説明

母子間緩衝パット

【課題】幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、幼児との間に違和感が生ぜず、かつ、長時間断熱効果を維持し、かつ、湿気の上昇を防止できること。
【解決手段】フロント生地と、フロント生地に対向する反対側に位置するバック生地と、フロント生地とバック生地との間に織り込まれ、両者間の空気層の厚みを形成する連結糸からなる特定の厚みを有する織布本体10と、織布本体10の全外周をパイピング処理したパイピング17と、織布本体10の上部のパイピング処理したパイピング17に一端を縫い付け、その中央の下部のパイピング17に他端を縫い付けた所定長の紐状体21,22を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児を背負ったり、抱いたりしたとき、幼児とその母親との間に取り付け、互いの熱の伝わりを遮断し、かつ、両者間に発生するむれ等の湿気を防止できる母子間緩衝パットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本に古くからある荷物を負うときに背に当てて用いる長方形の枠の背負子は、藁をなって作られる縄が背中の位置にくるようになっており、負荷の加わる背中側の通気性を確保している。また、リュックサック、ランドセルに取り付けるような通気性の良い背中当ては、特許文献1、特許文献2、特許文献3で公知である。しかし、これを母子間緩衝パットに使用できる程度の技術思想の開示はない。
また、子供を負うときに使用するもの、抱くときに使用するものとしては、特許文献4が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−14657号公報
【特許文献2】特開平10−33260号公報
【特許文献3】特開平11−89635号公報
【特許文献4】特開2006−28718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献4のむれ防止パットによれば、母親の体と子供の体との間にむれ防止パットを介在させておんぶや抱っこをすると、スパイラルチューブによる突起のため、母親の体と子供の体の間の接触面積が減って隙間ができ、スパイラルチューブ間及びスパイラルチューブ内に空気の通り道ができ、空気がスムーズに流れる。また、スパイラルチューブの内側と外側との間も空気が流れやすくなる。
しかも、スパイラルチューブ間を繋ぎ、かつ、各スパイラルチューブを覆っている吸湿性の布地によって母親の体や子供の体から発汗した汗は速やかに吸収される。そのため、暑さやむれは著しく軽減され、汗疹の発生が防止できる。また、スパイラルチューブが露出しないで布地で覆われているため、スパイラルチューブのゴツゴツ感が防げ、違和感が解消される。また、特許文献4のむれ防止パットは、スパイラルチューブが布地と一体になっているが、そのスパイラルチューブが伸縮性、柔軟性に富むため、全体として布地が変形自在となり、子供をおんぶしながら家事等の種々の動作に柔軟に対応することができ、また、柔軟性があるので体にフィットしやすくなる。さらに、携帯等のためにコンパクトに折り畳んだり、まるめたりすることができる。
【0005】
しかし、特許文献4は、長尺の線材或いは板材がつる巻バネ状に巻回され、軸方向に隣接する螺旋部の間に間隔が設けられてなるスパイラルチューブが相互に平行に一定間隔で離間するようにし、それらが吸湿性の布地によって連結され、かつ、各スパイラルチューブの周囲がその布地で覆われて、柔軟性や吸湿性を持たせているので、幼児をおんぶしたり、抱っこしたりするときに母親と幼児とが密着し、母親と幼児の間の部分的な違和感は拭えなかった。また、柔軟性や吸湿性を持たせた布地で各スパイラルチューブの周囲が覆われているので、母親の体や子供の体から発汗した汗は、速やかに吸収され、暑さやむれは著しく軽減され、汗疹の発生が防止されるかの如く推定されるが、現実には、柔軟性や吸湿性を持たせた布地が汗を吸収すると通気性がなくなり、発汗対策、暑さ及びむれ対策、汗疹対策にはなっていなかった。
【0006】
そこで、幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、幼児との間に違和感が生ぜず、かつ、長時間断熱効果を維持し、かつ、湿気の上昇を防止できる母子間緩衝パットの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明にかかる母子間緩衝パットは、フロント生地とバック生地との間に織り込まれ、両者間の通気性のある空気層の厚みを形成する連結糸からなる特定の厚みを有する立体編物からなる織布本体と、前記織布本体の全外周をパイピング処理したパイピングからなる縁飾りと、前記織布本体の上部のパイピング処理した縁飾りに端部を縫い付け、その上下の中央のパイピング処理した縁飾りにも端部を縫い付けた所定長のベルト、肩紐、平ゴム等の紐状体を具備するものである。
ここで、フロント側に位置するフロント生地とは、通常所定の柔軟性に富む糸等を用いて格子状に結びつけて編み込まれたネット(メッシュ)の生地を使用し、前記フロント生地に対向する反対側に位置するバック側のバック生地も、同様に、所定のネットの生地を使用される。このフロント生地とバック生地は同じネットの大きさであっても、一方のみが異なっていてもよい。或いは、フロント生地及び/またはバック生地はネットに代えて、多少織目の粗い、即ち、通気性のある密度の高くない生地としてもよい。
また、上記フロント生地と前記バック生地との間に織り込まれ、両者間の空気層の厚みを形成する連結糸は、前記フロント生地と前記バック生地との間に空気層とする空間を形成する糸であり、譬え空間が変形しても、空間が回復する弾性を有する糸であればよい。勿論、通常状態で、連結糸が彎曲しており、外力によってその彎曲の曲率が変化するようにするのが望ましい。
そして、上記織布本体のこれら前記フロント生地と前記バック生地及び連結糸は、その糸の数及び糸種、色彩を特別限定するものではない。
更に、上記特定の厚みを有する織布本体の全外周をパイピング処理したパイピングからなる縁飾りは、織布本体の厚みが厚いから、その全外周をパイピング処理することにより、ほつれ等の発生を防止し、他の部材の離れ難い縫い付けを自在とするものである。
更にまた、上記所定長の紐状体は、織布本体の上部のパイピング処理した縁飾りに一端を、その中央の下部のパイピング処理した縁飾りに一端を縫い付けたもので、その間にバックル接続具を有するか、または有しない2本の紐またはベルト、1本の平ゴムまたは丸ゴム等とすることができる。
【0008】
請求項2の発明にかかる母子間緩衝パットの前記紐状体は、平ゴムまたはベルトとしたものである。この平ゴムは幅3〜10cm程度のものの使用が好適である。ベルトはバックル接続具等が自由端に接続されたものである。
【0009】
請求項3の発明にかかる母子間緩衝パットの前記織布本体は、一方の面の1/3〜3/3の面を例えば、他のソフト感があるまたは吸湿性のある生地で覆い、前記織布本体の全外周と共に前記他の生地を同時にパイピング処理したものである。
このように、前記織布本体の一方の面の1/3〜3/3の面を他の生地で覆うことにより、空気の対流を阻止し、母子間の断熱効果を上げることができる。
【0010】
請求項4の発明にかかる母子間緩衝パットの前記織布本体は、表裏が所定のネットで形成されているものである。
ここで表裏が所定のネットとは、約1〜100mm2範囲内で使用されるが、300mm2以上となっても、前記フロント生地と前記バック生地と連結糸等の弾性につては対応が可能であり、また、他の生地で覆う場合には、ネットが比較的大きくてもよい。
【0011】
請求項5の発明にかかる母子間緩衝パットの前記織布本体は、その上部中央が下方向に彎曲した部分を有しているものである。
この上部中央が下方向に彎曲した部分とは、中央が約5〜20cmの範囲内で彎曲しているのが望ましい。ここで、上部中央が下方向に彎曲した部分とは、極端な角を有しないV字状のカットも含まれる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、フロント側に位置するフロント生地と前記フロント生地に対向する反対側に位置するバック側のバック生地との間に織り込まれ、両者間の通気性のある空気層の厚みを形成する連結糸からなる特定の厚みを有する立体編物からなる織布本体と、前記特定の厚みを有する織布本体の全外周をパイピング処理してなるパイピングからなる縁飾りと、前記織布本体の上部のパイピング処理した縁飾りに所定長の紐状体の一端を縫い付け、その中央の下部のパイピング処理した縁飾りに所定長の紐状体の一端を縫い付けたものである。
したがって、織布本体が全体で通気性のある空気層を保ち、フロント生地とバック生地との間に織り込まれた連結糸によって空気層内で対流を生じさせないので、断熱効果が高く、かつ、容積が大きいことから、長時間断熱作用を維持できる。また、汗等の湿気の発生に対しても、その湿気を収容できる容積を有しているから、幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、ベトベト感が生じない。そればかりか、母親の動き及び幼児の動きは、織布本体の体積変化となって、織布本体の保持している高い温度の空気及び高い湿度の空気を排出し、外部から湿度の低い、気温の低い空気を導入するから、母親の体や子供の体から発汗した汗は、速やかに織布本体に吸収され、暑さやむれは著しく軽減され、汗疹の発生が防止され、発汗対策、暑さ及びむれ対策、汗疹対策になる。また、幼児を抱いている時、おんぶしている時に体形が変化しても、織布本体の追随変化によって違和感がない。また、母親の衣類に幼児の体温によって生じる皺が入るのを防止できる。
よって、幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、幼児との間に違和感が生ぜず、かつ、長時間断熱効果が維持され、かつ、湿気の上昇を防止できる。
【0013】
請求項2の発明の前記紐状体は、平ゴムとしたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、幼児を抱いたり、おんぶしたりする母親の体形に従って取り付け状態が追随維持でき、かつ、母子間緩衝パットの織布本体の状態変化によって、その体積変化が生じて、母親の動き及び幼児の動きは、織布本体の体積変化となって、織布本体の保持している高い温度の空気及び高い湿度の空気を排出し、外部から湿度の低い、気温の低い空気を導入し易くなる。また、ベルトとしたものも、請求項1に記載の効果に加えて、母子間緩衝パットの織布本体の状態変化によって、その体積変化が生じて、母親の動き及び幼児の動きは、織布本体の体積変化となって、織布本体の保持している高い温度の空気及び高い湿度の空気を排出し、外部から湿度の低い、気温の低い空気を導入し易くなる。そして、何れも取付けが容易である。
【0014】
請求項3の発明の前記織布本体は、一方の面の1/3〜3/3の面を他の生地、例えば、ソフトウエア感のある生地または吸湿性のある生地で覆い、前記織布本体の全外周と共に当該生地をパイピング処理したものであるから、請求項1または請求項2の効果に加えて、幼児または母親の肌触り感を任意に設定することができ、かつ、断熱性をよくすることができる。また、幼児が触れる面のソフト感を出すことができる。また、一方の面の1/3〜3/3の面を他の生地としても、他の部分が通気性を有しているから、性能を低下させることがない。特に、裏面が新鮮な空気の空気層となるので、吸湿性の生地であっても特性が長時間維持される。
【0015】
請求項4の発明の前記織布本体は、表裏が所定のネットで形成されているから、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の効果に加えて、幼児を抱いたり、おんぶしたりする親の体形、動作に従って空気の出入りを決定する流体抵抗を任意に設定できる。また、表裏のデザインを任意の形状とすることができる。
【0016】
請求項5の発明の前記織布本体は、その上部中央が下方向に彎曲した部分を有しているから、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の効果に加えて、母子間緩衝パットの前側の中央を下方に彎曲させているから、母子間緩衝パットを取り付けた親の胸元またはうなじ等の襟首から母子間緩衝パットの一部が露出しないから、親の着衣のデザインを拘束するものがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の実施の形態1及び2にかかる母子間緩衝パットを構成する織布本体の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1にかかる母子間緩衝パットを構成する織布本体のダブルラッシェル機による製造工程の原理図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1にかかる母子間緩衝パットを構成する織布本体のダブルラッシェル機による単列の筬により案内する連結糸の事例の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1にかかる母子間緩衝パットを構成する織布本体のダブルラッシェル機による複数列の筬により案内する連結糸の事例の説明図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1にかかる母子間緩衝パットを構成する織布本体のダブルラッシェル機による複数列の筬により案内する連結糸の事例の要部説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態1にかかる母子間緩衝パットの全体表面構成を示す平面図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態1にかかる母子間緩衝パットの全体裏面構成を示す裏面図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態1にかかる母子間緩衝パットの使用状態を示す斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態2にかかる母子間緩衝パットの全体表面構成を示す平面図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態3にかかる母子間緩衝パットの全体表面構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図10を用いて説明する。なお、図中、実施の形態において同一記号及び同一符号は、同一または相当する部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0019】
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態について、図1乃至図8を用いて説明する。
図1に示されるように、本実施の形態にかかる所定の厚みを有する織布製造機としてのダブルラッシェル機によって織った織布本体10は、片面が所定の開口の網目のフロント生地1で、反対側の面も所定の開口の網目のバック生地2である。織布本体10の端面に見える連結糸3は、フロント生地1とバック生地2との間隔を設定する。本実施の形態にかかる対向するフロント側に位置するフロント生地1またはバック側に位置するバック生地2は、必要に応じて任意に網目、網模様が決定できる。なお、ここで、フロント生地1、バック生地2とは、説明を平易にするものであり、前側がフロント生地1、後側がバック生地2に特定されるものではない。
【0020】
なお、本実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布本体10の製造には織布製造機としてのダブルラッシェル機を利用しているが、トリコット機でも実施可能である。また、既成の織機においても、その改良により実現できる。特に、本実施の形態の内容は、特許文献の特開2001−123361号公報、特開2003−013346号公報、特開2003−171858号公報、特開2005−2490号公報等で説明されているように、織布製造機の市販によって当業者にとって周知になっている。また、立体編物の商品も特許第3943011号、特許第4001890号等に基づき旭化成株式会社から「フュージョン(商標名)」、また、帝人興産から「エアクィーン(商標名)」等として販売されており公知である。
【0021】
念のためダブルラッシェル機による立体編物からなる織布本体10の織り方について簡単に説明する。
図2において、フロント生地1を織る前側ニードル列F、バック生地2を織る後側ニードル列B、それらフロント生地1のニードル列F及びバック生地2のニードル列Bに対し経糸(たて糸)の位置を整え、緯糸(よこ糸)を打ち込むのに用いる地筬(さお)P1〜P6が織機のフロント側より後部側に向かって順次配列(図はそれに従って番号を付与している)されている。地糸Y1及び地糸Y5は、フロント生地1の織り込み用で、地糸Y5は地筬P5に、地糸Y1は地筬P1に各々総詰めで配糸されている。地糸Y2及び地糸Y6はバック生地2の織り込み用であり、地糸Y2は地筬P2に、地糸Y6は地筬P6に各々総詰めで配糸されている。連結糸3(Y3,Y4)はフロント生地1及びバック生地2を連結してなり、連結糸Y3は地筬P3に、連結糸Y4は地筬P4に各々総詰めで配糸されている。
【0022】
次に、立体的織物の織布本体10の具体的な織り方に基づいて説明する。
まず、連結糸を単列の筬によって案内する図3の説明図において、地筬P3を前側ニードル列Fにのみをオーバラッピングさせることでフロント生地1の編目を織る編成コースK1と、地筬P5の前側ニードル列Fにのみのオーバラッピングさせることにより形成される地糸Y5による鎖編(図5におけるY5a)と、地筬P2の後側ニードル列Bにのみオーバラッピングすることにより形成される地糸Y2による鎖編(図5におけるY2a)の各々の編目Y5aまたは編目Y2aに止着され、フロント生地1及びバック生地2の形態で織られる編成コースK2の繰り返しによって、フロント生地1に形成される編目Y2aと、フロント生地1中に挿入して織り込まれる編成コースK2の部分によって網目等の柄が形成される。
【0023】
また、連結糸を複数列の筬より案内する説明図の図4において、地筬P3が前側ニードル列Fにのみオーバラッピングする編成コースK1のとき、地筬P4は前側ニードル列F及び後側ニードル列Bへのオーバラッピングはさせず、前述の事例と同様、フロント生地1及びバック生地2に挿入の形態で編成される。次の編成コースK2では、逆に編成コースK2のとき、地筬P3はフロント生地1及びバック生地2に挿入の形態で編成され、地筬P4は前側ニードル列Fにのみオーバラッピングする。これによってバック生地2には編成コースK1では地筬P3によって編成される連結糸Y3が編目Y3aとなり、編成コースK2では地筬P4によって編成される連結糸Y4が編目Y4aとなる。この結果、編成コースK1においては連結糸Y3からなる編目Y3a、また、編成コースK2においては連結糸Y4からなる編目Y4aによる立体成形物となる。勿論、連結糸Y3、連結糸Y4の色彩、糸種を変更することもできる。
【0024】
このように、本実施の形態にかかる母子間緩衝パット30を構成する立体編物からなる織布本体10は、フロント側に位置するフロント生地1と、フロント生地1に対向する反対側に位置するバック側のバック生地2と、フロント生地1とバック生地2との間に織り込まれ、両者間の通気性のある空気層の厚みを形成する連結糸3(Y3,Y4)からなる特定の厚みを有するものである。
また、その模様は、網目模様以外に、市松模様等を凹凸の表面で形成できるし、また、糸種の変更、糸の本数の変更、色の変更によっても、任意の模様を形成できる。
【0025】
ここでは、糸の太さとして、例えば、地糸Y1,Y5及び地糸Y2,Y6としては20〜500デニール、連結糸3(Y3,Y4)としては30デニール〜2000デニールである。地糸Y1,Y2,Y5,Y6としてスパンテックス弾性糸(ポリウレタン弾性糸)を芯にしてナイロン糸等をそれに巻き付けたカバーリング弾性糸であれば、60〜500デニールの使用が可能であり、非カバーリング弾性糸であれば、20デニール〜350デニールの使用が可能である。しかし、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではない。
なお、連結糸3(Y3,Y4)からなる特定の厚みは、使用しない状態で連結糸3(Y3,Y4)が彎曲状態で、外力が加わってときには、その彎曲度を大きくするように構成するとソフトな使用感が得られる。
【0026】
本実施の形態の立体編物からなる織布本体10は、図6及び図7に示すように、全体略長方形の角を面取りした形状に裁断されている。また、上下の長さは、平均的な幼児の胴体の長さよりも若干長く形成され、幅も平均的な幼児の胴体の幅よりも若干幅広に形成されている。特に、下の2か所の角11,12は単純にR(半径)2〜10cmで面取りしている。
上の2か所の角13,14は延びるように引き上げた延出部13a,14aの先端部分をR(半径)2〜5cmで面取りしている。
【0027】
また、織布本体10の上方の2か所の角13と角14の間は、その上部中央が下方向に彎曲した彎曲部15を有している。即ち、本実施の形態の母子間緩衝パット30を取り付けた母親の胸元またはうなじ等の襟首に、当該母子間緩衝パット30の一部が接触しないようにしている。特に、母親が使用した場合には、上部中央が下方向に彎曲した彎曲部15を有していても、バストの膨らみによって略水平状となる。ここでは、織布本体10の上方の上部中央が下方向に彎曲した彎曲部15は、弧状となっているが、略V字状または略U字状とすることができる。
【0028】
また、本実施の形態の織布本体10の幅方向の中央の上下方向において、上側4割には、肌触りのよい生地16を覆っており、織布本体10に縫い付けられている。当該肌触りのよい生地16は、幼児を抱いた時、顔の一部または顎付近が母子間緩衝パット30の面に接触することのないようにしている。
本実施の形態では、一方の面の上方の4割の面を他の肌触りのよい生地16で覆ったものであるが、本発明を実施する場合には、一方の面の全面を他の肌触りのよい生地16またはソフト感のある生地で覆うことができる。また、母子間緩衝パット30の取り付け位置によっては、一方の面の1/3〜3/3の面を他の任意の生地で覆うこともできる。この生地は、特別に肌触りのよい生地16に限られるものではない。幼児側または母親側の肌触り感を任意に設定でき、かつ、断熱性をよくすることができる。殊に、一方の面の1/3〜3/3の面を他の生地として吸湿性の生地としても、織布本体10の他の部分が通気性を有しているから、性能を低下させることがない。特に、吸湿性の生地の裏面が新鮮な空気の空気層となるので特性が長時間維持される。なお、肌触りのよい生地16を一方の面の全面より少なくするときには、パイピング17以外の場所の織布本体10に縫い付けられる。
【0029】
本実施の形態の織布本体10は、その全外周と共に、肌触りのよい生地16を同時にパイピング処理によって、縫い付けたものである。このパイピング17は、織布本体10の全周をパイピング処理によって、縫い付けて、そのほつれを防止すると共に、フロント生地1及びバック生地2及び連結糸3(Y3,Y4)との一体感を得て、機械的強度を上げている。特に、織布本体10に対して肌触りのよい生地16を同時にパイピング処理することによって、肌触りのよい生地16との間も一体感を持たせている。
なお、肌触りのよい生地16の織布本体10の外周に位置しない個所は、肌触りのよい生地16自体を折り曲げて重ね合わせ、それを織布本体10に2重に縫い付けている。
【0030】
また、織布本体10の上の延出部13aと延出部14aの先端部分の2か所の面取りした角13,14には、紐状体21,22として幅3〜10cm程度の平ゴムの端部を縫い付けている。平ゴムの端部の縫い付けは、織布本体10に対してパイピング処理したパイピング17に直接縫い付けている。即ち、肌触りのよい生地16は織布本体10にパイピング処理によって縁飾りとしてのパイピング17を縫い付けている。同時に、紐状体21,22としての平ゴムの端部を縫い付けることができるが、平ゴムの端部を折り曲げて2重にした状態で、縁飾りとしてのパイピング17の上に重ねて縫い合わせた方が、機械的に強く接合された。
勿論、パイピング17の下(肌触りのよい生地16、織布本体10)側に紐状体21,22としての平ゴムの端部を入れておき、縫い合わせをした後に、露出している紐状体21、22の端部を並行して縫い合わせてもよい。織布本体10に対して上部約1/2に肌触りのよい生地16を被せた場合にも、図6の実施の形態では、肌触りのよい生地16の下端にパイピング18を配置し、それを織布本体10に縫付けたものである。
【0031】
また、紐状体21,22としての平ゴムの他端部は、織布本体10の上下の略中央のパイピング17の上に端部21a,21bまたは端部22a,22bを縫い付けている。なお、端部21a,21bと端部22a,22bの縫い付けは、2本以上の縫い目列としている。このとき、紐状体21,22としての平ゴムの長さは、親が紐状体21,22としての平ゴムを肩に通したとき、弾性力が働き、胸に当たる程度の長さに設定される。特に、強く弾性力が働く必要はない。即ち、紐状体21,22としての平ゴムが両肩に作用するから、本実施の形態の母子間緩衝パット30の自由度は極僅かである。若干弾性を持たせているのは、母親の着用している衣類がずれないようにするためである。即ち、本実施の形態で使用している平ゴムは、弾性のない紐状態とすることもできる。或いは、弾性のないまたは弾性を有するベルトとそれを接続するバックルとすることができる。
【0032】
本実施の形態の母子間緩衝パット30は、図8に示すように使用される。
まず、織布本体10の上下の略中央のパイピング17の上に縫い付けている紐状体21,22を、肩から脇に掛けて取り付けを行う。肩幅と紐状体21,22の長さによって、親の胸元に本実施の形態の母子間緩衝パット30が位置し、しかも、腕の動きには母子間緩衝パット30の位置が殆ど影響されず、安定した位置を保持できるから、親の着衣に皺を寄せることがない。また、親と幼児との間の密着度によって、母子間緩衝パット30の織布本体10の体積が変化し、内部の空気を放出したり、外気を吸引したりするから、母子間緩衝パット30の温度が安定し、その湿気についても高くならない。
【0033】
特に、このように構成された本実施の形態の母子間緩衝パット30は、紐状体21,22の位置におんぶ紐、抱っこ紐のベルト41の下部に位置し、外部から見えにくくなる。しかし、母子間緩衝パット30の織布本体10の面の一部が露出し、親と幼児との間の密着度によって、母子間緩衝パット30の織布本体10の体積が変化し、内部の空気を放出したり、外気を吸引したりするから、母子間緩衝パット30の温度が安定し、その湿気についても高くならない。
【0034】
[実施の形態2]
図9は実施の形態2の母子間緩衝パット30の全体表面構成であり、実施の形態1との相違点は、織布本体10の表裏が肌触りのよい生地16等を重ね合わせていないことであり、全面ネット地19となっている。他の構成は実施の形態1と同じであるから、その説明を省略する。
本実施の形態2とは逆に、織布本体10の表裏に肌触りのよい生地16を設けることもできる。
【0035】
このように、本実施の形態2の母子間緩衝パット30は、フロント側に位置するフロント生地1と、フロント生地1に対向する反対側に位置するバック側のバック生地2と、フロント生地1とバック生地2との間に織り込まれ、両者間の空気層の厚みを形成する連結糸3(Y3,Y4)からなる特定の厚みを有する織布本体10と、織布本体10の全外周をパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りと、織布本体10の上部のパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りに一端を縫い付け、その中央の下部のパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りに他端を縫い付けた所定長の紐状体21,22としての平ゴムとを具備するものである。
【0036】
したがって、フロント側に位置するフロント生地1とフロント生地1に対向する反対側に位置するバック側のバック生地2との間に織り込まれ、両者間の空気層の厚みを形成する連結糸3(Y3,Y4)からなる特定の厚みを有する織布本体10と、織布本体10の全外周をパイピング処理してなるパイピング17からなる縁飾りと、織布本体10の上部のパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りに所定長の紐状体21,22の一端を縫い付け、その中央の下部のパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りに所定長の紐状体21,22の他端を縫い付けたものである。
【0037】
故に、織布本体10が全体で空気層を保ち、フロント生地1とバック生地2との間に織り込まれた連結糸3(Y3,Y4)によって空気層内で対流を生じさせないので、断熱効果が高く、かつ、その容積が大きいことから、長時間断熱作用を維持できる。また、汗等の湿気の発生に対しても、それを収容できる容積を有しているから、幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、ベトベト感が生じない。また、幼児を抱いている時、おんぶしている時に体形が変化しても、織布本体10の変化によって追随できるから違和感が生じない。また、母親の衣類に体温によるしわが入るのを防止できる。そればかりか、体形を変化させた際の母子間緩衝パット30の織布本体10の変形が、織布本体10で保持していた空気を外部に放出したり、吸収したりするので、常に、温度、湿度が上昇しないで維持される。
よって、幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、幼児との間に違和感が生ぜず、かつ、長時間断熱作用を維持し、かつ、湿気の上昇を防止できる。
【0038】
[実施の形態3]
図10は実施の形態3の母子間緩衝パット30の全体表面構成であり、実施の形態1または実施の形態2との相違点は、紐状体21,22としての平ゴムに代えて、ベルト21A及びバックル接続具23A並びにべルト22A及びバックル接続具24Aを設けた点にある。また、織布本体10は芯材によって形状を維持できる程度の強さに設定されている。他の構成は実施の形態1と同じであるから、その説明を省略する。
本実施の形態1、本実施の形態2で触れた織布本体10の表裏に肌触りのよい生地16を設けることもできる。
【0039】
このように、本実施の形態3の母子間緩衝パット30は、フロント側に位置するフロント生地1と、フロント生地1に対向する反対側に位置するバック側のバック生地2と、フロント生地1とバック生地2との間に織り込まれ、両者間の空気層の厚みを形成する連結糸3(Y3,Y4)からなる特定の厚みを有する織布本体10と、織布本体10の全外周をパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りと、織布本体10の上部のパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りに一端を縫い付け、その中央の下部のパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りに他端を縫い付けた所定長の紐状体としてのベルト21A及びバックル接続具23A並びにべルト22A及びバックル接続具24Aとを具備するものである。
【0040】
したがって、フロント側に位置するフロント生地1とフロント生地1に対向する反対側に位置するバック側のバック生地2との間に織り込まれ、両者間の空気層の厚みを形成する連結糸3(Y3,Y4)からなる特定の厚みを有する織布本体10と、織布本体10の全外周をパイピング処理してなるパイピング17からなる縁飾りと、織布本体10の上部のパイピング処理したパイピング17からなる縁飾りに所定長の紐状体としてのベルト21A及びべルト22Aの一端を縫い付け、その中央を織布本体10に縫い付けたものである。
【0041】
織布本体10は、その中央に図示しない芯を入れてあるか、またはそれだけ腰のある糸で全体を形成したものであるから、全体で形状を保持できるから、ベルト21Aの端部のバックル接続具23Aと、べルト22Aの端部のバックル接続具24Aとを親の胸部で係合させることによって簡単に取り付けができる。
なお、本実施の形態においては、ベルト21A及びべルト22Aとしては、胸部において3〜10cm程度伸びる弾性を有する材料が好適である。
【0042】
故に、織布本体10が全体で空気層を保ち、しかも、その形状を保持できるから、フロント生地1とバック生地2との間に織り込まれた連結糸3(Y3,Y4)によって空気層内で対流を生じさせないので、断熱効果が高く、かつ、その容積が大きいことから、長時間断熱作用を維持できる。また、汗等の湿気の発生に対しても、それを収容できる容積を有しているから、幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、ベトベト感が生じない。また、幼児を抱いている時、おんぶしている時に体形が変化しても、織布本体10の変化によって追随できるから違和感が生じない。また、母親の衣類に体温によるしわが入るのを防止できる。そればかりか、体形を変化させた際の母子間緩衝パット30の織布本体10の変形が、織布本体10で保持していた空気を外部に放出したり、吸収したりするので、常に、温度、湿度が上昇しないで維持される。
よって、幼児を抱いた時、幼児をおんぶした時にも、幼児との間に違和感が生ぜず、かつ、長時間断熱作用を維持し、かつ、湿気の上昇を防止できる。
【0043】
このように本実施の形態の母子間緩衝パット30は、通気性及び伸縮性があり、織布本体10に対して空気を吸引、放出することができるから、例えば、母親と幼児の体の間に母子間緩衝パット30を介在させておんぶまたは抱っこをする場合、母親と幼児の体の間に実質的な接触面積が減り、織布本体10による空間が形成され、空気の移動が可能になる。したがって、暑さを緩和し、むれも著しく軽減するから汗疹の発生が防止できる。
また、本実施の形態の母子間緩衝パット30は、フロント生地1及び/またはバック生地2に段差または模様を形成したり、ネットを形成したりすることにより、幼児に接触する表面からの吸湿性を上げることができる。
【0044】
上記実施の形態において、所定長の紐状体21,22は、肩紐として平ゴムとしたものであるから、幼児を抱いたり、おんぶしたりする母親の体形に従って取り付けが変化でき、織布本体10の変化によって違和感がない。
上記所定長の紐状体21,22は、織布本体10の上部のパイピング処理した縁飾りとしてのパイピング17に一端を、その中央の下部のパイピング17に他端を縫い付けたもので、その間にバックル接続具を有するか、または有しない2本の紐またはベルト、1本の平ゴムまたは丸ゴム等とすることができる。
或いは、ベルト21Aの端部のバックル接続具23Aと、べルト22Aの端部のバックル接続具24Aとを親の胸部で係合させることによって簡単に取付けができる構造とすることもできる。
【0045】
上記実施の形態において、織布本体10は、一方の面の1/3〜3/3の面を他の生地、即ち、例えば、肌触りのよい生地16で覆い、織布本体10の全外周と共に当該肌触りのよい生地16をパイピング処理したものである。したがって、幼児または母親の肌触り感を任意に設定でき、かつ、断熱性をよくすることができる。
また、むれ防止のために幼児側裏面に吸湿性の材料の生地を一体に設けてもよい。この場合には幼児の発汗に対応できる。
【0046】
なお、織布本体10と肌触りのよい生地16の占めるハニカム状のネット生地の表面面積の割合は、デザイン的に決定してもよいし、乳幼児の体形のシルエットラインよりも肌触りのよい生地16を広く決定してもよい。また、上記実施の形態では、肌触りのよい生地16として表現してきたが、本発明を実施する場合には、肌触りのよい生地に限定されるものではなく、デザイン的または機械的強度的に材料を選択してもよい。両面を被覆する場合には、通気性を維持できるものでないとならないが、他の個所で通気性を確保している場合には、通気性のない生地とすることもできる。
【0047】
また、上記実施の形態では、肌触りのよい生地として表現してきたが、本発明を実施する場合には、肌触りのよい生地に限定されるものではなく、刺激性のない生地及び肌触りのよい生地でも、デザイン的または機械的強度的に材料を選択してもよい。両面を被覆する場合には、通気性を維持できるものとする必要があるが、他の個所で通気性を確保している場合には、通気性のない生地とすることもできる。
【0048】
勿論、織布本体10の親側の面のみではなく、その表裏に刺激性のない生地、肌触りのよい生地の占める表面面積の割合は、デザイン的または機械的強度的に材料を選択してもよい。しかし、織布本体10の親側の面及びその反対側の面について、全面を被覆する場合には、通気性を維持できるものとする必要がある。
本発明を実施する場合のネットは、織布本体10の表裏をハニカム状とするのが望ましいが、5角形、4画径のネット生地とすることもできる。また、このネット生地の面に被覆地を被せるのではなくて、ネット生地に他の生地を接続して繋いだ状態とすることもできる。
【0049】
上記実施の形態において、織布本体10は、表裏が所定のネットで形成されているものであれば、幼児を抱いたり、おんぶしたりする母親の体形、動作に従って空気の出入りを決定する流体抵抗を任意に設定できる。また、表裏のデザインを任意の形状とすることができる。
【0050】
上記実施の形態において、織布本体10は、その上部中央が下方向に彎曲した部分を有し、それを襟の前側の中央を下方に彎曲させるように位置付けているから、親の着衣のデザインを拘束するものがない。
【符号の説明】
【0051】
1 フロント生地
2 バック生地
10 織布本体
11,12 下方の角
13,14 上方の角
15 彎曲部
16 肌触りのよい生地
17 パイピング
21,22 紐状体
21A、22A ベルト
Y1,Y2、Y5,Y6 地糸
3,Y3,Y4 連結糸
30 母子間緩衝パット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地に対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に織り込まれ、両者間の通気性を有する空気層の厚みを形成する連結糸からなる特定の厚みを有する織布本体と、
前記特定の厚みを有する織布本体の全外周をパイピング処理により縁飾りとしたパイピングと、
前記織布本体の上部のパイピングに一方の端を縫い付け、その中央の下部のパイピングに他方の端を縫い付けた所定長の紐状体と
を具備することを特徴とする母子間緩衝パット。
【請求項2】
前記紐状体は、平ゴムまたはベルトとしたことを特徴とする請求項1に記載の母子間緩衝パット。
【請求項3】
前記織布本体は、一方の面の1/3〜3/3の面を他の生地で覆い、前記織布本体の全外周と共に前記生地をパイピング処理したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の母子間緩衝パット。
【請求項4】
前記織布本体は、表裏が所定のネットで形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の母子間緩衝パット。
【請求項5】
前記織布本体は、その上部中央が下方向に彎曲した彎曲部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の母子間緩衝パット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−110417(P2012−110417A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259923(P2010−259923)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(592238515)ラッキー工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】