説明

母乳パッド包装体

【課題】授乳時に母乳パッドが型崩れすることなく、授乳後に再装着し易い使い捨ての母乳パッドを提供する。
【解決手段】母乳パッド本体10の中心線付近に、母乳パッド本体10の折り曲げの折り軸となる第一折り曲げ部15を中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設け、この折り曲げ部15が乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように装着することを内容とする表示を、その包装材や取扱説明書に付した母乳パッド包装体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、授乳時に母乳パッドが型崩れすることなく、授乳後に再装着し易い使い捨ての母乳パッドが包装された母乳パッド包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
母乳は、乳児が母親の乳首を吸うことにより生じる刺激で大量に出てくるものであるが、それ以外のときであっても漏出することがある。また、左右の乳房が連動しているので、一方の乳房で授乳していると他方の乳房からも母乳が漏出することがある。このようなことから、授乳期の母親は、漏出した母乳で衣服を濡らしてしまうことを防止するために、ブラジャー等の下着の内側に乳房を包み込むようにして母乳パッドを介装し、母乳を吸収させている。
【0003】
授乳期の母親は、授乳時に、ブラジャーの内側に母乳パッドを介装した状態でブラジャーを斜め下にずらし、乳房を出し入れするのが通常である。この際に、母乳パッドはブラジャーと乳房の下部外側の間に挟まれ、圧力がかかることで型崩れが生じ易い。型崩れした母乳パッドは、ずれ止めとして衣服側に設けられた粘着剤の作用により、型崩れしたまま接着され、元の状態に戻して再装着することが困難である。
【0004】
これに関し、特許文献1では、母乳パッド本体100の周縁部に伸縮素材を配置し、使用者の乳首当接位置を挟んで両側縁に凹溝110を設けた構造の母乳パッドが開示されている(図7参照)。この特許文献1に開示された母乳パッドによれば、熱処理を施さないため、軟らかい感触を保持したまま、乳房の形状に対応したドーム形状の母乳パッドを提供できるとされている。
【特許文献1】特開2000−178805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示された母乳パッドでは、乳首に当接する部位を挟んで両側縁に凹溝110が設けられており、この凹溝110が設けられた部位は、本来、授乳時に折れ曲がり易い位置とは異なる。このため、凹溝110を折り軸として母乳パッド本体100が余分に折れ曲がって型崩れし易く、再装着が容易ではない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、授乳時に母乳パッドが型崩れすることなく、授乳後に再装着し易い使い捨ての母乳パッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、授乳時の母親が授乳時にブラジャーを斜め下にずらして乳房を出し入れする際に、母乳パッドも斜めに折れ曲がる傾向にあることに着目して鋭意研究を重ねた。その結果、母乳パッド本体の中心線付近に、母乳パッド本体の折り曲げの折り軸である第一折り曲げ部を中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設け、この折り曲げ部が乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように装着することを内容とする表示をその包装材や取扱説明書に付すことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0008】
(1) 着用者の乳房を覆うことが可能な一対の母乳パッド本体を備えた母乳パッドが、包装材で包装された母乳パッド包装体であって、前記母乳パッド本体は、この母乳パッド本体の外形を形成する液不透過性のバックシートと、このバックシートの内側に配置され周縁部が前記バックシートの周縁部と接合された液透過性のトップシートと、前記バックシートと前記トップシートとの間に配置され母乳を吸収して保持する吸収体と、を有し、前記母乳パッド本体の中心線付近には、前記母乳パッド本体の折り曲げの折り軸である第一折り曲げ部が前記中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられ、前記包装材の外部から視認可能な部位に、前記第一折り曲げ部が着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように前記母乳パッド本体を装着することを内容とする表示が付された母乳パッド包装体。
【0009】
(1)の母乳パッド包装体は、母乳パッド本体の中心線付近に、母乳パッド本体の折り曲げの折り軸である第一折り曲げ部が、中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられた母乳パッドを内包するものである。また、この内包する母乳パッドを、第一折り曲げ部が着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように装着することを内容とする表示が包装材に付されたものである。このため、包装材に表示された装着方法に従って母乳パッド本体が装着されることにより、授乳時にブラジャーを斜め下にずらす際に、第一折り曲げ部を折り軸として乳房の形状に沿う形で母乳パッド本体が折れ曲がる。即ち、第一折り曲げ部に沿って母乳パッド本体が折り畳まれるので、母乳パッド本体が型崩れし難い。このため、ブラジャーとともに母乳パッド本体を元の状態に戻して再装着し易いうえ、吸収体がよれて漏れが生じることもない。
【0010】
(2) 着用者の乳房を覆うことが可能な一対の母乳パッド本体を備えた母乳パッドと、この母乳パッドの取扱方法が表示された取扱説明書と、が包装材で包装された母乳パッド包装体であって、前記母乳パッド本体は、この母乳パッド本体の外形を形成する液不透過性のバックシートと、このバックシートの内側に配置され周縁部が前記バックシートの周縁部と接合された液透過性のトップシートと、前記バックシートと前記トップシートとの間に配置され母乳を吸収して保持する吸収体と、を有し、前記母乳パッド本体の中心線付近には、前記母乳パッド本体の折り曲げの折り軸である第一折り曲げ部が前記中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられ、前記取扱説明書に、前記第一折り曲げ部が着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように前記母乳パッド本体を装着することを内容とする表示が付された母乳パッド包装体。
【0011】
(2)の母乳パッド包装体は、母乳パッド本体の中心線付近に、母乳パッド本体の折り曲げの折り軸である第一折り曲げ部が、中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられた母乳パッドを内包するものである。また、内包する母乳パッドを、第一折り曲げ部が着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように装着することを内容とする表示がなされた取扱説明書を併せて内包したものである。このため、取扱説明書に表示された装着方法に従って母乳パッドが装着されることにより、(1)の母乳パッド包装体と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、授乳時に母乳パッドが型崩れすることなく、授乳後に再装着し易い使い捨ての母乳パッドを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<第一実施形態>
[母乳パッド包装体の全体構成]
第一実施形態に係る母乳パッド包装体1Aの斜視図を図1に示す。母乳パッド包装体1Aは、一対の母乳パッド本体を備えた複数の母乳パッドが包装材2Aで包装されたものである。母乳パッド包装体1Aを構成する包装材2Aの外部から視認可能な部位には、内包された母乳パッドの装着方法に関する表示が付された表示部6Aを備える。表示部6Aの拡大図を図2に示す。
【0015】
[包装材]
包装材2Aとしては、従来公知の材料を用いて従来公知の製造方法により形成される。例えば、ポリエチレンフィルム等が好適に用いられる。なお、本実施形態の変形例として箱型の母乳パッド包装体が挙げられ、この場合には包装材としてダンボール等が用いられる。
【0016】
[母乳パッド]
本実施形態に係る母乳パッド包装体1Aに内包された右乳房用の母乳パッド本体10を外側(衣服側)から見たときの平面図を図3に示す(実施形態の説明では簡略化のため、右乳房用の母乳パッド本体10のみ説明する)。また、図3におけるX−X’視断面図を図4に、母乳パッド本体10の斜視図を図5に示す。これらの図に示す通り、母乳パッド本体10はドーム状の形状をなしている。なお、形状としてはドーム状の形状の他、略円錐形状の母乳パッド本体等も好適に用いられ、乳房にフィットさせることができるものであれば特に限定されない。
【0017】
〔母乳パッド本体〕
母乳パッド本体10は、母乳パッド本体10の外形を形成する液不透過性のバックシート11と、このバックシート11の内側に配置され周縁部がバックシート11の周縁部と接合された液透過性のトップシート13と、バックシート11とトップシート13との間に配置され母乳を吸収して保持する吸収体12と、を備える。母乳パッド本体10の中心線付近には、母乳パッド本体10の折り曲げの折り軸となる第一折り曲げ部15が、その中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられている。また、第一折り曲げ部15及びこの第一折り曲げ部15に直交する直線部分を除く部分には、母乳パッド本体10を衣服に止着するための止着手段16がバックシート11側に設けられている。
【0018】
〔トップシート〕
トップシート13は、ドーム状の母乳パッド本体10の内側に配置されて着用者の乳房に直接接するものであり、軟らかい感触の素材から形成される。また、母乳を吸収、透過して外側に配置された吸収体12に母乳を導くものであるため、液透過性の素材から形成される。具体的には、親水性の繊維不織布により形成される。あるいは、多数の開孔を有する疎水性の繊維不織布やフィルムにより形成することもできる。
【0019】
〔バックシート〕
バックシート11は、ドーム状の母乳パッド本体10の外側に配置されて母乳パッド本体10の外形を形成するものである。また、吸収体12に吸収、保持された母乳が滲み出して衣服を濡らすことがないように、液不透過性の素材から形成される。具体的には、シリカやアルミナ等の無機物の微粒子を含有し、透湿性を有する液不透過性の延伸プラスチックフィルムや、液不透過性フィルムと繊維不織布とのラミネート、透湿性を有する液不透過性フィルムと繊維不織布とのラミネート等により形成される。また、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布とをラミネートした複合不織布を用いることもできる。
【0020】
〔吸収体〕
吸収体12は、粒子状又は繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプとの混合物、あるいは、粒子状又は繊維状の高吸収性ポリマー、フラッフパルプ、及び、熱可塑性合成樹脂繊維の混合物により形成される。より詳しくは、これらの混合物が所定の厚みに圧縮成形されたものから形成される。吸収体12は、全体的に所定の厚みに圧縮成形されているため、上述のトップシート13やバックシート11に比して剛性値が高い。吸収体12は、型崩れやポリマーの脱落を防止するため、全体がティッシュに包被されているのが好ましい。
【0021】
吸収体12は、ティッシュを介してトップシート13やバックシート11の内面に、ホットメルト接着剤等で接合される。なお、ティッシュの代わりに、繊維密度の高いメルトブローン法による繊維不織布と、この繊維不織布の少なくとも片面に、高い強度と良好な柔軟性とを有するスパンボンド法による繊維不織布をラミネートした複合不織布であるスパンボンドとメルトブローンを多層に積層してシート化したSM不織布やSMS不織布を用いることもできる。この複合不織布の場合には、繊維自体が疎水性であるため、吸収体12への透液性を向上するために、親水化処理を施すことが好ましい。なお、高吸収性ポリマーとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系が用いられる。
【0022】
接着剤は、バックシート11、トップシート13、及び、吸収体12にスパイラル状や波状、ジグザグ状、ドット状、縞状のうちのいずれかの塗布パターンで塗布される。接着剤をこれらの塗布パターンで塗布すると、バックシート11とトップシート13とが断続的に固着され、吸収体12がこれらバックシート11及びトップシート13に断続的に接合される。接着剤としては、ホットメルト型接着剤等が用いられ、オレフィン系、スチレンゴム系接着剤のいずれかを用いることができる。
【0023】
繊維不織布には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンドの各製法により製造された不織布を用いることができる。親水性の繊維不織布は、親水化処理が施された合成繊維、半合成繊維、再生繊維のうちのいずれか、または、それら繊維を混合した複合繊維から得られる。疎水性の繊維不織布は、合成繊維から得られる。疎水性の繊維不織布には、撥水処理が施された半合成繊維や再生繊維が含まれる。合成繊維としては特に限定されず、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系を用いることができる。合成繊維には、芯鞘型複合繊維、並列型複合繊維、異型中空繊維、微多孔繊維、接合型複合繊維などを用いることもできる。
【0024】
〔第一折り曲げ部〕
第一折り曲げ部15は、母乳パッド本体10の中心線付近に、この中心線に沿って周縁部付近まで延びるように連続して設けられている。第一折り曲げ部15における吸収体12は、その周辺部における吸収体12に比して、厚みに差を設けたり、坪量に差を設ける等して、剛性値に差が設けられている。また、吸収体12が介在するバックシート11及びトップシート13に対して、エンボス加工等の加圧成形を施して第一折り曲げ部15を形成することにより、周辺部との剛性値に差を設けることもできる。
【0025】
あるいは、母乳パッド本体10の中心線付近に、この中心線に沿って周縁部付近まで延びる部分に吸収体12を設けず、トップシート13とバックシート11とをホットメルト接着剤で直接接合して第一折り曲げ部15を形成することにより、周辺部と剛性値の差を設けることもできる。例えば、吸収体12を左右に二分した吸収体片を、バックシート11及びトップシート13を左右に二分したバックシート片及びトップシート片との間にそれぞれ挟持させて得られた左右の母乳パッド本体片を、ホットメルト接着剤で接合することにより、母乳パッド本体10を形成すると同時に第一折り曲げ部15を形成することもできる。
【0026】
本実施形態に係る母乳パッド本体10の変形例として、第一折り曲げ部が連続的でなく、間欠的に設けられたものが挙げられる。具体的には、母乳パッド本体の折れ曲がり易さと吸収機能とのバランスを考慮して所定間隔おきに第一折り曲げ部が設けられる。この場合には、第一折り曲げ部によって吸収体が分断されることがないため、母乳を吸収体全体で吸収することができるため、吸収力に優れる。
【0027】
第一折り曲げ部が連続的でなく、間欠的であって且つ着用者の乳首と当接する部分以外に設けられたものでもよい。具体的には、第一折り曲げ部は、ドーム状の母乳パッド本体の中心線付近に、この中心線に沿って周縁部付近まで延びる部分のうち、乳首と当接する部分、即ち、中心付近を除く両側にそれぞれ連続して設けられたものである。両側それぞれが連続的でなく、間欠的に設けられていてもよい。さらには、一方の側のみに設けられたものでもよい。このような母乳パッドによれば、乳首と当接する部分に第一折り曲げ部が設けられていないため、装着時に着用者に違和感を与えることがない。
【0028】
また、母乳パッド本体の中心線付近に、第一折り曲げ部と略直交する第二折り曲げ部が、中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられたものであってもよい。この第二折り曲げ部は、上述したような第一折り曲げ部と同様の手段により形成され、同様の作用を示すものである。この場合には、母乳パッド本体が第一折り曲げ部を折り軸として折れ曲がり易いうえ、第二折り曲げ部を折り軸としても折れ曲がり易いため、より型崩れし難く、容易に再装着できる。
【0029】
さらには、バックシートに第一折り曲げ部を跨いで配置された曲げ反発手段を備えたものであってもよい。この曲げ反発手段としては、例えば、第一折り曲げ部を跨いで配置された弾性部材等が挙げられる。弾性部材としては、反発力を有するシート状のパネル材が用いられる。例えば、フォームを材料とするシートの他、スパンボンド、スルーエア、SMS不織布等も、坪量が30g/m以上であれば弾性力が高くなり、反発効果が期待できる。
【0030】
[止着手段]
本実施形態のように、母乳パッド本体には、母乳パッド本体と衣服とを止着するための止着手段16が備えられていることが好ましい。第一折り曲げ部15上に設けられた場合には、第一折り曲げ部15を折り軸として母乳パッド本体10が折れ曲がるのを阻害してしまうため、第一折り曲げ部15を避けて配置されるのが好ましい。止着手段16の具体例としては、スチレンゴム系接着剤を塗布したり、複数のフックを有する雄型メカニカルファスナを取り付ける手段が挙げられる。この場合には、母乳パッド本体10は止着手段16を介してブラジャーに追随するため、母乳パッド本体10が型崩れし難く、ブラジャーと一緒に元の状態に戻して容易に再装着することができる。
【0031】
[表示部]
表示部6Aは、包装材2Aの外部から視認可能な部位に印刷法等の従来公知の手法により備えられる。表示部6Aの具体的な表示内容は、母乳パッド本体10に設けられた第一折り曲げ部15が、着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように、母乳パッド本体10を装着することを内容とする母乳パッドの装着方法に関する表示であれば特に限定されない。例えば、図2に示すように、母乳パッド本体10を、第一折り曲げ部15が着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように正しく装着した状態を図や文字で表したものが挙げられる。あるいは、母乳パッド本体10の上下を表示し、正しい装着状態に誘導するもの等が挙げられる。
【0032】
なお、表示部6Aと同様の表示がなされた表示部(図示せず)が母乳パッド本体10の外部から視認可能な部位に直接設けられていてもよい。具体的には、バックシート11の外側に直接備える他、トップシート13の内側に直接備えてもよい。あるいは、吸収体12の表面に備えられ、トップシート13やバックシート11を透かして視認可能なものであってもよい。また、タグのようにトップシート13やバックシート11の側縁に備えてもよい。
【0033】
[取扱説明書]
また、本実施形態の変形例として、表示部6Aの代わりに、あるいは表示部6Aと併せて、表示部6Aと同様の表示がなされた取扱説明書が母乳パッド包装体1Aに内包されたものが挙げられる。
【0034】
[作用効果]
本実施形態に係る母乳パッド包装体1Aの作用効果について説明する。本実施形態に係る母乳パッド包装体1Aには、母乳パッド本体10に設けられた第一折り曲げ部15が、乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように、正しい装着状態に誘導するための表示部6Aが設けられているため(変形例では、母乳パッド包装体1Aに内包された取扱説明書に表示されているため)、着用者はその表示に従って母乳パッド本体10を容易に正しく装着できる。そして、授乳時において、ブラジャーとともに母乳パッド本体10を斜め下にずらす際に、母乳パッド本体10は、第一折り曲げ部15を折り軸として容易に折れ曲がる。このため、母乳パッド本体10がブラジャー内で不規則に折れ曲がることもなく、型崩れを生じ難い。また、授乳終了後、ブラジャーとともに母乳パッド本体10を再装着する際には、元の状態に戻り易いため、容易に再装着できる。
【0035】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る母乳パッド包装体1Bは、母乳パッド本体10が包装材2Bにより個別に包装された母乳パッド個別包装体である。より詳しくは、母乳パッド本体10が第一折り曲げ部15を折り軸として二つ折りされたものを個別に包装した個別包装体である。母乳パッド包装体1Bの平面図を図6に示す。図6に示すように、包装材2Bの外部から視認可能な部位には、内包された母乳パッドの装着方法に関する表示が付された表示部6Bを備える。表示部6Bは、第一実施形態における表示部6Aと同様の表示内容であり、その拡大図は図2に示す通りである。
【0036】
[包装材2B]
本実施形態に係る母乳パッド包装体1Bを構成する包装材2Bとしては、従来公知の材料が用いられ、母乳パッド包装体1Bは従来公知の製造方法により形成される。具体的には、ポリエチレンフィルム等が好適に用いられる。
【0037】
[作用効果]
本実施形態に係る母乳パッド包装体1Bの作用効果について説明する。本実施形態に係る母乳パッド包装体1Bには、母乳パッド本体10に設けられた第一折り曲げ部15が、乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように、正しい装着状態に誘導するための表示部6Bが設けられているため、着用者はその表示に従って母乳パッド本体10を正しく装着できる。このため、第一実施形態に係る母乳パッド包装体1Aと同様の作用効果を奏する。加えて、本実施形態では個別包装体に装着方法を表示した表示部6Bが備えられているため、特に母乳パッドを携帯する場合などにより効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第一実施形態に係る母乳パッド包装体の斜視図である。
【図2】第一実施形態に係る母乳パッド包装体に備えられた表示部の拡大図である。
【図3】母乳パッド本体を外側(衣服側)から見たときの平面図である。
【図4】図3のX−X’視断面図である。
【図5】母乳パッド本体の斜視図である。
【図6】第二実施形態に係る母乳パッド包装体の平面図である。
【図7】従来の母乳パッド本体を外側(衣服側)から見たときの平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1A、1B 母乳パッド包装体
2A、2B 包装材
6A、6B 表示部
10 母乳パッド本体
11 バックシート
12 吸収体
13 トップシート
15 第一折り曲げ部
16 止着部
100 従来の母乳パッド本体
110 凹溝
120 粘着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の乳房を覆うことが可能な一対の母乳パッド本体を備えた母乳パッドが、包装材で包装された母乳パッド包装体であって、
前記母乳パッド本体は、この母乳パッド本体の外形を形成する液不透過性のバックシートと、このバックシートの内側に配置され周縁部が前記バックシートの周縁部と接合された液透過性のトップシートと、前記バックシートと前記トップシートとの間に配置され母乳を吸収して保持する吸収体と、を有し、
前記母乳パッド本体の中心線付近には、前記母乳パッド本体の折り曲げの折り軸である第一折り曲げ部が前記中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられ、
前記包装材の外部から視認可能な部位に、前記第一折り曲げ部が着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように前記母乳パッド本体を装着することを内容とする表示が付された母乳パッド包装体。
【請求項2】
着用者の乳房を覆うことが可能な一対の母乳パッド本体を備えた母乳パッドと、この母乳パッドの取扱方法が表示された取扱説明書と、が包装材で包装された母乳パッド包装体であって、
前記母乳パッド本体は、この母乳パッド本体の外形を形成する液不透過性のバックシートと、このバックシートの内側に配置され周縁部が前記バックシートの周縁部と接合された液透過性のトップシートと、前記バックシートと前記トップシートとの間に配置され母乳を吸収して保持する吸収体と、を有し、
前記母乳パッド本体の中心線付近には、前記母乳パッド本体の折り曲げの折り軸である第一折り曲げ部が前記中心線に沿って周縁部付近まで延びるように設けられ、
前記取扱説明書に、前記第一折り曲げ部が着用者の乳房の上部外側から下部内側にかけて斜めに配置されるように前記母乳パッド本体を装着することを内容とする表示が付された母乳パッド包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−126161(P2007−126161A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318430(P2005−318430)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】