hetが
【化14】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0042】
表8は、Hetが
【化15】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0043】
表9は、Hetが
【化16】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0044】
表10は、Hetが
【化17】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0045】
表11は、Hetが
【化18】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0046】
表12は、Hetが
【化19】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0047】
表13は、Hetが
【化20】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0048】
表14は、Hetが
【化21】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0049】
表15は、Hetが
【化22】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0050】
表16は、Hetが
【化23】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0051】
表17は、Hetが
【化24】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0052】
表18は、Hetが
【化25】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0053】
表19は、Hetが
【化26】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0054】
表20は、Hetが
【化27】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0055】
表21は、Hetが
【化28】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0056】
表22は、Hetが
【化29】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0057】
表23は、Hetが
【化30】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0058】
表24は、Hetが
【化31】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0059】
表25は、Hetが
【化32】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0060】
表26は、Hetが
【化33】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0061】
表27は、Hetが
【化34】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0062】
表28は、Hetが
【化35】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0063】
表29は、Hetが
【化36】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0064】
表30は、Hetが
【化37】

であり、そしてR1、R2、R3、R4及びR5は表Xに規定されるとおりである、式(I)の69個の化合物を供する。
【0065】
表31
表31は選択された融点及び選択されたNMRデータを示し、表1〜30の化合物についてほかに言及しない限り溶媒として全てCDCl3を伴う。全てのケースにおいて全ての特性データを挙げる試みは為されていない。
【0066】
表31及び以下の記載をとおして、温度は摂氏において与えられ、「NMR」は核磁気共鳴スペクトルを意味し;MSは質量スペクトルを表し;対応する濃度が他の単位で表されていない限り「%」は重量パーセントであり;そして以下の略語が使用される:
【表4】

【0067】
【表5】

【0068】
【表6】

【0069】
式(I)の化合物は、反応スキーム1〜4の参照を伴い以下に記載されるとおり調製することができる。
【0070】
【化38】

【0071】
スキーム1において示されるとおり、R1が水素であり、そしてHet、R2、R3、R4及びR5が上に規定されるとおりである式(I)の化合物は、J.Wang et al. Synlett, 2001, 1485により記載されるとおり、好ましくは乾燥THF中−10℃〜周囲温度において、NaN(TMS)2の存在下で、式(II)の化合物(式中、Hetは上に規定されるとおりであり、そしてR’はC1-5アルキルである)と、式(III)のアニリン(式中、R2、R3、R4及びR5は上に規定されるとおりである)とを反応させることにより合成することができる。
【0072】
【化39】

【0073】
あるいは、スキーム2に示されるとおり、R1が水素であり、そしてHet、R2、R3、R4及びR5が上に規定されるとおりである式(I)の化合物は、溶媒、例えば、ジクロロメタン中、活性剤、例えば、BOP−Cl(ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸、及び2当量の塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下において、式(II’)の化合物(式中、Hetは上に規定されるとおりである)と、式(III)のアニリン(式中、R2、R3、R4及びR5は上に規定されるとおりである)とを反応させることにより(例えば、J. Cabre et al, Synthesis 1984, 413に記載されるとおり)、あるいは、好ましくは−10〜30℃において、溶媒、例えば、ジクロロメタン、酢酸エチル又はN,N−ジメチルホルムアミド中1当量の塩基、例えば、トリエチルアミン又は炭酸若しくは炭酸水素ナトリウム若しくはカリウムの存在下において、式(II”)の化合物(式中、Hetは上に規定されるとおりであり、そしてQはクロロ、フルオロ又はブロモである)と、式(III)のアニリン(式中、R2、R3、R4及びR5は上に規定されるとおりである)とを反応させることにより合成することができる。式(II”)の化合物は、溶媒、例えば、トルエン、ジクロロメタン又はアセトニトリル中、ハロゲン化剤、例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、塩化オキサリル、ホスゲン、SF4/HF、DAST((ジエチルアミノ)硫酸トリフルオライド)、又はDeoxo−Fluor(登録商標)([ビス(2−メトキシエチル)アミノ]−硫酸トリフルオライド)による処理により式(II’)の化合物から得られる。
【0074】
【化40】

【0075】
1が水素以外であり、そしてHet、R2、R3、R4及びR5が上に規定されるとおりである式(I)の化合物は、−10〜30℃において、適当な溶媒、例えば、酢酸エチル中又は二相性混合物、例えば、ジクロロメタン/水混合物中、塩基、例えば、水素化ナトリウム又は水酸化ナトリウム若しくはカリウム、NaN(TMS)2、トリエチルアミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムの存在下において、R1が水素であり、そしてHet、R2、R3、R4及びR5が上に規定されるとおりである式(I)の化合物と、化学種Z−R1(式中R1は上に規定されるとおりであるが、水素ではなく、そしてZは好ましくは、クロロ、ブロモ又はヨードであり、あるいはZはZ−R1が無水物(すなわちR1がCOR12である場合、ZはOCOR12である)となるものである)との反応により調製することができる。
【0076】
化合物(II)及び(II’)は一般に既知の化合物であり、そして化学文献に記載されるとおり調製することができ、あるいは商業的供給源から得ることができる。化合物(III)は新規な化合物であり、スキーム4の参照をともない記載されるとおり調製することができる。
【0077】
【化41】

【0078】
スキーム4に示されるとおり、式(III)の化合物は、ニトロ化合物(E)、(F)及び(G)のBechamp還元により、あるいは他の確立された方法、例えば、選択的触媒水素化により調製することができる。
【0079】
9−ジハロメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(E)(式中R4及びR5はクロロ、ブロモ又はフルオロである)は、H-D. Martin et al, Chem. Ber. 118, 2514 (1985), S.Hayashi et al, Chem. Lett. 1979, 983, 又は M. Suda, Tetrahedron Letters, 22, 1421 (1981)に記載される手順に従い、あるいは類似した手順により、ケトン(D)とin situ 産生ジハロメチリデンホスホランR’’’3P=C(R4)R5(式中R’’’はトリフェニル、トリC1-4アルキル又はトリジメチルアミンであり、そしてR4及びR5はハロである)のWittig オレフィン化により得ることができる。
【0080】
9−モノハロメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(E)のE/Z混合物(式中R4は水素であり、そしてR5はクロロ、ブロモ又はヨードである)は、Tetrahedron Letters, 37, 1913 (1996), Synthesis, 1087 (2003) 又はTetrahedron Letters 43, 2725 (2002)に記載されるものと類似する手順により化合物(D)から調製することができる。混合したジハロメチリデンは、P. Knochel, Synthesis, 1797 (2003)に記載される方法により得ることができる。
【0081】
9−シアノ−メチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(E)(式中R4は水素であり、そしてR5はシアノである)は、ケトン(D)とシアノ−メチリデンホスホランとのWittigオレフィン化により、あるいはマロジニトリルとの塩基性縮合により9−ジシアノ−メチリデン誘導体から、共に文献中に確立された方法に従い調製することができる。9−ニトロ−メチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(E)のE/Z混合物(式中R4は水素であり、そしてR5はニトロである)は、Y. Jang et al, Tetrahedron 59, 4979 (2003)により記載される条件下において、ピペリジンの存在中、ケトン(D)とニトロメタンの塩基性縮合を介して得ることができる。
【0082】
9−モノフルオロメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(F)のE/Z混合物は、S. Hayashi et al, Chem. Lett. 1979, 983, X. Huang et al, J. Org. Chem. 65, 627 (2000), Y. Li et al, Organic Letters 6, 4467 (2004) 及び A. Oky et al J. Org. Chem. 53, 3089 (1988)に記載されるとおり、9−ジフルオロメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(E)(式中R4及びR5は共にフルオロである)の還元剤、例えば、Red−Al(登録商標)、LiAlH4、AlH(Bu−i)による処理により得ることができる。好ましい溶媒は、テトラヒドロフラン、及びトルエンである。
【0083】
9−ジヨードメチリデン(G)(式中R4及びR5は共にヨードである)は、−78℃で2時間、テトラヒドロフランにおいてLiHMDS(2当量)、ICH2P(O)(OEt)2及びヨウ素を使用するDuhamelにより開発された方法により、化合物(D)から得ることができる (Synthesis, 1071 (1993) and J. Org. Chem. 64, 8770 (1999))。
【0084】
9−オキソ−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(D)は、標準的なオゾン分解条件(−70℃におけるジクロロメタン中)を使用して、9−アルキリデン−ベンゾノルボルネン(C)から、続いて還元剤、例えば、トリフェニルホスフィン(JJ. Pappas et al, J. Org. Chem. 33, 787 (1968)、ジメチルスルフィド(JJ. Pappas et al, Tetrahedron Letters, 7, 4273 (1966)、トリメチルホスファイト(W.S. Knowles et al, J. Org. Chem. 25, 1031 (1960)、又は亜鉛/酢酸(R. Muneyuki and H. Tanida, J. Org. Chem. 31, 1988 (1966)を含む還元的ワークアップにより得ることができる。通常使用される溶媒は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム及びメタノールである。
【0085】
5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(C)(式中R’は水素又はC1-4アルキルであり、そしてR”はC1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり、あるいはR’とR”はこれらが結合するC原子と一緒に4〜6員のシクロアルキル環を形成し、そしてR2及びR3は上に規定されるとおりである)は、R. Muneyuki and H. Tanida, J. Org. Chem. 31, 1988 (1966)の手順と類似する手順により、氷冷下におけるPd/C(又は他の適当な触媒、例えば、Ra/Ni)と1当量の水素の吸収を使用する化合物(B)の選択的水素化により調製することができる。他の条件は、周囲温度におけるテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、酢酸エチル、メタノール等における均一系触媒(例えば、Wilkinson 触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム又は等価物)下の水素化である。
【0086】
9−アルキリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(B)(式中R’は水素又はC1-4アルキルであり、そしてR”はC1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり、あるいはR’とR”はこれらが結合する炭素原子と一緒に4〜6員のシクロアルキル環を形成し、そしてR2及びR3は上に規定されるとおりである)は、R. Muneyuki and H. Tanida, J. Org. Chem. 31, 1988 (1966), P. Knochel et al, Angew. Chem. 116, 4464 (2004), J.W. Coe et al, Organic Letters 6, 1589 (2004), L.Paquette et al, J. Amer. Chem. Soc. 99, 3734 (1977), R.N. Warrener et al, Molecules, 6, 353 (2001), R.N. Warrener et al, Molecules, 6, 194 (2001) に記載される手順の1つに従い、あるいはこれらに類似する手順により、in situ 産生ベンジン[例えば、L.Paquette et al, /. Amer. Chem. Soc. 99, 3734 (1977)により記載されるとおり、式(A)の6−ニトロアントラニル酸から、あるいは他の適当な前駆体(H. Pellissier et al. Tetrahedron, 59, 701 (2003), R. Muneyuki and H. Tanida, J. Org. Chem. 31, 1988 (1966)を参照のこと)から出発する]を、6−アルキル−若しくは6,6−ジアルキルフルベンに添加することにより調製することができる。該方法のための適当な非プロトン性溶媒は、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、ジクロロメタン、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、2−ブタノン及びジメトキシエタンを含む。反応温度範囲は、室温〜100℃であり、好ましくは35〜80℃である。
【0087】
6−アルキル−若しくは6,6−ジアルキルフルベンは、M. Neuenschwander et al, Helv. Chim. Acta, 54, 1037 (1971), ibid 48, 955 (1965), R.D. Little et al, J. Org. Chem. 49, 1849 (1984), I. Erden et al, J. Org. Chem. 60, 813 (1995) 及び S. Collins et al, J. Org. Chem. 55, 3395 (1990) により記載されるとおり、調製される。
【0088】
式(A)の6−ニトロアントラニル酸は、一般に既知の化合物であり、そして化学文献に記載されるとおり調製することができ、あるいは商業的供給源から得ることができる。
【0089】
式(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び(III)の中間化合物は新規な化合物であり、本発明のさらなる観点を形成する。
【0090】
特に、本発明は、式(B):
【化42】

(式中、R’は水素又はC1-4アルキルであり、そしてR”はC1-4アルキル、又はC3-6シクロアルキルであり、あるいはR’及びR”は、これらが結合する炭素原子と一緒に、4〜6員のシクロアルキル環を形成し、そしてR2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物、を含む。
【0091】
適当には、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ(特にフルオロ、クロロ又はブロモ)、C1-4アルキル(特にメチル)又はC1-4アルコキシ(特にメトキシ)である。通常、R2及びR3の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ又はメチル(例えば、7−フルオロ、7−クロロ、6−ブロモ又は7−メチル)であり、あるいはR2及びR3は、共に水素、共にフルオロ、クロロ又はブロモ(例えば、6,8−ジブロモ)、あるいは共にメトキシ(例えば、6,8−ジメトキシ又は7,8−ジメトキシ)である。
【0092】
特に注目のものは、式(B)の化合物であって、式中、R’及びR”は上に規定されたとおりであり、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。特に注目のものは、式(B)の化合物であって、式中、R’及びR”は上に規定されたとおりであり、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。典型的には、R2とR3は共に水素である。
【0093】
式(B)の化合物の例は、以下の表32に挙げられる化合物である。これらの化合物の特性データは表33に与えられる。
【0094】
【表7】

【0095】
【表8】

【0096】
本発明はまた、式(C):
【化43】

(式中、R’は水素又はC1-4アルキルであり、そしてR”は、C1-4アルキル、又はC3-6シクロアルキルであり、あるいはR’及びR”は、これらが結合する炭素原子と一緒に、4〜6員のシクロアルキル環を形成し、そしてR2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物、を含む。
【0097】
適当には、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ(特にフルオロ、クロロ又はブロモ)、C1-4アルキル(特にメチル)又はC1-4アルコキシ(特にメトキシ)である。通常、R2及びR3の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ又はメチル(例えば、7−フルオロ、7−クロロ、6−ブロモ又は7−メチル)であり、あるいはR2及びR3は、共に水素、共にフルオロ、クロロ又はブロモ(例えば、6,8−ジブロモ)、あるいは共にメトキシ(例えば、6,8−ジメトキシ又は7,8−ジメトキシ)である。
【0098】
特に注目のものは、式(C)の化合物であって、式中、R’及びR”は上に規定されたとおりであり、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。特に注目のものは、式(C)の化合物であって、式中、R’及びR”は上に規定されたとおりであり、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。典型的には、R2とR3は共に水素である。
【0099】
式(C)の化合物の例は、以下の表34に挙げられる化合物である。これらの化合物の特性データは表35に与えられる。
【0100】
【表9】

【0101】
【表10】

【0102】
本発明はさらに、式(D):
【化44】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物、を含む。
【0103】
適当には、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ(特にフルオロ、クロロ又はブロモ)、C1-4アルキル(特にメチル)又はC1-4アルコキシ(特にメトキシ)である。通常、R2及びR3の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ又はメチル(例えば、7−フルオロ、7−クロロ、6−ブロモ又は7−メチル)であり、あるいはR2及びR3は、共に水素、共にフルオロ、クロロ又はブロモ(例えば、6,8−ジブロモ)、あるいは共にメトキシ(例えば、6,8−ジメトキシ又は7,8−ジメトキシ)である。
【0104】
特に注目のものは、式(D)の化合物であって、式中、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。特に注目のものは、式(D)の化合物であって、式中、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。典型的には、R2とR3は共に水素である。
【0105】
式(D)の化合物の例は、以下の表36において特性表と共に挙げられる化合物である。
【0106】
【表11】

【0107】
本発明はさらに、式(E):
【化45】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり;そしてR4及びR5はそれぞれ、独立に、ハロ、シアノ又はニトロであり、あるいはR4及びR5の1つは水素である)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物、を含む。
【0108】
適当には、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ(特にフルオロ、クロロ又はブロモ)、C1-4アルキル(特にメチル)又はC1-4アルコキシ(特にメトキシ)である。通常、R2及びR3の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ又はメチル(例えば、7−フルオロ、7−クロロ、6−ブロモ又は7−メチル)であり、あるいはR2及びR3は、共に水素、共にフルオロ、クロロ又はブロモ(例えば、6,8−ジブロモ)、あるいは共にメトキシ(例えば、6,8−ジメトキシ又は7,8−ジメトキシ)である。
【0109】
特に注目のものは、式(E)の化合物であって、式中、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。特に注目のものは、式(E)の化合物であって、式中、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。典型的には、R2とR3は共に水素である。
【0110】
適当には、R4及びR5は共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ又はニトロである。典型的には、R4及びR5の両方は、共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、そして好ましくは両方はフルオロである。
【0111】
化合物(E)のサブグループは、式(F):
【化46】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物、である。R2及びR3の特定の値は、上記化合物(E)について記載されたとおりである。
【0112】
化合物(E)のほかのサブグループは、式(G):
【化47】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物、である。R2及びR3の特定の値は、上記化合物(E)について記載されたとおりである。
【0113】
式(E)、(F)及び(G)の化合物の例は、以下の表37に挙げられる化合物である。これらの化合物の特性データは表38に与えられる。
【0114】
【表12】

【0115】
【表13】

【0116】
本発明はまたさらに、式(III):
【化48】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり;そしてR4及びR5はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ及びニトロから選択され;あるいはR4及びR5の一方は水素である)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物、を含む。
【0117】
適当には、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ(特にフルオロ、クロロ又はブロモ)、C1-4アルキル(特にメチル)又はC1-4アルコキシ(特にメトキシ)である。通常、R2及びR3の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ又はメチル(例えば、7−フルオロ、7−クロロ、6−ブロモ又は7−メチル)であり、あるいはR2及びR3は、共に水素、共にフルオロ、クロロ又はブロモ(例えば、6,8−ジブロモ)、あるいは共にメトキシ(例えば、6,8−ジメトキシ又は7,8−ジメトキシ)である。
【0118】
特に注目のものは、式(III)の化合物であって、式中、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。特に注目のものは、式(III)の化合物であって、式中、R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキル(特に6−ブロモ、7−クロロ、7−フルオロ又は7−メチル)であり、そしてR3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシ(特に6,8−ジメトキシ、6,8−ジブロモ又は7,8−ジメトキシ)である化合物である。典型的には、R2とR3は共に水素である。
【0119】
適当には、R4及びR5は共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ又はニトロである。典型的には、R4及びR5の両方は、共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、そして好ましくは両方はフルオロである。
【0120】
式(III)の化合物の例は、以下の表39に挙げられる化合物である。これらの化合物の特性データは表40に与えられる。
【0121】
【表14】

【0122】
【表15】

【0123】
このたび、本発明の式(I)の化合物が、実用的な目的のために、植物病原性微生物、例えば、真菌、細菌又はウイルスにより引き起こされる病害に対して有用な植物を保護するために極めて有利な活性スペクトルを有することが発見された。
【0124】
本発明は、植物病原性微生物による有用な植物の感染を制御又は予防する方法であって、ここで活性成分として式(I)の化合物が、植物、その部分又はその場所に対して適用されることを特徴とする方法に関する。本発明の式(I)の化合物は、適用の低い割合における優れた活性により、植物に良好な耐容性を示し、かつ環境的に安全であることにより区別される。これらは、極めて有用な治癒的、予防的及び浸透的な特性を有し、そして多くの有用な植物を保護するために使用される。式(I)の化合物は、有用な植物の異なる作物の植物又は植物の一部(果実、花、葉、茎、塊茎、根)において発生する病害を阻害又は無効化し、一方で同時に、例えば、植物病原性微生物から後に成長する植物のこれらの一部もまた保護するために使用することができる。
【0125】
式(I)の化合物は、植物繁殖体、特に種子(果実、塊茎、穀物)及びさし穂(例えば、イネ)の処理、真菌感染に対する保護、並びに土壌中の植物病原性真菌発生に対する保護のための粉衣剤として使用することも可能である。
【0126】
さらに、本発明の式(I)の化合物は関連分野で、例えば、毛剤及び木材関連技術製品を含む美術物質の保護において、食品貯蔵において、あるいは衛生管理において、真菌の制御のために使用することができる。
【0127】
式(I)化合物は、例えば、以下の種類の植物病原性真菌に対して有効である:不完全菌類(例えば、Botrytis属、Pyricularia属、Helminthosporium属、Fusarium属、Septoria属、Cercospora属及びAlternaria属)及び担子菌類(例えば、Rhizoctonia属、Hemileia属、Puccinia属)。更に、これらはまた、子嚢菌類(例えば、Venturia属及びErysiphe属、Podosphaera属、Monilinia属、Uncinula属)や卵菌類(例えば、Phytophthora属、Pythium属、Plasmopara属)に対しても有効である。アジア大豆さび病(Phakopsora pachyrhizi)に対して良好な活性が観察された。また、さび病、例えば、Puccinia recondita属に対しても良好な活性が観察された。更に、式(I)の新規な化合物は、植物病原性細菌及びウイルスに対して(例えば、Xanthomonas属、Pseudomonas 属、Erwinia amylovoraに対して、並びにタバコモザイクウイルスに対して)有効である。
【0128】
本発明の範囲内で、保護される有用植物は、典型的には以下の植物種を含んで成る:穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、イネ、トウモロコシ、モロコシ及び関連種);ビート(てん菜及び飼料用ビート);ナシ状果、核果及び軟状果実(リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、オウトウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー);マメ科植物(インゲン、ヒラマメ、エンドウ、ダイズ);油料植物(ナタネ、カラシ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココヤシ、ヒマ、カカオ、ラッカセイ);ウリ科植物(カボチャ、キュウリ、メロン);繊維料植物(ワタ、アマ、ヘンプ、ジュート);柑橘類果物(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ミカン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、バレイショ、パプリカ);クスノキ科植物(アボカド、シナモン、クスノキ);又はタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、チャ、コショウ、ブドウ、ホップ、バナナ、天然ゴムの木、観葉植物などの植物。
【0129】
用語「有用植物」は、ブロモキシニル等のような除草剤または除草剤のクラス(例えば、HPPD阻害剤、ALS阻害剤、例えば、プリミスルフロン、プロスルフロン及びトリフルオキシスルフロン、EPSPS(5−エノール−ピルビル−シキメート−3−リン酸合成酵素)阻害剤、GS(グルタミン合成酵素)阻害剤又はPPO(プロトポルフィリノーゲン酸化酵素)阻害剤)に対する耐性を、慣習的な育種法又は遺伝子組み換え法により、供された有用植物を含むものする。イミダゾリノン系除草剤、例えば、イマザモックスに対して慣習的な育種法(突然変異誘発法)により耐性を供した作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ種)である。除草剤又は除草剤のクラスへの耐性を遺伝子組み換え法で供した作物の例は、RoundupReady(登録商標)、HerculexI(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)の商品名で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ種である。
【0130】
用語「有用植物」は、1又は複数の選択活性毒素、例えば、毒素産生細菌、特にBacillus属菌に由来する毒素を合成しうるように、遺伝子組み換え技術の使用により形質転換された有用植物も含むものと理解される。
【0131】
用語「有用植物」は、選択活性を有する抗病原性物質、例えば、いわゆる「病原関連タンパク質」(例えば、EP−A−0392225を参照のこと)を合成しうるように、遺伝子組み換え技術の使用により形質転換された有用植物も含むものと理解される。
【0132】
このような抗病原性物質及びこのような抗病原性物質を合成することができる遺伝子組換え植物の例は、例えば、EP−A−0392225、WO95/33818及びEP−A−035319から知られている。このような遺伝子組換え植物を産生するための方法は当業者に一般に知られており、例えば、上述の刊行物中に記載されている。
【0133】
本明細書において使用される有用植物の「場所」という用語は、該有用植物が生育する場所であって、そこに有用植物の植物繁殖体が植え付けられる、あるいは有用植物の植物繁殖体が土壌中に配置される場所を包摂する。このような場所の一例は、作物が生育する圃場である。
【0134】
用語「植物繁殖体」は、植物の増殖に使用しうる種子などの植物の生殖体(generative parts)及び栄養繁殖体、例えば、さし穂、又は塊茎、例えば、バレイショを示すものと理解される。例えば、種子(厳密な意味における)、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎及び植物の一部を言及することができる。発芽後又は土壌から出芽後に移植される出芽した植物及び若い植物にもまた言及することができる。これらの若い植物は、浸漬による全体的又は部分的な処理により、移植の前に保護することができる。好ましくは「植物繁殖体」は種子を示すものと理解される。
【0135】
式(I)の化合物は非修飾形態において、あるいは、好ましくは、製剤の分野において慣習的に利用される担体及びアジュバントと一緒に使用することができる。
【0136】
従って、本発明はまた、植物病原性微生物に対して制御又は保護するための組成物であって、式(I)の化合物及び不活性担体を含む組成物、又は有用植物の植物病原性微生物感染の制御または予防方法であって、活性成分としての式(I)の化合物及び不活性担体を含む組成物を有用植物又はその部分若しくは場所に対して適用することを特徴とする方法、に関する。
【0137】
この目的を達成するために、式(I)の化合物及び不活性担体は、乳剤濃縮物、塗布ペースト剤、直接散布又は希釈可能な溶液、希釈乳剤、水和剤、水溶剤、粉剤、粒剤、又はポリマー被覆等によるカプセル剤へと既知な方法において適宜処方される。適用方法、例えば、散布、噴霧、散粉、まき散らし、塗布、注入などは組成物の種類に合わせて、所期目的と環境条件に応じて選択される。該組成物は、さらに、補助剤、例えば、安定剤、消泡剤、粘度調整剤、結合剤又は粘着付与剤、さらには肥料、微量栄養素供給体、あるいは特定の効果を得るための他の製剤を含んでもよい。
【0138】
適当な担体及びアジュバントは、固体または液体のいずれでもよいが、製剤技術に有用な物質、例えば、天然または再生ミネラル物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤または肥料などである。このような担体は、例えば、WO97/33890に記載されている。
【0139】
式(I)の化合物、又は活性成分として式(I)の化合物及び不活性担体を含んで成る組成物は、更なる化合物により、同時に又は連続して処理される植物の場所又は植物に対して適用することができる。これらの更なる化合物は、例えば、肥料又は微量栄養素供与体又は植物の成長に影響する他の調整物であってよい。これらはまた、選択的除草剤、並びに殺虫剤、殺真菌剤、殺細菌剤、殺線虫剤、軟体類駆除剤又はいくつかのこれらの調製物の混合物であってよく、所望される場合には、製剤の当業界において一般に利用される更なる担体、界面活性剤又は適用促進アジュバントを伴ってよい。
【0140】
式(I)の化合物、又は活性成分として式(I)の化合物及び不活性担体を含んで成る組成物を適用するための好ましい方法は、葉面処理である。適用頻度と適用割合は対応する病原体の感染リスクに依存するであろう。しかしながら、式(I)の化合物はまた、植物体の場所を液剤で処理することにより、または該化合物を固形物例えば、粒剤として土壌に散布することにより(土壌散布)、土壌経由で根から植物体に浸透させることもできる(全身作用)。水稲作物の場合は、このような粒剤を湛水水田に散布することができる。式(I)の化合物はまた、種子又は塊茎を殺真菌剤の液剤に浸漬すること、あるいはこれらを固形剤でコーティングすることにより、種子に適用(被覆)することもできる。
【0141】
製剤、すなわち式(I)の化合物及び所望の場合には固体又は液体アジュバントを含んで成る組成物は、既知の方法において、一般に該化合物を、増量剤、例えば、溶媒、固体担体、並びに任意的には、界面活性化合物(界面活性剤)と共に十分に混合及び/又は粉砕することにより調される。
【0142】
農薬製剤は通常、0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜95重量%の式(I)の化合物、99.9〜1重量%、好ましくは99.8〜5重量%の固体又は液体アジュバント、0〜25重量%、好ましくは0.1〜25重量%の界面活性剤を含むであろう。
【0143】
濃縮物として商品を処方することが好ましい一方、消費者は通常希釈製剤を使用するであろう。
【0144】
有利な適用割合は通常、5g〜2kgの活性成分(a.i.)/ヘクタール(ha)、好ましくは10g〜1kg a.i./ha、最も好ましくは20g〜600kg a.i./haである。種子処理剤として使用するとき、適当な適用割合は10mg〜1gの活性成分/種子1kgである。所望の作用のための適用の割合は実験により決定することができる。これは、例えば、作用の種類、有用植物の生育段階、及び適用(地域、時期、方法)に依存し、またこれらの条件によって大幅に変動しうる。
【0145】
前述の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩は、動物における微生物感染症の治療及び/又は予防に有利な抗微生物スペクトルを有することができる。
【0146】
「動物」は、任意の動物、例えば、昆虫、哺乳類、爬虫類、魚類、両生類などであるが、好ましくは哺乳類、最も好ましくは人間である。「治療」は、微生物感染症を有する動物への、該感染症の増大又は拡大を、軽減又は減速又は停止させることを目的とした、または該感染症の軽減又は治癒を目的とした、使用を意味する。「予防」は、微生物感染症の兆候が見当たらない動物に対する、将来の感染症の予防又は将来の感染症の増大又は拡大の軽減又は減速を目的とした、使用を意味する。
【0147】
本発明に従い、動物における微生物感染症の治療及び/又は予防における使用のための医薬の製造における式(I)化合物の使用が提供される。また、式(I)の化合物の薬剤としての使用も提供される。また、動物の治療における抗微生物剤としての式(I)の化合物の使用も提供される。本発明に従い、活性成分としての式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容される希釈剤又は担体を含んで成る医薬組成物もまた提供される。該組成物は、動物における微生物感染症の治療及び/又は予防に使用することができる。該医薬組成物は、経口投与に適した剤形、例えば、錠剤、ロゼンジ錠、硬カプセル剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、乳剤、粉末水和剤、顆粒水和剤、シロップ剤、エリキシル剤とすることができる。あるいは該医薬組成物は、局所適用に適した剤形、例えば、スプレー剤、クリーム剤またはローション剤としてもよい。あるいは該医薬組成物は、非経口投与、例えば、注射に適した剤形にしてもよい。あるいは該医薬製剤は、吸入に適したエアゾールスプレーなどの剤形でもよい。
【0148】
式(I)の化合物は、動物において微生物感染症を引き起こすことが可能な種々の微生物種に対して有効である。このような微生物種の例は、アスペルギルス症を引き起こす種、例えば、Aspergillus fumigatus、A. flavus、A. terrus、A. nidulans及びA. niger; ブラストミセス症を引き起こす種、例えば、Blastomyces dermatitidis; カンジダ症を引き起こす種、例えば、Candida albicans、C. glabrata、C. tropicalis、C. parapsilosis、C. krusei及びC. lusitaniae; コクシジオイデス症を引き起こす種、例えば、Coccidioides immitis; クリプトコックス症を引き起こす種、例えば、Cryptococcus neofomans; ヒストプラスマ症を引き起こす種、例えば、Histoplasma capsulatum; 及び接合菌症を引き起こす種、例えば、Absidia corymbifera、Rhizomucor pusillus及びRhizopus arrhizusなどである。さらなる例は、Fusarium 属、例えば、F. oxysporumやF. solani、及びScedosporium 属、例えば、S. apiospermumやS. prolificansである。より更なる例は、Microsporum 属、Trichophyton 属、Epidermophyton 属、Mucor 属、Sporothorix 属、Phialophora 属、Cladosporium 属、Petriellidium 属、Paracoccidioides 属及びHistoplasma 属である。
【0149】
以下の制限のない実施例は上述の発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0150】
例1
該実施例は、2−メチル−4−トリフルオロメチル−チアゾール−5−カルボン酸(9−ジクロロメチリデン−ベンゾノルボルネン−5−イル)アミド(化合物番号20.01)の調製を説明する。
【化49】

9−ジクロロメチリデン−5−アミノ−ベンゾノルボルネン(175mg、0.73mmol)、2−メチル−4−トリフルオロメチル−チアゾール−5−カルボン酸(162mg、0.77mmol、1.05当量)及びトリエチルアミン(184mg、1.8mmol、2.5当量)を、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロライド(278mg、1.09mmol、1.5当量)とジクロロメタン(10ml)中、25℃で20時間反応させた。酢酸エチル中の該反応混合物を水及び飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ、そしてシリカゲルにおいて精製し(酢酸エチル−ヘキサン−1:2)、250mgの無色の結晶を得た(融点136〜139℃)。
【0151】
例2
該実施例は、9−(3−ペンチリデン)−5−ニトロ−ベンゾノルボルナジエン(化合物番号32.01)の調製を説明する:
【化50】

58℃におけるジメトキシエタン(50ml)中のイソペンチルニトリル(2.31ml、1.3当量)の良く撹拌した溶液に、25mlのジメトキシエタン中に溶解した6−ニトロアントラニル酸(2.76g、1当量)及び6,6−ジエチルフルベン(6.45gの79%純度、2.5当量)の混合物を温度を67℃に上昇させながら、8分間滴下した。30分後、濃い反応混合物を蒸発させ、そしてヘキサン−酢酸エチル−(20:1)におけるシリカゲルにおいて精製し、室温で凝固する油として、3.02g(78%)の所望の生成物を得た(融点60〜61℃)。
【0152】
例3
該実施例は、9−(3−ペンチリデン)−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物番号34.01)の調製を説明する:
【化51】

THF(70ml)中の化合物32.01(7.97g,例2に記載されるとおり調製した)をRh(PPh33Cl(ウィルキンソン触媒;0.8g)の存在下において20℃でハロゲン化した。該反応は、1当量の水素の取り込み後に終了した。粗生成物のシリカゲル上酢酸エチル−ヘキサン(100:2)の蒸発及び濾過により、室温で凝固状態である油(7.90g)として所望の生成物を得た(融点69〜56℃)。
【0153】
例4
該実施例は、9−オキソ−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物番号36.01)の調製を説明する:
【化52】

【0154】
化合物34.01(7.0g、27.2mmol;実施例3に記載されるとおりに調製した)をジクロロメタン(300ml)中に溶解し、そして持続性の青色が観察されるまで(約15分後)−70℃でメタノール(5ml)をオゾン化した(2.8lのO2/分、100ワット、9.7gのO3/hに対応する)。該反応混合物を窒素ガスで流した。トリフェニルホスフィン(8.4g、32.03mmol、1.18当量)を添加し、そして温度を20〜25℃に加温した。溶媒の蒸発後、残渣をヘキサン−EtOAc−3:1中シリカゲルにおいて精製し、5.2gの化合物36.01を得た(融点112〜114℃)。
【0155】
例5
該実施例は、9−ジフルオロメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物番号37.01)の調製を説明する:
【化53】

【0156】
THF(50ml)中0℃におけるジブロモジフルオロメタン(6.30g、30mmol)の溶液に、THF(30ml)中のトリス−(ジメチルアミノ)−ホスファン(97%において10.1g、11.2mlに相等、60mmol)を20分間添加した。生じた懸濁液に、室温で1時間撹拌後、THF(20ml)中の9−オキソ−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物36.01)(6.10g、30mmol;実施例4に記載のとおり調製した)の溶液を25分間滴下し、その後21時間撹拌した。該懸濁液を氷水上に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル−ヘキサン−(1:4)中シリカゲルにおける精製により、4.675gの化合物37.01が産生した(融点99〜101℃)。
【0157】
例6
該実施例は、2,9−ジクロロメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物番号37.02)の調製を説明する:
【化54】

【0158】
乾燥四塩化炭素(5.9g、33mmol)をジクロロメタン(30ml)中でトリフェニルホスフィン(14.46g、55.1mmol)と室温で1時間反応させた。ジクロロメタン(10ml)中の9−オキソ−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物36.01)(5.60g、27.56mmol;実施例4に記載されるとおり調製した)を滴下し、そして室温で20時間撹拌した。水性ワークアップ(氷−水)及びジクロロメタンによる抽出後、粗生成物を酢酸エチル−ヘキサン−(1:4)中シリカゲルにおいて精製し、所望の化合物37.02を得た(1.83g;融点136〜137℃)。いくらかの出発物質(4.06g)が回収された。
【0159】
例7
該実施例は、3,9−ジブロモメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物番号37.03)の調製を説明する:
【化55】

【0160】
四臭化炭素(98%において4.66g、13.8mmol)を、撹拌しながら、ジクロロメタン(50ml)中でトリフェニルホスフィン(7.23g、27.6mmol)と室温で50分間反応させた。ジクロロメタン(10ml)中の9−オキソ−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物36.01)(2.8g、13.8mmol;実施例4に記載されるとおり調製した)を滴下し、そして室温で一晩撹拌した。水性ワークアップし(氷−水)、そしてジクロロメタンにより抽出し、その後粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン−(1:9))にかけ、所望の生成物である化合物37.03を得た(2.1g;融点153〜155℃)。いくらかの出発物質(4.06g)が回収された。
【0161】
例8
該実施例は、9−ジフルオロメチリデン−5−アミノ−ベンゾノルボルネン(化合物番号39.01)の調製を説明する:
【化56】

【0162】
THF(25ml)及び5%水性酢酸(8ml)中の9−ジフルオロメチリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物番号37.01)(3.0g、12.65mmol;実施例5に記載されるとおり調製した)を、還流温度で鉄粉(合計6.29g)と反応させ、4時間にわたり3部において、22時間添加した。該反応混合物を、Hyflo(登録商標)による濾過及びエーテル中の水性ワークアップ後、酢酸エチル−ヘキサン−(1:4)中シリカゲルにおいて精製し、所望のアニリン化合物39.01を得た(2.06g)。
【0163】
例9
該実施例は、9−イソプロピリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルナジエン(化合物番号32.02)の調製を説明する:
【化57】

【0164】
700mlのジメトキシエタン中の110.4gの6−ニトロアントラニル酸(0.6mol)及び98.5gの6,6−ジメチルフルベン(1.5当量)の混合物を、2リットルの1,2−ジメトキシエタン中の96.3gのt−ブチル亜硝酸(1.4当量)の溶液中に窒素雰囲気下72℃で滴下した。ガス形成を30分後に停止した。該反応混合物を3時間撹拌し、その後周囲温度に冷却した。該及び反応混合物を蒸発させ、そしてヘキサン−酢酸エチル(95:5)中シリカゲルにおいて精製し、黄色の結晶として、76.7gの所望の生成物を得た(融点94〜95℃)。1H−NMR(CDCl3),ppm:7.70(d,1H),7.43(d,1H),7.06(t,1H),6.99(m,2H),5.34(brds,1H),4.47(brds,1H),1.57(2d,6H).13C−NMR(CDCl3),ppm:159.83,154.30,147.33,144.12,142.89,141.93,125.23(2x),119.32,105.68,50.51,50.44,19.05,18.90.
【0165】
例10
該実施例は、9−イソプロピリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルネン(化合物番号34.02)の調製を説明する:
【化58】

【0166】
49.0gの9−イソプロピリデン−5−ニトロ−ベンゾノルボルナジエン(化合物番号32.02)を500mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、そして5gのRh(PPh33Cl(ウィルキンソン触媒)の存在下で20℃においてハロゲン化した。該反応は1当量の水素の取り込み後に終了した(2.5時間後)。酢酸エチル−ヘキサン−(1:6)中シリカゲルにおける粗精製物の蒸発及び濾過、続いてヘキサン中の粉砕により、固体として48.3gの所望の生成物を得た(収率:98%;融点88−89℃)。
【0167】
式(I)の化合物のための処方例:
例F−1.1〜F−1.3:乳剤
【表16】

任意の所望の濃度のエマルションは、このような濃縮物を水で希釈することにより調製することができる。
【0168】
例F−2:乳剤
【表17】

任意の所望の濃度のエマルションは、このような濃縮物を水で希釈することにより調製することができる。
【0169】
例F−3.1〜F−3.4:溶液
【表18】

該溶液は微小滴の形態における使用に適用である。
【0170】
例F−3.1〜F−3.4:粒剤
【表19】

該新規化合物はジクロロメタン中に溶解され、該溶液は担体上に噴霧され、そしてその後、該溶媒は真空下における蒸留により除去される。
【0171】
例F−5.1及びF−5.2:粉剤
【表20】

粉剤を使用するための準備は、全ての成分をよく混合することにより得られる。
【0172】
例F−6.1〜F−6.3:水和剤
【表21】

全ての成分は混合され、そして該混合物は適当なミル中で完全にすり潰され、任意の所望の濃度の懸濁液に水で希釈することができる水和剤を与える。
【0173】
例F7:種子処理用フロアブル剤(Flowable concentrate)
【表22】

細かく挽いた活性成分をアジュバントと共によく混合し、水で希釈することにより任意の所望の希釈の懸濁液が得られる懸濁濃縮物を得る。このような希釈を使用することにより、噴霧、注入又は浸漬することにより、微生物の感染に対して生きた植物並びに繁殖体を処理及び保護することができる。
【0174】
生物学的例:殺真菌作用
例B−1:プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)/小麦(小麦における褐サビ病)に対する作用
1週齢の小麦植物cv.Arinaを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から1日後、該小麦植物を、該試験植物に胞子懸濁液(1×105の夏胞子/ml)を噴霧することにより接種する。20℃及び95%の相対湿度で2日間のインキュベーション後、該植物をグリーンハウスにて20℃及び60%の相対湿度で8日間維持する。該病害の発生を接種から10日後に評価する。
【0175】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、該試験において良好な活性を示す(<20%感染)。
【0176】
例B−2:ポドスファエラ・レウコトリチャ(Podosphaera leucotricha)/リンゴ(リンゴにおけるウドン粉病)に対する作用
5週齢のリンゴ苗cv.McIntoshを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から1日後、リンゴ植物を、該試験植物上でリンゴウドン粉病に感染させた植物を振盪することにより接種する。14/10時間(明/暗)の照明状況下において22℃及び60%の相対湿度で12日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0177】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ強力が有効性を示す(<20%感染)。
【0178】
例B−3:ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)/リンゴ(リンゴにおける痂皮)に対する作用
4週齢のリンゴ苗cv.McIntoshを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から1日後、リンゴ植物を、該試験植物に胞子懸濁液(4×105の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。21℃及び95%の相対湿度で4日間のインキュベーション後、該植物をグリーンハウス中21℃及び60%の相対湿度に4日間置く。さらに、21℃及び95%の相対湿度における4日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0179】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ強力が有効性を示す(<20%感染)。
【0180】
例B−4:エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)/大麦(大麦におけるウドン粉病)に対する作用
1週齢の大麦植物cv.Reginaを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から1日後、該大麦植物を、該試験植物上でウドン粉病に感染させた植物を振盪することにより接種する。グリーンハウスにおいて20℃/18℃(昼/夜)及び60%の相対湿度で6日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0181】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ強力が有効性を示す(<20%感染)。
【0182】
例B−5:ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)/ブドウ(ブドウにおけるボトリチス病)に対する作用
5週齢のブドウ苗cv.Gutedelを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から2日後、ブドウ植物を、該試験植物に胞子懸濁液(1×106の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。グリーンハウスにおいて21℃及び95%の相対湿度で4日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0183】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0184】
例B−6:ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)/トマト(トマトにおけるボトリチス病)に対する作用
4週齢のトマト植物cv.Roter Gnomを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から2日後、トマト植物を、該試験植物に胞子懸濁液(1×105の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。育成チャンバーにおいて20℃及び95%の相対湿度で4日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0185】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0186】
例B−7:セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)/小麦(小麦におけるセプトリア斑点病)に対する作用
1週齢の小麦植物cv.Arinaを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から1日後、該小麦植物を、該試験植物に胞子懸濁液(5×105の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。20℃及び95%の相対湿度で1日間のインキュベーション後、該植物を、グリーンハウス中、20℃及び60%の相対湿度で10日間維持する。接種後11日目に該病害の発生を評価する。
【0187】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0188】
例B−8:ヘルミントスポリウム・テレス(Helminthosporium teres)/大麦(大麦における網斑病)に対する作用
1週齢の大麦植物cv.Reginaを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から2日後、該大麦植物を、該試験植物に胞子懸濁液(3×104の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。グリーンハウス中20℃及び95%の相対湿度で4日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0189】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<20%病害発生)。
【0190】
例B−9:アルターナリア・ソラニ(Alternaria solani)/トマト(トマトにおける夏疫病)に対する作用
4週齢のトマト植物cv.Roter Gnomを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から2日後、該トマト植物を、該試験植物に胞子懸濁液(2.5×105の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。育成チャンバー中20℃及び95%の相対湿度で3日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0191】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<20%病害発生)。
【0192】
例B−10:ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)/ブドウ(ブドウにおけるうどん粉病)に対する作用
5週齢のブドウ苗cv.Gutedelを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から1日後、該ブドウ植物を、該試験植物上でブドウウドン粉病に感染させた植物を振盪することにより接種する。14/10時間(明/暗)の照明状況下において26℃及び60%の相対湿度で7日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。
【0193】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<20%病害発生)。
【0194】
例B−11:エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)/大麦(大麦におけるウドン粉病)に対する全身作用(ポーチ試験)
処方した試験化合物(0.002%活性成分)を、予め濾紙を備えたポーチに適用する。該適用後、大麦種子(cv.Express)を該濾紙の上層に蒔く。その後、調製したポーチを23℃/18℃(昼/夜)及び80%の相体湿度においてインキュベートする。播種から1週間後、該大麦植物を、該試験植物上でウドン粉病に感染させた植物を振盪することにより接種する。6日間のインキュベーション後、該病害の発生を評価する。各試験化合物の有効性は、全身作用についての指標として使用する。
【0195】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0196】
例B−12:フサリウム・キュルモルム(Fusarium culmorum)/小麦(小麦における赤カビ病)に対する作用(ポーチ試験)
F・キュルモルム(F. culmorum)の分生子懸濁液(7×105分生子/ml)を処方した試験化合物(0.002%活性成分)と混合する。該混合物を予め濾紙を備えたポーチに適用する。該適用後、小麦種子(cv.Orestis)を該濾紙の上層に蒔く。その後、調製したポーチを、毎日14時間の光を伴い、約10〜18℃及び100%の相体湿度において11日間インキュベートする。根における褐色の病変の形成における病害発生の程度を調べることにより該評価を行う。
【0197】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0198】
例B−13:ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)/小麦(小麦における立ち枯れ病)に対する作用(ポーチ試験)
所定量のG.グラミニス(G. graminis)の菌糸体を水と混合する。処方した試験化合物(0.002%活性成分)を該菌糸体懸濁液に添加する。該混合物を予め濾紙を備えたポーチに適用する。該適用後、小麦種子(cv.Orestis)を該濾紙の上層に蒔く。その後、調製したポーチを、毎日14時間の光を伴い、18℃/16℃(昼/夜)及び80%の相体湿度において14日間インキュベートする。根の褐変の程度を調べることにより該評価を行う。
【0199】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0200】
例B−14:プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)/小麦(小麦における褐サビ病)に対する作用(ポーチ試験)
処方した試験化合物(0.002%活性成分)を、予め濾紙を備えたポーチに適用する。該適用後、小麦種子(cv.Arina)を該濾紙の上層に蒔く。その後、調製したポーチを23℃/18℃(昼/夜)及び80%の相体湿度においてインキュベートする。播種から1週間後、該小麦植物を、該試験植物に胞子懸濁液(1×105の夏胞子/ml)を噴霧することにより接種する。23℃及び95%の相対湿度において1日間のインキュベーション後、該植物を20℃/18℃(昼/夜)及び80%の相体湿度において9日間維持する。該病害の発生は、接種後10日目に評価する。各試験化合物の有効性は全身活性についての指標として使用する。
【0201】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0202】
例B−15:リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)/稲(稲における紋枯病)に対する作用(ポーチ試験)
所定量のR.ソラニ(R. solani)の菌糸体を水と混合する。処方した試験化合物(0.002%活性成分)を該菌糸体懸濁液に添加する。該混合物を予め濾紙を備えたポーチに適用する。該適用後、稲種子(cv.Koshihikari)を該濾紙の上層に蒔く。その後、調製したポーチを、毎日14時間の光を伴い、23℃/21℃(昼/夜)及び100%の相体湿度において10日間インキュベートする。根における褐色の病変の形成における病害の発生の程度を調べることにより該評価を行う。
【0203】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0204】
例B−16:セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)/小麦(小麦におけるセプトリア斑点病)に対する作用(ポーチ試験)
処方した試験化合物(0.002%活性成分)を、予め濾紙を備えたポーチに適用する。該適用後、小麦種子(cv.Arina)を該濾紙の上層に蒔く。その後、調製したポーチを23℃/18℃(昼/夜)及び80%の相体湿度においてインキュベートする。播種から1週間後、該小麦植物を、該試験植物に胞子懸濁液(5×105の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。23℃及び95%の相対湿度において1日間のインキュベーション後、該植物を20℃/18℃(昼/夜)及び80%の相体湿度において9日間維持する。該病害の発生は、接種後8日目に評価する。各試験化合物の有効性は全身活性についての指標として使用する。
【0205】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<50%病害発生)。
【0206】
例B−17:セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)/小麦(小麦におけるセプトリア斑点病)に対する作用
2週齢の小麦植物cv.Ribandを噴霧容器中の処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理する。適用から1日後、該小麦植物を、該試験植物に胞子懸濁液(10×105の分生子/ml)を噴霧することにより接種する。23℃及び95%の相対湿度で1日間のインキュベーション後、該植物を、グリーンハウス中、23℃及び60%の相対湿度で16日間維持する。接種後18日目に該病害の発生を評価する。
【0207】
化合物1.01、1.11、1.21、12.01、12.11、12.21、13.01、13.11、13.21、20.01、20.11、20.21、27.01、27.11及び27.21は、それぞれ該試験において良好な活性を示す(<20%病害発生)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、Hetは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5−又は6−員の複素環であって、該環は、基R6、R7及びR8により置換されており;
1は、水素、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、CH2C≡CR9、CH2CR10=CHR11、CH=C=CH2又はCOR12であり;
2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり;
4及びR5はそれぞれ、独立に、ハロ、シアノ及びニトロから選択され;あるいはR4及びR5の一方は水素であり、他方はハロ、シアノ及びニトロから選択され;
6、R7及びR8はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4ハロアルコキシ(C1-4)アルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、ただしR6、R7及びR8の少なくとも1つは水素ではなく;
9、R10及びR11はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルであり;そして
12は、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ又はアリールである)の化合物。
【請求項2】
前記式中、R4及びR5は共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ又はニトロである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
前記式中、R4及びR5は共にフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はシアノであり、そして好ましくは共にフルオロである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
前記式中、R4及びR5は共にフルオロである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
前記式中、Hetは、1位においてC1-4アルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルにより置換され、4位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルにより置換され、そして2位においてハロにより任意的に置換されたピロール−3−イル、1位においてC1-4アルキル又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルにより置換され、3位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルにより置換され、そして5位においてハロにより任意的に置換されたピラゾリル−4−イル、2位においてC1-4アルキルにより置換され、そして4位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルにより置換されたチアゾール−5−イル又はオキサゾール−5−イル、6位においてC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルにより置換された2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイン−5−イル、2位においてハロ又はC1-4ハロアルキルにより置換されたピリド−3−イル、あるいは2位においてC1-4アルキルにより置換され、そして5位においてC1-4ハロアルキルにより置換された1,2,3−トリアゾール−4−イルであり;R1は、水素、CH2C≡CH、CH=C=CH2又はCOR12であり、ここでR12は、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシであり;R2は、水素、6−ハロ、7−ハロ又は7−C1-4アルキルであり、R3は、水素であり、あるいはR2とR3は一緒に、6,8−ジ−C1-4アルコキシ、6,8−ジハロ又は7,8−ジ−C1-4アルコキシであり;そしてR4及びR5は共にハロ又は共にシアノであり、あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はハロ、シアノ又はニトロである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
前記式中、Hetは、2−C1-4アルキル−4−C1-4ハロアルキルチアゾール−5−イル、2−ハロピリド−3−イル、1−C1-4アルキル−4−C1-4ハロアルキルピロール−3−イル、1−C1-4アルキル−3−C1-4ハロアルキルピラゾール−4−イル又は1−C1-4アルキル−3−C1-4ハロアルキルピラゾール−4−イルであり;R1、R2及びR3は全て水素であり;そしてR4及びR5は共にハロである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
前記式中、Hetは、2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル、2−クロロピリド−3−イル、1−メチル−4−トリフルオロメチルピロール−3−イル、1−メチル3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル又は1−メチル−3−ジフルオロ−メチルピラゾール−4−イルであり;R1、R2及びR3は全て水素であり;そしてR4及びR5は共にフルオロ、共にクロロ又は共にブロモである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
式(B):
【化2】

(式中、R’は、水素又はC1-4アルキルであり、そしてR”はC1-4アルキル、又はC3-6シクロアルキルであり、あるいはR’及びR”は、これらが結合する炭素原子と一緒に、4〜6員のシクロアルキル環を形成し、そしてR2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物;又は
式(C):
【化3】

(式中、R’は水素又はC1-4アルキルであり、そしてR”は、C1-4アルキル、又はC3-6シクロアルキルであり、あるいはR’及びR”は、これらが結合する炭素原子と一緒に、4〜6員のシクロアルキル環を形成し、そしてR2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物;又は
式(D):
【化4】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシである)の化合物;又は
式(E):
【化5】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり;そしてR4及びR5はそれぞれ、独立に、ハロ、シアノ又はニトロであり、あるいはR4及びR5の1つは水素である)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物;又は
式(III):
【化6】

(式中、R2及びR3はそれぞれ、独立に、水素、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり;R4及びR5はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ及びニトロから選択され;あるいはR4及びR5の一方は水素であり、そして他方はハロ、シアノ及びニトロから選択される)の化合物であって、それぞれ個々に、あるいは混合物として存在するE−及びZ−異性体を含む化合物。
【請求項9】
植物病原性微生物に対して制御及び保護するための組成物であって、請求項1に記載の式Iの化合物及び不活性担体を含んで成る組成物。
【請求項10】
植物病原性微生物による有用な植物の感染を制御又は予防する方法であって、ここで請求項1に記載の式Iの化合物又は活性成分として該化合物を含んで成る組成物が、植物、その部分又はその場所に対して適用されることを特徴とする方法。

【公開番号】特開2013−35850(P2013−35850A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−200564(P2012−200564)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2008−536980(P2008−536980)の分割
【原出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】