説明

殺生物組成物

本発明の主題は、殺生物組成物、この殺生物の製造方法及び組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、殺生物組成物、この殺生物組成物の製造方法及び使用である。
【0002】
特に、本発明は、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、リトポン、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及び/又はゼオライトを基礎とする、有利には、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム及び/又はリトポンを基礎とする殺生物組成物を扱う。
【0003】
殺生物剤(ギリシャ語/ラテン語、生命を殺す物)は、複数の製品において、個々のケースに応じて、幅広いスペクトルの生物、ウィルス、細菌、藻類、菌類、昆虫から、軟体動物及び齧歯動物までを殺すために使用される作用物質である。市場には約8000種の殺生剤製品が存在し、これは、小生物及び極めて小さな生物を処分、抑止、又は、激減させ、これらの動物は、ヒトにとっては一定の状況下で不所望である。ここには、特に、細菌、藻類及び菌類に対する剤が属し、しかしながら、クモ、マウス、ラット、ハエ又はカに対するものも属する。典型的な殺生剤製品は、木材保護剤、家庭用昆虫スプレー、浴室又はキッチンのための耐カビ性壁用塗料、抗菌性家庭用清浄剤、消毒スプレー及び衣類の虫に対する罠である。十分に、殺生剤製品は、使用準備の整った物品として消費者に届けられる。従って、品質保証マーク「ウールマーク」を有するテキスタイルは、常に、蛾に対する保護を備えている。
【0004】
様々な生物群に対するその作用に応じて、殺微生物剤(微生物に対する)、殺昆虫剤(昆虫に対する)、軟体動物除去剤(軟体動物に対して)、殺鼠剤(齧歯類に対して)、等などという言葉を用いる。殺微生物剤には、殺藻剤、殺細菌剤、殺菌剤及び殺ウィルス剤が属する。
【0005】
殺藻剤は、藻類を死なせるか又はその成長又は増殖を阻害する化合物である。塗料の殺藻剤は、塗料中で均質に拡散されていて、従ってここから製造される塗装は、持続的に、藻類による繁茂に対して保護されていて、また、不利な条件、例えば、雨及び光の影響下での不利な条件下でも保護されている。ここからは、塗料の殺藻剤は実質的に、水中に不溶性であり、かつ、光安定性であることが導かれる。塗料の殺藻剤は、この塗装物を着色せず、揮発性でなく、ほとんど毒性がなく、かつ、他の塗装剤成分と相容性であることも期待される。塗装剤の殺藻剤のための例は、クロロタロニル(Chlorthalonil)、ジウロン(Diuron)及びジクロロフルアニド(Dichlofluanid)である。
【0006】
殺菌剤は、菌類及びその胞子を死なせる殺微生物剤である。これは、特に、青変(Blaeue)(木材を変色させる菌類)に対する木材保護において及び木材を分解する菌類において使用されるが、しかしながら、食品、テキスタイル、壁、紙、木、膠、着色剤、潤滑剤及び燃料、その他にさえ対する有害な菌類の成長を妨げるためにも使用される。
【0007】
抗ファウリング塗料は、船、ボーリング塔、その他の水中領域で設けられ、ここで繁茂に対して阻害性に作用する塗料である。抗ファウリング塗料に特徴的なのは、殺藻作用及び殺菌作用を有する化合物、通常は酸化銅及びスズ有機化合物の含分であり、その際、特にスズオルガニル化合物がエコロジー的に憂慮すべきである。
【0008】
適用、例えば、塗装剤、着色剤、プラスチック、医薬品、その他においては、殺生物剤、特に殺微生物剤として、金属イオンが使用され、特に、金属塩を基礎とする組成物の形態で使用される。金属イオンとは、特に、重金属イオン、例えば銅−、銀−、スズ−及びニッケルイオンである。
【0009】
水処理のためには、技術水準において、例えば、水溶性の無機金属塩、例えば硫酸銅、硝酸銅及び塩化銅が、殺藻剤又は抗細菌剤としての使用のために、前記処理のために提案される。銅又は銅イオン供給源の使用はしかしながら、特に欠点を有し、この欠点は、銅イオンが、アルカリ性又はアルカリ性に近い媒体中で、天然に存在するアニオンと反応し、かつ、不溶性の塩として、例えば、カルボナート、酸化物又は水酸化物として沈殿することにある。このpH値に依存した沈殿は、殺生物活性の損失を生じ、というのは、銅イオンがもはや提供されなくなるからである。
【0010】
更に、銅塩殺生剤は、細菌及び他の病原体に対するよりも、藻類に対してより有効である。従って、細菌に対する銅塩の顕著な殺生物活性を達成するためには、より高い銅濃度が必要になり、これは不所望である。銅塩含有殺藻剤を用いて細菌又はその他の病原体も有効であることが望ましく、従って、一般的には、更なる殺生物剤の使用が必要になる。
【0011】
技術水準からは、同様に、殺微生物組成物の、無機の担体中での、例えばチタン、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素の酸化物、硫酸バリウム並びにゼオライトでの製造及び使用が公知であり、特に、ポリマー中での使用のために知られている(US-A-4,525,410, US-A-4,775,585, US-A-4,906,466)。
【0012】
EP-B-146341 1は、ダニに対する剤としての硫化亜鉛の使用を開示する。硫化亜鉛はこの際、糸、繊維及びフィラメントのサイズのために処方物中で並びに液状の又は固体の組成物中でテキスタイル表面の清浄化又は処理のために使用される。
【0013】
技術水準においてはしかしながら、無機の固形物質及び殺生物性に作用する物質の組み合わせにより、様々な適用において、必要性に応じて、殺藻剤及び/又は殺菌剤及び/又は殺細菌剤として作用する殺生物組成物を調製することを可能にする技術的な教示は開示されていない。
【0014】
また、技術水準においては、特定の無機の固形物質、例えば、顔料、例えば酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン、及びリトポンが、極めて遅延化された有効性のみを、藻類並びに細菌及び/又は他の病原体に対して示すとの問題を取り除く、技術的な教示も開示されていない。更に、酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン及びリトポンは根本的に、細菌及び他の病原体に対するよりも藻類に対してより有効である。顕著な殺生物活性を達成するためには、技術水準に応じて、高い濃度を使用することが必要であるが、これは、不所望である。硫酸バリウムは、完全に不活性であり、即ち、これは、高い濃度でも、全く殺生物活性を示さない。
【0015】
本発明の課題は、公知技術水準の欠点を克服することである。
【0016】
特に本発明の課題は、適用及び要求に応じて、殺藻剤及び/又は殺菌剤及び/又は殺細菌剤として作用する殺生物組成物を提供することである。
【0017】
本発明の更なる課題は、藻類に対しても、菌類に対しても、また同様に、細菌に対しても作用する、殺生物組成物を提供することにある。
【0018】
本発明の更なる課題によれば、この組成物は様々な適用、例えば塗料および着色剤、例えば水性着色剤又は水を基礎とする着色剤、コーティング、荒塗り又は下塗り(Putzschicht)、透明塗料、含浸剤、中間厚さ(semidick)コーティング、プラスチック、医薬的な物品において使用されることができるものである。
【0019】
本発明の更なる課題によれば、この殺生物組成物は、無機の固形物質から、有利には顔料、充填剤及び/又はナノスケールの粒子からなり、その際ナノスケールの粒子とは、その平均粒径が250nmを下回る粒子が理解される。
【0020】
本発明の更なる課題によれば、この使用される無機の固形物質は有利には、殺生物性の特性を自体で有するものである。
【0021】
本発明の更なる課題によれば、無機の固形物質の顔料又は充填剤の特性が維持されるものである。
【0022】
本発明の更なる課題は、最終的な適用において殺生物作用を有するコーティング組成物を調製することにある。
【0023】
本発明の課題によれば、この新規のコーティング組成物は、より高い、迅速な、及び、長期間持続する、藻類、菌類及び/又は細菌に対する有効性を有するものである。更に、このコーティング組成物は、抗ファウリング塗料として使用可能であるものであり、かつ、船舶及び他の海上車両、器具および装置で、海洋生物、例えば藻類、二枚貝、甲殻類その他の繁茂を妨げるものである。
【0024】
意外にも、この課題は、メインクレームの特徴部により解決された。有利な実施態様は、従属請求項において見出される。
【0025】
特に意外にも、この上述の課題は、1種又は数種の殺生剤作用を有する物質、特に金属塩化合物で表面修飾された、無機の固形物質により解決されることが見出された。
【0026】
無機の固形物質として、顔料又は充填剤として使用可能な全ての化合物、例えば硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、重晶石、雲母、タルク、カオリン、リトポン、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ゼオライト、酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭素、特にグラファイトが使用されることができる。この固形物質は、天然のまた同様に合成の起源であることができる。
【0027】
表面修飾のためには有利には、殺生剤特性を有する金属塩が使用される。この際、金属塩として、無機の又は有機の物質が、単独で又は混合して使用されることができる。無機の固形物質の表面修飾のための出発材料として、前記化合物又は金属、例えば、亜鉛、銅、銀及び/又はスズ、有利にはスズの塩が使用されることができる。
【0028】
根本的に、殺生剤として作用する金属の、溶解性の又は難溶性の全ての塩が、単独で又は混合して、無機の固形物質の表面修飾のために使用されることができる。
【0029】
金属塩の添加量は、無機の固形物質の質量に対して、0.01〜50質量%、有利には0.1〜30質量%、特に有利には0.5〜20質量%である。
【0030】
この無機の固形物質の平均粒径は、これがナノスケールである限りは、200〜1nm、有利には120〜2nm、特に有利には100〜4nm、特にとりわけ有利には80〜5nmである。
【0031】
この無機の固形物質の平均粒径は、ナノスケールでない場合には、0.25〜500μm、有利には0.3〜200μm、特に有利には0.3〜30μmである。
【0032】
この際、この粒子は異なる形態、例えば平板−、針−、球−又はエピタキシーの形態を有することができる。
【0033】
無機の固形物質として、有利には、自体で殺生物特性、例えば殺藻剤及び/又は殺微生物剤の特性を有する物質が使用される。特に、本発明による殺生物組成物の製造の際には、酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン及び/又はリトポンが使用される。
【0034】
更に、本発明により、硫酸バリウムも使用されることができる。
【0035】
金属塩として有利には、亜鉛塩が使用され、有利には硫酸亜鉛(七水和物及び/又は一水和物)、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、ホウ酸亜鉛、フッ化亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、ギ酸亜鉛、酪酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、吉草酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、リン酸亜鉛又はこれらの物質少なくとも2種の混合物が使用される。
【0036】
特に有利には、有機の亜鉛塩が使用され、例えば酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、ギ酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛又はこれらの物質の少なくとも2種の混合物が使用される。特に有利には、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛又はこれらの物質の少なくとも2種からの混合物が使用される。
【0037】
この組成物は、自体公知の方法で製造されることができ、例えば、本発明による成分の混合により製造されることができる。この際、この無機の固形物質の表面は、有利には修飾されることができる。
【0038】
相応する金属塩による無機の固形物質の表面変性の際には、技術水準に相応する、および、公知である、全ての可能性のある変形が使用されることができる。例えば、表面修飾は、無機の固形物質の沈降の際に、無機の固形物質の処理の際に懸濁液中で乾燥前に又は粉砕前又は後に実施されることができる。
【0039】
微粒子の無機の固形物質は、有利には、水性懸濁液又はフィルターケーキ(ペースト状又はドウとして)として存在する。フィルターケーキを乾燥させず、例えば、継続中の製造から使用することが有利である。
【0040】
金属塩を備えた懸濁液又は金属塩を備えたフィルターケーキの乾燥は、慣用の乾燥装置を用いて行われることができる。有利には、噴霧乾燥器、粉砕乾燥器又は真空乾燥器が使用される。
【0041】
乾燥後の無機の固形物質の表面処理の場合には、殺生物剤として作用する化合物の添加は、液状形態で又は粉体形態で行われることができる。この混合物の均質化のためには、慣用の混合装置、例えば鋤歯混合機又はドラム乾燥器が使用されることができる。使用される化合物に応じて、この混合の前、間及び後に温度処理が実施されることができる。必要である場合には、後からの粉砕が行われることができる。この場合には、有利には、この混合物は、蒸気ジェット−、空気ジェット−又はピン付きディスク−粉砕にかけられる。
【0042】
無機の固形物質の表面上で金属塩を修飾するための他の一手段は、無機の固形物質を相応する酸で直接的に処理することである。この際、例えば、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウム及び/又はリトポンの、相応する酸、例えば硫酸、硝酸、フッ素酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、ホウ酸、リン酸、ペルオクタン酸(Peroctansaeure)、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、アセチルアセトン又は、脂肪酸を用いた処理により、所望される亜鉛塩が形成される。この際、この酸は単独で又は混合して使用されることができる。
【0043】
酸を用いた無機の固形物質の表面処理のために、全ての可能性のある、公知である方法手段が使用されることができる。この際、この処理は、沈降の間に、乾燥の前に、乾燥の後に、粉砕の前に、又は、粉砕の後にも行われることができる。
【0044】
酸に関する添加量は、この形成される金属塩の量が、無機の固形物質の質量に対して、0.01〜50質量%、有利には0.1〜30質量%、特に有利には0.5〜20質量%であるように制御される。
【0045】
本発明による、殺生物剤として作用する組成物は、使用範囲に応じて、粉末、ペースト、懸濁液又はスラリーとして存在することができる。
【0046】
本発明の主題は、詳細には以下のものである:
>無機の固形物質を含有する殺生物組成物、その際無機の固形物質は、顔料及び/又は充填剤である、その際、
○無機の固形物質は、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、重晶石、雲母、タルク、カオリン、リトポン、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ゼオライト、酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭素、特にグラファイト、又は、この物質の少なくとも2種からなる混合物である;
○無機の固形物質は、ナノスケールの及び/又はナノスケールでない粒子の形態で存在する、
○無機の固形物質の平均粒径は、これなナノスケールである場合には、200〜1nm、有利には120〜2nm、特に有利には100〜4nm、特にとりわけ有利には80〜5nmである、
○無機の固形物質の平均粒径は、これがナノスケールでない場合には、0.25〜500μm、有利には0.3〜200μm、特に有利には0.3〜30μmである、
○無機の固形物質は、平板−、針−、球−及び/又はエピタキシーの形態にある、
○かつ/又はこの無機の固形物質の表面は、修飾されていて、有利には、金属塩で修飾されている、その際、
◆金属塩は、亜鉛、銅、銀、スズの塩又は、これらの金属塩の少なくとも2種からなる混合物である、
◆金属塩が、硫酸、硝酸、フッ酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、ホウ酸、リン酸、ペルオクタン酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、安息鉱酸、サリチル酸、アセチルアセトン、脂肪酸の金属塩又はこれらの酸の塩少なくとも2種からなる混合物であり、その際、脂肪酸として、C1〜C18−脂肪酸、有利にはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、又は、これらの酸の少なくとも2種からなる混合物が有利である、
◆金属塩が、有利には酢酸、シュウ酸又はクエン酸の金属塩である、
◆金属塩が、亜鉛塩であり、有利には、無機の亜鉛塩、硫酸亜鉛、有利には硫酸亜鉛七水和物、又は硫酸亜鉛一水和物、硝酸亜鉛、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ホウ化亜鉛、及び/又は、有機の亜鉛塩、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、吉草酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、リン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、乳酸亜鉛、クエン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、又は、この塩の少なくとも2種からなる混合物選択されるか、特に有利には、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、又はこの金属塩の少なくとも2種からなる混合物から選択される、
◆及び/又は金属塩の割合が、無機の固形物質の質量に対して、0.01〜50質量%、有利には0.1〜30質量%、特に有利には0.5〜20質量%である、
>粉末、ペースト、懸濁液又はスラリーとして存在する、上記したとおりの殺生物組成物、
>無機の固形物質が、殺藻類特性、殺菌類特性及び/又は殺細菌特性を有する、上記したとおりの殺生物組成物、
>金属塩が、殺藻類特性、殺菌類特性及び/又は殺細菌特性を有する、上記したとおりの殺生物組成物、
>藻類、菌類及び/又は細菌に対して、高い、迅速な及び長期間持続性の有効性を有する、上記したとおりの殺生物組成物。
【0047】
本発明の主題は更に次のものである:
>及び無機の固形物質の表面をその沈降の際に及び/又は後に修飾する、上記したとおりの殺生物組成物の製造方法、その際、
○無機の固形物質の表面は、乾燥の前、間、及び/又は後に修飾される、
○無機の固形物質の表面は、粉砕の前、間及び/又は後に修飾される、
○及び/又は無機の固形物質の表面は、酸での処理により修飾される、その際、
◆酸が、硫酸、硝酸、フッ酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、ホウ酸、リン酸、ペルオクタン酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、安息鉱酸、サリチル酸、アセチルアセトン、脂肪酸又はこれらの酸の少なくとも2種からなる混合物であり、その際、脂肪酸として、C1〜C18−脂肪酸、有利にはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、又は、これらの酸の少なくとも2種からなる混合物が有利である、
◆及び/又は酸が、酢酸、シュウ酸又はクエン酸である。
【0048】
本発明の主題は更に次のものである:
>殺藻剤、殺菌剤及び/又は殺微生物剤としての、上記したとおりの殺生物組成物の使用、
>船舶及び他の海上車両、器具及び装置に対する生物、例えば藻類、二枚貝類、甲殻類の繁茂の抑制のための、上記したとおりの殺生物組成物の使用、
>顔料及び/又は充填剤としての、上記したとおりの殺生物組成物の使用、
>塗料、着色剤、有利には水性塗料、及び/又は、水を基礎とする着色剤、透明塗料、含浸剤、コーティング、上塗、プラスチック及び/又は医薬材料及び器具の製造のための及び/又はこれらにおける使用のための、上記したとおりの殺生物組成物の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機の固形物質を含有し、無機の固形物質が、顔料及び/又は充填剤であることを特徴とする、殺生物組成物。
【請求項2】
無機の固形物質が、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、重晶石、雲母、タルク、カオリン、リトポン、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ゼオライト、酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭素、特にグラファイト、又は、これらの物質少なくとも2種からなる混合物であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
無機の固形物質が、ナノスケールの及び/又はナノスケールでない粒子の形態で存在することを特徴とする、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
無機の固形物質の平均粒径が、ナノスケールである場合には、200〜1nm、有利には120〜2nm、特に有利には100〜4nm、特にとりわけ有利には80〜5nmであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
無機の固形物質の平均粒径が、ナノスケールでない場合には、0.25〜500μm、有利には0.3〜200μm、特に有利には0.3〜30μmであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
無機の固形物質が、平板−、針−、球−及び/又はエピタキシー形態にあることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
無機の固形物質の表面が修飾されていて、有利には金属塩で修飾されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
金属塩が、亜鉛、銅、銀、スズの塩又はこれらの金属塩の少なくとも2種からなる混合物であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
金属塩が、硫酸、硝酸、フッ酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、ホウ酸、リン酸、ペルオクタン酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、安息鉱酸、サリチル酸、アセチルアセトン、脂肪酸の金属塩又はこれらの酸の塩少なくとも2種からなる混合物であり、その際、脂肪酸として、C1〜C18−脂肪酸、有利にはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、又は、これらの酸の少なくとも2種からなる混合物が有利であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
金属塩が、有利には、酢酸、シュウ酸又はクエン酸の金属塩であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
金属塩が、亜鉛塩であり、有利には、無機の亜鉛塩、硫酸亜鉛、有利には硫酸亜鉛七水和物、又は硫酸亜鉛一水和物、硝酸亜鉛、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、ホウ酸亜鉛、及び/又は、有機の亜鉛塩、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、吉草酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、リン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、乳酸亜鉛、クエン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、又は、この塩の少なくとも2種からなる混合物から選択されるか、特に有利には、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、又はこの金属塩の少なくとも2種からなる混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
無機の固形物質の質量に対して、金属塩の割合が、0.01〜50質量%、有利には0.1〜30質量%、特に有利には0.5〜20質量%であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
粉末、ペースト、懸濁液又はスラリーとして存在することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
無機の固形物質が、殺藻類特性、殺菌類特性及び/又は殺細菌特性を有することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
金属塩が、殺藻類特性、殺菌類特性及び/又は殺細菌特性を有することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
藻類、菌類及び/又は細菌に対して、高い、迅速な、及び、長期間持続性の有効性を有することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項17】
無機の固形物質が自体公知の方法で混合され、かつ、この無機の固形物質の表面が修飾され、有利には、その沈降の際に及び/又は後に修飾されることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の組成物の製造方法。
【請求項18】
無機の固形物質の表面が、乾燥の前、間、及び/又は後に修飾されることを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
無機の固形物質の表面が、粉砕の前、間、及び/又は後に修飾されることを特徴とする、請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
無機の固形物質の表面が、酸を用いた処理により修飾されることを特徴とする、請求項16から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
酸が、硫酸、硝酸、フッ酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、ホウ酸、リン酸、ペルオクタン酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、安息鉱酸、サリチル酸、アセチルアセトン、脂肪酸又はこれらの酸の少なくとも2種からなる混合物であり、その際、脂肪酸として、C1〜C18−脂肪酸、有利にはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、又は、これらの酸の少なくとも2種からなる混合物が有利であることを特徴とする、請求項16から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
酸が、酢酸、シュウ酸又はクエン酸であることを特徴とする、請求項16から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
殺藻剤、殺菌剤及び/又は殺微生物剤としての、請求項1〜16までのいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項24】
船舶及び他の海上車両、器具及び装置に対する海洋生物、例えば藻類、二枚貝類、甲殻類の繁茂の抑制のための、請求項1から16までのいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項25】
顔料及び/又は充填剤としての、請求項1から16までのいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項26】
塗料、着色剤、有利には水性塗料、及び/又は、水を基礎とする着色剤、透明塗料、含浸剤、コーティング、上塗、プラスチック及び/又は医薬材料及び器具の製造のための及び/又はこれらにおける使用のための、請求項1から16までのいずれか1項記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2009−526822(P2009−526822A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554778(P2008−554778)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051478
【国際公開番号】WO2007/093627
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(501082864)ザッハトレーベン ヒェミー ゲゼルシヤフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【氏名又は名称原語表記】Sachtleben Chemie GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Rudolf−Sachtleben−Strasse 4, 47198 Duisburg, Germany
【Fターム(参考)】