説明

殺虫性ピロリン誘導体

【課題】殺虫剤として優れた殺虫効果を示す新規なピロリン誘導体を提供すること。
【解決手段】式(I):


(各置換基は、明細書に記載のとおり)で表わされるピロリン誘導体並びにそれの殺虫剤及び動物寄生虫防除剤としての利用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な殺虫性ピロリン誘導体及びその殺虫剤としての利用に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から5には、殺虫性ピロリン化合物が有害生物防除剤として有用であることが記載されているが、本願発明の殺虫性ピロリン誘導体の記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/022746号
【特許文献2】国際公開第2009/072621号
【特許文献3】国際公開第2009/097992号
【特許文献4】国際公開第2009/112275号
【特許文献5】国際公開第2010/020521号
【発明の概要】
【0004】
本発明者らは殺虫剤として、より高い効果を示し、且つスペクトルの広い新規化合物を創製すべく鋭意研究を行った結果、この度、高活性で、スペクトルの広い、且つ安全性を示し、さらに、自然界ですばやく分解され環境安全性が高い下記式(I)で表わされる新規なピロリン誘導体を見出した。
式(I):
【0005】
【化1】

式中、
次式
【0006】
【化2】

で表される部分は次式:
【0007】
【化3】

を示すか、
又は、Rがヒドロキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル又はシアノの場合、
次式
【0008】
【化4】

で表される部分は次式:
【0009】
【化5】

(式中、Rは水素を示す。)
若しくは
【0010】
【化6】

(式中、Rは非存在である。)
又はそれら位置異性体の混合物を示し、
Tは、次式(T−1)、(T−2)、(T−3)、(T−4)又は(T−5)のいずれかを示し、
【0011】
【化7】

Bは、N又はC−Xを示し、
、X、X、X及びXは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ、シアノ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−12アシルアミノ、C1−12アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12アルコキシ−イミノ、C1−12ハロアルコキシ−イミノ、C1−12アルキルスルホニルアミノ又は5フッ化硫黄を示し、
、Y、Y、Y及びYは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ、シアノ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C1−12ハロアルキルアミノスルホニル、ジ(C1−12アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1−12ハロアルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−12アルキルアミノ、ジ(C1−12アルキル)アミノ、C1−12アシルアミノ、C1−12アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12アルキルスルホニルアミノ、C1−12ハロアルキルスルホニルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシ−イミノ、C1−12ハロアルコキシ−イミノ、C1−12アルコキシ−イミノ−C1−12アルキル、C1−12ハロアルコキシ−イミノ−C1−12アルキル、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ−C1−12アルキル、C1−12アルキルスルフィニルイミノ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホキシイミノ、C1−12アルキルスルホキシイミノ−C1−12アルキル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキル−アミノカルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−チオカルボニル又はヒドロキシカルボニルを示し、
Gは、次式G1からG9のいずれかを示し、
【0012】
【化8】

Zは、水素、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C1−12アルコキシ、シアノ、C1−12ハロアルコキシ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はチオールを示し、
kは、0、1、2、3又は4を示し、
Rは、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
及びRは非存在であるか、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、アジド、ヒドロキシ、メルカプト、ヒドロキシ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル又はC1−12アルキルスルホニルを示し、ただしR及びRは同時に非存在であることはなく、R及びRは同時に水素ではなく、
は、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、R−CH−、R−CO−、R−CS−、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキル−カルボニル又はC1−12アルキル−カルボニルアミノを示し、
は、水素、シアノ、カルボニル、チオカルボニル、R−CO−、R−CS−、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−チオカルボニル、C1−12ハロアルキル−カルボニル、C1−12ハロアルキル−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−チオカルボニル、C1−12チオアルコキシ−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、C3−8シクロアルキル−カルボニル、C2−12アルケニル−カルボニル、C2−12アルキニル−カルボニル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフェニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフィニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−カルボニル−C1−12アルキル−カルボニル、C3−8シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−12アルケニルアミノ−カルボニル又はC2−12アルキニアミノ−カルボニルを示し、
また、RとRは、それが結合する窒素原子と一緒になって3,4,5又は6員の、飽和又は不飽和の複素環を形成してもよく、該複素環はオキソ、チオキソ又はニトロで置換されてもよく、
は、水素、シアノ、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
は、水素、C1−12アルキル、C1−12アルキルカルボニル又はC1−12アルコキシカルボニルを示し、
は、水素又はC1−12アルキルを示し
は、フェニル、又は3、4、5若しくは6員の、飽和又は不飽和の複素環を示し、
、Z及びZは、それぞれ独立して−C(R)(R10)−、−C(=O)−、−C(=N−OR11)−、−N(R11)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−S(O)(=N−R11)−を示し、
及びR10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
11は、水素、シアノ、ニトロ、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12ハロアルキル−カルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12ハロアルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、アリール部が1、2又は3のR12で置換されてよいアリール−C1−12アルキル、又は複素環部が1、2又は3のR12で置換されてよい複素環−C1−12アルキルを示し、
12は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ又はC1−12アルコキシ−カルボニルを示し、
mは、1又は2を示し、
上記で定義した基は更にハロゲン、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C1−12アルコキシ、シアノ、C1−12ハロアルコキシ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はメルカプトからなる任意の置換基で置換されてもよい。
【0013】
また、本発明の式(I)の化合物において、
次式
【0014】
【化9】

で表される部分が次式:
【0015】
【化10】

を示すか、
又は、Rがヒドロキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル又はシアノの場合、
次式
【0016】
【化11】

で表される部分は次式:
【0017】
【化12】

(式中、Rは水素を示す。)
若しくは
【0018】
【化13】

(式中、Rは非存在である。)
又はそれら位置異性体の混合物を示し、
Tが、次式(T−1)、(T−2)、(T−3)、(T−4)又は(T−5)のいずれかを示し、
【0019】
【化14】

Bが、N又はC−Xを示し、
、X、X、X及びXが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、シアノ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−イミノ、C1−6ハロアルコキシ−イミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ又は5フッ化硫黄を示し、
、Y、Y、Y及びYが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、シアノ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6ハロアルキルアミノスルホニル、ジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1−6ハロアルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6ハロアルキルスルホニルアミノ、トリ(C1−6アルキル)シリル、C1−6アルコキシ−イミノ、C1−6ハロアルコキシ−イミノ、C1−6アルコキシ−イミノ−C1−6アルキル、C1−6ハロアルコキシ−イミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルフィニルイミノ、C1−6アルキルスルフィニルイミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルフィニルイミノ−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルホキシイミノ、C1−6アルキルスルホキシイミノ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−6アルキル−アミノカルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニル又はヒドロキシカルボニルを示し、
Gが、次式G1からG9のいずれかを示し、
【0020】
【化15】

Zが、水素、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C1−6アルコキシ、シアノ、C1−6ハロアルコキシ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はチオールを示し、
kが、0、1、2、3又は4を示し、
Rが、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
及びRが非存在であるか、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、アジド、ヒドロキシ、メルカプト、ヒドロキシ−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル又はC1−6アルキルスルホニルを示し、ただしR及びRは同時に非存在であることはなく、R及びRは同時に水素ではなく、
が、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、R−CH−、R−CO−、R−CS−、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキル−カルボニル又はC1−6アルキル−カルボニルアミノを示し、
が、水素、シアノ、カルボニル、チオカルボニル、R−CO−、R−CS−、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキル−チオカルボニル、C1−6ハロアルキル−カルボニル、C1−6ハロアルキル−チオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシアミノ−カルボニル、C1−6アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ−チオカルボニル、C1−6チオアルコキシ−カルボニル、C1−6チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、C3−7シクロアルキル−カルボニル、C2−6アルケニル−カルボニル、C2−6アルキニル−カルボニル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルフェニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルフィニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル−C1−6アルキル−カルボニル、C3−7シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−6アルケニルアミノ−カルボニル又はC2−6アルキニアミノ−カルボニルを示し、
また、RとRが、それが結合する窒素原子と一緒になって3,4,5又は6員の、飽和又は不飽和の複素環を形成してもよく、該複素環はオキソ、チオキソ又はニトロで置換されてもよく、
が、水素、シアノ、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
が、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル又はC1−6アルコキシカルボニルを示し、
が、水素又はC1−6アルキルを示し
が、フェニル、又は3、4、5若しくは6員の、飽和又は不飽和の複素環を示し、
、Z及びZが、それぞれ独立して−C(R)(R10)−、−C(=O)−、−C(=N−OR11)−、−N(R11)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−S(O)(=N−R11)−を示し、
及びR10が、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
11が、水素、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6ハロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6ハロアルコキシ−カルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、アリール部が1、2又は3のR12で置換されてよいアリール−C1−6アルキル、又は複素環部が1、2又は3のR12で置換されてよい複素環−C1−6アルキルを示し、
12が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ又はC1−6アルコキシ−カルボニルを示し、
mが、1又は2を示し、
上記で定義した基は更にハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C1−6アルコキシ、シアノ、C1−6ハロアルコキシ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はメルカプトからなる任意の置換基で置換されてもよい、を示す場合の化合物を好適なものとして挙げることができる。
【0021】
新規ピロリン誘導体の以下の群が好ましく、それらは、いずれの場合も、上記で記載した式(I)で表される化合物の亜群として理解される。
群1:
【0022】
【化16】

(式中、X、X、X、X、R、B及びTは前記と同義を示し、Halはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素示す。)
群2:
【0023】
【化17】

(式中、X、X、X、X及びR、B及びTは前記と同義を示し、R20は水素又はC1−6アルキルを示し、
次式
【0024】
【化18】

で表される部分は
式:
【0025】
【化19】

若しくは
式:
【0026】
【化20】

又は、それら位置異性体の混合物を示す)
本明細書において、「アルキル」は、例えば、メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等の直鎖状又は分枝状のC1−12アルキルを、好ましくはC1−6アルキルを、より好ましくはC1−4アルキルを示す。また、アルキルを構成の一部として有している各基における各アルキル部分は、上記「アルキル」で説明したものと同様のものを例示することができる。
【0027】
「ハロアルキル」は、例えば、CHF、CHF、CF、CFCl、CFCl、CFBr、CFCF、CFHCF、CHCF、CFClCF、CClCF、CFCH、CFCHF、CFCHF、CFCFCl、CFCFBr、CFHCH、CFHCHF、CFHCHF、CHFCF、CHFCFCl、CHFCFBr、CFClCF、CClCF、CFCFCF、CHCFCF、CFCHCF、CFCFCH、CHFCFCF、CFCHFCF、CFCFCHF、CFCFCHF、CFCFCFCl、CFCFCFBr、CH(CF)CF、CF(CF)CF、CF(CF)CFBr、CFCFCFCF、CH(CF)CFCF又はCF(CF)CFCFを示し、直鎖状又は分枝状のC1−12アルキル、好ましくはC1−6アルキル、より好ましくはC1−4アルキル上の少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されている炭素鎖を示し、アルキル上の置換可能なすべての水素がフッ素によって置換されたパーフルオロアルキルも含む。ハロアルキルは、さらに任意の置換基で置換されてもよい。
【0028】
「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−、iso−、sec−若しくはtert−ブトキシ、ペンチルオキシ又はヘキシルオキシを示し、直鎖状又は分枝状のC1−12、好ましくはC1−6、より好ましくはC1−4のアルコキシを示す。アルコキシはさらに任意の置換基で置換されてもよい。
【0029】
「ハロゲン」及びハロゲン置換の各基における各ハロゲン部分は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を示し、好ましくは、フッ素、塩素及び臭素を示す。
【0030】
「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルのC3−8シクロアルキルを、好ましくはC3−7シクロアルキルを示し、より好ましくは、C3−6シクロアルキルを示す。また、シクロアルキルを構成の一部として有している各基における各シクロアルキル部分は、上記「シクロアルキル」で説明したものと同様のものを例示することができる。
【0031】
「シクロハロアルキル」は、例えば、フルオロシクロプロピル、クロロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、ジクロロシクロプロピル、ウンデカフルオロシクロヘキシルを示す。
【0032】
「アルケニル」は、C2−12アルケニルを示し、好ましくはビニル、アリル、1−プロペニル、1−(又は2−、又は3−)ブテニル、1−ペンテニル等のC2−6アルケニルを示し、より好ましくはC2−5アルケニルを示し、さらに好ましくはC2−4アルケニルを示す。
【0033】
「アルキニル」は、C2−12アルキニルを示し、好ましくはエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、ブタン−3−イニル、ペンタン−4−イニル等のC2−6アルキニルを示し、より好ましくはC2−5アルキニルを示し、さらに好ましくはC2−4アルキニルを示す。
【0034】
「アリール」は、C6−12の芳香族炭化水素基を示し、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、好ましくは、C6−10の芳香族炭化水素基、より好ましくはCの芳香族炭化水素基、フェニルを示す。
【0035】
「複素環」は、ヘテロ原子として、N、O、Sの少なくとも1個を含む、5員又は6員のヘテロ環式基を示し、更に該環はベンゾ縮合されてもよい縮合へテロ環式基を示し、又更に該環の炭素原子がオキソまたはチオキソにより置換されてもよい。
【0036】
複素環の具体例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、(飽和の例)
ジヒドロピロリル、ジヒドロイソキサゾリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロチアゾリル、(一部飽和の例)
フリル、チエニル、ピロリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル等を挙げることができ、更に該複素環は任意の置換基で置換されてもよい。
【0037】
「任意の置換基で置換されてもよい」の置換基は、例えば、アミノ、ヒドロキシ、オキソ、チオキソ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、イソシアノ、メルカプト、イソチオシアネート、カルボキシ、カルボアミド、SF、アミノスルホニル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−アルキルカルボニル−アミノ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、シクロアルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルスルフェニル、アルキルスルフィニル、異性体を含むアスキルスルフィニル、アルキルスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルホスフィニル、アルキルホスホニル、異性体を含むアルキルホスフィニル、異性体を含むアルキルホスホニル、N−アルキル−アミノカルボニル、N,N−ジアルキル−アミノカルボニル、N−アルキルカルボニル−アミノカルボニル、N―アルキルカルボニル―N−アルキルアミノカルボニル、アリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アリールチオ、アリールアミノ、ベンジルアミノ、複素環、トリアルキルシリル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルコキシ、アルコキシアルコキシ、フェネチル、ベンジルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ハロアルコキシアルコキシ、ハロアルコキシアルキルチオ、ハロアルコキシアルキルカルボニル又はハロアルコキシアルキルを示し、好ましくは、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、チオ又はカルボキシを示す。
【0038】
本発明の式(I)の化合物は、例えば下記の製法(a)、(b)又は(c)の方法により得ることができる。
【0039】
製法(a)
式(II):
【0040】
【化21】

(式中、X、X、X、X、R、B及びTは前記と同義を示す)
で表される化合物を必要であれば適当な希釈剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させる方法。
【0041】
製法(b):式(I)のRがヒドロキシ−カルボニル又はC1−6アルコキシ−カルボニルを示す場合、
ステップ(b−1):
式(III):
【0042】
【化22】

(式中、X、X、X、X、B、R及びR20は前記と同義を示す)
で表される化合物と
式(IV):
【0043】
【化23】

(式中、Tは前記と同義を示す)
で表される化合物を必要であれば適当な希釈剤及び/又は銅試薬の存在下で反応させ、
ステップ(b−2):
式(V):
【0044】
【化24】

(式中、X、X、X、X、R、B、T及びR20は前記と同義を示す)
で表される化合物とし、続いて、必要であれば適当な希釈剤及び/又は塩基存在下、ピロリン環上の二重結合の位置をシフトさせ、
式(I−I):
【0045】
【化25】

(式中、X、X、X、X、R、B、T及びR20は前記と同義を示し、
次式
【0046】
【化26】

で表される部分は
式:
【0047】
【化27】

若しくは
式:
【0048】
【化28】

又は、それら位置異性体の混合物を示す)
で表される本発明の式(I)に含まれる化合物を製造する方法。
【0049】
製法(c):式(I)のRがヒドロキシ−カルボニル又はC1−6アルコキシ−カルボニルを示し、TがT−1を示す場合、
式(I−II):
【0050】
【化29】

(式中、X、X、X、X、Y、Y、Y、Y、R、B及びR20は前記と同義を示し、次式
【0051】
【化30】

で表される部分は
式:
【0052】
【化31】

若しくは
式:
【0053】
【化32】

又は、それら位置異性体の混合物を示す)で表される化合物と
次式:H−G
(式中、Hは水素を示し、Gは前述のG1からG9のいずれかを示す)
で表される化合物を、必要であれば適当な希釈剤及び/又は適当な塩基存在下、反応させる方法。
【0054】
製法(a)は通常の有機合成方法に従って行うことができる。
【0055】
製法(a)におけるハロゲン化剤としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−ヨードコハク酸イミド、1,3−ジクロロ−5,5−ヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ベンジルトリメチルアンモニウムテトラクロロヨウ素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0056】
製法(a)の反応は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際使用される希釈剤の例としては、
脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、その他)、脂肪族ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、その他)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、その他)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、その他)、エステル類(酢酸エチル、プロピオン酸エチル、その他)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセタミド(DMA)、N−メチルピロリドン、その他)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、その他)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水あるいは、これらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0057】
製法(a)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−78から約200℃、好ましくは、約−10から約100℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。反応時間は、0.1から72時間であり、好ましくは、1から24時間である。
【0058】
製法(a)を実施するにあたっては、例えば、式(II)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば四塩化炭素中、1モルから2モル量のハロゲン化剤を反応させることにより相当する式(I)の化合物を得ることができる。
【0059】
製法(a)における原料である式(II)の化合物のうち公知の化合物の代表例と引用文献をそれぞれ挙げる。
【0060】
式(I)の化合物中、(T)が(T−1)の場合、
5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル、2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾニトリル、5−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル、5−{3−[3,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル、5−{3−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル、5−[3−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル、5−{3−[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル、5−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル、1−(4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−シアノフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(引用文献 WO2009/097992)
式(I)の化合物中、(T)が(T−2)の場合、
N−{2−クロロ−4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}プロパンアミド、N−{2−クロロ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}プロパンアミド、N−{2−ブロロモ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}アセトアミド、N−{2−ブロロモ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}プロパンアミド、N−{2−ブロロモ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}シクロプロパンカルボキシアミド、N−{2−ブロロモ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}−2−(メチルスルファニル)アセトアミド、N−{2−ブロロモ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}−2−(メチルスルフィニル)アセトアミド、N−{2−ブロロモ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}−2−(メチルスルホニル)アセトアミド、N−{4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンジル}プロパンアミド、N−{2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}プロパンアミド、N−{2−ニトロ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}プロパンアミド、N−{2−シアノ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンジル}プロパンアミド、N−(2−ブロモ−4−{3−[3,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}ベンジル)プロパンアミド、N−(2−ブロモ−4−{3−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}ベンジル)プロパンアミド、N−(4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−ブロモベンジル)プロパンアミド、N−(4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−ブロモベンジル)プロパンアミド、N−(1−{4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]フェニル}エチル)プロパンアミド、N−[1−(4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}フェニル)エチル]シクロプロパンカルボキシアミド(引用文献 WO2009/097992)
式(I)の化合物中、(T)が(T−3)の場合、
N−{5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}プロパンアミド、N−{5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}アセトアミド、N−{5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}プロパンアミド、N−{5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}シクロプロパンカルボキシアミド、3,3,3−トリフルオロ−N−{5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}プロパンアミド、2−(メチルスルファニル)−N−{5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}アセトアミド、2−(メチルスルフィニル)−N−{5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}アセトアミド、2−(メチルスルホニル)−N−{5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}アセトアミド、N−(5−{3−[3,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパンアミド、N−(5−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパンアミド、N−(5−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパンアミド、N−(5−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)アセトアミド(引用文献 WO2009/112275)
式(I)の化合物中、(T)が(T−4)の場合、
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−メチル−N−(チエタン−3−イル)ベンズアミド、2−メチル−N−(チエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド、2−メチル−N−(1−オキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド、2−メチル−N−(1、1−ジオキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド、2−クロロ−N−(チエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド、2−クロロ−N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド、2−ブロモ−N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド、N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トエイフルオロメチル)ベンズアミド、N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)−2−ニトロ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド、4−{3−[3,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(チエタン−3−イル)ベンズアミド、4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(チエタン−3−イル)ベンズアミド、4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(1−オキシドチエタン−3−イル)ベンズアミド、4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(1、1−ジオキシドチエタン−3−イル)ベンズアミド、4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロ)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(チエタン−3−イル)ベンズアミド、4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロ)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(1−オキシドチエタン−3−イル)ベンズアミド、4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロ)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)ベンズアミド(引用文献 WO2009/080250)
式(I)の化合物中、(T)が(T−5)の場合、
5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−フルオロベンゾニトリル、2−フルオロ−5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾニトリル、5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、メチル 2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾエート、2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾイックアシッド、2−ブロモ−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾニトリル、4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、5−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−フルオロベンゾニトリル、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、メチル 4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチルベンゾエート、4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチルベンゾイックアシッド、4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチルベンゾニトリル、4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−クロロベンゾニトリル、4−[5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−イル]−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン、5−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−フルオロベンゾニトリル、メチル 4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチルベンゾエート、4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチルベンゾィックアシッド、4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−ブロモベンゾニトリル、4−{3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチルベンゾニトリル(引用文献 特開2007−91708、特開2008−133273、WO2009/072621、WO2009/097992、WO2009/112275)
【0061】
製法(b)におけるステップ(b−1)は、例えばEP1538138又はWO2009−097992(A1)記載の方法に従って行うことができる。
【0062】
製法(b)におけるステップ(b−1)の反応は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際使用される希釈剤の例は、製法(a)の希釈剤の例と同様である。
【0063】
製法(b)におけるステップ(b−1)における適当な銅試薬として、酸化銅(I)、酸化銅(II)、アセチル酢酸銅(II)、酢酸銅(II)、シアン化銅(I)などが挙げられる。
【0064】
製法(b)におけるステップ(b−1)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約20から約200℃、好ましくは、約40から約150℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。反応時間は、0.1から72時間であり、好ましくは、1から24時間である。
【0065】
製法(b)におけるステップ(b−1)を実施するにあたっては、例えば、式(III)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばトルエン中、0.5モルから2モル量の式(IV)の化合物と0.1モルから2モルの銅試薬例えば酸化銅(I)を反応させることにより相当する式(V)の化合物を得ることができる。
【0066】
製法(b)におけるステップ(b−1)における原料の式(III)の化合物は新規であり、代表例として、メチル 3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロブテン−2−エノエート、メチル 4,4,4−トリフルオロ3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブテン−2−エノエート、エチル 4,4,4−トリフルオロ3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブテン−2−エノエート、イソプロピル 4,4,4−トリフルオロ3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブテン−2−エノエート、tert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブテン−2−エノエート、ベンジル 4,4,4−トリフルオロ3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブテン−2−エノエート、メチル [3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロブテン−2−エノエート、エチル [3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロブテン−2−エノエート、イソプロピル [3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロブテン−2−エノエート、メチル 3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−4,4,4−トリフルオロブテン−2−エノエートが挙げられる。
【0067】
製法(b)におけるステップ(b−1)における原料の式(IV)の化合物は公知のものを含み、代表例として、3−ブロモ−4−フルオロベンジルイソシアニド、2−フルオロ−5−(イソシアノメチル)ベンゾニトリル、5−(イソシアノメチル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリルが挙げられる。当該化合物は、文献Tetrahedron Letters 29(27),(1988),3343−3346; Heterocycles 31(1990),1855−1860; Journal of Organic Chemistry 70(2005),3542−3553; Organic & Biomolecular Chemistry, 1(9),(2003),1475−1479に記載の方法で製造できる。
【0068】
製法(b)におけるステップ(b−2)は、特開2007−91708、Chem.Lett.,1985年,1601−1604項に記載される方法に従って、実施することができる。
【0069】
製法(b)におけるステップ(b−2)の反応は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際使用される希釈剤の例は、製法(a)の希釈剤の例と同様である。
【0070】
製法(b)におけるステップ(b−2)の適当な塩基として炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム,酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−tert−ブチル−N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、イミダゾール等の有機塩基等を挙げることができる。
【0071】
製法(b)におけるステップ(b−2)の反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−78〜約200℃、好ましくは、約−10〜約100℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧又は減圧下で操作することもできる。反応時間は、0.1から72時間であり、好ましくは、1から24時間である。
【0072】
製法(b)におけるステップ(b−2)を実施するにあたっては、例えば、式(V)の化合物1モルに対し、希釈剤、例えばピリジン中、1から0.1モル量の塩基例えばジアザビシクロウンデセン、を反応させることにより本発明の化合物に含まれる式(I−I)の目的化合物を得ることができる。
【0073】
製法(b)におけるステップ(b−2)における原料の式(V)の化合物は代表例として、メチル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、メチル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、エチル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、イソプロピル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、tert−ブチル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、ベンジル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、メチル 2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、エチル 2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、イソプロピル 2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、メチル 2−[3−シアノ−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、メチル 4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、メチル 4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート、メチル 4−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレートが挙げられる。
【0074】
製法(c)は、WO2009−097992(A1)記載の方法に従って行うことができる。
【0075】
製法(c)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、製法(a)の希釈剤の例と同様である。
【0076】
製法(c)における式(I−II)の化合物の代表例としては、メチル 5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、メチル 5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、メチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、エチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、イソプロピル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、tert−ブチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、ベンジル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、メチル 3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、メチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、メチル 3−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]−5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート等を挙げることができる。
【0077】
製法(c)の反応は、塩基として水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、トリメチルシリルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−tert−ブチル−N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、イミダゾール等の有機塩基等を用いて実施することができる。
【0078】
製法(c)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−78〜約200℃、好ましくは、約−10〜約200℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。反応時間は、0.1から72時間であり、好ましくは、0.1から48時間である。
【0079】
製法(c)を実施するにあたっては、例えば式(I−II)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばDMF中、1モルから3モル量の塩基例えば炭酸カリウムの存在下、1モルから3モル量のH−G例えばH−G6を反応させることにより相当する式(I)の本発明化合物を得ることができる。
【0080】
製法(c)おける原料の式(I−II)に包含される式(I−II−Br)及び式(I−II−CN)の化合物はスキーム1に記載の方法で製造できる
【0081】
【化33】

(式中、X、X、X、X、Y、Y、Y、R、B及びR20は前記と同義を示し、Step c−1及びStep c−2は製法(b)に準じて行うことができ、Step c−3で、式(I−II−Br)の化合物に必要であれば適当な希釈剤存在下、シアノ試薬及び/又は触媒を反応させ式(I−II−CN)の化合物とし、Step c−3の反応は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際使用される希釈剤の例として、製法(a)の希釈剤例と同様であるが、望ましくはジメチルホルムアミド(DMF)を挙げることができ、Step c−3の反応は、適当な触媒存在下で実施することができ、その際使用される触媒の例として、
Pd(PPh、Pd(dba)、Pd(dba)CHCl、(dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(PPhCl、Pd(OAc)、CuI、CuCNなどの遷移金属等を用いて実施することができ、また、必要であれば、トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン(BINAP)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos)、トリブチルフォスフィン等のフォスフィン系配位子を用いて実施することができ、Step c−3の反応において用いられるシアノ化試薬として、シアン化亜鉛、シアン化銅、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化銀(I)、シアン化銅(I)、トリメチルシリルシアニド、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物を代表例として挙げることができ、Step c−3は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約0から約200℃、好ましくは、約30から約180℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。反応時間は、0.1から72時間であり、好ましくは、0.1から24時間であり、Step c−3を実施するにあたっては、例えば、式(I−II−Br)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばDMF中、触媒量のPd(PPhの存在下、0.5モルから3モル量のシアノ化試薬例えばシアン化亜鉛を反応させることにより本発明の式(I−II)の化合物に含まれる式(I−II−CN)の化合物を得ることができる。)
【0082】
製法(c)において原料である式(H−G)の化合物はH−G2、H−G3、H−G4、H−G5、H−G6、H−G8、H−G9で表わされる化合物の多くは、公知化合物であり、その具体例として
1H−イミダゾール、
1H−ピラゾール、
4−メチル−1H−ピラゾール、
4−フルオロ−1H−ピラゾール、
4−クロロ−1H−ピラゾール、
4−ブロモ−1H−ピラゾール、
4−ヨード−1H−ピラゾール、
4−ニトロ−1H−ピラゾール、
3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
4−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
4−シアノ−1H−ピラゾール、
1H−1,2,3−トリアゾール、
1H−1,2,4−トリアゾール、
1H−テトラゾール、
5−メチル−1H−テトラゾール、
5−(メチルチオ)−1H−テトラゾール
等が挙げられる。
【0083】
本発明の式(I)の化合物は、不斉炭素を有しているものもあり、従って、該化合物は、光学異性体を包含するものである。
【0084】
本発明の化合物は、強力な殺虫作用を示し、従って、殺虫剤として使用することができる。さらに、本発明の化合物は、栽培される植物に対して薬物の有害な副作用を一切課すことなく、有害な昆虫に対して強力な駆除効果を示す。従って、本発明の化合物は、幅広い有害生物種、例えば、有害な吸汁性昆虫、咀しゃく性昆虫並びに他の植物寄生害虫、貯蔵昆虫、衛生有害生物などを駆除するために使用することができ、これらの駆除撲滅の目的のために適用することができる。有害な有害動物は、例えば、以下のものである。
【0085】
昆虫に関しては、鞘翅目、例えば、キャロソブルカス・チネンシス(Callosobruchus chinensis)、シトフィラス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、トリボリウム・キャスタネウム(Tribolium castaneum)、エピラクナ・ビジンチオクトマキュラタ(Epilachna vigintioctomaculata)、アグリオテス・フシコリス(Agriotes fuscicollis)、アノマラ・ルフォキュプレア(Anomala rufocuprea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、ディアブロティカ属種(Diabrotica spp.)、モノチャムス・アルテルナタス(Monochamus alternatus)、リソロプトラス・オリゾフィラス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクタス・ブルネウス(Lyctus bruneus)、アウラコフォラ・フェモラリス(Aulacophora femoralis);鱗翅目、例えば、リマントリア・ディスパル(Lymantria dispar)、マラコソマ・ニュストリア(Malacosoma neustria)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)、スポドプテラ・リチュラ(Spodoptera litura)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、チロ・スプレッサリス(Chilo suppressalis、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、エフェスティア・カウテラ(Ephestia cautella)、アドキソフィエス・オラナ(Adoxophyes orana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、アグロティスフコサ(Agrotisfucosa)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プルテラ・マキュリペニス(Plutella maculipennis)、ヘリオシス・ビレセンス(Heliothis virescens)、フィロクニスティス・シトレラ(Phyllocnistis citrella);半翅目、例えば、ネフォテティックス・シンクチセプス(Nephotettix cincticeps)、ニラパルバタ・ルーゲンス(Nilaparvata lugens)、シュードコッカス・コムストッキ(Pseudococcus comstocki)、ウナプシス・ヤノネンシス(Unapsis yanonensis)、ミズス・ペルシカス(Myzus persicas)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴシッピイ(Aphis gossypii)、ロパロシファム・シュードブラッシカス(Rhopalosiphum pseudobrassicas)、ステファニティス・ナシ(Stephanitis nashi)、ネザラ属種(Nezara spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorm)、プシラ属種(Psylla spp.);総翅目、例えば、スリプス・パルミ(Thrips palmi)、フランクリネラ・オクシデンタル(Franklinella occidental);直翅目、例えば、ブラテラ・ゲルマニカ(Blatella germanica)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、グリロタルパ・アフリカーナ(Gryllotalpa Africana)、ロカスタ・マイグラトリア・マイグラトリオデス(Locusta migratoria migratoriodes);等翅目、例えば、レティキュリテルメス・スペラタス(Reticulitermes speratus)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);双翅目、例えば、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、アエデス・アエジプチ(Aedes aegypti)、ヒレミア・プラツラ(Hylemia platura)、キュレックス・ピピエンス(Culex pipiens)、アノフェレス・シネンシス(Anopheles sinensis)、キュレックス・トリタエニオリンカス(Culex tritaeniorhynchus)、リリオミザ・トリフォリイ(Liriomyza torifolii)。
【0086】
ダニ目に関しては、例えば、テトラニカス・シンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニカス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)、パノニカス・シトリ(Panonychus citri)、アキュロプス・ペレカッシイ(Aculops pelekassi)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)。
【0087】
線虫に関しては、例えば、メロイドジン・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、ブルサフェレンカス・リグニコラス・マミヤ・エ・キヨハラ(Bursaphelenchus lignicolus Mamiya et Kiyohara)、アフェレンコイデス・ベッセイ(Aphelenchoides besseyi)、ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)、プラチレンカス属種(Pratylenchus spp.)。
【0088】
さらに、本発明の化合物は、優れた植物耐用性及び温血動物に対する好ましい毒性を示し、並びに環境によって良好に耐容され、従って、植物及び植物部分を保護するのに適している。
【0089】
本発明の化合物の適用は、収穫量の増加、収穫された材料の品質の向上をもたらし得る。さらに、前記化合物は、保存された製品の保護及び資材の保護において、並びに衛生分野において、農業、園芸、獣医学の分野、森林、庭及び娯楽施設で遭遇する有害動物、特に昆虫、クモ形動物、蠕虫、線虫及び軟体動物を駆除するために適している。本発明の化合物は、好ましくは、植物保護剤として使用され得る。本発明の化合物は、正常に感受性の種及び耐性種に対して、並びに発育の全て又は幾つかの段階に対して活性を有する。上記有害生物には、とりわけ、以下ものが含まれる。
【0090】
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)からは、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ヘマトピナス属種(Haematopinus)、リノグナサス属種(Linognathus spp.)、ペディキュラス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
【0091】
クモ網(Arachnida)からは、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)。アキュロプス属種(Aculops spp.)、アカルス属種(Aculus spp.)、アムブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボーフィラス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルパス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・パラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニッサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニカス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、ユーテトラニカス属種(Eutetranyctus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクタス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニカス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニカス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイヴォラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・レイタス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリファス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニカス属種(Tetranychus spp.)、ヴァサテス・リコペルシキ(Vasates lycopersici)。
【0092】
ニマイガイ網(Bivalvia)からは、例えばドレイセナ属種(Dreissena spp.)。
【0093】
ムカデ目(Chilopoda)からは、例えばゲオフィラス属種(Geophilus spp.)、スクティゲラ属種(Scutigera spp.)。
【0094】
蛸翅目(Coleoptera)からは、例えば、アカントセリデス・オブテクタス(Acanthoscelides obtectus)、アドレタス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスティティアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アンスレナス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキディウス・オブテクタス(Bruchidius obtectus)、ブルチャス属種(Bruchus spp.)、ケウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンディクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ジーランディカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンカス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロティカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスティヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ギビウム・シロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラター(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュラス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスティカ(Hypera postica)、ハイポセネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサンギニア(Lachnosterna consanguinea)、レプティノタルサ・デケムリネアータ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトラス・オリゾフィラス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクサス属種(Lixus spp.)、リクタス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンサ・メロロンサ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノチャムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプトゥス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィラス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オティオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクェリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシィリオデス・クリソケファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ヴェントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルサ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィラス属種(Sitophilus spp.)、スフェノフォラス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チチウス属種(Tychius spp.)、キシロトレカス属種(Xylotrechus spp.)、ザブラス属種(Zabrus spp.)。
【0095】
トビムシ目(Collembola)からは、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
【0096】
ハサミムシ目(Dermaptera)からは、例えば、フォルフィキュラ・オーリキュラリア(Forficula auricularia)。
【0097】
ヤスデ目(Diplopoda)からは、例えば、ブラニルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)。
【0098】
ハエ目(Diptera)からは、例えば、イーデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリフォラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラティティス・キャピタータ(Ceratitis capitata)、クリソミア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミア属種(Cochliomyia spp.)、コルディロビア・アンスロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、キュレックス属種(Culex spp.)、キュテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィラス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミア属種(Hylemyia spp.)、ヒッポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルチリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストラス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオスキアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タニア属種(Tannia spp.)、ティプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)。
【0099】
腹足網(Gastropoda)からは、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)。
【0100】
蠕虫網(helminths)からは、例えば、アンキロストマ・ドゥオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンキロストマ・セイラニカム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンキロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マレイ(Brugia malayi)、ブルギア・ティモリ(Brugia timori)、ブノストマム属種(Bunostomum spp.)、カベルティア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp.)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボスリウム・レイタム(Diphyllobothrium latum)、ドラカンキュラス・メデイネンシス(Dracunculus medeinensis)、エキノコックス・グラニュロサス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・マルチオキュラリス(Echinococcus multiocularis)、エンテロビウス・ヴェルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファキオラ属種(Faciola spp.)、ヘモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒョストロングラス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa loa)、ネマトディルス属種(Nematodirus spp.)、エソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピスソルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボブバルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニウムス属種(Paragonimus spp.)、スキスオソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナータ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナティバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトーヴィ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソーニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・シュードプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリキュリス・トリキュリア(Trichuris trichuria)、バンクロフト糸条虫(Wuchereria bancrofti)。
【0101】
さらに、アイメリア(Eimeria)などの原虫を駆除することが可能である。
【0102】
カメムシ目(Heteroptera)からは、例えば、アナサ・トリスティス(Anasa tristis)、アンテスティオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリッサス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、キャンピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、キャベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメックス属種(Cimex spp.)、クレオンティアデス・ディルタス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ディケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ディコノコリス・ヘウエッティ(Diconocoris hewetti)、ディスデルカス属種(Dysdercus,spp.)、ユースキスツス属種(Euschistus spp.)、ユーリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルティス属種(Heliopeltis spp.)、ホルキアス・ノビレルス(Horchias nobiellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロサス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、ライガス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスキャバタス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエズマ・クアドラータ(Piesma quadrata)、ピエゾドラス属種(Piezodorus spp.)、サルス・セリアツス(Psallus seriatus)、シューダシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodonius spp.)、サールベルゲラ・シンギュラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノフォラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニティス・ナシ(Stephanitis nashi)、ティブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
【0103】
同翅目(Homoptera)からは、例えば、アキルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノスケナ属種(Agonoscena spp.)、アレウローデス属種(Aleurodes spp.)、アウレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロスリクス属種(Aleurothrixus spp.)アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルドゥイ(Anuraphis cardui)、アオニディエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスティグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリディア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピディエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピディオトゥス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルサム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウデゥス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリギポナ・マルギナータ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギーダ(Carneocephala fulgida)、ケラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、ケルコピダエ(Cercopidae)、ケロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラガエフォリ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランディコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカデュリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、ココミティルス・ハリ(Coccomytilus halli)、コクス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Chryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ディアロイローデス属種(Dialeurodes spp.)、ディアフォリーナ属種(Diaphorina spp.)、ディアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ディサフィス属種(Dysaphis spp.)、ディスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリスロニューラ属種(Erythroneura spp.)、ユーセリス・ビロバタス(Euscelis bilobatus)、ゲオコッカス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロディスカ・コアグラータ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンディニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イディオケルス属種(Idiocerus spp.)、イディオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルヴァ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ディロヅム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテティクス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバータ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオーザ属種(Paratorioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペンフィガス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)、フェナコッカス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フォロクセラ属種(Phylloxera spp.)、ピナスピス・アスピディストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコッカス属種(Planococcus spp.)、プロトパルビナリア・ピリフォルミス(Protopulvinaria pyriformis)、シュードオーラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、シュードコッカス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピディオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、ケサーダ・ギガス(Quesda gigas)、ラストロコッカス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシファム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセティア属種(Saissetia spp.)、スカホイデス・ティタヌス(Scaphoides titanus)、スキザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)、セレナスピヅス・アルティキュラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガータ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、スガトーデス属種(Sogatodes spp.)、スティクトセファラ・フェスティナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マレイエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアロイロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオーザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ユナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビティフォリ(Viteus vitifolii)。
【0104】
ハチ目(Hymenoptera)からは、例えば、ディプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロキャンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)及びベスパ属種(Vespa spp.)。
【0105】
等脚目(Isopoda)からは、例えば、アルマジリジウム・バルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスカス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0106】
シロアリ目(Isoptera)からは、例えば、レティキュリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)。
【0107】
チョウ目(Lepidoptera)からは、例えば、アクロニクタ・メジャー(Acronicta major)、アエディア・リューコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンティカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラスラ・ブラッシカエ(Barathra brassicae)、ブキュラトリクス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レティクラーナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマータ(Cheimatobia brumata)、チロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロケルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インシュラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエフニエラ(Ephestia kuehniella)、ユープロクティス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、ユークソア属種(Euxoa spp.)、フェルティア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオシス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・シュードスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リソコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファン・アンテナータ(Lithophane antennata)、ロクサグロティス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ニューストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、モキス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラータ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスティス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、シュードアレティア属種(Pseudaletia spp.)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、ティネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、ティネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダーナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
【0108】
バッタ目(Orthoptera)からは、例えば、アケタ・ドメスティカス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロカスタ属種(Locusta spp.)、メラノプラス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、スキストケルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
【0109】
ノミ目(Siphonaptera)からは、例えば、セラトフィラス属種(Ceratophyllus spp.)、ゼノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0110】
コムカデ目(Symphyla)からは、例えば、スクティゲレラ・イマキュラータ(Scutigerella immaculata)。
【0111】
アザミウマ目(Thynsanoptera)からは、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエッラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピフォロトリプス・クルエンタッツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、スキルトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.)。
【0112】
シミ目(Thysanura)からは、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0113】
植物寄生性線虫には、例えば、アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンカス属種(Bursaphelenchus spp.)、ディチレンカス・ディプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンカス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドラス属種(Longidorus spp.)、メロイドジン属種(Meloidogyne spp.)、プラティレンカス属種(Pratylenchus spp.)、ラドフォラス属種(Radopholus similis)、ロチレンカス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドラス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンカス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンキュラス属種(Tylenchulus spp.)、チレンキュラス・セミペネトランス(Thlenchulus semipenetrans)、キフィネマ属種(Xiphinema spp.)が含まれる。
【0114】
本発明に従って、あらゆる植物及び植物の部分を処理することができる。本発明において、植物とは、望ましい及び望ましくない野生の植物又は穀物植物(自然に発生する穀物植物を含む。)などの全ての植物及び植物集団を意味するものとして理解しなければならない。穀物植物は、慣用的な植物品種改良と最適化法によって又はバイオテクノロジー及び遺伝子工学法によって又はこれらの方法の組み合わせによって取得できる植物であり得、トランスジェニック植物が含まれ、植物育種家の権利によって保護され得る又は保護され得ない植物品種が包含される。植物の部分とは、芽、葉、花及び根など、地上及び地下にある植物のあらゆる部分及び器官を意味するものとして理解しなければならず、例としては、葉、針状葉(needle)、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎及び地下茎を挙げることもできる。植物の部分には、採取された物質、並びに無性及び生殖により増殖する物質、例えば、挿し木、塊茎、地下茎、側枝及び種子も含まれる。
【0115】
本発明による、活性化合物での植物及び植物の部分の処理は、直接実施されるか、又は、慣用的な処理法、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、微粒化、散乱、塗布、注入によって、増殖物質の場合、特に種子の場合には、1つ又はそれ以上のコーティングを与えることによって、それらの周囲、生息環境又は保存場所に化合物を作用させることにより実施される。
【0116】
本発明の化合物は浸透性作用を示し、これは、化合物が植物体を透過し、植物の地下部分から植物の空中部分へ移行し得ることを意味する。
【0117】
既に上記されているように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することが可能である。好ましい実施形態では、野生植物種及び植物変種、又は異種交配若しくはプロトプラスト融合など、伝統的な生物育種方法によって得られたもの並びにそれらの部分が処理される。さらに好ましい実施形態では、遺伝子工学法を、適宜慣用法と組み合わせることによって得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝的改変生物)並びにそれらの部分が処理される。「部分」、「植物の部分」及び「植物部分」という用語は、上で説明したとおりである。
【0118】
特に好ましくは、各事例において、市販されているか、又は使用されている植物品種の植物が、本発明に従って処理される。植物品種とは、従来的な品種改良、突然変異導入又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものとして理解される。これらは、植物品種、生物型又は遺伝子型であり得る。
【0119】
植物種又は植物品種、それらの場所及び増殖条件(土壌、天候、生育期間、栄養)に応じて、本発明による処理は、超加算的(「相乗」)効果をもたらすこともあり得る。従って、例えば、実際に予想された効果を超えて、付与速度の低下及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用可能な物質及び組成物の活性の増加、植物の成長の改善、高温又は低温に対する耐容性の増加、旱魃又は水分若しくは土壌に含まれる塩に対する耐容性の増加、開花能の向上、採取の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、採取された産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、採取された産物の保存安定性及び/又は加工性の向上が生じる可能性がある。
【0120】
本発明に従って処理される好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(遺伝子工学によって得られる。)には、遺伝子修飾を用いて、これらの植物に極めて有利で有用な形質を付与する遺伝物質が与えられた全ての植物が含まれる。このような特性の例は、植物の成長の改善、高温又は低温に対する耐容性の増加、旱魃又は水分若しくは土壌に含まれる塩に対する耐性の増加、開花能の向上、採取の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、採取された産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、採取された産物の保存安定性及び/又は加工性の向上である。このような形質の特に強調されるさらなる例は、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌及び/又はウイルスなどの有害動物及び有害微生物に対する植物の防御力の向上、並びにある種の除草活性を有する化合物に対する植物の耐容性の増加である。トランスジェニック植物の例としては、穀物(麦、米)、トウモロコシ、大豆、芋、サトウダイコン、トマト、豆及び他の植物変種、綿、タバコ、菜種などの重要な穀物植物及び果物植物(リンゴ、ナシ、かんきつ類の果物及びブドウなどの果物がなるもの)を挙げることができるが、特に、トウモロコシ、大豆、芋、綿、タバコ及び菜種が重要である。重視される形質は、特に、植物中で形成される毒素、特に、バチルス・チューリンゲンシス由来の遺伝物質によって(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組み合わせによって)植物中で形成される毒素による、昆虫、クモ形類動物、線虫、ナメクジおよびカタツムリに対する植物の防御力の増大である(以下、「Bt植物」と称する。)。同じく特に重視される形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン、エリシター及び耐性遺伝子並びに発現された対応するタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の防御力の増大である。さらに特に重視される形質は、除草活性を有するある種の活性化合物、例えば、イミダゾリノン、スルホニル尿素、グリホサート又はホスフィノトリシンに対する植物の耐容性の増大である(例えば、「PTA」遺伝子)。所望の対象形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物中で相互に組み合わせて存在させることも可能である。「Bt植物」の例としては、YIELD GARD(R)(例えばトウモロコシ、綿、大豆)、KnockOut(R)(例えばトウモロコシ)、StarLink(R)(例えばトウモロコシ)、Bollgard(R)(綿)、Nucotn(R)(綿)及びNewLeaf(R)(芋)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、綿の変種、大豆の変種及び芋の変種を挙げることができる。除草剤耐性のある植物の例としては、Roundup Ready(R)(グリホサートに対する耐性、例えばトウモロコシ、綿、大豆)、Liberty Link(R)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば菜種)、IMI(R)(イミダゾリノン類に対する耐性)及びSTS(R)(スルホニル尿素に対する耐性、例えばトウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、綿の変種及び大豆の変種を挙げることができる。除草剤に抵抗性のある植物(除草剤耐性を与えるために従来の方式で品種改良された植物)として挙げられるものには、Clearfield(R)(例えばトウモロコシ)の商品名で販売されている変種が含まれる。もちろん、これらの記述は、これらの遺伝的形質又は将来開発される遺伝的形質を有する植物品種についても当てはまり、このような植物品種が将来開発され及び/又は市場に出回ることになるであろう。
【0121】
列記されている植物は、適切な濃度の本発明の化合物で、特に有利に処理することが可能である。
【0122】
さらに、獣医学の分野において、本発明の新規化合物は、様々な有害な寄生性有害動物(体内及び体外寄生虫)、例えば、昆虫及び蠕虫に対して効果的に使用することができる。このような寄生性有毒動物の例には、以下に記載されている有害生物が含まれる。昆虫の例には、ガステロフィラス属種(Gasterophilus spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、ロドニウス属種(Rhodonius spp.)、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、シムクス・レクチュリウス(Cimx lecturius)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、ルシリア・キュプリナ(Lucilia cuprina)などが含まれる。ダニ目の例には、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ボーフィラス属種(Boophilus spp.)などが含まれる。
【0123】
獣医の分野では、すなわち、獣医学の分野では、本発明の活性化合物は、寄生動物、特に、体外寄生生物又は体内寄生生物に対して活性である。体内寄生生物という用語には、特に、条虫、線虫又は吸虫などの蠕虫及びコクシジウム類などの原虫などが含まれる。体外寄生生物は、典型的には及び好ましくは、節足動物、特に、ハエ(咬みバエ及び舐めバエ)、寄生性のハエの幼虫、シラミ、毛ジラミ、羽ジラミ、ノミなどの昆虫、又はカタダニ若しくは軟ダニ、若しくはヒゼンダニ、ツツガムシ、トリサシダニ(bird mite)などのダニ類(mites)などのダニ目である。
【0124】
これらの寄生生物には、以下のものが含まれる。
【0125】
シラミ目(Anoplurida)からは、例えば、ヘマトピナス属種(Haematopinus spp.)、リノグナサス属種(Linognathus spp.)、ペディキュラス属種(Pediculus spp.)、フチラス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.)。具体例は、リノグナサス・セトサス(Linognathus setosus)、リノグナサス・ビツリ(Linognathus vituli)、リノグナサス・オビラス(Linognathus ovillus)、リノグナサス・オビフォルミス(Linognathus oviformis)、リノグナサス・ペダリス(Linognathus pedalis)、リノグナサス・ステノプシス(Linognathus stenopsis)、ヘマトピナス・アシニ・マクロセファルス(Haematopinus asini macrocephalus)、ヘマトピナス・ユーリステルナス(Haematopinus eurysternus)、ヘマトピナス・スイス(Haematopinus suis)、ペディキュラス・フマヌス・キャピティス(Pediculus humanus capitis)、ペディキュラス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、フィロエラ・バスタトリックス(Phylloera vastatrix)、フスイルス・ピュービス(Phthirus pubis)、ソレノポテス・キャピラタス(Solenopotes capillatus)。
【0126】
ハジラミ目(Mallophagida)並びにマルツノハジラミ亜目(Amblycerina)及びホソツノハジラミ亜目(Ischnocerina)からは、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネッキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコラ属種(Felicola spp.)。具体例は、ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)、ボビコラ・オービス(Bovicola ovis)、ボビコラ・リンバータ(Bovicola limbata)、ダマリナ・ボビス(Damalina bovis)、トリコデクテス・カニス(Trichodectes canis)、フェリコラ・サブロストラタス(Felicola subrostratus)、ボビコラ・キャプラエ(Bovicola caprae)、レピケントロン・オービス(Lepikentron ovis)、ウェルネッキエラ・エクイ(Werneckiella equi)。
【0127】
双翅目(Diptera),及び並びにネマトセリナ亜目(Nematocerina)及びブラキセリナ亜目(Brachycerina)からは、例えば、イーデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、キュレックス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ユーシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルツゾミヤ属種(Lutzomyia spp.)、キュリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソップス属種(Chrysops spp.)、オダグミア属種(Odagmia spp.)、ウィルヘルミア(Wilhelmia spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitora spp.)、アチロータス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ヘマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ヘマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファニア属種(Fannia spp.)、グロッシナ属種(Glossina spp.)、カリホラ属種(Calliphora spp.)、ルチリア属種(Lucilia spp.)、クリソミア属種(Chrysomyia spp.)、ウォールファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコフォガ属種(Sarcophaga spp.)、エストラス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィラス属種(Gasterophilus spp.)、ヒッポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロファガス属種(Melophagus spp.)、リノエストラス属種(Rhinoestrus spp.)、チプラ属種(Tipula spp.)。具体例は、イーデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、イーデス・アルボピクタス(Aedes albopictus)、イーデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・マキュリペニス(Anopheles maculipennis)、カリフォラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、キュレックス・キンクエファシアタス(Culex quinquefasciatus)、キュレックス・ピピエンス(Culex pipiens)、キュレックス・タルサリス(Culex tarsalis)、ファンニア・キャニキュラリス(Fannia canicularis)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ルシリア・キュプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカータ(Lucilia sericata)、シムリウム・レプタンス(Simulium reptans)、フレボトムス・パパタシ(Phlebotomus papatasi)、フレボトムス・ロンギパルピス(Phlebotomus longipalpis)、オダグミア・オルナタ(Odagmia ornata)、ウィルヘルミア・エキュイナ(Wilhelmia equina)、ボーフソラ・エリスロセファラ(Boophthora erythrocephala)、タバヌス・ブロミウス(Tabanus bromius)、タバヌス・スポドプテルス(Tabanus spodopterus)、タバヌス・アトラタス(Tabanus atratus)、タバヌス・スデチカス(Tabanus sudeticus)、ヒボミトラ・シウレア(Hybomitra ciurea)、クリソプス・カエキュチエンス(Chrysops caecutiens)、クリソプス・レリクタス(Chrysops relictus)、ヘマトポタ・プルビアリス(Haematopota pluvialis)、ヘマトポタ・イタリカ(Haematopota italica)、ムスカ・オータムナリス(Musca autumnalis)、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、ヘマトビア・イリタンス・イリタンス(Haematobia irritans irritans)、ヘマトビア・イリタンス・エクシグア(Haematobia irritans exigua)、ヘマトビア・スティミュランス(Haematobia stimulans)、ヒドロタエア・イリタンス(Hydrotaea irritans)、ヒドロタエア・アルビパンクタ(Hydrotaea albipuncta)、クリソミア・クロロピガ(Chrysomya chloropyga)、クリソミア・ベジアナ(Chrysomya bezziana)、エストラス・オービス(Oestrus ovis)、ハイポデルマ・ボービス(Hypoderma bovis)、ハイポデルマ・リネアタム(Hypoderma lineatum)、プルズヘバルスキアナ・シレヌス(Przhevalskiana silenus)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、メロファガス・オビヌス(Melphagus ovinus)、リポプテナ・カプレオリ(Lipoptena capreoli)、リポプテナ・セルビ(Lipoptena cervi)、ヒポボスカ・バリエガタ(Hippobosca variegata)、ヒポボスカ・エクイナ(Hippobosca equina)、ガステロフィラス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、ガステロフィラス・ヘモロイダリス(Gasterophilus haemorroidalis)、ガステロフィラス・イネルミス(Gasterophilus inermis)、ガステロフィラス・ナサリス(Gasterophilus nasalis)、ガステロフィラス・ニグリコルニス(Gasterophilus nigricornis)ガステロフィラス・ペコラム(Gasterophilus pecorum)、ブラウラ・コエカ(Braulra coeca)、
ノミ目(Siphonapterida)からは、例えば、ピューレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、ツンガ属種(Tunga spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、セラトフィラス属種(Ceratophyllus spp.)、具体例は、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、ピュレックス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオプシス(Xenopsylla cheopsis)である。
【0128】
カメムシ目(Heteropterida)からは、例えば、シメックス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロードニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギラス属種(Panstrongylus spp.)。
【0129】
ゴキブリ目(Blattarida)からは、例えば、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)、スペラ種(Supella spp.)(例えば、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa))。
【0130】
アカリ亜網(Acari)(Acarina)並びにメタスチグマタ目(Metastigmata及びメソスチグマタ目(Mesostigmata)からは、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドラス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、リピセファラス属種(Rhipicephalus(ブーフィラス(Boophilus))(spp.)、デルマセントール属種(Dermacentor spp.)、ヘモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、デルマニサス属種(Dermanyssus spp.)、リピセファラス属種(Rhipicephalus spp.)(複数宿主ダニの元の属)、オルニソニサス(Ornithonyssus spp.)、ニューモニサス属種(Pneumonyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、ニューモニサス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストーマ属種(Sternostoma spp.)、バロア属種(Varroa spp.)、アカラピス属種(Acarapis spp.)。具体例は、アルガス・ペルシカス(Argas persicus)、アルガス・リフレクス(Argas reflexus)、オルニトドラス・モウバータ(Ornithodorus moubata)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、リピセファラス(ブーフィラス)・ミクロプラス(Rhipicephalus(Boophilus)microplus)、リピセファラス(ブーフィラス)・デコロラタス(Rhipicephalus(Boophilus)decoloratus)、リピセファラス(ブーフィラス)・アニュラタス(Rhipicephalus(Boophilus)annulatus)、リピセファラス(ブーフィラス)・カルセラタス(Rhipicephalus(Boophilus)calceratus)、ヒアロンマ・アナトリカム(Hyalomma annatolicum)、ヒアロンマ・アエジプチカム(Hyalomma aegypticum)、ヒアロンマ・マルギナタム(Hyalomma marginatum)、ヒアロンマ・トランシエンス(Hyalomma transiens)、リピセファラス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、イクソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ヘキサゴナス(Ixodes hexagonus)、イクソデス・キャニスガ(Ixodes canisuga)、イクソデス・ピロサス(Ixodes pilosus)、イクソデス・ルビキュンダス(Ixodes rubicundus)、イクソデス・スキャプラリス(Ixodes scapularis)、イクソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)、ヘマフィサリス・コンシナ(Haemaphysalis concinna)、ヘマフィサリス・パンクタータ(Haemaphysalis punctata)、ヘマフィサリス・シンアバリナ(Haemaphysalis cinnabarina)、ヘマフィサリス・オトフィラ(Haemaphysalis otophila)、ヘマフィサリス・レアチ(Haemaphysalis leachi)、ヘマフィサリス・ロンギコルニ(Haemaphysalis longicorni)、デルマセントール・マルギナタス(Dermacentor marginatus)、デルマセントール・レティキュラタス(Dermacentor reticulatus)、デルマセントール・ピクタス(Dermacentor pictus)、デルマセントール・アルビピクタス(Dermacentor albipictus)、デルマセントール・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、デルマセントール・バリアビリス(Dermacentor variabilis)、ヒアロンマ・マウリタニカム(Hyalomma mauritanicum)、リピセファラス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、リピセファラス・ブルサ(Rhipicephalus bursa)、リピセファラス・アッペンディキュラタス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファラス・キャペンシス(Rhipicephalus capensis)、リピセファラス・ツラニカス(Rhipicephalus turanicus)、リピセファラス・ザンベジエンシス(Rhipicephalus zambeziensis)、アンブリオマ・アメリカナム(Amblyomma americanum)、アンブリオマ・バリエガタム(Amblyomma variegatum)、アンブリオマ・マキュラタム(Amblyomma maculatum)、アンブリオマ・ヘブラエウム(Amblyomma hebraeum)、アンブリオマ・カジェネンス(Amblyomma cajennense)、デルマニサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、オルニソニッサス・ブルサ(Ornithonyssus bursa)、オルニソニッサス・シルビアラム(Ornithonyssus sylviarum)、バロア・ジャコブソニ(Varroa jacobsoni);
ケダニ目(Actinedida)(プロスチグマタ(Prostigmata))及びコナダニ目(Acaridida)(アスチグマタ(Astigmata))からは、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニソケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルゲーツ属種(Psorergates spp.)、デモデックス属種(Demodex spp.)、トロンビキュラ属種(Trombicula spp.)、リストロホラス属種(Listrophorus spp.)、アカラス属種(Acarus spp.)、チロファガス属種(Tyrophagus spp.)、カログリファス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリカス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。具体例は、ケイレチエラ・ヤスグリ(Cheyletiella yasguri)、ケイレチエラ・ブラケイ(Cheyletiella blakei)、デモデックス・カニス(Demodex canis)、デモデックス・ボービス(Demodex bovis)、デモデックス・オービス(Demodex ovis)、デモデックス・カプラエ(Demodex caprae)、デモデックス・エクイ(Demodex equi)、デモデックス・カバリ(Demodex caballi)、デモデックス・スイス(Demodex suis)、ネオトロムビキュラ・オータムナリス(Neotrombicula autumnalis)、ネオトロムビキュラ・デザレリ(Neotrombicula desaleri)、ネオシェーンガスティア・キセロテルモビア(Neoschongastia xerothermobia)、トロンビキュラ・アカムシ(Trombicula akamushi)、オトデクテス・シノティス(Otodectes cynotis)、ノトエドレス・カチ(Notoedres cati)、サルコプチス・カニス(Sarcoptis canis)、サルコプテス・ボビス(Sarcoptes bovis)、サルコプテス・オービス(Sarcoptes ovis)、サルコプテス・ルピカプラエ(Sarcoptes rupicaprae(=S.caprae)、サルコプテス・エクイ(Sarcoptes equi)、サルコプテス・スイス(Sarcoptes suis)、プソロプテス・オービス(Psoroptes ovis)、プソロプテス・キュニキュリ(Psoroptes cuniculi)、プソロプテス・エクイ(Psoroptes equi)、コリオプテス・ボビス(Chorioptes bovis)、プソエルガテス・オービス(Psoergates ovis)、ニューモニッソイディク・マンジェ(Pneumonyssoidic mange)、ニューモニッソイデス・カニナム(Pneumonyssoides caninum)、アカラピス・ウッディ(Acarapis woodi)。
【0131】
本発明の活性化合物は、動物を襲う節足動物、蠕虫及び原虫を駆除するのにも適している。動物には、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、養殖魚及びミツバチ等の農業用家畜が含まれる。さらに、動物には、例えば、イヌ、ネコ、愛玩鳥、観賞魚等などのペット(愛玩動物とも称される。)、並びにハムスター、モルモット、ラット及びマウス等の実験動物として知られる動物が含まれる。
【0132】
これらの節足動物、蠕虫及び/又は原虫を駆除することによって、死亡が低下し、並びに生産性(肉、ミルク、羊毛、皮、卵、蜂蜜等の場合)及び宿主動物の健康が改善することが予定され、このように、本発明の活性化合物の使用によって、さらに経済的且つ簡易に動物を飼育することが可能となる。
【0133】
例えば、(適用可能な場合)寄生生物による宿主からの血液の取り込みを抑制し、又は中断することが望ましい。また、寄生生物の駆除は、感染性因子の伝達を抑制するために役立ち得る。
【0134】
獣医分野に関して本明細書において使用される「駆除する」という用語は、それぞれの寄生生物に感染した動物中でのこのような寄生生物の発生を無害なレベルまで低下させる上で、活性化合物が有効であることを意味する。より具体的には、本明細書において使用される「駆除する」とは、それぞれの寄生生物を死滅させ、その成長を阻害し、又はその増殖を阻害する上で、活性化合物が有効であることを意味する。
【0135】
一般に、動物の治療のために使用される場合、本発明の化合物は直接適用することができる。好ましくは、本発明の化合物は、本分野で公知である、医薬として許容される賦形剤及び/又は補助剤を含有し得る医薬組成物として適用される。
【0136】
例えば、錠剤、カプセル、飲料、水薬、顆粒、ペースト、ボーラス、飼料を介した方法若しくは坐剤の形態での腸内投与により、又は、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)、インプラント、経鼻投与等の非経口投与により、例えば、浸漬又は液浸、噴霧、滴下(pouring on)及び点投与(spotting on)、洗浄及び粉末散布の形での皮膚使用によって、また、首輪、耳標、尾標、足輪、端綱、印付け用具等、活性化合物を含有する成形品の補助を得て、活性化合物は、獣医学部門で及び畜産で、公知の様式で適用(=投与)される。活性化合物は、シャンプーとして、又はエアロゾル中で使用可能な適切な製剤として、又は無圧スプレー、例えば、ポンプスプレイ及び噴霧器スプレーとして調合され得る。
【0137】
家畜、家禽、ペット等に対して使用される場合には、本発明の活性化合物は、活性化合物を1から80重量%の量で含む製剤(例えば、粉末、水和剤[「WP」]、エマルジョン、乳剤[「EC」]、流動性製剤(flowlable)、均一な溶液及び懸濁濃縮物[「SC」]として、直接若しくは希釈(例えば、100から10,000倍希釈)後に付与することが可能であり、あるいはそれらは薬浴として使用できる。
【0138】
獣医分野において使用される場合、本発明の活性化合物は、殺ダニ剤、殺虫剤、殺蠕虫剤又は殺原虫薬などの適切な相乗効果剤又は他の活性化合物と組み合わせて使用され得る。
【0139】
本発明において、これらの全てを含む有害生物に対して殺虫作用を有する物質は、殺虫剤と称される。
【0140】
本発明の活性化合物は、殺虫剤として使用される場合、慣用の製剤形態で調整することができる。製剤形態の例には、溶液、エマルジョン、水和剤、水分散性顆粒、懸濁液、粉末、泡、ペースト、錠剤、顆粒、エアロゾル、活性化合物が含浸された天然及び合成物質、マイクロカプセル、種子被覆剤、燃焼装置(例えば、燃焼装置としての燻蒸及び発煙カートリッジ、缶、コイルなど)とともに使用される製剤又はULV(コールドミスト、ウォームミスト)などが含まれる。
【0141】
これらの製剤は、それ自体公知である方法によって製造することができる。製剤は、例えば、活性化合物を、展開剤、すなわち、液体希釈剤若しくは担体、液化された気体希釈剤若しくは担体、又は固体希釈剤若しくは担体と混合し、及び、界面活性剤、すなわち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は発泡剤と場合によって混合することによって製造することができる。
【0142】
展開剤として水が使用される場合には、補助溶媒として、例えば、有機溶媒も使用することができる。
【0143】
液体希釈剤又は担体の例には、芳香族炭化水素(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン)、塩素化された芳香族又は塩素化された脂肪族炭化水素(例えば、クロロベンゼン、塩化エチレン又は塩化メチレン)、脂肪族炭化水素(例えば、シクロヘキサン)、パラフィン(例えば、鉱油留分)、アルコール(例えば、ブタノール又はグリコール及びそれらのエーテル、エステルなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、強い極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど)、水などが含まれる。
【0144】
液化された気体希釈剤又は担体は、例えば、ブタン、プロパン、窒素気体、二酸化炭素及びハロゲン化された炭化水素などのエアロゾル噴射剤などの、常温及び蒸発で気体であるものであり得る。
【0145】
固体希釈剤の例には、微粉化された天然ミネラル(カオリン、クレイ、タルク、胡粉、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト、珪藻土など)、微粉化された合成ミネラル(例えば、高度に分散されたケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩など)などが含まれる。
【0146】
顆粒用の固体担体の例には、微粉化され、及び篩にかけられた岩(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石など)、無機及び有機粉末の合成顆粒、有機素材の微粒子(例えば、おがくず、椰子の実、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎など)などが含まれる。
【0147】
乳化剤及び/又は発泡剤の例には、非イオン性及び陰イオン性乳化剤[例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル)、アルキルスルホナート、アルキルサルフェート、アリールスルホナートなど]、アルブミン加水分解物などが含まれる。
【0148】
分散剤の例には、リグニン−サルファイト廃液及びメチルセルロースが含まれる。
【0149】
固定剤も製剤(粉末、顆粒又はエマルジョン)中で使用することが可能であり、固定剤の例には、カルボキシメチルセルロース、天然及び合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなど)などが含まれる。
【0150】
着色剤を使用することも可能であり、着色剤の例には、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアン・ブルーなど)、有機染料(アリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料など)、さらに、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩などの微量元素が含まれる。
【0151】
前記製剤は、一般に0.1ないし95重量%、好ましくは0.5ないし90重量%の範囲の量で活性成分を含有することができる。
【0152】
本発明の化合物は、商業的に有用な製剤形態で、及び製剤から調整された適用形態で、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒性の餌、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺真菌剤、成長制御物質、除草剤などとの混合物としても存在することができる。
【0153】
商業的に有用な適用形態での本発明の化合物の含量は、幅広い範囲内を変動することができる。
【0154】
実際の用途における本発明の活性化合物の濃度は、例えば、0.0000001から100重量%、好ましくは0.00001から1重量%の範囲であり得る。
【0155】
本発明の化合物は、使用形態に適した慣用の方法を通じて使用することができる。
【0156】
本発明の化合物は、衛生有害生物及び保存される製品に付随する有害生物に対して使用されたときに、石灰材料上でのアルカリに対して有効な安定性を有し、木材及び土壌に対して優れた残留効果も示す。
【0157】
また、本発明の活性化合物は温血動物に対しても低毒性であって、安全に使用することができる。
【実施例】
【0158】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
【0159】
<合成例1>
5−[4−クロロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−フルオロベンゾニトリルの合成。
【0160】
【化34】

2−フルオロ−5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾニトリル(0.3g)を四塩化炭素(10mL)に溶解し、N−クロロこはく酸イミド(0.3g)を加え、40℃で3時間攪拌した。反応混合液をろ過し、ろ液を塩化メチレン(20mL)で希釈した。釈液したろ液を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して5−[4−クロロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−フルオロベンゾニトリル(0.26g)を収率80%で得た。
H−NMR(CDCl)δ: 4.58(1H,d),4.90(1H,d),5.51(1H,s),7.33−7.38(3H,m),8.20−8.35(2H,m).
【0161】
<合成例2>
5−[4−クロロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(化合物番号5−2)の合成。
【0162】
【化35】

2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−5−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾニトリル(0.25g)を四塩化炭素(10mL)に溶解し、N−クロロこはく酸イミド(0.3g)を加え、40℃で3時間攪拌した。反応混合液をろ過し、ろ液を塩化メチレン(20mL)で希釈した。釈液したろ液を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して5−[4−クロロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(0.25g)を収率86%で得た。
H−NMR(CDCl)δ:4.63(1H,d),4.96(1H,d),5.59(1H,s),7.41(2H,s),7.98(1H,d),8.23(1H,s),8.35(1H,d),8.45(1H,s),8.92(1H,s).
【0163】
<合成例3>
N‐(4‐{3‐[3,5‐ビス(トリルオロメチル)フェニル]‐4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモベンジル)シクロプロパンカルボキサミド(化合物番号6−3)の合成
【0164】
【化36】

【0165】
ステップ3−1:tert‐ブチル(4‐{3‐[3,5‐ビス(トリルオロメチル)フェニル]‐4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモベンジル)カルバメートの合成
【0166】
【化37】

tert‐ブチル(4‐{3‐[3,5‐ビス(トリルオロメチル)フェニル]‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモベンジル)カルバメート(470mg,0.74mmol)を四塩化炭素(100mL)に溶解し、N‐クロロスクシンイミド(99.1mg,0.74mmol)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をtert‐ブチルメチルエーテルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し目的物を得た(360mg)。
H−NMR(CDCl)δ:1.46(9H,s),4.44(2H,d),4.64(1H,d),5.09−4.98(2H,m),5.64(1H,s),7.51(1H,d),7.81(2H,s),7.88(1H,dd),7.96(1H,s),8.19(1H,d).
【0167】
ステップ3−2:1‐(4‐{3‐[3,5‐ビス(トリルオロメチル)フェニル]‐4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモフェニル)メタンアミンの合成
【0168】
【化38】

tert‐ブチル(4‐{3‐[3,5‐ビス(トリルオロメチル)フェニル]‐4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモベンジル)カルバメート(300mg,0.44mmol)を1,2‐ジクロロメタン(30mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(256mg,22.4mmol)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣をtert‐ブチルメチルエーテルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、減圧濃縮した(212mg)。なお、目的物は精製することなく次の反応に用いた。
【0169】
ステップ3−3:N‐(4‐{3‐[3,5‐ビス(トリルオロメチル)フェニル]‐4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモベンジル)シクロプロパンカルボキサミドの合成
【0170】
【化39】

1‐(4‐{3‐[3,5‐ビス(トリルオロメチル)フェニル]‐4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモフェニル)メタンアミン(100mg,0.17mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、ピリジン(139mg,1.76mmol)、シクロプロパンカルボニルクロリド(22mg,0.21mmol)を加え、終夜撹拌した。反応混合物をtert‐ブチルメチルエーテルで希釈した後、2N塩酸、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得た(100mg)。
H−NMR(CDCl) δ:0.75‐0.81(2H,m),0.98‐1.04(2H,m),1.37‐1.43(1H,m),4.57‐4.67(3H,m), 5.01(1H,d),5.64(1H,s),6.21(1H,br s),7.53(1H,d),7.81(2H,s),7.86(1H,dd),7.96(1H,s),8.20(1H,d).
【0171】
<合成例4>
4‐{3‐[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニル]‐4‐ブロモ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモ‐N‐(チエタン‐3‐イル)ベンゼンアミド(化合物番号7−7)の合成
【0172】
【化40】

【0173】
ステップ4−1:4‐{3‐[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニル]‐4‐ブロモ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモ安息香酸
【0174】
【化41】

4‐{3‐[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニル]‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモ安息香酸(100mg,0.18mmol)を四塩化炭素(5mL)に溶解し、N‐ブロモスクシンイミド(32.5mg,0.18mmol)を加え、終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をtert‐ブチルメチルエーテルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、目的物を得た(110mg)。なお、目的物は精製することなく次の反応に用いた。
H−NMR(CDCl) δ:4.62(1H,d),5.05(1H,d),5.69(1H,s),7.81(2H,s),8.00‐7.97(2H,m),8.08(1H,d),8.33(1H,d).
【0175】
ステップ4−2:4‐{3‐[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニル]‐4‐ブロモ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモ‐N‐(チエタン‐3‐イル)ベンゼンアミドの合成
【0176】
【化42】

チエタン‐3‐アミン臭酸塩(34mg,0.19mmol)をN,N‐ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、0℃にてトリエチルアミン(50mg,0.49mmol)を加え、室温にて30分撹拌した。この溶液に対し、1‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐3‐エチルカルボジイミド塩酸塩(45mg,0.19mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(27mg,0.19mmol)、4‐{3‐[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニル]‐4‐ブロモ‐3‐(トリフルオロメチル)‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロール‐5‐イル}‐2‐ブロモ安息香酸(110mg,0.19mmol)を0℃にて加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物をtert‐ブチルメチルエーテルで希釈した後、2N塩酸、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得た(30mg)。
H−NMR(CDCl) δ:3.52‐3.41(4H,m),4.59(1H,d),5.01(1H,d),5.35‐5.51(1H,m),5.68(1H,s),6.64(1H,d),7.63(1H,d),7.80(2H,s),7.92‐7.97(2H,m),8.23(1H,d).
【0177】
<合成例5>
メチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレートの合成
【0178】
【化43】

【0179】
ステップ5−1:(2E)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイックアシッドの合成
【0180】
【化44】

2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4,5−トリクロロフェニル)エタノン(20g,72mmol)、無水酢酸(100ml)及び、酢酸ナトリウム(11.8g,144mmol)の混合物を100℃で5時間加熱攪拌した。放冷後、反応混合物を氷水浴中で攪拌しながら、水(200ml)を約30分かけて加えた後、室温にて2時間攪拌した。生成物をt−ブチルメチルエーテルを用いて抽出、有機層を水洗したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下溜去した、残存した酢酸は、トルエンを加え溜去する事によって取り除き、粗生成物30gを得た。粗生成物をヘキサンを用いて再結晶し表記の化合物を得た。収量17.9g、収率85.5%。再結晶母液を減圧溜去し同様の操作を行って、2番晶として2.6gの表記化合物を得た。H−NMR(CDCl+DMSO−d6) δ:6.67(1H,s),7.35(2H,s)
【0181】
ステップ5−2:メチル (2E)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノエートの合成
【0182】
【化45】

(2E)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイックアシッド(5.0g,15.6mmol)及び4−トルエンスルホン酸1水和物(0.3g、1.56mmol)を100mlのメチルアルコールと共に、12時間、加熱還流した。反応終了後溶媒を減圧溜去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下溜去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン/酢酸エチル=95/5)にて精製し、表記化合物3.8gを得た。収率73%。
H−NMR(CDCl) δ:3.69(3H,s),6.66(1H,s),7.31(2H,s)
【0183】
ステップ5−3:メチル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレートの合成
【0184】
【化46】

(2E)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブタ−2−エノン(500mg,1.50mmol)、2−ブロモ−1−フルオロ−4−(イソシアノメチル)ベンゼン(331mg,1.50mmol)及び、酸化第一銅(21mg,0.15mmol)をトルエン(5ml)と共に10時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物を50mlの水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(30mlx3)。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して目的化合物を得た。(溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=98/2次いで95/5)、収量500mg、収率61%。H−NMR(CDCl) δ:3.21(d)&3.41(d)(1H),3.54(s)&3.88(s)(3H),4.08−4.16(m,1H),5.67−5.71(m,1H),7.05−7.87(m,6H)
【0185】
ステップ5−4:メチル 5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレートの合成
【0186】
【化47】

メチル 2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート(450mg、0.82mmol)、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ−7−エン(25mg,0.16mmol)をピリジン(10ml)と共に2時間加熱還流した。溶媒を減圧溜去下のち、残渣を酢酸エチルに溶解、水、次いで飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して目的化合物を得た。(溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=98/2次いで95/5)、収量310mg、収率69%。
H−NMR(CDCl) δ:3.50(3H,s),4.66−4.91(3H,m),7.17−8.22(5H,m)
【0187】
ステップ5−5:メチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレートの合成
【0188】
【化48】

メチル 5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート(250mg,0.475mmol)、シアン化亜鉛(112mg,0.95mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(110mg,0.095mmol)をDMF(15ml)と共にアルゴン気流下、100℃、2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出、有機層を水、次いで食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して目的化合物を得た。(溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=90/10)、収量85mg、収率36%。H−NMR(CDCl) δ:3.51(3H,s),4.67−4.93(3H,m),7.29−8.23(5H,m)
【0189】
<合成例6>
メチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレートの合成
【0190】
【化49】

【0191】
ステップ6−1:メチル 2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレートの合成
【0192】
【化50】

(2E)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブタ−2−エノン(700mg,2.10mmol)、2−フルオロ−5−イソシアノメチル−ベンゾニトリル(336mg、2.10mmol)及び、酸化第一銅(21mg,0.15mmol)をトルエン(10ml)と共に8時間、加熱還流した。反応終了後、反応混合物を50mlの水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(30mlx3)。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して目的化合物を得た。(溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=90/10)、収量410mg、収率40%。H−NMR(CDCl) δ:3.37(1H、d),3.61(3H,s),4.11−4.18(1H,m),5.73−5.78(1H,m),7.07−7.72(6H,m)
【0193】
ステップ6−2:メチル 5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレートの合成
【0194】
【化51】

メチル 2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート(100mg、0.20mmol)、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ−7−エン(6mg,0.04mmol)をピリジン(4ml)と共に1時間加熱還流した。溶媒を減圧溜去したのち、残渣を酢酸エチルに溶解、水、次いで飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して目的化合物を得た。(溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=85/15)、収量40mg、収率40%。
H−NMR(CDCl) δ:3.51(3H,s),4.67−4.93(3H,m),7.29−8.23(5H,m)
【0195】
<合成例7>
メチル 5−[3−シアノ−4−(1H−1,2,4−トリアゾロ−1−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート、及びメチル 2−[3−シアノ−4−(1H−1,2,4−トリアゾロ−1−イル)フェニル]−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(化合物番号5−6)の合成
【0196】
【化52】

メチル 2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−3−カルボキシレート(180mg,0.37mmol)、1H−1,2,4−トリアゾール(33mg,0.47mmol)、及び炭酸カリウム(76mg,0.55mmol)をDMF(10ml)と共に100℃で2時間反応させた。反応混合物をの水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。(溶媒 ヘキサン/酢酸エチル60/40から0/100まで酢酸エチルの比率を増していった)。メチル 5−[3−シアノ−4−(1H−1,2,4−トリアゾロ−1−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−4−カルボキシレート H−NMR(CDCl) δ:3.52(3H,s),4.72−4.99(3H,m),7.41−8.93(7H,m)、及びメチル 2−[3−シアノ−4−(1H−1,2,4−トリアゾロ−1−イル)フェニル]−4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−カルボキシレート H−NMR(CDCl) δ:3.46(3H,s),3.80(1H,dd),4.34(1H,dd),4.48(1H,s),7.25−8.89(8H,m)の混合物110mg、収率55%、を得た。
【0197】
ベンゾニトリル中間体の合成例
2−フルオロ−5−(イソチアノメチル)ベンゾニトリルの合成
【0198】
【化53】

N−(3−シアノ−4−フルオロベンジル)フォルムアミド(550mg,3.09mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.80g,13.9mmol)をジクロロメタン(20ml)と共に氷冷水浴中攪拌した中に、フォスフォラスオキシクロライド(710mg,4.63mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下した。滴下終了後0.5時間攪拌した後、室温で更に2時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタンを加えた後、水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、目的化合物を得た。(溶媒 ヘキサン/酢酸エチル80/20)、収量330mg、収率67%。
H−NMR(CDCl) δ:4.67(2H,s),7.25−7.65(3H,m)
【0199】
2−ブロモ−1−フルオロ−4−(イソシアノメチル)ベンゼンの合成
【0200】
【化54】

N−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)フォルムアミド(280mg,1.21mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(702mg,5.43mmol)をジクロロメタン(10ml)と共に氷冷水浴中攪拌した中に、フォスフォラスオキシクロライド(278mg,1.81mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を滴下した。滴下終了後0.5時間攪拌した後、室温で更に2時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタンを加えた後、水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、目的化合物を得た。(溶媒 ヘキサン/酢酸エチル95/5次いで90/10)、収量150mg、収率58%
H−NMR(CDCl) δ:4.61(2H,s),7.13−7.58(3H,m)
【0201】
上記合成例と同様の方法により、また前記に詳細に説明した方法に従って、得られる本発明の式(I)の化合物及び中間体を表aと表1から4の組み合わせで示す。また上記合成例で得られた各化合物と物性値を表5から7と表NMRに夫々示す。
【0202】
表中の略号等は次のとおり。
Me:メチル、Et:エチル、tert−Bu及びBu−t:ターシャリーブチル、cyclo−Pr:シクロ−プロピル
【0203】
【表1】

【0204】
【化55】

ここで、式中、次式:
【0205】
【化56】

で表される部分は表aのA1からA10のうちの一つを示す。
【0206】
【表2】












【0207】
【化57】

ここで、式中、次式:
【0208】
【化58】

で表される部分は表aのA1からA10のうちの一つを示す。
【0209】
【表3】










【0210】
【化59】

ここで、式中、次式:
【0211】
【化60】

で表される部分は表aのA1からA10のうちの一つを示す。
【0212】
【表4】






【0213】
【化61】

ここで、式中、次式:
【0214】
【化62】

で表される部分は表aのA1からA10のうちの一つを示す。
【0215】
【表5】




【0216】
【化63】

【0217】
【表6】

【0218】
【化64】

【0219】
【表7】

【0220】
【化65】

【0221】
【表8】

【0222】
【表9】

別の方法を言及しない限り、供試薬剤は以下のとおり調整した。
溶剤:ジメチルホルムアミド 3重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 1重量部
【0223】
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物1重量部を上記量の乳化剤を含有する上記量の溶剤と混合し、その混合物を水で所定濃度まで希釈した。
【0224】
生物試験例1:ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)幼虫に対する試験
サツマイモの葉を適切な濃度の試験溶液に浸漬し、薬液の風乾後、直径9cmのシャーレに入れ、ハスモンヨトウ3令幼虫を10頭放虫した。25℃の定温室に置き、2日及び4日後にサツマイモの葉を追加し、7日後に死虫数を調べ殺虫率を算出した。殺虫率100%はすべての幼虫が死亡したことを意味する。一方殺虫率0%は死亡した幼虫がいなかったことを意味する。本試験では1区2シャーレの結果を平均した。
【0225】
上記生物試験例1において、代表例として、前記化合物No.5−2、5−3、5−4、5−6、6−2、6−3、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5、7−6及び7−7の化合物が、活性化合物濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現した。
【0226】
生物試験例2:ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対する試験
直径6cmのポットに栽培した本葉2枚展開期のインゲンの葉に、ナミハダニの成虫を50〜100頭接種し、1日後に適切な濃度の試験溶液を、スプレーガンを用いて充分量散布した。散布後温室内に置いて7日後に殺ダニ率を算出した。殺ダニ率100%はすべてのダニが死亡したことを意味する。一方殺ダニ虫率0%は死亡したダニがいなかったことを意味する。
【0227】
上記生物試験例2において、代表例として、前記化合物No.5−2、5−3、5−6、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5、7−6及び7−7の化合物が、活性化合物濃度100ppmで殺ダニ率100%の防除効果を現した。
【0228】
生物試験例3:ウリハムシ(Aulacophora femoralis)に対する試験
キュウリ葉を適切な濃度の試験溶液に浸漬し、薬液の風乾後、滅菌消毒した黒土土壌を入れたプラスチックカップに入れ、ウリハムシ2令幼虫を5頭放虫した。25℃の定温室に置き、7日後に死虫数を調べ、殺虫率を算出した。殺虫率100%はすべての幼虫が死亡したことを意味する。一方殺虫率0%は死亡した幼虫がいなかったことを意味する。
【0229】
上記生物試験3において、代表例として、前記化合物No.5−2、5−3、5−6、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5、7−6及び7−7の化合物が、活性化合物濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現した。
【0230】
生物試験例4:ネコノミ(CTECFE)に対する試験
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを上記溶剤0.5mlに溶解し、その濃縮物をウシ血液で所定濃度まで希釈する。
【0231】
約20頭の未吸血ネコノミ(Ctenocepahlides felis)成虫をノミ容器内に準備する。パラフィルムで底を封した血液容器を、化合物溶液を供したウシ血液で満たし、これをノミ用容器の上に設置してノミが吸血できるようにする。血液容器を37℃に保温し、ノミの容器は室温とする。2日後、致死率を求める。100%は、すべてのネコノミが死んだことを意味して、0%はすべて生存していることを意味する。
【0232】
上記生物試験において、代表例として、前記合成例の化合物No.5−2、6−3、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5、7−6及び7−7の化合物が、適用濃度100ppmで100%の良好な活性を示した。
【0233】
生物試験例5:ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)に対する試験
種:ヒツジキンバエ1令幼虫(齢24時間)
溶媒:ジメチルスルホキシド
活性化合物10mgをジメチルスルホキシド0.5mlに溶解し、順次希釈して、所望の濃度を得る。
【0234】
1立方センチメートルの馬ひき肉と試験化合物の水性希釈液0.5mlの入っている試験管へ、約20頭のヒツジキンバエ1令幼虫を入れる。48時間後、幼虫致死率を記録する。100%は、すべての幼虫が死んだことを意味し、0%は48時間後に幼虫が正常に発育したことを意味する。
【0235】
上記生物試験において、代表例として、前記合成例の化合物No.5−2、6−2、6−3、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5及び7−6の化合物が、適用濃度100ppmで100%の良好な活性を示した。
【0236】
生物試験例6:イエバエ(Musca domestica)に対する試験
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを溶剤0.5mlに溶解し、その濃縮物を水で所定濃度まで希釈する。
【0237】
試験の準備段階として、一定の大きさのスポンジに砂糖と化合物溶液の混合物を染み込ませて、試験容器中に置く。10頭のイエバエ(Musca domestica)の成虫を容器へ入れて、通気用の穴をあけた蓋をする。2日後、致死率の割合を測定する。100%は、すべてのイエバエが死んだことを意味して、0%はすべて生存していることを意味する。
【0238】
上記生物試験において、代表例として、前記合成例の化合物No.6−3の化合物が、適用濃度100ppmで90%の良好な活性を示した。上記生物試験において、代表例として、前記合成例の化合物No.5−2、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5及び7−6の化合物が、適用濃度100ppmで100%の良好な活性を示した。
【0239】
生物試験例7:オウシマダニ(Boophilus microplus)に対する浸漬試験
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを溶剤0.5mlに溶解し、その濃縮物を水で所定濃度まで希釈する。
【0240】
8から10頭のオウシマダニ飽血雌成虫を穴の開いたプラスチック製ビーカーに入れ、化合物水溶液に1分間浸漬する。ダニをろ紙を敷いたプラスチック製シャーレに移し、孵化能力のある産下卵を調べる。7日後、致死率を求める。100%はすべてのダニが死亡したことを意味し、0%はすべて生存していたことを意味する。
【0241】
上記生物試験において、代表例として、前記合成例の化合物No.5−2、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5及び7−6の化合物が、100ppmの適用濃度で100%の良好な活性を示した。
【0242】
生物試験例8:オウシマダニ(Boophilus microplus)に対する注
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを溶剤0.5mlに溶解し、その濃縮物を溶媒で所定濃度まで希釈する。
【0243】
5頭のオウシマダニ (Boophilus microplus) 飽血雌成虫の腹部へ、1μLの化合物溶液を注射する。ダニをシャーレに移し、一定期間、飼育器の中で飼育する。孵化能力のある産下卵を調べる。7日後、致死率を求める。100%は、産卵した卵がすべて孵化しなかったことを意味し、0%はすべての卵が孵化したことを意味する。
【0244】
上記生物試験において、代表例として、前記合成例の化合物No.5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6、6−2、6−3、6−4、7−1、7−2、7−3、7−4、7−5及び7−6の化合物が、20μg/頭の適用濃度で100%の良好な活性を示した。
【0245】
生物試験例9:アンブリオマ・ヘブラエウム(Amblyomma hebraeum)に対する試験
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを溶剤0.5mlに溶解し、その濃縮物を溶媒で所定濃度まで希釈する。
【0246】
アンブリオマ・ヘブラエウム(Amblyomma hebraeum)の若虫を穴の開いたプラスチック製ビーカーに入れ、化合物水溶液に1分間浸漬する。ダニをろ紙を敷いたプラスチック製シャーレに移し、42日間飼育器の中で飼育する。42日後、致死率を求める。100%はすべてのダニが死亡したことを意味し、0%はすべて生存していたことを意味する。
【0247】
上記生物試験において、代表例として、前記合成例の化合物No.7−4及び7−5の化合物が、100ppmの適用濃度で100%の良好な活性を示した。
【0248】
製剤例1(粒剤)
本発明化合物(No.5−2)10部、ベントナイト(モンモリロナイト)30部、タルク(滑石)58部及びリグニンスルホン酸塩2部の混合物に、水25部を加え、良く捏化し、押し出し式造粒機により10〜40メッシュの粒状とし、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
【0249】
製剤例2(粒剤)
0.2〜2mmの範囲内の粒径分布を有する粘土鉱物粒95部を回転混合機に入れ、回転下、液体希釈剤とともに本発明化合物(No.5−2)5部を噴霧し均等にしめらせた後、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
【0250】
製剤例3(乳剤)
本発明化合物(No.5−2)30部、キシレン55部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル8部及びアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム7部を混合撹拌して乳剤とする。
【0251】
製剤例4(水和剤)
本発明化合物(No.5−2)15部、ホワイトカーボン(含水無晶形酸化ケイ素微粉末)と粉末クレーとの混合物(1:5)80部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部及びアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物3部を粉砕混合し、水和剤とする。
【0252】
製剤例5(水和顆粒)
本発明化合物(No.5−2)20部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩30部及びベントナイト15部、焼成ケイソウ土粉末35部を充分に混合し、水を加え、0.3mmのスクリーンで押し出し乾燥して、水和顆粒とする。
【産業上の利用可能性】
【0253】
本発明の新規な殺虫性ピロリン誘導体は前記の実施例に示したとおり、殺虫剤として優れた殺虫作用を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

式中、
次式
【化2】

で表される部分は次式:
【化3】

を示すか、
又は、Rがヒドロキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル又はシアノの場合、
次式
【化4】

で表される部分は次式:
【化5】

(式中、Rは水素を示す。)
若しくは
【化6】

(式中、Rは非存在である。)
又はそれら位置異性体の混合物を示し、
Tは、次式(T−1)、(T−2)、(T−3)、(T−4)又は(T−5)のいずれかを示し、
【化7】

Bは、N又はC−Xを示し、
、X、X、X及びXは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ、シアノ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−12アシルアミノ、C1−12アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12アルコキシ−イミノ、C1−12ハロアルコキシ−イミノ、C1−12アルキルスルホニルアミノ又は5フッ化硫黄を示し、
、Y、Y、Y及びYは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ、シアノ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、C1−12アルキルスルホニルオキシ、C1−12アルキルアミノスルホニル、C1−12ハロアルキルアミノスルホニル、ジ(C1−12アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1−12ハロアルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−12アルキルアミノ、ジ(C1−12アルキル)アミノ、C1−12アシルアミノ、C1−12アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−12アルキルスルホニルアミノ、C1−12ハロアルキルスルホニルアミノ、トリ(C1−12アルキル)シリル、C1−12アルコキシ−イミノ、C1−12ハロアルコキシ−イミノ、C1−12アルコキシ−イミノ−C1−12アルキル、C1−12ハロアルコキシ−イミノ−C1−12アルキル、C1−12アルキルスルフィニルイミノ、C1−12アルキルスルフィニルイミノ−C1−12アルキル、C1−12アルキルスルフィニルイミノ−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホキシイミノ、C1−12アルキルスルホキシイミノ−C1−12アルキル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−12アルキル−アミノカルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−チオカルボニル又はヒドロキシカルボニルを示し、
Gは、次式G1からG9のいずれかを示し、
【化8】

Zは、水素、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C1−12アルコキシ、シアノ、C1−12ハロアルコキシ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はチオールを示し、
kは、0、1、2、3又は4を示し、
Rは、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
及びRは非存在であるか、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、アジド、ヒドロキシ、メルカプト、ヒドロキシ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ、C1−12アルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキルチオ、C1−12アルキルスルフィニル又はC1−12アルキルスルホニルを示し、ただしR及びRは同時に非存在であることはなく、R及びRは同時に水素ではなく、
は、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、R−CH−、R−CO−、R−CS−、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C1−12アルキル−カルボニル又はC1−12アルキル−カルボニルアミノを示し、
は、水素、シアノ、カルボニル、チオカルボニル、R−CO−、R−CS−、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−チオカルボニル、C1−12ハロアルキル−カルボニル、C1−12ハロアルキル−チオカルボニル、C1−12アルキルアミノ−カルボニル、C1−12アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−12アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシアミノ−カルボニル、C1−12アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12アルコキシ−チオカルボニル、C1−12チオアルコキシ−カルボニル、C1−12チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、C3−8シクロアルキル−カルボニル、C2−12アルケニル−カルボニル、C2−12アルキニル−カルボニル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフェニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルフィニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル−C1−12アルキル−カルボニル、C1−12アルキル−カルボニル−C1−12アルキル−カルボニル、C3−8シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−12アルケニルアミノ−カルボニル又はC2−12アルキニアミノ−カルボニルを示し、
また、RとRは、それが結合する窒素原子と一緒になって3,4,5又は6員の、飽和又は不飽和の複素環を形成してもよく、該複素環はオキソ、チオキソ又はニトロで置換されてもよく、
は、水素、シアノ、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
は、水素、C1−12アルキル、C1−12アルキルカルボニル又はC1−12アルコキシカルボニルを示し、
は、水素又はC1−12アルキルを示し
は、フェニル、又は3、4、5若しくは6員の、飽和又は不飽和の複素環を示し、
、Z及びZは、それぞれ独立して−C(R)(R10)−、−C(=O)−、−C(=N−OR11)−、−N(R11)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−S(O)(=N−R11)−を示し、
及びR10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−12アルキル又はC1−12ハロアルキルを示し、
11は、水素、シアノ、ニトロ、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、C3−8シクロアルキル−C1−12アルキル、C1−12アルキル−カルボニル、C1−12ハロアルキル−カルボニル、C1−12アルコキシ−カルボニル、C1−12ハロアルコキシ−カルボニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、アリール部が1、2又は3のR12で置換されてよいアリール−C1−12アルキル、又は複素環部が1、2又は3のR12で置換されてよい複素環−C1−12アルキルを示し、
12は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、C1−12アルコキシ、C1−12ハロアルコキシ又はC1−12アルコキシ−カルボニルを示し、
mは、1又は2を示し、
上記で定義した基は更にハロゲン、C1−12アルキル、C1−12ハロアルキル、ニトロ、C1−12アルコキシ、シアノ、C1−12ハロアルコキシ、C1−12アルキルスルフェニル、C1−12アルキルスルフィニル、C1−12アルキルスルホニル、C1−12ハロアルキルスルフェニル、C1−12ハロアルキルスルフィニル、C1−12ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はメルカプトからなる任意の置換基で置換されてもよい、
で表されるピロリン誘導体。
【請求項2】
次式
【化9】

で表される部分が次式:
【化10】

を示すか、
又は、Rがヒドロキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル又はシアノの場合、
次式
【化11】

で表される部分は次式:
【化12】

(式中、Rは水素を示す。)
若しくは
【化13】

(式中、Rは非存在である。)
又はそれら位置異性体の混合物を示し、
Tが、次式(T−1)、(T−2)、(T−3)、(T−4)又は(T−5)のいずれかを示し、
【化14】

Bが、N又はC−Xを示し、
、X、X、X及びXが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、シアノ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−イミノ、C1−6ハロアルコキシ−イミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ又は5フッ化硫黄を示し、
、Y、Y、Y及びYが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、シアノ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6ハロアルキルアミノスルホニル、ジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1−6ハロアルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6ハロアルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6ハロアルキルスルホニルアミノ、トリ(C1−6アルキル)シリル、C1−6アルコキシ−イミノ、C1−6ハロアルコキシ−イミノ、C1−6アルコキシ−イミノ−C1−6アルキル、C1−6ハロアルコキシ−イミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルフィニルイミノ、C1−6アルキルスルフィニルイミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルフィニルイミノ−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルホキシイミノ、C1−6アルキルスルホキシイミノ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル、アミノカルボニル、C1−6アルキル−アミノカルボニル、アミノ−チオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニル又はヒドロキシカルボニルを示し、
Gが、次式G1からG9のいずれかを示し、
【化15】

Zが、水素、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C1−6アルコキシ、シアノ、C1−6ハロアルコキシ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はチオールを示し、
kが、0、1、2、3又は4を示し、
Rが、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
及びRが非存在であるか、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、アジド、ヒドロキシ、メルカプト、ヒドロキシ−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル又はC1−6アルキルスルホニルを示し、ただしR及びRは同時に非存在であることはなく、R及びRは同時に水素ではなく、
が、水素、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、R−CH−、R−CO−、R−CS−、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキル−カルボニル又はC1−6アルキル−カルボニルアミノを示し、
が、水素、シアノ、カルボニル、チオカルボニル、R−CO−、R−CS−、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキル−チオカルボニル、C1−6ハロアルキル−カルボニル、C1−6ハロアルキル−チオカルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−チオカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−カルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシアミノ−カルボニル、C1−6アルコキシアミノ−チオカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルコキシ−チオカルボニル、C1−6チオアルコキシ−カルボニル、C1−6チオアルコキシ−チオカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、C3−7シクロアルキル−カルボニル、C2−6アルケニル−カルボニル、C2−6アルキニル−カルボニル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルフェニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルフィニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル−C1−6アルキル−カルボニル、C3−7シクロアルキルアミノ−カルボニル、C2−6アルケニルアミノ−カルボニル又はC2−6アルキニアミノ−カルボニルを示し、
また、RとRが、それが結合する窒素原子と一緒になって3,4,5又は6員の、飽和又は不飽和の複素環を形成してもよく、該複素環はオキソ、チオキソ又はニトロで置換されてもよく、
が、水素、シアノ、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
が、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル又はC1−6アルコキシカルボニルを示し、
が、水素又はC1−6アルキルを示し
が、フェニル、又は3、4、5若しくは6員の、飽和又は不飽和の複素環を示し、
、Z及びZが、それぞれ独立して−C(R)(R10)−、−C(=O)−、−C(=N−OR11)−、−N(R11)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−S(O)(=N−R11)−を示し、
及びR10が、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルを示し、
11が、水素、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6ハロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6ハロアルコキシ−カルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、アリール部が1、2又は3のR12で置換されてよいアリール−C1−6アルキル、又は複素環部が1、2又は3のR12で置換されてよい複素環−C1−6アルキルを示し、
12が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ又はC1−6アルコキシ−カルボニルを示し、
mが、1又は2を示し、
上記で定義した基は更にハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ニトロ、C1−6アルコキシ、シアノ、C1−6ハロアルコキシ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルキルスルフェニル、C1−6ハロアルキルスルフィニル、C1−6ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ又はメルカプトからなる任意の置換基で置換されてもよい、
請求項1に記載のピロリン誘導体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物を有効成分として含有する殺虫剤。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の化合物を有効成分として含有する動物寄生虫防除剤。

【公開番号】特開2012−17289(P2012−17289A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155420(P2010−155420)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】