説明

殺菌剤N−シクロアルキル−N−ビフェニルメチル−カルボキサミド誘導体

本発明は、式(I)


〔式中、A、Z、Z、Z、X、n、Y及びmは、さまざまな置換基を表す〕で表されるN−シクロアルキル−N−ビフェニルメチル−カルボキサミド誘導体、それらを調製する方法、調製用の中間体化合物、殺菌剤活性因子としてのそれらの使用、特に、殺菌剤組成物の形態における殺菌剤活性因子としてのそれらの使用、及び、それら化合物又は組成物を使用して、植物病原性菌類、特に植物の植物病原性菌類を防除する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−シクロアルキル−N−ビフェニルメチル−カルボキサミド誘導体、それらを調製する方法、調製用の中間体化合物、殺菌剤活性因子としてのそれらの使用、特に、殺菌剤組成物の形態における殺菌剤活性因子としてのそれらの使用、及び、それら化合物又は組成物を使用して、植物病原性菌類、特に植物の植物病原性菌類を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WO−2002/083647においては、殺菌剤及び殺虫剤としての特定のN−ビフェニルメチル−カルボキサミド誘導体が、下記式:
【0003】
【化1】

〔式中、Rは、C−C−アルキルを表すことができ、Rは、C−C−アルキルなどを表すことができ、Rは、水素又はC−C−アルキルを表すことができ、及び、Xは、さまざまな置換基を表すことができ、その中でも、水素、ハロゲン又はC−C−アルキルを表すことができる〕
で表される多くの化合物についての広範な開示の中に包括的に含まれている。しかしながら、この文献においては、カルボキサミド残基の窒素原子がシクロアルキル基で置換され得る化合物については、特許請求されていない。
【0004】
WO−1994/05642においては、殺菌剤及び殺虫剤としての特定のN−ビフェニルメチル−カルボキサミド誘導体が、下記式:
【0005】
【化2】

〔式中、R、R、R及びRは、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルなどを表すことができ、Xは、酸素を表すことができ、Yは、直接結合であることができ、及び、Rは、フェニル基を表すことができる〕
で表される多くの化合物についての広範な開示の中に包括的に含まれている。しかしながら、この文献においては、非縮合5員ヘテロ環式カルボキサミド又は該カルボキサミド残基の窒素原子に結合しているシクロアルキルを含んでいる化合物は開示されていない。
【0006】
WO−2007/087906においては、殺菌剤としての特定のN−ベンジル−カルボキサミド誘導体が、下記式:
【0007】
【化3】

〔式中、Aは、炭素で結合している不飽和又は部分的飽和の5員ヘテロシクリル基を表し、Zは、C−C−シクロアルキルを表し、Z及びZは、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルなどを表すことができ、nは、少なくとも1を表し、及び、Xは、さまざまな置換基を表すことができる〕
で表される多くの化合物についての広範な開示の中に包括的に含まれている。しかしながら、この文献は、Xがフェニル基であることができる化合物を選択することについて具体的には開示も示唆もしていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2002/083647号
【特許文献2】国際公開第1994/05642号
【特許文献3】国際公開第2007/087906号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
農業においては、活性成分に対する耐性株の発達を回避又は抑制するために、新規殺有害生物活性化合物を使用することに関して常に高い関心が持たれている。さらにまた、既知化合物と少なくとも同等の効力を維持しながら、同時に、使用する活性化合物の量を低減させるために、既知化合物よりも活性が高い新規化合物を使用することに関しても、高い関心が持たれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記で記載した効果又は有利点を有する化合物の新規ファミリーを見いだした。
【0011】
従って、本発明は、式(I)
【0012】
【化4】

〔式中、
・ Aは、炭素で結合した不飽和又は部分的飽和の5員ヘテロシクリル基(ここで、該ヘテロシクリル基は、4以下の基Rで置換され得る)を表し;
・ Zは、置換されていないC−C−シクロアルキルを表すか、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な10以下の原子若しくは基で置換されているC−C−シクロアルキル(ここで、該原子若しくは置換基は、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、又は、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルからなるリストの中で選択され得る)を表し、
・ Z及びZ(ここで、該Z及びZは、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルスルフェニル、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイルを表し;又は、
とZは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているC−C−シクロアルキル若しくは置換されていないC−C−シクロアルキルを表すことができ;
・ X及びYは、独立して、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、イソニトリル、ヒドロキシル、スルファニル、アミノ、ペンタフルオロ−λ−スルファニル、C−C−アルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニル、C−C−アルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニル、C−C−アルケニルオキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−C−C−シクロアルキル、C−C14−ビシクロアルキル、ホルミル、ホルミルオキシ、ホルミルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、N−ヒドロキシカルバモイル、カルバメート、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、C−C−アルコキシイミノ、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、トリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルキル、ベンジルオキシ(ここで、該ベンジルオキシは、5以下の基Qで置換され得る)、ベンジルスルファニル(ここで、該ベンジルスルファニルは、5以下の基Qで置換され得る)、ベンジルアミノ(ここで、該ベンジルアミノは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール(ここで、該アリールは、5以下の基Qで置換され得る)、アリールオキシ(ここで、該アリールオキシは、5以下の基Qで置換され得る)、アリールアミノ(ここで、該アリールアミノは、5以下の基Qで置換され得る)、アリールスルファニル(ここで、該アリールスルファニルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−アルキル(ここで、該アリール−C−C−アルキルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−アルケニル(ここで、該アリール−C−C−アルケニルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−アルキニル(ここで、該アリール−C−C−アルキニルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−シクロアルキル(ここで、該アリール−C−C−シクロアルキルは、5以下の基Qで置換され得る)、ピリジニル(ここで、該ピリジニルは、4以下の基Qで置換され得る)及びピリジニルオキシ(ここで、該ピリジニルオキシは、4以下の基Qで置換され得る)を表し;又は、
2つの置換基Xは、それらが結合している連続した炭素原子と一緒に、それら2つの置換基Xが結合しているフェニル環に縮合した3個以下のヘテロ原子を含んでいる5員又は6員の飽和炭素環又は飽和ヘテロ環(ここで、該飽和炭素環又は飽和ヘテロ環は、同一であるか又は異なっていることが可能な4以下の基Qで置換され得る)を形成することが可能であり;又は、
2つの置換基Yは、それらが結合している連続した炭素原子と一緒に、それら2つの置換基Xが結合しているフェニル環に縮合した3個以下のヘテロ原子を含んでいる5員又は6員の飽和炭素環又は飽和ヘテロ環(ここで、該飽和炭素環又は飽和ヘテロ環は、同一であるか又は異なっていることが可能な4以下の基Qで置換され得る)を形成することが可能であり;
・ nは、0、1、2、3又は4を表し;
・ mは、0、1、2、3、4又は5を表し;
・ Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、イソニトリル、ニトロ、アミノ、スルファニル、ペンタフルオロ−λ−スルファニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニル、C−C−アルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニル、C−C−アルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシイミノ、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、アリール、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるハロゲノアリールオキシ、C−C−アルキルカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルを表し;
・ Qは、独立して、ハロゲン原子、シアノ、イソニトリル、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキル、トリ(C−C)アルキルシリル及びトリ(C−C)アルキルシリル−C−C−アルキルを表す〕
で表されるN−シクロアルキル−N−ビフェニルメチル−カルボキサミド誘導体、並びに、その塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体又は幾何異性体を提供する(但し、「N−シクロプロピル−N−[(6−メトキシビフェニル−3−イル)メチル]イソオキサゾール−5−カルボキサミド」を除く)を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の化合物はいずれも、その化合物内の不斉中心の数に応じて、1種類以上の光学異性体形態又はキラル異性体形態で存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての光学異性体及びそれらのラセミ混合物又はスケールミック混合物(用語「スケールミック(scalemic)」は、異なった比率のエナンチオマーの混合物を意味する)、並びに、可能な全ての立体異性体の全ての比率における混合物に関する。当業者は、自体公知の方法により、ジアステレオ異性体及び/又は光学異性体を分離させることができる。
【0014】
本発明の化合物はいずれも、その化合物内の二重結合の数に応じて、1種類以上の幾何異性体形態でも存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての幾何異性体及びその全ての比率における可能な全ての混合物に関する。当業者は、自体公知の一般的な方法により、幾何異性体を分離させることができる。
【0015】
本発明の化合物に関し、下記総称は、一般に、以下の意味で用いられる:
・ ハロゲンは、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素のうちのいずれか1つを意味する;
・ ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄であることができる;
・ アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基は、直鎖又は分枝鎖であることができる;
・ 用語「アリール」は、フェニル又はナフチルを意味する;
・ 同一であるか又は異なっていることが可能な2つの置換基で置換されているアミノ基又は別の任意のアミノ含有基のアミノ部分の場合、その2つの置換基は、それらが結合している窒素と一緒に、ヘテロシクリル基、好ましくは、5〜7員のヘテロシクリル基(ここで、該ヘテロシクリル基は、置換されることが可能であり、及び、別のヘテロ原子を含んでいることが可能である)、例えば、モルホリノ又はピペリジニルなどを形成することができる。
【0016】
本発明による好ましい化合物は、式中のAが以下のものからなるリストの中で選択される式(I)の化合物である:
* 式(A):
【0017】
【化5】

〔式中、
〜R(ここで、該R〜Rは、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0018】
【化6】

〔式中、
〜R(ここで、該R〜Rは、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0019】
【化7】

〔式中、
は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0020】
【化8】

〔式中、
〜R11(ここで、該R〜R11は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0021】
【化9】

〔式中、
12及びR13(ここで、該R12及びR13は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、アミノ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
14は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、アミノ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0022】
【化10】

〔式中、
15は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
16及びR18(ここで、該R16及びR18は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
17は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0023】
【化11】

〔式中、
19は、水素原子又はC−C−アルキルを表し;
20〜R22(ここで、該R20〜R22は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0024】
【化12】

〔式中、
23は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
24は、水素原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【0025】
【化13】

〔式中、
25は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
26は、水素原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A10):
【0026】
【化14】

〔式中、
27は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
28は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、又は、ジ(C−C−アルキル)アミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A11):
【0027】
【化15】

〔式中、
29は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
30は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、又は、ジ−C−C−アルキルアミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A12):
【0028】
【化16】

〔式中、
31は、水素原子、又は、C−C−アルキルを表し;
32は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
33は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A13):
【0029】
【化17】

〔式中、
34は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキニルオキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
35は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ又はジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
36は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A14):
【0030】
【化18】

〔式中、
37及びR38(ここで、該R37及びR38は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、C−C−アルキルスルファニルを表し;
39は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A15):
【0031】
【化19】

〔式中、
40及びR41(ここで、該R40及びR41は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A16):
【0032】
【化20】

〔式中、
42及びR43(ここで、該R42及びR43は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、アミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A17):
【0033】
【化21】

〔式中、
44及びR45(ここで、該R44及びR45は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A18):
【0034】
【化22】

〔式中、
47は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
46は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、C−C−アルキルスルファニルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A19):
【0035】
【化23】

〔式中、
49及びR48(ここで、該R49及びR48は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A20):
【0036】
【化24】

〔式中、
50及びR51(ここで、該R50及びR51は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A21):
【0037】
【化25】

〔式中、
52は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A22):
【0038】
【化26】

〔式中、
53は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A23):
【0039】
【化27】

〔式中、
54及びR56(ここで、該R54及びR56は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
55は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A24):
【0040】
【化28】

〔式中、
57及びR59(ここで、該R57及びR59は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
58は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A25):
【0041】
【化29】

〔式中、
60及びR61(ここで、該R60及びR61は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
62は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A26):
【0042】
【化30】

〔式中、
65は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキニルオキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
63は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、又は、ジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
64は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環。
【0043】
本発明によるさらに好ましい化合物は、式中のAが本明細書中で定義されているA、A、A10及びA13からなるリストの中で選択される式(I)の化合物である。
【0044】
さらに一層好ましい化合物は、式中のAがA13〔ここで、R34はC−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、C−C−アルコキシを表し;R35は水素原子又はハロゲン原子を表し、及び、R36はC−C−アルキルを表す〕を表す式(I)の化合物である。
【0045】
本発明による別の好ましい化合物は、式(I)〔式中、Zは、同一であるか又は異なっていることが可能な10以下の基又は原子(ここで、これらの基又は原子は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシからなるリストの中で選択され得る)で置換されているC−C−シクロアルキルを表す;さらに好ましくは、Zは、置換されていないC−C−シクロアルキルを表す;さらに一層好ましくは、Zは、シクロプロピルを表す〕で表される化合物である。
【0046】
本発明による別の好ましい化合物は、式(I)〔式中、Xは、独立して、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕で表される化合物である。
【0047】
本発明による別のさらに好ましい化合物は、式(I)〔式中、連続した2つの置換基Xは、フェニル環と一緒に、置換されているか又は置換されていない1,3−ベンゾジオキソリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリニル、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、インダニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル又はインドリニルを形成する〕で表される化合物である。
【0048】
本発明による別の好ましい化合物は、式(I)〔式中、Yは、独立して、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキルを表す〕で表される化合物である。
【0049】
本発明による別のさらに好ましい化合物は、式(I)〔式中、連続した2つの置換基Yは、フェニル環と一緒に、置換されているか又は置換されていない1,3−ベンゾジオキソリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリニル、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、インダニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル又はインドリニルを形成する〕で表される化合物である。
【0050】
本発明による別の好ましい化合物は、式(I)〔式中、Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、C−C−アルコキシカルボニル又はC−C−アルキニルオキシを表す〕で表される化合物である。
【0051】
本発明化合物の置換基に関して上記で挙げた好ましい態様は、さまざまに組み合わせることができる。好ましい態様についてのそのような組合せは、かくして、本発明による化合物のサブクラスを提供する。本発明による好ましい化合物のそのようなサブクラスの例では、以下のものを組み合わせることができる:
− Aの好ましい態様と、Z、Z、Z、X、Y、n、m、R及びQの好ましい態様;
− Zの好ましい態様と、A、Z、Z、X、Y、n、m、R及びQの好ましい態様;
− Zの好ましい態様と、A、Z、Z、X、Y、n、m、R及びQの好ましい態様;
− Zの好ましい態様と、A、Z、Z、X、Y、n、m、R及びQの好ましい態様;
− Xの好ましい態様と、A、Z、Z、Z、Y、n、m、R及びQの好ましい態様;
− Yの好ましい態様と、A、Z、Z、Z、X、n、m、R及びQの好ましい態様;
− nの好ましい態様と、A、Z、Z、Z、X、Y、m、R及びQの好ましい態様;
− mの好ましい態様と、A、Z、Z、Z、X、Y、n、R及びQの好ましい態様;
− Rの好ましい態様と、A、Z、Z、Z、X、Y、n、m及びQの好ましい態様;
− Qの好ましい態様と、A、Z、Z、Z、X、Y、n、m及びRの好ましい態様。
【0052】
本発明による化合物の置換基の好ましい態様についての上記組合せにおいて、当該好ましい態様を、A、Z、Z、Z、X、Y、n、m、R及びQのそれぞれのさらに好ましい態様の中で選択して、本発明による化合物の最も好ましいサブクラスを構成させることもできる。
【0053】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物の調製方法にも関する。
【0054】
かくして、本発明のさらなる態様により、下記反応スキームによって例証されている、式(I)で表される化合物を調製するための方法P1が提供される:
【0055】
【化31】

ここで、
・ A、Z〜Z、X、Y、n及びmは、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Uは、ハロゲン原子又は脱離基を表す。
【0056】
本発明による調製方法P1において、段階1は、適切な場合には溶媒の存在下で、及び、適切な場合には酸結合剤の存在下で、実施することができる。
【0057】
式(II)で表されるN−シクロアルキル−アミン誘導体は、既知であるか、又は、既知調製方法、例えば、アルデヒド若しくはケトンの還元的アミノ化(Bioorganics and Medicinal Chemistry Letters, 2006, p 2014;化合物7及び化合物8の合成)、又は、イミンの還元(Tetrahedron, 2005, p 11689)、又は、ハロゲン、メシラート若しくはトシラートの求核置換(Journal of Medicinal Chemistry, 2002, p 3887;化合物28のための中間体の調製)などによって調製することができる。
【0058】
式(III)で表されるカルボン酸誘導体は、既知であるか、又は、既知調製方法(WO−93/11117;EP−545099;Nucleosides & Nucleotides, 1987, p 737−759;Bioorg.Med.Chem., 2002, p 2105−2108)によって調製することができる。
【0059】
本発明による調製方法P1を実施するのに適した酸結合剤は、何れの場合にも、そのような反応に関して慣習的な全ての無機塩基及び有機塩基である。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、又は、アルカリ金属アルコキシド、例えば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシド、又は、別の水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)。
【0060】
付加的な縮合剤の非存在下で実施することも可能であるか、又は、過剰量の当該アミン成分を用いてそのアミン成分を同時に酸結合剤として作用させることも可能である。
【0061】
本発明による調製方法P1を実施するのに適した溶媒は、何れの場合にも、慣習的な全ての不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:場合によりハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0062】
本発明による調製方法P1を実施する場合、その反応温度は、独立して、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、本発明による調製方法は、0℃〜160℃の温度、好ましくは、10℃〜120℃の温度で実施する。本発明による調製方法について温度を制御する方法では、マイクロ波技術を使用する。
【0063】
本発明による調製方法P1は、一般に、独立して、常圧の下で実施する。しかしながら、何れの場合にも、加圧下又は減圧下で実施することも可能である。
【0064】
本発明による調製方法P1の段階1を実施する場合、式(II)で表されるアミンの1モル当たり、一般に、1モル又は過剰量の式(III)で表される酸誘導体と1〜3モルの酸結合剤を使用する。当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。
【0065】
後処理は、慣習的な方法で実施する。一般に、当該反応混合物を水で処理し、その有機相を分離し、脱水後、減圧下に濃縮する。適切な場合には、残った残渣から、依然として存在している可能性のある不純物を、クロマトグラフィー又は再結晶などの慣習的な方法によって除去することができる。
【0066】
かくして、本発明のさらなる態様により、下記反応スキームによって例証されている、式(I)で表される化合物を調製するための第2の方法P2が提供される:
【0067】
【化32】

ここで、
・ A、Z〜Z、X、Y、n及びmは、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Uは、ハロゲン原子、例えば、塩素、臭素又はヨウ素などを表し;
・ Wは、ホウ素誘導体例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウムなどを表す。
【0068】
調製方法P2は、パラジウム触媒の存在下、及び、適切な場合にはホスフィンリガンド又はN−ヘテロ環式カルベンリガンドの存在下、及び、塩基の存在下、及び、適切な場合には溶媒の存在下で、実施することができる。
【0069】
式(IV)で表される化合物は、既知調製方法(WO−2007/087906)によって調製することが可能であり、及び、式(V)で表される化合物の調製については知られている。
【0070】
本発明による調製方法P2は、触媒(例えば、金属塩又は金属錯体)の存在下で実施することができる。この目的に適した金属誘導体は、パラジウムに基づくものである。この目的に適した金属塩又は金属錯体は、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドである。
【0071】
パラジウム塩とリガンド又は塩〔例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリス−2−(メトキシフェニル)−ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、トリス−(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスフィト又は1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド〕を反応物に別々に添加することにより、当該反応混合物内でパラジウム錯体を生成させることも可能である。
【0072】
適切な触媒及び/又はリガンドを、Strem Chemicals社による「Metal Catalysts for Organic Synthesis」又はStrem Chemicals社による「Phosphorous Ligands and Compounds」などの、商業用カタログから選択することも有利である。
【0073】
本発明による調製方法P2を実施するのに適した塩基は、そのような反応に関して慣習的な無機塩基及び有機塩基であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム又は別の水酸化アンモニウム誘導体;アルカリ土類金属、アルカリ金属又はアンモニウムのフッ化物、例えば、フッ化カリウム、フッ化セシウム又はテトラブチルアンモニウムフルオリド;アルカリ土類金属又はアルカリ金属の炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム又は酢酸カルシウム;アルカリ金属アルコラート、例えば、カリウムter−ブトキシド又はナトリウムter−ブトキシド;アルカリ金属リン酸塩、例えば、リン酸三カリウム;及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)。
【0074】
本発明による調製方法P2を実施するのに適した溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:場合によりハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0075】
本発明による調製方法P2は、補助溶媒(例えば、水、又は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノール若しくはt−ブタノール)を用いて実施することも有利であり得る。
【0076】
本発明による調製方法P2を実施する場合、その反応温度は、独立して、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、本発明による調製方法は、0℃〜160℃の温度、好ましくは、10℃〜120℃の温度で実施する。本発明による調製方法について温度を制御する方法では、マイクロ波技術を使用する。
【0077】
本発明による調製方法P2は、一般に、独立して、常圧の下で実施する。しかしながら、何れの場合にも、加圧下又は減圧下で実施することも可能である。
【0078】
本発明による調製方法P2の段階2を実施する場合、式(IV)で表される化合物の1モル当たり、1モル又は過剰量の式(V)で表されるホウ素誘導体及び1〜5モルの塩基及び0.01〜20モル%のパラジウム錯体を使用することができる。
【0079】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。
【0080】
後処理は、慣習的な方法で実施する。一般に、当該反応混合物を水で処理し、その有機相を分離し、脱水後、減圧下に濃縮する。適切な場合には、残った残渣から、依然として存在している可能性のある不純物を、クロマトグラフィー又は再結晶などの慣習的な方法によって除去することができる。
【0081】
本発明の化合物は、上記調製方法に準じて調製することができる。それにもかかわらず、当業者が、自分の一般的な知識及び利用可能な刊行物に基づいて、合成することが望まれる本発明化合物のそれぞれの特性に応じて該調製方法を適合させることができるということは理解されるであろう。
【0082】
さらなる態様において、本発明は、本発明による調製方法のための中間体化合物又は中間体物質として有用な式(II)で表される化合物にも関する。かくして、本発明は、式(II)
【0083】
【化33】

〔式中、Z、Z、X、Y、n及びmは、本明細書中で定義されているとおりである〕
で表される化合物を提供する(但し、「N−(ビフェニル−4−イルメチル)シクロプロパンアミン」及び「N−[1−(ビフェニル−4−イル)エチル]シクロプロパンアミン」を除く)。
【0084】
さらなる態様において、本発明は、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の式(I)で表される活性化合物を含んでいる殺菌剤組成物にも関する。
【0085】
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量」という表現は、作物上に存在しているか又はおそらく出現するであろう菌類を防除又は駆除するのに充分で、且つ、該作物について植物毒性の感知可能などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。そのような量は、防除対象の菌類、作物の種類、気候条件、及び、本発明の殺菌剤組成物に含まれている化合物に応じて、広い範囲で変動し得る。そのような量は、当業者が実行可能な範囲内にある体系的な圃場試験により決定することが可能である。
【0086】
かくして、本発明により、活性成分としての有効量の本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物及び農業上許容される支持体、担体又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物が提供される。
【0087】
本発明によれば、用語「支持体(support)」は、式(I)の活性化合物と組み合わせて又は関連させて、特に植物の一部分に対して、より容易に施用できるようにする、天然又は合成の有機化合物又は無機化合物を意味する。このような支持体は、従って、一般に不活性であり、また、農業上許容されるものであるべきである。支持体は、固体であることができるし、又は、液体であることもできる。適切な支持体の例としては、クレー、天然又は合成のシリケート、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール(特に、ブタノール)、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体などを挙げることができる。このような支持体の混合物を使用することもできる。
【0088】
本発明の組成物には、さらにまた、付加的な成分も含有させることができる。特に、該組成物には、さらに、界面活性剤を含有させることができる。該界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性のタイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であることが可能であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物であることが可能である。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸官能基、スルホン酸官能基及びリン酸官能基を含んでいる上記化合物の誘導体。該活性化合物及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、並びに、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることが必要である。好ましくは、界面活性剤の含有量は、該組成物の5重量%〜40重量%であり得る。
【0089】
場合により、さらなる成分、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤などを含ませることもできる。さらに一般的には、該活性化合物は、通常の製剤技術に従う固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0090】
一般に、本発明の組成物には、0.05〜99重量%の活性化合物、好ましくは、10〜70重量%の活性化合物を含有させることができる。
【0091】
本発明の組成物は、エーロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold fogging concentrate)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、粒剤、温煙霧濃厚剤(hot fogging concentrate)、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、ペースト剤、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用粉剤、農薬粉衣種子、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、可溶性粉剤、種子処理用溶液剤、懸濁製剤(フロアブル剤)、微量散布用液剤(ultra low volume (ULV) liquid)、微量散布用懸濁液剤(ultra low volume (ULV) suspension)、顆粒水和剤、水分散性錠剤、スラリー処理用水和剤、水溶性顆粒剤、水溶性錠剤、種子処理用水溶性粉剤及び水和剤などのような、さまざまな形態で使用することが可能である。これらの組成物には、処理対象の植物又は種子に対して噴霧装置又は散粉装置のような適切な装置を用いて施用される状態にある組成物のみではなく、作物に対して施用する前に希釈することが必要な商業的な濃厚組成物も包含される。
【0092】
本発明の化合物は、さらにまた、1種類以上の殺虫剤、殺菌剤、殺細菌剤、誘引剤、殺ダニ剤若しくはフェロモン活性物質、又は、生物学的活性を有する別の化合物と混合することもできる。そのようにして得られた混合物は、通常、拡大された活性スペクトルを有する。別の殺菌剤化合物との混合物が特に有利である。
【0093】
適切な混合相手殺菌剤の例は、下記リストの中で選択することができる:
(1) 核酸合成の阻害薬、例えば、ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メタラキシル、メタラキシル−M、オフラセ、オキサジキシル、及び、オキソリン酸;
(2) 有糸分裂及び細胞分裂の阻害薬、例えば、ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート、チオファネート−メチル、及び、ゾキサミド;
(3) 呼吸の阻害薬、例えば、
CI−呼吸阻害薬として、ジフルメトリム;
CII−呼吸阻害薬として、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フルオピラム、フラメトピル、フルメシクロックス、イソピラザム(シン−エピマー性ラセミ化合物(1RS,4SR,9RS)とアンチ−エピマー性ラセミ化合物(1RS,4SR,9SR)の混合物)、イソピラザム(シン−エピマー性ラセミ化合物 1RS,4SR,9RS)、イソピラザム(シン−エピマー性エナンチオマー 1R,4S,9R)、イソピラザム(シン−エピマー性エナンチオマー 1S,4R,9S)、イソピラザム(アンチ−エピマー性ラセミ化合物 1RS、4SR、9SR)、イソピラザム(アンチ−エピマー性エナンチオマー 1R,4S,9S)、イソピラザム(アンチ−エピマー性エナンチオマー 1S,4R,9R)、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、チフルザミド;
CIII−呼吸阻害薬として、アミスルブロム、アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロブリン(enestroburin)、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、ピラメトストリビン(pyrametostrobin)、ピリベンカルブ、トリフロキシストロビン;
(4) 脱共役剤として作用し得る化合物、例えば、ビナパクリル、ジノカップ、フルアジナム、及び、メプチルジノカップ;
(5) ATP産生の阻害薬、例えば、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、及び、シルチオファム;
(6) アミノ酸及び/又はタンパク質の生合成の阻害薬、例えば、アンドプリム(andoprim)、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリム、及び、ピリメタニル;
(7) シグナル伝達の阻害薬、例えば、フェンピクロニル、フルジオキソニル、及び、キノキシフェン;
(8) 脂質及び膜の合成の阻害薬、例えば、ビフェニル、クロゾリネート、エジフェンホス、エトリジアゾール、ヨードカルブ(iodocarb)、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、ピラゾホス、トルクロホス−メチル、及び、ビンクロゾリン;
(9) エルゴステロール生合成の阻害薬、例えば、アルジモルフ、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ヌアリモール、オキシポコナゾール、パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ピペラリン、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、キンコナゾール、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テルビナフィン、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ビニコナゾール、及び、ボリコナゾール;
(10) 細胞壁合成の阻害薬、例えば、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、ポリオキシン、ポリオキソリム、プロチオカルブ、バリダマイシンA、及び、バリフェナレート;
(11) メラニン生合成の阻害薬、例えば、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド、ピロキロン、及び、トリシクラゾール;
(12) 宿主の防御を誘発し得る化合物、例えば、アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、及び、チアジニル;
(13) 多部位に作用し得る化合物、例えば、ボルドー液、カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、ナフテン酸銅、酸化銅、塩基性塩化銅、銅剤、例えば、水酸化銅、硫酸銅、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、ファーバム、フルオロホルペット、ホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンゼブ、マンネブ、メチラム、メチラム亜鉛(metiram zinc)、オキシン銅、プロパミジン(propamidine)、プロピネブ、硫黄及び硫黄剤、例えば、多硫化カルシウム、チウラム、トリルフルアニド、ジネブ、及び、ジラム;
(14) さらなる化合物、例えば、2,3−ジブチル−6−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、(2Z)−3−アミノ−2−シアノ−3−フェニルプロパ−2−エン酸エチル、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4−フルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、(2E)−2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルエタンアミド、(2E)−2−{2−[({[(2E,3E)−4−(2,6−ジクロロフェニル)ブタ−3−エン−2−イリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}−2−(メトキシイミノ)−N−メチルエタンアミド、2−クロロ−N−(1,1,3−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−4−イル)ピリジン−3−カルボキサミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−(ホルミルアミノ)−2−ヒドロキシルベンズアミド、5−メトキシ−2−メチル−4−(2−{[({(1E)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン、(2E)−2−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−(2−{[({(1E)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)エタンアミド、(2E)−2−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−{2−[(E)−({1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}イミノ)メチル]フェニル}エタンアミド、(2E)−2−{2−[({[(1E)−1−(3−{[(E)−1−フルオロ−2−フェニルエテニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}−2−(メトキシイミノ)−N−メチルエタンアミド、1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、1−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、N−エチル−N−メチル−N’−{2−メチル−5−(トリフルオロメチル)−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、N’−{5−(ジフルオロメチル)−2−メチル−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド、O−{1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル}1H−イミダゾール−1−カルボチオエート、N−[2−(4−{[3−(4−クロロフェニル)プロパ−2−イン−1−イル]オキシ}−3−メトキシフェニル)エチル]−N−(メチルスルホニル)バリンアミド、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ「1,5−a]ピリミジン、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、プロパモカルブ−ホセチル、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル 1H−イミダゾール−1−カルボキシレート、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−4H−クロメン−4−オン、2−フェニルフェノール及び塩、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3,4,5−トリクロロピリジン−2,6−ジカルボニトリル、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチルピリダジン、4−(4−クロロフェニル)−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,6−ジメチルピリダジン、キノリン−8−オール、キノリン−8−オールスルフェート(2:1)(塩)、テブフロキン、5−メチル−6−オクチル−3,7−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、5−エチル−6−オクチル−3,7−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、アメトクトラジン、ベンチアゾール、ベトキサジン、カプシマイシン(capsimycin)、カルボン、キノメチオネート、クロロネブ、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロスルファミド、ダゾメット、デバカルブ、ジクロロフェン、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、エコメイト、フェリムゾン、フルメトベル、フルオピコリド、フルオルイミド、フルスルファミド、フルチアニル、ホセチル−アルミニウム、ホセチル−カルシウム、ホセチル−ナトリウム、ヘキサクロロベンゼン、イルママイシン、イソチアニル、メタスルホカルブ、(2E)−2−{2−[({シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル}チオ)メチル]フェニル}−3−メトキシアクリル酸メチル、イソチオシアン酸メチル、メトラフェノン、(5−クロロ−2−メトキシ−4−メチルピリジン−3−イル)(2,3,4−トリメトキシ−6−メチルフェニル)メタノン、ミルディオマイシン、トルニファニド、N−(4−クロロベンジル)−3−[3−メトキシ−4−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N−[(4−クロロフェニル)(シアノ)メチル]−3−[3−メトキシ−4−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N−[(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2,4−ジクロロピリジン−3−カルボキサミド、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロピリジン−3−カルボキサミド、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2−フルオロ−4−ヨードピリジン−3−カルボキサミド、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、N−{(E)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、ナタマイシン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノール及び塩、フェナジン−1−カルボン酸、フェノトリン、亜リン酸及びその塩、プロパモカルブホセチレート(propamocarb fosetylate)、プロパノシン−ナトリウム(propanosine−sodium)、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、S−プロパ−2−エン−1−イル 5−アミノ−2−(1−メチルエチル)−4−(2−メチルフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−カルボチオエート、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、5−クロロ−N’−フェニル−N’−プロパ−2−イン−1−イルチオフェン−2−スルホノヒドラジド、ザリラミド、N−メチル−2−(1−{[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−N−[(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド、N−メチル−2−(1−{[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−N−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4−フルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、及び、{6−[({[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)(フェニル)メチリデン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン−2−イル}カルバミン酸ペンチル。
【0094】
式(I)で表される化合物と殺細菌剤化合物の混合物を含んでいる本発明の組成物も、特に有利であり得る。適切な混合相手殺細菌剤の例は、下記リストの中で選択することができる:ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び他の銅剤。
【0095】
式(I)で表される化合物及び本発明の殺菌剤組成物を使用して、植物又は作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除することができる。
【0096】
かくして、本発明のさらなる態様により、植物又は作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除する方法が提供され、ここで、該方法は、式(I)で表される化合物又は本発明の殺菌剤組成物を、種子、植物若しくは植物の果実に施用するか、又は、植物がそこで成育している土壌若しくは植物を栽培するのが望まれる土壌に施用することを特徴とする。
【0097】
本発明による処理方法は、さらにまた、塊茎又は根茎のような繁殖器官を処理するのにも有効であり得、さらには、種子、実生又は移植実生(seedlings pricking out)及び植物又は移植植物(plants pricking out)を処理するのにも有効であり得る。この処理方法は、根を処理するのにも有効であり得る。本発明による処理方法は、関係している植物の樹幹、茎又は柄、葉、花及び果実のような植物の地上部を処理するのにも有効であり得る。
【0098】
本発明の方法で保護可能な植物の中で、以下のものを挙げることができる:ワタ;アマ;ブドウの蔓;果実又は野菜作物、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果(pip fruit)、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、アーモンド及びモモ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランタン)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ科各種(Umbelliferae sp.)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ)、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、イチゴ);主要作物(major crop)、例えば、イネ科各種(Graminae sp.)(例えば、トウモロコシ、芝、又は、禾穀類、例えば、コムギ、ライムギ、イネ、オオムギ及びライコムギ)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、ナタネ)、マメ科各種(Fabacae sp.)(例えば、ピーナッツ)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、ダイズ)、ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、ビートルート(beetroot))、アブラヤシ属各種(Elaeis sp.)(例えば、アブラヤシ);園芸作物及び森林作物(forest crops);さらに、これら作物の遺伝子組み換えが行われた相同物。
【0099】
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば、植物又は種子などの処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術又はRNA干渉(RNAi)技術などを使用する〕。ゲノム内に位置している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0100】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。かくして、例えば、本発明により使用し得る活性化合物及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0101】
特定の施用量において、本発明による活性化合物組合せは、植物において強化効果(strengthening effect)も示し得る。従って、本発明の活性化合物組合せは、望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類による攻撃に対して植物の防御システムを動員させるのにも適している。これは、適切な場合には、本発明による組合せの例えば菌類に対する強化された活性の理由のうちの1つであり得る。本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類を接種されたときに、それらの望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類に対して実質的な程度の抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質又は物質の組合せを意味するものと理解される。この場合、望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類は、植物病原性の菌類、細菌類及びウイルス類を意味するものと理解される。従って、処理後特定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために、本発明の物質を用いることができる。保護が達成される期間は、植物が該活性化合物で処理されてから、一般に、1〜10日間、好ましくは、1〜7日間である。
【0102】
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種は、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的方法によって得られたものであろうと)を包含する。
【0103】
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレスに対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
【0104】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレスに対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の塩分濃度の上昇、より多くの鉱物に晒されること、オゾンに晒されること、強い光に晒されること、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、日陰回避などを挙げることができる。
【0105】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、改善された植物の生理機能、生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、限定するものではないが、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量及び油の組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
【0106】
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレス因子に対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male−sterile parent line)(雌性親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male−fertile parent line)(雄性親)と交雑させることによって作られる。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって〔即ち、雄性繁殖器官(又は雄花)を機械的に除去することによって〕、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、該ハイブリッド植物において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有用である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記述された(WO 1992/005251、WO 1995/009910、WO 1998/27806、WO 2005/002324、WO 2006/021972、及び、US 6,229,072)。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在し得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO 1989/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる(例えば、WO 1991/002069)。
【0107】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0108】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。植物は、種々の方法によって、グリホセートに対して耐性にすることができる。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Comai et al., Science(1983), 221,370−371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barry et al., Curr. Topics Plant Physiol.(1992), 7, 139−145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al., Science(1986),233, 478−481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(Gasser et al., J.Biol.Chem.(1988), 263, 4280−4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO 2001/66704)。それは、例えばEP−A 0837944、WO 2000/066746、WO 2000/066747又はWO 2002/026995などに記述されているように、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、US 5,776,760及びUS 5,463,175に記述されているように、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 2002/036782、WO 2003/092360、WO 2005/012515及びWO 2007/024782などに記述されているように、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 2001/024615又はWO 2003/013226などに記述されているように、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。
【0109】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる。そのような有効な一解毒酵素は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトマイセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えば、US 5,561,236、US 5,648,477、US 5,646,024、US 5,273,894、US 5,637,489、US 5,276,268、US 5,739,082、US 5,908,810及びUS 7,112,665などに記述されている。
【0110】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ類は、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、WO 1996/038567、WO 1999/024585及びWO 1999/024586に記述されているように、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物及び遺伝子は、WO 1999/034008及びWO 2002/36787に記述されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO 2004/024928に記述されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて酵素プレフェナートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。
【0111】
さらに別の除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright(Weed Science(2002), 50, 700−712)」などに記述され、さらに、US 5,605,011、US 5,378,824、US 5,141,870及びUS 5,013,659などにも記述されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、US 5,605,011、US 5,013,659、US 5,141,870、US 5,767,361、US 5,731,180、US 5,304,732、US 4,761,373、US 5,331,107、US 5,928,937及びUS 5,378,824並びに国際公開WO 1996/033270に記述されている。別のイミダゾリノン耐性植物についても、例えば、WO 2004/040012、WO 2004/106529、WO 2005/020673、WO 2005/093093、WO 2006/007373、WO 2006/015376、WO 2006/024351及びWO 2006/060634などに記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物は、さらにまた、例えば、WO 2007/024782などにも記述されている。
【0112】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示す別の植物は、例えば、ダイズに関してはUS 5,084,082に記述されているように、イネに関してはWO 1997/41218に記述されているように、テンサイに関してはUS 5,773,702及びWO 1999/057965に記述されているように、レタスに関してはUS 5,198,599に記述されているように、又は、ヒマワリに関してはWO 2001/065922に記述されているように、誘導された突然変異誘発、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜又は突然変異育種によって得ることができる。
【0113】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0114】
本明細書中で使用されている場合、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、クリックモアら「Crickmore et al., Microbiology and Molecular Biology Reviews(1998), 62:807−813)」によって記載され、クリックモアら「Crickmore et al. (2005)」によって、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」上で「バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法」において更新された殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質又はその殺虫活性を示す一部分;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する第2の別の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cry34結晶タンパク質とCry35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン(Moellenbeck et al., Nat.Biotechnol.(2001), 19:668−72; Schnepf et al., Applied Environm.Microbiol.(2006), 71, 1765−1774);又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する種々の殺虫性結晶タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON98034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1Aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン(WO 1994/21795);又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する種々の分泌タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質。
【0115】
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)〜(8)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含んでいる任意の植物も包含する。一実施形態では、異なった標的昆虫種に対して異なったタンパク質を使用した場合に影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)〜(8)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含んでいる。
【0116】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレスに対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(a) 植物細胞内又は植物内におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物(WO 2000/004173、WO 2006/045633又はPCT/EP07/004142に記述されている);
(b) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、WO 2004/090140などに記述されている);
(c) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ合成経路の植物機能性酵素(plant−functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、WO 2006/032469、WO 2006/133827又はPCT/EP07/002433などに記述されている)。
【0117】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的特性〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度(gelling strength)、澱粉粒径及び/又は澱粉粒子形態〕が変えられていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物。変性澱粉を合成する該トランスジェニック植物は、例えば、EP 0571427、WO 1995/004826、EP 0719338、WO 1996/15248、WO 1996/19581、WO 1996/27674、WO 1997/11188、WO 1997/26362、WO 1997/32985、WO 1997/42328、WO 1997/44472、WO 1997/45545、WO 1998/27212、WO 1998/40503、WO99/58688、WO 1999/58690、WO 1999/58654、WO 2000/008184、WO 2000/008185、WO 2000/008175、WO 2000/28052、WO 2000/77229、WO 2001/12782、WO 2001/12826、WO 2002/101059、WO 2003/071860、WO 2004/056999、WO 2005/030942、WO 2005/030941、WO 2005/095632、WO 2005/095617、WO 2005/095619、WO 2005/095618、WO 2005/123927、WO 2006/018319、WO 2006/103107、WO 2006/108702、WO 2007/009823、WO 2000/22140、WO 2006/063862、WO 2006/072603、WO 2002/034923、EP 06090134.5、EP 06090228.5、EP 06090227.7、EP 07090007.1、EP 07090009.7、WO 2001/14569、WO 2002/79410、WO 2003/33540、WO 2004/078983、WO 2001/19975、WO 1995/26407、WO 1996/34968、WO 1998/20145、WO 1999/12950、WO 1999/66050、WO 1999/53072、US 6,734,341、WO 2000/11192、WO 1998/22604、WO 1998/32326、WO 2001/98509、WO 2001/98509、WO 2005/002359、US 5,824,790、US 6,013,861、WO 1994/004693、WO 1994/009144、WO 1994/11520、WO 1995/35026、WO 1997/20936に開示されている;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか又は遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物(EP 0663956、WO 1996/001904、WO 1996/021023、WO 1998/039460及びWO 1999/024593に開示されている)、α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 1995/031553、US 2002/031826、US 6,284,479、US 5,712,107、WO 1997/047806、WO 1997/047807、WO 1997/047808及びWO 2000/014249に開示されている)、α−1,6−分枝 α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 2000/73422に開示されている)、及び、アルテルナンを産生する植物(WO 2000/047727、EP 06077301.7、US 5,908,975及びEP 0728213などに開示されている)である;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物(例えば、WO 2006/032538、WO 2007/039314、WO 2007/039315、WO 2007/039316、JP 2006/304779及びWO 2005/012529などに開示されている)。
【0118】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) 改変された形態のセルロースシンターゼ遺伝子を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 1998/000549に記述されている);
(b) 改変された形態のrsw2相同核酸又はrsw3相同核酸を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 2004/053219に記述されている);
(c) スクロースリン酸シンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 2001/017333に記述されている);
(d) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 02/45485に記述されている);
(e) 繊維細胞に基づいた原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β−1,3−グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物)(WO 2005/017157に記述されている);
(f) 反応性が(例えば、nodCを包含するN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)(WO 2006/136351に記述されている)。
【0119】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,969,169、US 5,840,946、US 6,323,392又はUS 6,063,947などに記載されている);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(US 6,270,828、US 6,169,190又はUS 5,965,755に記載されている);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,434,283などに記載されている)。
【0120】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、1種類以上の毒素をコードする1種類以上の遺伝子を含んでいる植物、例えば、下記商品名で販売されている以下のものである:YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BiteGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BT−Xtra(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、Nucotn 33B(登録商標)(ワタ)、NatureGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Protecta(登録商標)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)及びSTS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種である。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている品種などがある。
【0121】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物であり、それらは、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関によるデータベースに記載されている[例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://www.agbios.com/dbase.php」を参照されたい]。
【0122】
本発明の組成物は、材木の表面又は内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種類の木材、そのような木材を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0123】
本発明の方法で防除可能な植物又は作物の病害の中で、以下のものを挙げることができる:
・ うどんこ病(powdery mildew disease)、例えば、
ブルメリア(Blumeria)病、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)に起因するもの;
ポドスファエラ(Podosphaera)病、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)に起因するもの;
スファエロテカ(Sphaerotheca)病、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)に起因するもの;
ウンシヌラ(Uncinula)病、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に起因するもの;
・ さび病(rust disease)、例えば、
ギムノスポランギウム(Gymnosporangium)病、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)に起因するもの;
ヘミレイア(Hemileia)病、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix)に起因するもの;
ファコプソラ(Phakopsora)病、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)又はファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)に起因するもの;
プッシニア(Puccinia)病、例えば、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)に起因するもの;
ウロミセス(Uromyces)病、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)に起因するもの;
・ 卵菌類による病害(Oomycete disease)、例えば、
アルブゴ(Albugo)病、例えば、アルブゴ・カンジダ(Albugo candida)に起因するもの;
ブレミア(Bremia)病、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)に起因するもの;
ペロノスポラ(Peronospora)病、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に起因するもの;
プラスモパラ(Plasmopara)病、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)に起因するもの;
プセウドペロノスポラ(Pseudoperonospora)病、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
・ 葉斑点性、葉汚斑性及び葉枯れ性の病害(leafspot, leaf blotch and leaf blight disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に起因するもの;
セルコスポラ(Cercospora)病、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)に起因するもの;
クラジオスポルム(Cladiosporum)病、例えば、クラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブスに起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium)に起因するもの;
シクロコニウム(Cycloconium)病、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum)に起因するもの;
ジアポルテ(Diaporthe)病、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)に起因するもの;
Drechslera、異名:Helminthosporium)又はコクリオボルス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus);
エルシノエ(Elsinoe)病、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii)に起因するもの;
グロエオスポリウム(Gloeosporium)病、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor)に起因するもの;
グロメレラ(Glomerella)病、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)に起因するもの;
グイグナルジア(Guignardia)病、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)に起因するもの;
レプトスファエリア(Leptosphaeria)病、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeia nodorum)に起因するもの;
マグナポルテ(Magnaporthe)病、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)に起因するもの;
ミコスファエレラ(Mycosphaerella)病、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、ミコスファエレラ・アラキジコラ(Mycosphaerella arachidicola)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)に起因するもの;
ファエオスファエリア(Phaeosphaeria)病、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)に起因するもの;
ラムラリア(Ramularia)病、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni)に起因するもの;
リンコスポリウム(Rhynchosporium)病、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)又はセプトリア・リコペルシシ(Septoria lycopersici)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベンツリア(Venturia)病、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)に起因するもの;
・ 根及び茎の病害、例えば、
コルチシウム(Corticium)病、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)に起因するもの;
ガエウマンノミセス(Gaeumannomyces)病、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
サロクラジウム(Sarocladium)病、例えば、サロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)に起因するもの;
スクレロチウム(Sclerotium)病、例えば、スクレロチウム・オリザエ(Sclerotium oryzae)に起因するもの;
タペシア(Tapesia)病、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis)に起因するもの;
チエラビオプシス(Thielaviopsis)病、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)に起因するもの;
・ 穂の病害(ear and panicle disease)(トウモロコシの穂軸を包含する)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラジオスポリウム属種(Cladiosporium spp.)に起因するもの;
クラビセプス(Claviceps)病、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
・ 黒穂病(smut and bunt disease)、例えば、
スファセロテカ(Sphacelotheca)病、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)に起因するもの;
チレチア(Tilletia)病、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)に起因するもの;
ウロシスチス(Urocystis)病、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta)に起因するもの;
ウスチラゴ(Ustilago)病、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)に起因するもの;
・ 果実の腐敗性及び黴性の病害(fruit rot and mould disease)、例えば、
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
リゾプス(Rhizopus)病、例えば、リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)に起因するもの;
スクレロチニア(Sclerotinia)病、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticilium)病、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum)に起因するもの;
・ 種子及び土壌が媒介する腐朽性、黴性、萎凋性、腐敗性及び苗立ち枯れ性の病害(seed and soil borne decay, mould, wilt, rot and damping−off disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)に起因するもの;
アファノミセス(Aphanomyces)病、例えば、アファノミセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)に起因するもの;
アスコキタ(Ascochyta)病、例えば、アスコキタ・レンチス(Ascochyta lentis)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera、Bipolaris 異名:Helminthosporium)に起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・ココデス(Colletotrichum coccodes)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
マクロホミナ(Macrophomina)病、例えば、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
ホマ(Phoma)病、例えば、ホマ・リンガム(Phoma lingam)に起因するもの;
ホモプシス(Phomopsis)病、例えば、ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)に起因するもの;
ピリクラリア(Pyricularia)病、例えば、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
リゾプス(Rhizopus)病、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)に起因するもの;
スクレロチウム(Sclerotium)病、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticillium)病、例えば、ベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae)に起因するもの;
・ 腐乱性病害、開花病及び枯れ込み性病害(canker, broom and dieback disease)、例えば、
ネクトリア(Nectria)病、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)に起因するもの;
・ 枯損性病害(blight disease)、例えば、
モニリニア(Monilinia)病、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa)に起因するもの;
・ 葉水泡性病害又は縮葉病(leaf blister or leaf curl disease)、例えば、
エキソバシジウム(Exobasidium)病、例えば、エキソバシジウム・ベキサンス(Exobasidium vexans)に起因するもの;
タフリナ(Taphrina)病、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans)に起因するもの;
・ 木本植物の衰退性病害(decline disease of wooden plant)、例えば、
エスカ(Esca)病、例えば、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella clamydospora)、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及びフォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea)に起因するもの;
ユーティパダイバック病(Eutypa dyeback)、例えば、ユーティパ・ラタ(Eutypa lata)に起因するもの;
オランダ病(Dutch elm disease)、例えば、セラトシストス・ウルミ(Ceratocystsc ulmi)に起因するもの;
ガノデルマ(Ganoderma)病、例えば、ガノデルマ・ボニネンセ(Ganoderma boninense)に起因するもの;
・ 花及び種子の病害、例えば、
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
・ 塊茎の病害、例えば、
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)病、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)に起因するもの;
・ 塊茎の病害、例えば、
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)病、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)に起因するもの;
・ 根瘤病(club root diseases)、例えば、
プラスモジオホラ(Plasmodiophora)病、例えば、プラスモジオホラ・ブラシカエ(Plamodiophora brassicae)に起因するもの;
・ 例えば以下のものなどの細菌性微生物に起因する病害:
キサントマナス属各種(Xanthomanas species)、例えば、キサントモナス・カムペストリス pv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae);
シュードモナス属各種(Pseudomonas species)、例えば、シュードモナス・シリンガエ pv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans);
エルウィニア属各種(Erwinia species)、例えば、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)。
【0124】
本発明の殺菌剤組成物は、材木の表面又は内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種類の木材、そのような木材を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0125】
本発明の処理方法において通常施用される活性化合物の薬量は、茎葉処理における施用では、一般に、また、有利には、10〜800g/ha、好ましくは、50〜300g/haである。種子処理の場合は、施用する活性物質の薬量は、一般に、また、有利には、種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150gである。
【0126】
本明細書中で示されている薬量が本発明の方法を例証するための例として挙げられているということは、明確に理解される。当業者は、特に処理対象の植物又は作物の種類に応じて、該施用薬量を適合させる方法を理解するであろう。
【0127】
本発明の殺菌剤組成物は、さらにまた、遺伝子組み換え生物の本発明化合物又は本発明農薬組成物による処理においても使用することができる。遺伝子組み換え植物は、興味深いタンパク質をコードする異種の遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。「興味深いタンパク質をコードする異種の遺伝子(heterologous gene encoding a protein of interest)」という表現は、本質的に、形質転換された植物に新しい作物学的特性を付与する遺伝子を意味するか、又は、遺伝子組み換えされた植物の作物学的特性を改善するための遺伝子を意味する。
【0128】
本発明の化合物又は混合物は、さらにまた、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌性疾患(trichophyton disease)及びカンジダ症、又は、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)(例えば、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus))に起因する疾患のような、ヒト又は動物の菌類病を治療的又は予防的に処置するのに有用な組成物を調製するのに使用することもできる。
【0129】
化合物例についての下記表及び調製又は効力についての下記実施例を参照して、本発明のさまざまな態様について説明する。
【0130】
下記表は、本発明による式(I)で表される化合物の例について非限定的に例証している。
【0131】
下記表おいて、「M+H」(「ApcI+」)は、ポジティブ大気圧化学イオン化法による質量分析において観察された分子イオンピークプラス1a.m.u.(原子質量単位)を意味する。

【0132】
下記表において、logP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従い、下記に記載されている方法を用いて、逆相カラム(C18)でのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により求めた:
温度:40℃; 移動相:0.1%水性ギ酸及びアセトニトリル;10%アセトニトリルから90%アセトニトリルまでの直線勾配。
【0133】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(3〜16個の炭素原子を含んでいる)を用いて実施した(logP値は、2種類の連続するアルカノンの間の線形補間を用いて、保持時間により決定)。
【0134】
ラムダマックス値は、190nm〜400nmの紫外線スペクトルを用いるクロマトグラフシグナルの最大値で決定した。
【0135】
下記表において、「位置」は、第1のフェニル環上の第2のフェニル環の結合点を意味している。
【0136】
【表1】







【実施例】
【0137】
下記実施例により、本発明の式(I)で表される化合物の調製及び効力について非限定的に例証する。
【0138】
調製実施例1: N−[1−(ビフェニル−2−イル)エチル]−N−シクロプロピル−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物1)の調製
【0139】
10mLのテトラヒドロフランの中の300mg(0.789mmol)のN−(2−ブロモベンジル)−N−シクロプロピル−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの溶液に、120mg(0.986mmol)のフェニルボロン酸、5mLの水に溶解させた163mg(1.183mmol)の炭酸カリウム、及び、9mg(0.01当量)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを、順次添加する。その反応混合物を80℃で4時間加熱する。次いで、その反応混合物を周囲温度まで冷却し、50mLのブラインの上に注ぐ。その水層をジエチルエーテルで3回抽出し、有機層を合して、水酸化ナトリウム1M溶液及びブラインで順次洗浄し、相分離器フィルターで濾過して、濃縮後、310mgの褐色の油状物を得る。カラムクロマトグラフィー(勾配 ヘプタン/酢酸エチル)に付して、220mg(収率68%)のN−[1−(ビフェニル−2−イル)エチル]−N−シクロプロピル−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを白色の固体として得た(融点[mp]=100℃)。
【0140】
調製実施例2: N−[(3−クロロビフェニル−4−イル)メチル]−N−シクロプロピル−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物33)の調製
【0141】
段階1:3−クロロビフェニル−カルバルデヒドの調製
30mLのテトラヒドロフランの中の5g(22.78mmol)の4−ブロモ−2−クロロベンズアルデヒドの溶液に、3.47g(28.47mmol)のフェニルボロン酸、15mLの水に溶解させた4.72g(34.17mmol)の炭酸カリウム、及び、263mg(0.01当量)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを、順次添加する。その反応混合物を80℃で3時間加熱する。次いで、その反応混合物を周囲温度まで冷却し、150mLのブラインの上に注ぐ。その水層をジクロロメタンで3回抽出し、有機層を合して、水酸化ナトリウム1M溶液及びブラインで順次洗浄し、ChemElutカートリッジで濾過して、濃縮後、4.6gの褐色の固体を得る。カラムクロマトグラフィー(勾配 ヘプタン/クロロホルム)に付して、3.29g(収率65%)の3−クロロビフェニル−4−カルバルデヒドを白色の固体としてた(mp=90−91℃)。
【0142】
段階2:N−[(3−クロロビフェニル−4−イル)メチル]シクロプロパンアミンの調製
45mLのメタノールの中に3gの3Åモレキュラーシーブと一緒に1.82mL(26mmol)のシクロプロピルアミンと1.90mL(33mmol)の酢酸を含んでいる溶液を冷却し、それに、2.85g(13.1mmol)の3−クロロビフェニル−4−カルバルデヒドを添加する。その反応混合物を還流温度で4時間撹拌する。次いで、その反応混合物を周囲温度まで冷却し、1.24g(19.7mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムをゆっくりと添加する。その反応混合物を還流温度でさらに2時間撹拌する。減圧下に溶媒を除去し、次いで、その残渣に100mLの水を添加し、水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調節する。その水層をジクロロメタン(3×50mL)で3回抽出する。その有機層を合して相分離器フィルターで濾過して、濃縮後、11.61gの黄色の油状物を得る。カラムクロマトグラフィー(勾配 ヘプタン/酢酸エチル)に付して、2.84g(収率79%)のN−[(3−クロロビフェニル−4−イル)メチル]シクロプロパンアミンを無色の油状物として得た(M+H=258)。
【0143】
段階3:N−[(3−クロロビフェニル−4−イル)メチル]−N−シクロプロピル−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製
周囲温度で、5mLのテトラヒドロフランの中の300mg(1.164mmol)のN−[(3−クロロビフェニル−4−イル)メチル]シクロプロパンアミンと0.18mLのトリエチルアミンの溶液に、1mLのテトラヒドロフランの中の226mg(1.28mmol)の5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドの溶液を、滴下して加える。その反応混合物を室温で15時間撹拌する。減圧下に溶媒を除去し、次いで、その残渣に10mLの水を添加する。その水層を酢酸エチル(2×50mL)で2回抽出し、有機層を合して、HCl 1M溶液、炭酸カリウム飽和溶液及びブラインで順次洗浄し、ChemElutカートリッジで濾過して、濃縮後、350mg(収率72%)のN−[(3−クロロビフェニル−4−イル)メチル]−N−シクロプロピル−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを黄色の油状物として得る(M+H=398)。
【0144】
実施例A: アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)(アブラナ科植物の黒斑病(leaf spot))に対するインビボ試験
【0145】
被験活性成分を、アセトン/Tween/水の混合物の中でポッター均質化(potter homogenization)することにより調製する。この懸濁液を、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0146】
育苗カップ(starter cup)内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたハツカダイコン植物(品種 Pernot)を、子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。
【0147】
対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/Tween/水の混合物で処理する。
【0148】
24時間経過した後、アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)の胞子の水性懸濁液(1cm当たり40,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12〜13日間培養したものから採取する。
【0149】
汚染されたハツカダイコン植物を、湿潤雰囲気下、約18℃で、6〜7日間インキュベートする。
【0150】
上記汚染から6〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0151】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)が観察される:3、5、7、8、11、12、15、21、25、26、27、29、31、33、34、38、39、42、及び、43。
【0152】
実施例B: ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)(オオムギの網斑病)に対するインビボ試験
【0153】
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0154】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたオオムギ植物(品種 Express)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/Tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0155】
24時間経過した後、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり12,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12日間培養したものから採取する。汚染されたオオムギ植物を、約20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、相対湿度80%で12日間インキュベートする。
【0156】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0157】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:1、2、4、5、11、12、14、15、17、19、22、23、24、25、28、29、30、31、33、34、38、39、及び、42。
【0158】
実施例C: スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(ウリ科植物のうどんこ病)に対するインビボ試験
【0159】
被験活性成分を、アセトン/Tween/水の混合物の中で均質化することにより調製する。この懸濁液を、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0160】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、20℃/23℃で生育させた、育苗カップ内のガーキン植物(品種 Vert petit de Paris)を、2葉期で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0161】
24時間経過した後、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、汚染された植物から採取する。汚染されたガーキン植物を、約20℃/25℃、相対湿度60/70%でインキュベートする。
【0162】
上記汚染から21日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0163】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:1、2、3、5、7、8、22、25、38、39、及び、42。
【0164】
実施例D: ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(コムギの斑点病(leaf spot))に対するインビボ試験
【0165】
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0166】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたコムギ植物(品種 Scipion)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0167】
24時間経過した後、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり500,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、7日間培養したものから採取する。汚染されたコムギ植物を、18℃、相対湿度100%で72時間インキュベートし、次いで、相対湿度90%で21〜28日間インキュベートする。
【0168】
上記汚染から21〜28日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0169】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:1、2、3、4、5、8、9、11、14、15、17、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、34、35、36、37、39、40、41、及び、42。
【0170】
実施例E: ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)(アブラナ科植物のベト病)に対するインビボ比較試験
【0171】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させた育苗カップ内のキャベツ植物(品種 Eminence)を、子葉期で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。24時間経過した後、ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染植物から採取する。汚染されたキャベツ植物を、湿潤雰囲気下、20℃で5日間インキュベートする。上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0172】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%の病害防除)から完全な保護(100%の病害防除)が観察される:本発明による7、14及び30;
それに対して、WO−2007/087906に開示されている実施例358及び実施例489の化合物を500ppmの薬量で用いた場合、観察されるのは、弱い保護(30%未満の病害防除)から全く保護されない状態である。WO−2007/087906に開示されている実施例358及び実施例489は、それぞれ、以下の化合物に対応する:
・ N−シクロプロピル−N−[4−(2,4−ジクロロフェノキシ)ベンジル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
・ N−[4−(4−クロロフェノキシ)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド。
【0173】
これらの結果は、本発明による化合物が、WO−2007/087906に開示されている構造的の最も近い化合物と比較して、極めて良好な生物学的活性を有しているということを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
・ Aは、炭素で結合した不飽和又は部分的飽和の5員ヘテロシクリル基(ここで、該ヘテロシクリル基は、4以下の基Rで置換され得る)を表し;
・ Zは、置換されていないC−C−シクロアルキルを表すか、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な10以下の原子若しくは基で置換されているC−C−シクロアルキル(ここで、該原子若しくは置換基は、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルからなるリストの中で選択され得る)を表し、
・ Z及びZ(ここで、該Z及びZは、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルスルフェニル、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイルを表し;又は、
とZは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているC−C−シクロアルキル若しくは置換されていないC−C−シクロアルキルを表すことができ;
・ X及びYは、独立して、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、イソニトリル、ヒドロキシル、スルファニル、アミノ、ペンタフルオロ−λ−スルファニル、C−C−アルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニル、C−C−アルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニル、C−C−アルケニルオキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−C−C−シクロアルキル、C−C14−ビシクロアルキル、ホルミル、ホルミルオキシ、ホルミルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、N−ヒドロキシカルバモイル、カルバメート、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、C−C−アルコキシイミノ、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、トリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルキル、ベンジルオキシ(ここで、該ベンジルオキシは、5以下の基Qで置換され得る)、ベンジルスルファニル(ここで、該ベンジルスルファニルは、5以下の基Qで置換され得る)、ベンジルアミノ(ここで、該ベンジルアミノは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール(ここで、該アリールは、5以下の基Qで置換され得る)、アリールオキシ(ここで、該アリールオキシは、5以下の基Qで置換され得る)、アリールアミノ(ここで、該アリールアミノは、5以下の基Qで置換され得る)、アリールスルファニル(ここで、該アリールスルファニルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−アルキル(ここで、該アリール−C−C−アルキルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−アルケニル(ここで、該アリール−C−C−アルケニルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−アルキニル(ここで、該アリール−C−C−アルキニルは、5以下の基Qで置換され得る)、アリール−C−C−シクロアルキル(ここで、該アリール−C−C−シクロアルキルは、5以下の基Qで置換され得る)、ピリジニル(ここで、該ピリジニルは、4以下の基Qで置換され得る)及びピリジニルオキシ(ここで、該ピリジニルオキシは、4以下の基Qで置換され得る)を表し;又は、
2つの置換基Xは、それらが結合している連続した炭素原子と一緒に、それら2つの置換基Xが結合しているフェニル環に縮合した3個以下のヘテロ原子を含んでいる5員又は6員の飽和炭素環又は飽和ヘテロ環(ここで、該飽和炭素環又は飽和ヘテロ環は、同一であるか又は異なっていることが可能な4以下の基Qで置換され得る)を形成することが可能であり;又は、
2つの置換基Yは、それらが結合している連続した炭素原子と一緒に、それら2つの置換基Xが結合しているフェニル環に縮合した3個以下のヘテロ原子を含んでいる5員又は6員の飽和炭素環又は飽和ヘテロ環(ここで、該飽和炭素環又は飽和ヘテロ環は、同一であるか又は異なっていることが可能な4以下の基Qで置換され得る)を形成することが可能であり;
・ nは、0、1、2、3又は4を表し;
・ mは、0、1、2、3、4又は5を表し;
・ Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、イソニトリル、ニトロ、アミノ、スルファニル、ペンタフルオロ−λ−スルファニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニル、C−C−アルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニル、C−C−アルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシイミノ、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、アリール、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるハロゲノアリールオキシ、C−C−アルキルカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルを表し;
・ Qは、独立して、ハロゲン原子、シアノ、イソニトリル、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルケニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキニル、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、同一であるか又は異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキル、トリ(C−C)アルキルシリル及びトリ(C−C)アルキルシリル−C−C−アルキルを表す〕
で表される化合物、並びに、その塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体又は幾何異性体(但し、「N−シクロプロピル−N−[(6−メトキシビフェニル−3−イル)メチル]イソオキサゾール−5−カルボキサミド」を除く)。
【請求項2】
Aが、
* 式(A):
【化2】

〔式中、
〜R(ここで、該R〜Rは、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化3】

〔式中、
〜R(ここで、該R〜Rは、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化4】

〔式中、
は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化5】

〔式中、
〜R11(ここで、該R〜R11は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化6】

〔式中、
12及びR13(ここで、該R12及びR13は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、アミノ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
14は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、アミノ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化7】

〔式中、
15は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
16及びR18(ここで、該R16及びR18は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
17は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化8】

〔式中、
19は、水素原子又はC−C−アルキルを表し;
20〜R22(ここで、該R20〜R22は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化9】

〔式中、
23は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
24は、水素原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A):
【化10】

〔式中、
25は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
26は、水素原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A10):
【化11】

〔式中、
27は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
28は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、又は、ジ(C−C−アルキル)アミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A11):
【化12】

〔式中、
29は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
30は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、又は、ジ−C−C−アルキルアミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A12):
【化13】

〔式中、
31は、水素原子、又は、C−C−アルキルを表し;
32は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
33は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A13):
【化14】

〔式中、
34は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキニルオキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
35は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ又はジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
36は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A14):
【化15】

〔式中、
37及びR38(ここで、該R37及びR38は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、C−C−アルキルスルファニルを表し;
39は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A15):
【化16】

〔式中、
40及びR41(ここで、該R40及びR41は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A16):
【化17】

〔式中、
42及びR43(ここで、該R42及びR43は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、アミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A17):
【化18】

〔式中、
44及びR45(ここで、該R44及びR45は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A18):
【化19】

〔式中、
47は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
46は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、C−C−アルキルスルファニルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A19):
【化20】

〔式中、
49及びR48(ここで、該R49及びR48は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A20):
【化21】

〔式中、
50及びR51(ここで、該R50及びR51は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A21):
【化22】

〔式中、
52は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A22):
【化23】

〔式中、
53は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A23):
【化24】

〔式中、
54及びR56(ここで、該R54及びR56は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
55は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A24):
【化25】

〔式中、
57及びR59(ここで、該R57及びR59は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
58は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A25):
【化26】

〔式中、
60及びR61(ここで、該R60及びR61は、同一であるか又は異なっていることが可能である)は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキルを表し;
62は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A26):
【化27】

〔式中、
65は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキニルオキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表し;
63は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、又は、ジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
64は、水素原子又はC−C−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
からなるリストの中で選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、A、A、A10及びA13からなるリストの中で選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Aが、A13〔ここで、R34はC−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、C−C−アルコキシを表し;R35は水素原子又はハロゲン原子を表し、R36はC−C−アルキルを表す〕を表す、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、同一であるか又は異なっていることが可能な10以下の基又は原子(ここで、これらの基又は原子は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシからなるリストの中で選択され得る)で置換されているC−C−シクロアルキルを表す、請求項1〜4に記載の化合物。
【請求項6】
が置換されていないC−C−シクロアルキルを表す、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がシクロプロピルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Xが、独立して、ハロゲン原子、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルコキシ、又は、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシを表す、請求項1〜7に記載の化合物。
【請求項9】
連続した2つの置換基Xが、フェニル環と一緒に、置換されているか又は置換されていない1,3−ベンゾジオキソリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリニル、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、インダニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル又はインドリニルを形成する、請求項1〜7に記載の化合物。
【請求項10】
Yが、独立して、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、又は、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキルを表す、請求項1〜9に記載の化合物。
【請求項11】
連続した2つの置換基Yが、フェニル環と一緒に、置換されているか又は置換されていない1,3−ベンゾジオキソリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリニル、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、インダニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル又はインドリニルを形成する、請求項1〜9に記載の化合物。
【請求項12】
Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキル、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、同一であるか若しくは異なっていることが可能な9個以下のハロゲン原子を含んでいるC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、C−C−アルコキシカルボニル又はC−C−アルキニルオキシを表す、請求項1〜11に記載の化合物。
【請求項13】
式(II)
【化28】

〔式中、Z、Z、X、Y、n及びmは、請求項1〜12に従って定義される〕
で表される化合物(但し、「N−(ビフェニル−4−イルメチル)シクロプロパンアミン」及び「N−[1−(ビフェニル−4−イル)エチル]シクロプロパンアミン」を除く)。
【請求項14】
活性成分としての有効量の請求項1〜12に記載の式(I)で表される化合物及び農業上許容される支持体、担体又は増量剤を含んでいる、殺菌剤組成物。
【請求項15】
作物の植物病原性菌類を防除する方法であって、栽培学的に有効で且つ植物に対して実質的に毒性を示さない量の請求項1〜12に記載の化合物又は請求項14に記載の組成物を、植物がそこで生育しているか若しくは生育することが可能な土壌、植物の葉若しくは果実、又は、植物の種子に施用することを特徴とする、前記方法。

【公表番号】特表2011−529866(P2011−529866A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520512(P2011−520512)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059840
【国際公開番号】WO2010/012794
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】