説明

母乳パッド用内装材

【課題】立体形状の成形容器を乳頭部分に装着して乳頭部分を保護し、これにより、乳頭部分の痛みを和らげるための母乳パッド用内装材を提供すること。
【解決手段】熱可塑性シート状物を成形して得られ、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状を呈することを特徴とする母乳パッド内装材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母乳パッド用内装材に関する。より詳しくは、本発明は、傷ついた乳首に体の動きによる痛みが生じる場合に、乳首を覆い、これを保護ために使用するキャップ状の成形容器の形態を呈する母乳パッド用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
産婦が母乳で子供を育てる人が多くなっている。授乳時に赤ちゃんが、かんだりして乳首が傷ついた場合に、市販の母乳パッドを使用することがあるが、炊事、掃除、洗濯などの日常生活における動作において、市販の母乳パッドでは、ブラジャーが動いたときに、未だ痛みが生じるという問題がある。
以下の特許文献1には、ブラジャー等の下着と乳房との間に介装する母乳パッドであって、該母乳パッドの外層に接着部を設けてブラジャーに取り付け、固定化するものが開示されている。
また、以下の特許文献2には、液体透過フィルムと液体不透過フィルムとの間に吸収体を配置させ、母乳パッドの周囲に粘着部を設けて、母乳パッドのズレを防止する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、二つ折りできる母乳パッドであって、その折りたたみ部に乳頭部分を挟装するものが開示されている。
しかしながら、これらの従来技術の母乳パッド及び使用方法は、母乳液の吸液性、及びソフトな風合い性は優れているものの、乳首の保護性については満足できるものではなく、日常生活による動作で体の動きにより乳首に痛みを感じるという問題が未だある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3781334号公報
【特許文献2】特開2006−77368号公報
【特許文献3】特開2009−30179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、前記した従来技術の母乳パッドによる問題を解決し、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状を有する成形容器を用いて、乳首部を覆い、これを保護することにより、乳首部分の痛みを和らげることができる母乳パッド用内装材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討し、実験を重ねた結果、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状、すなわち、キャップ形状の成形容器で、乳首部を覆い、これを保護することで、日常作業による、移動などよる乳首部分の痛みを和らげられることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]熱可塑性シート状物を成形して得られ、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状を呈することを特徴とする母乳パッド内装材。
【0007】
[2]前記成形部が、乳首部を覆って保護することができる形状である、前記[1]に記載の母乳パッド内装材。
【0008】
[3]前記熱可塑性シート状物が、熱可塑性樹脂フィルム、不織布、編物、織物、メッシュ状物、及びネット状物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる、前記[1]又は[2]に記載に母乳パッド内装材。
【0009】
[4]前記熱可塑性シート状物が、熱可塑性樹脂フィルム、及び該樹脂フィルムの片面又は両面に不織布から構成された積層シートからなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の母乳パッド内装材。
【0010】
[5]前記不織布が、極細繊維不織布、成形性不織布、及び極細繊維と成形性繊維の積層不織布からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[3]又は[4]に記載の母乳パッド内装材。
【0011】
[6]前記熱可塑性シート状物の内側が、極細繊維不織布で、中間が熱可塑性樹脂フィルムで、そして外側が成形性不織布で構成されている、前記[5]に記載の母乳パッド内装材。
【0012】
[7]前記熱可塑性樹脂フィルムが、厚み10〜100μのポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、及びポリアミドフィルムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[3]〜[6]のいずれかに記載の母乳パッド内装材。
【0013】
[8]前記極細繊維不織布の繊維径が、0.1〜10μmであり、かつ、目付けが、10〜100g/m2である、前記[5]〜[7]のいずれかに記載の母乳パッド内装材。
【0014】
[9]前記成形性不織布の繊維径が、10〜30μmであり、かつ、目付けが、10〜150g/m2かである、前記[5]〜[8]のいずれかに記載の母乳パッド内装材。
【0015】
[10]前記成形性不織布が、複屈折率0.01〜0.07のポリエステル長繊維不織布である、前記[5]〜[9]のいずれかに記載の母乳パッド内装材。
【0016】
[11]前記成形部が、上辺部直径6〜20mm、下辺開口部直径8〜25mm、そして深さ5〜20mmである円錐台形状を有し、前記周辺フランジ部の外径が25〜100mmである、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の母乳パッド内装材。
【0017】
[12]前記母乳パッド内装材の内側に潤滑剤が塗布されている、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の母乳パッド内装材。
【0018】
[13]前記潤滑剤が、動物性油、植物性油、ワセリン、グリセリン、及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[12]に記載の母乳パッド内装材。
【発明の効果】
【0019】
本発明の母乳パッド内装材は、母親が赤ちゃんに母乳を与える時に外し、授乳後に、乳首部を覆うように装着して、乳首部を固定化し、保護する目的で使用する母乳パッド内装材である。本発明の母乳パッド内装材の使用に際しては、装着時の肌との感触を優しくするために、馬油などの潤滑剤を該内装材の内壁面に塗布することが好ましい。本発明の母乳パッド内装材は、熱可塑性シート状物を成形して得られ、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状を呈しており、該成形部は柔らかく、該フランジ部で保形性を与えているため、母親が片手でも装着や取り外しが可能である。
このように、本発明の母乳パッド内装材は、装着性、及び取り外し性が良く、さらに乳首部を覆うように装着して乳首部を固定化するため、日常生活における動作において移動が少ないことなどから、ブラジャーの内部又は市販の母乳パッドの内部に装着して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】母乳パッド内装材の断面模式図(円錐台形状)
【図2】母乳パッド内装材の断面模式図(半球形状)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の母乳パッド内装材は、傷ついた乳首部分に、炊事、掃除、洗濯などの日常生活における動作により、乳首部分と母乳パッドやブラジャーなどの下着との間の接触に伴い痛みが発生する場合に、乳首部分を固定化し、下着の移動に追従しないように保護することができる。すなわち、乳首部分を、本発明に係るキャップ形状の成形容器で覆い、乳首部分を固定し、これを保護することで、日常生活における動作において、乳首部分の痛みの発生を有効に低下することができる。
【0022】
本発明の母乳パッド内装材の作用効果は、具体的には、以下の通りである:
(1)装着性が優れており、母乳パッド内装材は、乳首部分の形状に似ているため、片手で簡便に装着や取り外しができる。さらに柔軟な材料から構成されるため、該内装材を手で伸ばして乳首部分の形状など応じた変形が可能である。
(2)肌と接触する内側に極細繊維不織布を用いると、柔らかな感触となり好ましい。このとき、母乳パッド内装材の内側を、繊維径0.1〜10μmのメルトブロウン極細繊維とすれば、柔らかな感触を得ることができる。
(3)液漏れがないこと。
(4)母乳パッド内装材の内側に潤滑剤を塗布することにより、該内装材と肌との接触を緩和することができる。さらに、熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより、潤滑剤が外側に染み出ないため、衣服、ブラジャーなどの下着を汚すことがない。
【0023】
本発明に用いる熱可塑性シート状物は、肌に接触する内側は肌さわりがよいこと、内側に塗布した潤滑剤の液漏れがないこと、容器形状に成形加工できることが必要である。具体的には、本発明に用いる熱可塑性シート状物は、熱可塑性フィルム、不織布、編物、織物、メッシュ状物、及びネット状物から成る群から選ばれる少なくとも1種からなる。不織布としては、極細繊維不織布、成形性不織布の単独、又はこれらの積層繊維若しくは混合繊維の不織布が用いられる。
【0024】
熱可塑性シート状物は、容器形状に成形でき、柔軟な感触で、液漏れしないものであればよく、その構成、及び形状などは特に限定されない。素材構成としては、例えば、極細繊維不織布/合成樹脂フィルム、極細繊維不織布/合成樹脂フィルム/成形性不織布、極細繊維不織布と成形性不織布の積層不織布/合成樹脂フィルム、極細繊維と成形性繊維の混合繊維不織布/合成樹脂フィルムなどが好ましく用いられる。
【0025】
本発明に用いる極細繊維不織布は、該内装材の内側を構成し、肌との直接接触する側で、肌さわりが良く、柔らかな感触を得るために好ましい繊維である。
特に、構成繊維としては、好ましくは繊維径が0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜7μm、さらに好ましくは0.3〜5μmであり、目付けが10〜100g/m2、好ましくは15〜80g/m2である。繊維径が0.1μm以下では、肌さわり性が良好となるが、繊維強度、摩擦強度が低下する、一方、10μm超えると、繊維強度、摩擦強度が高くなるが肌さわり性が低下する。目付けが10g/m2以下では、繊維量が少なくなり、肌さわり性、保液性などが低下する。一方、100g/m2超えると、繊維量が多くなり、高い保液性となるが、毛羽強度、風合いが低下する。
【0026】
本発明に用いる極細繊維不織布の製法は、メルトブロー方法により得られる。構成繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、又はナイロン6繊維などの1種又は2種以上が用いられる。
極細繊維(細い繊維)と成形性繊維(太い繊維)との積層又は混合繊維にして用いることもできる。例えば、成形性繊維の上に極細繊維を積層又は混合繊維にさせて、熱圧着などで不織布にして用いられる。
【0027】
次いで、極細繊維不織布の摩擦強度、寸法変化、取り扱い性などを改善するために熱エンボス加工、熱処理加工などを行なうことが好ましい。熱エンボス加工の条件としては、エンボスロールと、平滑金属ロール、エンボスロールと、弾性ロールなどからなる一対の凹凸エンボス機において、エンボスロールの表面温度が、構成繊維の融点より20〜150℃低い温度、好ましくは30〜130℃低い温度であり、圧力が10〜1000kPa/cm、好ましくは20〜800kPa/cmである条件が挙げられる。
該熱処理加工は、ピンテンター、クリップテンターなどの熱処理機で、温度を構成繊維の融点より30〜150℃低い温度、好ましくは50〜130℃低い温度で、処理時間が5〜200秒、好ましくは10〜150秒で行うことができる。
【0028】
本発明に用いる成形性繊維不織布は、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状、すなわち、キャップ形状に成形し、成形加工できることが必要である。
従って、該成形性不織布は、予熱し、金型によるプレス成形加工、真空成形加工、圧空成形加工などで、構成繊維が、伸長又はズレて繊維間での接合が生じて、成形容器となる。
特に、構成繊維としては、繊維径が10〜30μm、好ましくは12〜25μmであり、目付けが10〜150g/m2、好ましくは15〜120g/m2である。繊維径が10μm以下、目付け10g/m2以下では、剛性が低下し、且つ容器形状の保持性が低下する。一方、30μmを超え、150g/m2を超えると剛性が高くなり、傷口との接触で痛みが大きくなる。
【0029】
本発明に用いる成形性不織布の製法は、スパンボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法などの方法で得られる。
構成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系繊維、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、更に、芯鞘構造、サイドバイサイドなどの2成分からなる複合繊維、例えば、芯が高融点で鞘が低融点の複合繊維で、具体的には、芯がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミドなどの高融点繊維、鞘が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレン、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどの低融点繊維などの、短繊維又は長繊維である1種又は2種以上の繊維が用いられる。
【0030】
加熱状態で、接着性を有する繊維、又は展伸性を有する繊維が好ましく用いられる。該接着性繊維としては、共重合ポリエステル繊維、鞘が低融点繊維で芯が高融点繊維の複合繊維などがあり、成形性繊維としては、加熱した時の伸長性が高い、複屈折率が0.07以下、好ましくは0.01〜0.06の低結晶性、低配向性のポリエステル繊維などが好ましく用いられる。
複屈折率が0.07を超えると、結晶性、配向性が高くなり、加熱時の伸長性が低下する。
【0031】
本発明に用いる合成樹脂フィルムは、熱成形性、液漏れ性を有していれば特に制限がないが、例えば、無延伸ポリプロピレン(CPP)、無延伸ナイロン(CN)、非晶質ポリエチレンテレフタレート(A―PET)、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーα―オレフィン共重合体、その他のポリオレフィン系樹脂の1種又は2種以上を組み合わせた複合フィルムなどが用いられる。更に、オレフィン系樹脂に炭酸カルシュウム、硫酸カルシュウム、硫酸バリュウムなどの無機充填剤を添加して、延伸加工などにより、生産される多孔質フィルムなども用いられる。
該フィルムの厚みは、10〜200μm、好ましくは15〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。特に、不織布との複合された加熱成形加工を行うことから、無延伸ポリプロピレン、無延伸ナイロンなどを用いることが好ましい。
【0032】
前記したように、本発明の熱可塑性シート状物は、熱可塑性フィルム、不織布、編物、織物、メッシュ状物、又はネット状物などの1種又は2種以上の複合シートであることができる。
本発明の母乳パッド内装材は、熱可塑性シート状物を成形して得られるキャップ形状の成形容器の形態を呈する。従って、熱可塑性シート状物を成形加工で得ることができることが必要である。成形加工できるためには、用いる熱可塑性シート状物は、加熱雰囲気下で、展伸加工し易いことが好ましい。例えば、成形加工温度に加熱時、つまり、加熱温度が50〜250℃、好ましくは60〜220℃で、より好ましくは70〜200℃での10%中間応力が100N/5cm(タテ方向+ヨコ方向)以下、好ましくは1〜80N/5cm、より好ましくは2〜60N/5cmであり、成形加工温度の加熱温度での破断伸度が50%以上、好ましくは60〜600%、より好ましくは70〜500%である。
【0033】
本発明に用いる熱可塑性シート状物は、キャップ形状の成形容器として用いられるため、得られる母乳パッド内装材は、形状保持性が良く、着用しても、剛性が高すぎないことが好ましい。
母乳パッド内装材の形状保持性に関しては、10%中間応力の常温時と50〜250℃加熱時の応力差が大きいことが、形状保持性が高いことを表わす。従って、常温時(20℃)の10%中間応力と50〜250℃加熱時の10%中間応力差(タテ方向+ヨコ方向)が50N/5cm以上、好ましくは、55〜250N/5cm、より好ましくは、60〜200N/5cmであることが好ましい。
【0034】
本発明の母乳パッド内装材は、熱可塑性シート状物を用い、一体成形の熱プレス加工などにより得るか、あるいは前記フィルム、不織布、編み物、織物を別々に成形容器に加工してから、接着するか又は重ねて用いる。あるいは、前記フィルムを真空成形などで成型加工してから、前記不織布、編み物、織物を内側又は両面に貼り合わせて得ることもでき、その製造方法は特に限定されない。
【0035】
本発明に用いられる熱可塑性シート状物は、前記フィルムと少なくとも片面又は両面に前記不織布、編み物、織物を用い、部分又は全面接着による接着剤方式、あるいは前記フィルムのTダイ押し出しフィルムの押し出しラミネート方式、両面押し出しフィルムのタンデムラミネート方式などにより、貼り合わせて好ましく用いられる。
【0036】
本発明の熱可塑性シート状物の構成としては、前記極細繊維不織布を肌との接触面に用いることが好ましい。前記成形性不織布及び熱可塑性フィルム、編み物、織物の構成は特に限定されないが、前期極細繊維不織布の外側に、前熱可塑性フィルム、不織布、編み物、織物を配置させることが好ましい。例えば、内側が極細繊維不織布、その外側が熱可塑性フィルム、内側が極細繊維不織布、その外側が成形性不織布/熱可塑性フィルム、内側が極細繊維不織布/熱可塑性フィルム/成形性不織布の順に外側などが用いられる。ここで内層に極細繊維不織布を用いると、肌との接触する内層が極細繊維不織布からなるため、柔らかな感触を得ることができる。さらに、繊維径が0.1〜10μmである極細繊維を用いることが好ましい。
【0037】
本発明の熱可塑性シート状物の熱可塑性樹脂フィルム、不織布、編み物、織物、メッシュ状物、ネット状物などの貼り合わせには、接着剤が好ましく用いられる。貼り合わせ加工に用いる接着剤としては、例えば、2液反応性ウレタン系樹脂、合成ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などがあり、特に、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などのホットメルト樹脂が好ましく用いられる。
接着方法としては、カーテンスプレー方式、パウダーラミネート方式、ドライラミネート方式などのラミネート機で貼り合わせさられる。特に限定されないが接着剤の塗布量は、0.5〜10g/m2、好ましくは、1〜7g/m2である。
【0038】
本発明の成形加工においては、前記熱可塑性シート状物を、予熱又は加熱された金型を用いて、プレス成形、真空成形、圧空成形加工によりキャップ形状の成形容器とする。
温度としては、60〜230℃、好ましくは70〜210℃の予熱装置で前記シート状物を予熱してから、凹凸金型で、成形加工を行う。あるいは、金型を60〜230℃、好ましくは、70〜210℃に加熱させて、前記シート状物を成形加工する。
【0039】
本発明の成形容器は、成形部と、成形部の周辺フランジ部とからなるキャップ形状を有し、乳首部を覆う形状であれば特に限定されない。具体的な形状としては、円錐台形状、半球形状、多角台形状などが好ましく用いられる。例えば、円錐台形状の場合は、上辺部直径が6〜20mm、下辺開口部直径が8〜25mm、深さが5〜20mmの容器形状と、周辺フランジ部の外径が25〜100mm、そして、半球形状の場合は、下辺開口部直径が10〜25mm、深さが5〜20mmの容器形状と、フランジ部の外形が25〜100mmが好ましい。更に、多角台形状の場合は、多角形に内接する円を考えて、上辺部直径が6〜20mm、下辺開口部直径が8〜25mm、深さが6〜20mmが好ましく用いられる。
【0040】
本発明の母乳パッド内装材は、乳首部を覆う、キャップ形状を呈する成形容器であり、且つ、前記不織布、編物、織物と前記フィルムの接着剤による貼り合わせ加工を一体成形加工した場合、加熱温度、各素材の伸展性、収縮性などの違いで、成形加工後、各素材が成形部で離れることがあるが、それにより、内層部分がより柔軟で、ソフトな風合いのハンモック状の容器になる。
【0041】
本発明の母乳パッド内装材は、キャップ形状の成形容器からなり、装着性、肌との感触性を良好にする目的で、潤滑剤などを内面に塗布することが好ましく行なわれる。潤滑剤としては、馬油、羊油などの動物性油、植物性油、グリセリン、ポリエチレングリコール、メチルセルロースなどの1種又は2種以上の物質と混合して、粘度、浸透性、取り扱い性を調整して用いられる。馬油、羊油などの動物性油が好ましい。前記内装材は、潤滑剤を0.1〜4g、好ましくは0.2〜3g内側に塗布して用いられる。
本発明の母乳パッド内装材は、潤滑剤とセットにして製品化されることができる。例えば、立体成形品の2〜400個、好ましくは、4〜200個、6〜100個の包装に対して、潤滑剤を入れた、チユーブ形状、リップ形状などの容器をセットにして梱包して用いられる。
【0042】
本発明の製品は、成形品を2セット、3セット、5セット、10セット、15セット、20セットなどを袋又はプラスチック容器に梱包し、油状物質のチューブ状、ステック状、容器状などと別々の包装又は同じセット包装などで製品化されることができる。尚、本発明の製品の形状が型崩れし難いように、プラスチック、または、不織布などの硬い容器形状の成形品で保護することが好ましくできる。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
測定方法は以下のとおりであった。
(1)目付(g/m2):JIS-L-1906に準処して測定
タテ20cm×ヨコ25cmの試験片を試料の幅1mあたり3箇所採取して質量を測定し、その平均値を単位面積あたりの質量に換算して求める。
(2)厚み(mm):JIS-L-1906に準処して測定
接圧荷重100g/cm2にて幅方向に10箇所測定し、その平均値を厚みとした。厚み計は、PEACOCK社製NO.207を用いた。
(3)平均繊維径(μm):繊維ウェブ、不織布などの試料の両端部10cmを除いて、布帛の幅20cm毎の区域からそれぞれ1cm角の試験片を切り取ってサンプルとした。各試験片についてマイクロスコープで繊維の直径を30点測定し、該測定値の平均値を算出して繊維径とした。
(4)複屈折率:偏向顕微鏡で5箇所測定し、平均値で示す。
オリンパス製偏向顕微鏡コンペンセーターを用いて、干渉縞法でより、レタデーションと繊維径より、繊維の複屈折率を測定した。
(5)引張強力(N/5cm):定長引張試験機を用い、試料幅5cm長さ30cmを切り取り、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/minで、測定雰囲気温度を、常温(20℃)、及び加熱成形加工温度の50〜250℃の加熱温度にして、10%中間応力、及び、破断伸度をタテ、ヨコ各々3カ所測定し、その平均値で示す。但し、10%中間応力は(タテ方向+ヨコ方向)で表わし、常温と50〜250℃の加熱時の10%中間応力の差、及び50〜250℃の加熱時の10%中間応力で示す。
【0044】
[実施例1]
ポリプロピレン(PP、融点165℃)をメルトブロー方式の装置において、噴射口金から紡糸温度290℃、加熱ガス温度320℃で、平均繊維径2μm、目付け60g/mの極細繊維ウェブを、コンベアネット上で、70℃の熱風雰囲気下での熱修理を行なって極細繊維不織布を得た。
合成樹脂フィルムとしては、無延伸ナイロンフィルム(三菱樹脂製、ダイアミロン-C、厚み100μm)と前記極細繊維不織布とを、ポリオレフィン系樹脂(日立化成ポリマー製、ハイボン9750A)のホットメルト接着剤をカーテンスプレー方式で5g/m塗布させて、加圧して接着加工し、本発明の熱可塑性シート状物を得た(75℃加熱時の10%中間応力:73N/5cm、(常温時−75℃加熱時)10%中間応力差:135N/5cm、75℃の破断伸度:タテ250%、ヨコ290%であった)。
次いで、得られた熱可塑性シート状物の極細繊維不織布が容器形状の内側になるようにプレス成形機を用い、上辺部直径が12mm、下辺部直径が18mm、深さが9mmの凸金型を用いて、金型温度を75℃、にして、熱プレス成形加工を行なった。
得られた本発明の母乳パッド内装材は、上辺部直径が11mm、下辺開口部直径が17mm、深さが7mmの円錐台形状の成形容器であり、内面が柔らかい風合いで、馬油1g塗布させて、乳首を覆うようにして、固定化させ、保護させるように装着した。その上からブラジャーをつけて、炊事、掃除、洗濯などの作業を行なったが乳首部分の痛みはかなり減少することができた。尚、ブラジャーを取り外して、ブラジャーの内面を見たが馬油の付着汚れがなかった。
【0045】
[実施例2]
ポリプロピレン(PP、融点165℃)をメルトブロー方式の装置において、噴射口金から紡糸温度290℃、加熱ガス温度320℃で、平均繊維径2μm、目付け25g/mの極細繊維ウェブを、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧250N/cm、上下温度を60℃/45℃で熱圧着して極細繊維不織布を得た。
次いで、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で紡糸速度2100m/min、平均繊径18μm、目付け50g/m2の、低配向・低結晶性の長繊維ウェブを捕集ネット上に積層し、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、圧着面積率が20%、線圧350N/cm、上下温度を60℃/70℃で熱圧着不織布を得た。次いで、フエルトカレンダーの表面温度120℃で熱処理加工を行ない、本発明に用いる成形性不織布を得た(構成繊維の複屈折率が0.03であった)。
次に、無延伸ナイロンフィルム(三菱樹脂製、ダイアミロン-C、厚み20μm)と、前記極細繊維不織布とを、ポリオレフィン系樹脂(日立化成ポリマー製、ハイボン9750A)のホットメルト接着剤をカーテンスプレー方式で2g/m塗布させて接着し、更に、前記成形性不織布に、同様に接着剤2g/m塗付させ、前記無延伸ナイロンフィルム面と貼り合わせて、本発明の3層からなる熱可塑性シート状物を得た(90℃加熱時の10%中間応力:30N/5cm、(常温時−90℃加熱時)10%中間応力差:150N/5cm、90℃の破断伸度:タテ350%、ヨコ400%であった)。
3層積層された熱可塑性シート状物の極細繊維不織布を容器形状の内側にするように配置して、下辺部直径が20mm、深さが10mmの半球形状の金型を用いて、表面温度90℃、プレス成形加工で容器形状の立体成形品を得た。得られた母乳パッド内装材は、下辺開口部直径が19mm、深さが9mmの半球形状の成形容器であり、内部が柔軟性の極細繊維層からなり、肌ざわりが良好であり、且つ、外側に成形性不織布からなり、形状保持性があり、潤滑油の馬油を2g塗布させ、片手での装着が容易にでき、更にブラジャーを着用したが、ブラジャーが汚れることなく、痛みも緩和された。
【0046】
[実施例3]
ポリエチレンテレフタレート(PET、融点260℃)を用いメルトブロー用噴射口金から、紡糸温度300℃、加熱エアは320℃で1000Nm/hrで、平均繊径3μm、目付け30g/m2の極細繊維ウェブを吐出して、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧250N/cm、上下温度を70℃/50℃で熱圧着して極細繊維不織布を得た。
次いで、合成樹脂フィルムとしては、無延伸ポリプロピレンフィルム(三菱樹脂製CPPフィルム20μ)と、前記極細繊維不織布とを、ポリオレフィン系樹脂(日立化成ポリマー製、ハイボン750A)のホットメルト接着剤をカーテンスプレー方式で2g/m塗布させて接着し、更に、実施例2の成形性不織布に、同様に接着剤2g/m塗付させ、前記無延伸ポリプロピレンフィルム面と貼り合わせて、本発明の3層からなる熱可塑性シート状物を得た(100℃加熱時の10%中間応力:40N/5cm、(常温時−100℃加熱時)10%中間応力差:150N/5cm、100℃の破断伸度:タテ370%、ヨコ400%であった)。
3層積層された熱可塑性シート状物の極細繊維不織布を容器形状の内側にするように配置して、直径20mmの半球形状の金型を用いて、表面温度100℃、熱プレス成形加工で本発明の母乳パッド内装材を得た。得られた母乳パッド内装材は、下辺開口部直径が19mm、深さが9mmの半球形状の成形容器であり、内部が柔軟性の極細繊維層からなり、肌ざわりが良好であり、且つ、外側が成形性不織布からなり、形状保持性があり、潤滑油の馬油を2g塗布させ、乳首部に装着し、更にブラジャーを着用したが、ブラジャーが汚れることなく、痛みも緩和された。
【0047】
[実施例4]
成形性不織布として、芯がポリエチレンテレフタレート(融点265℃)鞘がポリエチレン(融点125℃)の芯鞘型複合長繊維、スパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で、平均繊径18μm、目付け50g/m2の長繊維ウェブを捕集ネット上に積層し、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、圧着面積率が20%、線圧350N/cm、上下温度を120℃/100℃で成形性不織布を得た。
成形性不織布以外は実施例2と同様にして、本発明の3層からなる熱可塑性シート状物を得た(90℃加熱時の10%中間応力:45N/5cm、(常温時−90℃加熱時)10%中間応力差:110N/5cm、90℃の破断伸度:タテ170%、ヨコ210%であった)。
次いで、3層の熱可塑性シート状物を実施例2と同様に成形加工して本発明の母乳パッド内装材を得た。
得られた母乳パッド内装材は、下辺開口部直径19mm、深さが8mmの半球形状の成形容器であり、内部が柔軟性の極細繊維層からなり、肌ざわりが良好であり、且つ、外側に成形性不織布からなり、形状保持性があり、潤滑油の馬油を2g塗布させ、片手での装着が容易にでき、更にブラジャーを着用したが、ブラジャーが汚れることなく、痛みも緩和された。
【0048】
[実施例5]
成形性不織布として、低融点ポリエステル短繊維(繊維径16μm、繊維長51mm、融点135℃)40%ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊維径14μm、繊維長51mm、融点265℃)60%の混合綿で目付け100g/m2のサーマルボンド方式による成形性不織布を得た。
成形性不織布以外は実施例2と同様にして、本発明の3層からなる熱可塑性シート状物を得た(120℃加熱時の10%中間応力:25N/5cm、(常温時−120℃加熱時)10%中間応力差:90N/5cm、120℃の破断伸度:タテ170%、ヨコ210%であった)。
次いで、得られた熱可塑性シート状物の極細繊維不織布が容器形状の内側になるようにプレス成形機を用い、上辺部直径が12mm、下辺部直径が18mm、深さが9mmの凸金型を用いて、金型温度を120℃、にして、熱プレス成形加工を行なった。
得られた母乳パッド内装材は、上辺部直径が11mm、下辺開口部直径が17mm、深さが8mmの円錐台形状の成形容器であり、内部が柔軟性の極細繊維層からなり、肌ざわりが良好であり、且つ、外側に成形性不織布からなり、形状保持性があり、潤滑油の馬油を2g塗布させ、片手での装着が容易にでき、更にブラジャーを着用したが、ブラジャーが汚れることなく、痛みも緩和された。
【0049】
[実施例6]
ポリプロピレン(PP、融点165℃)をメルトブロー方式の装置において、噴射口金から紡糸温度290℃、加熱ガス温度320℃で、平均繊維径2μm、目付け60g/mの極細繊維ウェブを、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧250N/cm、上下温度を65℃/45℃で熱圧着して極細繊維不織布を得た。
次いで、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で紡糸速度1900m/min、平均繊径15μm、目付け50g/m2の、低配向・低結晶性の長繊維ウェブを捕集ネット上に積層し、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、圧着面積率が20%、線圧350N/cm、上下温度を60℃/65℃で熱圧着不織布を得た。次いで、フエルトカレンダーの表面温度110℃で熱処理加工を行ない、本発明に用いる成形性不織布を得た(構成繊維の複屈折率が0.02であった)。
次いで、前記極細繊維不織布と前記成形性不織布とを、ポリオレフィン系樹脂(日立化成ポリマー製、ハイボン9750A)のホットメルト接着剤をカーテンスプレー方式で10g/m塗布させて、接着加工し、本発明の熱可塑性シート状物を得た(90℃熱時の10%中間応力:16N/5cm、(常温時−90℃熱時)10%中間応力差:88N/5cm、90℃の破断伸度:タテ220%、ヨコ210%であった)。
次いで、得られた熱可塑性シート状物の極細繊維不織布が容器形状の内側になるようにプレス成形機を用い、上辺部直径が12mm、下辺部直径が18mm、深さが9mmの凸金型を用いて、金型温度を90℃、にして、熱プレス成形加工を行なった。
得られた本発明の母乳パッド内装材は、上辺部直径が11mm、下辺開口部直径が17mm、深さが7mmであり、内面が柔らかい風合いで、馬油1g塗布させて、乳首を覆うようにして、固定化させ、保護させるように装着した。その上からブラジャーをつけて、炊事、掃除、洗濯などの作業を行なったが乳首部分の痛みはかなり減少することができた。
【0050】
[比較例1]
ポリプロピレン(PP、融点165℃)をメルトブロー方式の装置において、噴射口金から紡糸温度290℃、加熱ガス温度320℃で、平均繊維径2μm、目付け60g/mの極細繊維ウェブを、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧250N/cm、上下温度を65℃/45℃で熱圧着して極細繊維不織布を得た。
次いで、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で紡糸速度5100m/min、平均繊径14μm、目付け50g/m2の長繊維ウェブを捕集ネット上に積層し、一対のエンボスロールと平滑金属ロール間で、圧着面積率が25%、線圧350N/cm、上下温度を235℃/240℃で熱圧着不織布を得た。
前記極細繊維不織布と、熱圧着不織布とを、ポリオレフィン系樹脂(日立化成ポリマー製、ハイボン9750A)のホットメルト接着剤をカーテンスプレー方式で10g/mで塗布して、接着加工し、熱可塑性シート状物を得た(130℃加熱時の10%中間応力:65N/5cm、(常温時−130℃加熱時)10%中間応力差:45N/5cm、130℃の破断伸度:タテ35%、ヨコ40%であった)。
次いで、得られた熱可塑性シート状物を極細繊維不織布が容器形状の内側になるようにプレス成形機を用い、上辺部直が径12mm、下辺部直径が18mm、深さが9mmの凸金型を用いて、金型温度を130℃、にして、熱プレス成形加工を行なったが破れが生じて、容器形状の成形ができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
赤ちゃんに母乳を与える母親の乳首が傷ついている時、本発明の母乳パッド内装材を着用して、乳首部を覆い、固定することにより、乳首部を有効に保護することができる。その結果、炊事、洗濯、掃除などの日常生活における動作中に乳首部の傷口を刺激することに因る乳首部の痛みを緩和することができる。
本発明の母乳パッド内装材は、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状を呈し、成形部は、内壁面が極細繊維からなり、肌さわりが良く、柔らかい感触を有し、馬油などの潤滑剤を保持できるものであり、そして周辺フランジ部は、容器形状の全体の保形性を与えている。従って、本発明の母乳パッド内装材は、乳首部に装着する装着性、取り外し性、且つ、乳首部の保護性に優れており、授乳の母親がブラジャーの内部又は市販の母乳パッドの内部に装着して使用することができる。
それから、本発明の母乳パッド内装材の意匠性を向上させるために、本発明に用いる熱可塑性シート状物に、染色、顔料着色、花柄模様、幾何学模様などの印刷加工などが行う事ができる。
【符号の説明】
【0052】
1 本発明の母乳パッド内装材
1a 成形部
1b 周辺フランジ部
2 成形性不織布
3 熱可塑性樹脂フィルム
4 極細繊維不織布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性シート状物を成形して得られ、成形部と周辺フランジ部を有する容器形状を呈することを特徴とする母乳パッド内装材。
【請求項2】
前記成形部が、乳首部を覆って保護することができる形状である、請求項1に記載の母乳パッド内装材。
【請求項3】
前記熱可塑性シート状物が、熱可塑性樹脂フィルム、不織布、編物、織物、メッシュ状物、及びネット状物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1又は2に記載に母乳パッド内装材。
【請求項4】
前記熱可塑性シート状物が、熱可塑性樹脂フィルム、及び該樹脂フィルムの片面又は両面に不織布から構成された積層シートからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の母乳パッド内装材。
【請求項5】
前記不織布が、極細繊維不織布、成形性不織布、及び極細繊維と成形性繊維の積層不織布からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3又は4に記載の母乳パッド内装材。
【請求項6】
前記熱可塑性シート状物の内側が、極細繊維不織布で、中間が熱可塑性樹脂フィルムで、そして外側が成形性不織布で構成されている、請求項5に記載の母乳パッド内装材。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂フィルムが、厚み10〜100μのポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、及びポリアミドフィルムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3〜6のいずれか1項に記載の母乳パッド内装材。
【請求項8】
前記極細繊維不織布の繊維径が、0.1〜10μmであり、かつ、目付けが、10〜100g/m2である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の母乳パッド内装材。
【請求項9】
前記成形性不織布の繊維径が、10〜30μmであり、かつ、目付けが、10〜150g/m2かである、請求項5〜8のいずれか1項に記載の母乳パッド内装材。
【請求項10】
前記成形性不織布が、複屈折率0.01〜0.07のポリエステル長繊維不織布である、請求項5〜9のいずれか1項に記載の母乳パッド内装材。
【請求項11】
前記成形部が、上辺部直径が6〜20mm、下辺開口部直径が8〜25mm、そして深さが5〜20mmである円錐台形状を有し、前記周辺フランジ部の外径が25〜100mmである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の母乳パッド内装材。
【請求項12】
前記母乳パッド内装材の内側に潤滑剤が塗布されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の母乳パッド内装材。
【請求項13】
前記潤滑剤が、動物性油、植物性油、ワセリン、グリセリン、及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項12に記載の母乳パッド内装材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−111697(P2011−111697A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270525(P2009−270525)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】