説明

殺菌組成物

相乗的殺菌組成物が提供される。該組成物は、ジヨードメチルトリルスルホン及びメチル2−ベンズイミダゾールカルバメート及び所望により1,3−ジシアノテトラクロロベンゼンを含む。該組成物は、壁板パネルなどの建材を含む種々の用途における微生物の増殖を制御するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体を本明細書に組み込む、2008年7月18日出願の米国特許出願第61/081,948号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ジヨードメチルトリルスルホン及びメチル2−ベンズイミダゾールカルバメート、及び所望により1,3−ジシアノテトラクロロベンゼンの相乗的殺菌組成物に、並びに建材などの種々の用途における微生物増殖の制御における組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
微生物による汚染及び微生物の増殖は、製品の分解、破損、又は損傷などの深刻な結果、及び広範囲の重要な工業的工程の障害となり得る。例えば、建材産業において、真菌性微生物の増殖はヒトの健康に対する潜在的な影響のため、及び改善又は取り替えに伴うコストのために関心事である。表面の増殖から放出された真菌の胞子は、アレルゲンとしてよく認識されており、また、それに加わる懸念が真菌の胞子からの副生物の毒性に関して高まっている。
【0004】
建材において使用される紙及び板紙は、そのような真菌の増殖場所として観察されてきた。通常、紙、板紙及び建材中の湿気は、真菌の増殖を維持するのに十分であり、紙及び板紙のセルロースは、繊維ウェブ内の残留汚染物質と共に食物源を提供し、それはデンプン結合剤などの他の建築材料構成要素により強化される。微生物が増殖して損傷を受け易い他の用途には、塗料及び塗装、プラスチックフィルムなどの合成被覆材、ガラス繊維シート、接着剤、紙及び包装製品、屋根ふき材及び床張りフェルト、コーキング材、テープ目地材並びに建築用漆喰が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製品及び工業的工程における微生物の増殖を効果的に制御する殺菌組成物に対する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明は相乗的殺菌組成物を提供する。組成物の構成要素間に相乗効果があるため、より小量の構成要素を使用して許容される殺菌活性を得ることができる。殺菌組成物は、ジヨードメチルトリルスルホン及びメチル2−ベンズイミダゾールカルバメート及び所望により1,3−ジシアノテトラクロロベンゼンを含む。
【0007】
他の態様において、本発明は壁板を提供する。壁板は第1面及び第2面を有する石膏コア、及び実質的に石膏コアの第1面、第2面、又は第1面及び第2面の両方を覆う化粧紙を含み、化粧紙は本明細書に記載する殺菌組成物を含む。
【0008】
さらなる態様において、本発明は壁板パネルなどの建材において使用するための化粧紙を提供する。化粧紙は本明細書に記載する殺菌組成物を含む。
【0009】
さらなる態様において、本発明は化粧紙を含有する建材中におけるカビの増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、紙の中又は上に本明細書に記載する殺菌組成物を含むことを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記のように、本発明の一態様は殺菌組成物の提供である。組成物は、ジヨードメチルトリルスルホン(DIMTS)及びメチル2−ベンズイミダゾールカルバメート(カルベンダジム又はBCMとしても知られる)を含む。DIMTS及びBCMは、種々の商業的供給源から別々に入手し得る普通の工業的殺菌剤である。しかしながら、これらの殺菌剤の組合せが相乗的であることはこれまで知られていない。即ち、組み合わされた材料は、結果として、特定の使用濃度におけるそれらの個々の性能に基づいて組み合わされない場合に予想されるよりも向上した殺菌性を生じる。観察される相乗効果は、減少した量の材料を使用して、許容される殺菌性を達成することを可能にする。
【0011】
好ましくは、本発明の組成物中におけるDIMTSのBCMに対する重量比は、少なくとも約1:1、好ましくは少なくとも約1.3:1、より好ましくは少なくとも約1.5:1、及びさらにより好ましくは少なくとも約2:1である。幾つかのさらに好ましい実施形態において、DIMTS:BCMの重量比は少なくとも約2.5:1、少なくとも約4:1、又は少なくとも約6:1である。DIMTS:BCMの重量比は約10:1以下であることも好ましく、より好ましくは約9:1以下、及びさらに好ましくは約8:1以下である。さらに一層好ましい実施形態において、重量比(DIMTS:BCM)は、約3:1と1:1との間、又は約2:1と1:1との間、又は約1.5:1以下と1:1との間である。
【0012】
特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、1,3−ジシアノテトラクロロベンゼン(クロロタロニル又はCTLとしても知られる)をさらに含む。本発明者は、上記のDIMTSとBCMとの相乗的組成物中にCTLが含まれると、組成物全体の相乗効果がさらに増大することを見出した。したがって、組成物中にCTLを含ませることにより、さらに減少した量の材料を使用して許容される殺菌性を達成することができる。
【0013】
好ましいDIMTS、BCM、及びCTLの組成物中におけるDIMTSとBCMとの互いに対する量は上記の通りである。したがって、DIMTSとBCMとの間のように、DIMTSのBCMに対する重量比は、好ましくは少なくとも約1:1、より好ましくは少なくとも約1.3:1、さらにより好ましくは少なくとも約1.5:1、及びさらにより好ましくは少なくとも約2:1である。幾つかのさらに好ましい実施形態において、DIMTS:BCMの重量比は少なくとも約2.5:1、少なくとも約4:1、又は少なくとも約6:1である。DIMTS:BCMの重量比は、約10:1以下であることも好ましく、より好ましくは約9:1以下、及びさらに好ましくは約8:1以下である。さらに一層好ましい実施形態において、重量比(DIMTS:BCM)は約1.5:1と1:1との間である。
【0014】
DIMTS、BCM、CTL組成物中におけるCTLについても、DIMTSのこの成分(CTL)に対する重量比は、約150:1以下、より好ましくは100:1以下、さらにより好ましくは80:1以下、さらに好ましくは60:1以下、及びさらに一層好ましくは40:1以下であることが好ましい。さらなる態様において、重量比(DIMTS対CTL)は30:1以下、又は20:1以下である。DIMTSのCTLに対する重量比は、少なくとも約5:1、より好ましくは少なくとも約10:1、及びさらにより好ましくは少なくとも約15:1である。さらなる態様において、DIMTSのCTLに対する重量比は、好ましくは約100:1と5:1との間、より好ましくは約50:1と10:1との間、及びさらにより好ましくは約45:1と15:1との間である。特に好ましい態様において、前記重量比は約40:1と20:1との間である。
【0015】
さらに好ましい実施形態によると、本発明の組成物は、DIMTS、BCM、及びCTLを約20:10:1の重量比で含む。なおさらなる実施形態において、重量比は約40:40:1である。
【0016】
DIMTS、BCM、及びCTLは水に不溶の化合物である。それ故、好ましくは、これらの化合物の調合物は、水性分散液として、ナノ粒子、ミクロ、若しくはマクロエマルションとして、又は適当な他の溶媒中の溶液、若しくは用時調製濃縮液として調製される。全ての殺菌剤の安定な分散液、エマルション、用時調製濃縮液及び溶液を作製するために必要とされる追加成分を使用することもできる。そのような成分には、例として、カチオン性、アニオン性又は非イオン性界面活性剤、ポリマー及びコポリマー;増粘剤;共溶媒;カップリング剤;発泡防止剤が挙げられる。分散液及びナノ溶液は、乾式磨砕又は湿式磨砕などの1つ若しくは複数の粒子サイズ減少技法を使用する、工業用活性物質の粒子サイズ減少を必要とすることがある。
【0017】
本発明の殺菌組成物は、微生物の制御に有効である。本明細書の目的に対して、「微生物」の意味は、細菌、真菌(カビを含む)、藻、及び酵母を含むが、これらに限定されない。さらに、「制御」及び「制御する」という用語は、それらの意味の中で、またそれに限定されずに、微生物の成長又は増殖の阻害及び微生物の殺菌を含むと広く解釈されるべきである。
【0018】
本発明の組成物は、種々の製品及び工業的工程において微生物増殖を制御することに有用である。例として、1つの好ましい使用は建材産業にあり、特に壁板及び特に好ましくは石膏系壁板上のカビ増殖の制御のためである。石膏壁板は、一般に、石膏コア及びその1面又は両面に化粧紙を含む。殺菌組成物は、化粧紙の中もしくは上に、場合により石膏コア中にさらに組み込まれることが好ましい。
【0019】
化粧紙で使用するために、殺菌組成物は、化粧紙中にその製作中に直接組み込むことができ、又は組成物を紙の表面の一方又は両方に適用することもできる。したがって、組成物は、「ウェットエンド」(例えば、濃い材料、薄い材料、マシンチェスト、ヘッドボックス)で、又は紙が形成された後に浸漬、噴霧、又は他の表面コーティング技法(例えば、サイズプレス、カレンダースタック、冷却缶、スプレーバー、オフマシンコータ)などにより「ドライエンド」を含む、製紙工程の任意の段階の間に添加することができる。別の方法で、殺菌組成物は、壁板製作中に、紙が巻き出されるとき、紙表面仕上げ工具が石膏スラリーと接触した後、石膏スラリーが固化してシートが形成された後、及び/又はシートが標準サイズにさらに切られた後に、紙の表面に適用することもできる。さらに、殺菌組成物は、前及び/又は後の紙面の内側表面、外側表面、又は両面に適用することができる。
【0020】
好ましくは、殺菌組成物の化粧紙中における装填レベルは、約3000ppmまで、好ましくは約1000ppmまで、より好ましくは約750ppmまでの濃度の殺菌剤(有効含有成分)を提供するようなものである。さらに好ましい実施形態において、活性物質濃度は、好ましくは少なくとも約25ppm、より好ましくは少なくとも約50ppm、及びさらにより好ましくは少なくとも約75ppmである。
【0021】
限定されないが、亜鉛ピリチオン、チアベンダゾール、o−フェニルフェノール(OPP)及びその対応する塩、ブロモニトロスチレン(BNS)、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール(TCMTB)、ナトリウムピリチオン、ドデシルグアニジン塩酸塩、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛(ジラム(ziram))、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド(チラム(thiram))、又はそれらの2つ以上の混合物などの、追加の殺菌剤が化粧紙の中又は上に含まれ得る。化粧紙は、他の任意選択の成分、例えば、化粧紙の湿気耐性を増大させる、ワックス、シリコーン又はフルオロケミカルを含む添加剤、歩留向上剤、凝集剤、固定剤、サイジング剤、結合剤、充填剤、及び増粘剤などを含むことができる。
【0022】
壁板化粧紙は、再パルプ化された新聞紙又は段ボール若しくは事務用紙などの他のリサイクル製品から製作された、典型的には多重の(例えば2乃至9層)セルロース系材料である。紙の坪量は、一般に36〜60lbs/1000ft2、好ましくは40〜50lbs/1000ft2である。多層化粧紙に対して、殺菌剤は任意の層の中又は上に含ませることができる。殺菌剤は、多層化粧紙の外側の1層から3層の中又は上に含まれることが好ましい。
【0023】
多層紙が好ましいが、本発明は一重のセルロース系紙にも適用可能である。それに加えて、組成物は、遮蔽用の化粧紙、ガラス繊維−セルロース被覆材、天井タイル、ビニルフローリングの裏張り、及びエアフィルターなど耐カビ性を必要とする他のセルロース系建材に使用することができる。
【0024】
上に記したように、本発明の殺菌組成物は、場合により、化粧紙中にそれらが含まれるのに加えて、又はその代わりに、石膏系壁板の石膏コアに組み込むことができる。石膏壁板コアの主要な含有成分は硫酸カルシウム半水和物であり、通常「石灰化石膏」「スタッコ」又は「焼石膏」と称される。スタッコは、その耐火性、熱的及び水分寸法安定性(hydrometric dimensional stability)、圧縮強度、及び中性のpHを含む多くの望ましい物理的性質を有する。一般に、壁板は、壁板化粧紙の2枚の大きいシートの間に石灰化石膏及び他の材料を含有する水性スラリーのコアを囲い込むことにより製造される。石膏スラリーが固化して(即ち、水性スラリー中に存在する水と反応して)乾燥された後、形成されたシートは標準サイズに切断される。石膏壁板の製造方法は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第2版(1970年)、第21巻、621〜24頁に一般的に記載されている。
【0025】
石膏コアは、スタッコの固化時間を制御するための促進剤(硫酸カリウムなど)、コア組成物の固化中に形成された硫酸カルシウム二水和物結晶の脱水を防止するための乾燥防止剤(デンプンなど)、追加の軽量骨材(例えば、発泡パーライト又はバーミキュライト)、及び完成コアの耐湿性を向上させる添加剤(ワックス、シリコーン、又はフルオロケミカルなど)を含む種々の追加の含有成分を含有することができる。
【0026】
本発明の殺菌組成物の代わりに又はそれに加えてのいずれかで、他の殺菌剤がコア中に含まれてもよい。そのような殺菌剤としては、ナトリウムピリチオン、ジヨードメチル−p−トリルスルホン(DIMTS)、亜鉛ピリチオン、チアベンダゾール、IPBC、オクチルイソチアゾリノン(OIT)などのn−アルキルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン(CMIT)及びジクロロオクチルイソチアゾリノン(DCOIT)などのモノハロ及びジハロ置換n−アルキルイソチアゾリノン、メチレン−ビス−チオシアネート、ドデシルグアニジン塩酸塩、o−フェニルフェノール(OPP)などのフェノール類及びその対応する塩、ブロモニトロスチレン(BNS)、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール(TCMTB)、ナトリウムピリチオン、カルベンダジム、クロロタロニル、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛(ジラム)、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド(チラム)、又はそれらの2つ以上の混合物の1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
壁板化粧紙及びコア材料におけるそれらの使用に加えて、本発明の組成物は、例として、塗料及び塗装、プラスチックフィルムなどの合成被覆材、ガラス繊維シート、接着剤、紙及び包装製品、屋根ふき材及びフローリングフェルト、コーキング材、テープ目地材並びに建築用漆喰を含む種々の他の系において、微生物を制御するためにも有用である。
【0028】
以下の実施例は、本発明の例証であるが、その範囲を限定することは意図しない。
【実施例】
【0029】
実施例1:紙への導入の検討
この実施例においては、未漂白クラフト紙(褐色の包装紙(密度0.0091g/cm2)に、DIMTS、カルベンダジム(BCM)及びクロロタロニル(CTL)を広い濃度範囲にわたって導入する。それに加えて、対にした組合せ並びに3種全ての活性物質の組合せもクラフト紙サンプルに導入する。殺カビ剤の紙への導入は、先ず工業用活性物質を揮発性溶媒中に溶解し、次に1mLの作業用在庫の溶液を紙の表面上に加えて、適当な濃度の活性物質(単数又は複数)をmg/kgで紙に与えることにより実施される。紙は溶媒で完全に飽和させる。溶媒が紙を通って容器上に浸出するのを防止するために、紙をVitonのO−リングで支持する。溶媒で飽和した紙サンプルを、化学用ドラフト中に放置して乾燥させ、防カビ剤を紙内に沈着させる。紙サンプル中の殺カビ剤活性物質の化学分析により、この導入技法が目標濃度に基づいて90%超の組み込み効率を生じることが確認される。標準的耐カビ試験は、各紙の導入サンプルから二つのサブサンプルに対して実施する。改良ASTM−G21が、性能評価のために使用した標準耐カビ試験である。相乗効果指数は、性能の合格基準として0又は1の耐カビ格づけを使用して、活性物質の全ての組合せについて計算する。相乗効果の計算は、以下の標準式にしたがって行う:
SI=(Ca/CA)+(Cb/CB) 2つの組合せ試験
SI=(Ca/CA)+(Cb/CB)+(Cc/CC) 3つの組合せ試験
式中、
SIは相乗効果指数であり;
aは、他の活性物質(単数又は複数)との組合せにおいて試験基準に合格するのに必要とされる成分Aの最低濃度であり;
Aは、単独で試験基準に合格するのに必要とされる成分Aの最低濃度であり;
bは、他の活性物質(単数又は複数)との組合せにおいて試験基準に合格するのに必要とされる成分Bの最低濃度であり;
Bは、単独で試験基準に合格するのに必要とされる成分Bの最低濃度であり;
cは、他の活性物質(単数又は複数)との組合せにおいて試験基準に合格するのに必要とされる成分Cの最低濃度であり;及び
Cは、単独で試験基準に合格するのに必要とされる成分Cの最低濃度である。
【0030】
表1は、活性物質であるDIMTS、BCM及びCTLの組合せ試験に対する相乗効果の結果を示す。1未満の任意の相乗効果指数は相乗的組合せとみなされる。相乗効果指数1は添加剤効果を示し、1を超える相乗効果指数は拮抗作用を示す。
【0031】
結果は3種の活性物質のブレンドが高度に相乗的であることを示す。DIMTSとBCMも相乗的組合せであることを示す。
【0032】
【表1】

【0033】
上で本発明を好ましい実施形態により説明したが、本発明はこの開示の精神及び範囲内で改変することができる。それ故、本出願は、本明細書において記載した一般的原理を使用する、本発明の如何なる変形、用途又は適合も包含することを意図する。さらに、本出願は、本発明が関係する当技術分野において知られている又は通例の慣行内に入るような本開示からの逸脱、及び以下の請求項の制限内に入る本開示からの逸脱も包含することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヨードメチルトリルスルホン及びメチル2−ベンズイミダゾールカルバメートを含む殺菌組成物。
【請求項2】
ジヨードメチルトリルスルホンのメチル2−ベンズイミダゾールカルバメートに対する重量比が約10:1〜約1:1である、請求項1に記載の殺菌組成物。
【請求項3】
ジヨードメチルトリルスルホンのメチル2−ベンズイミダゾールカルバメートに対する重量比が約3:1〜1:1である、請求項1〜2に記載の殺菌組成物。
【請求項4】
1,3−ジシアノテトラクロロベンゼンをさらに含む、請求項1〜3に記載の殺菌組成物。
【請求項5】
ジヨードメチルトリルスルホンの1,3−ジシアノテトラクロロベンゼンに対する重量比が約150:1〜約5:1である、請求項4に記載の殺菌組成物。
【請求項6】
ジヨードメチルトリルスルホンの1,3−ジシアノテトラクロロベンゼンに対する重量比が約45:1〜15:1である、請求項4〜5に記載の殺菌組成物。
【請求項7】
第1面及び第2面を有する石膏コア、並びに
石膏コアの第1面、第2面、又は第1面及び第2面の両方を実質的に覆う化粧紙
を含む壁板であって、
前記化粧紙が請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌組成物を含むことを特徴とする壁板。
【請求項8】
殺菌組成物が化粧紙全体にわたって分布する、請求項7に記載の壁板。
【請求項9】
殺菌組成物が、化粧紙の全重量に基づいて約25重量ppm〜3000重量ppmの殺菌性活性物質を提供する量で、化粧紙の中又は上に存在する、請求項7〜8に記載の壁板。
【請求項10】
請求項7〜9に記載の壁板であって、化粧紙が、亜鉛ピリチオン、チアベンダゾール、フェノール類又はそれらの塩、ブロモニトロスチレン(BNS)、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール(TCMTB)、ナトリウムピリチオン、ドデシルグアニジン塩酸塩、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛(ziram)、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド(thiram)、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される追加の殺菌剤を含む壁板。
【請求項11】
化粧紙が一重セルロース系紙である、請求項7〜10に記載の壁板。
【請求項12】
化粧紙が2層〜約9層の多層セルロース系紙である、請求項7〜10に記載の壁板。
【請求項13】
殺菌組成物が、多層化粧紙の外側の1層〜3層の中又は上にある、請求項12に記載の壁板。
【請求項14】
石膏コアが殺菌組成物を含む、請求項7〜13に記載の壁板組成物。
【請求項15】
石膏コアが、ジヨードメチル−p−トリルスルホン(DIMTS)、亜鉛ピリチオン、チアベンダゾール、IPBC、オクチルイソチアゾリノン(OIT)などのn−アルキルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン(CMIT)及びジクロロオクチルイソチアゾリノン(DCOIT)などのモノハロ及びジハロ置換n−アルキルイソチアゾリノン、メチレン−ビス−チオシアネート、ドデシルグアニジン塩酸塩、o−フェニルフェノール(OPP)などのフェノール類及びその対応する塩、ブロモニトロスチレン(BNS)、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール(TCMTB)、ナトリウムピリチオン、カルベンダジム、クロロタロニル、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛(ziram)、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド(thiram)、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される殺菌剤を含む、請求項7〜14に記載の壁板。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌組成物を含む、壁板と共に使用するための化粧紙。
【請求項17】
化粧紙を含有する建材中におけるカビの増殖を阻害する方法であって、紙の中又は上に請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌組成物が含まれることを含む方法。
【請求項18】
微生物増殖の制御が必要な系において微生物増殖を制御する方法であって、該方法は請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌組成物を系に組み込むことを含み、該系は塗料及び塗装、プラスチックフィルムなどの合成被覆材、ガラス繊維シート、接着剤、紙及び包装製品、屋根ふき材及びフローリングフェルト、コーキング材、テープ目地材及び建築用漆喰である、方法。

【公表番号】特表2011−528661(P2011−528661A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518881(P2011−518881)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/050688
【国際公開番号】WO2010/009228
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】