説明

殺真菌組成物

植物病原体によって起こる病気を制御するのに適した組成物であって、(A)一般式(I)の化合物またはそのような化合物の互変異性体と、成分(B)と、成分(C)とを含んでいて、成分(B)と成分(C)が請求項1に記載した病虫害防除剤である組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物病原体(特に植物病原性真菌)によって起こる病気を制御するのに適した新規な殺真菌組成物と、有用な植物の病気を制御する方法と、保存品を保護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のo-シクロプロピル-カルボキサニリド誘導体は、例えばWO 03/74491により、植物病原性真菌に対する生物活性を有することが知られている。その一方でいろいろな化学薬品のクラスに属するさまざまな殺真菌化合物とそのいくつかの混合物が、栽培植物のさまざまな作物に施用するための植物用殺真菌剤として広く知られている。しかし作物の耐性と植物病原性真菌に対する活性は、多くの場合と多くの面で農業を実践する際の必要性を必ずしも満たしていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
そこで農業を実践する際の上記の必要性のうちで作物の耐性を大きくすること、および/または植物病原性真菌に対する活性を大きくすることを目的として、本発明では、植物病原体によって起こる病気の制御に適した新規な組成物を提案する。この組成物は、
(A)一般式(I)の化合物:
【化1】

またはそのような化合物の互変異性体と;
(B)フルジオキソニル(368)、メタラキシル(516)、メフェノキサム(517)、シプロジニル(208)、アゾキシストロビン(47)、テブコナゾール(761)、ジフェノコナゾール(247)、チアベンダゾール(790)からなるグループの中から選択した殺真菌剤と;
(C)アゾール系殺真菌剤と;アニリノ-ピリミジン系殺真菌剤と;ストロビルリン系殺真菌剤と;アシルアラニン系殺真菌剤と;ベンゾイミダゾール系殺真菌剤と;シルチオファム(729)、フラメトピル(411)、ペンチオピラドからなるグループの中から選択した殺真菌剤と;アバメクチン(1)、クロチアニジン(165)、シロマジン(209)、ジアフェンチウロン(226)、ジアジノン(227)、安息香酸エマメクチン(291)、フェノキシカルブ(340)、ホスチアゼート(408)、イミダクロプリド(458)、ラムダ-シハロトリン(198)、ルフェヌロン(490)、メチダチオン(529)、メチオカルブ(530)、プロフェノホス(662)、ピメトロジン(688)、スピノサド(737)、テフルトリン(769)、チアメトキサム(792)、チオジカルブ(799)、一般式(C-1)の化合物:
【化2】


一般式(C-2)の化合物:
【化3】

からなるグループの中から選択した殺虫剤とからなるグループの中から選択した化合物を含んでいて、
(B)と(C)は異なる化合物である。
【0004】
成分(B)と成分(C)を成分(A)と組み合わせて用いると、驚くべきことに、真菌に対する成分(A)の有効性が著しく増大すること、そしてその逆も同様であることがわかった。さらに、本発明の方法は、この方法の有効成分を単独で用いて闘うことができるよりも広いスペクトルの真菌に対して有効である。
【0005】
本発明の別の特徴は、植物病原体によって有用な植物またはその増殖材料に起こる病気を制御する方法である。この方法は、その有用な植物、その植物が生えている場所、その増殖材料のいずれかに、本発明の組成物を施用する操作を含んでいる。
【0006】
好ましいのは、植物病原体によって有用な植物またはその増殖材料に起こる病気を制御するため、有用な植物の増殖材料に本発明の組成物を施用する操作を含む方法である。
【0007】
一般式(I)の化合物と、市販されている公知の化合物から出発してその化合物を製造する方法は、WO 03/074491に記載されている。一般式(I)の化合物:
【化4】

は2つのキラル中心(*印で強調)を持っており、4つの異なる立体異性体が存在する。すなわち2つのトランス異性体と2つのシス異性体である(“トランス”と“シス”は、フェニル部分に直接結合するシクロプロピル環の位置における立体化学を特徴づけるのに用いられる)。本発明には、このようなすべての立体異性体を含む組成物と、その立体異性体が任意の比率になった混合物が含まれる。
【0008】
本発明の好ましい一実施態様は、成分A)として一般式(I)の化合物のトランス異性体(ラセミ形態が好ましい)を含む組成物である。本発明の別の好ましい一実施態様は、成分A)として一般式(I)の化合物のシス異性体(ラセミ形態が好ましい)を含む組成物である。本発明の別の好ましい一実施態様は、成分A)として、ラセミトランス異性体とラセミシス異性体のトランス/シス比が1:1〜100:1である(例えば1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、50:1、100:1のいずれか)混合物を含む組成物である。より好ましいのは比が2:1〜100:1の場合であり、比は4:1〜10:1であることがさらに好ましい。
【0009】
成分(B)と成分(C)は公知である。成分(B)と成分(C)が『病虫害防除剤マニュアル』(病虫害防除剤マニュアル - 世界総目録;第13版;編者:C.D.S. Tomlin;イギリス作物保護カウンシル)に含まれている場合には、具体的な成分(B)または成分(C)に関して上に示したように、この本の中に丸い括弧で括られた登録番号を付して記載されている。例えば“アバメクチン”という化合物は、登録番号(1)として記載されている。成分(B)と成分(C)の大半は、この明細書の上の部分にいわゆる“一般名”で示した。以下の成分(C)は、CAS登録番号で登録されている。それは例えばペンチオピラド(CAS-183675-82-3)、オリサストロビン(CAS-248593-16-0)である。一般式(B-1)の化合物はヨーロッパ特許第0-936-213号に記載されており、エネストロビンとしても知られている。一般式(C-1)の化合物はWO 03/015519に記載されている。一般式(C-2)の化合物はヨーロッパ特許第1-006-107-A2号に記載されており、CAS-272451-65-7として登録され、フルベンジアミドとしても知られている。
【0010】
成分(C)として特に適した化合物の例は、以下のグループPの中から選択される。
【0011】
グループP:本発明の組成物において成分(C)として特に適した化合物:
アザコナゾール(40)、ブロムコナゾール(96)、シプロコナゾール(207)、ジフェノコナゾール(247)、ジニコナゾール(267)、ジニコナゾール-M(267)、エポキシコナゾール(298)、フェンブコナゾール(329)、フルキンコナゾール(385)、フルシラゾール(393)、フルトリアフォル(397)、ヘキサコナゾール(435)、イマザリル(449)、イミベンコナゾール(457)、イプコナゾール(468)、メトコナゾール(525)、ミクロブタニル(564)、オクスポコナゾール(607)、ペフラゾエート(618)、ペンコナゾール(619)、プロクロラズ(659)、プロピコナゾール(675)、プロチオコナゾール(685)、シメコナゾール(731)、テブコナゾール(761)、テトラコナゾール(778)、トリアジメホン(814)、トリアジメノール(815)、トリフルミゾール(834)、トリチコナゾール(842)、ジクロブトラゾール(1068)、エタコナゾール(1129)、フルコナゾール(1198)、フルコナゾール-シス(1199)、キンコナゾール(1378)からなるグループの中から選択されるアゾール系殺真菌剤;
シプロジニル(208)、メパニピリム(508)、ピリメタニル(705)からなるグループの中から選択されるアニリノ-ピリミジン系殺真菌剤;
アゾキシストロビン(47)、ジモキシストロビン(226)、フルオキサストロビン(382)、クレソキシム-メチル(485)、メトミノストロビン(551)、オリサストロビン、ピコキシストロビン(647)、ピラクロストロビン(690)、トリフロキシストロビン(832)、一般式(B-1)の化合物:
【化5】

からなるグループの中から選択されるストロビルリン系殺真菌剤;
ベナラキシル(56)、ベナラキシル-R、フララキシル(410)、メタラキシル(516)、メフェノキサム(メタラキシル-M)(517)からなるグループの中から選択されるアシルアラニン系殺真菌剤;
ベノミル(62)、カルベンダジム(116)、フベリダゾール(419)、チアベンダゾール(790)からなるグループの中から選択されるベンゾイミダゾール系殺真菌剤;
シルチオファム、フラメトピル、ペンチオピラドからなるグループの中から選択される殺真菌剤;
アバメクチン、クロチアニジン、シロマジン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、安息香酸エマメクチン、フェノキシカルブ、ホスチアゼート、イミダクロプリド、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、メチダチオン、メチオカルブ、プロフェノホス、ピメトロジン、スピノサド、テフルトリン、チアメトキサム、チオジカルブ、一般式(C-1)の化合物、一般式(C-2)の化合物からなるグループの中から選択される殺虫剤。
【0012】
以下の組成物が好ましい:
一般式(I)の化合物と、(B)フルジオキソニルと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
一般式(I)の化合物と、(B)メタラキシルと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
一般式(I)の化合物と、(B)メフェノキサムと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
一般式(I)の化合物と、(B)シプロジニルと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
一般式(I)の化合物と、(B)アゾキシストロビンと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
一般式(I)の化合物と、(B)テブコナゾールと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
一般式(I)の化合物と、(B)ジフェノコナゾールと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
一般式(I)の化合物と、(B)チアベンダゾールと、(C)グループPの中から選択した1つの化合物とを含む組成物。
【0013】
このような好ましい組成物の一例は、一般式(I)の化合物と、(B)フルジオキソニルと、(C)グループPの中から選択した第1の化合物(アザコナゾール)を含む組成物である。
【0014】
別の好ましい組成物は、成分(B)としてフルジオキソニルを含み、成分(C)としてアゾール系殺真菌剤、ストロビルリン系殺真菌剤、アシルアラニン系殺真菌剤、ベンゾイミダゾール系殺真菌剤のいずれかを含む組成物である。このような組成物のうちで好ましい成分(C)は、ジフェノコナゾール、メフェノキサム、チアメトキサムのいずれかであり、より一層好ましいのは、ジフェノコナゾールまたはメフェノキサムである。
【0015】
別の好ましい組成物は、成分(B)としてメフェノキサムまたはメタラキシルを含み、成分(C)としてアゾール系殺真菌剤、ストロビルリン系殺真菌剤、アシルアラニン系殺真菌剤、ベンゾイミダゾール系殺真菌剤のいずれかを含む組成物である。このような組成物のうちで好ましい成分(C)は、ジフェノコナゾール、アゾキシストロビン、テブコナゾール、チアベンダゾールのいずれかであり、より一層好ましいのは、ジフェノコナゾールまたはテブコナゾールである。
【0016】
本発明のさらに別の一実施態様は、成分(B)としてシプロジニル、アゾキシストロビン、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、チアベンダゾールのいずれかを含む混合物である。
【0017】
この明細書全体を通じ、“組成物”という表現は、成分(A)と成分(B)と成分(C)のさまざまな混合物または組み合わせを表わす。例えば、単一の“そのまま使用できる混合物”形態、単一の活性成分からなる別々の調製物から構成された組み合わせスプレー混合物(例えば“タンク混合物”)、複数の単一の活性成分を順番に(すなわち妥当な短期間(数時間または数日)に1つずつ)施用する組み合わせ使用がある。本発明が機能する上で成分(A)と成分(B)と成分(C)を施用する順番は重要ではない。
【0018】
本発明の組成物は、1種類以上の追加の病虫害防除剤も含むことができる。本発明によるそのような組成物の一例は、
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、シプロジニルとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、シプロジニルと、チアメトキサムとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、ジフェノコナゾールとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、アゾキシストロビンとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、アゾキシストロビンと、チアベンダゾールとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、チアベンダゾールとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、チアメトキサムとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、メフェノキサムと、テフルトリンとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、ジフェノコナゾールと、チアメトキサムとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、フルジオキソニルと、ジフェノコナゾールと、テフルトリンとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、メフェノキサムと、チアベンダゾールと、アゾキシストロビンとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、メフェノキサムと、ジフェノコナゾールと、チアメトキサムとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、メフェノキサムと、チアベンダゾールと、チアメトキサムとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、メフェノキサムと、ジフェノコナゾールと、テフルトリンとを含む組成物、または
一般式(I)の化合物と、メフェノキサムと、チアベンダゾールと、テフルトリンとを含む組成物である。
【0019】
本発明の組成物は、有害な微生物(例えば植物病原性の真菌と細菌)に対して有効である。微生物は、植物病原性真菌であることが好ましい。
【0020】
活性成分の組み合わせは、以下のクラスの植物病原性真菌に対して特に有効である:子嚢菌類(例えばベンチュリア、ポドスフェラ、エリシフェ(ウドンコカビ)、モニリニア、ミコスフェレラ(コタマカビ)、ウンキヌラ);担子菌類(例えばヘミレイア属、リゾクトニア属、プクキニア属、ウスチラゴ属、ティレティア属);不完全菌類(例えばボトリチス、ヘルミントスポリウム、リンコスポリウム、フザリウム、セプトリア、ケルコスポラ、アルテルナリア、ピリクラリア、プソイドケルコスポレラ・ヘルポトリコイデス);卵菌類(例えばフィトフトラ(エキビョウキン)、ペロノスポラ(ツユカビ)、プソイドペロノスポラ(ニセツユカビ)、アルブゴ(シロサビキン)、ブレミア、ピチウム(フハイカビ)、プソイドスクレロスポラ、プラスモパラ(タンジクツユカビ))。
【0021】
本発明によれば、“有用な植物”には、一般に以下の植物種が含まれる:ブドウの木;穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギなど);ビート(サトウダイコン、飼料ビート);果実(梨果、核果、小果実などの果実であり、例えばリンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリーがある);マメ類(インゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメ、ダイズ);油性植物(セイヨウアブラナ、カラシ、ポピー、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ヒマ、カカオマメ、ピーナツ);ウリ科植物(カボチャ、キュウリ、メロン);繊維植物(ワタ、アマ、アサ、ジュート);柑橘類(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ミカン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物、パプリカ);クスノキ科(アボカド、シナモン、ショウノウ);トウモロコシ;タバコ;ナッツ;コーヒー;サトウキビ;茶;ブドウの木;ホップ;ドリアン;バナナ;天然ゴムの木;芝または装飾植物(花、潅木、葉の広い樹木、常緑樹(針葉樹など))。このリストにはあらゆる有用な植物が挙げられているわけではない。
【0022】
“有用な植物”という用語には、品種改良または遺伝子工学の従来法を用いた結果として除草剤(例えばブロモキシニル)やさまざまなクラスの除草剤(例えばHPPD阻害剤、ALS阻害(例えばプリミスルフロン、プロスルフロン、トリフロキシスルフロン)、EPSPS(5-エノール-ピロビル-シキメート-3-ホスフェート-シンターゼ)阻害剤、GS(グルタミンシンテターゼ)阻害剤、PPO(プロトポルフィリノーゲン-オキシダーゼ)阻害剤)に対して耐性にされた有用な植物も含まれるものとする。従来の品種改良法(突然変異誘発)によってイミダゾリノン(例えばイマザモクス)に対して耐性を持つようにされた作物の一例は、クリアフィールド(登録商標)サマーレイプ(カノラ)である。遺伝子工学の方法によって除草剤やさまざまなクラスの除草剤に対して耐性を持つようにされた作物の例としてグリホサート耐性トウモロコシとグルホシネート耐性トウモロコシのさまざまな品種があり、ラウンドアップレディ(登録商標)、ハーキュレックスI(登録商標)、リバティリンク(登録商標)の商標名で市販されている。
【0023】
“有用な植物”という用語には、組み換えDNA技術を利用することで、選択的に作用する1種類以上の毒素(例えば毒素産生細菌、特にバシラス属の細菌からの毒素)を合成できるように改変された有用な植物も含まれるものとする。
【0024】
“有用な植物”という用語には、組み換えDNA技術を利用することで、選択的な作用を有する抗病原物質(例えばいわゆる“病原関連タンパク質”(PRP、例えばヨーロッパ特許EP-A-0 392 225を参照のこと))を合成できるように改変された有用な植物も含まれるものとする。そのような抗病原物質と、そのような抗病原物質を合成できるトランスジェニック植物は、例えばヨーロッパ特許EP-A-0 392 225、WO 95/33818、ヨーロッパ特許EP-A-0 353 191によって公知である。そのようなトランスジェニック植物の生産方法は当業者に広く知られており、例えば上記の公開公報に記載されている。
【0025】
この明細書で有用な植物の“場所”という用語には、有用な植物の植物増殖材料を播くか土の中に移すかした結果としてその有用な植物が成長している場所が含まれるものとする。そのような場所の一例は、作物が成長している畑である。
【0026】
“植物増殖材料”という用語は、植物のうちでその植物を増やすのに使用できる生殖部分(例えば種子)や、生長材料(切れ端や塊茎(例えばジャガイモ))を意味するものとする。例として、(厳密な意味での)種子、根、果実、塊茎、球根、地下茎、植物のいろいろな部分などが挙げられよう。発芽した植物と、発芽後または土から芽を出した後に移植されることになる若い植物も挙げられる。若い植物は、移植する前に全体または一部を浸漬処理して保護するとよい。“植物増殖材料”は、種子を意味することが好ましい。
【0027】
本発明の組成物は、保存品を真菌の攻撃から保護する分野でも利用することができる。本発明によれば、“保存品”という用語は、自然の生命サイクルから取り出されていて長期にわたって保護することが望ましい植物起源および/または動物起源の天然物質と、それを処理した形態を意味するものとする。植物起源の保存品(例えば植物またはその一部(例えば茎、葉、塊茎、種子、果実、穀粒))は、収穫したばかりの状態で、または処理した状態(例えばあらかじめ乾燥させた状態、湿らせた状態、粉末化した状態、粉砕した状態、圧縮した状態、ローストした状態)で保護することができる。保存品の定義には材木も含まれる。材木は、素材のままの材木の形態(例えば建築用木材、電柱、障壁)でも、完成品の形態(例えば木でできた家具や製品)でもよい。動物起源の保存品は、獣皮、なめし革、毛皮、体毛などである。本発明の組成物は、退色、脱色、かびなどの好ましくない効果を予防することができる。“保存品”は、植物起源の天然物質および/またはそれを処理した形態を意味することが好ましく、果実(梨果、核果、小果実、柑橘類など)とそれを処理した形態を意味することがより好ましい。本発明の別の好ましい一実施態様では、“保存品”は木を意味する。
【0028】
したがって本発明の別の特徴は、保存品を保護するため、その保存品に本発明の組成物を施用する操作を含む方法である。
【0029】
本発明の組成物は、技術的材料を真菌の攻撃から保護する分野でも使用することができる。本発明によれば、“技術的材料”という用語には、紙、絨毯、建造物、冷暖房システム、壁板、換気・空調システムなどが含まれる。“技術的材料”は壁板を表わすことが好ましい。本発明の組成物は、退色、脱色、かびなどの好ましくない効果を予防することができる。
【0030】
本発明の組成物は、種子や土が媒介する病気に対して特に有効である。その病気の病原体は、例えば、うどんこ病病原体、アルテルナリア属、アスコキタ属、アスペルギルス属、ペニシリウム属、ボトリチス・キネレア、ケルコスポラ属、クラビケプス・プルプレア(麦角菌)、コクリオボルス・サティブス、コレトリチュム属、ジプロディア・マイディス、エピコックム属、フザリウム・クルモルム、フザリウム・グラミネアルム、フザリウム・モニリフォルム、フザリウム・オキシスポルム、フザリウム・プロリフェラトゥム、フザリウム・ソラニ、フザリウム・スブグルチナンス、ゴイマンノミケス・グラミニス、ヘルミントスポリウム属、ミクロドチウム・ニバーレ、フォマ属、フィトフトラ属、プラスモパラ属、ピレノフォラ・グラミネア、ピリクラリア・オリゼ、ピチウム属、リゾクトニア・ソラニ、リゾクトニア・ケレアリス、スクレロティニア属、セプトリア属、スファケロテカ・レイリアナ、ティエラビオプシス・バシコラ、ティレティア属、ティフラ・インカルナタ、ウロキスティス・オクルタ、ウスチラゴ属、ベルチキリウム属である。本発明の組成物は特に、穀物(例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ);トウモロコシ;イネ;ワタ;ダイズ;芝;テンサイ;アブラナ;ジャガイモ;マメ類(例えばエンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ);ヒマワリの病原体に対して有効である。本発明の組成物はさらに、さび病、うどんこ病、斑点病、夏枯れ病、かび、収穫後の病気に対して特に有効であり、その中でも特に、穀物のプクキニア;ダイズのファコスポラ;コーヒーのヘミレイア;バラのフラグミジウム;ジャガイモ、トマト、ウリ科植物のアルテルナリア;野菜、ヒマワリ、アブラナのスクレロティニア;ブドウの木の黒腐病、レッド・ファイア病、うどんこ病、灰色かび病、つる割病;果実のボトリチス・キネレア;果実のモニリニア属;果実のペニシリウム属に対して有効である。本発明の組成物は、有用なさまざまな植物またはその種子で多数の真菌を制御する上で特に興味深い。有用な植物としては、特に田畑の作物(例えばジャガイモ、タバコ、テンサイ、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ、芝、ワタ、ダイズ、アブラナ、マメ類、ヒマワリ、コーヒー、サトウキビ、果実)、園芸における鑑賞植物、ブドウの木、野菜(キュウリ、マメ類、ウリ科植物)などがある。
【0031】
本発明の組成物は、以下の植物の病原体を制御するのに特に役立つ。
果実および野菜のアルテルナリア属;マメ類のアスコキタ属;イチゴ、トマト、ヒマワリ、ブドウのボトリチス・キネレア(灰色かび病);ピーナツのケルコスポラ・アラキディコラ;穀物のコクリオボルス・サティブス;マメ類のコレトトリチュム属;穀物のエリシフェ属;穀物とトウモロコシのフザリウム・グラミネアルム;穀物のフザリウム・クルモルム;ワタ、ダイズ、ジャガイモのフザリウム属;トウモロコシのフザリウム・モニリフォルメ;トウモロコシのフザリウム・プロリフェラトゥム;トウモロコシのフザリウム・スブグルティナンス;トウモロコシのフザリウム・オキシスポルム;穀物と芝のゴイマンノミケス・グラミニス;イネのギベレラ・フジクロイ;トウモロコシのヘルミントスポリウム・マイディス;イネのヘルミントスポリウム属;ジャガイモのヘルミントスポリウム・ソラニ;コーヒーのヘミレイア・バスタトリクス;コムギとライムギのミクロドチウム属;エンドウマメのミコスフェラ・ピノイデス;ダイズのファコスポラ・パチリジ;穀物のプクキニア属;バラのファラグミジウム・ムクロナツム;テンサイのフォマ属;ジャガイモのフォマ・エクシグア;穀物、ワタ、トウモロコシ、ダイズのピチウム属;ヒマワリのプラスモパラ・ハルステディ;オオムギのピレノフォラ・グラミネア;イネのピリクラリア・オリゼ;ワタ、ダイズ、穀物、トウモロコシ、ジャガイモ、イネ、芝のリゾクトニア属;芝のスクレロティニア・ホメオカルパ;穀物のセプトリア属;トウモロコシのスファケロテカ・レリアナ;穀物のティレティア属;オオムギのティフラ・インカルナタ;ブドウの木のウンキヌラ・ネカトール、ギグナルディア・ビドウェリ、フォモプシス・ビティコラ;ライムギのウロキスティス・オクルタ;穀物とトウモロコシのウスティラゴ属;核果のモニリニア・フルクティコラ;果実のモニリニア・フルクティゲナ;核果のモニリニア・ラクサ;柑橘類のペニシリウム・ディギタトゥム;リンゴのペニシリウム・エクスパンスム;柑橘類のペニシリウム・イタリクム。
【0032】
本発明の組成物は、病虫害の制御の分野において、たとえわずかな施用量でも予防および/または治療に有効な活性成分である。この組成物は非常に好ましい殺生物スペクトルを持っていて、しかも温血動物、魚、植物はこの組成物に対する耐性が非常に大きい。
【0033】
本発明の活性成分のうちのいくつかは、通常は感受性がある害虫(例えば昆虫または代表的なダニ目)のすべての成長段階または個々の成長段階を阻害するように作用するが、それだけでなく耐性を持つ害虫に対しても作用する。本発明による活性成分の殺虫活性または殺ダニ活性は、直接的に(すなわちただちに、またはしばらく時間が経過してから(例えば脱皮の間に)起こる昆虫の死に)、または間接的に(例えば産卵率および/または孵化率の低下(殺害率(死亡率)が少なくとも50〜60%に対応する優れた活性)に)現われる。
【0034】
上記の害虫の具体例として、
ダニ目からは、例えば、
アシブトコナダニ、アケリア・シェルドニ、リンゴサビダニ、アンブリオンマ属、アルガス属、ボーフィルス属、ブレビパルプス属、クローバーハダニ、カリピトリメルス属、コリオプテス属、ワクモ、エオテトラニクス・カルピニ、エリオフィエス属、ヒアロンマ属、イクソデス属、オリゴニクス・プラテンシス、オルニトドロス属、パノニクス属、フィロコプトゥルータ・オレイボラ、チャノホコリダニ、プソロプテス属、リピケファルス属、リゾグリフス属、サルコプテス属、タルソネムス属、テトラニクス属;
シラミ目からは、例えば、
ハエマトピヌス属、リノグナトゥス属、ペディクルス属、ペンフィグス属、フィロキセラ属;
鞘翅目からは、例えば、
アグリオテス属、アントノムス属、アトマリア・リネアリス、チャエトクネマ・ティビアリス、コスモポリテス属、クルクリオ属、デルメステス属、ディアブロティカ属、エピラクナ属、エレムヌス属、コロラドハムシ、リソロプトルス属、メロロンタ属、オリケフィルス属、オティオリンクス属、フリクティヌス属、ポピリア属、プシリオデス属、リゾペルタ属、コガネムシ科、シトフィルス属、シトトロガ属、テネブリオ属、トリボリウム属、トロゴデルマ属;
双翅目からは、例えば、
アエデス属、アンテリゴナ・ソッカータ、ビビオ・ホルトゥラニス、カロフォラ・エリトロケファラ、ケラティティス属、クリソミア属、クレックス属、クテレブラ属、ダクス属、キイロショウジョウバエ、ファンニア属、ガストリフィルス属、グロッシナ属、ヒポデルマ属、ヒッポボスカ属、リリオミザ属、ルキリア属、メラナグロミザ属、ムスカ属、オエストルス属、オルセオリア属、オスキネラ・フリット、アカザモグリハナバエ、フォルビア属、ラゴレティス・ポモネラ、スキアラ属、ストモクシス属、タバヌス属、タンニア属、ティプラ属;
異翅目からは、例えば、
キメックス属、ディスタンティエラ・テオブロマ、ディスデルクス属、エウキストゥス属、エウリガスター属、レプトコリサ属、ネザラ属、ピエスマ属、ロドニウス属、サールベルゲラ・シングラリス、スコティノファラ属、トリアトマ属;
同翅目からは、例えば、
アレウロトリクス・フロッコスス、アレイロデス・ブラシケ、アオニディエラ属、アブラムシ科、アフィス属、アスピディオトゥス属、タバココナジラミ、ケロプラスター属、アカホシマルカイガラムシ、オンシツマルカイガラムシ、ヒラタカタカイガラムシ、エンポアスカ属、エリオソーマ・ラリゲルム、エリトロネウラ属、ガスカルディア属、ラオデルファックス属、レカニウム・コミ、レピドサフェス属、マクロシフス属、ミズス属、ネフォテティックス属、ニラパルバータ属、パラトリア属、ペンフィグス属、プラノコクス属、プセウダウラカプシス属、プセウドコクス属、プシラ属、プルビナリア・アエティオピカ、クアドラスピディオトゥス属、ロパロシフム属、サイセティア属、スカフォイデウス属、スキザフィス属、シトビオン属、オンシツコナジラミ、トリオザ・エリトレアエ、ウナスピス・キトリ;
膜翅目からは、例えば、
アクロミルメックス、アッタ属、ケフス属、ディプリオン属、ギルピニア・ポリトーマ、ホプロカンパ属、ラシウス属、イエヒメアリ、ネオディプリオン属、ソレノプシス属、ベスパ属;
等翅目からは、例えば、
レティクルテルメス属;
鱗翅目からは、例えば、
アクレリス属、アドキソフィエス属、アエゲリア属、アグロティス属、アメリカワタノミガ、アミロイス属、アンティカルシア・ゲンマタリス、アルキプス属、アルギロタエニア属、オートグラファ属、アフリカモロコシガ、スジマダラメイガ、モモヒメシンクイガ、キロ属、コリストネウラ属、クリシア・アンビグエラ、クナファロクロキス属、クネファシア属、コキリス属、コレオフォラ属、ケブカノメイガ、クリプトフレビア・レウコトレタ、キディア属、ディアトラエア属、ディアパロプシス・カスタネア、エアリアス属、エフェスティア属、エウコスマ属、ブドウホソハマキ、エウプロクティス属、エウクソア属、グラフォリタ属、ヘディア・ヌビフェラナ、ヘリオティス属、ハイマダラメイガ、アメリカシロヒトリ、ケイフェリア・リコペルシケラ、レウコプテラ・スキテラ、リトコレティス属、ロベシア・ボトラナ、リマントリア属、リオネティア属、マラコソマ属、マメストラ・ブラシケ、タバコスズメガ、オペロフテラ属、オストリニア・ヌビラリス、パンメネ属、パンデミス属、マツキリガ、ワタアカミムシガ、ジャガイモキバガ、モンシロチョウ、ピエリス属、コナガ、プライス属、スキルポファガ属、セサミア属、スパルガノティス属、スポドプテラ属、シナンテドン属、タウメトポエア属、トルトリックス属、トリコプルシア・ニイ、イポノメウタ属;
ハジラミ目からは、例えば、
ダマリネア属、トリコデクテス属;
直翅目からは、例えば、
ブラッタ属、ブラテラ属、グリロタルパ属、レウコファエア・マデラエ、ロクスタ属、ペリプラネタ属、スキストケルサ属;
チャタテムシ目からは、例えば、
リポスケリス属;
隠翅目からは、例えば、
ケラトフィルス属、クテノケファリデス属、ケオプスネズミノミ;
総翅目からは、例えば、
フランクリニエラ属、ヘルキノトリプス属、スキルトリプス・アウランティ、タエニオトリプス属、ミナミキイロアザミウマ、ネギアザミウマ;
総尾目からは、例えば、
セイヨウシミがある。
【0035】
本発明の活性成分は、特に植物に発生する上記のタイプの害虫を制御(すなわち抑制または殺傷)するのに使用できる。植物としては、特に、農業、園芸、林業において有用な植物と装飾植物や、そのような植物の器官(果実、花、葉、茎、塊茎、根など)が挙げられる。場合によってはさらに、時間が経過した後の時点で形成される植物器官でさえ、こうした害虫から保護された状態が維持される。
【0036】
一般に、成分(A)と成分(B)の重量比、成分(A)と成分(C)の重量比、成分(B)と成分(C)の重量比は、1000:1〜1:1000である
【0037】
このような重量比の一例は、一般式(I)の化合物:フルジオキソニル:ジフェノコナゾールの重量比が10:1:1の組成物である。この例では、一般式(I)の化合物:フルジオキソニルの重量比、すなわちA:Bは10:1であり、一般式(I)の化合物:ジフェノコナゾールの重量比、すなわちA:Cは10:1であり、フルジオキソニル:ジフェノコナゾールの重量比、すなわちB:Cは1:1である。
【0038】
本発明の一実施態様では、成分(C)は殺真菌剤である。本発明のこの実施態様では、(A)と(B)の重量比、(A)と(C)の重量比、(B)と(C)の重量比は、100:1〜1:100であることが好ましく、20:1〜1:20であることがより好ましく、10:1〜1:10であることがより一層好ましい。
【0039】
本発明の別の一実施態様では、成分(C)は殺虫剤である。本発明のこの実施態様では、(A)と(B)の重量比、(A)と(C)の重量比、(B)と(C)の重量比は、400:1〜1:400であることが好ましい。本発明のこの実施態様でより好ましいのは、(A)と(B)の重量比と、(A)と(C)の重量比が、100:1〜1:100であり、(B)と(C)の重量比が、100:1〜1:400になっていることである。それ以上に好ましいのは、(A)と(B)の重量比が20:1〜1:20であり、(A)と(C)の重量比が20:1〜1:100であり、(B)と(C)の重量比が20:1〜1:400になっていることである。より一層好ましいのは、(A)と(B)の重量比が10:1〜1:10であり、(A)と(C)の重量比が10:1〜1:80であり、(B)と(C)の重量比が20:1〜1:400になっていることである。成分(C)が殺虫剤である本発明の一実施態様では、(A)と(B)の重量比は10:1〜1:5であり、(A)と(C)の重量比は1:1〜1:20であり、(B)と(C)の重量比は1:1〜1:100である。
【0040】
驚くべきことに、成分(B)と(C)の組み合わせに対する成分(A)の重量比がある値だと相乗活性が得られることがわかった。したがって本発明のさらに別の特徴は、成分(A)と成分(B)と成分(C)が相乗効果を生み出すような量で存在している組成物である。この相乗活性は、成分(A)と成分(B)と成分(C)を含む組成物の殺真菌活性が、成分(A)の殺真菌活性と、成分(B)と(C)の組み合わせの殺真菌活性とを合計したよりも大きいという事実から明らかである。この相乗活性は、成分(A)と成分(B)と成分(C)の作用範囲を2通りのやり方で広げる。第1に、成分(A)と成分(B)と成分(C)の施用量を少なくしても作用は同じように良好な状態に留まる。これは、活性成分混合物が、個々の3つの成分がそのように少ない施用量では全体として無効である場合でさえ、植物病原体を相変わらず高度に制御できることを意味する。第2に、制御できる植物病原体のスペクトルが実質的に広くなる。
【0041】
しかし本発明の組成物は、殺真菌活性に関する実際の相乗作用に加え、別の驚くべき有利な特性も持つことができる。挙げることのできるそのような有利な特性の例は、分解性がより優れていること;毒物学的挙動および/または環境毒物学的挙動が改善されていること;有用な植物の性質が改善されること(例えば出芽、作物の収量、より発達した根系、若芽の増加、背丈の増加、葉の幅の増大、基部で枯れる葉の減少、より強い若芽、より緑が濃い葉、必要とされる肥料の減少、必要とされる種子の減少、より生産的な若芽、より早い開花、より早い種子の成熟、倒れる植物(挫折)の減少、苗条のより大きな生長、植物の活力の増大、早い発芽)である。
【0042】
本発明の組成物は全身作用を持っており、葉、土、種子を処理する殺真菌剤として使用できる。
【0043】
本発明の組成物を用いると、有用なさまざまな植物またはその一部(果実、花、葉、茎、塊茎、根)に発生する植物病原性微生物を抑制または破壊できると同時に、植物のうちであとから成長する部分も植物病原性微生物の攻撃から保護される。
【0044】
本発明の組成物は、植物病原性微生物、有用な植物、その植物が生えている場所、その増殖材料、微生物による攻撃の恐れがある保存品や技術的材料に施用することができる。
【0045】
本発明の組成物は、有用な植物、その増殖材料、保存品、技術的材料に微生物が感染する前、または感染した後に施用することができる。
【0046】
本発明による組成物の施用量は、さまざまな因子によって異なるであろう。因子としては、例えば、使用する化合物、処理する対象(植物、土、種子など)、処理のタイプ(スプレー、空中散布、種子のドレッシング)、処理の目的(予防、治療など)、制御する真菌のタイプ、施用時間などがある。
【0047】
有用な植物に施用するとき、成分(A)は、5〜2000g a.i./haの割合(特に10〜1000g a.i./ha(例えば50、75、100、200g a.i./ha))で、1〜5000g a.i./haの成分(B)(特に2〜2000g a.i./ha(例えば100、250、500、800、1000、1500g a.i./ha))および1〜5000g a.i./haの成分(C)(特に2〜2000g a.i./ha(例えば100、250、500、800、1000、1500g a.i./ha))と組み合わせて施用する。
【0048】
農業を実施する際には、本発明の組成物の施用量は、望む効果のタイプによって異なるが、一般に1ヘクタールにつき組成物の合計量が7〜12000gの範囲であり、この範囲は20〜4000gであることがより好ましい。
【0049】
本発明の一実施態様では、成分(C)は殺真菌剤である。この実施態様では、本発明の組成物を種子の処理に用いる場合には、種子100kgにつき成分(A)を0.5〜100gの割合(種子100kgにつき2.5〜40gであることが好ましく、種子100kgにつき5〜10gであることがより好ましい)で、成分(B)を種子100kgにつき0.01〜200gの割合(種子100kgにつき0.1〜50gであることが好ましく、種子100kgにつき1〜20gであることがより好ましい)で、成分(C)を種子100kgにつき0.01〜200gの割合(種子100kgにつき0.1〜50gであることが好ましく、種子100kgにつき1〜20gであることがより好ましい)で使用する。
【0050】
本発明の別の一実施態様では、成分(C)は殺虫剤である。この実施態様では、本発明の組成物を種子の処理に用いる場合には、種子100kgにつき成分(A)と(B)を一般に上に説明したような割合で施用し、成分(C)は種子100kgにつき0.01〜2000gの割合(種子100kgにつき0.1〜1000gであることが好ましく、種子100kgにつき1〜400gであることがより好ましい)で施用する。
【0051】
本発明の組成物は、従来からある任意の形態で使用できる。例えばツイン・パックの形態、種子を乾燥処理するための粉末(DS)、種子を処理するためのエマルジョン(ES)、種子を処理するための流動可能な濃縮液(FS)、種子を処理するための溶液(LS)、種子を処理するための水に分散可能な粉末(WS)、種子を処理するためのカプセル懸濁液(CF)、種子を処理するためのゲル(GF)、エマルジョン濃縮液(EC)、懸濁濃縮液(SC)、懸濁エマルジョン(SE)、カプセル懸濁液(CS)、水に分散可能な顆粒(WG)、乳化可能な顆粒(EG)、油中水型エマルジョン(EO)、水中油型エマルジョン(EW)、マイクロエマルジョン(ME)、油分散液(OD)、混和可能で流動可能な油(OF)、油と混和可能な液体(OL)、可溶性濃縮液(SL)、超低体積懸濁液(SU)、超低体積液体(UL)、原液(TK)、分散可能な濃縮液(DC)、湿潤化可能な粉末(WP)や、農業的に許容可能なアジュバントと組み合わせることが技術的に可能なあらゆる組成物の形態が可能である。
【0052】
このような組成物は、従来法で製造することができる。例えば、活性成分を組成物用の適切な不活性なアジュバント(希釈剤、溶媒、充填剤、場合によっては他の組成物用成分(界面活性剤、殺生物剤、凍結防止剤、固着剤、増粘剤や、アジュバントの効果をもたらす化合物など))と混合する方法による。長く持続する効果を予定する場合には、従来の徐放性組成物も使用できる。特に、スプレーの形態で施用する組成物(水に分散可能な濃縮液(例えばEC、SC、DC、OD、SE、EW、EOなど)、湿潤化可能な粉末、顆粒など)は、界面活性剤(湿潤剤、分散剤など)と、アジュバント効果をもたらす他の化合物(例えばホルムアルデヒドを、スルホン酸ナフタレン、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸リグニン、スルホン酸脂肪アルキル、エトキシル化されたアルキルフェノール、エトキシル化された脂肪アルコールのいずれかと縮合させた生成物)を含むことができる。
【0053】
種子ドレッシング用組成物は、本発明の組成物と希釈液を、適切な種子ドレッシング用組成物の形態にして(例えば水性懸濁液として)、または種子への接着が優れた乾燥粉末の形態にして、公知の方法で種子に施用する。このような種子ドレッシング用組成物は従来技術で知られている。種子ドレッシング用組成物は、単一の活性成分、または活性成分の組み合わせをカプセルに入れた形態(例えば徐放性のカプセルまたはマイクロカプセル)で含むことができる。
【0054】
一般に、組成物は、0.01〜90重量%の活性剤と、0〜20重量%の農業的に許容可能な界面活性剤と、10〜99.99重量%の固体または液体の組成物用の不活性成分およびアジュバントとを含んでおり、活性剤は、一般式(I)の少なくとも、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)とからなり、場合によっては、他の活性剤(特に殺微生物剤や保存剤など)も含まれる。組成物の濃縮形態は、一般に、約2〜80重量%(約5〜70重量%が好ましい)の活性剤を含んでいる。施用形態の組成物は、例えば、0.01〜20重量%(0.01〜5重量%が好ましい)の活性剤を含んでいる。市販されている製品は濃縮液の形態にすることが好ましいが、エンド・ユーザーは、通常は希釈した組成物を使用することになろう。
【0055】
以下の実施例は本発明を説明するためのものである。“活性成分”は、成分(A)と成分(B)と成分(C)が特定の混合比になった混合物を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
組成物の実施例
【0057】
湿潤化可能な粉末 a) b) c)
活性成分[A):B):C)
=1:3:3(a)、1:2:2(b)、1:1:1(c)] 25% 50% 75%
リグノスルホン酸ナトリウム 5% 5% -
ラウリル硫酸ナトリウム 3% - 5%
ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム - 6% 10%
フェノールポリエチレングリコールエーテル-
(7〜8モルのエチレンオキシド) - 2% -
高分散ケイ酸 5% 10% 10%
カオリン 62% 27% -
【0058】
活性成分をアジュバントと完全に混合し、得られた混合物を適切なミルの中で完全に粉砕すると湿潤化可能な粉末が得られる。この湿潤化可能な粉末を水で希釈すると望む濃度の懸濁液が得られる。
【0059】
種子を乾燥処理するための粉末 a) b) c)
活性成分[A):B):C)
=1:3:3(a)、1:2:2(b)、1:1:1(c)] 25% 50% 75%
軽い鉱物油 5% 5% 5%
高分散ケイ酸 5% 5% -
カオリン 65% 40% -
タルク - - 20%
【0060】
活性成分をアジュバントと完全に混合し、得られた混合物を適切なミルの中で完全に粉砕する。すると種子の処理に直接使用できる粉末が得られる。
【0061】
乳化可能な濃縮液
活性成分(A):B):C)=1:6:6) 10%
オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル
(4〜5モルのエチレンオキシド) 3%
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3%
ヒマシ油ポリグリコールエーテル(35モルのエチレンオキシド) 4%
シクロヘキサノン 30%
キシレン混合物 50%
【0062】
植物の保護に使用できる必要なあらゆる希釈状態のエマルジョンは、この濃縮液を水で希釈することによって得られる。
【0063】
ダスト a) b) c)
活性成分[A):B):C)=
1:6:6(a)、1:2:2(b)、1:10:10(c)] 5% 6% 4%
タルク 95% - -
カオリン - 94% -
無機充填剤 - - 96%
【0064】
そのまま使用できるダストは、活性成分を基剤と混合し、得られた混合物を適切なミルの中で粉砕することによって得られる。この粉末は、種子のための乾燥ドレッシングに利用することもできる。
【0065】
押し出しによる顆粒
活性成分(A):B):C)=2:1:1) 15%
リグノスルホン酸ナトリウム 2%
カルボキシメチルセルロース 1%
カオリン 82%
【0066】
活性成分をアジュバントと混合して粉砕し、得られた混合物を水で湿らせる。この混合物を押し出した後、空気流の中で乾燥させる。
【0067】
コーティングされた顆粒
活性成分(A):B):C)=1:10:10) 8%
ポリエチレングリコール(分子量200) 3%
カオリン 89%
【0068】
細かく粉砕した活性成分を、ミキサーの中で、ポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに一様に施用する。ダストではないコーティングされた顆粒がこのようにして得られる。
【0069】
懸濁濃縮液
活性成分(A):B):C)=1:8:8) 40%
プロピレングリコール 10%
ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル
(15モルのエチレンオキシド) 6%
リグノスルホン酸ナトリウム 10%
カルボキシメチルセルロース 1%
シリコーン油(水中の75%エマルジョンの形態) 1%
水 32%
【0070】
細かく粉砕した活性成分をアジュバントと密に混合すると懸濁濃縮液が得られる。それを元にして水で希釈することにより、望むあらゆる希釈度の懸濁液が得られる。この希釈液を利用してスプレーすること、注ぐこと、浸漬することにより、生きた植物と植物増殖材料を処理するとともに、微生物の感染から保護することができる。
【0071】
種子を処理するための流動化可能な濃縮液
活性成分(A):B):C)=1:8:8) 40%
プロピレングリコール 5%
ブタノールPO/EOコポリマー 2%
10〜20モルのEOを含むトリスチレンフェノール 2%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(水中の20%溶液の形態) 0.5%
モノアゾ顔料カルシウム塩 5%
シリコーン油(水中の75%エマルジョンの形態) 0.2%
水 45.3%
【0072】
細かく粉砕した活性成分をアジュバントと密に混合すると懸濁濃縮液が得られる。それを元にして水で希釈することにより、望むあらゆる希釈度の懸濁液が得られる。この希釈液を利用してスプレーすること、注ぐこと、浸漬することにより、生きた植物と植物増殖材料を処理するとともに、微生物の感染から保護することができる。
【0073】
徐放性カプセル懸濁液
【0074】
一般式(I)の化合物と成分(B)と成分(C)の組み合わせ、またはこれらの化合物をそれぞれ別々にしたものを28部用意し、2部の芳香族溶媒および7部のジイソシアン酸トルエン/ポリフェニルイソシアン酸ポリメチレン混合物(8:1)と混合する。この混合物を、1.2部のポリビニルアルコールと、0.05部の消泡剤と、51.6部の水との混合物の中で乳化し、望む粒径を実現する。このエマルジョンに、2.8部の1,6-ジアミノヘキサンを含む5.3部の水を添加する。重合反応が完了するまでこの混合物を撹拌する。得られたカプセル懸濁液に0.25部の増粘剤と3部の分散剤を添加することによってそのカプセル懸濁液を安定化させる。このカプセル懸濁組成物は、活性成分を28%含んでいる。カプセルの直径の中間値は8〜15ミクロンである。得られた組成物は適切な専用の装置に入れた水性懸濁液として種子に施用する。
【0075】
生物での実施例
【0076】
2種類の活性成分の混合物(例えばB+C)と比較すると、3種類の活性成分(A+B+C)の所定の組み合わせで予想される作用(加算作用)Eは、以下のように計算することができる(Colby, S.R.、「除草剤の組み合わせの相乗応答と拮抗応答の計算」、Weeds、第15巻、20〜22ページ、1967年)。ただし、
ppm=スプレー混合物1リットル当たりの活性成分(= a.i.)のミリグラム数、
XBC=例えば活性成分の混合物(B+C)をp ppm用いることによる作用の%、
Z=活性成分A)をq ppm用いることによる作用の%である。
E = XBC + [Z (100- X)/100]
【0077】
したがって3種類の活性成分(A+B+C)の所定の組み合わせで観察される作用がコルビーの式から予想される作用よりも大きいのであれば、相乗効果が存在している。
【0078】
本発明の組成物の相乗効果を以下の実施例に示す。
【0079】
実際に観察される作用(O)が予想される作用(E)よりも大きい場合には、組み合わせた作用は超加算的である。すなわち相乗効果が存在している。数学的には、相乗効果は、(O - E)という差が正の値であることに対応する。活性が純粋に加算的(予想される活性)である場合には、この差(O - E)はゼロである。この差(O - E)が負の値であるというのは、予想される活性と比べて活性が失われていることを示す。
【0080】
実施例B-1:ピレノフォラ・グラミネアに対する活性
【0081】
低温保管した真菌の分生子を栄養ブロス(PDB:ジャガイモ・デキストロース・ブロス)の中に直接混合する。テスト化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウエルの形態)に入れた後、真菌の胞子を含むその栄養ブロスを添加する。試験プレートを24℃にてインキュベートし、72時間後に増殖の抑制をフォトメータで測定する。組み合わせた殺真菌剤の相互作用は、コルビーの方法に従って計算される。
【0082】
実施例B-1〜B-5で使用した化合物Aは、ラセミ形態になった一般式(I)の化合物のトランス異性体であった。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【0085】
【表3】

【0086】
【表4】

【0087】
実施例B-2:ゴイマンノミケス・グラミニスに対する活性
【0088】
新たに増殖させた真菌培養物の菌糸体の断片を栄養ブロス(PDB:ジャガイモ・デキストロース・ブロス)の中に直接混合する。テスト化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウエルの形態)に入れた後、真菌の胞子を含むその栄養ブロスを添加する。試験プレートを24℃にてインキュベートし、72時間後に増殖の抑制をフォトメータで測定する。組み合わせた殺真菌剤の相互作用は、コルビーの方法に従って計算される。
【0089】
【表5】

【0090】
実施例B-3:リゾクトニア・ソラニに対する活性
【0091】
低温保管した真菌の菌糸体の断片を栄養ブロス(PDB:ジャガイモ・デキストロース・ブロス)の中に直接混合する。テスト化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウエルの形態)に入れた後、真菌の胞子を含むその栄養ブロスを添加する。試験プレートを24℃にてインキュベートし、48時間後に増殖の抑制をフォトメータで測定する。組み合わせた殺真菌剤の相互作用は、コルビーの方法に従って計算される。
【0092】
【表6】

【0093】
【表7】

【0094】
【表8】

【0095】
【表9】

【0096】
実施例B-4:ピチウム・ウルティムムに対する活性
【0097】
新たに増殖させた真菌液体培養物の菌糸体の断片を栄養ブロス(PDB:ジャガイモ・デキストロース・ブロス)の中に直接混合する。テスト化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウエルの形態)に入れた後、真菌の胞子を含むその栄養ブロスを添加する。試験プレートを24℃にてインキュベートし、48時間後に増殖の抑制をフォトメータで測定する。組み合わせた殺真菌剤の相互作用は、コルビーの方法に従って計算される。
【0098】
【表10】

【0099】
実施例B-5:フザリウム・グラミネアルムに対する活性
【0100】
低温保管した真菌の分生子を栄養ブロス(PDB:ジャガイモ・デキストロース・ブロス)の中に直接混合する。テスト化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウエルの形態)に入れた後、真菌の胞子を含むその栄養ブロスを添加する。試験プレートを24℃にてインキュベートし、48時間後に増殖の抑制をフォトメータで測定する。組み合わせた殺真菌剤の相互作用は、コルビーの方法に従って計算される。
【0101】
【表11】

【0102】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物病原体によって起こる病気を制御するのに適した組成物であって、
(A)一般式(I)の化合物:
【化1】

またはそのような化合物の互変異性体と;
(B)フルジオキソニル、メタラキシル、メフェノキサム、シプロジニル、アゾキシストロビン、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、チアベンダゾールからなるグループの中から選択した殺真菌剤と;
(C)アゾール系殺真菌剤と;アニリノ-ピリミジン系殺真菌剤と;ストロビルリン系殺真菌剤と;アシルアラニン系殺真菌剤と;ベンゾイミダゾール系殺真菌剤と;シルチオファム、フラメトピル、ペンチオピラドからなるグループの中から選択した殺真菌剤と;アバメクチン、クロチアニジン、シロマジン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、安息香酸エマメクチン、フェノキシカルブ、ホスチアゼート、イミダクロプリド、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、メチダチオン、メチオカルブ、プロフェノホス、ピメトロジン、スピノサド、テフルトリン、チアメトキサム、チオジカルブ、一般式(C-1)の化合物:
【化2】


一般式(C-2)の化合物:
【化3】

からなるグループの中から選択した殺虫剤とからなるグループの中から選択した化合物とを含んでいて、
(B)と(C)は異なる化合物である組成物。
【請求項2】
(B)がフルジオキソニルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(C)がアゾール系殺真菌剤またはアシルアラニン系殺真菌剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
(B)がジフェノコナゾールまたはメフェノキサムである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
(B)がメフェノキサムまたはメタラキシルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
(B)がメフェノキサムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
(C)が、アゾール系殺真菌剤、ストロビルリン系殺真菌剤、アシルアラニン系殺真菌剤のいずれかである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
(B)が、ジフェノコナゾール、アゾキシストロビン、チアベンダゾールのいずれかである、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
(A)と(B)の重量比、(A)と(C)の重量比、(B)と(C)の重量比が、1000:1〜1:1000である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
植物病原体によって有用な植物またはその増殖材料に起こる病気を制御する方法であって、その有用な植物、その植物が生えている場所、その増殖材料のいずれかに、請求項1に記載の組成物を施用する操作を含む方法。
【請求項11】
上記有用な植物の増殖材料に請求項1に記載の組成物を施用する操作を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
保存品を保護する方法であって、その保存品に請求項1に記載の組成物を施用する操作を含む方法。

【公表番号】特表2009−526001(P2009−526001A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553674(P2008−553674)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001034
【国際公開番号】WO2007/090623
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】