説明

殺菌容器

【課題】殺菌容器のユーザ利便性を向上すること。
【解決手段】本発明の殺菌容器1は、液体を収容可能な容器2と、この容器2の内部に配置されると共に、容器2に液体が入れられた場合に液体に含まれる微生物を死滅させる殺菌装置3と、電力を生成しこの生成した電力を殺菌装置3に供給する電力発生装置4とを備えた構成とする。これにより、ユーザが水道設備の整っていない地域に長期間滞在するとき、或いは災害時に、この殺菌容器1を長時間使用しても、電池切れを心配する必要がないので、殺菌容器1のユーザ利便性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体に含まれる微生物を殺菌する殺菌容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の殺菌装置について、図面を用いて説明する。図7は、従来の殺菌装置の透視模式図である。
【0003】
図7において、従来の殺菌容器101は、液体を収容可能な容器102と、容器102の内部に配置されると共に、容器102に液体が入れられた場合に液体に含まれる細菌類等の微生物を死滅させる紫外線ランプを有する殺菌装置103と、外部から電力供給を受けてこの電力を安定器104を介して殺菌装置103に供給する電源装置105とを備える。
【0004】
ユーザは、飲用蓋106を開けて容器102の開口部107から水を容器102に注入し、飲用蓋106を閉めた後に、スイッチ108を押下する。これにより、電源装置105から電力供給を受けた殺菌装置103が紫外線を放射することで、水に含まれる微生物を死滅させる。これにより、ユーザは細菌類等の微生物の少ない、より安全な水を得ることができる。
【0005】
尚、本発明に関連する先行文献として例えば特許文献1〜3が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−251342号公報
【特許文献2】特開2008−023447号公報
【特許文献3】特開2006−116536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、電源装置105が外部から電力供給を受けないと、殺菌容器101は動作しないので、電力供給の受けられない場所ではこの殺菌容器101を使用できなかった。また、仮に電源装置105が電池を有していても、この殺菌容器101を長期間使用し続けると、必要なときに電池切れになる等、ユーザの利便性が悪かった。
【0008】
そこで、本発明は、殺菌容器のユーザ利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の殺菌容器は、液体を収容可能な容器と、この容器の内部に配置されると共に、容器に液体が入れられた場合に液体に含まれる微生物を死滅させる殺菌装置と、電力を生成しこの生成した電力を殺菌装置に供給する電力発生装置とを備えた構成とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成により、殺菌容器が外部から電力供給を受けなくとも、殺菌容器を動作させることが可能となるので、ユーザは電気供給の受けられない場所でもこの殺菌容器を使用することができる。また、ユーザが水道設備の整っていない地域に長期間滞在するとき、或いは災害時に、この殺菌容器を長時間使用しても、電池切れを心配する必要がないので、殺菌容器のユーザ利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1の殺菌容器の透視模式図
【図2】本発明の実施の形態1の殺菌容器の回路図
【図3】本発明の実施の形態1の殺菌容器の回路図
【図4】本発明の実施の形態1の殺菌容器の透視模式図
【図5】本発明の実施の形態2の殺菌容器の透視模式図
【図6】本発明の実施の形態3の殺菌容器の透視模式図
【図7】従来の殺菌容器の透視模式図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1の殺菌容器について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1の殺菌容器1の透視模式図である。
【0013】
図1において、殺菌容器1は、水を収容可能な容器2と、この容器2の内部に配置されると共に、容器2に水が入れられた場合に水に含まれる細菌類等の微生物を死滅させる殺菌装置3と、電力を生成しこの生成した電力を殺菌装置3に供給する電力発生装置4とを備える。尚、本特許でいう「殺菌」若しくは「微生物を死滅させる」は、「微生物を殺す」という意味以外にも「微生物を無害化する」という意味も含む。
【0014】
この構成により、殺菌容器1が外部から電力供給を受けなくとも、殺菌容器1を動作させることが可能となるので、ユーザは電気供給の受けられない場所でもこの殺菌容器1を使用することができる。また、例えば、ユーザが水道設備の整っていない地域に長期間滞在するとき、或いは災害時に、この殺菌容器1を長時間使用しても、電池切れを心配する必要がないので、殺菌容器1のユーザ利便性を向上することができる。
【0015】
以下、殺菌容器1の各構成について詳述する。
【0016】
殺菌容器1は、容器2に注入された水に含まれる細菌類等の微生物を死滅させる携帯可能な飲用容器である。この殺菌容器1は、容器2の底の中心と容器2の飲用口を塞ぐ飲用蓋5の中心とを結ぶ軸6を回転軸とする略回転体であるが、この形状に限るものでない。尚、殺菌容器は、容器2に収容された飲料水を殺菌する飲用用途の他に、例えば、コンタクトレンズ殺菌容器、哺乳瓶殺菌容器、入れ歯殺菌容器、髭剃り殺菌容器、歯ブラシ殺菌容器等であっても良い。即ち、殺菌容器1は、ある対象物を洗浄する液体(水等)の殺菌用途、若しくはある対象物と共に液体(水等)を殺菌する用途であっても良い。
【0017】
容器2は、アルミニウム、ステンレス等の金属、若しくはポリエチレンテレフタレート等の樹脂からなるが、液体を収容可能な材質であれば何でも構わない。この容器2の容積が1ミリリットル〜5リットル程度であれば、ユーザが殺菌容器1を手に持って振ることができ、電力発生装置4による振動発電が可能となる。尚、殺菌容器1を飲用容器として用いるときは、容器2の容積が100ミリリットル〜3リットル程度である場合に、ユーザ利便性が高い。また、容器2の飲用口を含む給水用蓋19(容器2の頭部の略円錐形状の部分)が取り外し可能な構成であることが望ましい。このように、容器2の飲用口と容器2の給水口20とを異なる位置に設けることで、微生物を含む水が付着する可能性のある給水口20にユーザが口をつける必要がなくなる為、衛生的である。
【0018】
殺菌装置3は、波長10nm〜波長380nmの紫外線を放射する紫外線放射装置である。この殺菌装置3は、容器2内に備えられた電力発生装置4内に設けられていても良いし、容器2の内壁面に固定されていても良い。但し、殺菌装置3は容器2内の何所に設けられていても殺菌装置3への水の浸水を防止するために防水処理されている。また、殺菌装置3として紫外線を放射する発光ダイオードを用いることが耐衝撃性や耐久性の観点から望ましいが、紫外線を放射する蛍光灯など他の紫外線放射装置でも良い。紫外線の波長が200nm〜300nmのとき、紫外線は微生物に対して高い殺傷力を有する。特に、その波長が波長250nm〜波長260nmの場合に、紫外線の微生物に対する殺傷力は最大値を有する。微生物の中でも真菌類、芽胞菌類、枯草菌、炭疽菌等は紫外線耐性が高いが、例えば、紫外線波長がUV−C領域の場合、これら微生物に対し、例えば、照度10mW/cm2で10秒間以上紫外線を放射すると、水中のほとんどの微生物が死滅する。尚、殺菌装置3は、超音波発生装置、電流発生装置、熱発生装置、微細泡発生装置、電気分解装置等、他の殺菌装置でも構わない。
【0019】
電力発生装置4は、殺菌容器1がユーザに振られることで電力を生成する振動発電部12を有する。殺菌装置3から相対的に遠い水中に存在する微生物は、相対的に近い水中に存在する微生物より生存確率は高くなる。特に、殺菌装置3が紫外線放射装置である場合、殺菌装置3から相対的に遠い水中に存在する微生物は、微生物等の陰に隠れて紫外線に照射されない可能性が高くなる。また、例えば、殺菌装置3が電流発生装置である場合、殺菌装置3から相対的に遠い水中においては殺菌装置3から相対的に近い水中と比較して電流が流れにくく、水中の微生物の死滅割合が低くなる。そこで、電力を発生させる際にユーザが殺菌容器1を振ると容器2内の水が撹拌し、殺菌装置3から遠い水中に存在する微生物が殺菌装置3に近づくことで、水中の微生物の死滅割合を大幅に高めることができる。言い換えると、殺菌装置3を動作させようと電力を発生させる際、ユーザが忘れずに水を撹拌させることができ、水中の微生物の死滅割合が大幅に高まる。若しくは、水中における所定割合の微生物の死滅時間が短くなる。また、振動による発電を終えた後も暫くの時間は水の流動が続くので、振動発電の終了後であって殺菌装置3の動作中においても水中の微生物の死滅割合を高めることができる。尚、紫外線の直進性が高いため、殺菌装置3が紫外線放射装置の場合には、容器2内の水を撹拌させることが水中の微生物の死滅割合を高める手段として格別に有効である。
【0020】
具体的には、電力発生装置4は、振動発電部12と電源回路部13とを備えると共に、例えば、容器2の底部に設けられて、さらに防水加工されている。振動発電部12は、容器2の底に固定された第1の筒7と、第1の筒7に巻回されたコイル8と、第1の筒7内を可動な磁石9と、第1の筒7を覆うように配置されると共に紫外線の透過率が90%以上の材質である第2の筒10と第1の筒7と第2の筒10の上端を覆う蓋部11を有する。これら第1の筒7、第2の筒10、或いは蓋部11は、ガラスでも良いが、耐衝撃性の観点から樹脂が望ましい。尚、第2の筒10に加えて、第1の筒7も紫外線の透過率が90%以上の材質である場合は、水中における紫外線の照射部位が広がり、水中の微生物の死滅割合を高めることができる。例えば、これら第1の筒7と第2の筒10が軸6を中心軸とした回転体であるとき、コイル8は軸6に沿って動く。このような構成において、殺菌装置3(紫外線放射装置)は第1の筒7と第2の筒10との間に配置される。これらコイル8や殺菌装置3への浸水を防止するために、振動発電部12の下端を容器2の底で覆うことで、振動発電部12の内部を密閉空間としている。磁石9の形状は、第1の筒7の軸6に垂直な断面と相似な底面を有する柱形状であっても良い。尚、第1の筒7の前記断面が円形の場合は、磁石9の形状は球形でも良い。さらにまた、磁石9と第1の筒7との間に潤滑油を入れることで、両者の摩擦を減らしても良い。また、この振動発電部12を容器2の側面に設けられた取手(図示せず)内に設けることで、容器2の容積を確保しても良い。
【0021】
上記のように、電力発生装置4は、発生する起電力が高いという観点から、電磁誘導によって電力を生成する振動発電部12を有することが望ましい。ただ、この電力発生装置4は、静電容量の変化によって電力を生成する振動発電部、若しくは、圧電効果によって電力を生成する振動発電部など、他の原理で発電する振動発電部を有していても良い。
【0022】
このように、電力発生装置4が振動発電部を有すると、殺菌容器1の振動による発電と水の撹拌の両作用を奏する。但し、電力発生装置4は、振動発電部12の代わりに、太陽光発電部等、他の電力発生手段を有していても良い。
【0023】
次に、図2を用いて、電源回路部13の内部回路の一例について説明する。
【0024】
電源回路部13は、例えば、振動発電部12に接続されて振動発電部12が生成した交流を整流する整流回路部14と、この整流回路部14に接続されて整流回路部14から出力された電力を蓄える蓄電部15と、整流回路部14に接続されて整流回路部14から出力された電流を平滑化するコンデンサ16と、振動発電部12と発光ダイオードである殺菌装置3との間に接続されて両者の接続の有無を切り替えるスイッチ17とを備える。蓄電部15は、一例としてリチウムイオン電池であるが、他種の電池でもよく、また、電気二重層コンデンサ等の容量の大きなコンデンサでも良い。尚、電源回路部13が蓄電部15を備えていると、振動発電部12が発電を終了した後も暫くの間は継続して殺菌装置3を動作させることができるので望ましいが、電源回路部13が蓄電部15を備えていなくとも振動発電部12が生成した電力をそのまま殺菌装置3に供給すれば殺菌装置3の紫外線放射は可能である。更に、電源回路部13は電圧を上げる昇圧部(図示せず)を備えていても良い。
【0025】
また、図3に示すように、電源回路部13は、殺菌装置3への所定値以上の電圧出力を抑制する保護回路部18を備えていることが、殺菌装置3(発光ダイオード)の保護という観点から望ましい。
【0026】
尚、上記説明は、電力発生装置4が振動発電部12を有すると共に殺菌装置3が発光ダイオードである場合の電源回路部13の一例であるが、電力発生装置4が太陽光発電部を有する場合や殺菌装置3が他の殺菌手段である場合などは、電源回路部13は上記とは異なる構成であることは言うまでもない。
【0027】
以下、上記構成の殺菌容器1の使用方法を、図1を用いて説明する。
【0028】
ユーザは、給水用蓋19を開けて容器2の給水口20から水を容器2に注入し、給水用蓋19と飲用蓋5を閉めた後に、殺菌容器1を容器2の軸6方向に複数回振動させる。これによって、磁石9が第1の筒7内を往復し、コイル8は誘導起電力を生成する。生成された電力は、蓄電部15に蓄えられる。その後、ユーザがスイッチ17を押下(オン)する。これにより、蓄電部15と殺菌装置3とが通電し、電力供給を受けた殺菌装置3が紫外線を放射することで、水に含まれる微生物を死滅させる。このとき、ユーザがスイッチ17を押下(オン)した後に殺菌容器1を振動させた場合は、殺菌装置3は振動発電部12からも電力供給を受け紫外線を放射する。そして、殺菌装置3が動作してから所定時間経過後に、ユーザは飲用蓋5を開けて容器2の飲用口から、細菌類等の微生物の少ない、より安全な水を飲むことができる。即ち、殺菌容器1が外部から電力供給を受けなくとも、殺菌容器1を動作させることが可能となるので、ユーザは電気供給の受けられない場所でもこの殺菌容器1を使用することができるようになる。また、ユーザが水道設備の整っていない地域に長期間滞在する場合、或いは災害時に、この殺菌容器1を長時間使用しても、電池切れを心配する必要がないので、殺菌容器1のユーザ利便性を向上することができる。また、電力発生装置4が振動発電部12を有する場合には、殺菌容器1の振動による発電と水の撹拌の両作用を奏する。
【0029】
尚、殺菌装置3が紫外線放射装置である場合に、殺菌容器1は容器2の内壁面を覆う反射膜(図示せず)を備え、紫外線波長領域おける反射膜の反射率が容器2の内壁面の反射率より高いことが望ましい。これにより、反射膜が紫外線を反射するので、水中の微生物の死滅割合が高まると共に、紫外線が容器2の外部に放射されることを抑制し、ユーザの目や皮膚等に紫外線が放射されることを防止する。また、殺菌容器1が容器2の内壁面に反射膜を有さなくとも、容器2をその内側に紫外線を90%以上反射させるような材質又は構成とすることで、水中の微生物の死滅割合が高まると共に、紫外線が容器2の外部に放射されることを抑制する。例えば、容器2の内壁面が鏡面加工されている構成とすればこの効果を高めることができる。さらに、紫外線波長領域における容器2(若しくは容器2に貼付された反射膜)の透過率より可視光波長領域における容器2(若しくは容器2に貼付された反射膜)の透過率が高ければ、ユーザが目視で水位を確認できると共に、ユーザの目や皮膚等に紫外線が放射されることを防止することができる。
【0030】
また、殺菌容器1は殺菌装置3の動作中に音と可視光の少なくとも一方を発する報知部21を備えていることが望ましい。これにより、ユーザは殺菌装置3が正常に動作していることを知ることができる。
【0031】
さらに、報知部21が殺菌装置3の動作開始から所定時間経過後に音と可視光の少なくとも一方を発する場合は、微生物の死滅割合が所定レベル以上になったことをユーザは知ることができる。
【0032】
さらにまた、図4に示すように、電力発生装置4が振動発電部12を有する構成において、容器2の内壁面に突起部22を設けることで、電力を発生させようとユーザが殺菌容器1を振った際における容器2内の水の流動方向が複雑化する。これにより、水中の微生物の死滅割合を高めることができる。
【0033】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2の殺菌容器について、図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態2の殺菌容器31の透視模式図である。尚、特に説明しない限りにおいて、その構成は実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様の構成については同一の符号をつけてその説明を省略する。
【0034】
図5において、殺菌装置3は電流発生装置である。この殺菌装置3は、容器2の内壁面に固定された正電極板32と、容器2の内壁面に固定されると共に正電極板32に対向して配置された負電極板33とを備える。この殺菌装置3が電力発生装置(図示せず)から清流回路部(図示せず)や昇圧部(図示せず)等を介して電力を受け、水中に高電流を流すことで、水中の微生物を死滅させる。
【0035】
また、電力発生装置は圧電効果によって電力を生成する振動発電部(図示せず)を有する。この振動発電部は小型であるので、容器2外の電源回路部13に内包することができる。
【0036】
この構成により、殺菌容器31が外部から電力供給を受けなくとも、殺菌容器31を動作させることが可能となるので、ユーザは電気供給の受けられない場所でもこの殺菌容器31を使用することができる。また、例えば、ユーザが水道設備の整っていない地域に長期間滞在するとき、或いは災害時に、この殺菌容器31を長時間使用しても、電池切れを心配する必要がないので、殺菌容器31のユーザ利便性を向上することができる。
【0037】
さらに、電力を発生させる際にユーザが殺菌容器31を振ると容器2内の水が撹拌し、水中の微生物の死滅割合を高めることができる。言い換えると、殺菌装置3を動作させようと電力を発生させる際、ユーザが忘れずに水を撹拌させることができ、水中の微生物の死滅割合が高まる。
【0038】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3の殺菌容器について、図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態3の殺菌容器41の透視模式図である。尚、特に説明しない限りにおいて、その構成は実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様の構成については同一の符号をつけてその説明を省略する。
【0039】
図6において、電力発生装置4は、殺菌容器1の側面に設けられると共にユーザが破線矢印方向に可動な(回動可能な)ハンドル42と、このハンドル42の動きに基づいて磁石とコイルによる電磁誘導によって電力を生成しこの生成した電力を電源回路部13を介して殺菌装置3に供給するダイナモ装置(図示せず)を備える。
【0040】
この構成により、殺菌容器41が外部から電力供給を受けなくとも、殺菌容器41を動作させることが可能となるので、ユーザは電気供給の受けられない場所でもこの殺菌容器41を使用することができる。また、例えば、ユーザが水道設備の整っていない地域に長期間滞在するとき、或いは災害時に、この殺菌容器41を長時間使用しても、電池切れを心配する必要がないので、殺菌容器41のユーザ利便性を向上することができる。
【0041】
さらに殺菌容器41は、容器2内に配置されると共にハンドル42の動きに連動して実線矢印方向に回動するフィンを備える。このフィン43の回動により、容器2内に入れられた水が撹拌される。
【0042】
この構成により、電力を発生させる際にユーザがハンドル42を動かすと容器2内の水が撹拌し、水中の微生物の死滅割合を高めることができる。言い換えると、殺菌装置3を動作させようと電力を発生させる際、ユーザが忘れずに水を撹拌させることができ、水中の微生物の死滅割合が高まる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の殺菌容器を長時間使用しても、電池切れを心配する必要がなく、ユーザが水道設備の整っていない地域に長期間滞在する場合や災害時に有用である。
【符号の説明】
【0044】
1、31、41 殺菌容器
2 容器
3 殺菌装置
4 電力発生装置
5 飲用蓋
6 軸
7 第1の筒
8 コイル
9 磁石
10 第2の筒
11 蓋部
12 振動発電部
13 電源回路部
14 整流回路部
15 蓄電部
16 コンデンサ
17 スイッチ
18 保護回路部
19 給水用蓋
20 給水口
21 報知部
22 突起部
32 正電極板
33 負電極板
42 ハンドル
43 フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容可能な容器と、
前記容器の内部に配置されると共に、前記容器に液体が入れられた場合に液体に含まれる微生物を死滅させる殺菌装置と、
電力を生成しこの生成した電力を前記殺菌装置に供給する電力発生装置とを備えた殺菌容器。
【請求項2】
前記容器の飲用口と前記容器の給水口とが異なる位置に設けられた請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項3】
前記殺菌装置は、波長10nm〜波長380nmの紫外線を放射する紫外線放射装置である請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項4】
前記殺菌装置は、波長200nm〜波長300nmの紫外線を放射する紫外線放射装置である請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項5】
前記殺菌装置は、波長250nm〜波長260nmの紫外線を放射する紫外線放射装置である請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項6】
前記電力発生装置は、前記殺菌容器が振られることで電力を生成する振動発電部を有する請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項7】
前記電力発生装置は、電磁誘導によって電力を生成する請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項8】
前記電力発生装置は、前記容器内に配置され、紫外線を透過する第1の筒と、前記第1の筒に巻回されたコイルと、前記第1の筒内を可動な磁石と、前記第1の筒を覆うように配置されると共に紫外線を透過する第2の筒を有し、
前記殺菌装置は、紫外線を放射する紫外線放射装置が前記第1の筒と前記第2の筒との間に配置された構成である請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項9】
前記殺菌装置は、紫外線を放射する紫外線放射装置であり、
前記容器の内壁面を覆う反射膜を備え、
紫外線波長領域おける前記反射膜の反射率は前記容器の内壁面の反射率より高い請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項10】
紫外線波長領域における前記容器若しくは前記容器に貼付された反射膜の透過率より可視光波長領域における前記容器若しくは前記容器に貼付された反射膜の透過率が高い請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項11】
前記殺菌装置の動作中に音と可視光の少なくとも一方を発する報知部を備えた請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項12】
前記殺菌装置の動作開始から所定時間経過後に音と可視光の少なくとも一方を発する報知部を備えた請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項13】
前記電力発生装置は振動発電部を有すると共に、前記容器の内壁面には突起部が設けられた請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項14】
前記電力発生装置は、前記殺菌容器の外面に設けられると共にユーザが可動なハンドルと、前記ハンドルの動きに基づいて電力を生成しこの生成した電力を前記殺菌装置に供給するダイナモ装置を備えた請求項1に記載の殺菌容器。
【請求項15】
前記容器の内部に配置されると共に前記ハンドルの動きに連動して前記容器に入れられた液体を撹拌するフィンを備えた請求項14に記載の殺菌容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−75257(P2013−75257A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216352(P2011−216352)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】