説明

毛成長制御剤の評価又は選択方法

【課題】毛成長制御剤の評価又は選択方法の提供。
【解決手段】毛成長制御剤の評価又は選択方法であって、DNAJ/HSP40ファミリーに属する分子シャペロンであるDnaJC6を発現可能な細胞に、試験物質を投与する工程;当該細胞におけるDnaJC6の発現を測定する工程;及び、当該発現に基づいて当該試験物質の毛成長制御効果を評価する工程、を包含する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛成長制御剤の評価又は選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪や体毛は、生物学的には頭部、胸部、手足等の重要な器官を防護するものである。しかしながら、近年、特に手足等における体毛は、美的外観上無い方が好ましいとする傾向が高まっている。
【0003】
体毛を除去する方法としては、シェーバー、抜毛器等を用いる機械的除去方法、脱毛剤や除毛剤を用いた化学的作用による除去方法が挙げられる。しかしながら、これらの体毛除去方法は、皮膚に対して物理的又は化学的刺激を伴う場合があり、また抑毛作用という点では未だ不十分であるため、一定期間経過後には再び体毛除去処理を行わなければならない。体毛除去処理の軽減化が望まれている。
【0004】
従来、育毛剤又は抑毛剤を評価又は選択する場合、生体の皮膚に塗布するか(特許文献1〜3)、生体外(in vitro)でヒトやマウス若しくはラット、又はブタの毛包の器官培養物に候補物質を投与した後、毛の伸長や毛包の成長の度合いを測定し、その測定結果に基づいて候補物質の育毛又は抑毛作用を評価していた(特許文献4〜7、非特許文献1〜3)。効率や評価の正確性を考えるとin vitroでの試験がより好ましい。しかしin vitroでの毛包の器官培養は、試料となる毛包の入手が困難である場合があること、培養に手間がかかること、毛の伸長や毛包成長が観察されるまでに数日間を要するため評価に時間がかかるなどの問題があった。より効率的に育毛剤又は抑毛剤を評価又は選択するためのin vitroスクリーニング系の開発が求められている。
【0005】
特許文献7には、ヒト毛嚢に、熱ショックタンパク質HSP−27、HSP−70及びHSP−90が存在すること、毛嚢へのHSP−27抗体の投与により毛髪繊維発育の有意な低減が観察されたこと、HSP−90特異的阻害物質ゲルダナマイシン、又はHSP合成阻害物質であるKNK437の投与により、ヒト毛嚢成育が容量依存的に低減したことが記載されている。しかし、熱ショックタンパク質は種類が多く、その機能も多岐にわたるため、上記の熱ショックタンパク質が毛成長に関与する分子メカニズムは明らかでなく、また他の熱ショックタンパク質が毛成長に関与し得るかどうかを予測することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第03/086331号パンフレット
【特許文献2】特開2005−206536号公報
【特許文献3】特開2006−008657号公報
【特許文献4】国際公開第2010/016606号パンフレット
【特許文献5】特開平11−49647号公報
【特許文献6】特開2002−62289号公報
【特許文献7】特許第4189024号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Jindo et al., The Journal of Dermatology, Vol,20:756-762, 1993.
【非特許文献2】宇塚 誠及び▲奏▼沢 千加, 日皮誌, 104(8):979-987, 1994.
【非特許文献3】Philpott et al., Journal of Cell Science, 97:463-471, 1990.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、遺伝子の発現を指標とした毛成長制御剤の評価又は選択方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、DnaJC6の発現を指標とすることで、毛成長を制御する物質を効率的に評価又は選択できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は以下を提供する。
1)毛成長制御剤の評価又は選択方法であって、以下:
DnaJC6を発現可能な細胞に試験物質を投与する工程;
当該細胞におけるDnaJC6の発現を測定する工程;及び
当該発現に基づいて当該試験物質の毛成長制御効果を評価する工程、
を包含する、方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、in vitroで、簡便、迅速に且つ効率よく毛成長制御剤を評価又は選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】オウレン抽出物及びフナバラソウ抽出物がヒトDnaJC6プロモーター活性に与える影響。n=3、mean±SD。*: P <0.05, ***: P <0.001(non-paired t-test、vs Vehicle)。
【図2】オウレン抽出物及びフナバラソウ抽出物がヒトDnaJC6 mRNA発現に与える影響。n=3、mean±SD。*: P <0.05, **: P <0.01(non-paired t-test、vs Vehicle)。
【図3】オウレン抽出物及びフナバラソウ抽出物がヒトDnaJC6タンパク質発現に与える影響。
【図4】オウレン抽出物が毛成長に与える影響。A:毛成長の経時観察結果(n=5又は6、mean±SD。*: P <0.05, **: P <0.01, ***: P <0.001(non-paired t-test、vs Vehicle)。B:10日後の培養毛包画像。
【図5】フナバラソウ抽出物が毛成長に与える影響。A:毛成長の経時観察結果(n=10〜14、mean±SD。***: P <0.001(non-paired t-test、vs Vehicle)。B:9日後の培養毛包画像。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、毛成長制御剤の評価又は選択方法を提供する。本方法は、以下:DnaJC6を発現可能な細胞に試験物質を投与する工程;当該細胞におけるDnaJC6の発現を測定する工程;及び、当該発現に基づいて当該試験物質の毛成長制御効果を評価する工程、を包含する。
【0014】
本明細書において、「毛成長制御」とは、毛または毛包の伸長を促進または抑制する作用、あるいは毛径を増加または減少させる作用を意味する。すなわち、本明細書における「毛成長制御」とは、毛成長の促進及び抑制を含む概念である。
【0015】
本明細書において、「DnaJC6」とは、NCBIのデータベース(OMIM)[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=omim]にMIM ID *608375として登録されているタンパク質を指す。DnaJC6は、熱ショック蛋白質に分類されるタンパク質である。熱ショック蛋白質には多くのファミリーが存在し、例えば、HSP11O、HSP90、HSP70、HSP60、HSP40、HSP27、HSP1Oのファミリーに大別される。このうち、DnaJC6は、DNAJ/HSP40ファミリーに属する分子シャペロンであると推定されている。
【0016】
本明細書において、「DnaJC6を発現可能な細胞」としては、生来的にDnaJC6遺伝子を有し、これを発現する能力のある細胞、及び外来的にDnaJC6遺伝子を発現可能に導入された細胞が挙げられる。当該細胞は、生体から採取された細胞、または生体から採取された組織や器官に含まれる細胞であってもよく、培養細胞であってもよい。好ましくは、当該細胞は、哺乳動物に由来する。生来的にDnaJC6遺伝子を有し、これを発現する能力のある細胞としては、生体のあらゆる組織に由来する細胞が挙げられるが、好ましくは、哺乳動物から採取された皮膚由来の細胞、例えば、毛髪組織由来の細胞、表皮組織由来の細胞、真皮組織由来の細胞(線維芽細胞等)、及び脳由来の細胞等、ならびにこれらの細胞に由来する細胞培養物、器官培養物等が挙げられる。外来的にDnaJC6遺伝子を発現可能にした細胞は、DnaJC6遺伝子を組み込んだ発現ベクターを任意の哺乳動物細胞に導入し、当該細胞を形質転換させることによって得ることができる。DnaJC6遺伝子を組み込んだ発現ベクターの作製方法及び発現ベクターの哺乳動物細胞への導入方法は、当業者に周知である。
【0017】
上記細胞に投与される試験物質としては、毛成長制御剤として使用することを所望する物質であれば、特に制限されず、例えば、動植物、海洋生物、微生物等及びその抽出物;それらに由来する天然成分;合成化合物;ならびにそれらの混合物及び組成物等が挙げられる。
【0018】
上記細胞におけるDnaJC6の発現は、DnaJC6タンパク質の発現、又は当該タンパク質をコードするDnaJC6遺伝子若しくはそのmRNAの発現、DnaJC6遺伝子のプロモーターの活性化等を指標として測定することができる。測定は、指標とするパラメータ(例えば、タンパク質発現、遺伝子又はmRNA発現、DnaJC6遺伝子プロモーターの活性化等)の測定方法として当該分野で公知の方法に従って行えばよい。測定方法としては、例えば、RT−PCR、アガロースゲル電気泳動、Real−time RT−PCR、SDS−PAGE、クロマトグラフィー法、免疫学的測定法(例えば、免疫組織化学、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降等)、比色定量法、蛍光・光学的測定法、質量分析、電子顕微鏡観察等、及びこれらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
DnaJC6遺伝子プロモーターの活性化を指標にDnaJC6の発現を測定する場合、測定に用いるプロモーターとしては、ヒトDnaJC6プロモーターが好ましい。ヒトDnaJC6プロモーターとしては、配列番号1で示される塩基配列を有するプロモーター、及び配列番号1で示される塩基配列に対して1個〜数個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個)の塩基が置換、欠失、挿入、付加されており、且つ配列番号1で示される塩基配列を有するプロモーターと同様の転写因子に制御されて下流の遺伝子の発現を制御するものが挙げられる。DnaJC6遺伝子プロモーターの活性化の測定は、例えば、当該プロモーターの下流にルシフェラーゼ遺伝子等のマーカー遺伝子を作動可能に連結し、当該マーカー遺伝子の発現(例えば、ルシフェラーゼ活性)を測定すればよい。
【0020】
上記測定結果に基づいて、試験物質の毛成長制御効果を評価する。評価は、例えば、試験物質投与前後で、又は試験物質添加群と試験物質非添加群若しくは対照物質添加群とを比較することによって行われる。あるいは、評価は、種々の濃度の試験物質間で測定結果を比較することによって行われ得る。DnaJC6の発現に影響を与えた物質を毛成長制御剤として選択することができる。例えば、DnaJC6の発現を低下若しくは阻害させるか、又はDnaJC6の発現上昇を抑制する試験物質は、毛成長抑制剤として選択される。DnaJC6の発現を上昇若しくは促進させるか、又はDnaJC6の発現低下を抑制する試験物質は、毛成長促進剤として選択される。
【0021】
斯くして得られた毛成長制御剤は、発毛、育毛、除毛、脱毛、発毛抑制等のために使用でき、あるいは発毛剤、育毛剤、除毛剤、脱毛剤、発毛抑制剤等の有効成分となり得る。またあるいは、当該毛成長制御剤を、発毛、育毛、除毛、脱毛、発毛抑制等の毛成長の促進又は抑制を必要とする被験体に投与することにより、その被験体において毛成長を促進又は抑制し、発毛、育毛、除毛、脱毛、発毛抑制等を実現することができる。またあるいは、当該毛成長制御剤は、発毛、育毛、除毛、脱毛、発毛抑制等のための組成物、医薬、医薬部外品、化粧料又は飲食品として、あるいはそれらの製造のために使用することができる。
【実施例】
【0022】
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0023】
実施例1 DnaJC6発現に基づく試験物質の評価
(1)手順
オウレン抽出液の調製
オウレン根(新和物産)40gに50%エタノール水溶液400mLを加え、常温で13日間浸漬した。これをろ過し、オウレン抽出液を得た。このオウレン抽出液を濃縮したところ、その固形分は5.46gであった。抽出液の固形分濃度は1.73wt%であった。
フナバラソウ抽出液の調製
フナバラソウ根(新和物産)40gに50%エタノール水溶液400mLを加え、常温で27日間浸漬した。これをろ過し、フナバラソウ抽出液を得た。このフナバラソウ抽出液を濃縮したところ、その固形分は4.39gであった。抽出液の固形分濃度は1.33wt%であった。
【0024】
DnaJC6発現が認められるヒト培養細胞(293A、ATCCまたはMeWo、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団)を、DMEM(Invitrogen、High glucose、10% heat-inactivated FBS)中37℃、5% CO2条件下で培養した。試験物質を50%エタノールにて1mg/mlの濃度に調製し、0.1vol%(最終濃度1μg/ml)となるように培地に添加した。対照群には、同量の50%エタノール溶液(Vehicle)を培地に添加した。
【0025】
ヒトDnaJC6プロモーター活性の測定
ヒトDnaJC6プロモーター(配列番号1:979bp [転写開始点から−771〜+208])の下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子が挿入されたhDnaJC6opP/pGL4.10 [luc2]プラスミド、及びトランスフェクション効率の補正を目的としてCMV promoterの下流にウミシイタケルシフェラーゼが導入されたプラスミド(pRL-CMV、Promega)をLipofectAMINE 2000 reagent(Invitrogen)を用いて、293A細胞にトランスフェクションした。その8時間後に培地を交換し、試験物質を添加した。更に24時間後にそれぞれのルシフェラーゼ活性を測定した。
ルシフェラーゼアッセイはDual-Glo Luciferase Assay System(Promega)を用いて行った。培地を除去後、PBSにより2倍希釈したDual-Glo luciferase reagentを加え、攪拌した後、約20分後にホタルルシフェラーゼ活性を測定した。その後、等量のDual-Glo Stop&Glo reagentを加え、攪拌した後にウミシイタケルシフェラーゼ活性を測定した。尚、双方ともルシフェラーゼ活性の測定時間は2秒とした。
全てのDnaJC6プロモーター活性(ホタルルシフェラーゼ活性)はトランスフェクション効率補正のために導入されたウミシイタケルシフェラーゼ活性にて除することで補正した。その後、DnaJC6プロモーター活性阻害率を以下の式にて求め、DnaJC6プロモーター活性を試験物質が何%阻害したかを算出した。
DnaJC6プロモーター活性阻害率(%)
={(溶媒対照添加群−試験物質添加群)/溶媒対照添加群}×100
【0026】
Real-time RT-PCR
試験物質を添加後、24時間培養したMeWo細胞からRNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてtotal RNAを抽出した。total RNAの調製は付属の使用説明書に従って実施した。total RNAは濃度を揃えた後65℃、5分間の熱処理を行い、急冷後に使用した。逆転写反応には、一定量のtotal RNAとOligo(dT)20を用い、ThermoScript RT-PCR System(Invitrogen)を用い、反応は付属の使用説明書に従って実施した。RTサンプルは、使用まで−20℃で保存した。
Real-time RT-PCRによるmRNA発現の定量は、POWER SYBR-green PCR Master Mix(ABI)を用い、PCRプロダクト自動検出/定量システムPRISM7500(ABI)を用いて実施した。50μlの反応液にて、増幅条件は、95℃、15秒の変性反応、60℃、1分のアニーリング及び伸長反応にて行った。DnaJC6 mRNA遺伝子発現量は、コントロール遺伝子RPLP0 mRNA発現量により補正した。RT-PCRに使用したプライマーはPrimer Express ver. 2.0(ABI)を利用して設計した。用いたプライマーを以下に示す。
DnaJC6 Forward: CAGGAAAGTGAGCAATCAGATGA(配列番号2)
DnaJC6 Reverse: GGCTTGTCACCATTGGCATT (NM_014787: 53bp、配列番号3)
RPLP0 Forward: TCCTGAGTGATGTGCAGCTGAT (配列番号4)
RPLP0 Reverse: AGCACTTCAGGGTTGTAGATGCT(NM_053275: 151bp、配列番号5)
【0027】
ウェスタンブロッティング
試験物質を添加後、24時間培養したMeWo細胞を回収後、1% protease inhibitor cocktail(SIGMA)を含むLysis buffer(50mM Tris-HCl、125mM NaCl、0.5% NP40、pH=7.6)により可溶化し、Sample bufferと混合後、100℃、5分間熱処理した後にウェスタンブロッティングに用いた。ポリアクリルアミドゲル電気泳動は標準的な方法で行い、4-20% gradient gelを用いた。ブロッティングはウェット法によりHybond P(Amersham)メンブレンに転写した。メンブレンに転写後、5%スキムミルクでブロッキングを行った。一次抗体は、標準的な方法にて作製したrabbit anti-DnaJC6抗体を5%スキムミルク中1μg/mlで、goat anti-beta-Actin(I-19)抗体(SantaCruz)を5%スキムミルク中0.2μg/mlで使用した。二次抗体は、それぞれanti-rabbit IgG-HRP(Amersham)またはanti-goat IgG-HRP(SantaCruz)を用い、5%スキムミルク中1/2000希釈で使用した。ECL発色はLumiGLO Reagent and Peroxide(Cell Signaling)を用い、使用説明書に従って行った。
【0028】
(2)結果
結果を図1、2及び3に示す。対照群(Vehicle)に対してオウレン及びフナバラソウエキスを添加した群では、それぞれDnaJC6プロモーター活性及びDnaJC6 mRNA発現が有意に抑制され、DnaJC6タンパク質発現量も抑制された。
【0029】
実施例2 ヒト単離毛包を用いた試験物質の抑毛評価
ヒト頭皮サンプルは0.1%ヒビテン液に1分間浸漬して消毒後、PBSにて洗浄した。その後、William E培地(Invitrogen)中、実体顕微鏡下にてピンセットとメスを用いて毛包を単離した。単離した毛包は、William E培地に2mM L-Glutamine(Invitrogen)、10μg/ml Insulin(Invitrogen)、40ng/ml Hydrocortisone(SIGMA)、1% Antibiotics-antimitotics(Invitrogen)となるように添加した培地中(24 well plate、300μl)にて37℃、5% CO2条件下で培養した。実施例1で調製したオウレン抽出液とフナバラソウ抽出液を50%エタノールにて1mg/mlの濃度に調製し、0.1vol%(最終濃度1μg/ml)となるように培地に添加した。対照として、同量の50%エタノール溶液(Vehicle)を培地に添加した。
器官培養毛は、経時的に顕微鏡下で写真を撮影、同条件で撮影されたスケールを元に画像解析にて毛包の長さを算出した。画像解析はNewQube(version 4.0.3、Nexus)により実施し、初期値からの増加量を毛伸長量とした。
【0030】
結果を図4及び5に示す。対照群(Vehicle)では、培養時間に従って毛包の伸長(毛成長)が観察された一方、DnaJC6発現抑制作用を有するオウレン又はフナバラソウ添加群では、毛包の伸長が有意に抑制された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛成長制御剤の評価又は選択方法であって、以下:
DnaJC6を発現可能な細胞に試験物質を投与する工程;
当該細胞におけるDnaJC6の発現を測定する工程;及び
当該発現に基づいて当該試験物質の毛成長制御効果を評価する工程、
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−55233(P2012−55233A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201838(P2010−201838)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】