説明

毛髪または皮膚の酸化的処理のための組成物、および毛髪のパーマネント変形のための固定組成物および方法

少なくとも2つの成分を混合することにより調製される毛髪または皮膚の酸化的処理のための化粧組成物であって、デヒドロアスコルビン酸またはデヒドロアスコルビン酸塩またはデヒドロアスコルビン酸誘導体が、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アスコルビン酸塩から、アスコルビン酸の酵素的酸化を触媒する酵素により、適用の前に生成される化粧組成物、ならびに、ケラチンの酸化的処理を行うための、特に、前記組成物を用いる毛髪のパーマネント変形のプロセスにおける、還元された毛髪の酸化的後処理のための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適用前に少なくとも2つの成分を混合することにより調製され、当該混合によりデヒドロアスコルビン酸またはデヒドロアスコルビン酸の塩またはデヒドロアスコルビン酸誘導体が生成する、毛髪または皮膚の酸化的処理のための化粧組成物、ならびにケラチンの酸化的処理を行うための方法、特に毛髪のパーマネント変形のプロセスにおける、還元された毛髪の酸化的後処理のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維の初期変性のためには、毛髪タンパク質のジスルフィド結合の切断を引き起こす還元剤で毛髪を処理する。還元された毛髪の房を所望の形状にし、新規なジスルフィド結合を形成させる。通常、メルカプトカルボン酸の塩またはエステルなどのメルカプタンを還元剤として用いる。次いで、毛髪を水または適当な中間処理剤で濯ぐ。パーマネントウェーブを付けるためには、還元された毛髪繊維を次いで固定剤で酸化する。これにより新規なジスルフィド結合が毛髪ケラチン内部に形成されるようにし、毛髪に、固定中にそれが有した形状に留まるように強いる。特に毛髪を永続的にウェーブ付けするまたは伸長させる場合に、これらのジスルフィド結合が、毛髪の変形の永続的な耐久性を決定する。
【0003】
最も広く用いられる固定剤は、過酸化水素、過酸化塩または臭素酸塩を含む。毛髪をこれらの化合物で処理する場合、毛髪ケラチンのジスルフィドおよびチオール基の一部が硫黄のより高い酸化状態、特にシステイン酸へと酸化される。これは、毛髪ケラチンが不可逆的に損傷されることを意味する。加えて、過酸化物含有固定剤の場合、毛髪の色素(メラニン)が部分的に破壊され、毛髪の明化または脱色を生じる。
これらの不都合を有さないと主張されている、ジスルフィドに基づく種々の固定剤が公知である。これらの代替する酸化剤はしかし、副産物として不快臭のチオールを生じる。さらに、チオール-ジスルフィド交換プロセスは、所望されるよりも多くの遊離チオール基を固定後にケラチンに残す可能性のある平衡反応である。これは、コストの理由から限られた量のジスルフィドを用いる場合に、特に問題となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
現在入手できるパーマネントウェーブ用製剤のいくつかの不都合、特に脱色効果に関するもの、毛髪のパーマネントウェーブ付の間に発生するシステイン酸の形成およびメルカプタン臭を克服すること、および毛髪の構造を損なうことなくこれらをなすことが、本発明の目的である。
【0005】
先行発明(米国特許第6,506,373号)では、この目的は、パーマネントウェーブ付けのために前もって還元処理した毛髪の酸化的処理のために、デヒドロアスコルビン酸を用いることにより達成できることが見いだされた。
巨大市場のために化粧製品を製造する場合、長期間保存される場合に、材料がその有効性を維持することが望まれる。不幸なことに、デヒドロアスコルビン酸は、容易に加水分解を被る不安定な剤である。これは貯蔵寿命を制限し、この化合物のコストにかなりの負荷を与える。
【0006】
それゆえ、デヒドロアスコルビン酸は、適用の直前に、アスコルビン酸の酸化により生成され、その結果、完成された毛髪処理組成物を長期間貯蔵する必要性が回避されることが望まれる。Br2、I2、H2O2およびFeCl3を含む多数の酸化剤のいずれかの使用、および金属イオン触媒性酸素酸化(例えば、Deutsh, J.C.J.Chromatogr. A, 2000, 881, 299-307)により、アスコルビン酸からデヒドロアスコルビン酸を調製する多くの努力がなされた。これらの試薬の殆どは腐食性であり、かなり特別な設備、装置および作業者の訓練が、その使用のために必要とされる。過剰の試薬および腐食性の副産物(例えば、Br2およびHBr)は、いかなる調製においても、毛髪および皮膚と接触するデヒドロアスコルビン酸から、その使用の前に除去されなければならない。各々のアスコルビン酸の酸化はまた、安定なアスコルベート遊離ラジカルを経由して生じ、および/または副産物としてH2O2を生じ、その結果、デヒドロアスコルビン酸に加えて多数の他の化合物が生じる(Deutsch, J.C. Anal. Biochem., 1998, 265, 238-245)。
【0007】
米国特許出願2,780,579号による、室温でH2O2を用いた、インサイチュでのアスコルビン酸からデヒドロアスコルビン酸の製造では、当該組成物中に適当な濃度のデヒドロアスコルビン酸が生成されなかった。
これらの不利益は、以下の式に従うアスコルビン酸の酵素的酸化による、「インサイチュ」でのデヒドロアスコルビン酸の製造により回避できる。
2アスコルビン酸+O2→2デヒドロアスコルビン酸+2H2O
【0008】
この反応は、殆どの植物ならびに所定の細菌、酵母および動物により産生されるアスコルベートオキシダーゼなどの多数の酵素により、効果的に触媒される(E.C.[1.10.3.3]; Lee, M.H.; Dawson, C.R. Methods Enzymol, 1979, 62, 30-39)。
アスコルビン酸の酵素的酸化は、化学酸化剤の使用に勝るいくつかの利益を有し、特に腐食性試薬を用いず、反応性副産物が生じない。さらに、アスコルベートの酸化は、僅かに酸性のpH値(pH4-6)で最良に進行し、デヒドロアスコルビン酸からジケトグロン酸への加水分解の速度は低下する。加水分解反応は、溶液中および貯蔵中のデヒドロアスコルビン酸の安定性を制限するものである。毛髪の酸化的処理(即ち、固定ステップ)を行う直前にアスコルビン酸を酸化することにより、デヒドロアスコルビン酸を貯蔵する必要がなくなる。デヒドロアスコルビン酸の合成に必要とされる酵素、アスコルビン酸およびバッファー溶液は無毒で、それゆえ、理髪店における労働者またはその客に、全く危険でない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記先行技術の方法の不都合は、本発明に従ってなすことにより回避できることが、驚くべきことに今回見いだされた。
それゆえ、
(a)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体またはアスコルビン酸の塩から成る群から選択される少なくとも一つの化合物、
(b)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体またはアスコルビン酸の塩から成る前記群の酵素的酸化を触媒する酵素、
(c)少なくとも一つの化粧成分
から成る化粧組成物を提供することが、本発明の目的である。
【0010】
本明細書中、「化粧組成物」により、皮膚および/または毛髪に適用される組成物を形成するのに典型的に用いられる種々の化粧成分を含む溶液、クリーム、ペースト、軟膏またはサスペンションを意味する。そのような成分は、例えば、ベントナイト、脂肪酸、スターチ、ポリアクリル酸およびその誘導体、セルロース誘導体、アルギネート、ワセリン、パラフィンオイルなどの増粘剤、脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルフェート、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、エトキシル化アルキルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド、またはエトキシル化脂肪エステルなどのアニオン性、カチオン性、両性または非イオン性界面活性剤のクラスからの湿潤剤または乳化剤、さらにポリエチレングリコールエステル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、1,2-または1,3-ジヒドロキシ-プロパン、1,2-、1,3-または1,4-ジヒドロキシ-ブタン、1,2-、1,3-、1,4-、1,5-ジヒドロキシ-ペンタンおよび、グリセリンなどのポリオールなどのアルコール等の乳白剤、D-グルコースなどの糖、可溶化剤、安定剤、緩衝物質、香油、色素ならびに、カチオンポリマー、ラノリン、ラノリン誘導体、コレステロール、パントテン酸およびベタイン等の毛髪コンディショニングおよびヘアケア成分を含んでよいが、これらに限定されるものではない。
【0011】
前記酵素は酸素を利用するアスコルベートオキシダーゼから選択されることが好ましい。より好ましくは、前記酵素は酵素委託分類[1.10.3.3]に属する。最も好ましくは、前記酵素は植物起源のものである。
【0012】
好ましくは、前記酵素は、アラビドプシス(Arabidopsis)、ブラシカ(Brassica)、ククミス(Cucumis)、ククルビタ(Cucurbita)、ミロテシウム(Myrothecium)、ニコチアナ(Nicotiana)、オリザ(Oryza)、シナピス(Sinapis)、チチカム(Titicum)種由来のものである。より好ましくは前記酵素は、ククルビタ・ペポ・メドゥローサ(Cucurbita pepo medullosa)(ズッキーニ)由来のものである。ズッキーニから精製された高活性のアスコルベートオキシダーゼも、非常に有用である。さらに、キャベツ(ブラシカ・オレラセア(Brassica oleracea))、キュウリ(ククミス・サティバス(Cucumis sativus))、カボチャ(クルクビタ・シービー(Curcubita cv.). エビス・ナンキン)、タバコ(ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum))、マスタード(シナピス・アルバ(Sinapis alba))、米(オリザ・サティバ(Oryza sativa)および小麦(トリチカム・アエスチバム(Triticum aestivum))を含む多くの他の植物種から特定されているアスコルベートオキシダーゼ酵素が有用である。アスコルベートオキシダーゼ酵素の他の源には、真菌(ミロテシウム・ベルカリア(Myrotecium verrucaria))および好熱細菌(例えば、アクレモニウム・エスピー.HI-25(Acremonium sp. HI-25))が含まれる。
【0013】
前記酵素は溶液または粉末として存在してよく、いずれの場合でも好ましくは、バッファー、グリセロール、糖または他のポリヒドロキシ化合物、EDTAチオール等の金属キレート剤、チオグリセロール、メルカプトエタノールまたはジチオトレイトール、ポリエチレングリコール等、非反応性タンパク質および他の一般的な酵素保存剤により安定化されてよい。共有結合変性による酵素の安定化も確立された技術である。安定性の向上のために化学変性されるアスコルベートオキシダーゼは市場入手可能である。ジメチルスベリミデート(dimethyl suberimidate)等の試薬によるマルチメリックな酵素の架橋が、所定の酵素の安定性を高めることも示されている。
【0014】
酵素は、好ましくは、固定化された形態で存在し得る。固定化される酵素は、表面-変性シリカ、アルミナ、ガラス、オキシラン-変性ポリメタクリレート、カルボキシアルキルセルロース、アミノアルキルシリカ、アミノアルキルガラス、アミノアルキルセルロースの微粒子などの固体支持体に共有結合されてよい。別法として、酵素は、カルボキシアルキル-またはジアルキルアミノ-置換セルロースなどの疎水性の、またはイオン修飾された粒子表面に、吸着されてよい。固定化された酵素は通常、高まった安定性を示す。さらなる可能性として、酵素は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、デキストランなどの合成または生物由来の水溶性ポリマーおよび、ゼラチンまたはウリカーゼなどのタンパク質と共有結合することにより、安定化されてよい。共有結合のための適当な方法には、粒子または溶解性ポリマーに結合したアルデヒドまたはエポキシド基を、酵素上の側鎖アミノ基と反応させることおよび、固体または可溶性支持体のいずれかまたは酵素におけるカルボキシル基(アスパラギン酸およびグルタミン酸鎖)を活性化して、酵素側鎖アミノ基または支持体に結合したアミノ基と各々反応させることが含まれる。ポリエチレングリコール鎖は側鎖アミノ基に、種々の方法の中でも、PEG-由来のアルキルスルホネートエステルを用いるアルキル化、およびPEG-由来のアルデヒドとの還元アミノ化により、結合させることができる。
【0015】
前記酵素は化粧組成物中、約1〜約10,000ppm、好ましくは約10〜約1000ppmの濃度で含まれるが、これは、酵素タンパク質、例えばアスコルベートオキシダーゼタンパク質の、前記組成物の全成分を混合直後の、即時使用可能な組成物中の濃度である。
【0016】
即時使用可能な化粧組成物に含まれる化粧成分は、尿素、2-ピロリドン、1-メチル-2-ピロリドンおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの膨潤および浸透剤ならびに、芳香族スルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸、ピロ-またはポリリン酸、酸塩、強酸、アスコルビン酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、サリチル酸、クエン酸、タンニン酸、パラホルムアルデヒド、4-アセトアミド-フェノール、フェノール、チモールまたはアルファ-ビサボロールなどの過酸化物安定剤、ベントナイト、カオリン、脂肪酸、スターチ、グアーガム、高分子量の脂肪アルコール、ポリアクリル酸およびその誘導体、セルロース誘導体、アルギネート、ワセリン、パラフィンオイルなどの増粘剤、脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルフェート、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、エトキシル化アルキルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド、またはエトキシル化脂肪エステルなどのアニオン性、カチオン性、両性、対イオン性または非イオン性界面活性剤のクラスからの湿潤剤または乳化剤、
【0017】
さらに、ポリエチレングリコールエステル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、1,2-または1,3-ジヒドロキシ-プロパン、1,2-、1,3-または1,4-ジヒドロキシ-ブタン、1,2-、1,3-、1,4-または1,5-ジヒドロキシ-ペンタンおよびグリセリンなどのポリオールなどのアルコールなどの乳白剤、D-グルコース等の糖、可溶化剤、安定剤、緩衝物質、香油、色素並びに毛髪コンディショニングおよびヘアケア成分、例えば、
CTFA:POLYQUATERNIUM-1、CTFA:POLYQUATERNIUM-4、CTFA:POLYQUATERNIUM-5、CTFA:POLYQUATERNIUM-6、CTFA:POLYQUATERNIUM-7、CTFA:POLYQUATERNIUM-10、CTFA:POLYQUATERNIUM-11、CTFA:POLYQUATERNIUM-16、CTFA:POLYQUATERNIUM-22、CTFA:POLYQUATERNIUM-32、CTFA:POLYQUATERNIUM-35、CTFA:POLYQUATERNIUM-36、CTFA:POLYQUATERNIUM-37、CTFA:POLYQUATERNIUM-39、CTFA:POLYQUATERNIUM-44、CTFA:POLYQUATERNIUM-45、CTFA:POLYQUATERNIUM-46、CTFA:POLYQUATERNIUM-47などのカチオン性ポリマー、CTFA:POLYSILICONE-3、CTFA:POLYSILICONE-4、CTFA:POLYSILICONE-5、CTFA:POLYSILICONE-6、CTFA:POLYSILICONE-7、CTFA:POLYSILICONE-8、およびCTFA:POLYSILICONE-13などのシリコンポリマー、CTFA:QUATERNIUM-80等のカチオン性シリコン、CTFA:POLYSILICONE-9等のカチオン性シリコンポリマー、シリコン、UV-フィルター、ベタイン、ラノリン、ラノリン誘導体、タンパク質誘導体、およびタンパク質加水分解物、ベタイン、アミノ酸、コレステロール、パントテン酸、ビタミン、プロビタミンおよび植物抽出物等から成る群から選択される。
略語「CTFA」は、インターナショナル・コスメティック・イングレディエント・ディクショナリーおよびハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第8版、2000(ISBN 1-882621-22-0)を引用する。
【0018】
アニオン性、非イオン性、カチオン性および両性または対イオン性界面活性剤は、好ましくは以下の群から選択される。
a)ナトリウムラウリルアルコールジグリコールエーテルスルフェート、12〜18個および好ましくは12〜14個の炭素原子を有するアルキルスルフェートのナトリウムまたはトリエタノールアミン塩、ラウリルまたはテトラデシルエーテルスルフェートのナトリウムまたはトリエタノールアミン塩、アルカノールアミドのスルホコハク酸半エステルの二ナトリウム塩等の、アルキルスルホネート、アルキルスルフェートおよびアルキルエーテルスルフェートのアルカリ、アルカリ土類、アンモニウムまたはアルカノールアミン塩、石けん、およびポリエーテルカルボン酸等の、アニオン性界面活性剤;
【0019】
b)脂肪アルコールのモル当たり40モルまでのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリル、テトラデシル、セチルおよびステアリルアルコール等の、12〜18個の炭素原子を有するエトキシル化脂肪アルコールの単独または混合物、エトキシル化ラノリンアルコール、エトキシル化ラノリン、アルキル基中8〜30個の炭素原子と分子当たり1〜10個のエチレンオキシドユニットを有するエトキシル化アルキルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド並びにエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル等の、非イオン性界面活性剤;
【0020】
c)ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩のクロライドまたはブロマイド、アセチルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマイド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロマイド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドまたはブロマイド、ラウリル-またはセチルピリジニウムクロライド等のアルキルピリジニウム塩、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルスルフェート、例えばアルキルジメチルアミンオキシドまたはアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシド等のアミンオキシド等のカチオン特性を有する化合物等の、カチオン性界面活性剤、および
【0021】
d)イミダゾール、N-アルキルベタイン、N-アルキルアミドベタイン、N-アルキルスルホベタイン、N-アルキルアミノ-プロピオネート、12〜18個の炭素原子を有するアルキルジメチルカルボキシメチルアンモニウム塩ならびに、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の脂肪酸アルキルアミドベタイン等の、両性または対イオン性界面活性剤。
【0022】
即時使用可能な化粧組成物は、少なくとも2つの成分、好ましくは4成分までを、短時間(10秒〜20分、好ましくは5〜20分)、それを毛髪または皮膚に使用する前に混合することにより得られる。即時使用可能な化粧組成物は、2つの成分を使用直前に混合することにより(5分〜20分)、調製することが最も有益である。これらの成分は、溶液またはエマルジョン等の水性組成物の形態で、並びに特にクリーム、ゲルまたはペーストなどの水性基剤に基づく濃縮された形態で存在できる。化粧組成物は、マルチコンポーネントパッケージとして製造されることが都合がよい。
【0023】
即時使用可能な化粧組成物中、化粧成分はこの目的のために通常用いられる量で用いる。例えば、湿潤剤および乳化剤は、約0.2〜約30重量%の濃度で、アルコールは約1〜約80重量%の濃度で、毛髪コンディショニングまたはヘアケア成分は約0.1〜約10重量%の濃度で、および増粘剤は約0.1〜約25重量%の濃度で用いる。
【0024】
本発明の好ましい態様において、化粧組成物は毛髪処理組成物である。本発明の最も好ましい態様において、毛髪処理組成物は、パーマネントウェーブ付のための毛髪固定組成物であって、還元された毛髪繊維を前記毛髪固定組成物で酸化するものである。
【0025】
化粧組成物中で酸化剤として作用するのに必要とされる濃度のデヒドロアスコルビン酸を酵素的に調製するためには、酸素を前記組成物に添加しなければならず、前記組成物は、これをなす場合、水溶液であることが好ましい。これは、空気の存在下に組成物を振とうまたは攪拌することによりなしてよいが、空気などの酸素含有ガス流を、1大気圧または高圧で前記組成物に導入することにより、最も効果的に達成される。前記組成物へ十分量の酸素を導入するための他の適当な方法は、酵素反応が開始される時に酸素を含む泡を生成することである。この目的のために、アニオン性、カチオン性、対イオン性または非イオン性界面活性剤を、前記化粧組成物、好ましくは毛髪固定組成物の成分の少なくとも一つに添加する。
【0026】
酸素は、純粋な酸素ガス;空気;窒素、ヘリウム、アルゴン、フッ化炭化水素、および炭化水素(ブタン、プロパン、イソブタン)等のいずれかの非反応性ガスと共に酸素を含んでいるガス混合物として存在してよい。別法として、酸素とペルフルオロデカリンの、および不均化用触媒と過酸化水素の混合物等、分解して酸素を生じる固体または液体を、酸素の源として用いてよい。酸素はまず、水、水含有界面活性剤およびその他の液体を含む液体媒質に溶解することもできる。特に、高濃度の溶解された酸素を吸収できるフッ素化炭化水素が公知である。そのような酸素溶液は、脂肪酸、高分子量脂肪アルコール、ペトロレウムゼリー、パラフィン油、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールエステルまたはエーテル、またはエタノール、プロパノールおよびイソプロパノール等のアルコール、可溶化剤、バッファー、香油、毛髪コンディショニングまたはヘアケア成分、ラノリン誘導体などの添加剤を含んでもよい。
【0027】
好ましい態様では、成分1は、アスコルビン酸、その誘導体または塩またはその混合物を、好ましくは無水の形態で、または10重量%までの水と共に、粉末、顆粒または錠剤として、またはミクロカプセル化された状態で、またはサスペンションとして含む。成分1は好ましくは粉末形態として使用される。成分1は、さらに少なくとも一つの化粧成分を含んでよい。
【0028】
成分2は好ましくは緩衝化された水性製剤であって、さらに少なくとも一つの化粧成分を含むものである。
アスコルベートオキシダーゼを含む成分3は、水性製剤、粉末その他であり得、前記酵素は固体支持体にまたは溶解性ポリマーに固定できる。
成分4は、存在する場合には、酸素の源または酸素同等物である。
【0029】
好ましくは、初めの3つの成分の少なくとも1つは、毛髪固定組成物のpH調整のためのバッファーを含む。毛髪固定剤として使用できる即時使用可能な化粧組成物のpHは、前記3つの成分を混合した後で、適当なバッファーを用いることにより、約1.5〜約10、好ましくは約3.5〜約8、最も好ましくは約4.5〜約6.5である。
これらの個々の成分を組み合わせて、1または2の多成分混合物から成る固定組成物であって、酸素源と使用直前(10秒〜20分)に組み合わされるものを得ることもできる。
【0030】
本発明の他の好ましい態様では、成分1はバッファーを含む水溶液であり、成分2はアスコルビン酸、その誘導体または塩および/またはその混合物を好ましくは無水の形態で、または10重量%までの水と共に、粉末、顆粒、錠剤として、ミクロカプセル化された状態で、またはサスペンションとして含む。さらに、この成分2はアスコルベートオキシダーゼを、好ましくは無水の形態で、または10重量%までの水と共に、粉末、顆粒または錠剤として、またはミクロカプセル化された状態で、またはサスペンションとして含む。前記2成分の少なくとも一つは、少なくとも一つの化粧成分を含む。
【0031】
本発明の最も好ましい態様では、化粧組成物は、2つの成分を混合することにより調製されるものであって、成分1が、アスコルビン酸、バッファー塩、酵素および化粧添加物である乾燥固体形態の全物質の混合物であり、成分2が水性または水性アルコール組成物、好ましくは水溶液であるものである。成分1および成分2は、前記混合物を酸素と接触させる直前に混合する。
【0032】
以下の段落は、先に記載した4つの別個の成分から成る毛髪固定製剤の記述に関係する反応成分をさらに記載するものである。便宜のため、そのように記載される成分は、先行の段落に記載したように、使用の前に成分混合物として合わせることができる。
毛髪固定組成物の成分の各々は、化粧成分として通常使用される全添加物を含んでよい。
【0033】
毛髪固定組成物の液体水性成分は、水溶液または水性エマルジョンならびに水性基剤において濃縮された形態、特にクリーム、ゲルまたはペーストなどで存在できる。別法として、化学物質、バッファー塩、酵素、安定剤および化粧変性剤(cosmetic modifiers)は、初めは、アスコルビン酸の酸化のために水または他の水性混合物と混合するための粉末、顆粒、樹脂および他の固体上のコーティング等の固体の形態であってよい。
この態様では、固定製剤の成分1は、即時使用可能な固定製剤が(全成分の混合直後)、好ましくは約0.1〜約20重量%、好ましくは約0.5〜約10重量%、および特に約1〜約4重量%のアスコルビン酸またはその誘導体またはその塩またはその混合物を含むように、適当な濃度でアスコルビン酸またはその誘導体またはその塩またはその混合物を含む。
【0034】
不揮発性チオールおよびデフェロキサミンメシレート等の、アスコルベートを安定化する添加剤を、アスコルビン酸またはその誘導体またはその塩またはその混合物ならびに植物油などの液体媒質を含んでいる成分に含めてよい。固体のアスコルビン酸またはアスコルビン酸塩を表面処理またはカプセル化して、貯蔵中の酸化を防いだり、化粧製品中でアスコルビン酸と共に固体混合物中に貯蔵できるアスコルベートオキシダーゼと接触しないようにしてよい。好ましくは、固体のアスコルビン酸は、適当なポリマー、界面活性剤ワックスおよび/または乳化剤および脂肪などの物質で被覆する。
【0035】
アスコルビン酸酸化混合物の最終pHを調整するのに必要とされる化合物は、好ましくは成分2に含まれる。
全成分の混合後の固定製剤のpHは、約1.5〜約10、好ましくは約3.5〜約8、および最も好ましくは約4.5〜約6.5の範囲である。pHは、通常の塩基、酸、および緩衝物質、アンモニア、アルカリヒドロキシド、アルカリカーボネート、アルカリ水素カーボネート、クエン酸バッファー、リン酸およびその塩、クエン酸およびその塩等で調整する。
【0036】
成分3は、酸化のために必要とされる酵素、好ましくはアスコルベートオキシダーゼを含む。
成分4は、アスコルビン酸をデキドロアスコルビン酸に変換するのに必要とされる酸素または酸素同等物を含む。
固定組成物の成分4はさらに、通常の酸化剤、過酸化水素、過酸化物の塩、または臭素酸塩等を追加的に含み得る。
【0037】
固定組成物の成分の各々が、前に列挙したような、毛髪のための化粧製剤において通常使用される成分を含んでよい。これらの添加剤は好ましくは、固定組成物の水性成分2中に、溶液で、または水性エマルジョンとして含まれる。
これらの湿潤剤および乳化剤は、好ましくは、固定製剤の水性成分2に含まれる。
【0038】
アスコルビン酸およびアスコルベートオキシダーゼと適合可能な固体または液体添加剤を、成分1中にアスコルビン酸と共に、またはアスコルベートオキシダーゼ成分3と共に含めることができるが、残る添加剤は好ましくは液体成分2中に含まれる。
固定組成物の適用温度は、約10℃〜約60℃、および好ましくは約20℃〜約55℃および特に30℃〜50℃の範囲である。作用時間は約1分〜約45分、好ましくは約3分〜約25分、および特に5分〜15分の範囲である。
【0039】
アスコルビン酸、その誘導体またはその塩またはその混合物は、成分1において、単独で、または化粧品において通常用いられる添加剤との混合物として、無水媒質中に、好ましくは塵を含まない粉末、顆粒または錠剤として用いる。
アスコルベートオキシダーゼは成分3において、単独で、または化粧品中に通常用いられる成分との混合物として、無水媒質中に、好ましくは塵を含まない粉末、顆粒または錠剤として用いる。
【0040】
即時使用可能な固定組成物を、成分1および成分3を成分2と混合することにより調製する場合、生じた混合物は0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、および最も好ましくは1〜4重量%のアスコルビン酸、その誘導体および/またはその塩を含む。前記混合物は1〜2000ppmのアスコルベートオキシダーゼタンパク質を含む。好ましい態様では、即時使用可能な固定組成物は、2〜500ppmの酵素タンパク質を含む。
【0041】
本発明の更なる対象は、皮膚または毛髪の酸化的処理のための即時使用可能な組成物を調製するための方法であって、以下のステップを含む方法である。
(i)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸の塩から成る群から選択される少なくとも一つの化合物ならびに少なくとも一つの化粧成分を含む成分(A)を提供するステップ、
(ii)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸塩の酵素的酸化を触媒する酵素を含む成分(B)を提供するステップ、
(iii)酸素を含む成分(C)を提供するステップ、
(iv)成分(A)および(B)を約1分〜約20分間、適用前に混合するステップ、
(v)成分(C)を、成分(A)および(B)の混合物と強く混合するステップ。
【0042】
好ましい態様では、本発明は、皮膚または毛髪の酸化的処理のための即時使用可能な化粧組成物を調製するための方法であって、以下のステップを含む方法である。
(i)乾燥固体形態にて、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸塩から成る群から選択される少なくとも一つの化合物;アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸塩から成る前記群の酵素的酸化を触媒する少なくとも一つの酵素;および少なくとも一つの化粧成分、を含む成分(A')を提供するステップ、
(ii)水性または水性アルコール性組成物を含む成分(B')を提供するステップ、
(iii)酸素を含む成分(C')を提供するステップ、
(iv)成分(A')および(B')を約1分〜約20分間、適用前に混合するステップ、
(v)成分(C')を成分(A)および(B)の混合物と強く接触させるステップ。
【0043】
即時使用可能な化粧組成物を調製するための本発明の方法の好ましい態様において、酸素は空気、精製された酸素ガス、酸素ガス含有混合物またはいずれかの他の酸素ガス放出化合物の形態で存在する。
前記ステップ(v)は、加圧された容器中で行うのがさらに好ましい。
【0044】
最も好ましい態様では、ステップ(v)は、酸化された泡を提供するのに適した1またはそれ以上のアニオン性、カチオン性、対イオン性または非イオン性界面活性剤の溶液の存在下で行う。
ステップ(v)における酸素は、酸素含有化合物中で化学的または物理的に結合されていることがさらに好ましい。
【0045】
本発明のさらなる対象は、ケラチンの酸化的処理のための方法であって、以下のステップから成る方法である。
(a)前記のごとく化粧組成物を提供するステップ、
(b)ケラチンに前記化粧組成物を適用するステップ、
(c)前記化粧組成物をケラチンに十分な時間作用させるステップ、および、
(d)ケラチンを濯ぐステップ。
【0046】
ケラチンの酸化的処置のための前記方法の好ましい態様において、前記ケラチンは毛髪である。
本発明のさらなる対象は、永続的な毛髪の形付のための方法であって、毛髪を所望の形状にする前および/または後に、毛髪をケラチンを還元するパーマネント形成剤で、毛髪を形付けるのに十分な時間処理し、濯ぎ、次いで固定剤で酸化的に処理し、濯ぎ、次いでスタイル付をして乾燥する方法であり、前記固定剤を酸化的処理のために用いる方法である。好ましくは、濯ぎは水で行う。
【0047】
永続的に毛髪を形付けるための前記方法の好ましい態様では、前記方法は以下のステップから成る。
a)毛髪を所望の形状にするステップ、
b)ケラチン還元組成物を毛髪に適用し、ケラチン還元組成物を毛髪に、毛髪の永続的な形付けに十分な時間、作用させるステップ、
c)前記適用およびステップb)を行った後、前記毛髪を濯ぐステップ、
d)請求項22に記載の酸化的毛髪固定組成物を提供するステップ、
e)ステップc)の濯ぎの後、前記酸化的毛髪固定組成物を毛髪に適用し、次いで前記酸化的毛髪固定組成物を前記毛髪に、毛髪を所望の形状に固定させるために十分な時間作用させるステップ、および、
f)前記適用、およびステップe)を行った後、毛髪を再び濯ぐステップ。
【0048】
本発明の方法の特別な態様では、毛髪をまずケラチン還元パーマネントウェーブ剤で、前記毛髪を形付けるのに十分な時間処理し、パーマネントウェーブ剤をその後濯ぎ、次いで毛髪を、酸化剤としての前記の、酵素生成されたデヒドロアスコルビン酸、その誘導体および/または塩である固定剤で処理し(前固定)、次いで過酸化水素または臭素酸塩に基づく固定剤で処理する(後処理)。固定剤が、後固定のために、そのような固定剤にとって通常用いられるよりも低濃度−例えば、過酸化水素の濃度がわずか0.1〜1重量%であり、臭素酸塩の濃度がわずか1〜5重量%の濃度である−の酸化剤を含む場合、特に好都合である。
【0049】
好ましい態様では、毛髪を永続的にウェーブ付ける前記方法は、以下のステップから成る。
a)毛髪を所望の形状にするステップ、
b)ケラチン還元組成物を前記毛髪に適用し、前記ケラチン還元組成物を前記毛髪に、パーマネントウェーブ付のために十分な時間作用させるステップ、
c)ステップb)の後、前記毛髪を濯ぐステップ、
d)請求項22に記載の酸化的毛髪固定組成物を提供するステップ、
e)ステップc)の濯ぎの後、前固定組成物として前記酸化的組成物を毛髪に適用し、前記酸化的前固定組成物を毛髪に、毛髪を前固定するのに十分な時間作用させるステップ、および
f)ステップe)の毛髪の前固定の後、毛髪を、0.1〜1重量%の過酸化水素または1〜5重量%の臭素酸塩を酸化剤として含有する、毛髪を後固定するための酸化的後固定組成物で処理するステップ。
【0050】
本発明による方法に関し、毛髪は洗浄し、タオルでマッサージし、任意にケラチン還元パーマネントウェーブ剤の一部で予め湿らせ、個々の束に分け、カーラーに巻く。パーマネントウェーブ付が所望されるか、毛髪が伸長されるかのいずれかにより、カーラーの直径は約5〜13mmまたは約15〜35mmである。パーマネントウェーブ付に十分な剤の量を、次いでカーラー中の毛髪に適用する。パーマネントウェーブ付けに必要とされる剤のトータル量は、概して、約80g〜約100gである。
【0051】
本発明の方法に用いることができるパーマネントウェーブ剤は、通常、所定のチオール化合物、特にチオグリコール酸、チオグリセリン、システイン、システアミン並びにメルカプトカルボン酸の塩またはエステル等のケラチン還元化合物を含む。これらのパーマネントウェーブ剤は前記ケラチン還元化合物を、そのような剤に通常用いられる量で含む。例えば、チオグリコール酸またはチオ乳酸のアンモニウム塩は、約2〜12重量%の量で含まれる。これらのパーマネントウェーブ剤のpHは概して、約7〜11である。pHは好ましくは、アンモニア、モノエタノールアミン、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムで調整する。パーマネントウェーブ剤を、例えば6.5〜6.9の酸性pHに調整する場合、好ましくは、モノチオグリコール酸グリコールエステルまたはグリセリンエステル等のメルカプトカルボン酸のエステルを、約2〜約25重量%の濃度で用いる。
【0052】
パーマネントウェーブ剤はさらに、そのような剤に通常用いられる全添加剤、膨潤物質、浸透物質、増粘剤、湿潤剤および乳化剤、アルコール、可溶化剤、安定剤、色素、香油ならびに毛髪コンディショニングまたはヘアケア成分などを含んでよい。前記添加剤は、そのような目的のために通常用いられる量で用いる。例えば、湿潤剤および乳化剤は、約0.2〜30重量%の濃度で用い、増粘剤は、パーマネントウェーブ剤中、約0.1〜25重量%の量で含まれ得る。
【0053】
本発明の方法で用いられる還元剤は、水溶液またはエマルジョンならびに、水性基剤において濃縮された形態で、特にクリーム、ゲルまたはペーストとして、またはエアゾールフォームの形態で存在してよい。
パーマネントウェーブ付に十分な作用時間であって、毛髪の特性、還元剤のpHおよび有効性、ならびに適用温度および量に依存する、5〜45分の作用時間(熱を用いて5〜30分間;熱を用いずに20〜45分間)の後、毛髪を水で濯ぎ、次いで50g〜350g、および好ましくは80g〜200gの前記即時使用可能な固定製剤で酸化的に処理する。
【0054】
固定組成物を1〜45分間、好ましくは3〜25分間、および特に5〜15分間作用させた後、カーラーを外し、巻かれていない毛髪を所望により再び固定剤で酸化的に処理する。毛髪を次いで好ましくは水で濯ぎ、スタイル付し、次いで乾燥する。
【0055】
このように処理した毛髪の形状は一様に変更され、新規な形状が、繰り返されたパーマネントウェーブ処理の後に徐々に持続するようになる。デヒドロアスコルビン酸で固定された毛髪と対照的に、過酸化物で固定された毛髪は、赤および黄色の範囲に明らかに認めることができる色の変化を有し、本発明による固定剤の使用の評価は、非処理の毛髪房の範囲内にある。加えて、デヒドロアスコルビン酸で固定された毛髪のシステイン酸含量は、過酸化水素および臭素酸塩に基づく固定剤で処理した毛髪のものよりも明らかに少ない。加えて、本明細書中に記載する固定剤での酸化は、不快なメルカプタン臭を生じない。
【0056】
進歩性ある剤として本明細書中に記載する、酵素生成されたデヒドロアスコルビン酸を用いて達成される毛髪の損傷の低下に関する顕著な効果は、先の特許出願米国特許出願第6,506,373号に記載される、デヒドロアスコルビン酸を用いて達成されるものに匹敵する。
【0057】
過酸化物および臭素酸塩の場合、酸化的毛髪損傷が生じるが、デヒドロアスコルビン酸の使用では酸化的損傷は生じない。房の束引っ張り強度は、デヒドロアスコルビン酸を酸化剤として用いる場合、ウェーブ付処理の回数の増加と共に低下しなかったが、これは、繰り返し用いる場合でも、毛髪損傷の増加が認められなかったことを示す。臭素酸塩または過酸化物の反復使用の場合には、房の束引っ張り強度は低下し、これは、臭素酸塩または過酸化物により引き起こされる増加した毛髪損傷の証拠である。
【0058】
実施例
[実施例1]
ウェーブの強度の比較
ウェーブの強度を、還元された毛髪への適用の前に即時作製で酵素生成されたデヒドロアスコルビン酸で固定されたパーマネントウェーブの毛髪の房を用いて、視覚的に評価した。形成された明らかに決定されたウェーブの房を、(対照としての)購入品のデヒドロアスコルビン酸で固定された毛髪の房および、バッファーで固定された他の毛髪の房を用いて決定されたものと比較した。この目的のために、予め脱色して損傷された、中央ヨーロッパ人の毛髪の房であって16.5cmの長さのものを、湿った条件下で標準的なスパイラルカーラーに巻き、環境を制御した室内(温度;20℃、空気湿度:65%)でのコンディショニングの後、pH8に設定した9.5重量%アンモニウムチオグリコレート含有溶液で処理した。適用するウェーブ溶液の量は、1:1.2(毛髪1g:ウェーブ溶液1.2ml)の比率と見積もった。この比率は、頭当たり約30gの平均重量の毛髪を有する頭当たり50mlのパーマネントウェーブ溶液に対応する。反応時間は20分間に設定し、反応温度は45℃であった。
【0059】
その間、デヒドロアスコルビン酸を、以下の成分を、以下に記載するような適当な方法で混合することにより、酵素生成した。
成分1
2.50 g アスコルビン酸、無水粉末
成分2
0.50 g PEG-40硬化ヒマシ油
0.20g 香油
ホスフェートバッファーを5.5のpHまで
96.50g 水
【0060】
成分3
0.05g 凍結乾燥したアスコルベートオキシダーゼ
0.20g ポリエチレングリコール2000
成分4
4〜6リットルの常圧の空気
【0061】
2.5gのアスコルビン酸(無水粉末)から成る成分1を成分2(前記の追加的化粧成分を含むpH6に調整した水溶液)に希釈した。次いで(前記の50mgの凍結乾燥したアスコルベートオキシダーゼを含む)成分3を添加し、約6リットルの空気を前記溶液に10分間以上通気して泡立てることにより泡を形成した。10分後、即時使用の固定組成物中のデヒドロアスコルビン酸の濃度は1.5重量%であった。次いで還元された毛髪の房をこの組成物で処理した。
【0062】
次いで、さらなる還元された毛髪の房を、ホスフェートバッファー溶液(0.1モル/lのホスフェートバッファー、pH5.5)、および対照測定用の2.5%の購入品デヒドロアスコルビン酸の緩衝化水溶液(追加的に0.1モル/lのホスフェートバッファー、pH5.5を含む)で処理した。還元された毛髪の房を約1cmの直径のカーラーに巻き、次いで前記固定溶液に3分以上浸し、さらに7分間溶液から出して、毛髪上に固定製剤を付着させた状態で保管した。さらにカーラー上で水で濯ぎ、乾燥した。次いでカーラーを外し、毛髪の房を4時間、水浴(水浴温度:40℃)中に浮遊させた。次いで毛髪の房を、環境を制御した室内(温度:20℃、空気湿度:65%)に掛け、12時間後、生じたカールを視覚的に評価した。本発明により酵素生成されたデヒドロアスコルビン酸で処理した毛髪の房および、購入品のデヒドロアスコルビン酸で処理した毛髪の房の両方が十分にカールに変形され、これらのカールの長さは等しく、適用前に酵素生成したデヒドロアスコルビン酸および購入品のデヒドロアスコルビン酸の同様の効能が示されたことが明示された。
【0063】
先にバッファーで処理した毛髪の房のカール変形は、もっと弱かった。これらの毛髪の房は、デヒドロアスコルビン酸を含有している製剤で先に処理したものと比較して長さがもっと長かった。この実験結果から、デヒドロアスコルビン酸は、酸化剤として作用することにより毛髪を固定でき、一方で、純粋なバッファーは酸化剤を全く添加しなかったために、固定しなかったと結論づけられた。
これは、デヒドロアスコルビン酸の固定効果に関する追加的な証拠であり、広範な研究により先に得られた結果(米国特許第6,505,373号)に完全に従うものである。特に、酵素的に適用前に作製されたデヒドロアスコルビン酸が、購入品のデヒドロアスコルビン酸から我々が知るもの(米国特許第6,505,373号)と同程度の優秀性で、還元された毛髪を固定できることを示す。
【0064】
[実施例2]
毛髪サンプルをまず調製し、実施例1に記載のごとく還元した。固定剤デヒドロアスコルビン酸を酵素的に作製するための反応を、本実施例にて特定する成分1〜3を、実施例1に記載の方法で、混合することにより行う。混合は、耐圧性の缶の中で行う。25℃で10バールの圧力を有する加圧空気を前記液体溶液と、凡そ一定の圧力で作用させることにより、10分間以上接触させた。
【0065】
成分1
2.50 g アスコルビン酸、無水粉末
成分2
0.50 g PEG-25 ステアレート
0.20g 香油
ホスフェートバッファーを4.5のpHまで
96.50g 水
【0066】
成分3
0.02g アスコルベートオキシダーゼ
0.30g ポリエチレングリコール350
成分4
250mlの8バールで圧縮された空気
【0067】
即時使用可能な固定剤のpHをホスフェートバッファーで4.5の値に調整する。次いで還元された毛髪の房を水で濯ぎ、酵素生成デヒドロアスコルビン酸を多量に含む製剤で処理した。これによれば、カーラーに巻いた、還元された毛髪の房を固定溶液に3分以上浸し、さらに7分間、溶液から出した状態で放置し、その後、カーラーを水で濯ぎ、次いで乾燥した。
【0068】
次いで毛髪の房を、環境を制御した室内(温度:20℃、空気湿度:65%)掛け、12時間後、生じたカールを視覚的に評価した。
このように処理された毛髪は、1ヶ月以上、優れた変形およびカールの持続を示し、優れた全般的状態を示し、脱色されず、いかなる不快メルカプタン臭もなく、カールは数ヶ月以上安定である。
【0069】
[実施例3]
毛髪サンプルをまず調製し、実施例1に記載のごとく還元する。固定組成物デヒドロアスコルビン酸を酵素的に作製するための反応を、本実施例にて特定する成分1および2を、泡を作製するための装置を備えた耐圧性の缶の中で混合することにより行う。前記即時使用可能な固定剤のpHは、ホスフェートバッファーで4.5の値に調整する。次いで泡を加圧空気(25℃で10バールの圧力)を用いて、適当な出口を用いて作製する。10分の反応時間の後、生じた製剤は多量の酵素生成されたデヒドロアスコルビン酸を含む。
【0070】
成分1
0.20g PEG-40 ステアレート
0.10g ラウリル硫酸ナトリウム
0.20g 香油
ホスフェートバッファーを4.5のpHまで
96.0 0g 水
【0071】
成分2
0.02g アスコルベートオキシダーゼ、凍結乾燥粉末
5.00g セテアレス-12被覆アスコルビン酸、乾燥粉末
成分3
25℃で10バールの圧力の空気
【0072】
固定のために、カーラーに巻いた還元された毛髪の房を固定溶液に3分以上浸し、さらに7分間、溶液から出し、毛髪上に固定組成物を付着させた状態で保管した。次いで、毛髪サンプルを水で濯ぎ、カーラー上で乾燥した。
乾燥した毛髪の房を、環境を制御した室内(温度:20℃、空気湿度:65%)に掛け、12時間後、生じたカールを視覚的に評価した。
このように処理した毛髪は、数ヶ月以上、優れた変形および耐久性を示し、脱色されず、不快なメルカプタン臭がない。
【0073】
[実施例4]
毛髪サンプルをまず調製し、実施例1に記載のように還元する。固定剤デヒドロアスコルビン酸を酵素的に作製するための反応を、本実施例において特定される成分1〜4を、実施例1に記載の方法で混合することにより行う。即時使用可能な固定剤のpHを、ホスフェートバッファーで4.5の値に調整する。12分の反応時間の後、適当な量のデヒドロアスコルビン酸が作製され、固定製剤を還元された毛髪に適用できる。
【0074】
成分1
2.50 g アスコルビン酸、無水粉末
成分2
0.50 g PEG-25 ステアレート
0.20g 香油
ホスフェートバッファーを4.5のpHまで
96.50g 水
【0075】
成分3
0.02g アスコルベートオキシダーゼ、凍結乾燥粉末
0.30g ポリエチレングリコール350
成分4
1.5g 62.5重量%のペルフルオロデカリンおよび37.5重量%の酸素から成るFiflow PB 140(Creatin Couleurs Company)
【0076】
還元された毛髪の房を水で濯ぎ、次いで酵素的に作製されたデヒドロアスコルビン酸を多量に含む製剤で処理した。これによれば、カーラー上に巻いた還元された毛髪の房を固定溶液に3分以上浸し、さらに7分間、溶液から出し、毛髪上に固定製剤を付着させた状態で保管した。さらにカーラー上で水で濯ぎ、次いで乾燥した。次いで毛髪の房を、環境を制御した室内(温度:20℃、空気湿度:65%)に掛け、12時間後、生じたカールを視覚的に評価した。
このように処理された毛髪は、数ヶ月以上、優れた変形およびカールの持続性を示し、優れた全般的状態を示し、脱色されず、不快なメルカプタン臭が全くない。
【0077】
[実施例5]
毛髪サンプルをまず調製し、実施例1に記載のように還元する。固定剤デヒドロアスコルビン酸を酵素的に作製するための反応を、本実施例に特定する成分1および2を混合し、次いで6リットルの空気(成分3)を、10分間以上前記溶液に通気して泡立たせることにより行う。即時使用可能な固定剤のpHをホスフェートバッファーで4.5の値に調整する。10分の反応時間の後、適当な量のデヒドロアスコルビン酸が生じ、固定製剤を還元された毛髪上に適用できる。
【0078】
成分1
0.20 g PEG-40 ステアレート
0.10g ラウリル硫酸ナトリウム
0.20g 香油
ホスフェートバッファーを4.5のpHまで
96.0 0g 水
【0079】
成分2
0.020g PEG5000被覆凍結乾燥アスコルベートオキシダーゼ
5.000g アスコルビン酸、乾燥粉末
成分3
6リットルの常圧の空気
【0080】
固定のために、カーラーに巻いた、還元された毛髪の房を固定溶液に3分以上浸し、さらに7分間、溶液から出し、毛髪上に固定製剤を付着させた状態で保管した。次いで毛髪サンプルを水で濯ぎ、カーラー上で乾燥した。乾燥した毛髪の房を、環境を制御した室内(温度:20℃、空気湿度:65%)に引っ掛け、12時間後、生じたカールを視覚的に評価した。
このように処理した毛髪は、数ヶ月以上、優れた変形とカールの安定性を示し、脱色されず、不快なメルカプタン臭がない。
【0081】
[実施例6]
0.620gのアスコルビン酸、0.435gのK2HPO4および水から溶液を調製し、pH4.55の、25mlの緩衝化2.5重量%アスコルビン酸溶液を得た。(〜20ppmの)酵素タンパク質を得るために、27℃の温度でズッキーニアスコルベートオキシダーゼの溶液を添加し、次いで、酸素ガスの急流を、2つのポリエチレンフリットフィルターを通して導入する。30分の間隔で一部を取り出して希釈し、0.2MのHCl(ε245=104M-1)を用いたさらなる希釈の後アスコルビン酸に関して、およびデヒドロアスコルビン酸に関してアッセイする。10分後、デヒドロアスコルビン酸の濃度は約1重量%であった。30分後、溶液のpHは6.3であり、酸素流を遮断する。
【0082】
実施例1で予め調製した、洗浄した、還元された毛髪の3つのサンプルを、前記溶液で45℃にて15分間処理し、次いで固定された毛髪サンプルを水で完全に濯ぎ、乾燥した。同一の酵素反応混合液を酸素で10分間だけ処理した後、45℃でより還元された3つの毛髪サンプルを固定するのに使用する(15分間)。固定され、濯ぎ、そして乾燥した毛髪サンプルを温水浴(40℃)中に、標準化されたウェイト(100mg)を毛髪の房の各セットの下に付けてつるした。カールした毛髪の形および長さの変化を、4時間以上ビデオカメラを用いてモニターする。
パーマネントウェーブの基準を並行に、市販の2.5重量%のビスデヒドロアスコルビン酸および標準的な過酸化物製剤を固定剤として、やはり45℃にて用いて調製する。各サンプルのカールの安定性を、標準的な方法(米国特許第6,153,180をご参照)による伸長の程度により判断する。4時間後、市場入手可能なデヒドロアスコルビン酸および酵素生成したデヒドロアスコルビン酸を用いて処理した毛髪サンプルの平均的なカール安定性は、実験誤差の範囲内で同じであった。
【0083】
[実施例7]
2つの酵素反応混合物を実施例6のごとく調製し、0.1%のラウリルエーテルスルフェート(Texapon N25)および0.5%ポリエチレングリオール変性ヒマシ油(Cremophor RH40)を、一混合物に各々添加した。20分後、各溶液を用いて還元された毛髪サンプルを固定し、カールの安定性を先のごとく測定した。
【0084】
[実施例8]
0.5%のCremophor RH40を含む、実施例6のごとく調製した3つの酵素反応溶液を、2cmのマグネチック攪拌棒を入れた6cmの直径のガラス製加圧容器(Ace Glass Co. Cat#8648-140)に入れ、次いで酸素を4バールの圧力で導入し、混合液を激しく攪拌した。圧力を解除し、デヒドロアスコルビン酸の濃度を特定の時間で測定する。
4時間後、市場入手可能なデヒドロアスコルビン酸および実施例8に従い酵素生成したデヒドロアスコルビン酸で処理した毛髪サンプルの平均カール安定性値は、実験誤差の範囲内で同じであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体またはアスコルビン酸の塩から成る群から選択される少なくとも一つの化合物、
(b)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体またはアスコルビン酸の塩から成る前記群の酵素的酸化を触媒する酵素、
(c)少なくとも一つの化粧成分
から成る化粧組成物。
【請求項2】
pHが1.5〜10である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
pHが3.5〜8である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が毛髪処理組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記酵素が酸素を利用するアスコルベートオキシダーゼから選択されるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記酵素が酵素委託分類[1.10.3.3]に属するものである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記酵素が植物起源のものである、請求項5または請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記酵素が、アラビドプシス、ブラシカ、ククミス、ククルビタ、ミロテシウム、ニコチアナ、オリザ、シナピス、チチカム種由来のものである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記酵素がククルビタ・ペポ・メドゥローサ(ズッキーニ)由来のものである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記酵素が、培養細胞または、前記酵素の遺伝子が由来する生物体以外の生物体中に発現されるクローン化された酵素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記酵素が細菌または酵母培養物中に発現されるものである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記酵素が細菌または真菌種由来のものである、請求項10または請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記酵素が、バッファー、グリセロール、ポリヒドロキシ化合物、金属キレート剤、チオール、ポリエチレングリコールおよび非反応性タンパク質から成る群から選択される物質により安定化されるものである、請求項5〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記酸素が固定化により安定化されるものである、請求項5〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記固定化が、表面-変性シリカ、アルミナ、ガラス、オキシラン-変性ポリメタクリレート、カルボキシアルキルセルロース、アミノアルキルシリカ、アミノアルキルガラス、アミノアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ジアルキルアミノ置換セルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、デキストラン、ゼラチンまたはウリカーゼの微粒子から成る群から選択される固体支持体に前記酵素を共有結合することによりなされるものである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記酵素が1〜10000ppmの濃度で含まれ、当該濃度が、前記組成物の全成分を混合直後の即時使用可能な組成物中のアスコルベートオキシダーゼの濃度である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記酵素が10〜1000ppmの濃度で含まれ、当該濃度が、前記組成物の全成分を混合直後の即時使用可能な組成物中のアスコルベートオキシダーゼの濃度である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体および/またはアスコルビン酸の塩が、無水粉末、顆粒、被覆された物質、錠剤として、またはミクロカプセル化された状態で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記化粧成分が、ベントナイト、カオリン、脂肪酸、スターチ、グアーガム、高分子量の脂肪アルコール、ポリアクリル酸およびその誘導体、セルロース誘導体、アルギネート、ワセリン、パラフィンオイルなどの増粘剤、脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルフェート、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、エトキシル化アルキルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド、またはエトキシル化脂肪エステルなどのアニオン性、カチオン性、両性、または非イオン性界面活性剤のクラスからの湿潤剤または乳化剤、さらに、ポリエチレングリコールエステル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、1,2-または1,3-ジヒドロキシ-プロパン、1,2-、1,3-または1,4-ジヒドロキシ-ブタン、1,2-、1,3-、1,4-または1,5-ジヒドロキシ-ペンタンおよびグリセリンなどのポリオールなどのアルコールなどの乳白剤、D-グルコース等の糖、可溶化剤、安定剤、緩衝物質、香油、色素並びに、カチオンポリマー、シリコンポリマー、カチオン性シリコンポリマー等の毛髪コンディショニングおよびヘアケア成分、UV-フィルター、ベタイン、ラノリン、ラノリン誘導体、タンパク質誘導体、およびタンパク質加水分解物、アミノ酸、コレステロール、パントテン酸、ビタミン、プロビタミンおよび植物抽出物から成る群から選択されるものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体および/またはアスコルビン酸の塩が、即時使用可能な組成物中に約0.1〜約20重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体および/またはアスコルビン酸の塩が、即時使用可能な組成物中に約0.5〜約10重量%の濃度で存在する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記化粧組成物が、毛髪を永続的に形付けるための毛髪固定組成物である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が水溶液である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
皮膚または毛髪の酸化的処理のための即時使用可能な化粧組成物を調製するための方法であって、
(i)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸の塩から成る群から選択される少なくとも一つの化合物ならびに少なくとも一つの化粧成分を含む成分(A)を提供するステップ、
(ii)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸の塩の酵素的酸化を触媒する酵素を含む成分(B)を提供するステップ、
(iii)酸素を含む成分(C)を提供するステップ、
(iv)成分(A)および(B)を約1分〜約20分間、適用前に混合するステップ、
(v)成分(C)を、成分(A)および(B)の混合物と強く混合するステップ、
のステップから成る方法。
【請求項25】
皮膚または毛髪の酸化的処理のための即時使用可能な化粧組成物を調製するための方法であって、
(i)乾燥固体形態にて、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸の塩から成る群から選択される少なくとも一つの化合物;アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびアスコルビン酸の塩から成る前記群の酵素的酸化を触媒する少なくとも一つの酵素;および少なくとも一つの化粧成分、を含む成分(A')を提供するステップ、
(ii)水性または水性アルコール性組成物を含む成分(B')を提供するステップ、
(iii)酸素を含む成分(C')を提供するステップ、
(iv)成分(A')および(B')を約1分〜約20分間、適用前に混合するステップ、
(v)成分(C')を成分(A)および(B)の混合物と強く接触させるステップ、
のステップから成る方法。
【請求項26】
前記酸素が、空気、精製された酸素ガス、酸素含有混合物またはいずれかの他の酸素ガス放出化合物の形態で存在する、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(v)を加圧された容器中で行う、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ステップ(v)を、酸化された泡を提供するのに適した1種またはそれ以上のアニオン性、カチオン性、対イオン性または非イオン性の界面活性剤の溶液の存在下で行う、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項29】
ステップ(v)における前記酸素が、酸素含有化合物中で化学的または物理的に結合しているものである、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項30】
ケラチンの酸化的処理のための方法であって、
(a)請求項1〜23のいずれか1項に記載の前記化粧組成物を提供するステップ、
(b)ケラチンに前記化粧組成物を適用するステップ、
(c)前記化粧組成物を前記ケラチンに十分な時間作用させるステップ、および、
(d)前記ケラチンを濯ぐステップ、
のステップから成る方法。
【請求項31】
前記ケラチンが毛髪である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記酸化的処理が、毛髪を永続的に形付けるプロセスにおける、還元された毛髪の酸化的後処理である、請求項30または請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(c)における十分な時間が、約5分〜約25分である、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
毛髪を永続的に形付けるための方法であって、
a)毛髪を所望の形状にするステップ、
b)ケラチン還元組成物を前記毛髪に適用し、前記ケラチン還元組成物を前記毛髪に、前記毛髪の永続的な形付けに十分な時間、作用させるステップ、
c)前記適用およびステップb)を行った後、前記毛髪を濯ぐステップ、
d)請求項22に記載の酸化的毛髪固定組成物を提供するステップ、
e)ステップc)の濯ぎの後、前記酸化的毛髪固定組成物を毛髪に適用し、次いで前記酸化的毛髪固定組成物を前記毛髪に、前記毛髪を所望の形状に固定させるために十分な時間作用させるステップ、および、
a)前記適用、およびステップe)を行った後、前記毛髪を再び濯ぐステップ、
のステップから成る方法。
【請求項35】
毛髪を永続的にウェーブ付ける方法であって、
a)毛髪を所望の形状にするステップ、
b)ケラチン還元組成物を前記毛髪に適用し、前記ケラチン還元組成物を前記毛髪に、パーマネントウェーブ付のために十分な時間作用させるステップ、
c)ステップb)の後、前記毛髪を濯ぐステップ、
d)請求項22に記載の酸化的毛髪固定組成物を提供するステップ、
e)ステップc)の濯ぎの後、前固定組成物として前記酸化的組成物を毛髪に適用し、前記酸化的前固定組成物を前記毛髪に、前記毛髪を前固定するのに十分な時間作用させるステップ、および
f)ステップe)の毛髪の前固定の後、前記毛髪を、0.1〜1重量%の過酸化水素または1〜5重量%の臭素酸塩を酸化剤として含有する、毛髪を後固定するための酸化的後固定組成物で処理するステップ、
のステップから成る方法。
【請求項36】
前記酸化的前固定組成物が溶液であり、3.5〜9のpHを有するものである、請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2007−509098(P2007−509098A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536011(P2006−536011)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011592
【国際公開番号】WO2005/039510
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】