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殺菌・消臭剤
説明

殺菌・消臭剤

【課題】この発明は、使用環境に於ける感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を容易且つ効果的に行うことができる殺菌・消臭剤、特に、安全性の面からも問題のないペット動物の感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を効果的に行うことができる殺菌・消臭剤を提供することを目的とする。
【解決手段】この発明は、設定粒径以下に微粒子化した銀を液体に混入して銀コロイド溶液を生成し、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイトを液体に混入してハイドロキシアパタイト溶液を生成し、前記銀コロイド溶液を前記ハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、設定粒径以下に微粒子化した銀コロイド溶液を、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成される銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなる殺菌・消臭剤に係り、特に、ペット動物の菌類の殺菌及び臭気成分の除去、種々の使用現場に於ける感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を、容易且つ効果的に行うことができる殺菌・消臭剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近時においては、犬・猫等のペット動物を室内で飼育することが増えている。ペット動物は、室内のペット用ケースで飼育され、また、室内の排泄用ケースで排泄行為を行うことになるため、ペット動物の身体、ペット用ケース、排泄用ケース、排泄物等に付いている菌類の殺菌や臭気成分の除去を行う必要がある。
【0003】
また、菌類の殺菌や臭気成分の除去を行う場合においては、実施する現場や着用する衣服・マスクなどの殺菌や臭気成分の除去を行う必要がある。
【0004】
従来のペット動物の殺菌・消臭剤としては、木酢液を乾燥粉末にした木酢液パウダーを利用したものがある。
【特許文献1】特開平2−14670号公報
【0005】
また、従来のペット動物の殺菌・消臭剤としては、茶抽出物等の消臭成分と、塩化物等の殺菌剤と、シリカ等の多孔性粉末と、を含有するものがある。
【特許文献2】特開2004−242516号公報
【0006】
さらに、現場や衣類などの殺菌・消臭剤としては、鉄イオンを含有する鉄錯体化合物溶液と有機過酸化物とを利用するものがあり、菌に汚染された物品を鉄錯体化合物溶液に接触させた後、有機過酸化物と接触させるものがある。
【特許文献3】特開平5−305126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来の殺菌・消臭剤においては、多種多様な菌類を殺菌することが困難であるため、複数種類の薬剤を用いる必要があり、殺菌力を高めると、ペット動物や使用者の身体、使用環境などに影響を及ぼす恐れがあった。このように、従来のペット動物の殺菌・消臭剤としては、有機系のものと金属系のものがあるが、多種多様な菌類を殺菌するためには、有機化学反応に基づく有機系のものよりも、物理的反応に基づく金属系殺菌・消臭剤の方が有利だと思われる。金属系では、銅、錫、亜鉛、銀、等を用いたものが知られている。このうち、銀を用いたものが安全性も高く効果も確実ある。しかしながら、銀は高価であるので、銀を細かく分散させて使う必要がある。銀をナノサイズの粒子にまで細分化して安定して分散させることは困難であった。
また、低濃度状況下でのナノサイズ銀粒子と菌との効率的接触を確保する必要がある。この目的で、菌や銀を効率良く補足し、ペット動物や人間に対し安全なものが求められるが、発明者らの鋭意研究の結果、この目的のために、これに骨に関係するリン酸カルシウム、この重合体であるヒドロキシアパタイトが良いことを発見した。ヒドロイキシアパタイトは、蛋白質やアミノ酸等の付着に優れており、ナノサイズ銀粒子と菌との効率的接触を確保する場を提供するものとして特に優れている。
また、従来の殺菌・消臭剤は、薬剤により臭気成分を除去しているため、消臭機能を維持するためには薬剤量を多くしなければならず、また、使用による薬剤の消臭機能の低下を回復するためには一定期間で交換する必要があった。
さらに、従来は、殺菌及び消臭を別々に行っていたため、手間がかかる問題があった。
【0008】
本発明は、ペット動物の体内に取り込ませ、あるいは体外に付着させることで、ペット動物の感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を容易且つ効果的に行うことができ、また、種々の使用現場に於ける感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を容易且つ効果的に行うことができる殺菌・消臭剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、設定粒径以下に微粒子化した銀を液体に混入して銀コロイド溶液を生成し、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイトを液体に混入してハイドロキシアパタイト溶液を生成し、前記銀コロイド溶液を前ハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明の殺菌・消臭剤は、設定粒径以下に微粒子化した銀コロイド溶液、及び設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイト溶液を混合・分散させることにより生成した、多種多様な菌類を殺菌し同時に臭気成分も除去することが可能な銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなる。
この場合、銀コロイド溶液は、ハイドロキシアパタイト溶液に混合した場合において、殺菌・消臭効果が最も有効に見られる所定濃度(例えば、2〜5ppm)になるように、液体に混入する微粒子化した銀の濃度を調製する。この銀コロイド溶液は、所定濃度(例えば、100ppm)の微粒子化したハイドロキシアパタイト溶液に混合・分散され、ハイドロキシアパタイト懸濁液を生成する。
生成されたハイドロキシアパタイト懸濁液は、ハイドロキシアパタイトの水酸基で微粒子化した銀が保持されるので、ハイドロキシアパタイトによって微粒子化した銀を懸濁液中に安定して存在させることができ、微粒子化した銀の銀イオンが菌類・臭気成分に接触し易い環境を維持させて接触機会を多くすることができ、銀イオンにより効率的に菌類・臭気成分を分解して殺菌効果・消臭効果を奏することができる。
これにより、この発明の殺菌・消臭剤は、特に、ペット動物の体内に取り込ませたり、あるいは体外に付着させたりすることで、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の殺菌効果により、ペット動物の感染菌類を不活性化して殺菌することができるとともに、この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の消臭効果によりペット動物の臭気成分を除去して容易に消臭することができる。
また、この殺菌・消臭剤は、ペット動物に限らず、噴霧剤、清拭材、衣服、マスク等に利用することで、使用環境に存在する感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を容易且つ効果的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の殺菌・消臭剤は、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の殺菌効果・消臭効果を利用して、ペット動物の殺菌・消臭、使用環境に存在する感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を行うものである。特に、この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液は、安全性が極めて高いものであるから、ペット動物の殺菌・消臭剤として、飲料ミネラルウォーター、飼料、噴霧剤、清拭材、シャンプー等に利用するものである。
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
図1〜図9は、この発明の実施例を示すものである。図1において、2は殺菌・消臭剤である。この殺菌・消臭剤2は、銀コロイド溶液4をハイドロキシアパタイト溶液6に分散させて生成される銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる。
【0013】
前記銀コロイド溶液4は、微粒子化した銀10を分散質とし、液体12を分散媒とし、微粒子化した銀10を液体12中に分散させて、所定濃度に調整して生成される。銀10は、電気分解、ジルコニウムを用いた機械的分散法等の技法により設定粒径以下、例えば、10nm(ナノメートル)以下、望ましくは4nm以下に微粒子化される。銀コロイド溶液4は、ハイドロキシアパタイト溶液6に混合した場合において、感染菌類を殺菌し臭気成分を除去し得る所定濃度、例えば、0.5〜100ppm、望ましくは1〜10ppm、さらに望ましくは2〜5ppmになるように、液体12中の微粒子化した銀10の濃度を調整する。
【0014】
微粒子化した銀10は、各微粒子上に存在する電荷によって液体12に浮遊し、液体12中に分散される。銀10は、殺菌力や消臭力を有している。微粒子化した銀10を分散する液体12は、例えば、銀イオンと反応するマイナスイオンを減少させた純水からなり、銀イオンの減少を防止される。
【0015】
前記ハイドロキシアパタイト溶液6は、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイト14を分散質として液体16の分散媒に懸濁し、所定濃度に調製して生成される。ハイドロキシアパタイト14は、六方晶系でリン酸カルシウムの一種であり、イオン交換能に優れ、アミノ酸、タンパク質、有機酸等と特異的に反応し、親水性(水との親和性)が良い。
【0016】
ハイドロキシアパタイト14は、適宜の技法により微粒子化した銀10の粒径よりも大きな粒径で且つ設定粒径以下に形成されている。例えば、ハイドロキシアパタイト14は、微粒子化した銀10の粒径の3倍以上且つ500nm以下、望ましくは、15〜150nmの微粒子に形成される。ハイドロキシアパタイト溶液6は、銀コロイド溶液4を混合した場合において、例えば、100ppmになるように、液体16中の微粒子化したハイドロキシアパタイト14の濃度を調整する。
【0017】
ハイドロキシアパタイト14は、チタン、珪酸塩、カルシウム系等の、無機系微粒子からなる。微粒子化したハイドロキシアパタイト14は、比表面積が大きく、多孔質であり、吸着能に優れている。微粒子化したハイドロキシアパタイト14を混入する液体16は、例えば、マイナスイオンを減少させた純水からなる。
【0018】
微粒子化した銀10を液体12中に分散させて所定濃度に調整した銀コロイド溶液4は、微粒子化したハイドロキシアパタイト14を液体16に懸濁して所定濃度に調整したハイドロキシアパタイト溶液6中に分散させて、微粒子化した銀10が所定濃度となり且つ微粒子化したハイドロキシアパタイト14が所定濃度となる銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8として生成される。
【0019】
生成されたハイドロキシアパタイト懸濁液8は、ハイドロキシアパタイト14の水酸基で微粒子化した銀10が保持されるので、ハイドロキシアパタイト14によって微粒子化した銀10を懸濁液中に安定して存在させることができ、微粒子化した銀10の銀イオンが菌類・臭気成分に接触し易い環境を維持させて接触機会を多くすることができ、銀イオンにより効率的に菌類・臭気成分を分解して殺菌効果・消臭効果を奏することができる。
【0020】
また、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、還元剤18を混入している。還元剤18は、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中の環境を還元状態に維持して微粒子化した銀10の酸化を防止するものであり、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、βカロチン、クエン酸中の、いずれか1種を銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8に混入する。還元剤の濃度は、例えば、1〜10mM(ミリモル)/Lである。
【0021】
さらに、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、必要に応じてペット動物の栄養源としての添加物20を混入している。添加物20としては、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル類がある。アミノ酸としては、例えば、必須アミノ酸:20種類、タウリン等のいずれか1つ以上を、濃度が1〜10mg/mlとなるように混入する。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンK等のいずれか1つ以上を、濃度が0.1〜1mg/mlとなるように混入する。ミネラル類としては、カルシウム、マグネシウム、カリウム、セレニウム等のいずれか1つ以上を、濃度が0.1〜1mg/mlとなるように混入する。
【0022】
次に作用を説明する。
【0023】
殺菌・消臭剤2は、微粒子化した銀10を液体12に分散させた銀コロイド溶液4を、微粒子化したハイドロキシアパタイト14を分散させたハイドロキシアパタイト溶液16に分散・混合させて生成される、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる。この際、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8は、必要に応じて還元剤18と添加物20とを混入して生成される。
【0024】
殺菌・消臭剤2を生成する場合は、図2に示すように、まず、銀10を電気分解等の技法により設定粒径(例えば、4nm)以下に微粒子化し(S1)、この微粒子化した銀10を液体12に混入して分散させ(S2)、銀コロイド溶液4を生成する(S3)。この場合、銀コロイド溶液4は、ハイドロキシアパタイト溶液16に分散させた状態において、ペット動物の菌類を殺菌し臭気成分を除去する所定濃度(例えば、2〜5ppm)になるように、微粒子化した銀10の濃度を調整される。また、銀コロイド溶液4は、マイナスイオンの少ない液体12に微粒子化した銀10を分散していることにより、銀イオンの減少を防止している。
【0025】
次いで、ハイドロキシアパタイト14を適宜の技法により設定粒径(例えば、15nm)以下に微微粒子化し(S4)、この微粒子化したハイドロキシアパタイト14を液体16に懸濁して(S5)、ハイドロキシアパタイト溶液6を生成する(S6)。このハイドロキシアパタイト溶液6は、銀コロイド溶液4を混合した場合に、所定濃度(例えば、100ppm)になるように、微粒子化したハイドロキシアパタイト14の濃度を調整される。また、ハイドロキシアパタイト溶液6は、微粒子化したハイドロキシアパタイト14を懸濁する液体16のマイナスイオンの少なくしていることにより、分散される銀コロイド溶液4の銀イオンの減少を防止している。
【0026】
前記調製した銀コロイド溶液4を、前記調整したハイドロキシアパタイト溶液6に分散・混合させて(S7)、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8を生成する(S8)。生成された銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、微粒子化した銀10が所定濃度(例えば、2〜5ppm)で分散され、微粒子化したハイドロキシアパタイト14が所定濃度(例えば、100ppm)で分散されている。
【0027】
この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8は、ハイドロキシアパタイト14の水酸基で微粒子化した銀10が保持されるので、ハイドロキシアパタイト14によって微粒子化した銀10を懸濁液中に安定して存在させることができ、微粒子化した銀10の銀イオンが菌類・臭気成分に接触し易い環境を維持させて接触機会を多くすることができ、銀イオンにより効率的に菌類・臭気成分を分解して殺菌効果・消臭効果を奏することができる。
【0028】
また、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、必要に応じて、微粒子化した銀10の酸化を防止する還元剤18及び/又は栄養源としての添加物20を混入し(S9)、殺菌・消臭剤2を得る(S10)。
【0029】
このように得られた銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなるペット動物用の殺菌・消臭剤2は、以下の殺菌作用に関する試験に示すように、殺菌効果を奏する。
【0030】
1.試験材料
1)被験物質
微粒子化した銀10の最終濃度を2.5ppm、微粒子化したハイドロキシアパタイト14の最終濃度を100ppmに調整した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8
2)使用したウイルス
(1)ヒト・インフルエンザウイルス A/Aichi/2/68(H3N2)
(2)イヌ・パルボウイルス Cp49株
3)反応条件
銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8とウイルス液を混合後、37℃、30分間振動して反応させ、その後、遠心して上清を試料として残存ウイルス数を測定した。
(1)のヒト・インフルエンザウイルスは、MDCK細胞を用いて測定した。
(2)のイヌ・パルボウイルスは、CRFK細胞を用いて測定した。
【0031】
2.試験結果
図3〜図5において、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8が無い場合(−)は、ヒト・インフルエンザウイルスが23,800残存し、イヌ・パルボウイルスが148,000残存した。
これに対して、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8が有る場合(+)は、ヒト・インフルエンザウイルスが100以下残存し、イヌ・パルボウイルスが38以下残存した。
このように、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる殺菌・消臭剤2は、ヒト・インフルエンザウイルス及びイヌ・パルボウイルスに対して、ほぼ完全(99.9%以上)に不活性化/除去作用を示した。
【0032】
また、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる殺菌・消臭剤2は、図6のガス吸着試験・静置試験の結果に示すように、消臭効果を奏する。
【0033】
このガス吸着試験・静置試験においては、試験用ガスとして、アンモニア、トリチルアミン、酢酸、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、硫化水素を使用し、1リットルテドラーバッグに銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる殺菌・消臭剤2のサンプル1gを入れ、試験用ガスを充填し、所定時間毎にガス検知管により濃度を測定した。
【0034】
なお、この試験においては、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる殺菌・消臭剤2の試験に合わせて、比較のために他の被験物質として、第1の被験物質と第2の被験物質とを試験した。図6において、Aは第1の被検物質、Bは第2の被験物質、Cは銀濃度を20ppmに調整した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる殺菌・消臭剤2、Dは第2の被験物質B+殺菌・消臭剤2(銀濃度20ppm)である。
【0035】
殺菌・消臭剤2は、このガス吸着試験・静置試験によれば、図6に示すとおりの消臭効果を奏する結果が得られた。
【0036】
このように、微粒子化した銀10の液体中の濃度を所定濃度に調整した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる殺菌・消臭剤2は、殺菌・消臭効果を有しており、飲料用ミネラルウォーターとしてペット動物に飲ませ、飼料に混ぜてペット動物に食べさせ、噴霧剤としてペット動物やペット用ケースに吹きかけ、清拭材としてペット動物やペット用ケースを拭き、シャンプーに混ぜてペット動物を洗うこと等に、利用することができる。
【0037】
飲料用ミネラルウォーター、飼料としてペット動物の体内に取り込まれた殺菌・消臭剤2は、ペット動物の体内において動物の健康に対して悪影響を及ぼすことなく、菌類を殺菌して臭気成分を除去することができるとともに、排泄される排泄物の菌類を殺菌して臭気成分を除去することができる。なお、ペット動物の体内に取り込ませる場合には、体内において銀10の血中濃度が最低でも5ppmとなるように、殺菌・消臭剤2の液体中の銀10の濃度を調整することが望ましい。
【0038】
また、噴霧剤、清拭材、シャンプーとしてペット動物の体外に付着された殺菌・消臭剤2は、ペット動物の皮膚において悪影響を及ぼすことなく、菌類を殺菌して臭気成分を除去することが出来る。
【0039】
このように、この殺菌・消臭剤2は、設定粒径(望ましくは、4nm)以下に微粒子化した銀10を液体12に混入し分散させた銀コロイド溶液4を、ハイドロキシアパタイト溶液に混合・分散させ、微粒子化した銀10を、ペット動物の菌類を殺菌し臭気成分を除去する所定濃度(望ましくは、2〜5ppm)に調整し、微粒子化したハイドロキシアパタイト14を所定濃度(例えば、100ppm)調整した、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる。
【0040】
生成された銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8は、ハイドロキシアパタイト14の水酸基で微粒子化した銀10が保持されるので、ハイドロキシアパタイト14によって微粒子化した銀10を懸濁液中に安定して存在させることができ、微粒子化した銀10の銀イオンが菌類・臭気成分に接触し易い環境を維持させて接触機会を多くすることができ、銀イオンにより効率的に菌類・臭気成分を分解して殺菌効果・消臭効果を奏することができる。
【0041】
これにより、この殺菌・消臭剤2は、ペット動物の体内に取り込ませ、あるいは体外に付着させることで、微粒子化した銀10の殺菌効果によりペット動物の菌類を不活性化して殺菌することができ、微粒子化した銀10の消臭効果によりペット動物の臭気成分を分解して消臭することができ、ペット動物の菌類の殺菌及び臭気成分の除去を容易且つ効果的に行うことが出来る。
【0042】
また、この殺菌・消臭剤2は、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8に、液体中の環境を還元状態に維持して微粒子化した銀10の酸化を防止する還元剤(例えば、ビタミンC等)18を混入している。これにより、この殺菌・消臭剤2は、微粒子化した銀10の酸化を防止して殺菌効果・消臭効果を維持させることができ、ペット動物を効果的に殺菌・消臭することができる。
【0043】
さらに、この殺菌・消臭剤2には、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8に、ペット動物の栄養源としての添加物(例えば、アミノ酸、ビタミン類、ミネラノレ類等)20を混入している。これにより、この殺菌・消臭剤2は、ペット動物に十分に栄養を与えて体力を増強することができ、ペット動物の菌類に対する低抗力を高めて病気を予防することができる。
【0044】
また、この殺菌・消臭剤2は、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中の微粒子化した銀10の濃度を、種々の使用現場に於ける感染菌類を殺菌し臭気成分を除去する所定濃度に調整し、噴霧剤、清拭材、衣服、マスク等に利用することで、下記の抗菌作用に関する試験に示すように、ペット動物用に限らず、使用環境に存在する感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を容易且つ効果的に行うことができる。
【0045】
図7〜図9に示す試験は、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8の液体中の微粒子化した銀10の濃度を、感染菌類を殺菌し臭気成分を除去する所定濃度に調整した殺菌・消臭剤2を用いた抗菌性試験である。この試験においては、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8により抗菌処理した白衣を試料とし、黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、MRSAのそれぞれに対して、洗濯0回と洗濯50回とにおける菌数、殺菌活性値、静菌活性値を測った。
【0046】
この殺菌・消臭剤2は、図7〜図9に示す試験によれば、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8を利用することで、菌数の増加を抑えることができた。このため、この殺菌・消臭剤2は、使用環境に存在する感染菌類の殺菌を容易且つ効果的に行うことができる。
【0047】
なお、この実施例の殺菌・消臭剤2は、微粒子化した銀10を液体12に混入し分散させた銀コロイド溶液4を、微粒子化したハイドロキシアパタイト14を液体14に混入し分散させたハイドロキシアパタイト溶液6に混合・分散させて銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8を生成したが、この銀コロイド溶液4をハイドロキシアパタイト溶液6に分散させた銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8に、シラノール基を持つシリカ系微粒子を液体に混入したシリカ系溶液を分散させることもできる。
【0048】
銀コロイド溶液4とハイドロキシアパタイト溶液6とシリカ系溶液とからなる銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8は、ハイドロキシアパタイト14の水酸基で微粒子化した銀10が保持されるとともに、シラノール基の水素結合ネットで銀10やハイドロキシアパタイト14が保持されるので、ハイドロキシアパタイト14及びシリカ系微粒子によって微粒子化した銀10を懸濁液中にさらに安定して存在させることができ、銀イオンが菌類・臭気成分に接触し易い環境を維持させて接触機会をさらに多くすることができ、銀イオンによりさらに効率的に菌類・臭気成分を分解して殺菌効果・消臭効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明の殺菌・消臭剤は、使用環境の感染菌類を殺菌し臭気成分を除去する所定濃度に調整した微粒子化した銀を含む銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなるものであり、特に、極めて安全性の高いものであるから、ペット動物の感染菌類を殺菌し、またペット動物の臭気成分を除去して消臭することができるものであり、ペット動物だけではなく、他の家畜等にも適用することができることは言うまでもない。
また、ペット動物用の殺菌・消臭剤に限らず、噴霧剤、清拭材、衣服、マスク等に利用することで、使用環境に存在する感染菌類の殺菌及び臭気成分の除去を容易且つ効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例を示すペット動物用の殺菌・消臭剤の銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液生成のブロック図である。
【図2】銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液生成のフローチャートである。
【図3】銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の有無によるウイルス残存数を説明する図である。
【図4】ヒト・インフルエンザウイルスに及ぼす銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の影響を説明する図である。
【図5】イヌ・パルボウイルスに及ぼす銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の影響を説明する図である。
【図6】銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液によるガス吸着試験・静置試験の結果を説明する図である。
【図7】銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液による黄色ぶどう球菌に対する抗菌性試験の結果を説明する図である。
【図8】銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液による肺炎桿菌に対する抗菌性試験の結果を説明する図である。
【図9】銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液によるMRSAに対する抗菌性試験の結果を説明する図である。
【符号の説明】
【0051】
2 殺菌・消臭剤
4 銀コロイド溶液
6 ハイドロキシアパタイト溶液
8 銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液
10 銀
12 銀10を混入する液体
14 ハイドロキシアパタイト
16 ハイドロキシアパタイト14を混入する液体
18 還元剤
20 添加物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定粒径以下に微粒子化した銀を液体に混入して銀コロイド溶液を生成し、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイトを液体に混入してハイドロキシアパタイト溶液を生成し、前記銀コロイド溶液を前記ハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなることを特徴とする殺菌・消臭剤。
【請求項2】
前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液は、微粒子化した銀の濃度を、ペット動物に感染する菌類を殺菌し臭気成分を除去する所定濃度に調整したことを特徴とする請求項1に記載の殺菌・消臭剤。
【請求項3】
前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液には、この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液中の環境を還元状態に維持して前記微粒子化した銀の酸化を防止する還元剤を混入したことを特徴とする請求項2に記載の殺菌・消臭剤。
【請求項4】
前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液には、ペット動物の栄養源としての添加物を混入したことを特徴とする請求項2に記載の殺菌・消臭剤。
【請求項5】
前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液は、少なくとも、飲料ミネラルウォーター、飼料、噴霧剤、清拭材、シャンプーとして利用されることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の殺菌・消臭剤。
【請求項6】
前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液は、微粒子化した銀の濃度を、種々の使用現場に於ける感染菌類を殺菌し臭気成分を除去する所定濃度に調整したことを特徴とする請求項1に記載の殺菌・消臭剤。
【請求項7】
前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液は、噴霧剤、清拭材、衣服、マスクに利用されることを特徴とする請求項6に記載の殺菌・消臭剤。
【請求項8】
前記微粒子化したハイドロキシアパタイトは、前記微粒子化した銀の粒径よりも大きな粒径で且つ設定粒径以下に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の殺菌・消臭剤。
【請求項9】
前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液には、シラノール基を持つシリカ系微粒子を液体に混入したシリカ系溶液を分散させたことを特徴とする請求項1に記載の殺菌・消臭剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−302586(P2007−302586A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131095(P2006−131095)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(399077939)株式会社朝日商会 (5)
【Fターム(参考)】