殺菌水噴射装置、及びそれを備えたビデ及び便座
【課題】少量の殺菌水により便器の内壁全体を殺菌することができる殺菌水噴射装置、及び殺菌水噴射装置が装着されたビデと便座を提供する。
【解決手段】殺菌噴射装置100は、殺菌水が流入する流入口122と、流入口122を通じて流入する殺菌水に渦流を発生させる円筒状の渦流発生室130と、渦流発生室130の底面の中心に配置され、渦流発生室130で渦流が発生した殺菌水を便器10の内壁に噴射する噴射ホール141とを含む。本発明によると、微細粒子の形態で殺菌水を噴霧するため、少量でも殺菌効果を高めることができ、また、殺菌水の噴射角と噴射速度が大きい1つの噴射装置を用いることによって、構成が簡単で費用の節減になる。
【解決手段】殺菌噴射装置100は、殺菌水が流入する流入口122と、流入口122を通じて流入する殺菌水に渦流を発生させる円筒状の渦流発生室130と、渦流発生室130の底面の中心に配置され、渦流発生室130で渦流が発生した殺菌水を便器10の内壁に噴射する噴射ホール141とを含む。本発明によると、微細粒子の形態で殺菌水を噴霧するため、少量でも殺菌効果を高めることができ、また、殺菌水の噴射角と噴射速度が大きい1つの噴射装置を用いることによって、構成が簡単で費用の節減になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器の内壁を殺菌するための殺菌水噴射装置、及びそれを備えたビデ及び便座に関する。
【背景技術】
【0002】
便器は、使用者が着座して用便をするための機器であるが、最近は、衛生のためにビデが設置された便器が多く使用されている。ビデは、用便後に使用者の局部に水を噴射して局部を洗浄する装置であって、紙を使用せずに水で洗浄するため、局部を清潔に保つことができるという利点がある。
【0003】
通常、便器には水槽、ビデ、及び操作部が設置される。使用者が用便後にレバーを押すと、便器内の水が用便とともに排出され、水槽内の水が便器に溜まるようになる。また、使用者が操作部を操作してビデを作動させると、ビデ本体内に設置されたノズルがビデ本体の前方に移動して使用者の局部に洗浄水を噴射する。
【0004】
このように作動する便器では、便器内の用便が1回の洗浄で完全に流しきれないと、用便が便器の内部壁に固着することがあり、また便器内に常に水が溜まっていて、各種微生物が棲息及び増殖することがあるため、衛生面で好ましくない。従って、使用者は便器の内部に殺菌液や洗浄液を投入して周期的に洗浄しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために考案されたものであり、その目的は、少量の殺菌水により便器の内壁全体を殺菌することができる殺菌水噴射装置、及び殺菌水噴射装置が装着されたビデと便座を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴によると、殺菌水が流入する流入口と、上記流入口を通じて流入する殺菌水に渦流を発生させる円筒状の渦流発生室と、上記渦流発生室の底面の中心に配置され、上記渦流発生室で渦流が発生した殺菌水を便器の内壁に噴射する噴射ホールと、を含む殺菌水噴射装置が提供される。
【0007】
本発明の第2の特徴によると、上記渦流発生室の殺菌水は、上記噴射ホールを通じて微細粒子の形態で噴霧される。
【0008】
本発明の第3の特徴によると、上記渦流発生室には、側壁から内部に延長する案内溝が形成されており、上記案内溝は、上記渦流発生室の中心から離隔されたところに向けて延長して、殺菌水が上記案内溝に沿って上記渦流発生室の内部に流入するにつれて、上記渦流発生室の中心に対して回転する渦流が発生する。
【0009】
本発明の第4の特徴によると、上記案内溝は、側壁から内部に行くほど幅が狭くなる。
【0010】
本発明の第5の特徴によると、上記案内溝は、上記渦流発生室の中心に対して対称に複数形成される。
【0011】
本発明の第6の特徴によると、上記噴射ホールを通じて噴射される殺菌水が100°以上の噴射角で噴射される。
【0012】
本発明の第7の特徴によると、上記渦流発生室の高さAは、0.1mm以上0.3mm以下である。
【0013】
本発明の第8の特徴によると、上記噴射ホールの長さBは、0.1mm以上0.3mm以下である。
【0014】
本発明の第9の特徴によると、上記噴射ホールの直径Cは、0.1mm以上1.5mm以下である。
【0015】
本発明の第10の特徴によると、上記案内溝の幅Dは、0.1mm以上0.7mm以下である。
【0016】
本発明の第11の特徴によると、上記噴射ホールは、その大きさが流入口よりも小さい。
【0017】
本発明の第12の特徴によると、上記渦流発生室内の殺菌水の圧力は、1.2kg/cm2以上5kg/cm2以下である。
【0018】
本発明の第13の特徴によると、上記殺菌水噴射装置と、上記殺菌水噴射装置に殺菌水を供給する殺菌水生成装置を含むビデが提供される。
【0019】
本発明の第14の特徴によると、上記殺菌水生成装置は、電極方式により殺菌水を生成する。
【0020】
本発明の第15の特徴によると、上記ビデは、使用者の局部に水を噴射するノズルアセンブリーと、上記ノズルアセンブリーのノズルチップを洗浄するノズルチップ洗浄部とをさらに含み、上記殺菌水生成装置は、上記殺菌水噴射装置と上記ノズルチップ洗浄部に連結されて、上記殺菌水生成装置で生成された殺菌水が、上記殺菌水噴射装置または上記ノズルチップ洗浄部に供給される。
【0021】
本発明の第16の特徴によると、上記殺菌水噴射装置には、ポンプが設置され、ポンプにより殺菌水が供給される。
【0022】
本発明の第17の特徴によると、上記ポンプは、電動モータ、上記電動モータに連結されて回転速度を減速させるように多数のギアを備えた減速ギア部、上記減速ギア部に一側が結合されて関節運動する多数のリンク部材、上記リンク部材の他側に連結されて上記リンク部材の関節運動により往復運動するポンピングユニットを備え、上記ポンピングユニットは、往復運動しながら上記殺菌水生成装置の殺菌水を上記殺菌水噴射装置に供給する。
【0023】
本発明の第18の特徴によると、上記殺菌水噴射装置は、上記噴射ホールが直下方から前方に向けて傾くように設置される。
【0024】
本発明の第19の特徴によると、上記殺菌水噴射装置と、上記殺菌水噴射装置に殺菌水を供給する殺菌水生成装置を含む便座が提供される。
【0025】
本発明の第20の特徴によると、上記殺菌水生成装置は、溶解方式により殺菌水を生成する。
【0026】
本発明の第21の特徴によると、上記殺菌水噴射装置は、便座の後方に設置され、上記噴射ホールが直下方から前方に向けて傾くように設置される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、表面積の大きい微細粒子の形態で殺菌水を噴射するため、殺菌水が便器の内壁と接触する面積が大きくなり、少量でも殺菌効果を高めることができる。
【0028】
また、殺菌水の噴射角と噴射速度を大きくすることによって、1つの殺菌水噴射装置により便器の内壁全面に殺菌水を噴射することができ、構成が簡単で費用の節減になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置が備えられた便器の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の分解斜視図である。
【図3a】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の側断面図である。
【図3b】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の別の側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の胴体部の底面図である。
【図5】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の給水システムの構成図である。
【図6】本発明の一実施形態による殺菌噴射装置の給水システムにおいて、ポンプの一例を図示したものである。
【図7】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置が、便器の内壁に殺菌水を噴霧する状態を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100が備えられた便器10を図示したものである。
【0032】
図1を参照すると、便器10の上部にビデ20が設置される。ビデ20は、ビデ本体30を備え、ビデ本体30には便座40と便蓋50が回転可能なようにヒンジ結合される。便座40は、使用者が着座して用便をすることができるように環状に形成され、内部には便座40を適当な温度に加熱するヒータが配置されてもよい。便蓋50は、便器10を使用しない時に環状の便座40の開放された部分を閉じることができるように、便座40に対応する形状に形成される。
【0033】
ビデ本体30の内部には、ノズルアセンブリー60と乾燥装置70が設置される。ノズルアセンブリー60は、肛門用洗浄ノズルと女性用ビデノズルを備えている。洗浄ノズルとビデノズルは、それぞれビデ本体30の前方に移動可能なように設置される。洗浄ノズルとビデノズルの前端部には、それぞれ吐出口が形成されたノズルチップが装着されて、洗浄水を噴射するようになっている。
【0034】
乾燥装置70は、送風ファン、送風ダクト、及び加熱装置を備えており、ビデ本体30の前方に温風を吐出することができる。
【0035】
ビデ本体30の一側には操作部80が設置され、使用者は、操作部80によりビデ20の動作を制御することができる。即ち、用便後に洗浄ボタンまたはビデボタンを押すと、洗浄ノズルまたはビデノズルが前方に移動して使用者の局部に洗浄水を噴射するようにすることができ、洗浄後には、乾燥ボタンを押して温風が噴射されるようにすることで、局部に付着した水気を除去することができる。
【0036】
ビデ本体30の前方には、さらに殺菌水噴射装置100が設置される。殺菌水噴射装置100は、殺菌水生成装置から殺菌水の供給を受けて、便器10の内壁に殺菌水を噴射して便器10の内壁を殺菌する装置である。殺菌水噴射装置100は、噴射ホールが直下方から便器10の前方に向けて傾くようにビデ本体30に装着されることが好ましい。便器10の後方に位置した噴射ホールを前方に向けることによって、便器10の内壁全体に均一に殺菌水を噴射することができる。通常の便器10の大きさと殺菌水噴射装置100の装着位置を考慮すると、前方に20°以上傾くように設置することが好ましい。又は、殺菌水噴射装置100は、ビデノズルのように、ビデ本体30の前方に移動可能なように設置されてもよい。この場合は、噴射ホールを前方に向けて傾くように設置する必要はない。殺菌水噴射装置100も、操作部80により噴射動作が行われるようにすることができる。即ち、操作部80に便器殺菌というボタンを設け、使用者が便器殺菌ボタンを押すと、殺菌水噴射装置100が殺菌水を噴射するようにすることができる。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100の分解斜視図であり、図3a及び3bは、殺菌水噴射装置100の側断面図であり、図4は、殺菌水噴射装置100の胴体部の底面図である。
【0038】
図2乃至図4を参照すると、殺菌水噴射装置100は、胴体部120とノズル部140を含んでいる。
【0039】
胴体部120は、内部に殺菌水が流れるように中空部121が設けられており、上端には流入口122が形成され、下部には流出口123が形成されている。胴体部120の上端の流入口122を通じて流入した殺菌水は、中空部121を経て流出口123を通じて排出される。
【0040】
中空部121は、胴体部120の上部から下部に長手方向に延長し、流出口123は、胴体部120の下部で半径方向に延長して中空部121と流体連通される。従って、殺菌水は、中空部121の上部から下部に流れる途中で半径方向に排出される。流出口123は、胴体部120の下部の回りに沿って複数形成することができ、図示された例には、2つの流出口123が対向するように配置されている。
【0041】
流出口123が配置されたところの下方、即ち胴体部120の最下端には、流出口123が配置された部分より直径の大きい突出部124が形成される。突出部124は円筒状であり、底面が凹状に形成されてノズル部140とともに渦流発生室130を形成する。突出部124の側壁には、流出口123を通じて排出された殺菌水が流入するように案内溝125が形成される。突出部124の側壁から始まった案内溝125は、突出部124の内部に延長し、突出部124の中心から離隔されたところに向けて形成される。これは、案内溝125に沿って流入する殺菌水に回転力を付与して渦流を形成するためである。案内溝125は、側壁から内部に行くほど幅が狭くなるように形成される。これによって、案内溝125に沿って渦流発生室130内に流入する殺菌水を高圧・高速で流動させ、強い渦流を形成することができる。案内溝125は、渦流発生室130の中心に対して対称に複数形成されるものであってもよい。図示された例には、2つの案内溝125が対向するように形成されている。
【0042】
胴体部120にはブラケット126が設置されており、これによって、ビデ本体30の前方にネジなどによって結合することができる。
【0043】
ノズル部140は、胴体部120の下部に結合される部材であって、円筒状に形成される。ノズル部140の底面の中心には、噴射ホール141が形成される。ノズル部140の底面内側は、突出部124の凹状に形成された部分とともに渦流発生室130を形成する。ノズル部140の底面外側は、噴射ホール141から遠ざかるほど厚さが厚くなるテーパ状に形成することができる(図3b参照)。ノズル部140の底面外側をテーパ状で形成するのは、殺菌水の噴射角を大きくするために噴射ホール141の長さBを短くすることが要求されるが(これについては後述する)、噴射ホール141の長さBと同様にノズル部140の底面全体の厚さを全て小さくすると、ノズル部140の底面の剛性が弱くなるという問題があるため、噴射ホール141の長さBは短くし、厚さは外側に行くほど厚くなるようにするためである。
【0044】
このように構成された殺菌水噴射装置100の作動方法を説明すると、次の通りである。
【0045】
胴体部120の上端の流入口122を通じて流入した殺菌水は、中空部121を経て、胴体部120の下部に設けられた流出口123を通じて胴体部120の半径方向に排出される。流出口123を通じて排出された殺菌水は、胴体部120の最下端に設けられた突出部124の案内溝125に沿って渦流発生室130内に流入する。案内溝125は、渦流発生室130の側壁から渦流発生室130の中心以外の方向に延長するように形成されており、案内溝125に沿って流入する殺菌水は、渦流発生室130の中心に対して回転する渦流を形成するようになる。特に、案内溝125は、内部に行くほど幅が狭くなるので、案内溝125に沿って流れる殺菌水は高圧・高速で流動して強い渦流が形成され、また、案内溝125は互いに対向するように複数配置されるので、複数の箇所で渦流が発生して互いに補完される。渦流発生室130で渦流が発生した殺菌水は、ノズル部140の底面の中心に配置された噴射ホール141を通じて外部に吐出される。この時、外部に吐出される殺菌水は、渦流が形成された殺菌水が高圧で噴射ホール141を通過するので、微細粒子となって外部に噴霧される。
【0046】
このように、表面積の大きい微細粒子の形態で殺菌水を噴霧すると、殺菌水が便器の内壁と接触する面積が大きくなり、少量でも殺菌効果を高めることができるという利点がある。
【0047】
一方、1つの殺菌水噴射装置100により殺菌水を便器10の内壁全面に噴射するためには、噴射ホール141から噴射される殺菌水の噴射角と噴射速度を適切に設定する必要がある。即ち、噴射角と噴射速度が大きいほど殺菌水を広く噴射することができる。噴射角が小さいと噴射範囲が小さくなって局部的な噴射が行われ、噴射速度が小さいと噴射される殺菌水が遠くまで伸びることができないためである。
【0048】
従って、殺菌水が便器10の内壁全面に噴射されるように、殺菌水の噴射角と噴射速度を大きくする必要があり、そのため、殺菌水噴射装置100に対する最適な設計を行う必要がある。本発明者は、実験を通じて、渦流発生室130の高さAと、噴射ホール141の長さBと、噴射ホール141の直径Cと、案内溝125の幅Dとが、噴射角と噴射速度に影響を及ぼすパラメーターであることを明らかにした。
【0049】
本発明者等は、これらのパラメーターが噴射角と噴射速度に及ぼす影響を見出すために、多様なパラメーター値に対する流動解釈シミュレーションを行った。その結果は、次の通りである。
【0050】
【表1】
【0051】
上記表1を参照すると、1番の場合、噴射角と噴射速度が最も大きく、2番の場合、Cを大きくしたところ噴射角と噴射速度が小さくなり、3番の場合、Aを大きくしたところ噴射角と噴射速度が小さくなり、4番乃至6番の場合、Bを大きくしたところ噴射角と噴射速度がさらに小さくなったことが分かる。従って、パラメーターA、B、Cが小さいほど噴射角と噴射速度が大きくなる、反比例の関係が成立するということが理論的に分かった。
【0052】
本発明者等は、噴射角及び噴射速度がパラメーター値に反比例するという結果に基づき、噴射角及び噴射速度が所定値以上(例えば、噴射角が100°以上)になるためのパラメーターの上限を決定するために、実際に実験を行った。その結果は、次の通りである。
【0053】
【表2】
【0054】
上記表2の2番乃至4番を参照すると、B、C、Dが同一である場合、Aが0.3mm以下である時までは、噴射角が100°以上であって噴射範囲が便器内壁の90%以上となるが、Aが0.5mmである場合は、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Aは、0.3mm以下でなければならない。
【0055】
上記表2の2番、6番乃至8番を参照すると、A、C、Dが同一である場合、Bが0.3mm以下である時までは、噴射角が100°以上であって噴射範囲が90%以上となるが、Bが0.5mm以上である場合は、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Bは、0.3mm以下でなければならない。
【0056】
上記表2の2番、12番乃至14番を参照すると、A、B、Dが同一である場合、Cが1.5mm以下である時までは、噴射角が100°以上であって噴射範囲が90%以上となるが、Cが1.7mmの場合は、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Cは、1.5mm以下でなければならない。
【0057】
上記表2の2番、15番、16番を参照すると、A、B、Cが同一である場合、Dが0.7mm以下である時までは噴射角が100°以上であって噴射範囲が90%以上となるが、Dが1mmの場合は、噴射角が20°以下となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Dは、0.7mm以下でなければならない。
【0058】
上記表2の1番を参照すると、A、B、C、Dが最も小さな場合は、噴射角が140°以上、噴射範囲が99%となることが分かる。しかし、残りの5番、9番乃至11番、17番乃至20番は何れもA、B、C、Dのうち少なくとも1つが範囲を超過した場合であって、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となる。参考として、上記表2の噴射角において「異常水流」と表記したのは、水の方向が変わって噴射される場合であり、その噴射範囲は非常に小さい。
【0059】
以上の結果により、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるために、渦流発生室130の高さAは0.3mm以下、噴射ホール141の長さBは0.3mm以下、噴射ホール141の直径Cは1.5mm以下、案内溝125の幅Dは0.7mm以下でなければならないことが分かる。
【0060】
一方、これらのパラメーターは、小さいほど噴射角を大きくすることができるものの、実際の成形の限界と費用を考慮すると、0.1mm以下に製作することは困難であり、製作可能であっても効果の差は大きくない。
【0061】
また、この実験結果は、渦流発生室130内の殺菌水の圧力が1.2kg/cm2以上である場合に得られるものであり、圧力がそれ以下である場合は、この実験結果のような大きい噴射角と噴射範囲は得られない。このように、渦流発生室130内の殺菌水の圧力を所定値以上に保つためには、噴射ホール141の大きさを流入口122の大きさよりも小さく設計することが好ましい。但し、殺菌水の圧力が過度に大きい場合は、部品が破損する危険があるので、殺菌水の圧力は5kg/cm2を超過しないことが好ましい。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100の給水システムの構成図を図示したものである。
【0063】
図5を参照すると、給水システムは、流路制御装置300を通じて原水を各構成要素に分配するように構成される。原水は、水道管または給水タンク400により供給することができる。
【0064】
使用者が洗浄またはビデ機能を行うと、原水は洗浄ノズル62またはビデノズル64に供給され、ノズルにより洗浄水が噴射される。
【0065】
使用者がノズルチップ洗浄機能を行うと、原水は、殺菌水生成装置200を経由しながら殺菌水になった後に、ノズルチップ洗浄部66に供給される。ノズルチップ洗浄部66に供給された殺菌水は、ノズルチップに噴射されてノズルチップを洗浄する。
【0066】
使用者が便器殺菌機能を行うと、原水は、殺菌水生成装置200に供給され、殺菌水生成装置200で殺菌水となる。所定の時間が経過して所望する量の殺菌水が生成されると、殺菌水生成装置200に連結されたポンプ240が作動して、殺菌水が殺菌水噴射装置100に流入する。殺菌水噴射装置100に流入した殺菌水は、便器10の内壁に噴霧されて便器10に対する殺菌が行われる。殺菌水噴射装置100が殺菌水を噴霧形態で噴射する過程は、図2乃至図4を参照して上述した通りである。
【0067】
ノズルチップを洗浄する時には、別途にポンプを設置せずに原水圧により微量の殺菌水をノズルチップのみに噴射すればよい。しかし、便器を殺菌する時には、便器の内壁全体に殺菌水を噴霧しなければならないため、ポンプを駆動して殺菌水を噴霧するものである。但し、上述したように、本発明による殺菌水噴射装置100は、微細粒子の形態で殺菌水を噴霧するので、便器の内壁全体を殺菌するのに少量の殺菌水(例えば、50ml程度)を必要とするのみである。従って、低容量のポンプであれば十分であり、例えば低騒音・高揚程のダイヤフラム式ポンプを適用することができる。
【0068】
図6は、ポンプ240の他の例を図示したものである。図6を参照すると、ポンプ240は、電動モータ241と、電動モータ241に結合されて電動モータ241の回転速度を減速させるように多数のギアを備えた減速ギア部242と、減速ギア部242に一側が結合されて関節運動する多数のリンク部材243とを備える。リンク部材243の他側には、リンク部材243の関節運動により往復運動するポンピングユニット244がさらに備えられる。ポンピングユニット244は、リンク部材243により往復運動しながら瞬間的にポンピングして、殺菌水生成装置200の殺菌水を殺菌水噴射装置100に供給することができる。このように、殺菌水噴射装置100に瞬間的に圧力をかけて殺菌水を供給することにより、殺菌水噴射装置100を通過した殺菌水を、噴射ホール141を通じて微細な大きさの粒子で噴霧することができる。
【0069】
殺菌水生成装置200には、電気的な力と酸化ルテニウム触媒電極を用いて水自体で殺菌物質(混合酸化物:MO)を生成する、電極方式モジュールを使用することができる。電極方式により殺菌水を生成することは、公知の事項であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
殺菌水生成装置200の流入側には、反応物質添加装置220を連結することができる。反応物質添加装置220により、殺菌水生成装置200に流入する水に反応物質を添加して、殺菌水生成装置200で生成される殺菌物質の量を増大させることができる。反応物質としては、固体状態のNaClを適用することができる。
【0071】
反応物質は、反応物質添加装置220の内部に収容され、反応物質添加装置220の内部に流入する水に混合されて、殺菌水生成装置200に流入する。殺菌水生成装置200では、NaClが混合された水に電気を印加して、殺菌物質であるHOCl−またはOCl−イオンを生成する。NaClのほか、塩素系列、酸化銀、ヨード系列などの物質を殺菌水生成装置200に流入させることができる。
【0072】
図7は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100が、便器10の内壁に殺菌水を噴霧する状態を図示したものである。図7に図示するように、ビデ本体30の前方に取り付けられた殺菌水噴射装置100は、広い噴射角で殺菌水を噴霧し、便器10の内壁全面に殺菌水が塗布される。
【0073】
上述した実施形態では、殺菌水噴射装置100と殺菌水生成装置200がビデ20に設置されるものとして説明したが、殺菌水噴射装置100と殺菌水生成装置200は、便座40に設置して使用してもよい。殺菌水噴射装置100と殺菌水生成装置200は、便座40の後方に設置することができ、ビデ20に設置した場合と同様に、噴射ホール141が直下方から20°以上前方に向けて傾くように設置することが好ましい。また、通常、便座40には電気が供給されないため、溶解方式により殺菌水を生成する殺菌水生成装置200を設置する。
【0074】
殺菌水噴射装置を便座に結合した製品は、ビデを使用しなくても便器殺菌機能を所望する使用者に有用に用いられるものである。
【符号の説明】
【0075】
10:便器、20:ビデ、100:殺菌水噴射装置、120:胴体部、121:中空部、122:流入口、123:流出口、124:突出部、125:案内溝、126:ブラケット、130:渦流発生室、140:ノズル部、141:噴射ホール、200:殺菌水生成装置、240:ポンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器の内壁を殺菌するための殺菌水噴射装置、及びそれを備えたビデ及び便座に関する。
【背景技術】
【0002】
便器は、使用者が着座して用便をするための機器であるが、最近は、衛生のためにビデが設置された便器が多く使用されている。ビデは、用便後に使用者の局部に水を噴射して局部を洗浄する装置であって、紙を使用せずに水で洗浄するため、局部を清潔に保つことができるという利点がある。
【0003】
通常、便器には水槽、ビデ、及び操作部が設置される。使用者が用便後にレバーを押すと、便器内の水が用便とともに排出され、水槽内の水が便器に溜まるようになる。また、使用者が操作部を操作してビデを作動させると、ビデ本体内に設置されたノズルがビデ本体の前方に移動して使用者の局部に洗浄水を噴射する。
【0004】
このように作動する便器では、便器内の用便が1回の洗浄で完全に流しきれないと、用便が便器の内部壁に固着することがあり、また便器内に常に水が溜まっていて、各種微生物が棲息及び増殖することがあるため、衛生面で好ましくない。従って、使用者は便器の内部に殺菌液や洗浄液を投入して周期的に洗浄しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために考案されたものであり、その目的は、少量の殺菌水により便器の内壁全体を殺菌することができる殺菌水噴射装置、及び殺菌水噴射装置が装着されたビデと便座を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴によると、殺菌水が流入する流入口と、上記流入口を通じて流入する殺菌水に渦流を発生させる円筒状の渦流発生室と、上記渦流発生室の底面の中心に配置され、上記渦流発生室で渦流が発生した殺菌水を便器の内壁に噴射する噴射ホールと、を含む殺菌水噴射装置が提供される。
【0007】
本発明の第2の特徴によると、上記渦流発生室の殺菌水は、上記噴射ホールを通じて微細粒子の形態で噴霧される。
【0008】
本発明の第3の特徴によると、上記渦流発生室には、側壁から内部に延長する案内溝が形成されており、上記案内溝は、上記渦流発生室の中心から離隔されたところに向けて延長して、殺菌水が上記案内溝に沿って上記渦流発生室の内部に流入するにつれて、上記渦流発生室の中心に対して回転する渦流が発生する。
【0009】
本発明の第4の特徴によると、上記案内溝は、側壁から内部に行くほど幅が狭くなる。
【0010】
本発明の第5の特徴によると、上記案内溝は、上記渦流発生室の中心に対して対称に複数形成される。
【0011】
本発明の第6の特徴によると、上記噴射ホールを通じて噴射される殺菌水が100°以上の噴射角で噴射される。
【0012】
本発明の第7の特徴によると、上記渦流発生室の高さAは、0.1mm以上0.3mm以下である。
【0013】
本発明の第8の特徴によると、上記噴射ホールの長さBは、0.1mm以上0.3mm以下である。
【0014】
本発明の第9の特徴によると、上記噴射ホールの直径Cは、0.1mm以上1.5mm以下である。
【0015】
本発明の第10の特徴によると、上記案内溝の幅Dは、0.1mm以上0.7mm以下である。
【0016】
本発明の第11の特徴によると、上記噴射ホールは、その大きさが流入口よりも小さい。
【0017】
本発明の第12の特徴によると、上記渦流発生室内の殺菌水の圧力は、1.2kg/cm2以上5kg/cm2以下である。
【0018】
本発明の第13の特徴によると、上記殺菌水噴射装置と、上記殺菌水噴射装置に殺菌水を供給する殺菌水生成装置を含むビデが提供される。
【0019】
本発明の第14の特徴によると、上記殺菌水生成装置は、電極方式により殺菌水を生成する。
【0020】
本発明の第15の特徴によると、上記ビデは、使用者の局部に水を噴射するノズルアセンブリーと、上記ノズルアセンブリーのノズルチップを洗浄するノズルチップ洗浄部とをさらに含み、上記殺菌水生成装置は、上記殺菌水噴射装置と上記ノズルチップ洗浄部に連結されて、上記殺菌水生成装置で生成された殺菌水が、上記殺菌水噴射装置または上記ノズルチップ洗浄部に供給される。
【0021】
本発明の第16の特徴によると、上記殺菌水噴射装置には、ポンプが設置され、ポンプにより殺菌水が供給される。
【0022】
本発明の第17の特徴によると、上記ポンプは、電動モータ、上記電動モータに連結されて回転速度を減速させるように多数のギアを備えた減速ギア部、上記減速ギア部に一側が結合されて関節運動する多数のリンク部材、上記リンク部材の他側に連結されて上記リンク部材の関節運動により往復運動するポンピングユニットを備え、上記ポンピングユニットは、往復運動しながら上記殺菌水生成装置の殺菌水を上記殺菌水噴射装置に供給する。
【0023】
本発明の第18の特徴によると、上記殺菌水噴射装置は、上記噴射ホールが直下方から前方に向けて傾くように設置される。
【0024】
本発明の第19の特徴によると、上記殺菌水噴射装置と、上記殺菌水噴射装置に殺菌水を供給する殺菌水生成装置を含む便座が提供される。
【0025】
本発明の第20の特徴によると、上記殺菌水生成装置は、溶解方式により殺菌水を生成する。
【0026】
本発明の第21の特徴によると、上記殺菌水噴射装置は、便座の後方に設置され、上記噴射ホールが直下方から前方に向けて傾くように設置される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、表面積の大きい微細粒子の形態で殺菌水を噴射するため、殺菌水が便器の内壁と接触する面積が大きくなり、少量でも殺菌効果を高めることができる。
【0028】
また、殺菌水の噴射角と噴射速度を大きくすることによって、1つの殺菌水噴射装置により便器の内壁全面に殺菌水を噴射することができ、構成が簡単で費用の節減になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置が備えられた便器の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の分解斜視図である。
【図3a】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の側断面図である。
【図3b】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の別の側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の胴体部の底面図である。
【図5】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置の給水システムの構成図である。
【図6】本発明の一実施形態による殺菌噴射装置の給水システムにおいて、ポンプの一例を図示したものである。
【図7】本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置が、便器の内壁に殺菌水を噴霧する状態を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100が備えられた便器10を図示したものである。
【0032】
図1を参照すると、便器10の上部にビデ20が設置される。ビデ20は、ビデ本体30を備え、ビデ本体30には便座40と便蓋50が回転可能なようにヒンジ結合される。便座40は、使用者が着座して用便をすることができるように環状に形成され、内部には便座40を適当な温度に加熱するヒータが配置されてもよい。便蓋50は、便器10を使用しない時に環状の便座40の開放された部分を閉じることができるように、便座40に対応する形状に形成される。
【0033】
ビデ本体30の内部には、ノズルアセンブリー60と乾燥装置70が設置される。ノズルアセンブリー60は、肛門用洗浄ノズルと女性用ビデノズルを備えている。洗浄ノズルとビデノズルは、それぞれビデ本体30の前方に移動可能なように設置される。洗浄ノズルとビデノズルの前端部には、それぞれ吐出口が形成されたノズルチップが装着されて、洗浄水を噴射するようになっている。
【0034】
乾燥装置70は、送風ファン、送風ダクト、及び加熱装置を備えており、ビデ本体30の前方に温風を吐出することができる。
【0035】
ビデ本体30の一側には操作部80が設置され、使用者は、操作部80によりビデ20の動作を制御することができる。即ち、用便後に洗浄ボタンまたはビデボタンを押すと、洗浄ノズルまたはビデノズルが前方に移動して使用者の局部に洗浄水を噴射するようにすることができ、洗浄後には、乾燥ボタンを押して温風が噴射されるようにすることで、局部に付着した水気を除去することができる。
【0036】
ビデ本体30の前方には、さらに殺菌水噴射装置100が設置される。殺菌水噴射装置100は、殺菌水生成装置から殺菌水の供給を受けて、便器10の内壁に殺菌水を噴射して便器10の内壁を殺菌する装置である。殺菌水噴射装置100は、噴射ホールが直下方から便器10の前方に向けて傾くようにビデ本体30に装着されることが好ましい。便器10の後方に位置した噴射ホールを前方に向けることによって、便器10の内壁全体に均一に殺菌水を噴射することができる。通常の便器10の大きさと殺菌水噴射装置100の装着位置を考慮すると、前方に20°以上傾くように設置することが好ましい。又は、殺菌水噴射装置100は、ビデノズルのように、ビデ本体30の前方に移動可能なように設置されてもよい。この場合は、噴射ホールを前方に向けて傾くように設置する必要はない。殺菌水噴射装置100も、操作部80により噴射動作が行われるようにすることができる。即ち、操作部80に便器殺菌というボタンを設け、使用者が便器殺菌ボタンを押すと、殺菌水噴射装置100が殺菌水を噴射するようにすることができる。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100の分解斜視図であり、図3a及び3bは、殺菌水噴射装置100の側断面図であり、図4は、殺菌水噴射装置100の胴体部の底面図である。
【0038】
図2乃至図4を参照すると、殺菌水噴射装置100は、胴体部120とノズル部140を含んでいる。
【0039】
胴体部120は、内部に殺菌水が流れるように中空部121が設けられており、上端には流入口122が形成され、下部には流出口123が形成されている。胴体部120の上端の流入口122を通じて流入した殺菌水は、中空部121を経て流出口123を通じて排出される。
【0040】
中空部121は、胴体部120の上部から下部に長手方向に延長し、流出口123は、胴体部120の下部で半径方向に延長して中空部121と流体連通される。従って、殺菌水は、中空部121の上部から下部に流れる途中で半径方向に排出される。流出口123は、胴体部120の下部の回りに沿って複数形成することができ、図示された例には、2つの流出口123が対向するように配置されている。
【0041】
流出口123が配置されたところの下方、即ち胴体部120の最下端には、流出口123が配置された部分より直径の大きい突出部124が形成される。突出部124は円筒状であり、底面が凹状に形成されてノズル部140とともに渦流発生室130を形成する。突出部124の側壁には、流出口123を通じて排出された殺菌水が流入するように案内溝125が形成される。突出部124の側壁から始まった案内溝125は、突出部124の内部に延長し、突出部124の中心から離隔されたところに向けて形成される。これは、案内溝125に沿って流入する殺菌水に回転力を付与して渦流を形成するためである。案内溝125は、側壁から内部に行くほど幅が狭くなるように形成される。これによって、案内溝125に沿って渦流発生室130内に流入する殺菌水を高圧・高速で流動させ、強い渦流を形成することができる。案内溝125は、渦流発生室130の中心に対して対称に複数形成されるものであってもよい。図示された例には、2つの案内溝125が対向するように形成されている。
【0042】
胴体部120にはブラケット126が設置されており、これによって、ビデ本体30の前方にネジなどによって結合することができる。
【0043】
ノズル部140は、胴体部120の下部に結合される部材であって、円筒状に形成される。ノズル部140の底面の中心には、噴射ホール141が形成される。ノズル部140の底面内側は、突出部124の凹状に形成された部分とともに渦流発生室130を形成する。ノズル部140の底面外側は、噴射ホール141から遠ざかるほど厚さが厚くなるテーパ状に形成することができる(図3b参照)。ノズル部140の底面外側をテーパ状で形成するのは、殺菌水の噴射角を大きくするために噴射ホール141の長さBを短くすることが要求されるが(これについては後述する)、噴射ホール141の長さBと同様にノズル部140の底面全体の厚さを全て小さくすると、ノズル部140の底面の剛性が弱くなるという問題があるため、噴射ホール141の長さBは短くし、厚さは外側に行くほど厚くなるようにするためである。
【0044】
このように構成された殺菌水噴射装置100の作動方法を説明すると、次の通りである。
【0045】
胴体部120の上端の流入口122を通じて流入した殺菌水は、中空部121を経て、胴体部120の下部に設けられた流出口123を通じて胴体部120の半径方向に排出される。流出口123を通じて排出された殺菌水は、胴体部120の最下端に設けられた突出部124の案内溝125に沿って渦流発生室130内に流入する。案内溝125は、渦流発生室130の側壁から渦流発生室130の中心以外の方向に延長するように形成されており、案内溝125に沿って流入する殺菌水は、渦流発生室130の中心に対して回転する渦流を形成するようになる。特に、案内溝125は、内部に行くほど幅が狭くなるので、案内溝125に沿って流れる殺菌水は高圧・高速で流動して強い渦流が形成され、また、案内溝125は互いに対向するように複数配置されるので、複数の箇所で渦流が発生して互いに補完される。渦流発生室130で渦流が発生した殺菌水は、ノズル部140の底面の中心に配置された噴射ホール141を通じて外部に吐出される。この時、外部に吐出される殺菌水は、渦流が形成された殺菌水が高圧で噴射ホール141を通過するので、微細粒子となって外部に噴霧される。
【0046】
このように、表面積の大きい微細粒子の形態で殺菌水を噴霧すると、殺菌水が便器の内壁と接触する面積が大きくなり、少量でも殺菌効果を高めることができるという利点がある。
【0047】
一方、1つの殺菌水噴射装置100により殺菌水を便器10の内壁全面に噴射するためには、噴射ホール141から噴射される殺菌水の噴射角と噴射速度を適切に設定する必要がある。即ち、噴射角と噴射速度が大きいほど殺菌水を広く噴射することができる。噴射角が小さいと噴射範囲が小さくなって局部的な噴射が行われ、噴射速度が小さいと噴射される殺菌水が遠くまで伸びることができないためである。
【0048】
従って、殺菌水が便器10の内壁全面に噴射されるように、殺菌水の噴射角と噴射速度を大きくする必要があり、そのため、殺菌水噴射装置100に対する最適な設計を行う必要がある。本発明者は、実験を通じて、渦流発生室130の高さAと、噴射ホール141の長さBと、噴射ホール141の直径Cと、案内溝125の幅Dとが、噴射角と噴射速度に影響を及ぼすパラメーターであることを明らかにした。
【0049】
本発明者等は、これらのパラメーターが噴射角と噴射速度に及ぼす影響を見出すために、多様なパラメーター値に対する流動解釈シミュレーションを行った。その結果は、次の通りである。
【0050】
【表1】
【0051】
上記表1を参照すると、1番の場合、噴射角と噴射速度が最も大きく、2番の場合、Cを大きくしたところ噴射角と噴射速度が小さくなり、3番の場合、Aを大きくしたところ噴射角と噴射速度が小さくなり、4番乃至6番の場合、Bを大きくしたところ噴射角と噴射速度がさらに小さくなったことが分かる。従って、パラメーターA、B、Cが小さいほど噴射角と噴射速度が大きくなる、反比例の関係が成立するということが理論的に分かった。
【0052】
本発明者等は、噴射角及び噴射速度がパラメーター値に反比例するという結果に基づき、噴射角及び噴射速度が所定値以上(例えば、噴射角が100°以上)になるためのパラメーターの上限を決定するために、実際に実験を行った。その結果は、次の通りである。
【0053】
【表2】
【0054】
上記表2の2番乃至4番を参照すると、B、C、Dが同一である場合、Aが0.3mm以下である時までは、噴射角が100°以上であって噴射範囲が便器内壁の90%以上となるが、Aが0.5mmである場合は、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Aは、0.3mm以下でなければならない。
【0055】
上記表2の2番、6番乃至8番を参照すると、A、C、Dが同一である場合、Bが0.3mm以下である時までは、噴射角が100°以上であって噴射範囲が90%以上となるが、Bが0.5mm以上である場合は、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Bは、0.3mm以下でなければならない。
【0056】
上記表2の2番、12番乃至14番を参照すると、A、B、Dが同一である場合、Cが1.5mm以下である時までは、噴射角が100°以上であって噴射範囲が90%以上となるが、Cが1.7mmの場合は、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Cは、1.5mm以下でなければならない。
【0057】
上記表2の2番、15番、16番を参照すると、A、B、Cが同一である場合、Dが0.7mm以下である時までは噴射角が100°以上であって噴射範囲が90%以上となるが、Dが1mmの場合は、噴射角が20°以下となることが分かる。従って、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるためには、Dは、0.7mm以下でなければならない。
【0058】
上記表2の1番を参照すると、A、B、C、Dが最も小さな場合は、噴射角が140°以上、噴射範囲が99%となることが分かる。しかし、残りの5番、9番乃至11番、17番乃至20番は何れもA、B、C、Dのうち少なくとも1つが範囲を超過した場合であって、噴射角が20°以下、噴射範囲が10%未満となる。参考として、上記表2の噴射角において「異常水流」と表記したのは、水の方向が変わって噴射される場合であり、その噴射範囲は非常に小さい。
【0059】
以上の結果により、噴射角が100°以上、噴射範囲が90%以上になるために、渦流発生室130の高さAは0.3mm以下、噴射ホール141の長さBは0.3mm以下、噴射ホール141の直径Cは1.5mm以下、案内溝125の幅Dは0.7mm以下でなければならないことが分かる。
【0060】
一方、これらのパラメーターは、小さいほど噴射角を大きくすることができるものの、実際の成形の限界と費用を考慮すると、0.1mm以下に製作することは困難であり、製作可能であっても効果の差は大きくない。
【0061】
また、この実験結果は、渦流発生室130内の殺菌水の圧力が1.2kg/cm2以上である場合に得られるものであり、圧力がそれ以下である場合は、この実験結果のような大きい噴射角と噴射範囲は得られない。このように、渦流発生室130内の殺菌水の圧力を所定値以上に保つためには、噴射ホール141の大きさを流入口122の大きさよりも小さく設計することが好ましい。但し、殺菌水の圧力が過度に大きい場合は、部品が破損する危険があるので、殺菌水の圧力は5kg/cm2を超過しないことが好ましい。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100の給水システムの構成図を図示したものである。
【0063】
図5を参照すると、給水システムは、流路制御装置300を通じて原水を各構成要素に分配するように構成される。原水は、水道管または給水タンク400により供給することができる。
【0064】
使用者が洗浄またはビデ機能を行うと、原水は洗浄ノズル62またはビデノズル64に供給され、ノズルにより洗浄水が噴射される。
【0065】
使用者がノズルチップ洗浄機能を行うと、原水は、殺菌水生成装置200を経由しながら殺菌水になった後に、ノズルチップ洗浄部66に供給される。ノズルチップ洗浄部66に供給された殺菌水は、ノズルチップに噴射されてノズルチップを洗浄する。
【0066】
使用者が便器殺菌機能を行うと、原水は、殺菌水生成装置200に供給され、殺菌水生成装置200で殺菌水となる。所定の時間が経過して所望する量の殺菌水が生成されると、殺菌水生成装置200に連結されたポンプ240が作動して、殺菌水が殺菌水噴射装置100に流入する。殺菌水噴射装置100に流入した殺菌水は、便器10の内壁に噴霧されて便器10に対する殺菌が行われる。殺菌水噴射装置100が殺菌水を噴霧形態で噴射する過程は、図2乃至図4を参照して上述した通りである。
【0067】
ノズルチップを洗浄する時には、別途にポンプを設置せずに原水圧により微量の殺菌水をノズルチップのみに噴射すればよい。しかし、便器を殺菌する時には、便器の内壁全体に殺菌水を噴霧しなければならないため、ポンプを駆動して殺菌水を噴霧するものである。但し、上述したように、本発明による殺菌水噴射装置100は、微細粒子の形態で殺菌水を噴霧するので、便器の内壁全体を殺菌するのに少量の殺菌水(例えば、50ml程度)を必要とするのみである。従って、低容量のポンプであれば十分であり、例えば低騒音・高揚程のダイヤフラム式ポンプを適用することができる。
【0068】
図6は、ポンプ240の他の例を図示したものである。図6を参照すると、ポンプ240は、電動モータ241と、電動モータ241に結合されて電動モータ241の回転速度を減速させるように多数のギアを備えた減速ギア部242と、減速ギア部242に一側が結合されて関節運動する多数のリンク部材243とを備える。リンク部材243の他側には、リンク部材243の関節運動により往復運動するポンピングユニット244がさらに備えられる。ポンピングユニット244は、リンク部材243により往復運動しながら瞬間的にポンピングして、殺菌水生成装置200の殺菌水を殺菌水噴射装置100に供給することができる。このように、殺菌水噴射装置100に瞬間的に圧力をかけて殺菌水を供給することにより、殺菌水噴射装置100を通過した殺菌水を、噴射ホール141を通じて微細な大きさの粒子で噴霧することができる。
【0069】
殺菌水生成装置200には、電気的な力と酸化ルテニウム触媒電極を用いて水自体で殺菌物質(混合酸化物:MO)を生成する、電極方式モジュールを使用することができる。電極方式により殺菌水を生成することは、公知の事項であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
殺菌水生成装置200の流入側には、反応物質添加装置220を連結することができる。反応物質添加装置220により、殺菌水生成装置200に流入する水に反応物質を添加して、殺菌水生成装置200で生成される殺菌物質の量を増大させることができる。反応物質としては、固体状態のNaClを適用することができる。
【0071】
反応物質は、反応物質添加装置220の内部に収容され、反応物質添加装置220の内部に流入する水に混合されて、殺菌水生成装置200に流入する。殺菌水生成装置200では、NaClが混合された水に電気を印加して、殺菌物質であるHOCl−またはOCl−イオンを生成する。NaClのほか、塩素系列、酸化銀、ヨード系列などの物質を殺菌水生成装置200に流入させることができる。
【0072】
図7は、本発明の一実施形態による殺菌水噴射装置100が、便器10の内壁に殺菌水を噴霧する状態を図示したものである。図7に図示するように、ビデ本体30の前方に取り付けられた殺菌水噴射装置100は、広い噴射角で殺菌水を噴霧し、便器10の内壁全面に殺菌水が塗布される。
【0073】
上述した実施形態では、殺菌水噴射装置100と殺菌水生成装置200がビデ20に設置されるものとして説明したが、殺菌水噴射装置100と殺菌水生成装置200は、便座40に設置して使用してもよい。殺菌水噴射装置100と殺菌水生成装置200は、便座40の後方に設置することができ、ビデ20に設置した場合と同様に、噴射ホール141が直下方から20°以上前方に向けて傾くように設置することが好ましい。また、通常、便座40には電気が供給されないため、溶解方式により殺菌水を生成する殺菌水生成装置200を設置する。
【0074】
殺菌水噴射装置を便座に結合した製品は、ビデを使用しなくても便器殺菌機能を所望する使用者に有用に用いられるものである。
【符号の説明】
【0075】
10:便器、20:ビデ、100:殺菌水噴射装置、120:胴体部、121:中空部、122:流入口、123:流出口、124:突出部、125:案内溝、126:ブラケット、130:渦流発生室、140:ノズル部、141:噴射ホール、200:殺菌水生成装置、240:ポンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌水が流入する流入口(122)と、
前記流入口(122)を通じて流入する殺菌水に渦流を発生させる円筒状の渦流発生室(130)と、
前記渦流発生室(130)の底面の中心に配置され、前記渦流発生室(130)で渦流が発生した殺菌水を便器(10)の内壁に噴射する噴射ホール(141)と、
を含む殺菌水噴射装置。
【請求項2】
前記渦流発生室(130)の殺菌水は、前記噴射ホール(141)を通じて微細粒子の形態で噴霧されることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項3】
前記渦流発生室(130)には、側壁から内部に延長する案内溝(125)が形成されており、前記案内溝(125)は、前記渦流発生室(130)の中心から離隔されたところに向けて延長して、殺菌水が前記案内溝(125)に沿って前記渦流発生室130の内部に流入するにつれて、前記渦流発生室(130)の中心に対して回転する渦流が発生することを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項4】
前記案内溝(125)は、側壁から内部に行くほど幅が狭くなることを特徴とする請求項3に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項5】
前記案内溝(125)は、前記渦流発生室(130)の中心に対して対称に複数形成されることを特徴とする請求項3に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項6】
前記噴射ホール(141)を通じて噴射される殺菌水が100°以上の噴射角で噴射されることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項7】
前記渦流発生室(130)の高さ(A)は、0.1mm以上0.3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項8】
前記噴射ホール(141)の長さ(B)は、0.1mm以上0.3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項9】
前記噴射ホール(141)の直径(C)は、0.1mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項10】
前記案内溝(125)の幅(D)は、0.1mm以上0.7mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項11】
前記噴射ホール(141)は、その大きさが前記流入口(122)よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項12】
前記渦流発生室(130)内の殺菌水の圧力は、1.2kg/cm2以上5kg/cm2以下であることを特徴とする請求項11に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の殺菌水噴射装置(100)と、前記殺菌水噴射装置(100)に殺菌水を供給する殺菌水生成装置(200)と、を含むビデ。
【請求項14】
前記殺菌水生成装置(200)は、電極方式により殺菌水を生成することを特徴とする請求項13に記載のビデ。
【請求項15】
使用者の局部に水を噴射するノズルアセンブリー(60)と、前記ノズルアセンブリー(60)のノズルチップを洗浄するノズルチップ洗浄部(66)とをさらに含み、
前記殺菌水生成装置(200)は、前記殺菌水噴射装置(100)と前記ノズルチップ洗浄部(66)に連結されて、前記殺菌水生成装置(200)で生成された殺菌水が前記殺菌水噴射装置(100)または前記ノズルチップ洗浄部(66)に供給されることを特徴とする請求項13に記載のビデ。
【請求項16】
前記殺菌水噴射装置(100)にはポンプ(240)が設置され、前記ポンプ(240)により殺菌水が供給されることを特徴とする請求項15に記載のビデ。
【請求項17】
前記ポンプ(240)は、電動モータ(241)と、前記電動モータ(241)に連結されて回転速度を減速させるように多数のギアを備えた減速ギア部(242)と、前記減速ギア部(242)に一側が結合されて関節運動する多数のリンク部材(243)と、前記リンク部材(243)の他側に連結されて前記リンク部材(243)の関節運動により往復運動するポンピングユニット(244)と、を備え、
前記ポンピングユニット(244)は、往復運動しながら前記殺菌水生成装置(200)の殺菌水を前記殺菌水噴射装置(100)に供給することを特徴とする請求項16に記載のビデ。
【請求項18】
前記殺菌水噴射装置(100)は、前記噴射ホール(141)が直下方から前方に向けて傾くように設置されたことを特徴とする請求項13に記載のビデ。
【請求項19】
請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の殺菌水噴射装置(100)と、前記殺菌水噴射装置(100)に殺菌水を供給する殺菌水生成装置(200)と、を含む便座。
【請求項20】
前記殺菌水生成装置(200)は、溶解方式により殺菌水を生成することを特徴とする請求項19に記載の便座。
【請求項21】
前記殺菌水噴射装置(100)は、便座の後方に設置され、前記噴射ホール(141)が直下方から前方に向けて傾くように設置されたことを特徴とする請求項19に記載の便座。
【請求項1】
殺菌水が流入する流入口(122)と、
前記流入口(122)を通じて流入する殺菌水に渦流を発生させる円筒状の渦流発生室(130)と、
前記渦流発生室(130)の底面の中心に配置され、前記渦流発生室(130)で渦流が発生した殺菌水を便器(10)の内壁に噴射する噴射ホール(141)と、
を含む殺菌水噴射装置。
【請求項2】
前記渦流発生室(130)の殺菌水は、前記噴射ホール(141)を通じて微細粒子の形態で噴霧されることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項3】
前記渦流発生室(130)には、側壁から内部に延長する案内溝(125)が形成されており、前記案内溝(125)は、前記渦流発生室(130)の中心から離隔されたところに向けて延長して、殺菌水が前記案内溝(125)に沿って前記渦流発生室130の内部に流入するにつれて、前記渦流発生室(130)の中心に対して回転する渦流が発生することを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項4】
前記案内溝(125)は、側壁から内部に行くほど幅が狭くなることを特徴とする請求項3に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項5】
前記案内溝(125)は、前記渦流発生室(130)の中心に対して対称に複数形成されることを特徴とする請求項3に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項6】
前記噴射ホール(141)を通じて噴射される殺菌水が100°以上の噴射角で噴射されることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項7】
前記渦流発生室(130)の高さ(A)は、0.1mm以上0.3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項8】
前記噴射ホール(141)の長さ(B)は、0.1mm以上0.3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項9】
前記噴射ホール(141)の直径(C)は、0.1mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項10】
前記案内溝(125)の幅(D)は、0.1mm以上0.7mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項11】
前記噴射ホール(141)は、その大きさが前記流入口(122)よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項12】
前記渦流発生室(130)内の殺菌水の圧力は、1.2kg/cm2以上5kg/cm2以下であることを特徴とする請求項11に記載の殺菌水噴射装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の殺菌水噴射装置(100)と、前記殺菌水噴射装置(100)に殺菌水を供給する殺菌水生成装置(200)と、を含むビデ。
【請求項14】
前記殺菌水生成装置(200)は、電極方式により殺菌水を生成することを特徴とする請求項13に記載のビデ。
【請求項15】
使用者の局部に水を噴射するノズルアセンブリー(60)と、前記ノズルアセンブリー(60)のノズルチップを洗浄するノズルチップ洗浄部(66)とをさらに含み、
前記殺菌水生成装置(200)は、前記殺菌水噴射装置(100)と前記ノズルチップ洗浄部(66)に連結されて、前記殺菌水生成装置(200)で生成された殺菌水が前記殺菌水噴射装置(100)または前記ノズルチップ洗浄部(66)に供給されることを特徴とする請求項13に記載のビデ。
【請求項16】
前記殺菌水噴射装置(100)にはポンプ(240)が設置され、前記ポンプ(240)により殺菌水が供給されることを特徴とする請求項15に記載のビデ。
【請求項17】
前記ポンプ(240)は、電動モータ(241)と、前記電動モータ(241)に連結されて回転速度を減速させるように多数のギアを備えた減速ギア部(242)と、前記減速ギア部(242)に一側が結合されて関節運動する多数のリンク部材(243)と、前記リンク部材(243)の他側に連結されて前記リンク部材(243)の関節運動により往復運動するポンピングユニット(244)と、を備え、
前記ポンピングユニット(244)は、往復運動しながら前記殺菌水生成装置(200)の殺菌水を前記殺菌水噴射装置(100)に供給することを特徴とする請求項16に記載のビデ。
【請求項18】
前記殺菌水噴射装置(100)は、前記噴射ホール(141)が直下方から前方に向けて傾くように設置されたことを特徴とする請求項13に記載のビデ。
【請求項19】
請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の殺菌水噴射装置(100)と、前記殺菌水噴射装置(100)に殺菌水を供給する殺菌水生成装置(200)と、を含む便座。
【請求項20】
前記殺菌水生成装置(200)は、溶解方式により殺菌水を生成することを特徴とする請求項19に記載の便座。
【請求項21】
前記殺菌水噴射装置(100)は、便座の後方に設置され、前記噴射ホール(141)が直下方から前方に向けて傾くように設置されたことを特徴とする請求項19に記載の便座。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2010−242486(P2010−242486A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228346(P2009−228346)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(505414838)ウンジンコーウエイ カンパニイ リミテッド (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(505414838)ウンジンコーウエイ カンパニイ リミテッド (18)
【Fターム(参考)】
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