説明

殺虫性アリルヘテロサイクル誘導体

【課題】殺虫化合物として有用な殺虫性アリルヘテロサイクル誘導体を提供すること。
【解決手段】式(I)


で表される殺虫性アリルヘテロサイクル誘導体、並びにそれを有効成分として含有する殺虫剤及び動物寄生虫防除剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な殺虫性アリルヘテロサイクル誘導体及びその殺虫剤としての利用に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜4には、ある種の5員のヘテロ環式化合物、あるいは含窒素複素環化合物が有害生物防除剤として有用であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/123853号
【特許文献2】特開2008−110971号公報
【特許文献3】国際公開第2010/020522号
【特許文献4】国際公開第2010/043315号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは殺虫剤として、より高い効果を示し、且つスペクトルの広い新規化合物を創製すべく鋭意研究を行った結果、この度、高活性で、スペクトルの広い、且つ安全性を示し、さらに、有機リン剤やカーバメート剤に抵抗性のある害虫に対しても有効な下記式(I)で表される新規なアリルヘテロサイクル誘導体、そのN−オキサイド及びその塩を見出した。
【0005】
【化1】

式中、R’は、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
lは0又は1を示し、
UはCH、S=O又はSOを示し、
、A、A及びAはそれぞれ独立して、C−Y又はNを示し、ただし、A、A、A及びAのうちの2個は同時にNを示してもよく、あるいは、A及びAがC−Yを示す場合、2個のYは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環又は5〜6員のヘテロ芳香族環を形成してもよく、
、B、B及びBは、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
Lは(CRを示し、
nは1、2又は3を示し、
及びRは、それぞれ独立して、水素、シアノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−12アルコキシ−カルボニル又はC1−12チオアルコキシ−カルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからC1−12チオアルコキシ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、3〜6員の炭化水素環を形成してもよく、
あるいは、Rは、nが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
は、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−12アルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキル−カルボニルアミノ、C1−12アルキルアミノ、C3−8シクロアルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキルからC1−12アルキル−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
は、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフェニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルコキシ−チオカルボニル、C1−12チオアルコキシ−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキル−カルボニル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル−カルボニル、C2−12アルケニル−カルボニル、C2−12アルキニル−カルボニル、C3−8シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−12アルケニルアミノ−カルボニル、C2−12アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキル−カルボニルからC2−12アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する窒素原子と一緒になって、3〜6員のヘテロ環を形成してもよく、ここで、該へテロ環は、X、ケト、チオケト又はニトロイミノで置換されてもよく、
X及びYは同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、SF、アミノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノスルホニル、C1−12アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルホニルイミノ、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル又はC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからからC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルまでの各基は置換されてもよく、並びに
は、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
後記において、各式中の記号の定義は、特に断わりのない限り、前記に示したものと同義を示す。
【0007】
本発明の式(I)で表される化合物は、下記の製法(a)及び/又は(b)の方法により得ることができる。
【0008】
製法(a)
式(Int.1):
【0009】
【化2】

で表される化合物を
式(Int.2):
【0010】
【化3】

(式中、Lは独立してハロゲン又はC1−4ハロアルキルスルホニルオキシを示し、又はUがCHを示すとき、二つのLが一緒になって=Oを示す。)
で表される化合物と、適当な希釈剤中、必要であれば塩基の存在下で反応させる方法。
【0011】
製法(b):UがSOであるとき
式(I−2):
【0012】
【化4】

で表される化合物を、必要であれば触媒存在下、適当な酸化剤で酸化する方法。
【0013】
本明細書において、
「アルキル」は、例えば、メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等の直鎖状又は分枝状のC1−12アルキルを示し、好ましくはC1−6アルキルを、より好ましくはC1−4アルキルを示す。
【0014】
また、アルキルを構成の一部として有している各基における各アルキル部分は、上記「アルキル」で説明したものと同様のものを例示することができる。
【0015】
「ハロゲンで置換されたアルキル」は「ハロアルキル」を意味し、例えば、CHF、CHF、CF、CFCl、CFCl、CFBr、CFCF、CFHCF、CHCF、CFClCF、CClCF、CFCH、CFCHF、CFCHF、CFCFCl、CFCFBr、CFHCH、CFHCHF、CFHCHF、CHFCF、CHFCFCl、CHFCFBr、CFClCF、CClCF、CFCFCF、CHCFCF、CFCHCF、CFCFCH、CHFCFCF、CFCHFCF、CFCFCHF、CFCFCHF、CFCFCFCl、CFCFCFBr、CH(CHF)CF、CH(CF)CF、CF(CF)CF、CF(CF)CFBr、CFCFCFCF、CH(CF)CFCF又はCF(CF)CFCFを示し、直鎖状又は分枝状のC1−12アルキル、好ましくはC1−6アルキル、より好ましくはC1−4アルキル上の少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されている炭素鎖を示し、アルキル上の置換可能なすべての水素がフッ素によって置換されたパーフルオロアルキルも含む。ハロアルキルは、さらに置換されてもよい。
【0016】
「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−、iso−、sec−又はtert−ブトキシ、ペンチルオキシ又はヘキシルオキシを示し、直鎖状又は分枝状のC1−12、好ましくはC1−6、より好ましくはC1−4のアルコキシを示す。アルコキシはさらに置換されてもよい。
【0017】
「ハロゲン」及びハロゲン置換の各基における各ハロゲン部分は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を示し、好ましくは、フッ素、塩素及び臭素を示す。
【0018】
「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルのC3−8シクロアルキルを示し、好ましくは、C3−7シクロアルキルを、より好ましくはC3−6シクロアルキルを示す。
【0019】
また、シクロアルキルを構成の一部として有している各基における各シクロアルキル部分は、上記「シクロアルキル」で説明したものと同様のものを例示することができる。
【0020】
「ハロゲンで置換されたシクロアルキル」は「ハロシクロアルキル」を意味し、例えば、フルオロシクロプロピル、クロロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、ジクロロシクロプロピル、ウンデカフルオロシクロヘキシルを示す。
【0021】
「アルケニル」は、C2−12アルケニルを示し、好ましくはビニル、アリル、1−プロペニル、1−(又は2−、又は3−)ブテニル、1−ペンテニル等のC2−5アルケニルを示し、より好ましくはC2−4アルケニルを示す。
【0022】
「アルキニル」は、C2−12アルキニルを示し、好ましくはエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、ブタン−3−イニル、ペンタン−4−イニル等のC2−5アルキニルを示し、より好ましくはC2−4アルキニルを示す。
【0023】
「複素環」は、ヘテロ原子として、N、O、Sの少なくとも1個を含む、5員又は6員のヘテロ環式基を示し、更に該環はベンゾ縮合されてもよい縮合へテロ環式基を示し、又更に該環の炭素原子がオキソ又はチオキソにより置換されてもよい。
【0024】
複素環の具体例としては、
ピロリジニル、ピペリジニル、モルホニリル、チオモルホニリル(飽和の例)、
ジヒドロピロリル、ジヒドロイソキサゾリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロチアゾリル(一部飽和の例)、
フリル、チエニル、ピロリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル等を挙げることができ、更に該複素環は任意の置換基で置換されてもよい。
【0025】
本発明の式(I)の化合物において、
R’が、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
、A、A及びAが、それぞれ独立して、C−Y又はNを示し、
、B、B及びBが、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYが、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、SF、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、C1−6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−スルホニル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−6アルキル)シリル、C1−6アルコキシイミノ、C1−6アルキルスルフィニルイミノ、C1−6アルキルスルホニルイミノ、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、アミノチオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル又はジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−6アルキルからジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
及びRが、それぞれ独立して、水素、シアノ、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ−カルボニル又はC1−6チオアルコキシ−カルボニルを示し、ここで、上記C1−6アルキルからC1−6チオアルコキシ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、3〜6員の炭化水素環を形成してもよく、
あるいは、Rは、nが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
が、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノ、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−6アルキルからC1−6アルキル−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
が、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキル−チオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシアミノ−カルボニル、C1−6アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6チオアルコキシ−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルフェニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−チオカルボニル、C1−6チオアルコキシ−カルボニル、C1−6チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C3−7シクロアルキル−カルボニル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル−カルボニル、C2−6アルケニル−カルボニル、C2−6アルキニル−カルボニル、C3−7シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−6アルケニルアミノ−カルボニル、C2−6アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−6アルキル−カルボニルからC2−6アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、並びに
が、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す化合物を好適なものとして挙げることができる。
【0026】
中でも、式(I)の化合物において、
R’が、C1−4アルキル又はC1−4ハロアルキルを示し、
、A、A及びAが、それぞれ独立して、C−Y又はNを示し、
、B、B及びBが、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYが、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、SF、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルオキシ、C1−4アルキルアミノスルホニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−スルホニル、C1−4アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−4アルキル)シリル、C1−4アルコキシイミノ、C1−4アルキルスルフィニルイミノ、C1−4アルキルスルホニルイミノ、C1−4アルコキシ−カルボニル、C1−4アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルアミノ−カルボニル、アミノチオカルボニル、C1−4アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−カルボニル又はジ(C1−4アルキル)アミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−4アルキルからジ(C1−4アルキル)アミノ−チオカルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
及びRが、それぞれ独立して、水素、シアノ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルコキシ−カルボニル又はC1−4チオアルコキシ−カルボニルを示し、ここで、上記C1−4アルキルからC1−4チオアルコキシ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、3〜6員の炭化水素環を形成してもよく、
あるいは、Rは、nが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
が、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル−カルボニルアミノ、C1−4アルキルアミノ、C3−6シクロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−4アルキルからC1−4アルキル−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
が、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキル−チオカルボニル、C1−4アルキルアミノ−カルボニル、C1−4アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−4アルコキシアミノ−カルボニル、C1−4アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−4アルコキシ−カルボニル、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4チオアルコキシ−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキルスルフェニル−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキルスルホニル−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルコキシ−チオカルボニル、C1−4チオアルコキシ−カルボニル、C1−4チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−C1−4アルキル−カルボニル、C2−4アルケニル−カルボニル、C2−4アルキニル−カルボニル、C3−6シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−4アルケニルアミノ−カルボニル、C2−4アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−4アルキル−カルボニルからC2−4アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、並びに
は、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す化合物が特に好適である。
【0027】
更に、式(I)の化合物において、
R’が、CFを示し、
、A、A及びAが、それぞれ独立して、C−Y又はNを示し、
、B、B及びBが、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−4アルキル又はC1−4ハロアルキルを示し、特に好ましくは、水素、メチル、クロロ、ブロモ又はCFを示し、
が水素を示し、又はnが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
が水素又はC1−4アルキルを示し、特に好ましくは水素又はメチルを示し、
が、水素又はC1−4アルキルを示し、
が、水素、C1−4アルキル−カルボニル、C1−4ハロアルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4チオアルコキシ−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキルスルフェニル−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキルスルホニル−C1−4アルキル−カルボニル又はC1−4アルキルアミノ−カルボニルを示し、特に好ましくはC1−4アルキル−カルボニル、C1−4ハロアルキル−カルボニル又はC3−6シクロアルキル−カルボニルを示す、化合物が最も好適である。
【0028】
本発明の式(I)の化合物の亜群として式(I−1−a)、(I−1−b)、(I−2−a)、(I−2−b)、(I−3−a)及び(I−3−b)が挙げられる。
【0029】
【化5】

(X、X、X、X及びXはXと、Y、Y、Y及びYはYと同義であり、R、R、R及びRは前述と同義である)
【0030】
【化6】

(X、X、X、X及びXはXと、Y、Y及びYはYと同義であり、m、R、R及びRは前述と同義である)
【0031】
【化7】

(X、X、X、X及びXはXと、Y、Y、Y及びYはYと同義であり、R、R、R及びRは前述と同義である)
【0032】
【化8】

(X、X、X、X及びXはXと、Y、Y及びYはYと同義であり、m、R、R及びRは前述と同義である)
【0033】
【化9】

(X、X、X、X及びXはXと、Y、Y、Y及びYはYと同義であり、R、R、R及びRは前述と同義である)
【0034】
【化10】

(X、X、X、X及びXはXと、Y、Y及びYはYと同義であり、m、R、R及びRは前述と同義である)
【0035】
製法(a)における式(Int.1)の化合物は、特願2009−250744記載の方法に準じて製造できる式(Int.3)の化合物:
【0036】
【化11】

を、適当な溶媒中、例えば含水エタノール又は含水テトラヒドロン中、酸触媒、例えば塩酸存在下、加水分解することによって得られる。
【0037】
式(Int.3)の化合物の代表例として、N−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド、N−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}シクロプロパンカルボキサミド、N−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド、N−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}シクロプロパンカルボキサミド、2−シクロプロピル−N−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}アセタミド、N−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}アセタミド、3,3,3−トリフルオロ−N−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド、N−(1−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}エチル)プロパンアミド、N−(1S)−1−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}エチル)シクロプロパンカルボキサミド、N−(1R)−1−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}エチル)シクロプロパンカルボキサミド、N−[4−{2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−5−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]プロパンアミド、N−[4−{5−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]プロパンアミド、N−{5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}プロパンアミド、N−{5−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}シクロプロパンカルボキサミド等が挙げられる。
【0038】
製法(a)の反応は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、その他)、脂肪族ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、その他)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、その他)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン(DME)、テトロヒドロフラン、ジオキサン、その他)、エステル類(酢酸エチル、プロピオン酸エチル、その他)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセタミド(DMA)、N−メチルピロリドン、その他)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、その他)、ジメチルスルホキシド(DMSО)、水あるいは、これらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0039】
製法(a)における塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、トリメチルシリルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、りん酸三カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−tert−ブチル−N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、イミダゾール等の有機塩基等を挙げることができる。
【0040】
製法(a)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−78から約200℃、好ましくは、約−10から約150℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧又は減圧下で操作することもできる。反応時間は、0.1から72時間であり、好ましくは、0.1から24時間である。
【0041】
製法(a)を実施するにあたっては、例えば、式(Int.1)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばトルエン中、1モルから3モル量の塩基、及び1モルから3モル量の式(Int.2)の化合物を反応させることにより、本発明の式(I)の化合物を得ることができる。
【0042】
式(Int.1)の化合物の代表例としては、N−[4−{[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(3,4,5−トリクロロフェニル)プロピル]アミノ}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]プロパンアミド、N−[4−{[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(3,4,5−トリクロロフェニル)プロピル]アミノ}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]シクロプロパンカルボキサミド等が挙げられる。
【0043】
式(Int.2)の化合物の代表例としては、ホルムアルデヒド、塩化チオニル、塩化スルフリル等が挙げられる。
【0044】
製法(b)はJournal of Organic Chemistry,2006,71,1258−1261等に記載の方法に準じて実施することができる。
【0045】
製法(b)における原料となる式(I−2)の化合物は、本発明の化合物に包含されるが、代表例としては、N−{4−[2−オキシド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド、N−{4−[2−オキシド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}シクロプロパンカルボキサミド、N−{5−[2−オキシド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}プロパンアミド等が挙げられる。
【0046】
製法(b)における希釈剤としては、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、アセトニトリル等が挙げられる。
【0047】
製法(b)における酸化剤としては、過ヨウ素酸ナトリウム等が挙げられる。
【0048】
製法(b)における触媒としては、塩化ルテニウム(III)等が挙げられる。
【0049】
製法(b)を実施するにあたっては、例えば、式(I−2)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば塩化メチレン、アセトニトリル中、0.01モルから0.1モル量の触媒例えば塩化ルテニウム(III)、及び1モルから5モル量の酸化剤例えば過ヨウ素酸ナトリウムを反応させることにより、本発明の式(I)の化合物に包含される式(I−3)の化合物を得ることができる。
【0050】
スキーム1に示すように、製法(a)及び(b)は適宜製造過程で行うことが出来る。
【0051】
(スキーム1)
【0052】
【化12】

【0053】
更にスキーム2に示すように、式(Int.4)の化合物(前述の特願2009−250744記載の方法に準じて製造できる)を加水分解して式(Int.5)の化合物とし、製法(a)又は/及び(b)により式(Int.6)の化合物とし、次いで、前述の特願2009−250744記載の方法に準じて本願発明の式(I)の化合物に包含される式(I−4)、(I−5)及び(I−6)の化合物を製造することが出来る。
【0054】
(スキーム2)
【0055】
【化13】

【0056】
本発明の式(I)の化合物は、不斉炭素を有しているものもあり、従って、該化合物は、光学異性体を包含するものである。
【0057】
本発明の式(I)の化合物は強力な殺虫作用を現す。従って、本発明の式(I)の化合物は殺虫剤として使用することができる。そして、本発明の式(I)の活性化合物は、栽培植物に対し薬害を与えることなく、有害昆虫に対し的確な防除効果を発揮する。また、本発明の化合物は、広範な種々の害虫、例えば、有害な吸汁性昆虫、咀しゃく性昆虫及びその他の植物寄生害虫、貯蔵害虫、衛生害虫等の防除のために使用することができ、それらの駆除撲滅のために適用することができる。
【0058】
そのような害虫類の例としては、以下の如き害虫類を例示することができる。
【0059】
昆虫類として、
甲虫目害虫、例えば、アズキゾウムシ(Callosobruchus Chinensis)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オオニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctomaculata)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes ogurae fuscicollis)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、コロラドポテトビートル(Leptinotarsa decemlineata)、コーンルートワーム類(Diabrotica spp.)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus endai)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus);
チョウ目害虫、例えば、マイマイガ(Lymantria dispar)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、スジマダラメイガ(Cadra cautella)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、コドリンガ(Cydia pomonella)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、コナガ(Plutella xylostella)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella);
カメムシ目害虫、例えば、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、モモアカアブラムシ(Myzus persicas)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、アオカメムシ類(Nezara spp.)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、キジラミ類(Psylla spp.);
アザミウマ目害虫、例えば、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Franklinella occidentalis);
バッタ目害虫、例えば、アフリカケラ(Gryllotalpa africana)、トノサマバッタ(Locusta migratoria);
ゴキブリ目害虫、例えば、チャバネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
ハエ目害虫、例えば、イエバエ(Musca domestica)、ネツタイシマカ(Aedes aegypti)、タネバエ(Delia platura)、アカイエカ(Culex pipiens pallens)、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等を挙げることができる。
【0060】
また、ダニ類として、例えば、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、ホコリダニ類(Tarsonemus spp.)等を挙げることができる。
【0061】
さらに、センチュウ類として、例えば、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus spp.)等を挙げることができる。
【0062】
さらに、獣医学領域において、すなわち獣医学において、本発明による活性化合物は、動物寄生虫、特に外部寄生虫又は内部寄生虫に対して有効である。内部寄生虫という用語は、特に蠕虫(条虫、線虫又は吸虫等)及び原虫(コクシジウム等)を含む。外部寄生虫は、通常及び好ましくは節足動物、特に、昆虫類(ハエ(刺す及び舐めるハエ)、寄生ハエの幼虫、シラミ、ケジラミ、ハジラミ、ノミ等)又はコナダニ類(マダニ等、例えば硬ダニもしくは軟ダニ)又はダニ類(ヒゼンダニ、ツツガムシ及びバードマイト等)である。
【0063】
これらの寄生虫は、
シラミ目(Anoplurida)から、例えば、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペディクルス属種(Pediculus spp.)、フチルス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.);特に代表的な例としては、リノグナツス・セトスス(Linognathus setosus)、リノグナツス・ビツリ(Linognathus vituli)、リノグナツス・オビルス(Linognathus ovillus)、リノグナツス・オビホルミス(Linognathus oviformis)、リノグナツス・ペダリス(Linognathus pedalis)、リノグナツス・ステノプシス(Linognathus stenopsis)、ハエマトピヌス・アシニ・マクロセファルス(Haematopinus asini macrocephalus)、ハエマトピヌス・ユーリステルヌス(Haematopinus eurysternus)、ハエマトピヌス・スイス(Haematopinus suis)、ペディクルス・フマヌス・カピティス(Pediculus humanus capitis)、ペディクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、フィロエラ・バスタトリクス(Phylloera vastatrix)、フチルス・プビス(Phthirus pubis)、ソレノポテス・カピラツス(Solenopotes capillatus)であり;
ハジラミ目(Mallophagida)及びマルツノハジラミ亜目(Amblycerina)及びホソツノハジラミ亜目(Ischnocerina)から、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネッキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコラ属種(Felicola spp.);特に代表的な例としては、ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)、ボビコラ・オビス(Bovicola ovis)、ボビコラ・リンバタ(Bovicola limbata)、ダマリナ・ボビス(Damalina bovis)、トリコデクテス・カニス(Trichodectes canis)、フェリコラ・スブロストラツス(Felicola subrostratus)、ボビコラ・カプラエ(Bovicola caprae)、レピケントロン・オビス(Lepikentron ovis)、ウェルネッキエラ・エクイ(Werneckiella equi)であり;
ハエ目(Diptera)及びカ亜目(Nematocerina)とハエ亜目(Brachycerina)から、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles ssp.)、クレクス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルトゾミイヤ属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、オダグミア属種(Odagmia spp.)、ウィルヘルミア属種(Wilhelmia spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロツス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、グロシナ属種(Glossina spp.)、カリフォラ属種(Calliphora spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィルス属種(Gasterophilus spp.)、ヒポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロファグス属種(Melophagus spp.)、リノエストルス属種(Rhinoestrus spp.)、チプラ属種(Tipula spp.);特に代表的な例としては、アエデス・アエジプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレクス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、シムリウム・レプタンス(Simulium reptans)、フレボトムス・パパタシ(Phlebotomus papatasi)、フレボトムス・ロンギパルピス(Phlebotomus longipalpis)、オダグミア・オルナタ(Odagmia ornata)、ウィルヘルミア・エクイナ(Wilhelmia equina)、ブーフトラ・エリトロセファラ(Boophthora erythrocephala)、タバヌス・ブロミウス(Tabanus bromius)、タバヌス・スポドプテルス(Tabanus spodopterus)、タバヌス・アトラツス(Tabanus atratus)、タバヌス・スデチクス(Tabanus sudeticus)、ヒボミトラ・シウレア(Hybomitra ciurea)、クリソプス・カエクチエンス(Chrysops caecutiens)、クリソプス・レリクツス(Chrysops relictus)、ハエマトポタ・プルビアリス(Haematopota pluvialis)、ハエマトポタ・イタリカ(Haematopota italica)、ムスカ・アウツムナリス(Musca autumnalis)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ハエマトビア・イリタンス・イリタンス(Haematobia irritans irritans)、ハエマトビア・イリタンス・エクシグア((Haematobia irritans exigua)、ハエマトビア・スチムランス(Haematobia stimulans)、ヒドロタエア・イリタンス(Hydrotaea irritans)、ヒドロタエア・アルビプンクタ(Hydrotaea albipuncta)、クリソミア・クロロピガ(Chrysomya chloropyga)、クリソミア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)、ヒポデルマ・ボビス(Hypoderma bovis)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)、プルジェバルスキアナ・シレヌス(Przhevalskiana silenus)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus)、リポプテナ・カプレオリ(Lipoptena capreoli)、リポプテナ・セルビ(Lipoptena cervi)、ヒッポボスカ・バリエガタ(Hippobosca variegata)、ヒッポボスカ・エクイナ(Hippobosca equina)、ガステロフィルス・インテスティナリス(Gasterophilus intestinalis)、ガステロフィルス・ハエモロイダリス(Gasterophilus haemorroidalis)、ガステロフィルス・インテルニス(Gasterophilus interrnis)、ガステロフィルス・ナザリス(Gasterophilus nasalis)、ガステロフィルス・ニグリコルニス(Gasterophilus nigricornis)、ガステロフィルス・ペコルム(Gasterophilus pecorum)、ブラウラ・コエカ(Braula coeca)であり;
ノミ目(Siphonapterida)から、例えば、プレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、ツンガ属種(Tunga spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.);特に代表的な例としては、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス((Ctenocephalides felis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)であり;
異翅目(Heteropterida)から、例えばシメクス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギルス属種(Panstrongylus spp.)であり;
ゴキブリ目(Blattarida)から、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)、スペラ属種(Supella spp.)(例えば、スペラ・ロンギパルパ(Suppella longipalpa))であり;
ダニ目(Acari(Acarina)))ならびにトゲダニ亜目(Metastigmata)及びマダニ亜目(Mesostigmata)から、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、リピセファルス(ブーフィルス)属種(Rhipicephalus(Boophilus)spp.)、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、デルマニスス属種(Dermanyssus spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.(多宿主ダニの原属))、オルニトニスス属種(Ornithonyssus spp.)、ニューモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、ニューモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、バロア属種(Varroa spp.)、アカラピス属種(Acarapis spp.);特に代表的な例としては、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、オルニトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、リピセファルス(ブーフィルス)・ミクロプラス(Rhipicephalus(Boophilus)microplus)、リピセファルス(ブーフィルス)・デコロラツス(Rhipicephalus(Boophilus)decoloratus)、リピセファルス(ブーフィルス)・アンヌラツス(Rhipicephalus(Boophilus)annulatus)、リピセファルス(ブーフィルス)・カルセラツス(Rhipicephalus(Boophilus)calceratus)、ヒアロンマ・アナトリクム(Hyalomma anatolicum)、ヒアロンマ・アエジプチクム(Hyalomma aegypticum)、ヒアロンマ・マルギナツム(Hyalomma marginatum)、ヒアロンマ・トランシエンス(Hyalomma transiens)、リピセファルス・エベルチ(Rhipicephalus evertsi)、イクソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ヘキサゴヌス(Ixodes hexagonus)、イクソデス・カニスガ(Ixodes canisuga)、イクソデス・ピロスス(Ixodes pilosus)、イクソデス・ルビクンズス(Ixodes rubicundus)、イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イクソデス・ホロシクルス(Ixodes holocyclus)、ハエマフィサリス・コンシンナ(Haemaphysalis concinna)、ハエマフィサリス・プンクタタ(Haemaphysalis punctata)、ハエマフィサリス・シンナバリナ(Haemaphysalis cinnabarina)、ハエマフィサリス・オトフィラ(Haemaphysalis otophila)、ハエマフィサリス・リーチ(Haemaphysalis leachi)、ハエマフィサリス・ロンギコルニ(Haemaphysalis longicorni)、デルマセントル・マルギナツス(Dermacentor marginatus)、デルマセントル・レチクラツス(Dermacentor reticulatus)、デルマセントル・ピクツス(Dermacentor pictus)、デルマセントル・アルビピクツス(Dermacentor albipictus)、デルマセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、デルマセントル・バリアビリス(Dermacentor variabilis)、ヒアロンマ・マウリタニクム(Hyalomma mauritanicum)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、リピセファルス・ブルサ(Rhipicephalus bursa)、リピセファルス・アッペンジクラツス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファルス・カペンシス(Rhipicephalus capensis)、リピセファルス・ツラニクス(Rhipicephalus turanicus)、リピセファルス・ザンベジエンシス(Rhipicephalus zambeziensis)、アンブリオンマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオンマ・バリエガツム(Amblyomma variegatum)、アンブリオンマ・マクラツム(Amblyomma maculatum)、アンブリオンマ・ヘブラエウム(Amblyomma hebraeum)、アンブリオンマ・カジェネンス(Amblyomma cajennense)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、オルニトニスス・ブルサ(Ornithonyssus bursa)、オルニトニスス・シルビアルム(Ornithonyssus sylviarum)、バロア・ジャコブスコニ(Varroa jacobsconi)であり;
ケダニ亜目(Actinedida(Prostigmata))及びコナダニ亜目(Acaridida(Astigmata))から、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデクス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロホルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、チロファグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.);特別の例は、ケイレチエラ・ヤスグリ(Cheyletiella yasguri)、ケイレチエラ・ブラケイ(Cheyletiella blakei)、デモデクス・カニス(Demodex canis)、デモデクス・ボビス(Demodex bovis)、デモデクス・オビス(Demodex ovis)、デモデクス・カプラエ(Demodex caprae)、デモデクス・エクイ(Demodex equi)、デモデクス・カバッリ(Demodex caballi)、デモデクス・スイス(Demodex suis)、ネオトロンビクラ・アウツムナリス(Neotrombicula autumnalis)、ネオトロンビクラ・デサレリ(Neotrombicula desaleli)、ネオシェンガスチア・キセロテルモビア(Neoschonegastia xerothermobia)、トロンビクラ・アカムシ(Trombicula akamushi)、オトデクテス・シノチス(Otodectes cynotis)、ノトエドレス・カチ(Notoedres cati)、サルコプチス・カニス(Sarcoptis canis)、サルコプテス・ボビス(Sarcoptes bovis)、サルコプテス・オビス(Sarcoptes ovis)、サルコプテス・ルピカプラエ(Sarcoptes rupicaprae(=S.caprae))、サルコプテス・エクイ(Sarcoptes equi)、サルコプテス・スイス(Sarcoptes suis)、ソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、ソロプテス・クニクリ(Psoroptes cuniculi)、ソロプテス・エクイ(Psoroptes equi)、コリオプテス・ボビス(Chorioptes bovis)、ソエルガテス・オビス(Psoergates ovis)、ニューモニソイディック・マンゲ(Pneumonyssoidic mange)、ニューモニソイデス・カニヌム(Pneumonyssoides caninum)、アカラピス・ウッディ(Acarapis woodi)である。
【0064】
本発明による活性化合物は、動物を攻撃する節足動物、蠕虫及び原虫を駆除するためにも適している。動物は、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、養殖魚、ミツバチ等の農業用動物を含む。さらに、動物は、コンパニオンアニマルともいわれる愛玩動物、例えば、イヌ、ネコ、かごに飼う鳥、観賞魚ならびに実験動物(例えばハムスター、モルモット、ラット及びマウス等)として知られているものを含む。
【0065】
本発明による活性化合物の使用によって、これらの節足動物、蠕虫及び/又は原虫を駆除することにより、宿主動物の死亡を減少させ、また生産力(食肉、牛乳、羊毛、皮革、卵、蜂蜜等の場合に)及び健康を改善して、その結果、より経済的で簡単な動物飼育を可能にすることが意図されている。
【0066】
例えば、寄生虫による宿主からの血液取り込みを、(適用可能なときは)防止又は阻止することが望ましい。寄生虫を駆除することは、感染性病原体の伝染を防止するためにも役立ち得る。
【0067】
獣医学領域に関して本明細書で使用する「駆除する」という用語は、活性化合物が、このような寄生虫に感染した動物中のそれぞれの寄生虫の発生率を無害なレベルに減少させることに有効であることを意味する。より具体的には、本明細書で使用する「駆除する」という用語は、活性化合物がそれぞれの寄生虫を殺すこと、この成長を阻止すること又はこの増殖を阻止することに有効であることを意味する。
【0068】
本発明ではこれらすべてを包含する害虫類に対する殺虫作用を有する物質を殺虫剤と呼ぶ。
【0069】
本発明の活性化合物は、殺虫剤として使用する場合、通常の製剤形態にすることができる。製剤形態としては、例えば、液剤、エマルジョン、水和剤、粒状水和剤、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、錠剤、粒剤、エアゾール、活性化合物浸潤 − 天然及び合成物、マイクロカプセル、種子用被覆剤、燃焼装置を備えた製剤(例えば、燃焼装置としては、くん蒸及び煙霧カートリッジ、かん、コイル等)、ULV[コールドミスト(cold mist)、ウォームミスト(warm mist)]等を挙げることができる。
【0070】
これらの製剤はそれ自体既知の方法で製造することができる。例えば、活性化合物を、展開剤、即ち、液体の希釈剤又は担体;液体ガス希釈剤又は担体;固体の希釈剤又は担体と、そして場合によっては界面活性剤、即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤と共に混合することによって製造することができる。
【0071】
展開剤として水を用いる場合には、例えば有機溶媒をまた補助溶媒として使用することができる。
【0072】
液体希釈剤又は担体としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族又はクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン類)、脂肪族炭化水素類(例えば、シクロヘキサン等、パラフィン類(例えば鉱油留分類))、アルコール類(例えば、ブタノール、グルコ−ル及びそれらのエーテル、エステル等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等を挙げることができる。
【0073】
液化ガス希釈剤又は担体は、常温常圧ではガスであるもの、例えば、ブラン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素類のようなエアゾール噴射剤を挙げることができる。
【0074】
固体希釈剤としては、例えば、粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイト、モンモリロナイト又は珪藻土等)、粉砕合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)等を挙げることができる。
【0075】
粒剤のための固体担体としては、例えば、粉砕且つ分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機又は有機物粉の合成粒、有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、とうもろこしの穂軸、タバコの茎等)の細粒体等を挙げることができる。
【0076】
乳化剤及び/又は泡沫剤としては、例えば、非イオン及び陰イオン乳化剤[例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル)、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等]、アルブミン加水分解生成物等を挙げることができる。
【0077】
分散剤としては、例えば、リグニンサルファイト廃液、メチルセルロースが包含される。
【0078】
固着剤も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、該固着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然又は合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコールそしてポリビニルアセテート等)等を挙げることができる。
【0079】
着色剤を使用することもでき、該着色剤としては、例えば、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー等)、アリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料、そしてさらに、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛の塩のような微量要素を挙げることができる。
【0080】
該製剤は、一般には、前記活性成分を0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の範囲内の量で含有することができる。
【0081】
本発明の式(I)で表される活性化合物は、それらの商業上有用な製剤形態で及びそれらの製剤から調製された使用形態で、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒餌、殺菌剤、殺ダニ剤、殺センチュウ剤、殺カビ剤、生長調整剤、除草剤等との混合剤として存在することもできる。ここで、上記殺虫剤としては、例えば、有機リン剤、カーバメート剤、カーボキシレート系薬剤、クロル化炭化水素系薬剤、ネオニコチノイド系殺虫剤、微生物より生産される殺虫性物質等を挙げることができる。
【0082】
さらに、本発明の式(I)の活性化合物は、協力剤との混合剤としても存在することができ、かかる製剤及び使用形態は商業上有用なものを挙げることができる。該協力剤はそれ自体活性である必要はなく、活性化合物の作用を増強する化合物である。
【0083】
本発明の式(I)の活性化合物の商業上有用な使用形態における含有量は広い範囲内で変えることができる。
【0084】
本発明の式(I)の活性化合物の実際の使用上の濃度は、例えば、0.0000001〜95重量%、好ましくは、0.00001〜90重量%の範囲内とすることができる。
【0085】
本発明の式(I)の化合物は使用形態に適合した通常の方法で使用することができる。
【0086】
本発明の活性化合物は、衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用するに際して、石灰物質上のアルカリに対する有効な安定性を有しており、しかも木材及び土壌における優れた残効性を示す。
【0087】
一般的に、動物の治療に使用されるとき、本発明の活性化合物は、直接適用することができる。好ましくは、これらは、当分野において知られている医薬的に許容される賦形剤及び補助剤又は両方を含んでいてよい医薬組成物として適用される。
【0088】
獣医学領域において及び動物飼育において、活性化合物は、知られた様式で、例えば、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、飲薬、顆粒剤、ペースト剤、大量瞬時投与、フィードスルー法、坐剤の形態で経腸投与により;例えば、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)、埋め込みにより、鼻内適用により、例えば、入浴又は浸漬、噴霧、注ぎかけ及び滴下、洗浄、散布の形態での皮膚適用により非経腸投与によって、及び首輪、耳標、尾標、脚輪、端綱、マーキングデバイス等の活性化合物含有成型品を利用して適用される(投与される)。活性化合物は、シャンプーとして又は、エアロゾル、非加圧スプレイ、例えばポンプスプレイ及び噴霧器スプレイ中で使用し得る適当な剤形として剤形化することができる。
【0089】
家畜、家禽、愛玩動物等のために使用されるとき、本発明による活性化合物は、活性化合物を1から80重量%の量で含む剤形(例えば、散剤、水和剤[「WP」]、エマルション、乳化可能な濃縮液[「EC」]、流動物、均一溶液、及び懸濁濃縮液[「SC」])として、直接もしくは希釈後(例えば、100から10000倍希釈)のいずれかで、又は別の方法で化学浴として適用することができる。
【0090】
獣医学領域で使用されるとき、本発明による活性な化合物は、適当な相乗剤又は他の活性化合物、例えば、ダニ駆除薬、殺虫剤、駆虫剤、抗原虫薬と組み合わせて使用され得る。
【0091】
また、本発明の活性化合物は温血動物に対しても低毒性であって、安全に使用することができる。
【実施例】
【0092】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
【0093】
合成例1
N−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)− 1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド(No.1−17)の合成
【0094】
【化14】

【0095】
ステップ1
N−[4−{[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(3,4,5−トリクロロフェニル)プロピル]アミノ}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]プロパンアミドの合成
【0096】
【化15】

1,4−ジオキサン(10ml)、水(10ml)及び水酸化カリウム(108mg)の溶液に、N−{4−[2−オキソ−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメツル)ベンジル}プロパンアミド(542mg)を加え、70℃で1時間攪拌した。反応終了後、減圧下、1,4−ジオキサンを留去して氷冷下、濃塩酸(70mg)を加え攪拌し、酢酸エチルにて抽出し、水及び飽和食塩水にて洗浄して、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、N−[4−{[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(3,4,5−トリクロロフェニル)プロピル]アミノ}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]プロパンアミド
(503mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.14(3H,t),2.21(2H,q),3.63−3.66(1H,m),3.88−3.93(1H,m),3.98−4.00(1H,m),4.40−4.43(3H,m),5.74(1H,br s),6.70−6.71(1H,m),6.86(1H,s),7.27−7.30(1H,m),7.64(2H,s)
【0097】
ステップ2
N−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミドの合成
【0098】
【化16】

N−[4−{[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(3,4,5−トリクロロフェニル)プロピル]アミノ}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]プロパンアミド
(250mg)及びホルムアルデヒト(70mg)をトルエン(20ml)に加え、90℃で5時間攪拌した。反応終了後、減圧下、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、N−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド(100mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.13−1.16(3H,m),2.18−2.23(3H,m),3.77−3.81(1H,m),4.12−4.15(1H,m),4.50(2H,d),5.20(2H,d),5.73(1H,br s),6.67(1H,d),6.77(1H,d),7.48(1H,d),7.59(2H,s)
【0099】
合成例2
N−{4−[2−オキジド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド(No.3−17)の合成
【0100】
【化17】

【0101】
【化18】

N−[4−{[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(3,4,5−トリクロロフェニル)プロピル]アミノ}−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]プロパンアミド(160mg)、トリエチルアミン(130mg)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(4mg)をジクロロメタン(10ml)に加え、氷冷下、塩化チオニル(57mg)を滴下した。滴下終了後、室温にて2.5時間攪拌した。反応終了後、減圧下、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、N−{4−[2−オキシド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド(157mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 1H−NMR(CDCl3) δ:1.14−1.16(3H,m),2.17−2.27(2H,m),4.09−4.74(4H,m),5.80(1H,br s),7.22−7.65(5H,m)
【0102】
合成例3
N−{4−[2,2−ジオキジド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド(No.5−17)の合成
【0103】
【化19】

【0104】
【化20】

N−{4−[2−オキシド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド
(190mg)をジクロロメタン(1.5ml)、アセトニトリル(1.5ml)に溶解した。氷冷下、塩化ルテニウム(III)(5mg)を加え10分間攪拌した。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム(111mg)、pH7のリン酸緩衝液(1.5ml)を加え、氷冷下、2時間攪拌した後、室温に戻しセライトにてろ過した。有機層を水にて洗浄して無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、N−{4−[2,2−ジオキシド−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,2,3−オキサチアゾリン−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド
(157mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.68−7.47(4H,m),7.29(1H,m),5.87(1H,m),4.67−4.23(4H,m),2.28−2.18(2H,m),1.18−1.11(3H,t)
【0105】
上記合成例と同様の方法により、また前記に詳細に説明した方法に従って、得られる本発明の式(I)の化合物を第1〜6表に、新規な中間体を第7〜11表に、そしてNMR測定値をNMR表に示す。また上記合成例で得られた各化合物も、夫々対応する表に示す。
【0106】
表中の略号等は次のとおり。
Me:メチル、Et:エチル、Pr:プロピル、Bu:ブチル、n−:ノルマル、cyclo−:シクロ、tert−:ターシャリー
また、化合物番号中に−aが付してある化合物は、R及びRが結合する炭素原子における立体配置がS体であることを示し、−bの場合はR体を示す。
【0107】
【化21】

(式中、X、X、Y、Y、Y、R及びRは、水素を示す。)
【0108】
【表1】















【0109】
【化22】

(式中、X、X、Y、Y、Y及びRは、水素を示す。)
【0110】
【表2】







【0111】
【化23】

(式中、X、X、Y、Y、Y、R及びRは、水素を示す。)
【0112】
【表3】















【0113】
【化24】

(式中、X、X、Y、Y、Y及びRは、水素を示す。)
【0114】
【表4】







【0115】
【化25】

(式中、X、X、Y、Y、Y、R及びRは、水素を示す。)
【0116】
【表5】















【0117】
【化26】

(式中、X、X、Y、Y、Y及びRは、水素を示す。)
【0118】
【表6】







【0119】
【化27】

(式中、X、X、Y、Y、Y、R及びRは、水素を示す。)
【0120】
【表7】















【0121】
【化28】

(式中、X、X、Y、Y、Y及びRは、水素を示す。)
【0122】
【表8】







【0123】
【化29】

(式中、X、X、Y、Y及びYは、水素を示す。)
【0124】
【表9】

【0125】
【化30】

(式中、X、X、Y、Y及びYは、水素を示す。)
【0126】
【表10】

【0127】
【化31】

(式中、X、X、Y、Y及びYは、水素を示す。)
【0128】
【表11】

【0129】
(NMR表)
【0130】
【表12】


【0131】
別の方法を言及しない限り、供試薬剤は以下のとおり調整した。
溶剤:ジメチルホルムアミド 3重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 1重量部
【0132】
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物1重量部を上記量の乳化剤を含有する上記量の溶剤と混合し、その混合物を水で所定濃度まで希釈した。
【0133】
生物試験例1:ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対する試験
(試験方法)
直径6cmのポットに栽培した本葉2枚展開期のインゲンの葉に、ナミハダニの成虫を50〜100頭接種し、1日後に上記で調製した活性化合物の所定濃度の水希釈液を、スプレーガンを用いて充分量散布した。散布後温室内に置いて7日後に殺ダニ率を算出した。殺ダニ率100%はすべてのダニが死亡したことを意味する。一方殺ダニ虫率0%は死亡したダニがいなかったことを意味する。
(試験結果)
上記生物試験例1において、代表例として、前記化合物No.1−17、1−19、5−17、5−19、5−20、5−374−a及び5−375−aの化合物が、有効成分濃度100ppmで殺ダニ率100%の防除効果を現した。
【0134】
生物試験例2:ウリハムシ(Aulacophora femoralis)に対する試験
(試験方法)
キュウリ葉を上記で調製した活性化合物の所定濃度の水希釈液に浸漬し、薬液の風乾後、滅菌消毒した黒土土壌を入れたプラスチックカップに入れ、ウリハムシ2令幼虫を5頭放ち、蓋をした後、温度25℃及び湿度50〜60%の定温室に置き、7日後に死虫数を調べ殺虫率を算出した。殺虫率100%はすべての幼虫が死亡したことを意味する。一方殺虫率0%は死亡した幼虫がいなかったことを意味する。
(試験結果)
上記生物試験例2において、代表例として、前記化合物No.1−17、1−19、3−17、3−19、3−20、5−17、5−19、5−20、5−374−a、5−375−a及び7−19の化合物が、有効成分濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現した。
【0135】
生物試験例3:ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)幼虫に対する試験 (人工飼料を用いた方法)
(試験方法)
2.3gの粉末人工飼料(シルクメイト:日本農産工業(株)製)をプラスチックカップ(直径7.5cm、高さ 4cm)に一定の厚さになるように入れた。そこへ上記で調整した活性化合物の所定濃度の水希釈液5mlを均一に注ぎ、飼料が固まるまで静置した。それぞれのカップにハスモンヨトウ3令幼虫を5頭放ち、蓋をした後、温度25℃及び湿度50〜60%の定温室に置き、7日後に死虫数を調べ殺虫率を算出した。殺虫率100%はすべての幼虫が死亡したことを意味する。一方殺虫率0%は死亡した幼虫がいなかったことを意味する。
(試験結果)
上記生物試験例3において、代表例として、前記化合物No.1−17、1−19、3−17、3−19、3−20、4−3、5−17、5−19、5−20、5−374−a、5−375−a、6−3、7−19及び10−11の化合物が、有効成分濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、R’は、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
lは0又は1を示し、
UはCH、S=O又はSOを示し、
、A、A及びAはそれぞれ独立して、C−Y又はNを示し、ただし、A、A、A及びAのうちの2個は同時にNを示してもよく、あるいは、A及びAがC−Yを示す場合、2個のYは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環又は5〜6員のヘテロ芳香族環を形成してもよく、
、B、B及びBは、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
Lは(CRを示し、
nは1、2又は3を示し、
及びRは、それぞれ独立して、水素、シアノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−12アルコキシ−カルボニル又はC1−12チオアルコキシ−カルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからC1−12チオアルコキシ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、3〜6員の炭化水素環を形成してもよく、
あるいは、Rは、nが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
は、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−12アルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキル−カルボニルアミノ、C1−12アルキルアミノ、C3−8シクロアルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキルからC1−12アルキル−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
は、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフェニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルコキシ−チオカルボニル、C1−12チオアルコキシ−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキル−カルボニル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル−カルボニル、C2−12アルケニル−カルボニル、C2−12アルキニル−カルボニル、C3−8シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−12アルケニルアミノ−カルボニル、C2−12アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキル−カルボニルからC2−12アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する窒素原子と一緒になって、3〜6員のヘテロ環を形成してもよく、ここで、該へテロ環は、X、ケト、チオケト又はニトロイミノで置換されてもよく、
X及びYは同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、SF、アミノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノスルホニル、C1−12アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルホニルイミノ、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル又はC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからからC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルまでの各基は置換されてもよく、並びに
は、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す)
で表されるアリルヘテロサイクル誘導体。
【請求項2】
R’が、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
、A、A及びAが、それぞれ独立して、C−Y又はNを示し、
、B、B及びBが、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYが、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、SF、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、C1−6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−スルホニル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−6アルキル)シリル、C1−6アルコキシイミノ、C1−6アルキルスルフィニルイミノ、C1−6アルキルスルホニルイミノ、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、アミノチオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル又はジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−6アルキルからジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
及びRが、それぞれ独立して、水素、シアノ、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ−カルボニル又はC1−6チオアルコキシ−カルボニルを示し、ここで、上記C1−6アルキルからC1−6チオアルコキシ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、3〜6員の炭化水素環を形成してもよく、
あるいは、Rは、nが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
が、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノ、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−6アルキルからC1−6アルキル−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
が、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキル−チオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシアミノ−カルボニル、C1−6アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6チオアルコキシ−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルフェニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−チオカルボニル、C1−6チオアルコキシ−カルボニル、C1−6チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C3−7シクロアルキル−カルボニル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル−カルボニル、C2−6アルケニル−カルボニル、C2−6アルキニル−カルボニル、C3−7シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−6アルケニルアミノ−カルボニル、C2−6アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−6アルキル−カルボニルからC2−6アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、並びに
が、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す、請求項1に記載のアリルヘテロサイクル誘導体。
【請求項3】
R’が、C1−4アルキル又はC1−4ハロアルキルを示し、
、A、A及びAが、それぞれ独立して、C−Y又はNを示し、
、B、B及びBが、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYが、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、SF、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルオキシ、C1−4アルキルアミノスルホニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−スルホニル、C1−4アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−4アルキル)シリル、C1−4アルコキシイミノ、C1−4アルキルスルフィニルイミノ、C1−4アルキルスルホニルイミノ、C1−4アルコキシ−カルボニル、C1−4アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルアミノ−カルボニル、アミノチオカルボニル、C1−4アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−カルボニル又はジ(C1−4アルキル)アミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−4アルキルからジ(C1−4アルキル)アミノ−チオカルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
及びRが、それぞれ独立して、水素、シアノ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルコキシ−カルボニル又はC1−4チオアルコキシ−カルボニルを示し、ここで、上記C1−4アルキルからC1−4チオアルコキシ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、3〜6員の炭化水素環を形成してもよく、
あるいは、Rは、nが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
が、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル−カルボニルアミノ、C1−4アルキルアミノ、C3−6シクロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−4アルキルからC1−4アルキル−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
が、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキル−チオカルボニル、C1−4アルキルアミノ−カルボニル、C1−4アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−4アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−4アルコキシアミノ−カルボニル、C1−4アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−4アルコキシ−カルボニル、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4チオアルコキシ−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキルスルフェニル−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルキルスルホニル−C1−4アルキル−カルボニル、C1−4アルコキシ−チオカルボニル、C1−4チオアルコキシ−カルボニル、C1−4チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−C1−4アルキル−カルボニル、C2−4アルケニル−カルボニル、C2−4アルキニル−カルボニル、C3−6シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−4アルケニルアミノ−カルボニル、C2−4アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−4アルキル−カルボニルからC2−4アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、並びに
は、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す、請求項1又は2に記載のアリルヘテロサイクル誘導体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアリルヘテロサイクル誘導体を有効成分として含有する殺虫剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアリルヘテロサイクル誘導体を有効成分として含有する動物寄生虫防除剤。
【請求項6】
式(II)で表される化合物;
【化2】

(式中、R’は、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
、A、A及びAはそれぞれ独立して、C−Y又はNを示し、ただし、A、A、A及びAのうちの2個は同時にNを示してもよく、あるいは、A及びAがC−Yを示す場合、2個のYは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環又は5〜6員のヘテロ芳香族環を形成してもよく、
、B、B及びBは、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
Lは(CRを示し、
nは1、2又は3を示し、
及びRは、それぞれ独立して、水素、シアノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−12アルコキシ−カルボニル又はC1−12チオアルコキシ−カルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからC1−12チオアルコキシ−カルボニルまでの各基はハロゲンで置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、3〜6員の炭化水素環を形成してもよく、
あるいは、Rは、nが1を示し、AがC−Yを示す時、AのYと一緒になって、C2−3アルキレンを形成してもよく、
は、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−12アルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキル−カルボニルアミノ、C1−12アルキルアミノ、C3−8シクロアルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキルからC1−12アルキル−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
は、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフェニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルコキシ−チオカルボニル、C1−12チオアルコキシ−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキル−カルボニル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル−カルボニル、C2−12アルケニル−カルボニル、C2−12アルキニル−カルボニル、C3−8シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−12アルケニルアミノ−カルボニル、C2−12アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキル−カルボニルからC2−12アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する窒素原子と一緒になって、3〜6員のヘテロ環を形成してもよく、ここで、該へテロ環は、X、ケト、チオケト又はニトロイミノで置換されてもよく、
X及びYは同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、SF、アミノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノスルホニル、C1−12アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルホニルイミノ、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル又はC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからからC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルまでの各基は置換されてもよく、並びに
は、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す。)
【請求項7】
式(III)で表される化合物:
【化3】

(式中、R’は、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
、A及びAはそれぞれ独立して、C−Y又はNを示し、ただし、A、A及びAのうちの2個は同時にNを示してもよく、
、B、B及びBは、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
は、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、C1−12アルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキル−カルボニルアミノ、C1−12アルキルアミノ、C3−8シクロアルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキル−カルボニル、−CH−R、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキルからC1−12アルキル−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
は、水素、シアノ、ホルミル、チオホルミル、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフェニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルコキシ−チオカルボニル、C1−12チオアルコキシ−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキル−カルボニル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル−カルボニル、C2−12アルケニル−カルボニル、C2−12アルキニル−カルボニル、C3−8シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−12アルケニルアミノ−カルボニル、C2−12アルキニルアミノ−カルボニル、−C(=O)R又はC(=S)Rを示し、ここで、上記C1−12アルキル−カルボニルからC2−12アルキニルアミノ−カルボニルまでの各基は置換されてもよく、
あるいは、RとRは、それらの結合する窒素原子と一緒になって、3〜6員のヘテロ環を形成してもよく、ここで、該へテロ環は、X、ケト、チオケト又はニトロイミノで置換されてもよく、
X及びYは同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、SF、アミノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノスルホニル、C1−12アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルホニルイミノ、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル又はC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからからC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルまでの各基は置換されてもよく、並びに
は、任意に置換されてもよいフェニル基、あるいはN、О、Sから任意に選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意に置換されてもよい5〜6員のヘテロ環式基を示す。)
【請求項8】
式(IV)で表される化合物:
【化4】

(式中、R’は、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
、A、A及びAはそれぞれ独立して、C−Y又はNを示し、ただし、A、A、A及びAのうちの2個は同時にNを示してもよく、あるいは、A及びAがC−Yを示す場合、2個のYは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環又は5〜6員のヘテロ芳香族環を形成してもよく、
、B、B及びBは、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYは同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、SF、アミノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノスルホニル、C1−12アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルホニルイミノ、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル又はC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからからC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルまでの各基は置換されてもよい。)
【請求項9】
式(V)で表される化合物:
【化5】

(式中、R’は、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
、A、A及びAはそれぞれ独立して、C−Y又はNを示し、ただし、A、A、A及びAのうちの2個は同時にNを示してもよく、あるいは、A及びAがC−Yを示す場合、2個のYは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環又は5〜6員のヘテロ芳香族環を形成してもよく、
、B、B及びBは、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYは同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、SF、アミノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノスルホニル、C1−12アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルホニルイミノ、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル又はC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからからC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルまでの各基は置換されてもよい。)
【請求項10】
式(VI)で表される化合物:
【化6】

(式中、R’は、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
、A、A及びAはそれぞれ独立して、C−Y又はNを示し、ただし、A、A、A及びAのうちの2個は同時にNを示してもよく、あるいは、A及びAがC−Yを示す場合、2個のYは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環又は5〜6員のヘテロ芳香族環を形成してもよく、
、B、B及びBは、それぞれ独立して、C−X又はNを示し、
X及びYは同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、SF、アミノ、C1−12アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノスルホニル、C1−12アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルホニルイミノ、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、C2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−カルボニル又はC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルを示し、ここで、上記C1−12アルキルからからC2−24(総炭素数)ジアルキルアミノ−チオカルボニルまでの各基は置換されてもよい。)

【公開番号】特開2012−232910(P2012−232910A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101535(P2011−101535)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】