説明

殺生物組成物及び方法

迅速除染及び長期保存の両方を必要とするアルカリ水性媒体中における微生物増殖を抑制するための組成物及び方法。この組成物は、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドと2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとのブレンドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ水性媒体の迅速除染(rapid decontamination)及び長期保存(long term preservation)のための殺生物組成物(biocidal composition)及び方法に関する。この組成物は2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドと2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとのブレンドを含んでなる。
【背景技術】
【0002】
工業衛生は、完成品の細菌汚染及び生物劣化の防止に重要な役割を果たしている。用語「工業衛生(industrial hygiene)」は、良好な維持管理の実施、材料及びプロセス装置の微生物監視並びに原料、プロセス水、再生材料、完成品及びプロセス装置の除染方法を包含する。
【0003】
工業衛生用途に使用するためには、殺生物組成物は、広範に適用可能であるように、少なくとも迅速除染効果を示すことが必要である。例えばペイント製造プロセスの高生産期には、洗浄水のコンスタントな迅速循還のために、殺生剤(biocide)が比較的短い時間枠(複数分〜複数時間)で微生物を排除することが必要である。更に、大量貯蔵タンク中に残った原料ヒール(heel)(例えばラテックス、増粘剤、ミネラルスラリー及び界面活性剤)は一般に汚損されており、その後、新鮮な材料の添加及び新鮮な材料との接触時に汚染源となる可能性がある。従って、迅速除染活性を有する殺生剤の適用は、貯蔵タンクの補充直前における原料ヒールの消毒に有益である。迅速除染に加えて、殺生剤は、更なる微生物感染を防ぐために長期間にわたって機能し続けることも重要である。また、微生物除染を必要とする水性材料は、ほとんどの場合、アルカリ性であるので、殺生剤組成物はこのようなアルカリ性条件下でこのような長期間の保存が可能でなければならない。
【0004】
現在、除染に使用されている製品は以下の2つに分類される:1)ほとんどの場合1時間未満で除染が行われる、即効性で且つ迅速分解可能な殺生剤、例えば2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)系製品;並びに2)除染が約24時間で行われ且つ抗菌性が系中で1週間を超えて安定である、より遅効性で且つ比較的持続時間の長い殺生剤、例えばCMIT/MIT系製品(5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロンと2−メチル−3−イソチアゾロンとの混合物)。前記の第2の群には、CMIT/MITと2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNPD)のブレンドがある。これらのブレンドは、BNPDのより迅速な抗菌作用とCMIT/MITのより長期の保存作用の恩恵を受ける。しかしながら、CMIT/MITは既知の感作物質(sensitizer)である。
【0005】
DBNPAは、広範囲の微生物に対して効力を示す低コストの即効性物質であるので、望ましい殺生剤である。しかし、DBNPAは塩基性溶液中で急速に加水分解されることが知られている。例えば非特許文献1は、DBNPAが、「酸性条件下では安定であるが、本質的に中性のpH6から弱塩基性のpH8.9まで移行する際には消失速度が約450倍増加する。pH11.3では、DBNPAの消失に関する半減期(t1/2)は25秒であって、本質的に瞬時である。」と教示している(非特許文献1,839頁,左列参照)。pH8では、DBNPAの半減期は2時間(25℃において)と報告されている(非特許文献1,839頁,表1参照)。
【0006】
BNPDは、高活性で、広範囲の微生物に対して効力を示し且つ現在使用されているレベルでは哺乳動物への毒性が低いので、非常に望ましい殺生剤でもある。しかし、BNPDは、アルカリ性のpHでは多少分解されることが知られている。その結果、BNPDの供給業者は、一般に、非塩基性又はごくわずかに塩基性の使用pH範囲を推奨している。例えばNipaguard(登録商標)BNPDに関するClariantの製品説明書は、3.0〜7.0のpH範囲を推奨している。Bioban(登録商標)ブロノポール(BNPD製品)に関するThe Dow Chemical Companyの製品説明書は、この物質の最大長期化学安定性が約4〜8のpHレベルで達成されることを教示している。
【0007】
特許文献1には、DBNPAとBNPDとのブレンドが、冷却水並びにパルプ製造及び製紙のような種々の用途において有用であることが報告されている。しかし、これらの用途で必要なのは、系を迅速に除染する即効性殺生剤だけである。この用途では、特に系が最初の除染後に微生物に再感染する場合の長期保存は一般に問題とはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,732,913号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Exner et al.,J.Agr.Food.Chem.,1973,21(5),838−842
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
微生物の迅速除染(微生物濃度が1時間で最低限4 log10低下)と、少なくとも1週間の将来の微生物侵襲からの長期保護とを兼ね備える非感作性殺生剤が市場で必要とされている。更に、殺生剤は、アルカリ条件下でこれらの特性を提供しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一面において、本発明は、迅速除染及び長期保存の両方を必要とするアルカリ水性媒体中における微生物増殖抑制方法を提供する。この方法は2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)及び2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNPD)を含む殺生剤混合物の有効量を水性媒体中に含ませることを含んでなる。
【0012】
第二の面において、本発明は、微生物の増殖を短期及び長期にわたって抑制する組成物を提供する。この組成物は2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA);2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNPD);及びアルカリ水性媒体を含んでなる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前述のように、本発明は、迅速除染及び長期保存の両方を必要とするアルカリ水性媒体中における微生物増殖を抑制するための方法及び組成物を提供する。本明細書中で使用されている迅速除染(rapid decontamination)は、微生物濃度が1時間以内に最低限4 log10低下することを意味する。本明細書中で使用されている長期保存(long term preservation)は、水性媒体が、水性媒体中への殺生剤ブレンドの混入後1週間までの任意の時点で起こる少なくとも1回の微生物侵襲(insult)に対して抵抗性があることを意味する。
【0014】
アルカリ水性媒体中における微生物(例えば細菌、酵母、真菌及び藻類)の増殖に関して迅速汚染及び長期保存の両方を提供するために、本発明は2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)及び2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNPD)を含む殺生物混合物をこのような媒体中に組入れを提供する。本発明者らは、この殺生物ブレンドが、意外にも、アルカリ性マトリックス中において迅速除染と1〜2週間までの長期保存の両方を可能にすることを発見した。このように、本発明者らは、微生物で汚染されたアルカリ水性媒体が前記殺生物ブレンドによって迅速に除染されることを見出し、前記殺生物ブレンドで処理された媒体は、例えば3〜7日後の微生物の2回目接種(又は植菌)による汚染に対して更に抵抗性があることを見出した。「アルカリ(性)」は、水性媒体のpHが7より高いことを意味する。好ましくはpHは7.5若しくはそれ以上、より好ましくは8若しくはそれ以上である。更なる態様において、pHは8.5若しくはそれ以上、又は9若しくはそれ以上である。
【0015】
先行技術の教示によれば、DBNPA及びBNPDはいずれもアルカリ性のpHにおいて急速に分解するので、本発明者らの発見は意外である。従って、これらの殺生剤がこのようなpHにおいて長期効力を示すことは予想外であろう。前述のように、DBNPA自体はpH8において半減期がわずか約2時間であり、BNPDの推奨使用範囲はpH3〜8である。本発明者らは、DBNPA/BNPDブレンドが意外にも、アルカリに不安定なこれらの分子によってはこれまで達成不可能と考えられていた時点において強力な保存力(preservative power)を実際に示すことを発見した。
【0016】
アルカリ性のpHにおける迅速除染及び長期保存は、工業衛生及び種々の他の用途(例えば原料、完成品、完成品の製造並びに装置及びタンクの掃除に使用されるプロセス/洗浄水の除染及び保存)を含む多くの分野で重要である。適当な用途の例には、ペイント及びコーティング、ラテックス、ミネラルスラリー、接着剤、洗浄剤、クリーナー、クリーニングワイプ、カーケア製品、及びこれらの製品用の原料などがある。他の適当な用途には、オイル・ガス探査、破砕流体保存、革なめし及びパーソナルケア製品などがある。冷却塔水、パルプ及び紙用途、並びに湖水及びラグーンは、長期保存が一般に必要とされない産業であるので、本発明から除外する。
【0017】
本発明において使用する重量比DBNPA:BNPDは、好ましくは約100:1〜1:100、より好ましくは16:1〜1:16、更に好ましくは5:1〜1:5である。更に好ましい態様において、重量比(DBNPA:BNPD)は約5:1〜2:1、特に好ましくはその比は約3:1である。
【0018】
好ましくは、2種の殺生剤を前記の好ましい比でプレブレンドし、単一製品として水性媒体中に添加する。他方において、これらの殺生剤は、水性媒体中に個々に添加することもできるが、それほど好ましくない。ブレンドの使用濃度は、当業者ならば容易に決定できる。好ましくは使用濃度は、水性媒体の総重量に基づき、約100〜4000ppm、より好ましくは約125〜2000ppmである。場合によっては、迅速除染か長期保存のいずれか一方が必要とされる場合もある(両方と比較して)。このような場合には、必要な殺生剤の量は適宜容易に調整できる。
【0019】
好ましくは、これらの殺生剤は水及びグリコール又は他の適当な溶媒中のブレンドとして一緒に配合する。この好ましい態様では、ブレンドの総活性物質濃度は、好ましくは約5〜約90重量%、より好ましくは約10〜約30重量%である。
【0020】
他の殺生剤が水性媒体中に混和することができる。しかし、CMIT/MITが存在する場合には、その濃度は、好ましくは、水性媒体の総重量に基づき、15ppm未満、より好ましくは5ppm未満である。更に好ましくは水性媒体はCMIT/MITを含まない。これはCMIT/MITが既知の皮膚感作物質であるためである。
【0021】
前述のように、DBNPA/BNPDブレンドは迅速除染及び長期保存の両方を必要とするアルカリ水性媒体において有用である。このブレンドは、ペイント及びコーティング、ラテックス、ミネラルスラリー、接着剤、洗浄剤、クリーナー、クリーニングワイプ及びカーケア製品を含む種々の産業において、原料、完成品、プロセス/洗浄水及び装置の除染に使用するのが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下の実施例は、本発明を説明するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
DBNPA、BNPD及びDBNPA−BNPD組合せ(3:1w/w)を、市販の水性ラテックス(UCAR Latex 626,The Dow Chemical Companyから入手可能)及びノーブランドの無機物スラリーサンプル中で試験する。市販のラテックスはpH値が弱酸性から塩基性までさまざまである。BNPD及びDBNPAはいずれもアルカリ性のpHでは化学安定性が乏しいことがわかっているので、この研究のためには、塩基性pH(8.7)を有するラテックスを選択する。無機物スラリーはpHがさまざまであるが、ほとんどの場合アルカリ性である。この研究のためには、pH8.35の二酸化チタンスラリーを選択した。
【0024】
前記ラテックス及び前記無機物スラリーは、いずれも、試験前は汚染されていない。時間ゼロにおいて、試験マトリックスに、微生物(後述)のプールを5×106CFU/mlの最終濃度まで接種する。汚染サンプルのアリコートを1連の滅菌容器中に秤取し、続いて、所望の濃度を得るのに必要な適当な容量の殺生剤を添加する。殺生剤を含まない対照サンプルを各評価に含める。殺生剤の添加後、サンプルを充分に混合し、種々の時点でアリコートを取り出して、トリプティックソイアガー(tryptic soy agar)プレート(平板培地)に画線接種して、生き残った微生物を計数する。生菌の評価前に、アガープレートは、全て、30℃で72時間インキュベートする。その後の全ての結果において、対照サンプルに比較して、最低限4 log10の微生物の濃度低下をかなり効力があると見なす。
【0025】
微生物:24時間トリプチックソイブロス(tryptic soy broth)培養物を最終濃度5×106CFU/mlの配合物接種のために等量ずつ合する。以下の微生物を用いる:緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC#15442)、緑膿菌(ATCC#10145)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(ATCC#6538)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)(ATCC#25416)、螢光菌(Pseudomonas fluorescens)B(環境分離株)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)(環境分離株)、エンテロコッカス・スルフレウス(Enterococcus sulfureus)(環境分離株)。殺生剤の迅速除染効果を評価するために、初回接種の60分後にアリコートを取り、トリプティックソイアガープレートに線条接種(streak)して、生き残った微生物を計数する。サンプルを、それぞれ、周囲条件において3又は7日間貯蔵し、その時点で2回目接種を行って、殺生剤の長期保存効果を試験する。2回目接種後4時間及び/又は24時間若しくは48時間でアリコートを取り、トリプティックソイアガープレートに線条接種して、生き残った微生物を計数する。
【0026】
相乗作用:ここで報告する相乗作用指数は、式1を用いて測定及び算出する。この方法において、式1の相乗作用指数(SI)は加算性(additivity)を示している。相乗作用指数が1未満である場合には、相乗作用が見られたのに対し、1超の相乗作用指数は拮抗作用を示す。
相乗作用指数=CA/Ca+CB/Cb (1)
[式中、Ca=所定の終点を生じる抗菌剤A単独の濃度
b=所定の終点を生じる抗菌剤B単独の濃度
A及びCB=所定の終点を生じる、混合物中に一緒に含まれる抗菌剤A及びBのそれぞれの濃度]
【0027】
UCAR Latex626に関する効力の結果
予想通り、DBNPAは単独では、140ppmの活性物質濃度で、初回接種から1時間後においてラテックスの除染に効果がある。BNPDは、試験した最高活性物質濃度(600ppm)でも、1時間以内に細菌濃度の4log10の低下を達成しなかった。活性物質濃度120ppmのDBNPAと活性物質濃度35ppmのBNPDの組合せは、この時点でサンプルを効果的に除染し、0.92未満の相乗作用指数を達成した。この組合せの真価、及び全く予想外の結果は、3日間貯蔵後の時点で2回目接種を行った後の作用であった。この2回目接種の4時間後においては、個々の活性物質の最高試験濃度で除染は達成されなかったが、177.5ppmのDBNPAと59.2ppmのBNPDとの組合せでは効果があった(SI<0.54)。この2回目接種の24時間後においては、BNPD(活性物質95.7ppm)は効果があることがわかった。しかし、この組合せは、これら2種の活性物質が極めて低濃度であっても効果があった(SI=0.29)。更に意外なことに、初回接種の7日後に2回目接種を行った場合には、これら2種の活性物質の比較的低濃度での組合せ(DBNPA 80.9ppm及びBNPD 27ppm)により、24時間で除染が達成された。DBNPAそれ自身では最高試験濃度でも除染を達成しないが、単独で使用する場合、95.7ppmのBNPDを必要とする。このデータに基づいて、0.48の相乗作用指数が算出された。一般的な知識からはこれら2種の活性物質は、このより遅い時点で非活性化されることが予測されるので、これは全く予想外である。
【0028】
同様な結果が無機物スラリーでも観察される。これらの実験の場合には、初回接種から30分後にアリコートを取り、細菌量について評価する。DBNPA(23.4ppmで)並びにDBNPAとBNPDの組合せ(活性物質重量比3:1)(DBNPA 17.6ppm及びBNPD 5.9ppm)はいずれも効果があることがわかる。しかし、BNPDは活性物質600ppmの最高試験濃度において、この極めて早期でも効果がない。この組合せの相乗作用指数は0.76である。また、予想外なことに、前記組合せは7日後に行われた2回目接種から無機物スラリーを効果的に保護した。よってこの2回目接種の48時間後に分析したアリコートにおいて、単独使用時には、DBNPAは400ppmで又はBNPDは35.1ppmで微生物の4 log10低下に効果があった。これに比べて、26.4ppmのDBNPAと8.8ppmのBNPDの組合せが、微生物のこの所望の4 log10低下を達成した。このようなより遅い時点で著しい相乗作用(相乗作用指数0.32)が観察された。これは、DBNPA−BNPDの組合せの強みを示している。
【0029】
比較例:両マトリックスにおいて、CMIT/MITは単独でも、BNPD(Acticide LAとして販売されている)との組合せても、本明細書中で定義した迅速除染を達成できなかった。これら2種の製品は、長期保存剤としては効果があった(場合よっては、長期保存については相乗作用を示したが、迅速除染及び長期保存を一緒に果たすことはできなかった)。15ppmのCMIT濃度が、ヨーロッパでR43によって課されている皮膚感作限度であることに留意することが重要である(Directive 67/548/EECのAnnexIを参照)。
【0030】
本発明を、その好ましい態様に関して前述したが、この開示の精神及び範囲内で本発明の変更が可能である。従って、本出願は本明細書中に開示した一般的原理による本発明の任意の変形、使用又は改変を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連し且つ添付した特許請求の範囲の範囲に含まれる、当業界における既知の実施又は慣行の範囲内である本発明の開示からの逸脱も網羅するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド及び2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを含む殺生物混合物の有効量をアルカリ水性媒体中に含ませることを含んでなる、迅速除染及び長期保存の両方を必要とするアルカリ水性媒体中における微生物の増殖を抑制する方法。
【請求項2】
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド対2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの重量比が約100:1〜約1:100である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド及び前記2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを、前記水性媒体の総重量に基づき、約100〜約4000ppmの総初期濃度で、水性媒体中に、含ませる請求項1〜2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルカリ水性媒体が7.5又はそれ以上のpHを有する請求項1〜3に記載の方法。
【請求項5】
前記アルカリ水性媒体が、完成品の製造において、そしてペイント及びコーティング、ラテックス、ミネラルスラリー、接着剤、洗浄剤、クリーナー、クリーニングワイプ、カーケア製品の装置及びタンク洗浄、並びにこれらの製品用の原料、オイル及びガスの探査、破砕流体保存、革なめし及びパーソナルケア製品において、使用される原料、完成品及びプロセス/洗浄水である請求項1〜4に記載の方法。
【請求項6】
長期保存及び迅速除染の両方を必要とするアルカリ水性媒体を、1週間の間に1回だけ前記殺生物混合物によって、処理する請求項1〜5に記載の方法。
【請求項7】
前記水性媒体が15ppm未満のCMIT/MITを含む請求項1〜6に記載の方法。
【請求項8】
前記水性媒体を、前記殺生物ブレンドの組入れ後に1回又はそれ以上の微生物侵襲によって接種させる請求項1〜7に記載の方法。
【請求項9】
1回又はそれ以上の追加の微生物侵襲が、前記水性媒体への前記殺生剤ブレンドの組入れの3日後又はそれ以降に起こる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA);
2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNPD);及び
アルカリ水性媒体
を含んでなる、微生物の増殖を抑制する組成物。
【請求項11】
CMIT/MITを含まない請求項10に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−528356(P2011−528356A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518815(P2011−518815)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/050372
【国際公開番号】WO2010/009033
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】