説明

毛髪の蘇生、再生方法

【課題】 毛髪自らの生成能力を活性化することによって健康な毛髪を自然に蘇生、再生することができる毛髪の蘇生、再生方法を提供する。
【解決手段】 ダメージヘアーを相互に揉み擦り合わせる等の手段を用いて、当該毛髪の毛表皮における最も角化してなる外毛根鞘を一旦取り除き、これにより毛髪自体の生成能力を活性化させて,内毛根鞘の中の新しいヘンレ層(Henle)、ハックレイ層(Hyxley)を自然に再生成して蘇らせることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪の蘇生、再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間の毛髪は、平均すると約十万本生えており、ヘアーサイクル(毛周期)は3〜6年程度と言われている。毛髪は、皮膚の表面に露出している毛幹と、皮膚の内部にある毛根とに分けられ、毛根の根元は、球状に膨らんで毛球と呼ばれる。
【0003】
毛球の下に窪んだ毛乳頭は、毛細血管からアミノ酸等の栄養素を取り込む。毛球内部にあってアミノ酸等の栄養素を得た毛母細胞は、細胞分裂、増殖を繰り返し、メラノサイト(メラニン生成細胞)で分泌されたメラニン色素を取り込みながら、次々に細胞を押し上げ、繊維状に繋がりながら伸びてゆく角化細胞に変化させながら毛髪を生成させてゆく。
【0004】
毛髪は、その外側から中心部に向かって毛表皮(Cuticula)、毛皮質(Cortex)、毛髄質(Medulla)の三つの層から成り立っている。
【0005】
毛表皮は、爪と同じケラチンという硬い蛋白質からなるキューティクルと呼ばれる角化した無色透明な細胞が根元から毛先に向かって竹の子の皮状又は鱗片状に重なり合って内部の毛皮質を取り巻いて保護し毛髪全体の健康を守っている。
【0006】
毛皮質は、毛髪の大部分を占め、角化したケラチン質の皮質細胞から成り立っており、毛髪の長さの方向に比較的規則正しく並んでいる。毛髪の占める割合は約85〜90%と言われる。皮質細胞は繊維質の束が集まっており、全体が少し捩れて細胞同士は繊維状ケラチンで互いに強く連結されている。繊維の横方向は柔らかいケラチン(間充物質)で接着されていることから、毛髪は横に切れにくく縦には比較的裂け易くなっている。
【0007】
また、毛皮質は顆粒状のメラニン色素を含み、水と馴染み易く(親水性)、薬剤の作用を受け易くなっており、パーマやカラーリング等と最も関連性のある大切な部分であり、毛髪の性質を左右している重要な部分である。
【0008】
毛髄質は、毛髪の中心部分にあって、空洞に富んだ蜂の巣状の細胞が長さ方向に数列並んでおり、毛髪によっては存在しないものもあり、空気の泡を含んでおり、一般には加齢に伴って太くなるが、強度は低下してゆくと共にこの部分の多い人程パーマがかかり易く、この部分の少ない人程パーマがかかり難いと言われている。
【0009】
このような構造からなる毛髪は、ブラッシング、コーミング等の物理的な刺激や、強い紫外線を浴びたり、頭皮の汚れ、また、ストレスや睡眠不足、偏った食生活等の生活習慣の乱れからくる栄養不足、血行不良、その他の様々な原因からダメージを受ける。
【0010】
ダメージを受けたダメージヘアー(損傷毛)は、上記のキューティクルが傷ついて部分的に剥離・損傷・脱落等が起こり、毛髪の中の蛋白質や水分が減少して、裂け目が入って切れ毛、枝毛の原因ともなり、また、髪の毛が痩せて細く艶を減少させる。
【0011】
これらのダメージヘアーに対する従来のヘアーケアーは、毛表皮に保護皮膜を形成することを目的とするものに過ぎなかった。保護被膜を形成することにより毛髪を滑らかにして手や櫛の通りを良くし、キューティクルを保護し静電気の発生を防止して埃の吸着を防ぐ等の効果は認められる。
【0012】
しかしながら、そもそも毛髪においては、毛髪の成長修復に必須であるエクリン腺と脂腺との乳濁液たる脂汗を毛表皮の毛細管現象をもって毛先まで移送する構造となっているものであるから、毛表皮に保護皮膜を形成することは、その毛細管現象を阻害するに他ならないのである。従って、従来の保護皮膜を形成する手段を持ってしてはダメージヘアーを健康な毛髪に修復、再生することは到底適わず、健康な毛髪の再生はきわめて困難であった。
【特許文献1】特開平06−135822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、如上の従来の問題に鑑みこれを解決すべく案出したものであって、毛髪自らの生成能力を活性化することによって健康な毛髪を自然に蘇生、再生することができる毛髪の蘇生、再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る毛髪の蘇生、再生方法は、ダメージヘアー同士を相互に揉み擦り合わせながら洗う等の手段を用いて、当該毛髪の毛表皮における最も角化してなる外毛根鞘を一旦取り除き、これにより毛髪自体の生成能力を活性化させて,内毛根鞘の中の新しいヘンレ層(Henle)、ハックレイ層(Hyxley)を自然に再生成して蘇らせることを最も主要な特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る毛髪の蘇生、再生方法は、ダメージヘアーにおける毛表皮の外毛根鞘を一旦取り除くことによって、その後、毛髪自体の生成能力を活性化させて,内毛根鞘の中の新しいヘンレ層(Henle)、ハックレイ層(Hyxley)を自然成長にて再生成して蘇らせることができ、これによって、ダメージヘアーを健康な毛髪に蘇らせ、再生することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
先ず、毛髪自体生きているものである。毛髪は毛母細胞ひとつひとつにループ状の毛細血管が入り込んでおり、その毛細血管を通じ血液から毛髪に必要な栄養分、水分が補給され毛母の活発な細胞分裂により毛髪が生成される。従って、健康な頭皮には健康な毛髪が蘇る。健康な頭皮は、青白く半透明であり、毛孔に汚れがなく窪んでいると共に頭皮全体が弾力性を有するものである。
【0017】
ここにおいて、頭皮、毛髪の全体に、ローションをつけて根本の酸化皮脂や毛髪を乳化させる。その上で、頭皮をお湯でよく軟化させながら乳化して酸化皮脂や人工プロティーンを取り除く。その後、シャワーでよくすすぎ、頭皮を濯ぐ。そして、シャンプーをもって毛髪全体に泡立たせ、毛髪のぬめりとなっている余分なプロティーン油埃を取り除き、毛髪同士を揉み擦り合わせながら洗って、当該毛髪の毛表皮における一番外側における最も角化してなる外毛根鞘を一旦取り除く。
【0018】
すると、これにより毛髄質、毛皮質の中のミトコンドリアが活性化し易くなる。そして、毛髪同士を揉み擦り合わせながら洗って外毛根鞘を取り除いた後、毛髪に何もつけることなく、タオルドライも止めてそのままドライヤーを当て乾燥させる。
【0019】
すると、毛髪の生成にとって必須成分であるエクリン腺と脂腺との乳濁液たる脂汗、水分を毛髪自体の毛細管現象によって毛先まで持っていくことができ、毛髪の生成、補修を促すことができる。生え際や、フロント部分の細くなった毛髪根元1cmに指でしごきながらドライヤーを当て、毛髪の水分を失わせ、そして冷やすを数回繰り返す。
【0020】
これにより、内毛根鞘の中の新しいヘンレ層(Henle)、ハックレイ層(Hyxley)を自然成長にて再生成して蘇らせることができる。細かった毛髪が太くなり、がさがさであった毛髪がさらさらになり、ダメージヘアーを健康な毛髪に蘇らせ、再生することができる。人によっては、その人の一番良好な十代の頃の太い健康な毛髪状態に戻すことも可能な場合がある。
【0021】
以上説明したようにダメージヘアーを健康な毛髪に自然に蘇らせ、再生することは、健康な毛髪が生成されるための所要条件を整えた上で効率的に行うことが望ましい。
【0022】
すなわち、健康な毛髪が生成されるためには、毛包、毛乳頭が存在すること、栄養状態が良好で血行も順調であり、頭皮が健康かつ清潔であり、アミノ酸やビタミン、ミネラルが十分に補給されること、蛋白合成酵素が存在してその働きに必要な自律神経やホルモンに異常がないこと、等々が必要である。
【0023】
ヘアーケアーとしては、第一に、頭皮の健康を保ち毛根の働きを助長するために、ヘアートニックを頭皮全体に満遍なく付け、軽くマッサージを施す。第二に、毛髪と頭皮を守りながら汚れを落とすよう湯を注いで軽く流し、その後にシャンプーをつけ、優しく頭皮をマッサージするように洗って、その後よく濯ぐ。第三に、ヘアーコンディショナーをつけて洗い流し、潤いを与えて保湿効果をを高めることが、毛髪の健康を保つ上で効果的である。上記したヘアートニック、シャンプー、ヘアーコンディショナー等は、水素イオン濃度指数PH5.5乃至6.5の酸性(等電点)のものが好適である。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダメージヘアーを相互に揉み擦り合わせる等の手段を用いて、当該毛髪の毛表皮における最も角化してなる外毛根鞘を一旦取り除き、これにより毛髪自体の生成能力を活性化させて,内毛根鞘の中の新しいヘンレ層(Henle)、ハックレイ層(Hyxley)を自然に再生成して蘇らせることを特徴とする毛髪の蘇生、再生方法。




【公開番号】特開2008−100959(P2008−100959A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−286126(P2006−286126)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(305014478)
【Fターム(参考)】