説明

殺生物性フェノールおよび角質溶解剤の組合せを含有する消毒剤

【課題】殺生物性フェノールまたはフェノール誘導体の消毒活性を向上させた消毒剤の提供。
【解決手段】(a)塩素化殺生物性フェノール、(b)他の塩素化または非塩素化殺生物性フェノール、(c)非塩素化殺生物性フェノールおよび/またはフェノール誘導体、および、(d)角質溶解剤、を含む消毒剤。該塩素化殺生物性フェノールとしては、4−クロロ−3−メチルフェノール等であることが好ましい。該非塩素化殺生物性フェノールとしては、2−メチルフェノール等であることが好ましい。該非塩素化殺生物性フェノール誘導体としては、フェノキシエタノールであることが好ましい。該角質溶解剤としては、クエン酸、ギ酸およびサリチル酸などの有機酸、尿素、レゾルシノール、チオグリコール酸、硫化物および5−フルオロウラシルからなる群から選択されることが好ましい。該角質溶解剤を使用すると、既存の消毒剤のものを著しく超える効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺生物性フェノール並びに必要に応じてフェノール誘導体および角質溶解剤の特別な組合せを含む消毒剤に関する。この消毒剤は、抵抗型(persistent form)を含む寄生性原生生物の制御に特に適する。
【背景技術】
【0002】
そのような消毒剤は、例えば、生産用動物のコクシジウム症を制御するために特に重要である。ニワトリ盲腸コクシジウム(Eimeria tenella)は、トリのコクシジウム症をもたらす原生生物の病原体であり、それは、ヒヨコおよびニワトリの集約的フロア管理に合わせて経済的に重要になってきた疾患である。それらの動物の感染は、感染性の単細胞のスポロゾイトの運搬体である、胞子形成したオーシストを取り上げた後に始まる。スポロゾイトは、腸の細胞にコロニー形成し、その保護下でこの寄生段階は数百万個に繁殖する。コクシジウム症の病理には、ニワトリが栄養摂取を低下させ、体重を減らすために多大な経済的損失を引き起こし得る、血性下痢が含まれる。
【0003】
現在、毎年少なくとも3億5千万米国ドルにのぼる抗コクシジウム剤が、この疾患の予防に費やされている。1970年から、ポリエーテルのイオノフォアであるモネンシン、ナラシン(narasin)、サリノマイシン(salinomycin)およびラサロシドを特に使用する化学療法的処置が実施されてきた。ニワトリへの過酷な薬物負荷だけでなく、薬物耐性の発生が、化学療法的処置に伴う最大の問題であると考えられる。耐性の発生の最初の徴候は、しばしば、オーシスト排出の新たな増加である。
【0004】
コクシジウム症の化学療法的処置の代替法は、鶏舎の早期消毒であろう。これらの建物では、エイメリア属の抵抗性段階、即ち、オーシストと呼ばれるもの、が動物の排泄物と共に堆積し、排泄物の残渣および飼料構成物と共に、フロアの覆いおよび間仕切りの表面上に、壁のひび割れ内に、そして、鶏舎内諸設備上に生存して、定常的感染源として、使用される動物に長期間にわたり新たな疾患をもたらす。エイメリア属のオーシストは、排出されてから1年後までも感染性であり得る。この期間にわたって起こるヒトまたは動物による近隣鶏舎へのオーシストの伝播は、さらなる問題を構成する。
【0005】
ニワトリ盲腸コクシジウムのオーシストは、24.5−18.3μmの大きさであり、感染動物の腸の細胞中で起こる無性的繁殖サイクルの後に数百万個で形成される。雌性大配偶子母細胞は、雄性小配偶子母細胞により受精し、接合子を形成し、それは、2つの典型的な層でそれ自体を囲む:I壁形成体(wall forming body)(WFI)の融合後に発達する平滑な外層、および、II壁形成体(WFII)の融合後に発達する内層。両層が完成するまで、オーシストの成熟化は被感染腸細胞の寄生体胞中に留まり、その後初めて糞便と共に排出される。次いで、胞子形成と呼ばれるものが酸素の存在下で始まる:各々2個のスポロゾイトを有する4個のスポロシストが未分化のスポロントから減数分裂により形成される。ニワトリ盲腸コクシジウムの場合、胞子形成には原則として2−3日間かかる。その後初めて、オーシストが感染性であることが完了する。
【0006】
2つのオーシスト壁の構成および組成は、それらに抜群の生化学的および生理的耐性を与え、それにより、これらの壁を、寄生生物の外界での生存を確実にする有効な保護障壁にする。外側のオーシスト壁は、リン脂質、長鎖アルコールおよびトリグリセリドで構成されるが、内層は、ジスルフィド架橋により安定化された糖タンパク質からなる。12−14kDaのサイズである主なオーシスト−壁タンパク質は、セリン、チロシンおよびスレオニンのアミノ酸を含有し、炭水化物に結合している。これらのタンパク質は、オーシストに寒暖に対する多大な構造的安定性を与える。外層の脂質は、化学物質への高度な耐性を決定する。
【0007】
加熱、冷却、乾燥または照射を使用する単純な物理的消毒処置は、非常に限られた用途に留まる:かくして、実験室では、オーシストは60−100℃の温度で数分のうちに破壊されるが、熱水の消毒効果は、水は鶏舎のフロア上で急速に冷めるので、通常、鶏舎では実際的ではない条件である。高圧の洗浄も、曝露時間が短いとき、部分的な消毒しか達成しない。オーシストは、また、寒冷に対して顕著に耐性である。エイメリア属のオーシストは、−25℃で14日間冷凍した後でさえ、生き残り、感染性のままである。乾燥はある程度の損傷を達成するが、この方法は、消毒目的に特に信頼できると判明していない。
【0008】
3.5−4.0kGy以上のガンマおよび電子照射は、オーシストがそれらの胞子形成能力を失う結果をもたらすが、かかる照射の使用は、必要な設備の取得に高い費用がかかるため、農家にとって実用的な提案ではない。
【0009】
細菌およびウイルスに対して有効である殆どの化学的な消毒剤は、エイメリア属のオーシストに対して無効である。なぜなら、後者の壁がより複雑な化学的組成を有し、化学物質の透過を妨げるからである。寄生生物に特異的な消毒剤は、膜を含有するスポロシストおよびスポロゾイトに損傷を与えられるより前に、まず第1にオーシストの脂質を含有する外壁を透過し、その後、内壁の安定な糖タンパク質を攻撃しなければならない。
【0010】
エイメリア属のオーシストは、水酸化ナトリウム溶液(NaOH)または次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)などの攻撃的な無機物質に対して、細菌よりも1000倍以上に耐性である。オーシストの感染力は、>5%の濃度および120分間の曝露時間でさえ失われない。東欧諸国では、曝露時間が24時間であるとき、時折アンモニア(NH)が首尾よく使用されるが、アンモニアが飽和した空気は、同時に非常に過酷な嗅覚的な害をもたらす。
【0011】
エタノール(70−90%)およびホルムアルデヒドは、耐性のあるエイメリア属のオーシストに対して、実用的な目的に適するほどの効果がない。
【0012】
フェノールの誘導体だけは、特に、p−クロロ−m−クレゾールは、いくつかの商品において唯一の有機活性化合物として存在し(表1)、また、二硫化炭素およびクロロホルムとの組合せで存在する(表1)。これらの誘導体は、空の鶏舎で家禽のコクシジウム症を制御するために、実際に使用されている。
【0013】
表1:エイメリア属のオーシストに対して活性である承認された消毒剤 (Boehm 2000)
【表1】

【0014】
WO94/17761は、1種またはそれ以上のフェノールを、角質溶解的に活性である有機酸、エチレングリコールジアルキルエーテルおよびナトリウムまたはカリウムアルキルスルホネートまたはサルフェートと組み合わせて含む、殺寄生生物活性を有する消毒剤を記載している。
【0015】
ドイツでは、ニワトリ盲腸コクシジウムのオーシストに対する抗寄生生物用消毒剤の活性は、the Germany Veterinary Society (DVG)の指針に従い、懸濁実験(溶解試験)およびニワトリのヒヨコに対する感染試験で試験される。「Houghton」系統のニワトリ盲腸コクシジウムのオーシストは、特に耐性であると分類されており、従って試験生物として推奨されている。
【0016】
エイメリア属のオーシストの制御は実際には特別な問題であるが、シスト壁の構造は他の原生生物において、特にコクシジウム亜綱において、また、寄生虫(worms)において同様である。従って、エイメリア属を例とする上述の説明は、これらの生物にも適用できる。
【0017】
これらの試験システムを使用して、我々は、この度、驚くべきことに、様々な殺生物性フェノールまたはフェノール誘導体の組合せを含む組成物の消毒剤活性が、同時に角質溶解剤を使用すると、既存の消毒剤のものを著しく超えることを見出した。
【発明の概要】
【0018】
従って、本発明は:
(a)塩素化殺生物性フェノール,
(b)他の塩素化または非塩素化殺生物性フェノール、
(c)他の非塩素化殺生物性フェノールおよび/またはフェノール誘導体、および、
(d)角質溶解剤、
を含む消毒剤に関する。
【0019】
殺生物性フェノールは、遊離OH基を有し、殺生物的効果を発揮するフェノール化合物であると理解される。これらのフェノールは、ハロゲン、特に塩素、C1−6−アルキル、C3−6−シクロアルキル、フェニル、クロロフェニル、ベンジルおよび/またはクロロベンジルなどの、さらなる環の置換基を有し得る。
【0020】
非塩素化殺生物性フェノールの例は:2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2,6,−ジメチルフェノール、4−n−プロピルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−n−アミルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、チモール(5−メチル−2−イソプロピルフェノール)、2−フェニルフェノール、4−フェニルフェノールおよび2−ベンジルフェノールである。好ましいのは、2−フェニルフェノールを非塩素化殺生物性フェノールとして使用することである。
【0021】
塩素化殺生物性フェノールの例は、4−クロロ−3−メチルフェノール(PCMC、p−クロロ−m−クレゾール)、4−クロロ−3−エチルフェノール、2−n−アミル−4−クロロフェノール、2−n−ヘキシル−4−クロロフェノール、2−シクロヘキシル−4−クロロフェノール、4−クロロ−3,5−キシレノール(PCMX、p−クロロ−n−キシレノール)、2,4−ジクロロ−3,5−キシレノール(DCMX、ジクロロ−p−キシレノール)、4−クロロ−2−フェニルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、ベンジル−4−クロロ−m−クレゾールおよび4−クロロベンジルジクロロ−m−クレゾールである。好ましい塩素化殺生物性フェノールは、2−ベンジル−4−クロロフェノール、4−クロロ−3,5−キシレノール、2,4−ジクロロ−3,5−キシレノール、および、特に、4−クロロ−3−メチルフェノールである。
【0022】
本件では、フェノール誘導体は、遊離OH基を含有しないように、そのOH基が誘導体化されている、フェノールから誘導される化合物であると理解される。フェノール誘導体は、好ましくは、フェノールエーテル、特に1個ないし6個の炭素原子を有する脂肪族アルコールを含有するものである。フェノキシエタノールは、好ましい例として挙げられる。
【0023】
本発明によるある実施態様によると、非塩素化フェノールを、殺生物的に活性な化合物として、2種類の塩素化フェノールと組み合わせる。好ましい例は、4−クロロ−3−メチルフェノール、2−フェニルフェノールおよび2−ベンジル−4−クロロフェノールの組合せである。
【0024】
しかしながら、とりわけ、非塩素化フェノール誘導体、特にフェノキシエタノールを、殺生物性フェノールと共に使用することは、通常、さらなる効果の改善を導くことが見出された。
【0025】
好ましい実施態様によると、殺生物的に活性な化合物として、塩素化フェノール、非塩素化フェノールおよび非塩素化フェノール誘導体、特にフェノキシエタノールを使用することが可能である。
【0026】
他の好ましい実施態様によると、殺生物的に活性な化合物として、2種の異なる塩素化フェノールおよび1種の非塩素化フェノール誘導体、特にフェノキシエタノールを使用することが可能である。
【0027】
特に好ましいのは、殺生物的に活性な化合物として、2種の異なる塩素化フェノール、1種の非塩素化フェノールおよび1種の非塩素化フェノール誘導体、特にフェノキシエタノールを使用することである。特に好ましい例は、4−クロロ−3−メチルフェノール、2−フェニルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノールおよびフェノキシエタノールの組合せである。
【0028】
角質溶解剤は、ケラチンに対して効果を発揮し、極端な場合には、それらを変性または分解できる物質である。本発明による組成物に適する角質溶解剤は:クエン酸、ギ酸およびサリチル酸などの有機酸;および、加えて、尿素、レゾルシノール、チオグリコール酸、硫化物および5−フルオロウラシルである。本発明によると、サリチル酸が好ましい。
【0029】
フェノール性の活性化合物および角質溶解剤は、様々な方法で消毒剤に製剤化でき、液体または固体の製剤が適当である。
【0030】
固体の製剤は、例えば、粉末、ダスト、顆粒などの形態で使用できる。これらは、通例、担体物質および/または補助物質を含む。活性化合物は、担体物質および/または補助物質と混合できるか、または、それらに吸着され得る。
【0031】
しかしながら、好ましいのは、例えば乳液、懸濁液、または、特に、溶液の形態の液体製剤である。液体製剤は、直接使用できる;しかしながら、好ましいのは、原則として使用前に水で適する濃度に希釈される濃縮物である製剤である。
【0032】
乳液は、油中水タイプまたは水中油タイプのいずれかである。それらは、活性化合物を、疎水相または親水相中に溶解し、この相を他相の溶媒と、適当な乳化剤、および、必要に応じて、染料、防腐剤、抗酸化剤、光安定化剤および増粘性物質などのさらなる補助物質を使用して、均一化することにより製造される。
【0033】
言及し得る疎水相(油)は、パラフィン油類、シリコン油類、天然植物油類、例えばゴマ油、アーモンド油およびヒマシ油、合成トリグリセリド類、例えばカプリル/カプリン酸ジグリセリド、鎖長C8−12の植物脂肪酸または他の特別に選択された天然脂肪酸を含有するトリグリセリド混合物、必要に応じてヒドロキシル基も含有する飽和または不飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、C/C10脂肪酸のモノ−およびジグリセリド類、脂肪酸エステル類、例えばステアリン酸エチル、ジ−n−ブチリルアジペート、ヘキシルラウレートおよびジプロピレングリコールペラルゴネート、中鎖長の分枝鎖脂肪酸と鎖長C16−C18の飽和脂肪アルコール類とのエステル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鎖長C12−C18の飽和脂肪アルコール類のカプリル/カプリン酸エステル類、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸エチル、乳酸エチル、蝋質脂肪酸エステル類、例えばフタル酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、とりわけ後者に関するエステル混合物、脂肪アルコール類、例えばイソトリデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、セチルステアリルアルコールおよびオレイルアルコール、および脂肪酸、例えばオレイン酸およびそれらの混合物である。
【0034】
言及し得る親水相は:水、アルコール類、例えばプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびn−ブタノールおよびこれらの溶媒の混合物である。
【0035】
言及し得る乳化剤は、
非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチル化ヒマシ油、ポリオキシエチル化ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチルステアレートおよびアルキルフェノールポリグリコールエーテル類;
両性界面活性剤、例えばジ−Na−N−ラウリル−β−イミノジプロピオネートまたはレシチン;
陰イオン性界面活性剤、例えば、脂肪アルコールエーテルサルフェート、C8−18−アルキルスルホネートまたはサルフェート、例えばラウリル硫酸Naまたは第2級アルキルスルホネート(Mersolate(登録商標)、好ましくは炭素原子15個の中鎖長のアルキル鎖を含有する)、およびモノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルモノエタノールアミン塩;
陽イオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチル塩化アンモニウム、
である。
【0036】
言及し得るさらなる補助物質は:粘性を増加させ、乳剤を安定化する物質、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロースおよび他のセルロースおよびデンプン誘導体、ポリアクリレート類、アルギン酸塩類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテルおよびマレイン酸無水物からなるコポリマー、ポリエチレングリコール類、蝋およびコロイド状珪酸または上述の物質の混合物である。
【0037】
懸濁剤は、活性化合物を担体液中に、必要に応じて、加えられたさらなる補助物質、例えば湿潤剤、染料、防腐剤、抗酸化剤および光安定化剤の存在下で、懸濁することにより製造する。
【0038】
本明細書で言及する全ての溶媒および均一な溶媒混合物は、担体液として使用するのに適する。
上述の界面活性剤は、湿潤剤(分散剤)としても引用し得る。
【0039】
液剤は、活性化合物を適する溶媒に溶解し、必要に応じて、界面活性剤、安定化剤、酸、塩基、バッファー塩、抗酸化剤および防腐剤などの添加物を添加することにより製造する。
【0040】
言及し得る溶媒は、水、アルコール、例えば、1個ないし4個の炭素原子を有するアルカノール類などの(例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびn−ブタノール)、芳香族置換アルコール、例えばベンジルアルコールおよびフェニルエタノール;グリセロール、グリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、エステル類、例えば酢酸エチル、ブチルアセテートおよび安息香酸ベンジル;エーテル類、例えば、アルキレングリコールアルキルエーテル類、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテル;ケトン類、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン、芳香族性および/または脂肪族炭化水素、植物または合成油、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよび2−ジメチル−4−オキシメチレン−1,3−ジオキソランおよびこれらの混合物である。
【0041】
溶液中で使用するための界面活性剤は、乳液に関して列挙した界面活性剤であり得るが、好ましくは、陰イオン性界面活性剤、特にC8−18−アルキルスルホネートまたはサルフェート、例えば、第2級アルキルスルホネート(Mersolate(登録商標))であり、好ましくは炭素原子15個の中鎖長のアルキル鎖を有する。
【0042】
可溶化剤は、主溶媒中での活性化合物の溶解を促進するか、または、その沈殿を防止する溶媒である。例は、ポリビニルピロリドン、ポリエトキシ化ヒマシ油およびポリエトキシ化ソルビタンエステルである。
【0043】
さらなる補助物質または添加物として、本発明による消毒剤は、軟化剤および/または腐食阻害剤も含むことができる。
【0044】
水処理で知られている添加物、例えば、ホスホン酸、連鎖ポリリン酸または低分子量ポリカルボン酸は、それら自体、例えば、軟化剤として使用されるのに適する。
【0045】
本発明による消毒剤を使用のために更に希釈しなければならない場合、構成成分は、通例、以下の濃度で存在する:
殺生物性フェノール、および、必要に応じて、フェノール誘導体は、通常、消毒剤を基準として、10ないし90重量%、好ましくは10ないし50重量%、特に好ましくは15ないし40重量%の総濃度で存在する。
【0046】
塩素化殺生物性フェノールの非塩素化殺生物性フェノールまたはフェノール誘導体に対する比は、好ましくは、40:60ないし90:10、好ましくは50:50ないし85:15、特に好ましくは65:35ないし82:18の範囲にある(存在する殺生物性フェノールおよび/またはフェノール誘導体の総重量を基準とする重量比、フェノール性殺生物剤として下記にまとめる)。ここで、好ましいフェノール性殺生物剤に好ましい濃度範囲を、例として提示し得る(各場合で提示するものは、関連する組成物中に存在する全てのフェノール性殺生物剤の総重量を基準とする重量パーセントである):
4−クロロ−3−メチルフェノール:30ないし80、好ましくは40ないし70、特に好ましくは45ないし60%。
2−ベンジル−4−クロロフェノール:5ないし50、好ましくは10ないし40、特に好ましくは15ないし30%。
2−フェニルフェノール:5ないし60、好ましくは10ないし50、特に好ましくは13ないし45%。
フェノキシエタノール:3ないし30、好ましくは5ないし25、特に好ましくは10ないし20%。
【0047】
特に好ましい実施態様によると、本発明による消毒剤は、殺生物性フェノールとして、4−クロロ−3−メチルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノールおよび2−フェニルフェノールの組合せを含み、それは、必要に応じて、そして特に好ましくは、フェノキシエタノールも同様に含むことができる。その場合、活性化合物濃度は上述の範囲内である。
【0048】
角質溶解剤は、一般的に、本発明による消毒剤中、50:50ないし10:90、好ましくは40:60ないし15:85、特に好ましくは30:70ないし20:80のフェノール性殺生物剤に対する重量比で用いる。完成消毒剤(通常は濃縮物)を基準として、角質溶解剤の濃度は、原則として1ないし30重量%、好ましくは3ないし20重量%、特に好ましくは5ないし18重量%である。
【0049】
本発明による消毒剤は、好ましくは、界面活性剤を、通常は3ないし20重量%、好ましくは5ないし20重量%、特に好ましくは5ないし15重量%の濃度で含む。
【0050】
溶媒含有量は、幅広い限度内で変動できる。濃縮物の場合、非水性溶媒、好ましくは上述の1個ないし4個の炭素原子を有するアルカノール類(例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびn−ブタノール)は、通常、15ないし65重量%、好ましくは20ないし60重量%、特に好ましくは30ないし50重量%の量で用いる。さらに、組成物は、好ましくは、水を、通常0ないし30重量%、好ましくは5ないし25重量%、特に好ましくは5ないし20重量%で含む。
【0051】
上記で詳述した消毒剤は、原則として使用のために水で希釈する濃縮剤である。すぐに使用できる溶液は、通常、0.5ないし20体積%、好ましくは1ないし10体積%、特に好ましくは1ないし5体積%の消毒剤濃縮物を含有する。使用する濃度は、目的によって異なり得る。例えば、満足のいく結果に必要な曝露時間は、より高い濃度の組成物を用いると、より短い。
【0052】
典型的な曝露時間は、例えば、0.5ないし5時間、好ましくは1ないし4時間である。
【0053】
本発明による消毒剤は、生産用動物、育種用動物、動物園の動物、研究室の動物、実験動物および愛玩動物の場合に、動物の管理および動物の飼育において見出される寄生性原生生物および寄生虫の制御に適する。これに関して、消毒剤は、特に、抵抗段階(細胞外シスト段階)に対して有効である。
【0054】
寄生性原生生物には、以下のものが含まれる:
有毛根足虫(根足虫上綱)、例えば、エントアメーバ科、例えば赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、ハルトマネラ科、例えばアカントアメーバ属およびハルトマネラ属。
【0055】
アピコンプレクサ(胞子虫)、特に、エイメリア科(Eimeridae)、例えば、エイメリア・アセルブリナ(Eimeria acervulina)、E. アデノイデス(adenoides)、E. アラバメンシス(alabahmensis)、E. アナチス(anatis)、E. アンセリス(anseris)、E. アロインギ(arloingi)、E. アシャタ(ashata)、E. オーブルネンシス(auburnensis)、E. ボビス(bovis)、E. ブルネッティ(brunetti)、E. カニス(canis)、E. チンチラエ(chinchillae)、E. クルペアラム(clupearum)、E. コランバエ(columbae)、E. コントルタ(contorta)、E. クランダリス(crandalis)、E. デブリエキ(debliecki)、E. ジスペルサ(dispersa)、E. エリプソイダレス(ellipsoidales)、E. ファルシホルミス(falciformis)、E. ファウレイ(faurei)、E. フラベセンス(flavescens)、E. ガロパボニス(gallopavonis)、E. ハガニ(hagani)、E. インテスティナリス(intestinalis)、E. イロクオイナ(iroquoina)、E. イレシデュア(irresidua)、E. ラベアナ(labbeana)、E. ロイカルティ(leucarti)、E. マグナ(magna)、E. マクシマ(maxima)、E. メディア(media)、E. メレアグリディス(meleagridis)、E. メレアグリミティス(meleagrimitis)、E. ミティス(mitis)、E. ネカトリックス(necatrix)、E. ニナコーリアキモバエ(ninakohlyakimovae)、E. オビス(ovis)、E. パルバ(parva)、E. パボニス(pavonis)、E. ペルホランス(perforans)、E. ファサニ(phasani)、E. ピリホルミス(piriformis)、E. プレコックス(praecox)、E. レシデュア(residua)、E. スカブラ(scabra)、E. 属、E. スティーダイ(stiedai)、E. スイス(suis)、E. テネラ(tenella)、E. トランカタ(truncata)、E. トルッタエ(truttae)、E. ズエルニ(zuernii)、グロビジウム(Globidium)属、イソスポラ・ベリ(belli)、I. カニス、I. フェリス(felis)、I. オーイオエンシス(ohioensis)、I. リボルタ(rivolta)、I. 属、I. スイス、ネオスポラ・カニナム(caninum)、シストイソスポラ(Cystisospora)属、クリプトスポリジウム属、並びに、トキソプラズマ科(Toxoplasmadidae)、例えば、トキソプラズマ原虫、例えば、ウマニクホウシムシ科、例えば、サルコシスティス・ボビカニス(bovicanis)、S. ボビホミニス(bovihominis)、S. オビカニス(ovicanis)、S. オビフェリス(ovifelis)、S. 属およびS. スイホミニス(suihominis)。
【0056】
鞭毛虫(mastogophora)(鞭毛虫(Flagellata))、例えばランブル鞭毛虫およびジアルジア(Giardia)・カニス。
加えて、粘液胞子虫(Myxospora)および微胞子虫(Microspora)、例えば、グルゲア属(Glugea spec.)およびノゼマ属(Nosema spec.)。
【0057】
寄生虫には、吸虫、条虫および線虫が含まれる。
吸虫には、例えば、ファシオラ(Fasciola)、パラムフィストマム(Paramphistomum)、ディクロコエリウム(Dicrocoelium)およびオピストルキス(Opisthorchis)の科/属に属する病原体が含まれ;
条虫には、例えば、モニチア(Moniezia)、アノプロセファラ(Anoplocephala)、ジフィロボスリウム(Diphyllobothrium)、テニア(Taenia)、エキノコッカス(Echinococcus)、ジピリディウム(Dipylidium)、ライリエティナ(Raillietina)、コアノテニア(Choanotaenia)およびエチヌリア(Echinuria)の科/属に属する病原体が含まれ、
線虫には、例えば、ストロンギルス(Stronglyoides)、ヘモンクス(Haemonchus)、オステルターグ(Ostertagia)、トリコストロンギルス(Trichostrongylus)、クーペリア(Cooperia)、ネマトディルス(Nematodirus)、トリチュリス(Trichuris)、エソファゴストム(Oesophagostomum)、チャベルティア(Chabertia)、ブノストマム(Bunostomum)、トキソカラ・ビツロラム(Toxocara vitulorum)、アスカリス(Ascaris)、パラスカリス(Parascaris)、オキシウリス(Oxyuris)、エソファゴスツム(Oesophagostumum)、グロボケファルス(Globocephalus)、ヒオストロンギルス(Hyostrongylus)、スピロセルカ(Spirocerca)、トキサスカリス(Toxascaris)、トキソカラ、アンシロストーマ(Ancylostoma)、ウンシナリア(Uncinaria)、キャピラリア(Capillaria)、プロスソゴニムス(Prosthogonimus)、アミドストマム(Amidostomum)、キャピラリア、アスカリディア(Ascaridia)、ヘテラキス(Heterakis)、シンガムス(Syngamus)およびアカントセファラ(Acanthocephala)の科/属に属する病原体が含まれる。
【0058】
原生生物および寄生虫に対して使用される他に、本発明による消毒剤は、例えば、
細菌、例えば、クロストリジウム、大腸菌、サルモネラ属、シュードモナス属、スタフィロコッカス属および結核菌、および、
酵母、例えば、カンジダ・アルビカンス、および、真菌感染
を制御するのにも使用できる。
【0059】
生産用および育種用動物には、哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ラバ、シマウマ、ウサギ、ダマジカ、トナカイ、毛皮が評価される動物、例えば、ミンク、チンチラおよびアライグマ、鳥類、例えば、ニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒル、ハトおよびキジ、および、家庭および動物園での管理のための鳥類種が含まれる。
【0060】
研究室および実験用動物には、マウス、ラット、モルモット、ゴールデンハムスター、イヌおよびネコが含まれる。
愛玩動物には、イヌおよびネコが含まれる。
【0061】
本発明による消毒剤は、大規模な動物管理、特に、例えば、家禽飼育(例えば、ニワトリの飼養)、ウシの飼養またはブタの飼養に、特に適する。
【実施例】
【0062】
実施例
I.製剤の実施例
一般的製造プロトコール
フェノール類を、撹拌しながら、アルコールまたはアルコール混合物に溶解する。得られるアルコール溶液に、水、必要に応じてフェノキシエタノール、サリチル酸およびアルカンスルホネート(Mersolat(登録商標) W93)を添加し、継続的撹拌の間に溶解させる。
【表2】

【0063】
生物学的試験方法の材料および方法
消毒剤製剤の試験は、the German Veterinary Society の化学的消毒剤の試験のための指針および公開された Daugschies et al. (2002) の方法の両方に準じる。
1.オーシストの取得
ニワトリ盲腸コクシジウムの「Houghton」系統 (Institute for Animal Health, Compton Laboratories, Near Newbury, Berks. RG16 0NN, UK) を、試験に使用した。Brinkschulte により供給された14日齢の雄の採卵型(laying-type)のヒヨコ(LSL系統)を、オーシストの繁殖および単離に使用した。これらの動物は、1日齢のヒヨコとして動物センターに供給され、抗コクシジウム剤を含まないヒヨコ生育飼料を使用し、水を自由に摂らせ、実験開始まで動物センターでコクシジウムが無いように維持された。感染のために、動物に個別に胃管栄養により水0.2ml中のオーシスト13000個を接種した。感染後7日目に、動物を二酸化炭素で無痛に殺し、その後、盲腸(coeca)からオーシストを単離し、2%二クロム酸カリウム溶液中に4日間置き、それらに胞子形成させた。実験当日に、3回遠心分離(各回2000rpmで5分間)し、ペレットを水に再懸濁することにより、オーシスト懸濁液から二クロム酸カリウムを洗い落とした。3回目の遠心分離の後、Buerker チャンバーを使用して、オーシスト懸濁液をオーシスト25000個/mlの原液の濃度に調節した。
【0064】
2.オーシストの消毒(溶解試験)
試験しようとする消毒剤を、各試験の実施直前に、水(2回蒸留したもの)中で、使用濃度の2倍に調製した。この原液を、1%、2%および4%溶液の調製に使用した:
原液100μl+蒸留水4900μl(=1%、2倍の濃度!)
原液200μl+蒸留水4800μl(=2%、2倍の濃度!)
原液400μl+蒸留水4600μl(=4%、2倍の濃度!)
【0065】
各製剤を各実験で2重に測定した。アッセイ毎に、オーシスト懸濁液(=オーシスト12500個=100%)0.5mlおよび消毒剤溶液0.5mlを、各々2個の25mlガラスビーカー中で混合した。内部の非処置実験対照(IC)用に、水0.5mlをオーシスト懸濁液0.5mlと混合した。曝露時間(1時間、2時間または3時間)中に、懸濁液を穏やかな動きのシェーカー上で維持した。
【0066】
所定の曝露時間が終わりに来たとき、ビーカーの全内容物を各場合で2000mlの三角フラスコに移した。続いてビーカーを水ですすぎ、三角フラスコをすすぎ水で1500mlとした。フラスコの内容物を混合し、24時間の室温での沈降期間の後、100mlを残して上清を傾潟廃棄した。沈降物を200mlの遠心管に移し、水で200mlとし、終夜静置した。翌日、上清を吸引して約30mlとし、その後、沈降物を50mlの遠心管に移し、水で50mlとした。転倒混合した後、各場合で消毒アッセイ1回につき6x200μlを、96−ウェルのマイクロタイタープレートのウェル6個にピペットで入れた。プレートを顕微鏡で評価するまで冷蔵庫中にて4℃で保存した。倒立顕微鏡を倍率200倍で使用して、存在するオーシストを計数した。外壁に認識可能な変化がない、無傷のオーシストのみを計数した。
【0067】
3.「溶解率」の算出
消毒アッセイ毎の、2つのマイクロタイタープレート(プレート1およびプレート2、二重測定)から回収されたオーシスト数の算術平均は、溶解率の算出の基礎を構築した。これに関して、消毒剤の個々のアッセイの回収率(RR)は、非処理対照(IC)の回収率と関連した(rel.RW):rel.RR[%]=消毒したオーシストのRRx100/対照(IC)のRR[%]。消毒剤製剤の活性は、オーシストの「溶解率」に顕れ、100との差異により示された:溶解率[%]=100−rel.RR[%]。
【0068】
4.主なインビボ試験(ニワトリのヒヨコを使用する感染試験)
消毒されたオーシストが真に殺され、感染性を失ったか否かを確証するために、the German Veterinary Society (DVG)の指針によると、消毒したオーシストを使用するニワトリのヒヨコの感染試験を実施することも必要である。
【0069】
我々の実験では、約14日齢のLSL採卵型のヒヨコを、消毒したオーシストに感染させた;このために、消毒および反応停止後に得られるオーシスト懸濁液を、対応する対照について決定した希釈倍率を使用して、2000/mlの理論的用量に希釈した。これを行うには、IC50ml管からの何mlの懸濁液が2000個の胞子形成したオーシストを含むかを決定するために、インビトロ溶解試験の96−ウェルマイクロタイタープレートの計数値を使用した。これに関して決定された体積を、全ての他の消毒アッセイからも、その体積中に存在するオーシストの数に関係なく、感染のために採用した。ヒヨコ1匹につき投与した体積は、0.5mlであった。内部実験対照に加えて、元のオーシスト懸濁液からの感染対照を、0.3mlの体積で、オーシスト2000個/mlに調節した。感染後の7日目に、二酸化炭素を使用して動物を無痛に殺した。
【0070】
活性評価のために、以下の基準を考慮に入れた:実験開始から実験終了までの体重増加、感染に関連する死亡率、感染後6および7日目での、下痢および下血に関する糞便の肉眼的評価(0ないし6の評価)、腸粘膜、特に盲腸の病変についての肉眼的評価(0ないし6の評価)およびオーシストの排出。McMaster 計数チャンバーを使用して、排泄物中のオーシスト数を決定した。個々の知見を非処理および非感染対照群と関連づけ、総合的な評価を算出した(Haberkorn and Greif 1999)。
【0071】
本発明による製剤を使用して得られた実験結果を、例として下表に示す。本発明によるものではない比較用製剤のものと比較して優れた新規製剤の活性は、特に、オーシスト排出の減少に見ることができる。
【0072】
実施例B、E、FおよびHの表では、「処理」列の記載は、以下の意味を有する:
非感染対照=感染していない対照群
感染対照=感染させた対照群
実施例1=製剤の実施例番号
【0073】
「死亡」の列は、死亡した動物数/実験で使用した動物数を示す。「非処理対照の%で表記した体重」の列は、処理動物の体重の非感染対照群の体重に対する比を示す。「下痢」「病変」および「オーシスト」の列は、効果に関する詳細な情報を提供する。総合的評価は、「%効力」の列で見積もられる;0%は効果無しを意味し、100%は完全な効果を意味する。
【0074】
生物学的試験方法の結果
生物学的実施例A
インビトロのニワトリ盲腸コクシジウムオーシストに対する様々な消毒剤製剤(4%)の試験
3時間の曝露時間後
【表3】

【0075】
生物学的実施例B:
様々な消毒剤製剤(4%)のインビボのニワトリのヒヨコのニワトリ盲腸コクシジウムに対する3時間の曝露時間後の試験
【表4】

【表5】

*本発明
**市販品
【0076】
生物学的実施例C:
インビトロのニワトリ盲腸コクシジウムオーシストに対する様々な消毒剤製剤(1%、2%および4%)の3時間の曝露時間後の試験
【表6】

【0077】
生物学的実施例D:
インビトロのニワトリ盲腸コクシジウムオーシストに対する様々な消毒剤製剤(4%)の、1、2または3時間の曝露時間後の試験
【表7】

【0078】
生物学的実施例E:
インビボのニワトリのヒヨコのニワトリ盲腸コクシジウムに対する様々な消毒剤製剤(4%)の3時間の曝露時間後の試験
【表8】

【0079】
生物学的実施例F:
インビボのニワトリのヒヨコのニワトリ盲腸コクシジウムに対する様々な消毒剤製剤(4%)の1時間の曝露時間後の試験
【表9】

【0080】
生物学的実施例G:
インビトロのニワトリ盲腸コクシジウムオーシストに対する消毒剤製剤実施例6(1%)の、ネオプレジサン(1%)と比較した、1、2、3時間の曝露時間後の試験
【表10】

【0081】
生物学的実施例H
インビボのニワトリのヒヨコのニワトリ盲腸コクシジウムオーシストに対する消毒剤製剤実施例6(1%、4%)の、ネオプレジサン(登録商標)(1%、4%)と比較した、1時間の曝露時間後の試験
【表11】

【0082】
参考文献
Boehm, R. (2000): Liste der nach der Richtlinien der DVG geprueften und als wirksam befundenen Desinfektionsmittel fuer die Tierhaltung (Handelspraeparate)[DVG(ドイツ獣医学会)の指針に準じて試験され、有効であると判明した動物管理用の消毒剤(市販製品)のリスト]. Deutsches Tieraerzteblatt 9/2000.
Daugschies, A., Boese, R., Marx, J., Teich, K., Friedhoff, KT (2002): Development and application of a standardization assay for chemical disinfection of coccidia oocysts. Vet. Parasitol. 103(4): 299-308.
Mouafo, A.N., Richard, F., Entzeroth, R. (2000): Observation of sutures in the oocysts wall of Eimeria tenella (Apicomplexa). Parasitol. Res. 86: 1015-1017.
Eckert, J. (2000): Parasitenstadien als umwelthygienisches Problem [環境衛生問題としての寄生段階]. In: Veterinaermedizinische Parasitologie [獣医寄生虫学] 94 119. Eds.: Rommel, Eckert, Kutzer, Koerting and Schnieder. Parey Buchverlag Berlin.
Haberkorn, A., Greif, G. (1999): Animal Models of Coccidia Infection. In: Handbook of Animal Models of Infection, Chapter 99. Academic Press.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)塩素化殺生物性フェノール、
(b)他の塩素化または非塩素化殺生物性フェノール、
(c)非塩素化殺生物性フェノールおよび/またはフェノール誘導体、および、
(d)角質溶解剤、
を含む消毒剤。
【請求項2】
2種の異なる塩素化殺生物性フェノールおよび非塩素化殺生物性フェノールを含む、請求項1に記載の消毒剤。
【請求項3】
非塩素化殺生物性フェノール誘導体を含む、請求項1または請求項2に記載の消毒剤。
【請求項4】
塩素化殺生物性フェノールが、4−クロロ−3−メチルフェノール(PCMC、p−クロロ−m−クレゾール)、4−クロロ−3−エチルフェノール、2−n−アミル−4−クロロフェノール、2−n−ヘキシル−4−クロロフェノール、2−シクロヘキシル−4−クロロフェノール、4−クロロ−3,5−キシレノール(PCMX、p−クロロ−n−キシレノール)、2,4−ジクロロ−3,5−キシレノール(DCMX、ジクロロ−p−キシレノール)、4−クロロ−2−フェニルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、ベンジル−4−クロロ−m−クレゾールおよび4−クロロベンジルジクロロ−m−クレゾールからなる群から選択される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の消毒剤。
【請求項5】
非塩素化殺生物性フェノールが、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、4−n−プロピルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−n−アミルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、チモール(5−メチル−2−イソプロピルフェノール)、2−フェニルフェノール、4−フェニルフェノールおよび2−ベンジルフェノールからなる群から選択される、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の消毒剤。
【請求項6】
非塩素化殺生物性フェノール誘導体が、フェノールエーテル、特にフェノキシエタノールである、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の消毒剤。
【請求項7】
角質溶解剤が、クエン酸、ギ酸およびサリチル酸などの有機酸、尿素、レゾルシノール、チオグリコール酸、硫化物および5−フルオロウラシルからなる群から選択される、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の消毒剤。
【請求項8】
角質溶解剤がサリチル酸である、請求項7に記載の消毒剤。
【請求項9】
寄生性原生生物、寄生虫、細菌および/または酵母を制御するための、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の消毒剤の使用。
【請求項10】
寄生性原生生物および/または寄生虫の抵抗段階を制御するための、請求項9に記載の使用。

【公開番号】特開2013−56897(P2013−56897A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231146(P2012−231146)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【分割の表示】特願2008−521836(P2008−521836)の分割
【原出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(504419760)ランクセス ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (58)
【氏名又は名称原語表記】Lanxess Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】D−51369 Leverkusen, Germany
【Fターム(参考)】