毛髪処理方法及びキット
毛髪の美容処理方法であって、毛髪を研磨することができる研磨手段を用いて毛髪を研磨するステップと、毛髪の研磨前、研磨後及び/又は研磨中に美容処理用プロダクトを毛髪に塗布するステップとを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
毛髪は、化学的処理、例えば毛染め若しくはパーマネントウェーブ(パーマがけ)又は機械的応力、例えばブラッシング(毛髪のほぐし)若しくはブロー仕上げによってダメージを受ける場合がある。毛髪の特にキューティクルの、即ち鱗状構造を備えた毛髪の外側層の表面の機械的性質、形態学的性質及び物理化学的性質は、かかる化学的処理や機械的応力によって改質される。特に、応力に関するかかる処理の実施中、キューティクルの鱗片は、持ち上がり状態になり、これらの通常は規則的な辺縁部がギザギザ状態になる。かかる劣化は、幾つかの結果をもたらす場合がある。第1に、毛髪は、滑らかさが少なくなり、ほぐしにくくなる。第2に、毛髪処理用配合物、例えばコンディショナ中の活性剤が毛髪上に非一様に付着するという恐れが生じる。活性ケア剤を毛髪に一様に施すことが望ましいといえる。
【0002】
ケア製品を毛髪に塗布し又は施すことにより傷んだ毛髪をケアすることが知られており、かかるケア製品としては、特定のポリマー、例えばシリコーン又は陽イオン性充填剤を含むポリマーが挙げられる。それにもかかわらず、このように処理された毛髪に対する改善策は、一時的なものに過ぎない。というのは、ケア製品が毛髪上にいったん存在しなくなると、例えば、毛髪を1回又は2回以上洗った後では、毛髪は、その元の状態に戻るからである。
【0003】
欧州特許第1283019号明細書は、物品、例えばゴム又はポリオレフィンから成る凸状要素を備えた表面模様付き拭い取りを開示している。この物品は、例えば皮膚の表層を剥離するために用いられる。
【0004】
欧州特許第1577161号明細書は、歯を有する剛性のくしを記載しており、これら歯は、毛髪中に存在するニットを捕まえてこれらを除去するよう歯に或る大きさの粗さを与えるよう模様付けされた端部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1283019号明細書
【特許文献2】欧州特許第1577161号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
毛髪、特に表面が痛んだ毛髪を長持ちするよう処理することができる方法及びキットの恩恵を受けることが要望されている。
本発明は、多くの目的のうちでとりわけ、この要望を満足させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、毛髪の美容処理方法であって、
・毛髪を研磨することができる研磨手段を用いて毛髪を研磨するステップと、
・毛髪の研磨前、研磨後及び/又は研磨中に美容処理用配合物を毛髪に施すステップとを有することを特徴とする方法によってこの要望を達成する。
【0008】
本発明の方法のステップは、単一のセッションで、例えば1時間の期間で実施可能である。美容処理用配合物を毛髪の研磨前に毛髪に施すと、かかる配合物は、毛髪が研磨されている間でも依然として存在する。この配合物を毛髪の研磨後に施す場合、研磨の直後に、単一のセッション中、例えば1時間以下の期間内に行われる。
【0009】
本発明の別の目的は、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50マイクロメートル(μm)以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有することを特徴とする方法を提供することにある。
【0010】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施され、一房の毛髪に対するパスの回数は、6回以上であり、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にあることを特徴とする方法を提供する。
【0011】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、この方法は、ヘアケア配合物による処理後に、毛髪に後処理を施すステップを含み、後処理は、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択されることを特徴とする方法を提供する。
【0012】
本発明は又、毛髪を滑らかにする方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有することを特徴とする方法を提供する。
【0013】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、研磨固体粒子は、配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある含有率を有すると共にモース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有することを特徴とする方法を提供する。
【0014】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪を連続的に施される2種類のヘアケア配合物で研磨する2つの研磨ステップを有し、各ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、2種類のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法は、互いに異なることを特徴とする方法を提供する。
【0015】
本発明により、毛髪をコンディショナ、カラー、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、漂白配合物又は他の何らかの配合物を施すことによりヘアケア後処理のために準備することができる。この方法は、本発明のヘアケア配合物による処理後に、毛髪に後処理を施すステップを更に有するのが良く、後処理は、毛髪のためのコンディショナの塗布、くせ取り剤の塗布、着色配合物の塗布又は漂白配合物の塗布から選択され、このリストは、本発明を限定するものではない。
【0016】
毛髪研磨
【0017】
本発明により、キューティクルによって構成されている毛髪の表面を滑らかにすることができる。
本発明の実施によって行われる毛髪の研磨は、毛髪の初期状態及び/又は所望の結果に応じて程度の差があれ、ほぼ完全であるのが良い。
【0018】
毛髪を研磨する度合いを調整するため、例えば、毛髪研磨の持続時間を変化させることが可能である。研磨は、比較的穏やかであり且つ/或いは次の機械的応力印加及び処理、例えばヘアスタイリング中の切れ毛の発生を回避するよう短い持続時間のものであるのが良い。
【0019】
本発明により、毛髪を目で見て分かるほど滑らかにすることができ、しかも処理の効果は、長持ちがする。毛髪から研磨に先立って毛髪の表面に存在している場合のある付着物を除くことができ、キューティクル中の鱗片の辺縁部をより規則的にすることができる。
さらに、処理後、毛髪の或る特定の性質を補強し又は毛髪の外観を変更する配合物は、研磨後の毛髪中に容易且つ深く侵入することができる。
【0020】
研磨粒子
【0021】
毛髪は、研磨粒子を以下に記載する種々の仕方で毛髪に当てることにより研磨されるのが良い。
【0022】
固体粒子は、特に鉱物又は野菜由来の天然粒子又は合成材料から選択可能である。研磨粒子は、以下のもの、即ち、
・無機及び/又は金属粒子、例えば窒化硼素、特に体心立方形態の窒化硼素(Borazon(登録商標))、アルミノ珪酸塩、ジルコン、アルミニウムの混合酸化物、例えばエメリ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、例えばアルミナ、コランダム、酸化チタン、酸化チタン被覆マイカ、カーバイド、特に炭化珪素(カーボランダム)又は他の金属酸化物、金属及び金属合金、例えばアイアンショット、スチールショット、特にパーライトショット、シリケート、例えばガラス、石英又は砂、炭化カルシウム(例えば、ボラ・ボラ・サンド(bora bora sand)又はローズ・ド・ブリグノール・サンド(rose de Brignoles sand))又は炭酸マグネシウム、軽石、非晶質シリカ、ダイヤモンド、セラミックス、
・有機粒子、例えば果実の種、特にアンズの種、例えばScrubami(登録商標)アンズ、木材セルロース、特に粉砕竹茎、やしの殻、例えばココナッツ表層剥離剤、ポリアミド、特にナイロン‐6、及び
・有機及び無機化合物を組み合わせた混合粒子及び上述の化合物で被覆された粒子から選択されるのが良く、このリストは、本発明を限定するものではない。
【0023】
研磨粒子は、オプションとして、水溶性であるのが良い。
研磨粒子が、10ナノメートル(nm)から800μmまでの範囲、好適には50nmから500μmまでの範囲にある平均寸法を備えるのが良い。本発明の意味における「寸法」という用語は、粒子の最大寸法として理解されるべきである。本発明の意味における「平均寸法」という用語は、D50と呼ばれる半母集団における統計学的粒度分布によって与えられる寸法であると理解されるべきである。実現される粒子までの範囲に応じて、平均寸法は、スクリーン又はレーザ粒度分析(グラニュロメトリ)を用いることによって決定できる。
【0024】
研磨粒子は、野菜又は合成由来のものであるのが良く、かかる研磨粒子は、平べったい形状、球形、細長い形状、多面体形状又は不規則な形状のものであって良い。研磨粒子は、例えば、軽石、粉粒、ダイヤモンド粉末、果実の粉末状種、粉末状ココナッツの殻、マイクロビーズ、例えばアルミナ、ガラス又はポリアミド、特にナイロン‐6のマイクロビーズ、繊維、特にポリアミド繊維或いは木材セルロースの硬質繊維に由来するものであっても良い。研磨粒子にはセラミックスが含まれないのが良い。
【0025】
研磨粒子の硬度は、モース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上であるのが良い。
【0026】
次は、用いられるのに適した様々な種類の研磨粒子を記載した非限定的な表である。
【表1】
【0027】
研磨面
【0028】
一例を挙げると、研磨手段は、少なくとも2つの向かい合った表面を有し、表面のうちの少なくとも一方は、研磨性であり、互いに向かい合った表面は、研磨中、毛髪と接触状態にあり、向かい合った表面のうちの少なくとも一方は、研磨によって毛髪に作用する。
【0029】
各研磨面の粗さ又はでこぼこの度合いは、例えば、P12からP2500までの範囲にある粒度を有する研磨面の粗さに相当しており、粗さは、規格ISO6344‐1、ISO6344‐2及びISO6344‐3を用いて定められる。
【0030】
研磨面は、媒体に取り付けられた研磨粒子を有するのが良い。かかる状況のもとでは、研磨粒子は、例えば、第1の材料を有するのが良く、研磨粒子は少なくとも一部が、少なくとも研磨粒子に接触する媒体の部分が第1の材料とは異なる第2の材料によって構成された媒体に取り付けられるのが良い。
【0031】
研磨粒子は、種々の手段により媒体に取り付けられるのが良く、例えば、研磨粒子は、媒体に接着されるのが良く又は充填剤の形態で媒体内に分布して設けられるのが良い。研磨粒子は、研磨粒子が処理中、媒体から離脱状態にならないよう媒体に取り付けられるのが良い。
【0032】
互いに異なる研磨特性を呈する複数の研磨面が特に同一の包装材に入れた状態でユーザに一緒に提案されるのが良い。研磨面が研磨粒子を含む場合、それにより、例えば、ユーザは、比較的粗い粒子で第1の処理を実施し、次に細かい粒子で第2の処理を実施することができる。
【0033】
向かい合った表面の全ては、研磨性であるのが良い。これは、処理の持続時間を短縮すると共に/或いは毛髪を一様な仕方で処理するのに役立ち得る。変形例では、表面のうちの一方だけが研磨性である必要があり、他方の表面は、非研磨性である。支持面とも呼ばれる各非研磨性の面は、処理用配合物を毛髪に施すよう使用可能であり、かかる配合物は、例えば、液体、ゲル、クリーム又は粉末であるのが良い。
【0034】
一例を挙げると、支持面は、とりわけフロック加工部、フォーム又はエラストマーを含むのが良く、かかる支持面にはオプションとして処理用配合物を含浸させるのが良い。支持面は又、毛髪を接触状態で滑らせる表面状態を呈するのが良く、例えば、摩擦係数が低い材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の被膜を備えるのが良く、或いは、支持面は、滑りを促進する粒子、例えば黒鉛の粒子から成る充填剤を含む熱可塑性材料の壁によって構成されても良い。
【0035】
研磨処理前に研磨処理前に処理面に配合物を含浸させるのが良い。また、支持面に処理中、配合物を連続的に又は不連続的に送るのが良く、例えば、支持面は、処理用配合物を収容した供給源と連通するのが良い。
【0036】
処理されるべき少なくとも1本の毛髪、好適には毛髪の大部分又は全ては、少なくとも5ミリメートル(mm)、好ましくは少なくとも10mmの距離にわたって研磨面に接触するのが良い。
各研磨面は、オプションとして、これが毛髪に接触するときに平面状であるのが良い。
【0037】
上述の向かい合った表面は、本発明の方法の実施のたびに毛髪に接触する唯一の向かい合った表面であるのが良い。向かい合った表面は、数が2つだけであるのが良く、オプションとして、互いに平行である。
毛髪に接触する表面は、オプションとして、研磨処理中、互いに対して動くようになっているのが良い。表面の全てを運動させるのが良い。
【0038】
毛髪を一部とする人又は第三者、例えばヘアドレッサが互いに向かい合った表面と毛髪の相対運動を生じさせるのが良い。相対運動は、手動による運動又は機械的システムを用いた少なくとも部分的にモータ駆動手段による運動である。
【0039】
毛髪を根元から毛先に向かって或いは別のやり方で処理するのが良い。
【0040】
媒体
【0041】
向かい合った表面は、媒体の面を定める。
媒体は、柔軟性又は可撓性であるのが良く、例えば、媒体は、織布、不織布、紙又は軟質ポリマーから成り又はこれによって構成されるのが良い。
【0042】
媒体は、2つの互いに反対側の主要面を備えたシートの形態をしているのが良い。面のうちの一方だけが研磨性を備える必要があるに過ぎない。この場合、2つの面の研磨性は、互いに同一であっても良く異なっていても良い。
向かい合った表面は、2つの別々の媒体の一部をなしても良く、或いは、少なくとも2つの表面を得るよう折り畳まれる単一の媒体の一部をなしていても良い。
【0043】
媒体は、オプションとして、処理中、変形するのが良い。可撓性媒体は、処理中、例えば手で変形するのに適しているのが良く、この場合、かかる変形は、例えば運動を伴い或いは容易に操作すると共に/或いは加えられる力の大きさを良好に制御する上で有用な場合がある。媒体の可撓性は、処理のための毛髪房を整髪する上でも有用な場合がある。
変形例では、研磨面は、例えば1ギガパスカル(GPa)以上、好ましくは4GPa以上の弾性率を備えた硬い媒体の一部をなしても良い。
一例を挙げると、媒体は、金属、セラミックス、鉱物ガラス又は熱可塑性材料、特にポリオレフィン、例えば高密度ポリエチレンから成るのが良い。
【0044】
媒体は、研磨性を備えた第1の部分及び第1の部分がオプションとして取り外し可能に取り付けられた第2の部分を含む複数の部分から成っていても良い。
媒体は、ユーザが掴みやすいよう構成されているのが良く、例えば、グローブ、グローブフィンガの形態をし或いは取っ手又は握りを備えるのが良い。
媒体は、ヒータ及び/又はバイブレータ型媒体であっても良い。一例を挙げると、媒体は、毛髪の表面を40℃以上の温度に上げることができるのが良い。
媒体は、オプションとして、多孔質であっても良い。
【0045】
各媒体は、1回使用向きであるのが良く、或いは、変形例として数回使用するのに適していても良い。媒体は、オプションとして、個別包装されるのが良く、媒体は、オプションとして互いに取り外し可能であるのが良い。媒体は、これに処理用配合物を含浸させた状態で乾燥状態又は湿潤状態で包装することができる。
【0046】
硬質媒体が研磨性を研磨面に与えるよう構成された構造を有するのが良く、特に、硬質媒体は、焼結構造から成るのが良い。
研磨面は、でこぼこを含むのが良く、例えば、スパイク、刻み目又は掻き傷を有するのが良い。
【0047】
機械的システム
【0048】
機械的システムにより1つ又は2つ以上の研磨面を動かす場合、機械的システムは、研磨面を振動させ又は研磨面を単一の方向に動かすよう構成されているのが良い。
【0049】
研磨面の振動は、20mm以下、好適には10mm以下、更に好適には5mm以下の振幅を有するのが良い。研磨面の振動は、1ヘルツ(Hz)から10,000Hzまでの範囲、即ち、1秒当たり1回の往復から1秒当たり1万回の往復までの範囲、2Hzから1000Hzまでの範囲、より好適には5Hzから500Hzまでの範囲にある振動数を有するのが良い。
【0050】
毛髪を研磨しながら、例えば、研磨面の振動の振幅及び/振動数を変化させると共に/或いは振動の向きを変化させることが可能であり、例えば、振動は、毛髪に実質的に平行な長手方向であっても良く、或いは毛髪に実質的に垂直な横方向であっても良い。
【0051】
代替的に又は追加的に、研磨面は、機械的システムによって動くと共に回転駆動されるのが良い。一例を挙げると、回転速度は、毛髪を研磨しながら調節されるのが良い。回転運動は、例えば根元から毛先までの長さに全体として垂直に延びる一回転軸線回りの回転運動であっても良く、或いは、かかる回転運動は、より複雑な運動、例えば、別々の回転軸線回りの運動の組み合わせから成っていても良い。
一例を挙げると、研磨面は、毛髪の軸線に垂直な軸線回りの回転平面内で動く円板によって構成されても良く、研磨面の種々の領域は、回転中、毛髪に連続的に接触する。
【0052】
研磨面は、円形経路を描くことにより単一の軸線回りに又は2本の軸線回りに、例えば楕円経路を描いて2本の互いに平行な軸線回りに動くストリップによっても構成できる。
処理されるべき毛髪と研磨面の相対速度は、処理中、例えば、1秒当たり0.005メートル(m/s)から10m/sまでの範囲、好ましくは0.01m/sから3m/sまでの範囲、好適には0.02m/sから0.5m/sまでの範囲にあるのが良い。
毛髪の一部分の研磨の持続時間は、例えば、1ミリ秒(ms)から数分までの範囲にあるのが良く、特に、0.1秒(s)から60sまでの範囲にあるのが良く、この持続時間は、例えば、研磨の強度及び毛髪の状態で決まる場合がある。
【0053】
本発明の方法を実施している間、毛髪を研磨しながら毛髪を保持するのが良い。例えば、毛髪を手で又はトラクションを及ぼす器具の助けによって保持するのが良い。毛髪に及ぼされるトラクションは、このトラクションを制御し、これに既定の値を与えると共に/或いはトラクションが既定のトラクションしきい値を超えるのを阻止するよう処理中、測定されるのが良い。
【0054】
圧力を研磨面と接触状態にある毛髪に及ぼすのが良い。これは、研磨の有効性を向上させるのに役立つ場合がある。毛髪に及ぼされる圧力は、例えば、1パスカル(Pa)から1,000,000Paまでの範囲、好適には100Paから100,000Paまでの範囲、好ましくは500Paから50,000Paまでの範囲にあるのが良い。
【0055】
機械的システムは、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、エンジン又は他の駆動手段を含むのが良い。
機械的システムは、好ましくは携帯可能である。
【0056】
研磨面のうちの1つ又は2つ以上を動かす機械的システムは、電気器具の一部をなすのが良い。研磨面を振動させることにより研磨を実施する場合、研磨面を種々の仕方で構成される場合のある少なくとも1つの振動源によって振動させるのが良い。例えば、振動源は、電気器具全体を振動させるよう電気器具内に配置されるのが良く、振動源は、例えば、電気器具の枝部内で例えば研磨面の近くに配置される。一例を挙げると、かかる振動源は、一定の又は可変の振動数を有することが望ましいかどうかの関数として、一定であり又は可変である場合のある速度で電気モータにより回転駆動される偏心フライウェイトから成るのが良い。モータの回転軸線の向きにより、振動方向を選択することができる。振動源が電気モータによって回転駆動されるフライウェイトによって構成される場合、研磨面は、これら研磨面を支持した電気器具の部分と同じ振幅で振動するのが良い。
【0057】
振動源は又、これを支持する部分に対して少なくとも1つの研磨面を運動させる仕方で電気器具に設けられても良い。例えば、研磨面を2つの末端位置相互間で摺動することができるよう設けることができ、振動源は、研磨面を例えば電気モータの回転運動を軸方向振動運動に変換するクランクシステムによって、振動源を支持した部分に対して往復動させることができる。研磨面の振動の振動数は、モータの回転速度で決まり、この回転速度は、一定であっても良く、或いはユーザによって調節可能であっても良い。
【0058】
電気器具は、単一の振動研磨面を有しても良く、或いは、変形例では同一方向又は互いに逆方向に振動することができ或いは振動数が同じで又は互いに異なる状態で、振幅が同一で又は異なる状態で互いに別個独立に振動することができる2つの向かい合った振動面を有しても良い。
機械的システムは、研磨面の振動を生じさせるために圧電変換器又は偏心フライウェイトを備えたモータを有するのが良い。
【0059】
電気器具は、研磨面を単一の方向に動かすことにより研磨を実施することができる電気器具であっても良い。かかる状況のもとでは、研磨面媒体は、少なくとも1本の回転シャフトにより、場合によってはオプションとして回転可能な第2のシャフトによって動かされるストリップであるのが良い。
【0060】
研磨面媒体は、例えば、回転シャフトを中心として回動する円板を有するのが良い。
【0061】
研磨面媒体の移動速度は、可変であるのが良く、これを適当な装置によって調節するのが良い。
機械的システムは、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、エンジン又は他の駆動手段を有するのが良い。
【0062】
電気器具は、これが振動状態で又は単一方向に動くことによって作動するかどうかとは関係なく、研磨粒子及び/又は毛髪の研磨中に毛髪から取れた粒子又は堆積物を回収する吸引システムを有するのが良い。一例を挙げると、吸引システムは、フィルタ付きファン及び/又はフィルタ付きポンプ及び/又は例えば粒子を集める1種類又は2種類以上の油を含む液体回収システム及び/又は電位場を作ることにより粒子を表面に引き付ける静電システムから成るのが良い。
【0063】
電気器具は、穴があけられた少なくとも1つの研磨性又は非研磨性の表面を有するのが良く、それにより、研磨粒子及び/又は毛髪から取れた粒子をこれら穴から吸引することができ、これらの穴は、処理されるべき毛髪のところで又はその近くで開口するのが良い。
【0064】
電気器具により、毛髪を研磨することができると同時に処理用配合物を施すことができる。電気器具は、処理用配合物を例えば研磨面に対向して配置されたアプリケータ要素により毛髪に付けるのに役立ち得る。配合物は、任意の手段、例えば重力、毛管作用又はポンプ、例えば電気ポンプ又はユーザにより駆動される手動ポンプによってディスペンサオリフィスに取り込むことができる。電気器具により支持されるアプリケータ要素にも、処理用配合物をあらかじめ含浸させることができ、かかるアプリケータ要素を予備含浸状態で電気器具の定位置に配置することができ又は電気器具を完全に又はアプリケータ要素を含む取り外し可能な部分を取り外した後に処理用配合物中に浸漬させることができるよう電気器具を構成することができる。電気器具は、配合物が毛髪に向かって流れるようにするためにユーザが押す可撓性の壁を備えた容器を更に有するのが良い。
【0065】
電気器具は、例えば毛髪を研磨後に整髪するためにヒータシステムを有するのが良い。
【0066】
一例を挙げると、電気器具は、2つの表面を備えるのが良く、これら表面のうちの少なくとも一方は、研磨性であるのが良く、毛髪を処理のためにこれら2つの表面相互間に挿入することができる。閉鎖位置にあるとき、これら表面は、一房の毛髪を保持するのに適し、又、開放位置にあるときにはこの一房の毛髪を解除することができるよう構成されているのが良い。電気器具は、閉鎖位置にあるとき、一方の表面の他方の表面に対する圧力を制御する手段を有するのが良い。例えば、制御手段は、制御可能なばね、例えばブレード、螺旋体、弾性変形可能な材料及び/又は当接部及び/又は圧力が過剰な場合に可聴又は可視警告をトリガするのに適した電子センサを有するのが良い。
【0067】
電気器具は、例えば毛髪を過度に研磨するのを回避するために十分な数のパスが実施された時点をユーザに知らせる可聴又は可視表示器を有するのが良い。
変形例では、電気器具は、例えば電気器具が毛髪に対するパスの回数をカウントすることができるようにするのに役立つ要素、例えば小さなホイール又は任意他の運動センサを有するのが良い。
【0068】
マイクロサンディング(Microsanding)
【0069】
上述の研磨面とは無関係に、研磨手段は、毛髪を研磨するために研磨粒子を射出してこれらを毛髪に当てるよう構成されるのが良い。かかる状況のもとでは、研磨粒子は、自由であり、これらは、媒体に取り付けられてはいない。
【0070】
研磨粒子を少なくとも1つのジェットの形態で射出することができる。
固体粒子のジェットを1秒当たり1ミリグラム(mg/s)から毎秒25グラム(g/s)までの範囲、好ましくは10mg/sから10g/sまでの範囲にある粒子質量流量で射出させてこれを毛髪に当てるのが良い。
【0071】
固体粒子のジェットを推進下において液体又は気体ベクトル流体から毛髪中に射出するのが良い。ベクトル流体、即ち気体又は液体の体積流量は、1秒当たり50マイクロリットル(μL/s)から毎秒4リットル(L/s)までの範囲にあるのが良く、好ましくは500μL/sから2L/sまでの範囲にある。
【0072】
液体流体として、特に水を挙げることができる。
【0073】
気体流体として、特に空気を挙げることができる。
【0074】
オプションとして流体と関連した粒子のジェットを圧力下で送り出すのが良い。その圧力は、好ましくは、2バールから50バールまでの範囲、好適には3バールから20バールまでの範囲、更により好ましくは3バールから15バールまでの範囲にある。
【0075】
好ましくは、流体は、圧力下の流体である。より好ましくは、流体は、圧縮空気である。
【0076】
衝突時点における粒子の速度は、例えば、0.01m/sから750m/sまでの範囲、好ましくは0.1m/sから100m/sまでの範囲にあるのが良い。上述の流量を変更することを可能にする手立てが設けられるのが良い。例えば、研磨は、高い流量で始まり、次に研磨は、毛髪を過度に研磨するのを回避するために低い流量で終わるのが良い。
【0077】
流量調節は、手動であるのが良く、ユーザによって実施され、或いは、流量調整は、例えば処理の開始から経過した時間の長さの関数としてプロセッサ装置によって実施されても良い。
【0078】
射出されて毛髪に当てられる固体粒子のジェットは、毛髪に接触するジェットに対して横方向に延びる幅を備えるのが良く、この幅は、10μmから4センチメートル(cm)までの範囲、好適には50μmから8mmまでの範囲、好ましくは100μmから2mmまでの範囲にある。
【0079】
ジェットが毛髪に衝突するゾーンに到達した際におけるジェットの断面積は、0.0001平方ミリメートル(mm2)から8平方センチメートル(cm2)までの範囲、好ましくは1mm2から1cm2までの範囲にあるのが良い。
【0080】
複数のジェットが毛髪に向かって送られるのが良い。これらジェットは、互いに平行であっても良く、末広がりであっても良く、或いは収斂しても良い。ジェットの衝突ゾーンは、オプションとして、互いにオーバーラップしていても良く、例えば、実質的に触れ合う。少なくとも2つのジェットが一房の毛髪の2つの互いに反対の側を処理するために用いられるのが良い。
【0081】
ジェットの断面は、オプションとして、円形であるのが良い。
【0082】
ジェット内における粒子の分布状態は、一様であっても良く又はこれとは異なる状態であっても良い。
【0083】
ジェットは、中実であっても良く、中空であっても良い。
【0084】
ベクトル流体は、粒子だけでなく、適宜、少なくとも1種類の毛髪処理用コンパウンド、特に次のもの、即ち、
・ポリマー、例えば陽イオンポリマー、可溶性のシリコーン又はエマルション状態のシリコーン、
・非ポリマー処理剤、例えば陽イオン性界面活性剤、油、例えば鉱物油、植物油又は改質油、例えばエステル交換油、
・非ポリマー有機分子、例えば溶剤、例えばモノアルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール、ポリオール、例えばグリセロール又はプロピレングリセロール、モノアルコール又はポリオールのエーテル、アルデヒド又はケトン、例えばアセトン、アルカン、例えばイソドデカン、特に脂肪族化合物を溶解させることができる溶剤、
・毛髪処理に用いられるコンパウンド、例えば着色剤、酸化剤、還元剤、アルカリ性作用剤又は酸、例えばヒドロキシ酸、
・頭皮又は皮膚を処理する際に用いられるコンパウンド、例えば抗真菌剤、抜け毛防止剤、蒸散防止剤及び研磨粒子以外の剥離剤、及び
・陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性又は両性イオン性である界面活性剤から選択されたコンパウンドを含有するのが良い。
【0085】
かくして、ベクトル流体は、毛髪処理用配合物を構成することができる。
【0086】
また、ベクトル流体を用いないで、粒子を例えば振動面、例えばソノトロード(sonotrode)に衝突させることにより、処理のために表面に向かって射出しても良い。また、粒子を磁化し、電磁界によって振動させても良い。
【0087】
例えば研磨が行われている最中にジェットの断面を変えて幅の細い房若しくは毛髪の狭いゾーンを処理し又はこれとは対照的に例えば太い房又は毛髪の広いゾーンを処理することが可能な場合がある。ジェットの質量流量及び/又は断面を例えば同時に又は別個独立に調整することができる。
【0088】
所要の速度を粒子に与えるために機械的手段、空気圧手段、油圧手段又は電気機械手段を用いることができる。
粒子のジェットをノズルによって放出することができる。
ジェットをオプションとして可動のノズル、例えば往復又は回転運動を生じるよう駆動されるノズルによって送り出すことができる。
【0089】
一例を挙げると、研磨手段は、毛髪処理用電気器具から成るのが良く、この電気器具は、
・一房の髪を通過させるよう構成されると共に/或いは一房の髪で形成された少なくとも1つのエンクロージャ、及び
・研磨固体粒子を射出して、これらを毛髪、特にエンクロージャ内に入っている毛髪の一部分に当ててエンクロージャを通過すると共に/或いはこれを閉鎖している毛髪を研磨するよう構成された粒子射出システムから成る。
【0090】
粒子射出システムは、粒子を圧力下でベクトル流体と一緒に射出するよう構成されているのが良い。一例を挙げると、粒子射出システムは、固体粒子を空気の流れで推進するよう構成された圧縮機又は吸引ポンプを有しても良く、或いはこれらに連係されていても良い。
【0091】
粒子射出システムは、固体粒子がエンクロージャ内部中に射出されるよう構成された固体粒子供給ノズルを有するのが良い。
電気器具は、毛髪を研磨するために射出されて毛髪に当てられる固体粒子の源を有するのが良い。
【0092】
研磨粒子及び/又は毛髪の研磨の際に毛髪から取れた粒子又は付着物を回収するため、電気器具は、吸引システムを有するのが良い。一例を挙げると、吸引システムは、フィルタ付きファン及び/又はフィルタ付きポンプ及び/又は例えば粒子を集める1種類又は2種類以上の油を含む液体回収システム及び/又は電位場を作ることにより粒子を表面に引き付ける静電システムから成るのが良い。電気器具が吸引システムを有する場合、電気器具は、吸引システムによって吸引された使用済み粒子及び付着物を収容する容器を更に有するのが良い。吸引は、エンクロージャの内部で起こるのが良い。
【0093】
電気器具は、エンクロージャから出る粒子の損失分を減少させるよう粒子をエンクロージャ内に封じ込める手段を有するのが良い。一例を挙げると、かかる封じ込め手段は、柔軟性スロット又は互いに密接して位置する歯を備えたくし(一房の毛髪がこれら歯の間を通り)及び/又は圧縮空気を放出して粒子を毛髪が挿通している開口部のところでエンクロージャに向かって戻すようにすることによって稼働する封じ込めシステムを有するのが良い。
【0094】
電気器具は、毛髪を研磨すると同時に美容処理用配合物を施すのに役立つことができる。
電気器具は、例えば毛髪を研磨後に整髪するためにヒータシステムを有するのが良い。
【0095】
エンクロージャは、一房の髪の一部分をエンクロージャ内に配置することができる開放位置及び髪を研磨することができる閉鎖位置を有するのが良い。一例を挙げると、エンクロージャは、2つのシェルを有するのが良く、これら2つのシェルは、例えば少なくとも1つのゾーン内で互いに固定されるが、第1の開放形態及び2つのシェルが少なくとも2つのゾーンで互いに固定される第2の閉鎖形態を取ることができるよう互いに対して動くことができる。
【0096】
エンクロージャは、両端のところが開口した円筒形の形を呈するのが良く、それにより、一房の毛髪がエンクロージャを通ることができる。毛髪を受け入れるエンクロージャの空の容積部は、円形、長方形、楕円形等である断面を有するのが良い。
【0097】
研磨が行われている間、例えばユーザがエンクロージャを処理されるべき一房の毛髪に沿って例えば毛髪の根元から毛先に向かって動かして、研磨を中断することなく、例えば一房の毛髪をその全長にわたって処理し又は少なくともエンクロージャの長さよりも大きなその長さの一部分にわたって処理するのが良い。変形例では、電気器具は、エンクロージャを動かすために研磨を中断する必要のある場合がある。かかる状況のもとでは、研磨は、毛髪は粒子の衝突を受けている間、エンクロージャを毛髪に沿って動かさないでエンクロージャ内で起こるのが良い。
【0098】
エンクロージャは、毛髪をくしけずることができるよう構成された凸状部分、特に歯を有するのが良い。
【0099】
研磨粒子を含むヘアケア配合物
【0100】
上記内容とは無関係に、研磨手段は、ヘアケア配合物含有研磨粒子を含有するのが良く、かかる配合物は、毛髪を研磨するよう毛髪に施される。
【0101】
かかる状況のもとでは、研磨粒子は、50μm以上、特に100μm以上の平均サイズのものであるのが良い。研磨粒子は、500μm以下、好適には300μm以下の平均サイズを有するのが良い。
毛管作用配合物は、濃度が配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある研磨固体粒子を含有するのが良い。
【0102】
固体粒子に加えて、ヘアケア配合物は、1種類又は2種類以上の添加剤を含有するのが良い。
ヘアケア配合物は、1種類又は2種類以上の追加の界面活性剤、例えば陰イオン性、両性、両性イオン性又は非イオン性の界面活性剤を更に含有するのが良い。
【0103】
界面活性剤は、好ましくは、非イオン性界面活性剤から選択される。非イオン性界面活性剤は、これら自体周知のコンパウンドであり(この点に関しては、特に、エム・アール・ポーター(M. R. Porter)編,「ハンドブック・オブ・サーファクタンツ(Handbook of surfactants)」,ブラッキーアンドサン(Blackie & Son),グラスゴー及びロンドン(Glasgow and London),1991年,p.116‐178を参照されたい)、本発明との関連では、界面活性剤の性状は、重要なものではない。かくして、非イオン性界面活性剤は、特に、アルコール、アルファ‐ジオール並びに例えば8個〜18個の炭素原子を含む脂肪族鎖を有するポリエトキシルアルキルフェノール及びポリプロポキシルアルキルフェノールから選択されるのが良く、酸化エチレン又は酸化プロピレン基の数は、特に、2から50までの範囲にあり、このリストは、本発明を限定するものではない。また、酸化エチレンのコポリマー、酸化プロピレンのコポリマー、脂肪族アルコール上への酸化エチレン及び酸化プロピレンの縮合物、好ましくは2〜30モルの酸化エチレンを含むポリエトキシル脂肪族アミン、平均で1〜5個のグリセロール基、特に1.5〜4個のグリセロール基を有するポリグリセロール脂肪族アミド、2〜30モルの酸化エチレンを有するオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、アルキルポリグリコシド、N‐アルキルグリカミン、アミンオキシド、例えば(C10〜C14)アミンアルキルオキシド又はN‐アルキルアミノプロピルモルホリンオキシドの脂肪酸エステルが挙げられる。
【0104】
非イオン性界面活性剤は、ヘアケア配合物中に、配合物の全重量に対して0.1重量%から25重量%までの範囲、好ましくは1重量%から20重量%までの範囲にある濃度で存在するのが良い。
【0105】
両性又は両性イオン性界面活性剤に関し、脂肪族ラジカルが8個〜18個の炭素原子を有すると共に少なくとも1つの水溶性陰イオン基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネート)を含む直鎖又は分岐鎖である脂肪族第二又は第三アミン誘導体を挙げることができ(これらに限定しようとするものではない)、又、(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキル(C1〜C6)アミドアルキルベタイン又は(C8〜C20)アルキル(C1〜C6)アミドアルキルスルホベタインを挙げることができる。
【0106】
アミン誘導体の中では、米国特許第2528378号明細書及び同第2781354号明細書に記載されているミラノール(Miranol)という名称で市販されていると共にCTFA辞典の1982年第3版においてそれぞれ次の構造式を持つアムホカルボキシルシネート及びアムホカルボキシプロピオネートという名称で分類される製品を挙げることができる。
【0107】
〔化1〕
R2‐CONHCH2CH2‐N(R3)(R4)(CH2COO‐)
上式において、
R2は、加水分解コプラ油中に存在するR2‐COOH酸のアルキルラジカル、ヘプチルラジカル、ノニルラジカル又はウンデシルラジカルを表し、
R3は、ベータ‐ヒドロキシエチル基を表し、
R4は、カルボキシメチル基を表しており、そして、
〔化2〕
R2′‐CONHCH2CH2N(B)(C)
【0108】
上式において、
Bは、‐CH2CH2OX′を表し、
Cは、‐(CH2)z‐Y′(なお、z=1又は2)を表し、
X′は、基‐CH2CH2‐COOH又は水素原子を表し、
Y′は、‐COOH又は‐CH2CHOH‐SO3Hラジカルを表し、
R2′は、コプラ油又は加水分解アマニ油中に存在するR9‐COOH酸のアルキルラジカル、特にC7、C9、C11又はC13ラジカルのアルキルラジカル、C17アルキルラジカル及びそのイソ形態、不飽和C17ラジカルを表している。
【0109】
これら化合物は、CTFA辞典の1993年第5版において、ジソジウムココアムホジアセテート、ジソジウムラウロアムホジアセテート、ジソジウムカプリルアムホジアセテート、ジソジウムカプリロアムホジアセテート、ジソジウムオコアムホジプロピオネート、ジソジウムラウロアムホジプロピオネート、ジソジウムカプリルアムホジプロピオネート、ジソジウムカプリロアムホジプロピオネート、ラウロアムホジプロピオン酸、ココアムホジプロピオン酸、ジソジウムココアムホカルボキシルエチルヒドロキシプロピルスルホネートという名称で分類されている。
【0110】
一例を挙げると、供給業者であるロディア・シミエ(Rhodia Chimie)により濃縮Miranol(登録商標)C2Mという商品名で市販されているココアムホジアセテートを挙げることができる。
【0111】
陰イオン性界面活性剤に関し、以下の化合物(特に、ナトリウムのアルカリ塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩又はマグネシウム塩)、即ち、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリルポルエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルフェート、アルキルアリルスルホネート、α‐オレフィン‐スルホネート、パラフィン‐スルホネート、(C6〜C24)アルキルスルホスクシネート、(C6〜C24)アルキルエーテルスルホスクシネート、(C6〜C24)アルキルアミドスルホスクシネート、(C6〜C24)アルキルスルホアセテート、(C6〜C24)アシルサルコシネート及び(C6〜C24)アルキルグルタメートの塩を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、(C6〜C24)アルキルカルボン酸ポリグリコシド、例えばアルキルグリコシドシトレート、アルキルポリグリコシドタートレート及びアルキルポリグリコシドスルホスクシネート、アルキルスルホスクシネメート、アシルイセチオネート及びN‐アシルタウレート、好ましくは12〜20個の炭素原子を持つ種々の化合物の全てのアルキル又はアシルラジカル、好ましくはフェニル又はベンジル基を表すアリルラジカルの塩を挙げることができるが、これらには限られない。これ又使用可能な陰イオン性界面活性剤の中で、脂肪酸の塩、例えばオレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、コプラ油の酸、水素化コプラ油の酸の塩、8〜20個の炭素原子を有するアシルラジカルを含むアシル‐ラクチレートを挙げることができる。また、アルキルDガラクトシドウロン酸及びこれらの塩、ポリオキシアルキル化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキル化(C6〜C24)アルキルアリルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキル化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びこれらの塩、特に例えば2〜50個のアルキレンオキシド基、特に酸化エチレン基を持つ酸及びこれらの混合物を使用することも可能である。
【0112】
場合によって存在する陰イオン性界面活性剤は、好ましくは、軟質陰イオン性界面活性剤である。
軟質陰イオン性界面活性剤に関し、以下の化合物及びこれらの塩をこれらの混合物と共に挙げることができ、かかる化合物は次の通りである。
・ポリオキシアルキル化アルキルエーテルカルボン酸、
・ポリオキシアルキル化アルキルアリルエーテルカルボン酸、
・ポリオキシアルキル化アルキルアミドエーテルカルボン酸、特に2〜50個の酸化エチレン基を持つポリオキシアルキル化アルキルアミドエーテルカルボン酸、
・アルキル‐D‐ガラクトシドウロン酸、
・アシルサルコシネート、アシルグタメート、及び
・カルボン酸アルキルポリグリコシドのエステル。
【0113】
最も具体的に言えば、ポリオキシアルキル化アルキルエーテルカルボン酸、例えばカオー(KAO)によりAkypo RLM 45 CAという名称で市販されている(4.5OE)ラウリルエーテルカルボン酸を使用することができる。
【0114】
かかる陰イオン性又は両性界面活性が存在する場合、これらの含有量は、ヘアケア配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%にあり、特に、配合物の全重量に対して1重量%から10重量%までの範囲にある。
【0115】
好ましくは、ヘアケア配合物は、スルフェート型陰イオン性界面活性剤として(アルキルスルフェート又はアルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート)を含まない。ヘアケア配合物がどれも含まない場合、その含有量は、アルキルスルフェート又はアルキルエーテルスルフェート型イオン性界面活性剤と両性、両性イオン性、軟質陰イオン性及び非イオン性界面活性剤の和の重量比が好ましくは1以下であり、特に0.75以下であり、更により好ましくは0.5以下であるようなものである。
【0116】
ヘアケア配合物は、当該技術分野においては従来のものである添加剤、例えば以下の非排他的なリスト、例えば、還元剤、酸化剤、金属封鎖剤、軟化剤、消泡剤、水化剤、皮膚軟化剤、アルカリ化剤、可塑剤、日焼け止め、直接又は酸化染料、フレグランス、しゃく解剤、防腐剤、オプションとして固定性のポリマー、タンパク質、ビタミン類、フケ止め剤、脱毛防止剤、オプションとして会合性の増粘ポリマー、脂肪酸アミド、脂肪酸エーテル、脂肪酸アルコール等から選択された添加剤を更に含むのが良い。
【0117】
上述の添加剤は、一般に、これらの各々について、配合物の全重量に対して0.01重量%から20重量%までの範囲にある量で存在する。
観察されるべきこととして、ヘアケア配合物が1種類又は2種類以上の増粘剤を含有する場合、これらの含有量は、ヘアケア配合物の重量に対して0.01重量%から20重量%までの範囲にあるのが良く、好ましくは、ヘアケア配合物の重量に対して0.01重量%から3重量%までの範囲にあるのが良い。
【0118】
ヘアケア配合物は、1種類又は2種類以上のコンディショニング剤を含有するのが良い。
ヘアケア配合物が少なくとも1種類のコンディショニング剤を含有する場合、これは、合成油、例えばポリ‐α‐オレフィン、弗素化油、弗素化蝋、弗素化ガム、カルボン酸のエステル、陽イオンポリマー、陽イオン性界面活性剤、シリコーン、鉱油、野菜油、動物油、セラミド、疑似セラミド及びこれらの混合物から選択されるのが良い。
【0119】
使用するのに適した陽イオンポリマーの中で、四級セルロースのエーテル誘導体、例えば、供給業者であるアメルコール(Amerchol)によりJR400という名称で市販されている製品、陽イオンシクロポリマー、特に供給業者であるナルコ(Nalco)によりMerquat(登録商標)100、Merquat(登録商標)500及びMerquat(登録商標)Sという名称で市販されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー又はコポリマー、陽イオン多糖類、例えば2,3‐エポキシプロピルトリメチルアンモニウムの塩により開始されたガーゴム、ビニルピロリドンの四級ポリマー、ビニルイミダゾールの四級ポリマー及びこれらの混合物を用いることが好ましい。
【0120】
陽イオン性界面活性剤のうちで、以下の(次のリストには限られない)、即ち、第一脂肪族アミン塩、第二脂肪族アミン塩、第三脂肪族アミン塩、(オプションとしてポリオキシアルカリ化される)、第四アンモニウム塩、例えばテトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム又はアルキルピリジニウムクロリド又はブロミド、イミダゾリンの誘導体又は陽イオンアミンの酸化物を特に挙げることができる。
好ましい陽イオン性界面活性剤として、特に、供給業者であるデグサ(Degussa)によりVarisoft W 575 PGという名称で市販されているQuaternium-87、供給業者であるクラリアント(Clariant)によりGenamin KDMPという名称で市販されているベヒニルトリメチルアンモニウムを挙げることができる。
【0121】
ヘアケア配合物中のコンディショニング剤の含有量は、最終の配合物の全重量の0.001重量%から10重量%までの範囲、好ましくは0.005重量%から5重量%までの範囲、より好ましくは0.01重量%から3重量%までの範囲にあるのが良い。
【0122】
毛髪のために許容できる水性媒体は、水又は水の混合物及び化粧品にとって許容可能な1種類又は2種類以上の有機溶剤を含むのが良い。
一例を挙げると、配合物の水含有量は、配合物の全重量に対して50重量%以上であるのが良い。
【0123】
有機溶剤として、例えば、2〜10個の炭素原子を含む好ましくは飽和状態の直鎖又は分岐状モノアルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ポリオール又はポリオールのエーテル、例えばエチレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、(2‐メチル2,4‐ペンタンジオール)ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、3‐メチル‐1,5‐ペンタンジオール、更に特にC1〜C4形態のジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルの単独又は混合物を挙げることができる。
【0124】
有機溶剤は、例えばヘアケア配合物の全重量に対して約1重量%から40重量%までの範囲、より好ましくは約5重量%から30重量%までの範囲にある比率で存在するのが良い。
【0125】
本発明のヘアケア配合物は、種々の生薬投与形態で、例えばローション、シャンプー、ゲル、クリーム又は蝋の状態で存在するのが良い。ヘアケア配合物は、オプションとしてアプリケータ付きの任意形式の容器内に包装されるのが良い。容器は、特にヘアケア配合物を毛髪への塗布前に一様にするのに役立つボール又は部材を有するのが良い。ヘアケア配合物の入った容器は、15mL以上、特に50mL以上、又は確かに100mL以上の容量を有するのが良く、特に容量は、150mL以上であるのが良く、例えば15mLから500mLまでの範囲にあるのが良い。
【0126】
研磨ヘアケア配合物をワイプに含浸させることができる。
【0127】
研磨ヘアケア配合物を毛髪への射出のために例えばベンチュリ効果によってベクトル流体の流れで導入することができる。
【0128】
特定の具体化例では、ヘアケア配合物をくし又はブラシの容器内に入れるのが良く、この容器は、例えば、その歯又はブリッスルのところに設けられていて、配合物を供給し、これを毛髪に施すのに役立つオリフィスを備える。
【0129】
美容処理用配合物
【0130】
処理用配合物は、化粧品、特にケア製品及び/又は毛髪に着色し又はこれを漂白する配合物、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り用配合物又は毛髪を漂白し又はこれに着色する配合物であるのが良い。
【0131】
「化粧用配合物」という用語は、1993年6月14日の協議会命令93/35/EECで定められた任意の「化粧品」を含む。
【0132】
研磨粒子を含むヘアケア配合物に関し、処理用配合物は、ヘアケア配合物を構成するのが良い。変形例では、処理用配合物をヘアケア配合物を用いた毛髪の研磨前及び/又は研磨後に毛髪に塗布することができる。
【0133】
一例を挙げると、処理用配合物は、
・毛髪の機械的性質を改質しようとする配合物、特に還元作用剤、例えばチオグリコール酸及びその誘導体、システイン、スルフィット、ソーダ、炭酸グアニジン、トリヒドロキシメチルホスフィン又は酸化剤、例えばH2O2、過硫酸塩を含む配合物、
・例えば溶剤、グリコール、可塑剤又は陽イオン性、陰イオン性若しくは両性の界面活性剤を含む表面軟化剤又は浸透配合物、
・毛髪の表面特性を改質する配合物、特にシリコーン、反応性アミノシリコーン、接着性ポリマー、植物油、鉱油、合成油、蝋、特に脂肪族アルコール又は脂肪族エステルから選択された脂肪を含む非シリコーン潤滑剤を含む配合物、
・例えばイオネン、タンパク質、ヒドロキシ酸又は反応性コンパウンド、特にホルモールの発生剤、シランを含む毛髪の内部を再構築する配合物、及び
・直接的であり又は酸化に作用する染料から選択されるのが良い。
【0134】
処理用配合物を研磨前に施すことができ、かかる処理用配合物は、過度の研磨を回避するよう研磨中、毛髪を保護するのに寄与することができる。
処理用配合物は、毛髪の鞘を形成することができる。研磨によりこの鞘の過剰部分を除去することができ、鞘は、滑らかにされて毛髪に被着される。かくして、鞘を形成する材料は、毛髪の中空凸状部分内に留まることができる。
【0135】
例えば、毛髪の形状を耐久性があるように変える目的で、第1の処理用配合物、特に還元配合物を研磨前に施すのが良く、第2の処理用配合物、特に酸化配合物を研磨後に施すのが良い。
毛髪を研磨面に接触させる前に処理用配合物を毛髪に施すことが行われる本発明の具体化例では、処理用配合物を毛髪に施し、次に毛髪を乾燥させる。
【0136】
配合物を漏れ止め包装手段で包装するのが良く、この漏れ止め包装手段は、例えば、ビン、管、サッシェ、アンプル又は任意他の容器によって構成される。処理用配合物を入れる容器は、15ミリリットル(mL)以上、特に50mL以上、又は確かに100mL以上、特に150mL以上、例えば15mLから500mLまでの範囲にある容量を有するのが良い。包装手段は、オプションとして、再閉鎖に適するよう提供されるのが良く、包装手段は、例えば、ディスペンサ開口部に取り付け可能なストッパ又は配合物を小出ししている間、配合物からの圧力を受けて開く弁を有するのが良い。配合物は又、これを噴霧によって小出しすることができる器具で包装されても良い。
【0137】
処理方法
【0138】
毛髪の一部分を研磨する持続時間は、例えば、1msから数分までの範囲、特に0.1sから60sまでの範囲にあるのが良く、この持続時間は、例えば、研磨の強度及び毛髪の状態で決まる場合がある。
毛髪に向いた表面の例えば毛髪の根元から毛先に向かう長手方向におけるパスの回数は、1回から100回までの範囲、特に1回から10回までの範囲にあるのが良い。
【0139】
研磨は、特に研磨手段が少なくとも1つの研磨面又はヘアケア配合物を含む場合、毛髪に対して横方向又は長手方向に実施されるのが良い。
毛髪を研磨するステップ及びヘアケア配合物を施すステップに加えて、本発明の方法は、1つ又は2つ以上の他のステップを更に有するのが良い。
【0140】
処理方法は、毛髪を特徴付けるステップの実施後に、例えば、裸眼又は拡大器具により検査することによって、或いは計器を用いることによって、例えば音量計を用いてくしを毛髪中に通すことにより生じる音を記録することによって或いは毛髪のつやを光学的に測定することによって実施されるのが良い。毛髪は又、化学反応を毛髪のサンプルに施すことによって特徴付けられても良い。
【0141】
毛髪を研磨面に接触させる前に、毛髪をオプションとして湿潤させるのが良い。毛髪を湿潤させると共に/或いは本発明の方法をシャワー又は浴内で実施する場合であって研磨手段が少なくとも1つの研磨面を有する場合、媒体は、例えば水との接触時に分散しないで水に耐えるのに適することができる。媒体は、特に、防水性であると共に/或いは非孔質であるのが良い。
【0142】
毛髪を研磨処理後にすすぎ洗いすると共に/或いはくしけずるのが良い。
【0143】
髪を研磨した後、髪を滑らかにした程度を例えば裸眼で若しくは拡大器具を用いて或いは機器を用いて目視検査を行うことによってモニタすることが可能である。
【0144】
本発明の方法は、例えば毛髪の研磨中又は研磨後に毛髪を研磨面に接触させた状態で40℃から250℃までの範囲、特に60℃から210℃までの範囲にある温度まで加熱するステップを更に有するのが良い。例えば、毛髪を研磨後に加熱して毛髪を整髪するのが良い。
【0145】
例えば毛髪の研磨前、研磨中又は研磨後に適宜、超音波又は超低周波を用いて毛髪に音によるインパクトを与えるのが良い。毛髪を研磨した後、これは、固体粒子又は場合によっては毛髪上に存在する他の粒子又は付着物を取るのに役立ち得る。
【0146】
また、例えば短い持続時間のパルスを送り出すレーザから強烈な光ビームの暴露によって毛髪に処理を施すことが可能であり、この場合、かかるパルスは、毛髪を漂白するのに役立ち得る。
【0147】
1つ又は2つ以上の研磨面が設けられている場合、毛髪を研磨面に押し付けるのが良く、これら研磨面は、本発明の方法の実施のたびごとに毛髪に接触する唯一の表面であるのが良い。
【0148】
本発明の方法は、くしけずりステップを有する必要はない。変形例では、表面のうちの少なくとも1つは、複数個の歯又はブリッスルから成り又はこれらによって構成されていても良く、或いは、かかる表面に歯又はブリッスルを固定しても良い。
【0149】
上記内容とは無関係に又は上記内容と組み合わせて、毛髪の研磨は、ヘアケア配合物と共に用いられる場合、配合物を毛髪に施した直後に、例えば、毛髪へのヘアケア配合物の塗布後1時間以内に、特に30分以内に又は確かに10分以内に行われるのが良い。すすぎ洗いを実施する場合、すすぎ洗いは、毛髪を研磨した後、素早く行われるのが良い。配合物を施す時点と毛髪をすすぎ洗う時点との間の時間は、例えば、4時間以内であるのが良く、特に、1時間以内であるのが良く、例えば20分以内であるのが良い。
【0150】
毛髪を研磨するステップは、毛髪を裸の両手でこすり、両手と毛髪との間にヘアケア配合物が塗布された少なくとも1つの表面、例えばワイプ又はタオル、グローブ等を介在させることにより実施されるのが良い。研磨は、くし又はブラシの助け以外によって行われても良い。
【0151】
一例を挙げると、機械的システムにより少なくとも1つの表面を動かして、特に振動させ又は回転させることによって毛髪を研磨するのが良い。研磨面を種々の仕方で構成できる少なくとも1つの振動源によって振動させるのが良い。一例を挙げると、振動源は、電気器具全体を振動させるよう電気器具内に配置されるのが良く、一例を挙げると、振動源は、例えば電気器具の枝部内で、毛髪に接触する表面の近くに配置されるのが良い。
【0152】
一例を挙げると、振動源は、振動数が一定であるのが望ましいか可変であるのが望ましいかに応じて一定であり又は可変である場合のある速度で電気モータにより回転駆動される偏心フライウェイトから成るのが良い。モータの回転軸線の向きにより、振動方向を選択することができる。
【0153】
振動源が電気モータによって回転駆動されるフライウェイトによって構成される場合、毛髪に接触する表面は、これら表面を支持した電気器具の部分と同じ振幅で振動するのが良い。また、振動源は、これを支持する部分に対して少なくとも1つの研磨面を運動させる仕方で電気器具に設けられても良い。例えば、毛髪に接触する表面をこれらが2つの末端位置相互間で摺動することができるよう設けることができ、振動源は、かかる表面を例えば電気モータの回転運動を軸方向振動運動に変換するクランクシステムによって、振動源を支持した部分に対して往復動させることができる。表面の振動の振動数は、モータの回転速度で決まり、この回転速度は、一定であっても良く、或いはユーザによって調節可能であっても良い。機械的システムは、単一の振動面を有しても良く、或いは、変形例では同一方向又は互いに逆方向に振動することができ或いは振動数が同じで又は互いに異なる状態で、振幅が同一で又は異なる状態で互いに別個独立に振動することができる2つの向かい合った表面を有しても良い。機械的システムは、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、エンジン又は他の駆動手段を含むのが良い。機械的システムは、表面の振動を生じさせるために圧電変換器又は偏心フライウェイトを備えたモータを有するのが良い。
【0154】
一例を挙げると、ヘアケア配合物を用いた研磨処理は、例えば、手で、一房の毛髪ごとの方式で、例えば、2種類の運動を用いて、即ち、「接線方向」運動と呼ばれる第1の運動、即ち、例えば根元から毛先まで実質的に毛髪に沿って延びる運動及び「剪断」運動と呼ばれる第2の運動、即ち、実質的に毛髪に直交してこれに対して横の方向の運動を用いて実施されるのが良い。両方の運動は、数回、例えば少なくとも5回、例えば10回繰り返し行われるのが良い。変形例では、上述の運動のうちの一方だけが実施される必要があり、オプションとして数回繰り返される必要がある。実施される運動とは無関係に、一房の毛髪に対するパスの回数は、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にあるのが良い。
【0155】
固体粒子を含む配合物による研磨の持続時間は、例えば、研磨に望ましい強度及び毛髪の状態で決まる場合がある。
【0156】
本発明の方法は、連続して塗布される2種類のヘアケア配合物を用いた2つの研磨ステップを有するのが良く、各配合物は、研磨固体粒子を含有し、2種類のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法は、互いに異なる。例えば、塗布されるべき第1のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法は、塗布されるべき第2のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法よりも大きいのが良い。
【0157】
単一の容器が別々の包装材に入れられた両方のヘアケア配合物を収容しても良く、或いは、2つの別々の容器が各々ヘアケア配合物の各々をそれぞれ収容しても良い。
【0158】
もう1つの包装モードでは、容器が固体粒子を含まない基本ヘアケア配合物を収容するのが良く、かかる固体粒子は、別個に、例えばこれらの粒径に応じて、少なくとも2つの別々のコンパートメント内に包装される。かかる状況のもとでは、毛髪の研磨前に、ユーザは、第1のヘアケア配合物を形成するためにどの固体粒子が基本配合物と混合されるべきであるかを選択し、混合は、ユーザにより又は容器内で行われる。第1の研磨ステップ後、ユーザは、第2の研磨ステップを実施するのが良く、この時点で、第2のヘアケア配合物を形成するために他方の固体粒子と基本ヘアケア配合物を混合する。すすぎ洗いを2つの研磨ステップ相互間で且つ/或いはかかる2つの研磨ステップ後に実施できる。ヘアケア配合物による研磨は、毛髪の色を変える必要はない。
【0159】
処理方法は、毛髪を特徴付けるステップの実施後に、例えば、裸眼又は拡大器具により視覚的に検査することによって、或いは計器を用いることによって、例えば音量計を用いてくしを毛髪中に通すことにより生じる音を記録することによって或いは毛髪のつやを光学的に測定することによって実施されるのが良い。毛髪の特徴付けは、化学試薬を毛髪のサンプルに塗布することを含むのが良い。
【0160】
本発明の方法は、ヘアケア配合物の塗布後に毛髪をくしけずると共に/或いはすすぎ洗うステップを有するのが良い。すすぎ洗いは、水で実施されるのが良い。
毛髪の研磨後、得られた平滑化度を例えば裸眼で若しくは拡大器具を用いた視覚的検査により或いは計器によってモニタすることが可能である。
【0161】
本発明の方法は、毛髪をヘアケア配合物に接触させる前に又は接触させた後に、毛髪を例えば40℃から250℃までの範囲、特に60℃から220℃までの範囲にある温度まで加熱するステップを更に有するのが良い。一例を挙げると、毛髪を研磨後に例えばブロー仕上げにより加熱して整髪するのが良い。一例を挙げると、毛髪をこて、液体としての水と蒸気の混合物又は発熱ヘルメットによって加熱するのが良い。
【0162】
毛髪を完全に又は部分的に乾燥させるのが良い。
【0163】
毛髪処理用キット
【0164】
本発明は、その観点のうちの別の観点において、上記内容とは別個独立に又は上記内容と組み合わせて、毛髪処理用キットであって、
・毛髪を研磨することができる研磨手段と、
・毛髪用の1種類又は2種類以上の美容処理用配合物とを含むことを特徴とするキットを提供する。
【0165】
研磨手段は、手動で又は機械的に動かされる上述した少なくとも1つの研磨面を備える少なくとも1つの媒体を有するのが良い。研磨手段は、1つ又は2つ以上の研磨面及び/又は上述した機械的システムを含む電気器具を有するのが良い。該当する場合には、表面の全てが研磨性であるのが良く、研磨面は、上述したものであるのが良い。
【0166】
変形例では、研磨手段は、上述したように研磨粒子を射出してこれらを毛髪に当てる電気器具から成っていても良い。
別の変形例では、研磨手段は、上述したようなヘアケア配合物を有しても良い。
【0167】
キットは、少なくとも1つの他の媒体及び/又はキットにより毛髪研磨処理に言及し又はこれを説明する使用説明書を更に有するのが良い。
処理用配合物は又、上述したものであっても良い。
【0168】
媒体は、存在する場合、配合物とは別個にキット内に包装されるのが良い。変形例では、媒体には配合物をあらかじめ含浸させても良い。
【0169】
キットの部品の全ては、ありふれたパッケージ内に、例えばブリスタ、袋、箱、ケース又は他の何らかの容器に入れた状態でユーザに提供されるのが良い。
キットは、処理前及び/又は処理後に毛髪を評価する際にツール又はアドバイスを更に含むのが良い。
【0170】
本発明は又、上記内容とは別個独立に又は上記内容と組み合わせて、毛髪処理用キットであって、
・50μm以上の、特に100μm以上の、特に100μmから500μmまでの範囲にある平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物、
・オプションとして、毛髪を研磨する目的で毛髪に対するヘアケア配合物の使用説明書を含む媒体、及び
・毛髪の後処理のための配合物を包装器具内に有することを特徴とするキットを提供する。
【0171】
研磨粒子を含むヘアケア配合物は、上述したものであるのが良い。
【0172】
研磨固体粒子は、ヘアケア配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある濃度を有するのが良い。
【0173】
後処理用配合物は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、毛髪に着色し又は毛髪を漂白する配合物から選択されるのが良い。後処理用配合物は、例えば、上述した処理用配合物から選択されるのが良い。
【0174】
上記内容とは別個独立に又は上記内容と組み合わせて、本発明は又、毛髪処理用キットであって、
・50μm以上の、特に100μm以上の、特に100μmから500μmまでの範囲にある平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物、及び
・毛髪を研磨する目的で毛髪に対するヘアケア配合物の使用説明書を含む媒体を包装器具内に有することを特徴とするキットを提供する。
【0175】
ヘアケア配合物は、上述したものであるのが良い。
【0176】
研磨固体粒子の含有率は、配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にあるのが良い。
【0177】
キットは、毛髪のための後処理用配合物を更に含むのが良い。後処理用配合物は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、毛髪の着色配合物又は毛髪の漂白配合物から選択されるのが良い。一例を挙げると、後処理用配合物は、上述した処理用配合物から選択されるのが良い。
【0178】
本発明は、その非限定的な実施形態についての以下の説明を読むと共に添付の図面を吟味すると一層良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の方法を実施するための2つの表面を有するキットを示す図である。
【図2】図1の表面を用いて実施されるべき方法を示す図である。
【図3】研磨面媒体を含むクランプを示す図である。
【図4】本発明の別の観点によるキットを示す図である。
【図5】本発明の研磨面媒体の一例を示す概略断面図である。
【図6】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図7】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図8】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図9】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図10】別の例示の媒体の概略部分図である。
【図11】別の例示の媒体の概略部分断面図である。
【図12】各々が研磨面媒体を含むくしを示す略図である。
【図13】各々が研磨面媒体を含むくしを示す略図である。
【図14】毛髪処理用配合物用の容器を示す略図であり、容器が研磨面を有している状態を示す図である。
【図15】本発明の方法を実施するための電気器具の一例の概略斜視図である。
【図16】図15の電気器具を用いた例を示す概略部分斜視図である。
【図17】図15の電気器具を用いた例を示す概略部分斜視図である。
【図18】別の例示の研磨面の概略部分図である。
【図19】使用中の電気器具の別の例の略図である。
【図20】使用中の電気器具の別の例の略図である。
【図21】使用中の電気器具の別の例の略図である。
【図22】本発明の方法を具体化するための電気器具の別の例の概略部分断面図である。
【図23】研磨面をどのように動かすことができるかの1つの例を示す概略部分図である。
【図24】研磨面をどのように動かすことができるかの別の例を示す概略部分図である。
【図25】本発明の毛髪処理方法を実施する別の例の略図である。
【図26】本発明に従って毛髪を研磨する電気器具の別の例の概略部分断面図である。
【図27】図26の電気器具の作動の仕方を示す概略部分斜視図である。
【図28】図26と同様な図であり、図26の電気器具を作動状態で示す図である。
【図29】本発明の電気器具の別の例の概略部分軸方向断面図である。
【図30】本発明を具体化する電気器具エンクロージャの例の概略軸方向断面図である。
【図31】本発明を具体化する電気器具エンクロージャの例の概略軸方向断面図である。
【図32】本発明を具体化する電気器具エンクロージャの例の概略軸方向断面図である。
【図33】使用中の本発明の他の電気器具の概略部分断面図である。
【図34】使用中の本発明の他の電気器具の概略部分断面図である。
【図35】本発明の方法を用いた毛髪の処理前における毛髪の部分の原子間力顕微鏡(AFM)写真図である。
【図36】本発明の方法を用いた毛髪の処理後における毛髪の部分の原子間力顕微鏡(AFM)写真図である。
【図37】本発明の電気器具の別の例の概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0180】
図1は、2つの表面5,6を有するキット1(図示されていない包装材を有する)を示しており、例えば、表面5は、研磨性であり、表面6は、非研磨性である。キット1は、本発明の方法を実施するよう構成されている。表面5,6は、毛髪を手動で研磨することができるようにする研磨手段を構成している。
【0181】
研磨面5は、図示の例では柔軟性材料、例えば不織布により作られた媒体7によって構成されている。図示の例では、研磨粒子8、特にモース硬さスケールで9に等しい硬度のアルミナ粒子を有し、これら粒子は、接着面5を形成するよう媒体7に取り付けられ、例えばこれに接着されている。
【0182】
一例を挙げると、非研磨面6は、研磨面5の媒体と同一であるが、研磨粒子を備えていない媒体7により構成されている。図示の例では、非研磨面6には毛髪処理用配合物を含浸させてある。
【0183】
毛髪処理方法は、以下のように図1のキット1を用いて実施可能である。
オペレータは、手Mの間に媒体7を取って一房の毛髪(以下、「毛髪房」という場合がある)Cを図2に示されているように互いに向かい合った研磨面5と非研磨面6との間に捕捉状態に保持する。
【0184】
次に、ユーザは、手を毛髪に対して実質的に横方向に前後に動かして毛髪Cを表面5,6に当てて研磨することができる。
【0185】
オペレータは、媒体7を毛髪に沿って少しずつ、例えば一房の毛髪Cに沿って実質的に最後まで動かして毛髪をその長さ全体にわたって研磨するのが良く、この場合、前後側方の運動を中断させない。変形例では、オペレータは、毛髪を房の一部分にわたって研磨し、次に媒体7を房に沿って動かして研磨運動を繰り返すことができ、この運動は、媒体7を毛髪に沿って動かしている間には中断される。
オペレータは、毛髪の根元から始めて毛先に向かって進むのが良い。
【0186】
処理中、毛髪を研磨面5によって滑らかにする一方で、処理用配合物を表面6により毛髪に付着させる。
【0187】
代替的に又は追加的に、オペレータは、毛髪に沿う長手方向の運動を実施することができ、例えば、媒体7を毛髪の根元から毛先に向かって動かしても良い。オペレータは、毛髪を研磨するために毛先に向かう毛髪相互間の1回又は2回以上のパスを実施するのが良く、例えば、1回〜100回のパス、特に1回〜10回のパスを実施するのが良い。
【0188】
一例を挙げると、かかる運動は、図3に示されているような器具を用いて実施されるのが良い。この器具は、媒体7が取り付けられた2つのヒンジ式枝部12を備えた鋏状クランプによって構成され、これら媒体の各々は、研磨面を構成し又は構成しない。オペレータは、この目的のために設けられた開口部11内に指を差し込むことによってクランプを保持し、枝部12を互いに遠ざけ又は近づけるのが良い。
【0189】
一例を挙げると、研磨面5は、上述したのと同じ形式のものである。一例を挙げると、表面6は、非研磨性であり、フロック加工部を有するのが良い。非研磨面6には処理用配合物を含浸させるのが良い。変形例では、オペレータは、毛髪の処理に先立って髪又は表面6に処理用配合物を注ぎかけても良い。
【0190】
この例では、少なくとも研磨面5の媒体7及び場合によっては更に非研磨面6の媒体は、例えばマジックテープ(登録商標)又はベルクロ(Velcro(登録商標))型連結手段によって対応の枝部12に取り外し可能に取り付けられる。これにより、媒体7を使用相互間で交換することができる。
クランプは、オプションとして、毛髪に及ぼされる圧力を制御すると共に/或いは指示するよう構成された手段、例えばばね及びダイナモメータを有するのが良い。
【0191】
非研磨面6をフォーム、エラストマー被膜又は他の何らかの表面により構成することは本発明の範囲から逸脱しない。
【0192】
図4は、本発明に従ってキット1を製作する可能性を示しており、このキットは、このキット内の毛髪に接触する表面が両方共研磨性であるという点において図1のキットとは異なっている。これら表面は、例えば接着剤によって媒体7に取り付けられた研磨粒子8を有している。
【0193】
図示のように、キットは、例えば容量が250mLの容器で例えば包装された処理用配合物10を更に有している。
【0194】
一例を挙げると、図4のキット1を用いる処理方法は、2つの研磨面5,6により図2に示されているように研磨を実施するステップを有する。毛髪の研磨前、研磨中及び/又は研磨後に、ユーザは、処理用配合物10を研磨面のうちの一方又は毛髪に直接施す又は塗布する。
【0195】
オプションとして、毛髪を研磨前に濡らすのが良く、毛髪は又、研磨後に、例えば配合物10の塗布前にすすぎ洗いするのが良い。
【0196】
一例を挙げると、配合物10を毛髪のすすぎ洗い後に塗布し、配合物10は、毛髪の内部を再構築する作用剤を含むのが良く、かかる作用剤としては、試薬、例えばシランが挙げられる。
【0197】
キットは、ユーザに毛髪を滑らかにする1種類又は2種類以上の研磨媒体の使用法を知らせる使用説明書を更に含むのが良い。
【0198】
一例を挙げると、図1〜図4に示されている媒体は、可撓性又は柔軟性材料で作られ又は或る程度の可撓性又は柔軟性をこれに与える厚さのものである。
【0199】
変形例では、図5に示されているように、媒体7は、硬質であっても良く、媒体は、例えば1GPaから4GPaまでの範囲にある弾性率を有し、媒体7は、表面5を研磨性にする研磨粒子を含むのが良い。一例を挙げると、研磨粒子は、接着剤15を用いて媒体7に結合される。一例を挙げると、媒体7は、比較的硬質の熱可塑性材料、例えばPEHTで作られている。
【0200】
接着剤の代替手段として、研磨粒子8を図6に示されているように充填剤の形態で媒体7中に分散して設けても良い。この図は又、2つの反対側の研磨面を備えた媒体7を製作する可能性を示している。
【0201】
図7は、本発明の方法を実施する可能性を示しており、凸状部分30、例えば歯が研磨面5から突き出ている。これら凸状部分30は、個々の毛髪を研磨面5全体にわたって案内することができる。凸状部分30は、研磨性であっても良く非研磨性であっても良い。凸状部分30は、適宜、非研磨面6に設けることができる。
【0202】
凸状部分は、研磨粒子を支持した媒体7と一体成形することによって作られるのが良く、或いは、変形例では、媒体7を支持した要素、例えば図3に示されたクランプの枝部のうちの一方と一体成形されることにより作られても良い。
【0203】
媒体が硬質である場合、媒体は、表面5が研磨性であるようにすることができるよう構成された構造を有するのが良く、特に、媒体は、図8に示されているような焼結材料から成るのが良い。
【0204】
変形例では、媒体が硬質である場合、研磨面5は、でこぼこ、例えば図9に示されているような棘状部16、図10に示されているような掻き傷17又は図11に示されているような刻み目18を有するのが良い。かかるでこぼこは、特に棘状部の場合、媒体7の制作中に形成されるのが良く、或いは、特に掻き傷又は刻み目の場合、媒体の製作後にエッチングし又は成形するのが良い。でこぼこは、0.1μmから500μmまでの範囲にある深さを有するのが良い。
【0205】
1つ又は複数の媒体7は、ヘアケア器具、例えば図12及び図37に示されているようなくし、ブラシ又は図14に示されているようなヘアケア配合物の入った容器の外壁に取り外し可能に取り付けられるのが良い。取り外し可能な取り付けは、例えばベルクロ(Velcro(登録商標))型の締結手段を用いることにより又は再位置決め可能な接着剤によって得られるのが良い。
【0206】
毛髪に接触する表面は、図1〜図4に示されているような2つの別々の媒体の一部をなしても良く、或いは、例えば処理を実施するよう半分に折り畳まれる単一の媒体の一部であっても良い。
【0207】
図1〜図4に示された実施形態では、研磨手段により、毛髪を手動で研磨することができる。変形例では、研磨手段は、モータ駆動式であっても良い。一例を挙げると、図15は、モータ駆動式研磨手段、例えば本発明の方法を実施する機械的システムを備えた電気器具100を示している。
【0208】
電気器具100は、全体として軸線Xに沿って延び、この電気器具は、取っ手部材102及び2つのヒンジ式枝部104を備えたクランプ103を有している。各枝部104は、他方の枝部に向いた面に、毛髪に接触すべき表面を備えた媒体107を備えている。
【0209】
図示の例では、枝部104aは、研磨面105を備えた媒体107を有し、クランプ103の枝部104bは、非研磨面106を備えている。
【0210】
取っ手部材102は、例えば図示の例では研磨面105を振動させるのに適した電気モータ(図示せず)を含む機械的システムを収容している。研磨面を電気器具内に収容された少なくとも1つの振動源によって振動させることができる。操作ボタン110を押すことにより電気器具を動かす。
【0211】
振動の振動数は、ユーザが種々の目盛り112を通過できる調整ノブ111を用いることによって変更可能である。
【0212】
スライダ114も又、振動の振幅を選択するのに役立ち得る。
【0213】
図示の例では、研磨面を備えた媒体107は、例えば、研磨粒子108、例えば硬度がモース硬さスケールで9に等しく、直径が約8μmの球形の固体アルミナ粒子が例えば接着剤によって取り付けられた織布から成る柔軟性材料で作られている。研磨面105が例えば図5〜図11を参照して説明した研磨面5のうちの1つとほぼ同じであることは本発明の範囲から逸脱しない。
【0214】
研磨面105を備えた媒体107は、例えば研磨面が1回又は2回以上の使用後に摩耗状態になった場合、媒体を交換することができるよう例えば取り外し可能に、例えばフックにより又はベルクロ(Velcro(登録商標))型締結具によって枝部104aに取り付けられる。接着面5の幅は、1cmから5cmまでの範囲にあるのが良く、その長さは、1cmから10cmまでの範囲にあるのが良い。
【0215】
表面106は、これが研磨粒子を備えていないので研磨性を示さない。
表面106には毛髪処理用配合物を充填するのが良い。一例を挙げると、配合物は、任意の手段、例えば重力、毛管作用又はポンプ、例えば電気ポンプ又はユーザにより駆動される手動ポンプによって、表面106又はその近くに設けられたディスペンサオリフィスに取り込み可能である。変形例では、本発明の方法において処理用配合物を施すステップを実施するために、ユーザは、図4に示された形式の容器に入っている配合物を例えば毛髪に直接注ぎかけることができる。処理用配合物を毛髪の研磨前、研磨後又は研磨中に施すことができる。
【0216】
図15の電気器具を用いるための手順は、次の通りである。
【0217】
クランプ103の枝部104a,104bを図16に示されているように互いに離してオプションとして濡れている一房の毛髪Cをクランプ103の研磨面105と非研磨面106との間に滑らせることができ、毛髪房中の同時に処理される毛髪の本数は、例えば、100本から5000本までの範囲にある。
【0218】
クランプ103は、一房の毛髪Cを捕捉状態に保持するよう再閉鎖され、枝部104a,104bを例えば弾性戻り部材、例えばばねが設けられることに起因して得られる弾性戻り作用によって互いに向かって押すことができる。
【0219】
オプションとして、スライダ114を用いた振動の振幅の選択後、ユーザは、ボタン110を押して源をオンに切り換える。研磨中、ユーザは、オプションとして、振動の振幅を変えることができる。
【0220】
図17に示されているように、ユーザは、研磨面105が毛髪と接触した状態で振動している間、電気器具100を一房の毛髪Cに沿って、例えば毛髪の根元から自由状態の毛先へ動かすのが良い。
【0221】
適宜、電気器具は、ユーザが振動の向きを選択することができるよう構成されているのが良い。
【0222】
一例を挙げると、電気器具は、それぞれ研磨面を軸線Xに平行に振動させ又は軸線Xに対して横方向に振動させるのに役立つ2つの振動源を有する。
【0223】
振動モードは、毛髪の関数として選択されるのが良く、横方向モードは、傷み具合が僅かな毛髪に適し、これに対し、長手方向モードは、非常に傷んだ毛髪について適している場合がある。
【0224】
図示していない変形例では、ユーザは、例えば偏心フライウェイトを駆動するモータの回転数に作用することにより振動の振動数を変えることができる。
【0225】
ユーザは、電気器具を図示のように処理のために房に沿って摺動させることができ又は電気器具を動かさないで研磨面100及び非研磨面106と接触状態にある毛髪房の部分を処理し、次にクランプを開くと共に電気器具を再位置決めして毛髪房の別の部分を処理することができる。
【0226】
研磨作業をいったん完了すると、ユーザは、研磨粒子及び/又は髪から取れている恐れのある付着物を除去するために毛髪をすすぎ洗いするのが良い。
ユーザは、次に、毛髪に対して着色又はケア処理を施すことができる。
【0227】
電気器具100は、粒子及び/又は付着物を吸い上げるシステムを有するのが良く、或いは、確かに、液体回収システムを有するのが良い。
【0228】
一例を挙げると、図18に示されているように、研磨面105(又は裏当て面106)は、例えばファンによって構成された吸引源と連通した穴120を有するのが良い。電気器具は、液体を毛髪に吹き付け、吹き付けられた液体を例えばこれを吸い上げることにより回収する手段を更に有するのが良い。
【0229】
電気器具が毛髪の研磨に先立って毛髪を濡らすステップを有するよう用いられる場合、研磨粒子108をこれらが水又は用いられる他の物質への接触時に媒体107から分離しないようにするような仕方で取り付けられるのが良い。
【0230】
図19〜図21は、本発明の電気器具100の他の例を示しており、各電気器具は、単一の研磨面105を有し、これら電気器具は、裏当て面を備えていない。
【0231】
図19の例では、研磨面105は、例えば長手方向軸線X回りに回転駆動される。研磨面105の研磨性は、好ましくは、毛髪が研磨面105に絡みつくことなく研磨面105と接触状態で滑ることができるようにするのに十分弱い。電気器具は、有利には、必要ならば回転方向を逆にすることができる。これにより、研磨面は、根元から毛先に向かって方向転換することができる。適宜、研磨面105は、毛髪をくしけずる目的で凸状部分、例えば歯を有するのが良い。研磨面105には、髪を絡ませる恐れを低くするよう歯がなくても良い。電気器具は、研磨面から見て上流側又は下流側に位置するくしを有するのが良い。研磨面105に回転だけでなく振動、例えば回転軸線に平行な振動を及ぼすのが良い。
【0232】
図19に示されている電気器具を使用するためには、ユーザは、研磨面105が回転駆動されている間に一房の毛髪Cを保持する。
【0233】
図20の例では、研磨面105は、電気器具の長手方向軸線Y回りに回転駆動される実質的に平べったい円板によって構成され、この長手方向軸線Yは、例えば、円板の中心をこれに垂直に通る。
【0234】
図21の実78態では、研磨面は、例えば楕円形の経路に沿って2本の軸線125,126回りに動くよう電気器具によって駆動される連続ストリップを形成する。
【0235】
図22に示されている例では、電気器具100は、2つの研磨面105,106を有し、研磨面105,106及び/又は媒体107は、同一であっても良く、或いは異なっていても良い。
【0236】
図23は、2つの研磨面105,106を例えばモータ駆動下において互いに逆方向に動かす手段を示している。
【0237】
図24は、両方共研磨性であって回転可能な表面105,106の可能性を示している。両方の表面が可撓性であり、表面105,106のうちの一方だけが回転可能であり、或いは確かに、表面のうちの一方だけが研磨性であり、両方の表面が回転可能であるようにすることは、本発明の範囲から逸脱しない。
【0238】
図19〜図24に示されている電気器具のうちの1つを用いる方法では、研磨前、研磨後及び/又は研磨中に美容処理用配合物を施す。配合物は、オプションとして、電気器具内に設けられるのが良く、かかる配合物は、例えば、表面105及び/又は表面106のうちの一方を含浸するのが良い。
【0239】
図25に示されている変形例では、本発明の処理方法は、固体研磨粒子208を特にジェット203の形態で毛髪Cに吹き付けて毛髪を研磨するステップを有する。かかる状況のもとでは、研磨手段は、研磨粒子を射出してこれらを毛髪に当てるよう構成されている。
【0240】
図25の例では、固体粒子のジェットを毎秒1グラム(g/s)の質量流量で射出してこれを毛髪に当てる。固体粒子ジェットは、毎秒4立方センチメートル(cm3/s)の体積流量を有するのが良い。
【0241】
研磨処理中、固体粒子のジェットの流量を変えることができる。当初、ジェットは、約0.5cmの幅を有するのが良い。この幅は、オプションとして、例えば毛髪の状態の関数として研磨の程度を調節するよう研磨中又は研磨前に変更可能である。粒子のジェットは、流体、特に図示の例では圧縮空気によって推進される。粒子のジェットは、平べったい形状(5mm×2mm)の単一の出口によって構成されるノズル205から放出される。
一例を挙げると、射出されて毛髪に当てられる固体粒子208は、直径が約20μm、硬度がモース硬さスケールで約7のシリカ粒子であるのが良い。
【0242】
毛髪の研磨前、研磨後又は研磨中、美容処理用配合物を毛髪に施す。
【0243】
図26は、一房の毛髪Cを挿通させるよう構成されたエンクロージャ202を有する電気器具200を示している。図示の例のエンクロージャ202は、連結部210、例えばヒンジ式連結部によって互いに連結されている2つのシェル204を有する。これらシェルは、エンクロージャ202が開かれる第1の形態及び図27及び図28に示されていて、エンクロージャ202が閉じられる第2の形態を取ることができるよう連結部210を中心として回動可能であるのが良い。
【0244】
開放した第1の形態では、シェル204は、連結部210により互いに固定され、これに対し、第2の形態では、シェル204は、もはや動かず、互いに当接状態に位置決めされてこれらの間に、毛髪を挿通させることができるようエンクロージャの両端部のところが開口した容積部211を構成する。
【0245】
図示の例では、エンクロージャ202は、実質的に円筒形である外側形状を有し、容積部211は、楕円形の断面を有する。エンクロージャ202が他の何らかの形状のものであることは本発明の範囲から逸脱しない。
【0246】
研磨固体粒子を供給するチャネル212は、シェル204により構成された容積部211内に開口している。この実施形態では、電気器具200は、粒子208を容積部211から吸い出すのに役立つチャネル213を更に有する。これら入口及び出口チャネル212,213は、エンクロージャ202を電気器具の残部(図示せず)に連結する可撓性連結部214内に収容されている。入口及び出口チャネルの数は、これよりも多くても良く、このことは、本発明の範囲から逸脱しない。具体的に説明すると、電気器具は、大きな衝撃を毛髪に与え又はより効果的な研磨を提供するよう固体粒子208を供給する複数本のチャネル212を有するのが良い。
【0247】
エンクロージャ202及び可撓性連結部214内に収容されたチャネル212,213に加えて、電気器具200は、固体研磨粒子208の供給源、例えば場合によってはフィルタと共にファンを含む粒子吸引システム、使用済み粒子の容器及び固体粒子208を供給源から容積部211まで同伴するベクトルとして働く圧力下でガスを発生させるよう構成された圧縮機を有するのが良い。
【0248】
図26〜図28に示されている電気器具200の動作原理は、次の通りである。エンクロージャ202を開いた後、ユーザは、一房の毛髪Cをエンクロージャ内に挿入し、エンクロージャ202を図27に示されているように再び閉じる。シェル204が閉鎖可能であり、かかるシェルは、任意適当な機械的閉鎖方式、例えばスナップ止めによって閉鎖形態を保持することができる。変形例では、閉鎖方式は、自動化されても良い。
【0249】
ユーザは電気器具200をオンに切り換えて固体粒子のジェットがチャネル212から射出されて粒子208が容積部211内に送り込まれるようにする。エンクロージャ内に保持されている毛髪の部分に射出される粒子のジェットは、毛髪を研磨するのに役立つ。
【0250】
研磨中、ジェットの体積流量又は質量流量を変更することが可能である。
【0251】
吸引システムは、例えばそれと同時に作動して研磨粒子208を研磨により毛髪から取れた粒子又は付着物Dと一緒に吸い上げ、これら粒子は、適宜、使用済み粒子容器に差し向けられる。
ユーザは、エンクロージャ202をエンクロージャ212内に保持されている一房の毛髪に沿って、例えば根元から毛先に動かすことができる。
【0252】
図28は、粒子射出システムだけを有し、粒子吸い上げシステムを備えていない電気器具の一部分を示している。かかる状況のもとでは、毛髪を研磨した後、毛髪をすすぎ洗いして毛髪から研磨粒子208及び研磨によって毛髪から取れた他の粒子又は付着物を除去するのが良い。
【0253】
エンクロージャの内容積部211の断面は、図26〜図29に示されている形状には限定されない。
【0254】
図30は、円形断面の1つのシェル204により構成された容積部211を示している。図31では、容積部211は、形状が長方形の断面を有している。内容積部211の形状は、これとは異なっていても良く、このことは、本発明の範囲から逸脱しない。
【0255】
シェル204のうちの少なくとも一方及び図32に示されている例では両方のシェルは、例えば毛髪を分けると共に/或いは毛髪をくしけずるよう他方のシェル204に向いた内面に1つ又は2つ以上の凸状部分215、例えば歯を有するのが良い。これら凸状部分215は又、シェル相互間に形成された処理チャンバを出た研磨粒子を止めることができ又は装置外部への研磨粒子の損失を制限することができる。
【0256】
図33は、本発明の電気器具200の別の例を示しており、この電気器具は、側壁221及び頂壁222によって構成された処理チャンバ220を有し、このチャンバは、図示のように研磨されている一房の毛髪Cによって底部が閉鎖されている。頂壁222を貫通して、研磨固体粒子208を場合によっては他の粒子と共に、例えばケア活性剤と共に供給するチャネル212が貫通して設けられている。粒子208は、これらが毛髪Cに当てられた後、毛髪から取れた付着物Dと一緒に、処理チャンバ220の頂壁222を貫通して延びる出口チャネル213を介して吸い上げられる。粒子の供給流は、吸引ポンプに連結されている出口チャネルを介する吸引の結果としてチャンバ220内に存在する吸引力によって生じる。かくして、一房の毛髪が存在しない場合、吸引力は、作られず、粒子は、チャンバ222内に存在しない。図34の例では、一房の毛髪Cを研磨するためにかかる毛髪に当たるよう粒子208を動かすのは、振動面225である。振動面225は、超音波によって動かされるのが良い。かかる状況のもとでは、振動面は、ソノトロード(sonotrode)の一部をなすのが良い。粒子208は、振動面225、一房の毛髪C及び振動面を構成するソノトロードに固定された1つ又は2つ以上の側壁221によって構成された処理チャンバ220内に封じ込められる。
【0257】
図26〜図34の電気器具を用いて実施される方法では、美容処理用配合物を研磨前、研磨後及び/又は研磨中に毛髪に施す。
本発明は、説明した実施形態には限定されない。
【0258】
研磨面を備えた媒体の例
【0259】
直径が約20μm、硬度がモース硬さスケールで6のシリカの研磨粒子を含むカードシートから成る柔軟性媒体を用いて毛髪を処理した。
【0260】
直径が約0.5cmから約1cmまでの範囲にある毛髪房について一房ごとに研磨を実施した。
【0261】
乾いた状態の毛髪について根元から毛先に向かって3回のパスを長手方向に実施した。
【0262】
毛髪を研磨前及び研磨後に取り、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてこれらを分析した。図35及び図36は、研磨前及び研磨後における毛髪CのAFM写真図である。
【0263】
処理後の毛髪の鱗片Eは、規則性が高く且つギザギザの度合いが低く、それによりもつれをほどくのが容易であることが分かる。さらに、研磨後、剥がれて浮き上がって鱗片が事実上ないままである。
【0264】
次に毛髪にコンディショング処理用配合物を施し、このコンディショニング処理用配合物は、毛髪の表面上に一様に付着すると共に/或いはその内部に効果的に浸透した。
【0265】
研磨ヘアケア配合物による実施例
【0266】
説明する他の例は、毛髪を研磨する目的で研磨粒子を含むヘアケア配合物を利用している。ヘアケア配合物に加えて処理用配合物も又、例えば毛髪の研磨前又は研磨後に毛髪に施した。特定の一例では、研磨ヘアケア配合物は、処理用配合物を構成し、研磨及び処理用配合物の塗布をこの例ではヘアケア配合物と同時に実施した。
配合物の全重量に対して重量を基準とした比率が与えられている。
【0267】
比較実施例1‐平滑化パワーを表している
【0268】
以下のヘアケア配合物を調製した。
【0269】
〔表1〕
配合物 A B
カルボポール(Carbopol)980[1] 0.2 0.2
アルミナ“a”[2] 20 0
緩衝剤 qs pH=7 qs pH=7
水 Qsp100 Qsp100
[1]ノブオン(Noveon)により市販されているカルボポール980
[2]マーケテック・インターナショナル・インコーポレイテッド(Marketech International Inc.)により市販されているDermagrain 1000,粒径120μm、モース硬さスケールによる硬度約9
【0270】
20人の女性の一グループについて研究を実施し、10人の女性の毛髪は、ナチュラルで長く、10人の女性の毛髪は、敏感で長かった。
【0271】
10グラム(g)〜15gのこれら配合物A,Bの各々を頭半分ごとに塗布したが、配合物Aは、本発明によるものであり、配合物Bは、コントロール配合物であった。
【0272】
毛髪を研磨する2種類の動きを用いて塗布を一房ごとに実施し、「接線方向」運動と呼ばれる第1の動きは、毛髪に実質的に平行であり、「剪断」運動と呼ばれる第2の動きは、毛髪に実質的に垂直であった。両方の動きを10回繰り返した。毛髪をくしけずり、すすぎ洗いし、最終的にブロー仕上げした。
【0273】
官能試験
【0274】
各頭半分の官能特性の比較評価を実施し、一方の頭半分を本発明の方法を利用して配合物Aによって処理し、他方をコントロール配合物Bを用いて処理した。
【0275】
結果の示すところによれば、本発明の方法を用いて処理した側は、コントロール側よりも滑らかであり且つしなやかであり、しかも一様であった。また、本発明の方法は、小さなカールが少ない状態の良好なヘアボリュームコントロールを与えたことが観察された。特に顕著な作用効果は、毛髪が敏感で且つ濃い場合に与えられた。
【0276】
シャンプー洗浄を5回行った後、毛髪が敏感な度合い(ナチュラルから非常に敏感な度合いまで)とは無関係にボリュームコントロールの場合と同様毛髪の滑らかさが保持された。
【0277】
比較実施例2‐用いられるヘアケア配合物中に含まれる粒子のサイズの関数としての平滑化パワー
【0278】
〔表2〕
配合物 A B
カルボポール(Carbopol)980[1] 0.2 0.2
アルミナ“a”[2](120μm) 20 0
アルミナ“b”[3](0.68μm) 0 20
緩衝剤 qs pH=7 qs pH=7
水 Qsp100 Qsp100
[1]ノブオン(Noveon)により市販されているカルボポール980
[2]マーケテック・インターナショナル・インコーポレイテッド(Marketech International Inc.)により市販されているDermagrain 1000
[3]ミヨシ・カセイ(Miyoshi Kasei)により市販されているアルミナビーズ
【0279】
ヘアケア配合物を塗布し、毛髪を研磨し、くしけずり、すすぎ洗いし、毛髪を乾燥させるプロトコルは、実施例1と同一であったが、配合物A,Cが用いられた。
【0280】
官能試験
【0281】
各頭半分の官能特性の比較評価を実施し、一方の頭半分を本発明の方法により平均寸法が120μmのアルミナの固体粒子を含有した配合物Aを用いて処理し、平均寸法が0.68μmのアルミナの固体粒子を含有した配合物Bを用いて処理した。
【0282】
結果の示すところによれば、アルミナ“a”粒子を含有した配合物Aにより処理した側は、アルミナ“b”粒子を含有した配合物Cにより処理した側よりも滑らかであり且つしなやかであり、しかも一様であった。
【0283】
シャンプー洗浄を5回行った後、アルミナ“a”粒子を含有した配合物Aにより処理した毛髪についてボリュームコントロールの場合と同様毛髪の滑らかさが保持された。
【0284】
比較実施例3‐本発明の方法を用いてコンディショナ型後処理により毛髪を前処理する
【0285】
この実施例では、本発明の方法に続き、コンディショナ型の後処理を実施した。
【0286】
処理用配合物D及び比較配合物Eの配合内容は次のようであった。
【0287】
〔表3〕
配合物 D E
塩化セトリモニウム 0.8 0.8
Quaternium-80 0.306 0.306
グリセリルステアレート 1 1
プロピレングリコール 0.294 0.294
セテアリルアルコール 3.15 3.15
ジパルミトリルエチルヒドロキシエチルモニウム
メトスルフェート[6] 1.35 1.35
軽石[1] 20 0
緩衝剤 qs pH=5.5 qs pH=5.5
水 Qsp100 Qsp100
[1]軽石:アイロー(Eyraud)により市販されている軽石粉末、平均直径365μm
【0288】
20人の女性の一グループについて研究を実施し、10人の女性の毛髪は、ナチュラルで長く、10人の女性の毛髪は、敏感で長かった。
【0289】
10グラム(g)〜15gのこれら配合物A,Bの各々を頭半分ごとに塗布したが、配合物Aは、本発明によるものであり、配合物Bは、コントロール配合物であった。
【0290】
毛髪を研磨する2種類の動作、即ち、「接線方向」動作及び「剪断」動作を用いて塗布を一房ごとに実施した。2種類の動作を10回繰り返した。毛髪をくしけずり、すすぎ洗いし、最終的にブロー仕上げした。
【0291】
毛髪のこの最初の処理後、コンディショナ型後処理を行った。
【0292】
〔表4〕
後処理用配合物 F
塩化セトリモニウム 0.03
ヒドロキシプロピルトリモイニウム加水分解小麦 0.3
グリセリルリノレネート 0.002
Trideceth-6 0.1476
グリセリルオレエート 0.031
グリセリルリニレエート 0.067
グリセリン 2
イソプロピルアルコール 1.125
セテアリルアルコール 7
アモジメチコーン 1.725
ベヘントリモニウムクロリド 4.9375
Halianthus annus(ひまわり)種油 0.05
セチルエステル 1.5
防腐剤 qs
フレグランス qs
水 Qsp100
【0293】
この後処理を毛髪の全てに施し、次にすすぎ洗いした。毛髪をブロー仕上げした。
【0294】
官能試験
【0295】
結果の示すところによれば、本発明の方法により配合物Dを用いて処理した側に関するコンディショニング、即ち平滑化は、配合物Eで処理した側よりも根元から毛先まで規則的であり、軽く、そしてナチュラルであった。コンディショナ配合物を適当な仕方で塗り、根元部へのその付け具合は少なく、毛先を良好に手入れした。本発明は、ヘアボリュームに対する良好な管理を提供し、毛髪のまとまり具合を向上させた。敏感であり且つ濃い髪に対する作用効果は特に顕著であった。
【0296】
シャンプー洗浄を5回行った後、毛髪が敏感な度合い(ナチュラルから非常に敏感な度合いまで)とは無関係にボリュームコントロールの場合と同様毛髪の滑らかさが保持された。
【0297】
マイクロサンディングによる実施例
【0298】
上述の実施例1〜3では、図37に示されているように、電気器具200は、商品名PL17で特定される商標Arenaのマイクロサンダ230を有している。
【0299】
電気器具200は、幅e=3cmのエンクロージャ202を有しており、それにより、毛髪が容積部211を通って滑ることができるようにすると共に研磨粉末を吸引システム232による一房の毛髪への衝突後に吸い上げることができるようにした。
【0300】
小さな金属グリッド231が毛髪の吸い上げを阻止するよう毛髪を支持した。
粉末形態の研磨粒子を毎秒約1リットル(L/s)の速度で圧縮空気の流れにより送り出した。ノズル205の直径は、約1.7mmであった。
エンクロージャ202を通って毎秒約1センチメートル(cm/s)の速度で一房の毛髪を滑らせた。
【0301】
実施例1
【0302】
この実施例では、サイズが50μmから70μmまでの範囲にある白色コランダムから成るABC220と呼ばれている商標Arenaのいわゆる「角張った」研磨粒子を用いた。
【0303】
この処理を敏感な毛髪に施した。
【0304】
実施例2
【0305】
この実施例では、用いた研磨粒子はガラスマイクロビーズ(商標Arena(番号ABV05、直径約45μm〜89μm))の形態をしていて、丸形であった。
【0306】
研磨処理をスタイリング前にナチュラルな毛髪に施した。特に、処理を前の房に施した。次に、最後のすすぎ洗い後、ヘアスプレー(Elnett Satin)を用いてスタイリングを実施した。毛髪は、形状を保つのが容易であった。
【0307】
実施例3
【0308】
「角張った」種類の研磨粒子(寸法が200μmから500μmまでの範囲にある商標Aren(番号P300 3))を用いて第3の実施例を行った。
【0309】
研磨処理を灰色で脂で汚れた毛髪に対して行った。処理後、毛髪を洗浄し、次にブラウン着色(Majirel 3.0)を毛髪に塗布した。すると、高い輝度の色彩効果が得られた。
【0310】
実施例4
【0311】
供給業者であるアンリ・シェイン(Henry Schein)から入手できる商標“SD2”(番号DA15301、商品コード886‐9361)のサンダ30を用いた。
【0312】
この実施例を上述の実施例の場合とほぼ同じ形態で構成した。
研磨粒子8は、平均直径が50μmの酸化アルミニウム粉末から成っていた。
また、毎分約50ミリリットル(mL/s)の空気を送り出す圧縮機(図示せず)によってサンダ30に圧縮空気を供給した。
ノズルを旋回させることができた。
敏感な髪を実施例1の場合のように処理した。
【0313】
出願明細書中の対応英文表記“comprising a”は、“comprising at least one”という表現と同義であると理解されるべきであり、「〜から〜までの範囲にある」という表現は、別段の指定がなければ、与えられた限度を含むものと理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
毛髪は、化学的処理、例えば毛染め若しくはパーマネントウェーブ(パーマがけ)又は機械的応力、例えばブラッシング(毛髪のほぐし)若しくはブロー仕上げによってダメージを受ける場合がある。毛髪の特にキューティクルの、即ち鱗状構造を備えた毛髪の外側層の表面の機械的性質、形態学的性質及び物理化学的性質は、かかる化学的処理や機械的応力によって改質される。特に、応力に関するかかる処理の実施中、キューティクルの鱗片は、持ち上がり状態になり、これらの通常は規則的な辺縁部がギザギザ状態になる。かかる劣化は、幾つかの結果をもたらす場合がある。第1に、毛髪は、滑らかさが少なくなり、ほぐしにくくなる。第2に、毛髪処理用配合物、例えばコンディショナ中の活性剤が毛髪上に非一様に付着するという恐れが生じる。活性ケア剤を毛髪に一様に施すことが望ましいといえる。
【0002】
ケア製品を毛髪に塗布し又は施すことにより傷んだ毛髪をケアすることが知られており、かかるケア製品としては、特定のポリマー、例えばシリコーン又は陽イオン性充填剤を含むポリマーが挙げられる。それにもかかわらず、このように処理された毛髪に対する改善策は、一時的なものに過ぎない。というのは、ケア製品が毛髪上にいったん存在しなくなると、例えば、毛髪を1回又は2回以上洗った後では、毛髪は、その元の状態に戻るからである。
【0003】
欧州特許第1283019号明細書は、物品、例えばゴム又はポリオレフィンから成る凸状要素を備えた表面模様付き拭い取りを開示している。この物品は、例えば皮膚の表層を剥離するために用いられる。
【0004】
欧州特許第1577161号明細書は、歯を有する剛性のくしを記載しており、これら歯は、毛髪中に存在するニットを捕まえてこれらを除去するよう歯に或る大きさの粗さを与えるよう模様付けされた端部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1283019号明細書
【特許文献2】欧州特許第1577161号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
毛髪、特に表面が痛んだ毛髪を長持ちするよう処理することができる方法及びキットの恩恵を受けることが要望されている。
本発明は、多くの目的のうちでとりわけ、この要望を満足させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、毛髪の美容処理方法であって、
・毛髪を研磨することができる研磨手段を用いて毛髪を研磨するステップと、
・毛髪の研磨前、研磨後及び/又は研磨中に美容処理用配合物を毛髪に施すステップとを有することを特徴とする方法によってこの要望を達成する。
【0008】
本発明の方法のステップは、単一のセッションで、例えば1時間の期間で実施可能である。美容処理用配合物を毛髪の研磨前に毛髪に施すと、かかる配合物は、毛髪が研磨されている間でも依然として存在する。この配合物を毛髪の研磨後に施す場合、研磨の直後に、単一のセッション中、例えば1時間以下の期間内に行われる。
【0009】
本発明の別の目的は、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50マイクロメートル(μm)以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有することを特徴とする方法を提供することにある。
【0010】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施され、一房の毛髪に対するパスの回数は、6回以上であり、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にあることを特徴とする方法を提供する。
【0011】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、この方法は、ヘアケア配合物による処理後に、毛髪に後処理を施すステップを含み、後処理は、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択されることを特徴とする方法を提供する。
【0012】
本発明は又、毛髪を滑らかにする方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有することを特徴とする方法を提供する。
【0013】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、研磨固体粒子は、配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある含有率を有すると共にモース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有することを特徴とする方法を提供する。
【0014】
本発明は又、毛髪処理方法であって、毛髪を連続的に施される2種類のヘアケア配合物で研磨する2つの研磨ステップを有し、各ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、2種類のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法は、互いに異なることを特徴とする方法を提供する。
【0015】
本発明により、毛髪をコンディショナ、カラー、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、漂白配合物又は他の何らかの配合物を施すことによりヘアケア後処理のために準備することができる。この方法は、本発明のヘアケア配合物による処理後に、毛髪に後処理を施すステップを更に有するのが良く、後処理は、毛髪のためのコンディショナの塗布、くせ取り剤の塗布、着色配合物の塗布又は漂白配合物の塗布から選択され、このリストは、本発明を限定するものではない。
【0016】
毛髪研磨
【0017】
本発明により、キューティクルによって構成されている毛髪の表面を滑らかにすることができる。
本発明の実施によって行われる毛髪の研磨は、毛髪の初期状態及び/又は所望の結果に応じて程度の差があれ、ほぼ完全であるのが良い。
【0018】
毛髪を研磨する度合いを調整するため、例えば、毛髪研磨の持続時間を変化させることが可能である。研磨は、比較的穏やかであり且つ/或いは次の機械的応力印加及び処理、例えばヘアスタイリング中の切れ毛の発生を回避するよう短い持続時間のものであるのが良い。
【0019】
本発明により、毛髪を目で見て分かるほど滑らかにすることができ、しかも処理の効果は、長持ちがする。毛髪から研磨に先立って毛髪の表面に存在している場合のある付着物を除くことができ、キューティクル中の鱗片の辺縁部をより規則的にすることができる。
さらに、処理後、毛髪の或る特定の性質を補強し又は毛髪の外観を変更する配合物は、研磨後の毛髪中に容易且つ深く侵入することができる。
【0020】
研磨粒子
【0021】
毛髪は、研磨粒子を以下に記載する種々の仕方で毛髪に当てることにより研磨されるのが良い。
【0022】
固体粒子は、特に鉱物又は野菜由来の天然粒子又は合成材料から選択可能である。研磨粒子は、以下のもの、即ち、
・無機及び/又は金属粒子、例えば窒化硼素、特に体心立方形態の窒化硼素(Borazon(登録商標))、アルミノ珪酸塩、ジルコン、アルミニウムの混合酸化物、例えばエメリ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、例えばアルミナ、コランダム、酸化チタン、酸化チタン被覆マイカ、カーバイド、特に炭化珪素(カーボランダム)又は他の金属酸化物、金属及び金属合金、例えばアイアンショット、スチールショット、特にパーライトショット、シリケート、例えばガラス、石英又は砂、炭化カルシウム(例えば、ボラ・ボラ・サンド(bora bora sand)又はローズ・ド・ブリグノール・サンド(rose de Brignoles sand))又は炭酸マグネシウム、軽石、非晶質シリカ、ダイヤモンド、セラミックス、
・有機粒子、例えば果実の種、特にアンズの種、例えばScrubami(登録商標)アンズ、木材セルロース、特に粉砕竹茎、やしの殻、例えばココナッツ表層剥離剤、ポリアミド、特にナイロン‐6、及び
・有機及び無機化合物を組み合わせた混合粒子及び上述の化合物で被覆された粒子から選択されるのが良く、このリストは、本発明を限定するものではない。
【0023】
研磨粒子は、オプションとして、水溶性であるのが良い。
研磨粒子が、10ナノメートル(nm)から800μmまでの範囲、好適には50nmから500μmまでの範囲にある平均寸法を備えるのが良い。本発明の意味における「寸法」という用語は、粒子の最大寸法として理解されるべきである。本発明の意味における「平均寸法」という用語は、D50と呼ばれる半母集団における統計学的粒度分布によって与えられる寸法であると理解されるべきである。実現される粒子までの範囲に応じて、平均寸法は、スクリーン又はレーザ粒度分析(グラニュロメトリ)を用いることによって決定できる。
【0024】
研磨粒子は、野菜又は合成由来のものであるのが良く、かかる研磨粒子は、平べったい形状、球形、細長い形状、多面体形状又は不規則な形状のものであって良い。研磨粒子は、例えば、軽石、粉粒、ダイヤモンド粉末、果実の粉末状種、粉末状ココナッツの殻、マイクロビーズ、例えばアルミナ、ガラス又はポリアミド、特にナイロン‐6のマイクロビーズ、繊維、特にポリアミド繊維或いは木材セルロースの硬質繊維に由来するものであっても良い。研磨粒子にはセラミックスが含まれないのが良い。
【0025】
研磨粒子の硬度は、モース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上であるのが良い。
【0026】
次は、用いられるのに適した様々な種類の研磨粒子を記載した非限定的な表である。
【表1】
【0027】
研磨面
【0028】
一例を挙げると、研磨手段は、少なくとも2つの向かい合った表面を有し、表面のうちの少なくとも一方は、研磨性であり、互いに向かい合った表面は、研磨中、毛髪と接触状態にあり、向かい合った表面のうちの少なくとも一方は、研磨によって毛髪に作用する。
【0029】
各研磨面の粗さ又はでこぼこの度合いは、例えば、P12からP2500までの範囲にある粒度を有する研磨面の粗さに相当しており、粗さは、規格ISO6344‐1、ISO6344‐2及びISO6344‐3を用いて定められる。
【0030】
研磨面は、媒体に取り付けられた研磨粒子を有するのが良い。かかる状況のもとでは、研磨粒子は、例えば、第1の材料を有するのが良く、研磨粒子は少なくとも一部が、少なくとも研磨粒子に接触する媒体の部分が第1の材料とは異なる第2の材料によって構成された媒体に取り付けられるのが良い。
【0031】
研磨粒子は、種々の手段により媒体に取り付けられるのが良く、例えば、研磨粒子は、媒体に接着されるのが良く又は充填剤の形態で媒体内に分布して設けられるのが良い。研磨粒子は、研磨粒子が処理中、媒体から離脱状態にならないよう媒体に取り付けられるのが良い。
【0032】
互いに異なる研磨特性を呈する複数の研磨面が特に同一の包装材に入れた状態でユーザに一緒に提案されるのが良い。研磨面が研磨粒子を含む場合、それにより、例えば、ユーザは、比較的粗い粒子で第1の処理を実施し、次に細かい粒子で第2の処理を実施することができる。
【0033】
向かい合った表面の全ては、研磨性であるのが良い。これは、処理の持続時間を短縮すると共に/或いは毛髪を一様な仕方で処理するのに役立ち得る。変形例では、表面のうちの一方だけが研磨性である必要があり、他方の表面は、非研磨性である。支持面とも呼ばれる各非研磨性の面は、処理用配合物を毛髪に施すよう使用可能であり、かかる配合物は、例えば、液体、ゲル、クリーム又は粉末であるのが良い。
【0034】
一例を挙げると、支持面は、とりわけフロック加工部、フォーム又はエラストマーを含むのが良く、かかる支持面にはオプションとして処理用配合物を含浸させるのが良い。支持面は又、毛髪を接触状態で滑らせる表面状態を呈するのが良く、例えば、摩擦係数が低い材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の被膜を備えるのが良く、或いは、支持面は、滑りを促進する粒子、例えば黒鉛の粒子から成る充填剤を含む熱可塑性材料の壁によって構成されても良い。
【0035】
研磨処理前に研磨処理前に処理面に配合物を含浸させるのが良い。また、支持面に処理中、配合物を連続的に又は不連続的に送るのが良く、例えば、支持面は、処理用配合物を収容した供給源と連通するのが良い。
【0036】
処理されるべき少なくとも1本の毛髪、好適には毛髪の大部分又は全ては、少なくとも5ミリメートル(mm)、好ましくは少なくとも10mmの距離にわたって研磨面に接触するのが良い。
各研磨面は、オプションとして、これが毛髪に接触するときに平面状であるのが良い。
【0037】
上述の向かい合った表面は、本発明の方法の実施のたびに毛髪に接触する唯一の向かい合った表面であるのが良い。向かい合った表面は、数が2つだけであるのが良く、オプションとして、互いに平行である。
毛髪に接触する表面は、オプションとして、研磨処理中、互いに対して動くようになっているのが良い。表面の全てを運動させるのが良い。
【0038】
毛髪を一部とする人又は第三者、例えばヘアドレッサが互いに向かい合った表面と毛髪の相対運動を生じさせるのが良い。相対運動は、手動による運動又は機械的システムを用いた少なくとも部分的にモータ駆動手段による運動である。
【0039】
毛髪を根元から毛先に向かって或いは別のやり方で処理するのが良い。
【0040】
媒体
【0041】
向かい合った表面は、媒体の面を定める。
媒体は、柔軟性又は可撓性であるのが良く、例えば、媒体は、織布、不織布、紙又は軟質ポリマーから成り又はこれによって構成されるのが良い。
【0042】
媒体は、2つの互いに反対側の主要面を備えたシートの形態をしているのが良い。面のうちの一方だけが研磨性を備える必要があるに過ぎない。この場合、2つの面の研磨性は、互いに同一であっても良く異なっていても良い。
向かい合った表面は、2つの別々の媒体の一部をなしても良く、或いは、少なくとも2つの表面を得るよう折り畳まれる単一の媒体の一部をなしていても良い。
【0043】
媒体は、オプションとして、処理中、変形するのが良い。可撓性媒体は、処理中、例えば手で変形するのに適しているのが良く、この場合、かかる変形は、例えば運動を伴い或いは容易に操作すると共に/或いは加えられる力の大きさを良好に制御する上で有用な場合がある。媒体の可撓性は、処理のための毛髪房を整髪する上でも有用な場合がある。
変形例では、研磨面は、例えば1ギガパスカル(GPa)以上、好ましくは4GPa以上の弾性率を備えた硬い媒体の一部をなしても良い。
一例を挙げると、媒体は、金属、セラミックス、鉱物ガラス又は熱可塑性材料、特にポリオレフィン、例えば高密度ポリエチレンから成るのが良い。
【0044】
媒体は、研磨性を備えた第1の部分及び第1の部分がオプションとして取り外し可能に取り付けられた第2の部分を含む複数の部分から成っていても良い。
媒体は、ユーザが掴みやすいよう構成されているのが良く、例えば、グローブ、グローブフィンガの形態をし或いは取っ手又は握りを備えるのが良い。
媒体は、ヒータ及び/又はバイブレータ型媒体であっても良い。一例を挙げると、媒体は、毛髪の表面を40℃以上の温度に上げることができるのが良い。
媒体は、オプションとして、多孔質であっても良い。
【0045】
各媒体は、1回使用向きであるのが良く、或いは、変形例として数回使用するのに適していても良い。媒体は、オプションとして、個別包装されるのが良く、媒体は、オプションとして互いに取り外し可能であるのが良い。媒体は、これに処理用配合物を含浸させた状態で乾燥状態又は湿潤状態で包装することができる。
【0046】
硬質媒体が研磨性を研磨面に与えるよう構成された構造を有するのが良く、特に、硬質媒体は、焼結構造から成るのが良い。
研磨面は、でこぼこを含むのが良く、例えば、スパイク、刻み目又は掻き傷を有するのが良い。
【0047】
機械的システム
【0048】
機械的システムにより1つ又は2つ以上の研磨面を動かす場合、機械的システムは、研磨面を振動させ又は研磨面を単一の方向に動かすよう構成されているのが良い。
【0049】
研磨面の振動は、20mm以下、好適には10mm以下、更に好適には5mm以下の振幅を有するのが良い。研磨面の振動は、1ヘルツ(Hz)から10,000Hzまでの範囲、即ち、1秒当たり1回の往復から1秒当たり1万回の往復までの範囲、2Hzから1000Hzまでの範囲、より好適には5Hzから500Hzまでの範囲にある振動数を有するのが良い。
【0050】
毛髪を研磨しながら、例えば、研磨面の振動の振幅及び/振動数を変化させると共に/或いは振動の向きを変化させることが可能であり、例えば、振動は、毛髪に実質的に平行な長手方向であっても良く、或いは毛髪に実質的に垂直な横方向であっても良い。
【0051】
代替的に又は追加的に、研磨面は、機械的システムによって動くと共に回転駆動されるのが良い。一例を挙げると、回転速度は、毛髪を研磨しながら調節されるのが良い。回転運動は、例えば根元から毛先までの長さに全体として垂直に延びる一回転軸線回りの回転運動であっても良く、或いは、かかる回転運動は、より複雑な運動、例えば、別々の回転軸線回りの運動の組み合わせから成っていても良い。
一例を挙げると、研磨面は、毛髪の軸線に垂直な軸線回りの回転平面内で動く円板によって構成されても良く、研磨面の種々の領域は、回転中、毛髪に連続的に接触する。
【0052】
研磨面は、円形経路を描くことにより単一の軸線回りに又は2本の軸線回りに、例えば楕円経路を描いて2本の互いに平行な軸線回りに動くストリップによっても構成できる。
処理されるべき毛髪と研磨面の相対速度は、処理中、例えば、1秒当たり0.005メートル(m/s)から10m/sまでの範囲、好ましくは0.01m/sから3m/sまでの範囲、好適には0.02m/sから0.5m/sまでの範囲にあるのが良い。
毛髪の一部分の研磨の持続時間は、例えば、1ミリ秒(ms)から数分までの範囲にあるのが良く、特に、0.1秒(s)から60sまでの範囲にあるのが良く、この持続時間は、例えば、研磨の強度及び毛髪の状態で決まる場合がある。
【0053】
本発明の方法を実施している間、毛髪を研磨しながら毛髪を保持するのが良い。例えば、毛髪を手で又はトラクションを及ぼす器具の助けによって保持するのが良い。毛髪に及ぼされるトラクションは、このトラクションを制御し、これに既定の値を与えると共に/或いはトラクションが既定のトラクションしきい値を超えるのを阻止するよう処理中、測定されるのが良い。
【0054】
圧力を研磨面と接触状態にある毛髪に及ぼすのが良い。これは、研磨の有効性を向上させるのに役立つ場合がある。毛髪に及ぼされる圧力は、例えば、1パスカル(Pa)から1,000,000Paまでの範囲、好適には100Paから100,000Paまでの範囲、好ましくは500Paから50,000Paまでの範囲にあるのが良い。
【0055】
機械的システムは、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、エンジン又は他の駆動手段を含むのが良い。
機械的システムは、好ましくは携帯可能である。
【0056】
研磨面のうちの1つ又は2つ以上を動かす機械的システムは、電気器具の一部をなすのが良い。研磨面を振動させることにより研磨を実施する場合、研磨面を種々の仕方で構成される場合のある少なくとも1つの振動源によって振動させるのが良い。例えば、振動源は、電気器具全体を振動させるよう電気器具内に配置されるのが良く、振動源は、例えば、電気器具の枝部内で例えば研磨面の近くに配置される。一例を挙げると、かかる振動源は、一定の又は可変の振動数を有することが望ましいかどうかの関数として、一定であり又は可変である場合のある速度で電気モータにより回転駆動される偏心フライウェイトから成るのが良い。モータの回転軸線の向きにより、振動方向を選択することができる。振動源が電気モータによって回転駆動されるフライウェイトによって構成される場合、研磨面は、これら研磨面を支持した電気器具の部分と同じ振幅で振動するのが良い。
【0057】
振動源は又、これを支持する部分に対して少なくとも1つの研磨面を運動させる仕方で電気器具に設けられても良い。例えば、研磨面を2つの末端位置相互間で摺動することができるよう設けることができ、振動源は、研磨面を例えば電気モータの回転運動を軸方向振動運動に変換するクランクシステムによって、振動源を支持した部分に対して往復動させることができる。研磨面の振動の振動数は、モータの回転速度で決まり、この回転速度は、一定であっても良く、或いはユーザによって調節可能であっても良い。
【0058】
電気器具は、単一の振動研磨面を有しても良く、或いは、変形例では同一方向又は互いに逆方向に振動することができ或いは振動数が同じで又は互いに異なる状態で、振幅が同一で又は異なる状態で互いに別個独立に振動することができる2つの向かい合った振動面を有しても良い。
機械的システムは、研磨面の振動を生じさせるために圧電変換器又は偏心フライウェイトを備えたモータを有するのが良い。
【0059】
電気器具は、研磨面を単一の方向に動かすことにより研磨を実施することができる電気器具であっても良い。かかる状況のもとでは、研磨面媒体は、少なくとも1本の回転シャフトにより、場合によってはオプションとして回転可能な第2のシャフトによって動かされるストリップであるのが良い。
【0060】
研磨面媒体は、例えば、回転シャフトを中心として回動する円板を有するのが良い。
【0061】
研磨面媒体の移動速度は、可変であるのが良く、これを適当な装置によって調節するのが良い。
機械的システムは、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、エンジン又は他の駆動手段を有するのが良い。
【0062】
電気器具は、これが振動状態で又は単一方向に動くことによって作動するかどうかとは関係なく、研磨粒子及び/又は毛髪の研磨中に毛髪から取れた粒子又は堆積物を回収する吸引システムを有するのが良い。一例を挙げると、吸引システムは、フィルタ付きファン及び/又はフィルタ付きポンプ及び/又は例えば粒子を集める1種類又は2種類以上の油を含む液体回収システム及び/又は電位場を作ることにより粒子を表面に引き付ける静電システムから成るのが良い。
【0063】
電気器具は、穴があけられた少なくとも1つの研磨性又は非研磨性の表面を有するのが良く、それにより、研磨粒子及び/又は毛髪から取れた粒子をこれら穴から吸引することができ、これらの穴は、処理されるべき毛髪のところで又はその近くで開口するのが良い。
【0064】
電気器具により、毛髪を研磨することができると同時に処理用配合物を施すことができる。電気器具は、処理用配合物を例えば研磨面に対向して配置されたアプリケータ要素により毛髪に付けるのに役立ち得る。配合物は、任意の手段、例えば重力、毛管作用又はポンプ、例えば電気ポンプ又はユーザにより駆動される手動ポンプによってディスペンサオリフィスに取り込むことができる。電気器具により支持されるアプリケータ要素にも、処理用配合物をあらかじめ含浸させることができ、かかるアプリケータ要素を予備含浸状態で電気器具の定位置に配置することができ又は電気器具を完全に又はアプリケータ要素を含む取り外し可能な部分を取り外した後に処理用配合物中に浸漬させることができるよう電気器具を構成することができる。電気器具は、配合物が毛髪に向かって流れるようにするためにユーザが押す可撓性の壁を備えた容器を更に有するのが良い。
【0065】
電気器具は、例えば毛髪を研磨後に整髪するためにヒータシステムを有するのが良い。
【0066】
一例を挙げると、電気器具は、2つの表面を備えるのが良く、これら表面のうちの少なくとも一方は、研磨性であるのが良く、毛髪を処理のためにこれら2つの表面相互間に挿入することができる。閉鎖位置にあるとき、これら表面は、一房の毛髪を保持するのに適し、又、開放位置にあるときにはこの一房の毛髪を解除することができるよう構成されているのが良い。電気器具は、閉鎖位置にあるとき、一方の表面の他方の表面に対する圧力を制御する手段を有するのが良い。例えば、制御手段は、制御可能なばね、例えばブレード、螺旋体、弾性変形可能な材料及び/又は当接部及び/又は圧力が過剰な場合に可聴又は可視警告をトリガするのに適した電子センサを有するのが良い。
【0067】
電気器具は、例えば毛髪を過度に研磨するのを回避するために十分な数のパスが実施された時点をユーザに知らせる可聴又は可視表示器を有するのが良い。
変形例では、電気器具は、例えば電気器具が毛髪に対するパスの回数をカウントすることができるようにするのに役立つ要素、例えば小さなホイール又は任意他の運動センサを有するのが良い。
【0068】
マイクロサンディング(Microsanding)
【0069】
上述の研磨面とは無関係に、研磨手段は、毛髪を研磨するために研磨粒子を射出してこれらを毛髪に当てるよう構成されるのが良い。かかる状況のもとでは、研磨粒子は、自由であり、これらは、媒体に取り付けられてはいない。
【0070】
研磨粒子を少なくとも1つのジェットの形態で射出することができる。
固体粒子のジェットを1秒当たり1ミリグラム(mg/s)から毎秒25グラム(g/s)までの範囲、好ましくは10mg/sから10g/sまでの範囲にある粒子質量流量で射出させてこれを毛髪に当てるのが良い。
【0071】
固体粒子のジェットを推進下において液体又は気体ベクトル流体から毛髪中に射出するのが良い。ベクトル流体、即ち気体又は液体の体積流量は、1秒当たり50マイクロリットル(μL/s)から毎秒4リットル(L/s)までの範囲にあるのが良く、好ましくは500μL/sから2L/sまでの範囲にある。
【0072】
液体流体として、特に水を挙げることができる。
【0073】
気体流体として、特に空気を挙げることができる。
【0074】
オプションとして流体と関連した粒子のジェットを圧力下で送り出すのが良い。その圧力は、好ましくは、2バールから50バールまでの範囲、好適には3バールから20バールまでの範囲、更により好ましくは3バールから15バールまでの範囲にある。
【0075】
好ましくは、流体は、圧力下の流体である。より好ましくは、流体は、圧縮空気である。
【0076】
衝突時点における粒子の速度は、例えば、0.01m/sから750m/sまでの範囲、好ましくは0.1m/sから100m/sまでの範囲にあるのが良い。上述の流量を変更することを可能にする手立てが設けられるのが良い。例えば、研磨は、高い流量で始まり、次に研磨は、毛髪を過度に研磨するのを回避するために低い流量で終わるのが良い。
【0077】
流量調節は、手動であるのが良く、ユーザによって実施され、或いは、流量調整は、例えば処理の開始から経過した時間の長さの関数としてプロセッサ装置によって実施されても良い。
【0078】
射出されて毛髪に当てられる固体粒子のジェットは、毛髪に接触するジェットに対して横方向に延びる幅を備えるのが良く、この幅は、10μmから4センチメートル(cm)までの範囲、好適には50μmから8mmまでの範囲、好ましくは100μmから2mmまでの範囲にある。
【0079】
ジェットが毛髪に衝突するゾーンに到達した際におけるジェットの断面積は、0.0001平方ミリメートル(mm2)から8平方センチメートル(cm2)までの範囲、好ましくは1mm2から1cm2までの範囲にあるのが良い。
【0080】
複数のジェットが毛髪に向かって送られるのが良い。これらジェットは、互いに平行であっても良く、末広がりであっても良く、或いは収斂しても良い。ジェットの衝突ゾーンは、オプションとして、互いにオーバーラップしていても良く、例えば、実質的に触れ合う。少なくとも2つのジェットが一房の毛髪の2つの互いに反対の側を処理するために用いられるのが良い。
【0081】
ジェットの断面は、オプションとして、円形であるのが良い。
【0082】
ジェット内における粒子の分布状態は、一様であっても良く又はこれとは異なる状態であっても良い。
【0083】
ジェットは、中実であっても良く、中空であっても良い。
【0084】
ベクトル流体は、粒子だけでなく、適宜、少なくとも1種類の毛髪処理用コンパウンド、特に次のもの、即ち、
・ポリマー、例えば陽イオンポリマー、可溶性のシリコーン又はエマルション状態のシリコーン、
・非ポリマー処理剤、例えば陽イオン性界面活性剤、油、例えば鉱物油、植物油又は改質油、例えばエステル交換油、
・非ポリマー有機分子、例えば溶剤、例えばモノアルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール、ポリオール、例えばグリセロール又はプロピレングリセロール、モノアルコール又はポリオールのエーテル、アルデヒド又はケトン、例えばアセトン、アルカン、例えばイソドデカン、特に脂肪族化合物を溶解させることができる溶剤、
・毛髪処理に用いられるコンパウンド、例えば着色剤、酸化剤、還元剤、アルカリ性作用剤又は酸、例えばヒドロキシ酸、
・頭皮又は皮膚を処理する際に用いられるコンパウンド、例えば抗真菌剤、抜け毛防止剤、蒸散防止剤及び研磨粒子以外の剥離剤、及び
・陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性又は両性イオン性である界面活性剤から選択されたコンパウンドを含有するのが良い。
【0085】
かくして、ベクトル流体は、毛髪処理用配合物を構成することができる。
【0086】
また、ベクトル流体を用いないで、粒子を例えば振動面、例えばソノトロード(sonotrode)に衝突させることにより、処理のために表面に向かって射出しても良い。また、粒子を磁化し、電磁界によって振動させても良い。
【0087】
例えば研磨が行われている最中にジェットの断面を変えて幅の細い房若しくは毛髪の狭いゾーンを処理し又はこれとは対照的に例えば太い房又は毛髪の広いゾーンを処理することが可能な場合がある。ジェットの質量流量及び/又は断面を例えば同時に又は別個独立に調整することができる。
【0088】
所要の速度を粒子に与えるために機械的手段、空気圧手段、油圧手段又は電気機械手段を用いることができる。
粒子のジェットをノズルによって放出することができる。
ジェットをオプションとして可動のノズル、例えば往復又は回転運動を生じるよう駆動されるノズルによって送り出すことができる。
【0089】
一例を挙げると、研磨手段は、毛髪処理用電気器具から成るのが良く、この電気器具は、
・一房の髪を通過させるよう構成されると共に/或いは一房の髪で形成された少なくとも1つのエンクロージャ、及び
・研磨固体粒子を射出して、これらを毛髪、特にエンクロージャ内に入っている毛髪の一部分に当ててエンクロージャを通過すると共に/或いはこれを閉鎖している毛髪を研磨するよう構成された粒子射出システムから成る。
【0090】
粒子射出システムは、粒子を圧力下でベクトル流体と一緒に射出するよう構成されているのが良い。一例を挙げると、粒子射出システムは、固体粒子を空気の流れで推進するよう構成された圧縮機又は吸引ポンプを有しても良く、或いはこれらに連係されていても良い。
【0091】
粒子射出システムは、固体粒子がエンクロージャ内部中に射出されるよう構成された固体粒子供給ノズルを有するのが良い。
電気器具は、毛髪を研磨するために射出されて毛髪に当てられる固体粒子の源を有するのが良い。
【0092】
研磨粒子及び/又は毛髪の研磨の際に毛髪から取れた粒子又は付着物を回収するため、電気器具は、吸引システムを有するのが良い。一例を挙げると、吸引システムは、フィルタ付きファン及び/又はフィルタ付きポンプ及び/又は例えば粒子を集める1種類又は2種類以上の油を含む液体回収システム及び/又は電位場を作ることにより粒子を表面に引き付ける静電システムから成るのが良い。電気器具が吸引システムを有する場合、電気器具は、吸引システムによって吸引された使用済み粒子及び付着物を収容する容器を更に有するのが良い。吸引は、エンクロージャの内部で起こるのが良い。
【0093】
電気器具は、エンクロージャから出る粒子の損失分を減少させるよう粒子をエンクロージャ内に封じ込める手段を有するのが良い。一例を挙げると、かかる封じ込め手段は、柔軟性スロット又は互いに密接して位置する歯を備えたくし(一房の毛髪がこれら歯の間を通り)及び/又は圧縮空気を放出して粒子を毛髪が挿通している開口部のところでエンクロージャに向かって戻すようにすることによって稼働する封じ込めシステムを有するのが良い。
【0094】
電気器具は、毛髪を研磨すると同時に美容処理用配合物を施すのに役立つことができる。
電気器具は、例えば毛髪を研磨後に整髪するためにヒータシステムを有するのが良い。
【0095】
エンクロージャは、一房の髪の一部分をエンクロージャ内に配置することができる開放位置及び髪を研磨することができる閉鎖位置を有するのが良い。一例を挙げると、エンクロージャは、2つのシェルを有するのが良く、これら2つのシェルは、例えば少なくとも1つのゾーン内で互いに固定されるが、第1の開放形態及び2つのシェルが少なくとも2つのゾーンで互いに固定される第2の閉鎖形態を取ることができるよう互いに対して動くことができる。
【0096】
エンクロージャは、両端のところが開口した円筒形の形を呈するのが良く、それにより、一房の毛髪がエンクロージャを通ることができる。毛髪を受け入れるエンクロージャの空の容積部は、円形、長方形、楕円形等である断面を有するのが良い。
【0097】
研磨が行われている間、例えばユーザがエンクロージャを処理されるべき一房の毛髪に沿って例えば毛髪の根元から毛先に向かって動かして、研磨を中断することなく、例えば一房の毛髪をその全長にわたって処理し又は少なくともエンクロージャの長さよりも大きなその長さの一部分にわたって処理するのが良い。変形例では、電気器具は、エンクロージャを動かすために研磨を中断する必要のある場合がある。かかる状況のもとでは、研磨は、毛髪は粒子の衝突を受けている間、エンクロージャを毛髪に沿って動かさないでエンクロージャ内で起こるのが良い。
【0098】
エンクロージャは、毛髪をくしけずることができるよう構成された凸状部分、特に歯を有するのが良い。
【0099】
研磨粒子を含むヘアケア配合物
【0100】
上記内容とは無関係に、研磨手段は、ヘアケア配合物含有研磨粒子を含有するのが良く、かかる配合物は、毛髪を研磨するよう毛髪に施される。
【0101】
かかる状況のもとでは、研磨粒子は、50μm以上、特に100μm以上の平均サイズのものであるのが良い。研磨粒子は、500μm以下、好適には300μm以下の平均サイズを有するのが良い。
毛管作用配合物は、濃度が配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある研磨固体粒子を含有するのが良い。
【0102】
固体粒子に加えて、ヘアケア配合物は、1種類又は2種類以上の添加剤を含有するのが良い。
ヘアケア配合物は、1種類又は2種類以上の追加の界面活性剤、例えば陰イオン性、両性、両性イオン性又は非イオン性の界面活性剤を更に含有するのが良い。
【0103】
界面活性剤は、好ましくは、非イオン性界面活性剤から選択される。非イオン性界面活性剤は、これら自体周知のコンパウンドであり(この点に関しては、特に、エム・アール・ポーター(M. R. Porter)編,「ハンドブック・オブ・サーファクタンツ(Handbook of surfactants)」,ブラッキーアンドサン(Blackie & Son),グラスゴー及びロンドン(Glasgow and London),1991年,p.116‐178を参照されたい)、本発明との関連では、界面活性剤の性状は、重要なものではない。かくして、非イオン性界面活性剤は、特に、アルコール、アルファ‐ジオール並びに例えば8個〜18個の炭素原子を含む脂肪族鎖を有するポリエトキシルアルキルフェノール及びポリプロポキシルアルキルフェノールから選択されるのが良く、酸化エチレン又は酸化プロピレン基の数は、特に、2から50までの範囲にあり、このリストは、本発明を限定するものではない。また、酸化エチレンのコポリマー、酸化プロピレンのコポリマー、脂肪族アルコール上への酸化エチレン及び酸化プロピレンの縮合物、好ましくは2〜30モルの酸化エチレンを含むポリエトキシル脂肪族アミン、平均で1〜5個のグリセロール基、特に1.5〜4個のグリセロール基を有するポリグリセロール脂肪族アミド、2〜30モルの酸化エチレンを有するオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、アルキルポリグリコシド、N‐アルキルグリカミン、アミンオキシド、例えば(C10〜C14)アミンアルキルオキシド又はN‐アルキルアミノプロピルモルホリンオキシドの脂肪酸エステルが挙げられる。
【0104】
非イオン性界面活性剤は、ヘアケア配合物中に、配合物の全重量に対して0.1重量%から25重量%までの範囲、好ましくは1重量%から20重量%までの範囲にある濃度で存在するのが良い。
【0105】
両性又は両性イオン性界面活性剤に関し、脂肪族ラジカルが8個〜18個の炭素原子を有すると共に少なくとも1つの水溶性陰イオン基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネート)を含む直鎖又は分岐鎖である脂肪族第二又は第三アミン誘導体を挙げることができ(これらに限定しようとするものではない)、又、(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキル(C1〜C6)アミドアルキルベタイン又は(C8〜C20)アルキル(C1〜C6)アミドアルキルスルホベタインを挙げることができる。
【0106】
アミン誘導体の中では、米国特許第2528378号明細書及び同第2781354号明細書に記載されているミラノール(Miranol)という名称で市販されていると共にCTFA辞典の1982年第3版においてそれぞれ次の構造式を持つアムホカルボキシルシネート及びアムホカルボキシプロピオネートという名称で分類される製品を挙げることができる。
【0107】
〔化1〕
R2‐CONHCH2CH2‐N(R3)(R4)(CH2COO‐)
上式において、
R2は、加水分解コプラ油中に存在するR2‐COOH酸のアルキルラジカル、ヘプチルラジカル、ノニルラジカル又はウンデシルラジカルを表し、
R3は、ベータ‐ヒドロキシエチル基を表し、
R4は、カルボキシメチル基を表しており、そして、
〔化2〕
R2′‐CONHCH2CH2N(B)(C)
【0108】
上式において、
Bは、‐CH2CH2OX′を表し、
Cは、‐(CH2)z‐Y′(なお、z=1又は2)を表し、
X′は、基‐CH2CH2‐COOH又は水素原子を表し、
Y′は、‐COOH又は‐CH2CHOH‐SO3Hラジカルを表し、
R2′は、コプラ油又は加水分解アマニ油中に存在するR9‐COOH酸のアルキルラジカル、特にC7、C9、C11又はC13ラジカルのアルキルラジカル、C17アルキルラジカル及びそのイソ形態、不飽和C17ラジカルを表している。
【0109】
これら化合物は、CTFA辞典の1993年第5版において、ジソジウムココアムホジアセテート、ジソジウムラウロアムホジアセテート、ジソジウムカプリルアムホジアセテート、ジソジウムカプリロアムホジアセテート、ジソジウムオコアムホジプロピオネート、ジソジウムラウロアムホジプロピオネート、ジソジウムカプリルアムホジプロピオネート、ジソジウムカプリロアムホジプロピオネート、ラウロアムホジプロピオン酸、ココアムホジプロピオン酸、ジソジウムココアムホカルボキシルエチルヒドロキシプロピルスルホネートという名称で分類されている。
【0110】
一例を挙げると、供給業者であるロディア・シミエ(Rhodia Chimie)により濃縮Miranol(登録商標)C2Mという商品名で市販されているココアムホジアセテートを挙げることができる。
【0111】
陰イオン性界面活性剤に関し、以下の化合物(特に、ナトリウムのアルカリ塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩又はマグネシウム塩)、即ち、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリルポルエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルフェート、アルキルアリルスルホネート、α‐オレフィン‐スルホネート、パラフィン‐スルホネート、(C6〜C24)アルキルスルホスクシネート、(C6〜C24)アルキルエーテルスルホスクシネート、(C6〜C24)アルキルアミドスルホスクシネート、(C6〜C24)アルキルスルホアセテート、(C6〜C24)アシルサルコシネート及び(C6〜C24)アルキルグルタメートの塩を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、(C6〜C24)アルキルカルボン酸ポリグリコシド、例えばアルキルグリコシドシトレート、アルキルポリグリコシドタートレート及びアルキルポリグリコシドスルホスクシネート、アルキルスルホスクシネメート、アシルイセチオネート及びN‐アシルタウレート、好ましくは12〜20個の炭素原子を持つ種々の化合物の全てのアルキル又はアシルラジカル、好ましくはフェニル又はベンジル基を表すアリルラジカルの塩を挙げることができるが、これらには限られない。これ又使用可能な陰イオン性界面活性剤の中で、脂肪酸の塩、例えばオレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、コプラ油の酸、水素化コプラ油の酸の塩、8〜20個の炭素原子を有するアシルラジカルを含むアシル‐ラクチレートを挙げることができる。また、アルキルDガラクトシドウロン酸及びこれらの塩、ポリオキシアルキル化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキル化(C6〜C24)アルキルアリルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキル化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びこれらの塩、特に例えば2〜50個のアルキレンオキシド基、特に酸化エチレン基を持つ酸及びこれらの混合物を使用することも可能である。
【0112】
場合によって存在する陰イオン性界面活性剤は、好ましくは、軟質陰イオン性界面活性剤である。
軟質陰イオン性界面活性剤に関し、以下の化合物及びこれらの塩をこれらの混合物と共に挙げることができ、かかる化合物は次の通りである。
・ポリオキシアルキル化アルキルエーテルカルボン酸、
・ポリオキシアルキル化アルキルアリルエーテルカルボン酸、
・ポリオキシアルキル化アルキルアミドエーテルカルボン酸、特に2〜50個の酸化エチレン基を持つポリオキシアルキル化アルキルアミドエーテルカルボン酸、
・アルキル‐D‐ガラクトシドウロン酸、
・アシルサルコシネート、アシルグタメート、及び
・カルボン酸アルキルポリグリコシドのエステル。
【0113】
最も具体的に言えば、ポリオキシアルキル化アルキルエーテルカルボン酸、例えばカオー(KAO)によりAkypo RLM 45 CAという名称で市販されている(4.5OE)ラウリルエーテルカルボン酸を使用することができる。
【0114】
かかる陰イオン性又は両性界面活性が存在する場合、これらの含有量は、ヘアケア配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%にあり、特に、配合物の全重量に対して1重量%から10重量%までの範囲にある。
【0115】
好ましくは、ヘアケア配合物は、スルフェート型陰イオン性界面活性剤として(アルキルスルフェート又はアルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート)を含まない。ヘアケア配合物がどれも含まない場合、その含有量は、アルキルスルフェート又はアルキルエーテルスルフェート型イオン性界面活性剤と両性、両性イオン性、軟質陰イオン性及び非イオン性界面活性剤の和の重量比が好ましくは1以下であり、特に0.75以下であり、更により好ましくは0.5以下であるようなものである。
【0116】
ヘアケア配合物は、当該技術分野においては従来のものである添加剤、例えば以下の非排他的なリスト、例えば、還元剤、酸化剤、金属封鎖剤、軟化剤、消泡剤、水化剤、皮膚軟化剤、アルカリ化剤、可塑剤、日焼け止め、直接又は酸化染料、フレグランス、しゃく解剤、防腐剤、オプションとして固定性のポリマー、タンパク質、ビタミン類、フケ止め剤、脱毛防止剤、オプションとして会合性の増粘ポリマー、脂肪酸アミド、脂肪酸エーテル、脂肪酸アルコール等から選択された添加剤を更に含むのが良い。
【0117】
上述の添加剤は、一般に、これらの各々について、配合物の全重量に対して0.01重量%から20重量%までの範囲にある量で存在する。
観察されるべきこととして、ヘアケア配合物が1種類又は2種類以上の増粘剤を含有する場合、これらの含有量は、ヘアケア配合物の重量に対して0.01重量%から20重量%までの範囲にあるのが良く、好ましくは、ヘアケア配合物の重量に対して0.01重量%から3重量%までの範囲にあるのが良い。
【0118】
ヘアケア配合物は、1種類又は2種類以上のコンディショニング剤を含有するのが良い。
ヘアケア配合物が少なくとも1種類のコンディショニング剤を含有する場合、これは、合成油、例えばポリ‐α‐オレフィン、弗素化油、弗素化蝋、弗素化ガム、カルボン酸のエステル、陽イオンポリマー、陽イオン性界面活性剤、シリコーン、鉱油、野菜油、動物油、セラミド、疑似セラミド及びこれらの混合物から選択されるのが良い。
【0119】
使用するのに適した陽イオンポリマーの中で、四級セルロースのエーテル誘導体、例えば、供給業者であるアメルコール(Amerchol)によりJR400という名称で市販されている製品、陽イオンシクロポリマー、特に供給業者であるナルコ(Nalco)によりMerquat(登録商標)100、Merquat(登録商標)500及びMerquat(登録商標)Sという名称で市販されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー又はコポリマー、陽イオン多糖類、例えば2,3‐エポキシプロピルトリメチルアンモニウムの塩により開始されたガーゴム、ビニルピロリドンの四級ポリマー、ビニルイミダゾールの四級ポリマー及びこれらの混合物を用いることが好ましい。
【0120】
陽イオン性界面活性剤のうちで、以下の(次のリストには限られない)、即ち、第一脂肪族アミン塩、第二脂肪族アミン塩、第三脂肪族アミン塩、(オプションとしてポリオキシアルカリ化される)、第四アンモニウム塩、例えばテトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム又はアルキルピリジニウムクロリド又はブロミド、イミダゾリンの誘導体又は陽イオンアミンの酸化物を特に挙げることができる。
好ましい陽イオン性界面活性剤として、特に、供給業者であるデグサ(Degussa)によりVarisoft W 575 PGという名称で市販されているQuaternium-87、供給業者であるクラリアント(Clariant)によりGenamin KDMPという名称で市販されているベヒニルトリメチルアンモニウムを挙げることができる。
【0121】
ヘアケア配合物中のコンディショニング剤の含有量は、最終の配合物の全重量の0.001重量%から10重量%までの範囲、好ましくは0.005重量%から5重量%までの範囲、より好ましくは0.01重量%から3重量%までの範囲にあるのが良い。
【0122】
毛髪のために許容できる水性媒体は、水又は水の混合物及び化粧品にとって許容可能な1種類又は2種類以上の有機溶剤を含むのが良い。
一例を挙げると、配合物の水含有量は、配合物の全重量に対して50重量%以上であるのが良い。
【0123】
有機溶剤として、例えば、2〜10個の炭素原子を含む好ましくは飽和状態の直鎖又は分岐状モノアルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ポリオール又はポリオールのエーテル、例えばエチレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、(2‐メチル2,4‐ペンタンジオール)ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、3‐メチル‐1,5‐ペンタンジオール、更に特にC1〜C4形態のジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルの単独又は混合物を挙げることができる。
【0124】
有機溶剤は、例えばヘアケア配合物の全重量に対して約1重量%から40重量%までの範囲、より好ましくは約5重量%から30重量%までの範囲にある比率で存在するのが良い。
【0125】
本発明のヘアケア配合物は、種々の生薬投与形態で、例えばローション、シャンプー、ゲル、クリーム又は蝋の状態で存在するのが良い。ヘアケア配合物は、オプションとしてアプリケータ付きの任意形式の容器内に包装されるのが良い。容器は、特にヘアケア配合物を毛髪への塗布前に一様にするのに役立つボール又は部材を有するのが良い。ヘアケア配合物の入った容器は、15mL以上、特に50mL以上、又は確かに100mL以上の容量を有するのが良く、特に容量は、150mL以上であるのが良く、例えば15mLから500mLまでの範囲にあるのが良い。
【0126】
研磨ヘアケア配合物をワイプに含浸させることができる。
【0127】
研磨ヘアケア配合物を毛髪への射出のために例えばベンチュリ効果によってベクトル流体の流れで導入することができる。
【0128】
特定の具体化例では、ヘアケア配合物をくし又はブラシの容器内に入れるのが良く、この容器は、例えば、その歯又はブリッスルのところに設けられていて、配合物を供給し、これを毛髪に施すのに役立つオリフィスを備える。
【0129】
美容処理用配合物
【0130】
処理用配合物は、化粧品、特にケア製品及び/又は毛髪に着色し又はこれを漂白する配合物、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り用配合物又は毛髪を漂白し又はこれに着色する配合物であるのが良い。
【0131】
「化粧用配合物」という用語は、1993年6月14日の協議会命令93/35/EECで定められた任意の「化粧品」を含む。
【0132】
研磨粒子を含むヘアケア配合物に関し、処理用配合物は、ヘアケア配合物を構成するのが良い。変形例では、処理用配合物をヘアケア配合物を用いた毛髪の研磨前及び/又は研磨後に毛髪に塗布することができる。
【0133】
一例を挙げると、処理用配合物は、
・毛髪の機械的性質を改質しようとする配合物、特に還元作用剤、例えばチオグリコール酸及びその誘導体、システイン、スルフィット、ソーダ、炭酸グアニジン、トリヒドロキシメチルホスフィン又は酸化剤、例えばH2O2、過硫酸塩を含む配合物、
・例えば溶剤、グリコール、可塑剤又は陽イオン性、陰イオン性若しくは両性の界面活性剤を含む表面軟化剤又は浸透配合物、
・毛髪の表面特性を改質する配合物、特にシリコーン、反応性アミノシリコーン、接着性ポリマー、植物油、鉱油、合成油、蝋、特に脂肪族アルコール又は脂肪族エステルから選択された脂肪を含む非シリコーン潤滑剤を含む配合物、
・例えばイオネン、タンパク質、ヒドロキシ酸又は反応性コンパウンド、特にホルモールの発生剤、シランを含む毛髪の内部を再構築する配合物、及び
・直接的であり又は酸化に作用する染料から選択されるのが良い。
【0134】
処理用配合物を研磨前に施すことができ、かかる処理用配合物は、過度の研磨を回避するよう研磨中、毛髪を保護するのに寄与することができる。
処理用配合物は、毛髪の鞘を形成することができる。研磨によりこの鞘の過剰部分を除去することができ、鞘は、滑らかにされて毛髪に被着される。かくして、鞘を形成する材料は、毛髪の中空凸状部分内に留まることができる。
【0135】
例えば、毛髪の形状を耐久性があるように変える目的で、第1の処理用配合物、特に還元配合物を研磨前に施すのが良く、第2の処理用配合物、特に酸化配合物を研磨後に施すのが良い。
毛髪を研磨面に接触させる前に処理用配合物を毛髪に施すことが行われる本発明の具体化例では、処理用配合物を毛髪に施し、次に毛髪を乾燥させる。
【0136】
配合物を漏れ止め包装手段で包装するのが良く、この漏れ止め包装手段は、例えば、ビン、管、サッシェ、アンプル又は任意他の容器によって構成される。処理用配合物を入れる容器は、15ミリリットル(mL)以上、特に50mL以上、又は確かに100mL以上、特に150mL以上、例えば15mLから500mLまでの範囲にある容量を有するのが良い。包装手段は、オプションとして、再閉鎖に適するよう提供されるのが良く、包装手段は、例えば、ディスペンサ開口部に取り付け可能なストッパ又は配合物を小出ししている間、配合物からの圧力を受けて開く弁を有するのが良い。配合物は又、これを噴霧によって小出しすることができる器具で包装されても良い。
【0137】
処理方法
【0138】
毛髪の一部分を研磨する持続時間は、例えば、1msから数分までの範囲、特に0.1sから60sまでの範囲にあるのが良く、この持続時間は、例えば、研磨の強度及び毛髪の状態で決まる場合がある。
毛髪に向いた表面の例えば毛髪の根元から毛先に向かう長手方向におけるパスの回数は、1回から100回までの範囲、特に1回から10回までの範囲にあるのが良い。
【0139】
研磨は、特に研磨手段が少なくとも1つの研磨面又はヘアケア配合物を含む場合、毛髪に対して横方向又は長手方向に実施されるのが良い。
毛髪を研磨するステップ及びヘアケア配合物を施すステップに加えて、本発明の方法は、1つ又は2つ以上の他のステップを更に有するのが良い。
【0140】
処理方法は、毛髪を特徴付けるステップの実施後に、例えば、裸眼又は拡大器具により検査することによって、或いは計器を用いることによって、例えば音量計を用いてくしを毛髪中に通すことにより生じる音を記録することによって或いは毛髪のつやを光学的に測定することによって実施されるのが良い。毛髪は又、化学反応を毛髪のサンプルに施すことによって特徴付けられても良い。
【0141】
毛髪を研磨面に接触させる前に、毛髪をオプションとして湿潤させるのが良い。毛髪を湿潤させると共に/或いは本発明の方法をシャワー又は浴内で実施する場合であって研磨手段が少なくとも1つの研磨面を有する場合、媒体は、例えば水との接触時に分散しないで水に耐えるのに適することができる。媒体は、特に、防水性であると共に/或いは非孔質であるのが良い。
【0142】
毛髪を研磨処理後にすすぎ洗いすると共に/或いはくしけずるのが良い。
【0143】
髪を研磨した後、髪を滑らかにした程度を例えば裸眼で若しくは拡大器具を用いて或いは機器を用いて目視検査を行うことによってモニタすることが可能である。
【0144】
本発明の方法は、例えば毛髪の研磨中又は研磨後に毛髪を研磨面に接触させた状態で40℃から250℃までの範囲、特に60℃から210℃までの範囲にある温度まで加熱するステップを更に有するのが良い。例えば、毛髪を研磨後に加熱して毛髪を整髪するのが良い。
【0145】
例えば毛髪の研磨前、研磨中又は研磨後に適宜、超音波又は超低周波を用いて毛髪に音によるインパクトを与えるのが良い。毛髪を研磨した後、これは、固体粒子又は場合によっては毛髪上に存在する他の粒子又は付着物を取るのに役立ち得る。
【0146】
また、例えば短い持続時間のパルスを送り出すレーザから強烈な光ビームの暴露によって毛髪に処理を施すことが可能であり、この場合、かかるパルスは、毛髪を漂白するのに役立ち得る。
【0147】
1つ又は2つ以上の研磨面が設けられている場合、毛髪を研磨面に押し付けるのが良く、これら研磨面は、本発明の方法の実施のたびごとに毛髪に接触する唯一の表面であるのが良い。
【0148】
本発明の方法は、くしけずりステップを有する必要はない。変形例では、表面のうちの少なくとも1つは、複数個の歯又はブリッスルから成り又はこれらによって構成されていても良く、或いは、かかる表面に歯又はブリッスルを固定しても良い。
【0149】
上記内容とは無関係に又は上記内容と組み合わせて、毛髪の研磨は、ヘアケア配合物と共に用いられる場合、配合物を毛髪に施した直後に、例えば、毛髪へのヘアケア配合物の塗布後1時間以内に、特に30分以内に又は確かに10分以内に行われるのが良い。すすぎ洗いを実施する場合、すすぎ洗いは、毛髪を研磨した後、素早く行われるのが良い。配合物を施す時点と毛髪をすすぎ洗う時点との間の時間は、例えば、4時間以内であるのが良く、特に、1時間以内であるのが良く、例えば20分以内であるのが良い。
【0150】
毛髪を研磨するステップは、毛髪を裸の両手でこすり、両手と毛髪との間にヘアケア配合物が塗布された少なくとも1つの表面、例えばワイプ又はタオル、グローブ等を介在させることにより実施されるのが良い。研磨は、くし又はブラシの助け以外によって行われても良い。
【0151】
一例を挙げると、機械的システムにより少なくとも1つの表面を動かして、特に振動させ又は回転させることによって毛髪を研磨するのが良い。研磨面を種々の仕方で構成できる少なくとも1つの振動源によって振動させるのが良い。一例を挙げると、振動源は、電気器具全体を振動させるよう電気器具内に配置されるのが良く、一例を挙げると、振動源は、例えば電気器具の枝部内で、毛髪に接触する表面の近くに配置されるのが良い。
【0152】
一例を挙げると、振動源は、振動数が一定であるのが望ましいか可変であるのが望ましいかに応じて一定であり又は可変である場合のある速度で電気モータにより回転駆動される偏心フライウェイトから成るのが良い。モータの回転軸線の向きにより、振動方向を選択することができる。
【0153】
振動源が電気モータによって回転駆動されるフライウェイトによって構成される場合、毛髪に接触する表面は、これら表面を支持した電気器具の部分と同じ振幅で振動するのが良い。また、振動源は、これを支持する部分に対して少なくとも1つの研磨面を運動させる仕方で電気器具に設けられても良い。例えば、毛髪に接触する表面をこれらが2つの末端位置相互間で摺動することができるよう設けることができ、振動源は、かかる表面を例えば電気モータの回転運動を軸方向振動運動に変換するクランクシステムによって、振動源を支持した部分に対して往復動させることができる。表面の振動の振動数は、モータの回転速度で決まり、この回転速度は、一定であっても良く、或いはユーザによって調節可能であっても良い。機械的システムは、単一の振動面を有しても良く、或いは、変形例では同一方向又は互いに逆方向に振動することができ或いは振動数が同じで又は互いに異なる状態で、振幅が同一で又は異なる状態で互いに別個独立に振動することができる2つの向かい合った表面を有しても良い。機械的システムは、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、エンジン又は他の駆動手段を含むのが良い。機械的システムは、表面の振動を生じさせるために圧電変換器又は偏心フライウェイトを備えたモータを有するのが良い。
【0154】
一例を挙げると、ヘアケア配合物を用いた研磨処理は、例えば、手で、一房の毛髪ごとの方式で、例えば、2種類の運動を用いて、即ち、「接線方向」運動と呼ばれる第1の運動、即ち、例えば根元から毛先まで実質的に毛髪に沿って延びる運動及び「剪断」運動と呼ばれる第2の運動、即ち、実質的に毛髪に直交してこれに対して横の方向の運動を用いて実施されるのが良い。両方の運動は、数回、例えば少なくとも5回、例えば10回繰り返し行われるのが良い。変形例では、上述の運動のうちの一方だけが実施される必要があり、オプションとして数回繰り返される必要がある。実施される運動とは無関係に、一房の毛髪に対するパスの回数は、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にあるのが良い。
【0155】
固体粒子を含む配合物による研磨の持続時間は、例えば、研磨に望ましい強度及び毛髪の状態で決まる場合がある。
【0156】
本発明の方法は、連続して塗布される2種類のヘアケア配合物を用いた2つの研磨ステップを有するのが良く、各配合物は、研磨固体粒子を含有し、2種類のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法は、互いに異なる。例えば、塗布されるべき第1のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法は、塗布されるべき第2のヘアケア配合物の固体粒子の平均寸法よりも大きいのが良い。
【0157】
単一の容器が別々の包装材に入れられた両方のヘアケア配合物を収容しても良く、或いは、2つの別々の容器が各々ヘアケア配合物の各々をそれぞれ収容しても良い。
【0158】
もう1つの包装モードでは、容器が固体粒子を含まない基本ヘアケア配合物を収容するのが良く、かかる固体粒子は、別個に、例えばこれらの粒径に応じて、少なくとも2つの別々のコンパートメント内に包装される。かかる状況のもとでは、毛髪の研磨前に、ユーザは、第1のヘアケア配合物を形成するためにどの固体粒子が基本配合物と混合されるべきであるかを選択し、混合は、ユーザにより又は容器内で行われる。第1の研磨ステップ後、ユーザは、第2の研磨ステップを実施するのが良く、この時点で、第2のヘアケア配合物を形成するために他方の固体粒子と基本ヘアケア配合物を混合する。すすぎ洗いを2つの研磨ステップ相互間で且つ/或いはかかる2つの研磨ステップ後に実施できる。ヘアケア配合物による研磨は、毛髪の色を変える必要はない。
【0159】
処理方法は、毛髪を特徴付けるステップの実施後に、例えば、裸眼又は拡大器具により視覚的に検査することによって、或いは計器を用いることによって、例えば音量計を用いてくしを毛髪中に通すことにより生じる音を記録することによって或いは毛髪のつやを光学的に測定することによって実施されるのが良い。毛髪の特徴付けは、化学試薬を毛髪のサンプルに塗布することを含むのが良い。
【0160】
本発明の方法は、ヘアケア配合物の塗布後に毛髪をくしけずると共に/或いはすすぎ洗うステップを有するのが良い。すすぎ洗いは、水で実施されるのが良い。
毛髪の研磨後、得られた平滑化度を例えば裸眼で若しくは拡大器具を用いた視覚的検査により或いは計器によってモニタすることが可能である。
【0161】
本発明の方法は、毛髪をヘアケア配合物に接触させる前に又は接触させた後に、毛髪を例えば40℃から250℃までの範囲、特に60℃から220℃までの範囲にある温度まで加熱するステップを更に有するのが良い。一例を挙げると、毛髪を研磨後に例えばブロー仕上げにより加熱して整髪するのが良い。一例を挙げると、毛髪をこて、液体としての水と蒸気の混合物又は発熱ヘルメットによって加熱するのが良い。
【0162】
毛髪を完全に又は部分的に乾燥させるのが良い。
【0163】
毛髪処理用キット
【0164】
本発明は、その観点のうちの別の観点において、上記内容とは別個独立に又は上記内容と組み合わせて、毛髪処理用キットであって、
・毛髪を研磨することができる研磨手段と、
・毛髪用の1種類又は2種類以上の美容処理用配合物とを含むことを特徴とするキットを提供する。
【0165】
研磨手段は、手動で又は機械的に動かされる上述した少なくとも1つの研磨面を備える少なくとも1つの媒体を有するのが良い。研磨手段は、1つ又は2つ以上の研磨面及び/又は上述した機械的システムを含む電気器具を有するのが良い。該当する場合には、表面の全てが研磨性であるのが良く、研磨面は、上述したものであるのが良い。
【0166】
変形例では、研磨手段は、上述したように研磨粒子を射出してこれらを毛髪に当てる電気器具から成っていても良い。
別の変形例では、研磨手段は、上述したようなヘアケア配合物を有しても良い。
【0167】
キットは、少なくとも1つの他の媒体及び/又はキットにより毛髪研磨処理に言及し又はこれを説明する使用説明書を更に有するのが良い。
処理用配合物は又、上述したものであっても良い。
【0168】
媒体は、存在する場合、配合物とは別個にキット内に包装されるのが良い。変形例では、媒体には配合物をあらかじめ含浸させても良い。
【0169】
キットの部品の全ては、ありふれたパッケージ内に、例えばブリスタ、袋、箱、ケース又は他の何らかの容器に入れた状態でユーザに提供されるのが良い。
キットは、処理前及び/又は処理後に毛髪を評価する際にツール又はアドバイスを更に含むのが良い。
【0170】
本発明は又、上記内容とは別個独立に又は上記内容と組み合わせて、毛髪処理用キットであって、
・50μm以上の、特に100μm以上の、特に100μmから500μmまでの範囲にある平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物、
・オプションとして、毛髪を研磨する目的で毛髪に対するヘアケア配合物の使用説明書を含む媒体、及び
・毛髪の後処理のための配合物を包装器具内に有することを特徴とするキットを提供する。
【0171】
研磨粒子を含むヘアケア配合物は、上述したものであるのが良い。
【0172】
研磨固体粒子は、ヘアケア配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある濃度を有するのが良い。
【0173】
後処理用配合物は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、毛髪に着色し又は毛髪を漂白する配合物から選択されるのが良い。後処理用配合物は、例えば、上述した処理用配合物から選択されるのが良い。
【0174】
上記内容とは別個独立に又は上記内容と組み合わせて、本発明は又、毛髪処理用キットであって、
・50μm以上の、特に100μm以上の、特に100μmから500μmまでの範囲にある平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物、及び
・毛髪を研磨する目的で毛髪に対するヘアケア配合物の使用説明書を含む媒体を包装器具内に有することを特徴とするキットを提供する。
【0175】
ヘアケア配合物は、上述したものであるのが良い。
【0176】
研磨固体粒子の含有率は、配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にあるのが良い。
【0177】
キットは、毛髪のための後処理用配合物を更に含むのが良い。後処理用配合物は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、毛髪の着色配合物又は毛髪の漂白配合物から選択されるのが良い。一例を挙げると、後処理用配合物は、上述した処理用配合物から選択されるのが良い。
【0178】
本発明は、その非限定的な実施形態についての以下の説明を読むと共に添付の図面を吟味すると一層良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の方法を実施するための2つの表面を有するキットを示す図である。
【図2】図1の表面を用いて実施されるべき方法を示す図である。
【図3】研磨面媒体を含むクランプを示す図である。
【図4】本発明の別の観点によるキットを示す図である。
【図5】本発明の研磨面媒体の一例を示す概略断面図である。
【図6】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図7】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図8】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図9】他の例示の媒体の部分概略断面図である。
【図10】別の例示の媒体の概略部分図である。
【図11】別の例示の媒体の概略部分断面図である。
【図12】各々が研磨面媒体を含むくしを示す略図である。
【図13】各々が研磨面媒体を含むくしを示す略図である。
【図14】毛髪処理用配合物用の容器を示す略図であり、容器が研磨面を有している状態を示す図である。
【図15】本発明の方法を実施するための電気器具の一例の概略斜視図である。
【図16】図15の電気器具を用いた例を示す概略部分斜視図である。
【図17】図15の電気器具を用いた例を示す概略部分斜視図である。
【図18】別の例示の研磨面の概略部分図である。
【図19】使用中の電気器具の別の例の略図である。
【図20】使用中の電気器具の別の例の略図である。
【図21】使用中の電気器具の別の例の略図である。
【図22】本発明の方法を具体化するための電気器具の別の例の概略部分断面図である。
【図23】研磨面をどのように動かすことができるかの1つの例を示す概略部分図である。
【図24】研磨面をどのように動かすことができるかの別の例を示す概略部分図である。
【図25】本発明の毛髪処理方法を実施する別の例の略図である。
【図26】本発明に従って毛髪を研磨する電気器具の別の例の概略部分断面図である。
【図27】図26の電気器具の作動の仕方を示す概略部分斜視図である。
【図28】図26と同様な図であり、図26の電気器具を作動状態で示す図である。
【図29】本発明の電気器具の別の例の概略部分軸方向断面図である。
【図30】本発明を具体化する電気器具エンクロージャの例の概略軸方向断面図である。
【図31】本発明を具体化する電気器具エンクロージャの例の概略軸方向断面図である。
【図32】本発明を具体化する電気器具エンクロージャの例の概略軸方向断面図である。
【図33】使用中の本発明の他の電気器具の概略部分断面図である。
【図34】使用中の本発明の他の電気器具の概略部分断面図である。
【図35】本発明の方法を用いた毛髪の処理前における毛髪の部分の原子間力顕微鏡(AFM)写真図である。
【図36】本発明の方法を用いた毛髪の処理後における毛髪の部分の原子間力顕微鏡(AFM)写真図である。
【図37】本発明の電気器具の別の例の概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0180】
図1は、2つの表面5,6を有するキット1(図示されていない包装材を有する)を示しており、例えば、表面5は、研磨性であり、表面6は、非研磨性である。キット1は、本発明の方法を実施するよう構成されている。表面5,6は、毛髪を手動で研磨することができるようにする研磨手段を構成している。
【0181】
研磨面5は、図示の例では柔軟性材料、例えば不織布により作られた媒体7によって構成されている。図示の例では、研磨粒子8、特にモース硬さスケールで9に等しい硬度のアルミナ粒子を有し、これら粒子は、接着面5を形成するよう媒体7に取り付けられ、例えばこれに接着されている。
【0182】
一例を挙げると、非研磨面6は、研磨面5の媒体と同一であるが、研磨粒子を備えていない媒体7により構成されている。図示の例では、非研磨面6には毛髪処理用配合物を含浸させてある。
【0183】
毛髪処理方法は、以下のように図1のキット1を用いて実施可能である。
オペレータは、手Mの間に媒体7を取って一房の毛髪(以下、「毛髪房」という場合がある)Cを図2に示されているように互いに向かい合った研磨面5と非研磨面6との間に捕捉状態に保持する。
【0184】
次に、ユーザは、手を毛髪に対して実質的に横方向に前後に動かして毛髪Cを表面5,6に当てて研磨することができる。
【0185】
オペレータは、媒体7を毛髪に沿って少しずつ、例えば一房の毛髪Cに沿って実質的に最後まで動かして毛髪をその長さ全体にわたって研磨するのが良く、この場合、前後側方の運動を中断させない。変形例では、オペレータは、毛髪を房の一部分にわたって研磨し、次に媒体7を房に沿って動かして研磨運動を繰り返すことができ、この運動は、媒体7を毛髪に沿って動かしている間には中断される。
オペレータは、毛髪の根元から始めて毛先に向かって進むのが良い。
【0186】
処理中、毛髪を研磨面5によって滑らかにする一方で、処理用配合物を表面6により毛髪に付着させる。
【0187】
代替的に又は追加的に、オペレータは、毛髪に沿う長手方向の運動を実施することができ、例えば、媒体7を毛髪の根元から毛先に向かって動かしても良い。オペレータは、毛髪を研磨するために毛先に向かう毛髪相互間の1回又は2回以上のパスを実施するのが良く、例えば、1回〜100回のパス、特に1回〜10回のパスを実施するのが良い。
【0188】
一例を挙げると、かかる運動は、図3に示されているような器具を用いて実施されるのが良い。この器具は、媒体7が取り付けられた2つのヒンジ式枝部12を備えた鋏状クランプによって構成され、これら媒体の各々は、研磨面を構成し又は構成しない。オペレータは、この目的のために設けられた開口部11内に指を差し込むことによってクランプを保持し、枝部12を互いに遠ざけ又は近づけるのが良い。
【0189】
一例を挙げると、研磨面5は、上述したのと同じ形式のものである。一例を挙げると、表面6は、非研磨性であり、フロック加工部を有するのが良い。非研磨面6には処理用配合物を含浸させるのが良い。変形例では、オペレータは、毛髪の処理に先立って髪又は表面6に処理用配合物を注ぎかけても良い。
【0190】
この例では、少なくとも研磨面5の媒体7及び場合によっては更に非研磨面6の媒体は、例えばマジックテープ(登録商標)又はベルクロ(Velcro(登録商標))型連結手段によって対応の枝部12に取り外し可能に取り付けられる。これにより、媒体7を使用相互間で交換することができる。
クランプは、オプションとして、毛髪に及ぼされる圧力を制御すると共に/或いは指示するよう構成された手段、例えばばね及びダイナモメータを有するのが良い。
【0191】
非研磨面6をフォーム、エラストマー被膜又は他の何らかの表面により構成することは本発明の範囲から逸脱しない。
【0192】
図4は、本発明に従ってキット1を製作する可能性を示しており、このキットは、このキット内の毛髪に接触する表面が両方共研磨性であるという点において図1のキットとは異なっている。これら表面は、例えば接着剤によって媒体7に取り付けられた研磨粒子8を有している。
【0193】
図示のように、キットは、例えば容量が250mLの容器で例えば包装された処理用配合物10を更に有している。
【0194】
一例を挙げると、図4のキット1を用いる処理方法は、2つの研磨面5,6により図2に示されているように研磨を実施するステップを有する。毛髪の研磨前、研磨中及び/又は研磨後に、ユーザは、処理用配合物10を研磨面のうちの一方又は毛髪に直接施す又は塗布する。
【0195】
オプションとして、毛髪を研磨前に濡らすのが良く、毛髪は又、研磨後に、例えば配合物10の塗布前にすすぎ洗いするのが良い。
【0196】
一例を挙げると、配合物10を毛髪のすすぎ洗い後に塗布し、配合物10は、毛髪の内部を再構築する作用剤を含むのが良く、かかる作用剤としては、試薬、例えばシランが挙げられる。
【0197】
キットは、ユーザに毛髪を滑らかにする1種類又は2種類以上の研磨媒体の使用法を知らせる使用説明書を更に含むのが良い。
【0198】
一例を挙げると、図1〜図4に示されている媒体は、可撓性又は柔軟性材料で作られ又は或る程度の可撓性又は柔軟性をこれに与える厚さのものである。
【0199】
変形例では、図5に示されているように、媒体7は、硬質であっても良く、媒体は、例えば1GPaから4GPaまでの範囲にある弾性率を有し、媒体7は、表面5を研磨性にする研磨粒子を含むのが良い。一例を挙げると、研磨粒子は、接着剤15を用いて媒体7に結合される。一例を挙げると、媒体7は、比較的硬質の熱可塑性材料、例えばPEHTで作られている。
【0200】
接着剤の代替手段として、研磨粒子8を図6に示されているように充填剤の形態で媒体7中に分散して設けても良い。この図は又、2つの反対側の研磨面を備えた媒体7を製作する可能性を示している。
【0201】
図7は、本発明の方法を実施する可能性を示しており、凸状部分30、例えば歯が研磨面5から突き出ている。これら凸状部分30は、個々の毛髪を研磨面5全体にわたって案内することができる。凸状部分30は、研磨性であっても良く非研磨性であっても良い。凸状部分30は、適宜、非研磨面6に設けることができる。
【0202】
凸状部分は、研磨粒子を支持した媒体7と一体成形することによって作られるのが良く、或いは、変形例では、媒体7を支持した要素、例えば図3に示されたクランプの枝部のうちの一方と一体成形されることにより作られても良い。
【0203】
媒体が硬質である場合、媒体は、表面5が研磨性であるようにすることができるよう構成された構造を有するのが良く、特に、媒体は、図8に示されているような焼結材料から成るのが良い。
【0204】
変形例では、媒体が硬質である場合、研磨面5は、でこぼこ、例えば図9に示されているような棘状部16、図10に示されているような掻き傷17又は図11に示されているような刻み目18を有するのが良い。かかるでこぼこは、特に棘状部の場合、媒体7の制作中に形成されるのが良く、或いは、特に掻き傷又は刻み目の場合、媒体の製作後にエッチングし又は成形するのが良い。でこぼこは、0.1μmから500μmまでの範囲にある深さを有するのが良い。
【0205】
1つ又は複数の媒体7は、ヘアケア器具、例えば図12及び図37に示されているようなくし、ブラシ又は図14に示されているようなヘアケア配合物の入った容器の外壁に取り外し可能に取り付けられるのが良い。取り外し可能な取り付けは、例えばベルクロ(Velcro(登録商標))型の締結手段を用いることにより又は再位置決め可能な接着剤によって得られるのが良い。
【0206】
毛髪に接触する表面は、図1〜図4に示されているような2つの別々の媒体の一部をなしても良く、或いは、例えば処理を実施するよう半分に折り畳まれる単一の媒体の一部であっても良い。
【0207】
図1〜図4に示された実施形態では、研磨手段により、毛髪を手動で研磨することができる。変形例では、研磨手段は、モータ駆動式であっても良い。一例を挙げると、図15は、モータ駆動式研磨手段、例えば本発明の方法を実施する機械的システムを備えた電気器具100を示している。
【0208】
電気器具100は、全体として軸線Xに沿って延び、この電気器具は、取っ手部材102及び2つのヒンジ式枝部104を備えたクランプ103を有している。各枝部104は、他方の枝部に向いた面に、毛髪に接触すべき表面を備えた媒体107を備えている。
【0209】
図示の例では、枝部104aは、研磨面105を備えた媒体107を有し、クランプ103の枝部104bは、非研磨面106を備えている。
【0210】
取っ手部材102は、例えば図示の例では研磨面105を振動させるのに適した電気モータ(図示せず)を含む機械的システムを収容している。研磨面を電気器具内に収容された少なくとも1つの振動源によって振動させることができる。操作ボタン110を押すことにより電気器具を動かす。
【0211】
振動の振動数は、ユーザが種々の目盛り112を通過できる調整ノブ111を用いることによって変更可能である。
【0212】
スライダ114も又、振動の振幅を選択するのに役立ち得る。
【0213】
図示の例では、研磨面を備えた媒体107は、例えば、研磨粒子108、例えば硬度がモース硬さスケールで9に等しく、直径が約8μmの球形の固体アルミナ粒子が例えば接着剤によって取り付けられた織布から成る柔軟性材料で作られている。研磨面105が例えば図5〜図11を参照して説明した研磨面5のうちの1つとほぼ同じであることは本発明の範囲から逸脱しない。
【0214】
研磨面105を備えた媒体107は、例えば研磨面が1回又は2回以上の使用後に摩耗状態になった場合、媒体を交換することができるよう例えば取り外し可能に、例えばフックにより又はベルクロ(Velcro(登録商標))型締結具によって枝部104aに取り付けられる。接着面5の幅は、1cmから5cmまでの範囲にあるのが良く、その長さは、1cmから10cmまでの範囲にあるのが良い。
【0215】
表面106は、これが研磨粒子を備えていないので研磨性を示さない。
表面106には毛髪処理用配合物を充填するのが良い。一例を挙げると、配合物は、任意の手段、例えば重力、毛管作用又はポンプ、例えば電気ポンプ又はユーザにより駆動される手動ポンプによって、表面106又はその近くに設けられたディスペンサオリフィスに取り込み可能である。変形例では、本発明の方法において処理用配合物を施すステップを実施するために、ユーザは、図4に示された形式の容器に入っている配合物を例えば毛髪に直接注ぎかけることができる。処理用配合物を毛髪の研磨前、研磨後又は研磨中に施すことができる。
【0216】
図15の電気器具を用いるための手順は、次の通りである。
【0217】
クランプ103の枝部104a,104bを図16に示されているように互いに離してオプションとして濡れている一房の毛髪Cをクランプ103の研磨面105と非研磨面106との間に滑らせることができ、毛髪房中の同時に処理される毛髪の本数は、例えば、100本から5000本までの範囲にある。
【0218】
クランプ103は、一房の毛髪Cを捕捉状態に保持するよう再閉鎖され、枝部104a,104bを例えば弾性戻り部材、例えばばねが設けられることに起因して得られる弾性戻り作用によって互いに向かって押すことができる。
【0219】
オプションとして、スライダ114を用いた振動の振幅の選択後、ユーザは、ボタン110を押して源をオンに切り換える。研磨中、ユーザは、オプションとして、振動の振幅を変えることができる。
【0220】
図17に示されているように、ユーザは、研磨面105が毛髪と接触した状態で振動している間、電気器具100を一房の毛髪Cに沿って、例えば毛髪の根元から自由状態の毛先へ動かすのが良い。
【0221】
適宜、電気器具は、ユーザが振動の向きを選択することができるよう構成されているのが良い。
【0222】
一例を挙げると、電気器具は、それぞれ研磨面を軸線Xに平行に振動させ又は軸線Xに対して横方向に振動させるのに役立つ2つの振動源を有する。
【0223】
振動モードは、毛髪の関数として選択されるのが良く、横方向モードは、傷み具合が僅かな毛髪に適し、これに対し、長手方向モードは、非常に傷んだ毛髪について適している場合がある。
【0224】
図示していない変形例では、ユーザは、例えば偏心フライウェイトを駆動するモータの回転数に作用することにより振動の振動数を変えることができる。
【0225】
ユーザは、電気器具を図示のように処理のために房に沿って摺動させることができ又は電気器具を動かさないで研磨面100及び非研磨面106と接触状態にある毛髪房の部分を処理し、次にクランプを開くと共に電気器具を再位置決めして毛髪房の別の部分を処理することができる。
【0226】
研磨作業をいったん完了すると、ユーザは、研磨粒子及び/又は髪から取れている恐れのある付着物を除去するために毛髪をすすぎ洗いするのが良い。
ユーザは、次に、毛髪に対して着色又はケア処理を施すことができる。
【0227】
電気器具100は、粒子及び/又は付着物を吸い上げるシステムを有するのが良く、或いは、確かに、液体回収システムを有するのが良い。
【0228】
一例を挙げると、図18に示されているように、研磨面105(又は裏当て面106)は、例えばファンによって構成された吸引源と連通した穴120を有するのが良い。電気器具は、液体を毛髪に吹き付け、吹き付けられた液体を例えばこれを吸い上げることにより回収する手段を更に有するのが良い。
【0229】
電気器具が毛髪の研磨に先立って毛髪を濡らすステップを有するよう用いられる場合、研磨粒子108をこれらが水又は用いられる他の物質への接触時に媒体107から分離しないようにするような仕方で取り付けられるのが良い。
【0230】
図19〜図21は、本発明の電気器具100の他の例を示しており、各電気器具は、単一の研磨面105を有し、これら電気器具は、裏当て面を備えていない。
【0231】
図19の例では、研磨面105は、例えば長手方向軸線X回りに回転駆動される。研磨面105の研磨性は、好ましくは、毛髪が研磨面105に絡みつくことなく研磨面105と接触状態で滑ることができるようにするのに十分弱い。電気器具は、有利には、必要ならば回転方向を逆にすることができる。これにより、研磨面は、根元から毛先に向かって方向転換することができる。適宜、研磨面105は、毛髪をくしけずる目的で凸状部分、例えば歯を有するのが良い。研磨面105には、髪を絡ませる恐れを低くするよう歯がなくても良い。電気器具は、研磨面から見て上流側又は下流側に位置するくしを有するのが良い。研磨面105に回転だけでなく振動、例えば回転軸線に平行な振動を及ぼすのが良い。
【0232】
図19に示されている電気器具を使用するためには、ユーザは、研磨面105が回転駆動されている間に一房の毛髪Cを保持する。
【0233】
図20の例では、研磨面105は、電気器具の長手方向軸線Y回りに回転駆動される実質的に平べったい円板によって構成され、この長手方向軸線Yは、例えば、円板の中心をこれに垂直に通る。
【0234】
図21の実78態では、研磨面は、例えば楕円形の経路に沿って2本の軸線125,126回りに動くよう電気器具によって駆動される連続ストリップを形成する。
【0235】
図22に示されている例では、電気器具100は、2つの研磨面105,106を有し、研磨面105,106及び/又は媒体107は、同一であっても良く、或いは異なっていても良い。
【0236】
図23は、2つの研磨面105,106を例えばモータ駆動下において互いに逆方向に動かす手段を示している。
【0237】
図24は、両方共研磨性であって回転可能な表面105,106の可能性を示している。両方の表面が可撓性であり、表面105,106のうちの一方だけが回転可能であり、或いは確かに、表面のうちの一方だけが研磨性であり、両方の表面が回転可能であるようにすることは、本発明の範囲から逸脱しない。
【0238】
図19〜図24に示されている電気器具のうちの1つを用いる方法では、研磨前、研磨後及び/又は研磨中に美容処理用配合物を施す。配合物は、オプションとして、電気器具内に設けられるのが良く、かかる配合物は、例えば、表面105及び/又は表面106のうちの一方を含浸するのが良い。
【0239】
図25に示されている変形例では、本発明の処理方法は、固体研磨粒子208を特にジェット203の形態で毛髪Cに吹き付けて毛髪を研磨するステップを有する。かかる状況のもとでは、研磨手段は、研磨粒子を射出してこれらを毛髪に当てるよう構成されている。
【0240】
図25の例では、固体粒子のジェットを毎秒1グラム(g/s)の質量流量で射出してこれを毛髪に当てる。固体粒子ジェットは、毎秒4立方センチメートル(cm3/s)の体積流量を有するのが良い。
【0241】
研磨処理中、固体粒子のジェットの流量を変えることができる。当初、ジェットは、約0.5cmの幅を有するのが良い。この幅は、オプションとして、例えば毛髪の状態の関数として研磨の程度を調節するよう研磨中又は研磨前に変更可能である。粒子のジェットは、流体、特に図示の例では圧縮空気によって推進される。粒子のジェットは、平べったい形状(5mm×2mm)の単一の出口によって構成されるノズル205から放出される。
一例を挙げると、射出されて毛髪に当てられる固体粒子208は、直径が約20μm、硬度がモース硬さスケールで約7のシリカ粒子であるのが良い。
【0242】
毛髪の研磨前、研磨後又は研磨中、美容処理用配合物を毛髪に施す。
【0243】
図26は、一房の毛髪Cを挿通させるよう構成されたエンクロージャ202を有する電気器具200を示している。図示の例のエンクロージャ202は、連結部210、例えばヒンジ式連結部によって互いに連結されている2つのシェル204を有する。これらシェルは、エンクロージャ202が開かれる第1の形態及び図27及び図28に示されていて、エンクロージャ202が閉じられる第2の形態を取ることができるよう連結部210を中心として回動可能であるのが良い。
【0244】
開放した第1の形態では、シェル204は、連結部210により互いに固定され、これに対し、第2の形態では、シェル204は、もはや動かず、互いに当接状態に位置決めされてこれらの間に、毛髪を挿通させることができるようエンクロージャの両端部のところが開口した容積部211を構成する。
【0245】
図示の例では、エンクロージャ202は、実質的に円筒形である外側形状を有し、容積部211は、楕円形の断面を有する。エンクロージャ202が他の何らかの形状のものであることは本発明の範囲から逸脱しない。
【0246】
研磨固体粒子を供給するチャネル212は、シェル204により構成された容積部211内に開口している。この実施形態では、電気器具200は、粒子208を容積部211から吸い出すのに役立つチャネル213を更に有する。これら入口及び出口チャネル212,213は、エンクロージャ202を電気器具の残部(図示せず)に連結する可撓性連結部214内に収容されている。入口及び出口チャネルの数は、これよりも多くても良く、このことは、本発明の範囲から逸脱しない。具体的に説明すると、電気器具は、大きな衝撃を毛髪に与え又はより効果的な研磨を提供するよう固体粒子208を供給する複数本のチャネル212を有するのが良い。
【0247】
エンクロージャ202及び可撓性連結部214内に収容されたチャネル212,213に加えて、電気器具200は、固体研磨粒子208の供給源、例えば場合によってはフィルタと共にファンを含む粒子吸引システム、使用済み粒子の容器及び固体粒子208を供給源から容積部211まで同伴するベクトルとして働く圧力下でガスを発生させるよう構成された圧縮機を有するのが良い。
【0248】
図26〜図28に示されている電気器具200の動作原理は、次の通りである。エンクロージャ202を開いた後、ユーザは、一房の毛髪Cをエンクロージャ内に挿入し、エンクロージャ202を図27に示されているように再び閉じる。シェル204が閉鎖可能であり、かかるシェルは、任意適当な機械的閉鎖方式、例えばスナップ止めによって閉鎖形態を保持することができる。変形例では、閉鎖方式は、自動化されても良い。
【0249】
ユーザは電気器具200をオンに切り換えて固体粒子のジェットがチャネル212から射出されて粒子208が容積部211内に送り込まれるようにする。エンクロージャ内に保持されている毛髪の部分に射出される粒子のジェットは、毛髪を研磨するのに役立つ。
【0250】
研磨中、ジェットの体積流量又は質量流量を変更することが可能である。
【0251】
吸引システムは、例えばそれと同時に作動して研磨粒子208を研磨により毛髪から取れた粒子又は付着物Dと一緒に吸い上げ、これら粒子は、適宜、使用済み粒子容器に差し向けられる。
ユーザは、エンクロージャ202をエンクロージャ212内に保持されている一房の毛髪に沿って、例えば根元から毛先に動かすことができる。
【0252】
図28は、粒子射出システムだけを有し、粒子吸い上げシステムを備えていない電気器具の一部分を示している。かかる状況のもとでは、毛髪を研磨した後、毛髪をすすぎ洗いして毛髪から研磨粒子208及び研磨によって毛髪から取れた他の粒子又は付着物を除去するのが良い。
【0253】
エンクロージャの内容積部211の断面は、図26〜図29に示されている形状には限定されない。
【0254】
図30は、円形断面の1つのシェル204により構成された容積部211を示している。図31では、容積部211は、形状が長方形の断面を有している。内容積部211の形状は、これとは異なっていても良く、このことは、本発明の範囲から逸脱しない。
【0255】
シェル204のうちの少なくとも一方及び図32に示されている例では両方のシェルは、例えば毛髪を分けると共に/或いは毛髪をくしけずるよう他方のシェル204に向いた内面に1つ又は2つ以上の凸状部分215、例えば歯を有するのが良い。これら凸状部分215は又、シェル相互間に形成された処理チャンバを出た研磨粒子を止めることができ又は装置外部への研磨粒子の損失を制限することができる。
【0256】
図33は、本発明の電気器具200の別の例を示しており、この電気器具は、側壁221及び頂壁222によって構成された処理チャンバ220を有し、このチャンバは、図示のように研磨されている一房の毛髪Cによって底部が閉鎖されている。頂壁222を貫通して、研磨固体粒子208を場合によっては他の粒子と共に、例えばケア活性剤と共に供給するチャネル212が貫通して設けられている。粒子208は、これらが毛髪Cに当てられた後、毛髪から取れた付着物Dと一緒に、処理チャンバ220の頂壁222を貫通して延びる出口チャネル213を介して吸い上げられる。粒子の供給流は、吸引ポンプに連結されている出口チャネルを介する吸引の結果としてチャンバ220内に存在する吸引力によって生じる。かくして、一房の毛髪が存在しない場合、吸引力は、作られず、粒子は、チャンバ222内に存在しない。図34の例では、一房の毛髪Cを研磨するためにかかる毛髪に当たるよう粒子208を動かすのは、振動面225である。振動面225は、超音波によって動かされるのが良い。かかる状況のもとでは、振動面は、ソノトロード(sonotrode)の一部をなすのが良い。粒子208は、振動面225、一房の毛髪C及び振動面を構成するソノトロードに固定された1つ又は2つ以上の側壁221によって構成された処理チャンバ220内に封じ込められる。
【0257】
図26〜図34の電気器具を用いて実施される方法では、美容処理用配合物を研磨前、研磨後及び/又は研磨中に毛髪に施す。
本発明は、説明した実施形態には限定されない。
【0258】
研磨面を備えた媒体の例
【0259】
直径が約20μm、硬度がモース硬さスケールで6のシリカの研磨粒子を含むカードシートから成る柔軟性媒体を用いて毛髪を処理した。
【0260】
直径が約0.5cmから約1cmまでの範囲にある毛髪房について一房ごとに研磨を実施した。
【0261】
乾いた状態の毛髪について根元から毛先に向かって3回のパスを長手方向に実施した。
【0262】
毛髪を研磨前及び研磨後に取り、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてこれらを分析した。図35及び図36は、研磨前及び研磨後における毛髪CのAFM写真図である。
【0263】
処理後の毛髪の鱗片Eは、規則性が高く且つギザギザの度合いが低く、それによりもつれをほどくのが容易であることが分かる。さらに、研磨後、剥がれて浮き上がって鱗片が事実上ないままである。
【0264】
次に毛髪にコンディショング処理用配合物を施し、このコンディショニング処理用配合物は、毛髪の表面上に一様に付着すると共に/或いはその内部に効果的に浸透した。
【0265】
研磨ヘアケア配合物による実施例
【0266】
説明する他の例は、毛髪を研磨する目的で研磨粒子を含むヘアケア配合物を利用している。ヘアケア配合物に加えて処理用配合物も又、例えば毛髪の研磨前又は研磨後に毛髪に施した。特定の一例では、研磨ヘアケア配合物は、処理用配合物を構成し、研磨及び処理用配合物の塗布をこの例ではヘアケア配合物と同時に実施した。
配合物の全重量に対して重量を基準とした比率が与えられている。
【0267】
比較実施例1‐平滑化パワーを表している
【0268】
以下のヘアケア配合物を調製した。
【0269】
〔表1〕
配合物 A B
カルボポール(Carbopol)980[1] 0.2 0.2
アルミナ“a”[2] 20 0
緩衝剤 qs pH=7 qs pH=7
水 Qsp100 Qsp100
[1]ノブオン(Noveon)により市販されているカルボポール980
[2]マーケテック・インターナショナル・インコーポレイテッド(Marketech International Inc.)により市販されているDermagrain 1000,粒径120μm、モース硬さスケールによる硬度約9
【0270】
20人の女性の一グループについて研究を実施し、10人の女性の毛髪は、ナチュラルで長く、10人の女性の毛髪は、敏感で長かった。
【0271】
10グラム(g)〜15gのこれら配合物A,Bの各々を頭半分ごとに塗布したが、配合物Aは、本発明によるものであり、配合物Bは、コントロール配合物であった。
【0272】
毛髪を研磨する2種類の動きを用いて塗布を一房ごとに実施し、「接線方向」運動と呼ばれる第1の動きは、毛髪に実質的に平行であり、「剪断」運動と呼ばれる第2の動きは、毛髪に実質的に垂直であった。両方の動きを10回繰り返した。毛髪をくしけずり、すすぎ洗いし、最終的にブロー仕上げした。
【0273】
官能試験
【0274】
各頭半分の官能特性の比較評価を実施し、一方の頭半分を本発明の方法を利用して配合物Aによって処理し、他方をコントロール配合物Bを用いて処理した。
【0275】
結果の示すところによれば、本発明の方法を用いて処理した側は、コントロール側よりも滑らかであり且つしなやかであり、しかも一様であった。また、本発明の方法は、小さなカールが少ない状態の良好なヘアボリュームコントロールを与えたことが観察された。特に顕著な作用効果は、毛髪が敏感で且つ濃い場合に与えられた。
【0276】
シャンプー洗浄を5回行った後、毛髪が敏感な度合い(ナチュラルから非常に敏感な度合いまで)とは無関係にボリュームコントロールの場合と同様毛髪の滑らかさが保持された。
【0277】
比較実施例2‐用いられるヘアケア配合物中に含まれる粒子のサイズの関数としての平滑化パワー
【0278】
〔表2〕
配合物 A B
カルボポール(Carbopol)980[1] 0.2 0.2
アルミナ“a”[2](120μm) 20 0
アルミナ“b”[3](0.68μm) 0 20
緩衝剤 qs pH=7 qs pH=7
水 Qsp100 Qsp100
[1]ノブオン(Noveon)により市販されているカルボポール980
[2]マーケテック・インターナショナル・インコーポレイテッド(Marketech International Inc.)により市販されているDermagrain 1000
[3]ミヨシ・カセイ(Miyoshi Kasei)により市販されているアルミナビーズ
【0279】
ヘアケア配合物を塗布し、毛髪を研磨し、くしけずり、すすぎ洗いし、毛髪を乾燥させるプロトコルは、実施例1と同一であったが、配合物A,Cが用いられた。
【0280】
官能試験
【0281】
各頭半分の官能特性の比較評価を実施し、一方の頭半分を本発明の方法により平均寸法が120μmのアルミナの固体粒子を含有した配合物Aを用いて処理し、平均寸法が0.68μmのアルミナの固体粒子を含有した配合物Bを用いて処理した。
【0282】
結果の示すところによれば、アルミナ“a”粒子を含有した配合物Aにより処理した側は、アルミナ“b”粒子を含有した配合物Cにより処理した側よりも滑らかであり且つしなやかであり、しかも一様であった。
【0283】
シャンプー洗浄を5回行った後、アルミナ“a”粒子を含有した配合物Aにより処理した毛髪についてボリュームコントロールの場合と同様毛髪の滑らかさが保持された。
【0284】
比較実施例3‐本発明の方法を用いてコンディショナ型後処理により毛髪を前処理する
【0285】
この実施例では、本発明の方法に続き、コンディショナ型の後処理を実施した。
【0286】
処理用配合物D及び比較配合物Eの配合内容は次のようであった。
【0287】
〔表3〕
配合物 D E
塩化セトリモニウム 0.8 0.8
Quaternium-80 0.306 0.306
グリセリルステアレート 1 1
プロピレングリコール 0.294 0.294
セテアリルアルコール 3.15 3.15
ジパルミトリルエチルヒドロキシエチルモニウム
メトスルフェート[6] 1.35 1.35
軽石[1] 20 0
緩衝剤 qs pH=5.5 qs pH=5.5
水 Qsp100 Qsp100
[1]軽石:アイロー(Eyraud)により市販されている軽石粉末、平均直径365μm
【0288】
20人の女性の一グループについて研究を実施し、10人の女性の毛髪は、ナチュラルで長く、10人の女性の毛髪は、敏感で長かった。
【0289】
10グラム(g)〜15gのこれら配合物A,Bの各々を頭半分ごとに塗布したが、配合物Aは、本発明によるものであり、配合物Bは、コントロール配合物であった。
【0290】
毛髪を研磨する2種類の動作、即ち、「接線方向」動作及び「剪断」動作を用いて塗布を一房ごとに実施した。2種類の動作を10回繰り返した。毛髪をくしけずり、すすぎ洗いし、最終的にブロー仕上げした。
【0291】
毛髪のこの最初の処理後、コンディショナ型後処理を行った。
【0292】
〔表4〕
後処理用配合物 F
塩化セトリモニウム 0.03
ヒドロキシプロピルトリモイニウム加水分解小麦 0.3
グリセリルリノレネート 0.002
Trideceth-6 0.1476
グリセリルオレエート 0.031
グリセリルリニレエート 0.067
グリセリン 2
イソプロピルアルコール 1.125
セテアリルアルコール 7
アモジメチコーン 1.725
ベヘントリモニウムクロリド 4.9375
Halianthus annus(ひまわり)種油 0.05
セチルエステル 1.5
防腐剤 qs
フレグランス qs
水 Qsp100
【0293】
この後処理を毛髪の全てに施し、次にすすぎ洗いした。毛髪をブロー仕上げした。
【0294】
官能試験
【0295】
結果の示すところによれば、本発明の方法により配合物Dを用いて処理した側に関するコンディショニング、即ち平滑化は、配合物Eで処理した側よりも根元から毛先まで規則的であり、軽く、そしてナチュラルであった。コンディショナ配合物を適当な仕方で塗り、根元部へのその付け具合は少なく、毛先を良好に手入れした。本発明は、ヘアボリュームに対する良好な管理を提供し、毛髪のまとまり具合を向上させた。敏感であり且つ濃い髪に対する作用効果は特に顕著であった。
【0296】
シャンプー洗浄を5回行った後、毛髪が敏感な度合い(ナチュラルから非常に敏感な度合いまで)とは無関係にボリュームコントロールの場合と同様毛髪の滑らかさが保持された。
【0297】
マイクロサンディングによる実施例
【0298】
上述の実施例1〜3では、図37に示されているように、電気器具200は、商品名PL17で特定される商標Arenaのマイクロサンダ230を有している。
【0299】
電気器具200は、幅e=3cmのエンクロージャ202を有しており、それにより、毛髪が容積部211を通って滑ることができるようにすると共に研磨粉末を吸引システム232による一房の毛髪への衝突後に吸い上げることができるようにした。
【0300】
小さな金属グリッド231が毛髪の吸い上げを阻止するよう毛髪を支持した。
粉末形態の研磨粒子を毎秒約1リットル(L/s)の速度で圧縮空気の流れにより送り出した。ノズル205の直径は、約1.7mmであった。
エンクロージャ202を通って毎秒約1センチメートル(cm/s)の速度で一房の毛髪を滑らせた。
【0301】
実施例1
【0302】
この実施例では、サイズが50μmから70μmまでの範囲にある白色コランダムから成るABC220と呼ばれている商標Arenaのいわゆる「角張った」研磨粒子を用いた。
【0303】
この処理を敏感な毛髪に施した。
【0304】
実施例2
【0305】
この実施例では、用いた研磨粒子はガラスマイクロビーズ(商標Arena(番号ABV05、直径約45μm〜89μm))の形態をしていて、丸形であった。
【0306】
研磨処理をスタイリング前にナチュラルな毛髪に施した。特に、処理を前の房に施した。次に、最後のすすぎ洗い後、ヘアスプレー(Elnett Satin)を用いてスタイリングを実施した。毛髪は、形状を保つのが容易であった。
【0307】
実施例3
【0308】
「角張った」種類の研磨粒子(寸法が200μmから500μmまでの範囲にある商標Aren(番号P300 3))を用いて第3の実施例を行った。
【0309】
研磨処理を灰色で脂で汚れた毛髪に対して行った。処理後、毛髪を洗浄し、次にブラウン着色(Majirel 3.0)を毛髪に塗布した。すると、高い輝度の色彩効果が得られた。
【0310】
実施例4
【0311】
供給業者であるアンリ・シェイン(Henry Schein)から入手できる商標“SD2”(番号DA15301、商品コード886‐9361)のサンダ30を用いた。
【0312】
この実施例を上述の実施例の場合とほぼ同じ形態で構成した。
研磨粒子8は、平均直径が50μmの酸化アルミニウム粉末から成っていた。
また、毎分約50ミリリットル(mL/s)の空気を送り出す圧縮機(図示せず)によってサンダ30に圧縮空気を供給した。
ノズルを旋回させることができた。
敏感な髪を実施例1の場合のように処理した。
【0313】
出願明細書中の対応英文表記“comprising a”は、“comprising at least one”という表現と同義であると理解されるべきであり、「〜から〜までの範囲にある」という表現は、別段の指定がなければ、与えられた限度を含むものと理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪の美容処理方法であって、
・毛髪を研磨することができる研磨手段を用いて毛髪を研磨するステップと、
・毛髪の研磨前、研磨後及び/又は研磨中に美容処理用配合物を毛髪に施すステップとを有する、方法。
【請求項2】
前記毛髪は、研磨粒子(8,108,208)を前記毛髪に当てることにより研磨され、前記研磨粒子は、
・無機及び/又は金属粒子、例えば窒化硼素、特に体心立方形態の窒化硼素(Borazon(登録商標))、アルミノ珪酸塩、ジルコン、アルミニウムの混合酸化物、例えばエメリ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、例えばアルミナ、コランダム、酸化チタン、酸化チタン被覆マイカ、カーバイド、特に炭化珪素(カーボランダム)又は他の金属酸化物、金属及び金属合金、例えばアイアンショット、スチールショット、特にパーライトショット、シリケート、例えばガラス、石英又は砂、炭化カルシウム(例えば、ボラ・ボラ・サンド(bora bora sand)又はローズ・ド・ブリグノール・サンド(rose de Brignoles sand))又は炭酸マグネシウム、軽石、非晶質シリカ、ダイヤモンド、セラミックス、
・有機粒子、例えば果実の種、特にアンズの種、例えばScrubami(登録商標)アンズ、木材セルロース、特に粉砕竹茎、やしの殻、例えばココナッツ表層剥離剤、ポリアミド、特にナイロン‐6、及び
・有機及び無機化合物を組み合わせた混合粒子及び上述の化合物で被覆された粒子から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記研磨粒子(8,108,208)は、モース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記研磨手段は、少なくとも2つの向かい合った表面(5,6;105,106)を有し、前記表面のうちの少なくとも一方は、研磨性であり、前記互いに向かい合った表面は、研磨中、前記毛髪と接触状態にあり、前記向かい合った表面のうちの少なくとも一方は、研磨によって前記毛髪に作用する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
一方の表面だけ(5;105)が研磨性であり、他方の表面は、非研磨性である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記非研磨性表面(6;106)は、処理用配合物を前記毛髪に施すために用いられる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記毛髪に接触する前記表面(5,6;105,106)は、研磨処理中、互いに対して動かされ、該相対運動は、全体として手動による運動又は機械的システムを用いた少なくとも部分的にモータ駆動方式による運動である、請求項2〜4のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記研磨手段は、前記毛髪を研磨するよう研磨粒子(200)を特に粒子のジェット(203)の形態で射出して前記毛髪に当てるよう構成されている、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記粒子(208)の前記ジェット(203)は、流体、特に圧力下の流体、好ましくは圧縮空気によって推進される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記研磨手段は、前記毛髪を研磨するよう前記毛髪に当てられる研磨粒子を含有したヘアケア配合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均サイズの研磨粒子を含有し、前記研磨粒子の平均サイズは、500μm以下又は良好には300μm以下である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
固体の前記研磨粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記処理用配合物は、
・毛髪の機械的性質を改質しようとする配合物、特に還元作用剤、例えばチオグリコール酸及びその誘導体、システイン、スルフィット、ソーダ、炭酸グアニジン、トリヒドロキシメチルホスフィン又は酸化剤、例えばH2O2、過硫酸塩を含む配合物、
・例えば溶剤、グリコール、可塑剤又は陽イオン性、陰イオン性若しくは両性の界面活性剤を含む表面軟化剤又は浸透配合物、
・毛髪の表面特性を改質する配合物、特にシリコーン、反応性アミノシリコーン、接着性ポリマー、植物油、鉱油、合成油、蝋、特に脂肪族アルコール又は脂肪族エステルから選択された脂肪を含む非シリコーン潤滑剤を含む配合物、
・例えばイオネン、タンパク質、ヒドロキシ酸又は反応性コンパウンド、特にホルモールの発生剤、シランを含む毛髪の内部を再構築する配合物、及び
・直接的であり又は酸化に作用する染料から選択される、請求項1〜12のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記毛髪は、研磨後にすすぎ洗いされる、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項15】
毛髪処理用キットであって、
・前記毛髪を研磨することができる研磨手段と、
・毛髪用の1種類又は2種類以上の美容処理用配合物とを含む、キット。
【請求項16】
前記研磨手段は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含み、前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施され、一房の毛髪に対するパスの回数は、6回以上であり、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にある、請求項1〜3並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項17】
前記研磨手段は、平均寸法が50μm以上、特に100μm以上の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含み、前記方法は、前記ヘアケア配合物による処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、請求項1〜3並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記毛髪を滑らかにするよう実施され、前記研磨手段は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含む、請求項1〜9並びに請求項10〜12に従属しない請求項13及び請求項14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項19】
前記研磨手段は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含み、前記研磨固体粒子は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある含有率を有すると共にモース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、請求項1又は2並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び請求項14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記毛髪を連続的に施される2種類のヘアケア配合物で研磨する2つの研磨ステップを有し、各ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記2種類のヘアケア配合物の前記固体粒子の平均寸法は、互いに異なる、請求項1〜3並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び請求項14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項21】
前記研磨固体粒子は、500μm以下、良好には300μm以下の平均寸法を有する、請求項16〜20のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項22】
前記研磨固体粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項16〜18並びに請求項20及び請求項21のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項23】
前記ヘアケア配合物を用いた処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、請求項16及び請求項18〜21のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項24】
前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施される、請求項1〜15及び請求項17〜23のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項25】
前記毛髪の研磨ステップは、前記毛髪を裸の両手で又は前記両手相互間に介在して位置する少なくとも位置する少なくとも1つの表面でこすることにより実施され、前記毛髪は、ヘアケア配合物で被覆される、請求項10〜12及び請求項16〜24のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、前記毛髪を滑らかにするよう実施される、請求項11又は請求項12を含まない請求項1〜25のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項27】
毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施され、一房の毛髪に対するパスの回数は、6回以上であり、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にある、方法。
【請求項28】
毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記方法は、前記ヘアケア配合物による処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、方法。
【請求項29】
毛髪を滑らかにする方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有する、方法。
【請求項30】
毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記研磨固体粒子は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある含有率を有すると共にモース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、方法。
【請求項31】
毛髪処理方法であって、前記毛髪を連続的に施される2種類のヘアケア配合物で研磨する2つの研磨ステップを有し、各ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記2種類のヘアケア配合物の前記固体粒子の平均寸法は、互いに異なる、方法。
【請求項32】
前記研磨固体粒子は、500μm以下、良好には300μm以下の平均寸法を有する、請求項27〜31のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項33】
前記研磨固体粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項16〜18並びに請求項27〜32のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項34】
前記研磨固体粒子は、モース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、請求項27〜33のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項35】
前記研磨粒子は、
・無機及び/又は金属粒子、例えば体心立方形態の窒化硼素(Borazon(登録商標))、アルミノ珪酸塩、ジルコン、アルミニウムの混合酸化物、例えばエメリ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、例えばアルミナ、コランダム、酸化チタン、酸化チタン被覆マイカ、カーバイド、特に炭化珪素(カーボランダム)又は他の金属酸化物、金属及び金属合金、例えばアイアンショット、スチールショット、特にパーライトショット、シリケート、例えばガラス、石英又は砂、炭化カルシウム又は炭酸マグネシウム、軽石、非晶質シリカ、ダイヤモンド、セラミックス、
・有機粒子、例えば果実の種、特にアンズの種、例えばScrubami(登録商標)アンズ、木材セルロース、特に粉砕竹茎、やしの殻、ポリアミド、特にナイロン‐6、及び
・有機及び無機化合物を組み合わせた混合粒子及び上述の化合物で被覆された粒子から選択される、請求項27〜34のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項36】
前記毛髪を研磨後にすすぎ洗いするステップを有する、請求項27〜35のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項37】
前記ヘアケア配合物による処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、請求項27〜35のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項38】
前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施される、請求項27〜37のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項39】
前記毛髪の研磨ステップは、前記毛髪を裸の両手で又は前記両手相互間に介在して位置する少なくとも位置する少なくとも1つの表面でこすることにより実施され、前記毛髪は、ヘアケア配合物で被覆される、請求項27〜38のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、前記毛髪を滑らかにするよう実施される、請求項27〜39のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項41】
毛髪処理用キットであって、
・50μm以上の、特に100μm以上の、特に100μmから500μmまでの範囲にある平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物、及び
・前記毛髪を研磨する目的で前記毛髪に対する前記ヘアケア配合物の使用説明書を含む媒体を包装器具内に有する、キット。
【請求項42】
前記研磨固体粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項41記載のキット。
【請求項43】
前記毛髪のための後処理用配合物を有する、請求項41又は42記載のキット。
【請求項44】
前記後処理用配合物は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物から選択される、請求項43記載のキット。
【請求項1】
毛髪の美容処理方法であって、
・毛髪を研磨することができる研磨手段を用いて毛髪を研磨するステップと、
・毛髪の研磨前、研磨後及び/又は研磨中に美容処理用配合物を毛髪に施すステップとを有する、方法。
【請求項2】
前記毛髪は、研磨粒子(8,108,208)を前記毛髪に当てることにより研磨され、前記研磨粒子は、
・無機及び/又は金属粒子、例えば窒化硼素、特に体心立方形態の窒化硼素(Borazon(登録商標))、アルミノ珪酸塩、ジルコン、アルミニウムの混合酸化物、例えばエメリ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、例えばアルミナ、コランダム、酸化チタン、酸化チタン被覆マイカ、カーバイド、特に炭化珪素(カーボランダム)又は他の金属酸化物、金属及び金属合金、例えばアイアンショット、スチールショット、特にパーライトショット、シリケート、例えばガラス、石英又は砂、炭化カルシウム(例えば、ボラ・ボラ・サンド(bora bora sand)又はローズ・ド・ブリグノール・サンド(rose de Brignoles sand))又は炭酸マグネシウム、軽石、非晶質シリカ、ダイヤモンド、セラミックス、
・有機粒子、例えば果実の種、特にアンズの種、例えばScrubami(登録商標)アンズ、木材セルロース、特に粉砕竹茎、やしの殻、例えばココナッツ表層剥離剤、ポリアミド、特にナイロン‐6、及び
・有機及び無機化合物を組み合わせた混合粒子及び上述の化合物で被覆された粒子から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記研磨粒子(8,108,208)は、モース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記研磨手段は、少なくとも2つの向かい合った表面(5,6;105,106)を有し、前記表面のうちの少なくとも一方は、研磨性であり、前記互いに向かい合った表面は、研磨中、前記毛髪と接触状態にあり、前記向かい合った表面のうちの少なくとも一方は、研磨によって前記毛髪に作用する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
一方の表面だけ(5;105)が研磨性であり、他方の表面は、非研磨性である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記非研磨性表面(6;106)は、処理用配合物を前記毛髪に施すために用いられる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記毛髪に接触する前記表面(5,6;105,106)は、研磨処理中、互いに対して動かされ、該相対運動は、全体として手動による運動又は機械的システムを用いた少なくとも部分的にモータ駆動方式による運動である、請求項2〜4のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記研磨手段は、前記毛髪を研磨するよう研磨粒子(200)を特に粒子のジェット(203)の形態で射出して前記毛髪に当てるよう構成されている、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記粒子(208)の前記ジェット(203)は、流体、特に圧力下の流体、好ましくは圧縮空気によって推進される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記研磨手段は、前記毛髪を研磨するよう前記毛髪に当てられる研磨粒子を含有したヘアケア配合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均サイズの研磨粒子を含有し、前記研磨粒子の平均サイズは、500μm以下又は良好には300μm以下である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
固体の前記研磨粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記処理用配合物は、
・毛髪の機械的性質を改質しようとする配合物、特に還元作用剤、例えばチオグリコール酸及びその誘導体、システイン、スルフィット、ソーダ、炭酸グアニジン、トリヒドロキシメチルホスフィン又は酸化剤、例えばH2O2、過硫酸塩を含む配合物、
・例えば溶剤、グリコール、可塑剤又は陽イオン性、陰イオン性若しくは両性の界面活性剤を含む表面軟化剤又は浸透配合物、
・毛髪の表面特性を改質する配合物、特にシリコーン、反応性アミノシリコーン、接着性ポリマー、植物油、鉱油、合成油、蝋、特に脂肪族アルコール又は脂肪族エステルから選択された脂肪を含む非シリコーン潤滑剤を含む配合物、
・例えばイオネン、タンパク質、ヒドロキシ酸又は反応性コンパウンド、特にホルモールの発生剤、シランを含む毛髪の内部を再構築する配合物、及び
・直接的であり又は酸化に作用する染料から選択される、請求項1〜12のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記毛髪は、研磨後にすすぎ洗いされる、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項15】
毛髪処理用キットであって、
・前記毛髪を研磨することができる研磨手段と、
・毛髪用の1種類又は2種類以上の美容処理用配合物とを含む、キット。
【請求項16】
前記研磨手段は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含み、前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施され、一房の毛髪に対するパスの回数は、6回以上であり、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にある、請求項1〜3並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項17】
前記研磨手段は、平均寸法が50μm以上、特に100μm以上の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含み、前記方法は、前記ヘアケア配合物による処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、請求項1〜3並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記毛髪を滑らかにするよう実施され、前記研磨手段は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含む、請求項1〜9並びに請求項10〜12に従属しない請求項13及び請求項14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項19】
前記研磨手段は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物を含み、前記研磨固体粒子は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある含有率を有すると共にモース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、請求項1又は2並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び請求項14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記毛髪を連続的に施される2種類のヘアケア配合物で研磨する2つの研磨ステップを有し、各ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記2種類のヘアケア配合物の前記固体粒子の平均寸法は、互いに異なる、請求項1〜3並びに請求項4〜12に従属しない請求項13及び請求項14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項21】
前記研磨固体粒子は、500μm以下、良好には300μm以下の平均寸法を有する、請求項16〜20のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項22】
前記研磨固体粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項16〜18並びに請求項20及び請求項21のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項23】
前記ヘアケア配合物を用いた処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、請求項16及び請求項18〜21のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項24】
前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施される、請求項1〜15及び請求項17〜23のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項25】
前記毛髪の研磨ステップは、前記毛髪を裸の両手で又は前記両手相互間に介在して位置する少なくとも位置する少なくとも1つの表面でこすることにより実施され、前記毛髪は、ヘアケア配合物で被覆される、請求項10〜12及び請求項16〜24のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、前記毛髪を滑らかにするよう実施される、請求項11又は請求項12を含まない請求項1〜25のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項27】
毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施され、一房の毛髪に対するパスの回数は、6回以上であり、特に6回から100回までの範囲、例えば6回から10回までの範囲にある、方法。
【請求項28】
毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記方法は、前記ヘアケア配合物による処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、方法。
【請求項29】
毛髪を滑らかにする方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有する、方法。
【請求項30】
毛髪処理方法であって、毛髪をヘアケア配合物で研磨するステップを有し、前記研磨固体粒子は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある含有率を有すると共にモース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、方法。
【請求項31】
毛髪処理方法であって、前記毛髪を連続的に施される2種類のヘアケア配合物で研磨する2つの研磨ステップを有し、各ヘアケア配合物は、50μm以上、特に100μm以上の平均寸法の研磨固体粒子を含有し、前記2種類のヘアケア配合物の前記固体粒子の平均寸法は、互いに異なる、方法。
【請求項32】
前記研磨固体粒子は、500μm以下、良好には300μm以下の平均寸法を有する、請求項27〜31のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項33】
前記研磨固体粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項16〜18並びに請求項27〜32のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項34】
前記研磨固体粒子は、モース硬さスケールで3以上、良好には4以上、好ましくは5以上の硬度を有する、請求項27〜33のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項35】
前記研磨粒子は、
・無機及び/又は金属粒子、例えば体心立方形態の窒化硼素(Borazon(登録商標))、アルミノ珪酸塩、ジルコン、アルミニウムの混合酸化物、例えばエメリ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、例えばアルミナ、コランダム、酸化チタン、酸化チタン被覆マイカ、カーバイド、特に炭化珪素(カーボランダム)又は他の金属酸化物、金属及び金属合金、例えばアイアンショット、スチールショット、特にパーライトショット、シリケート、例えばガラス、石英又は砂、炭化カルシウム又は炭酸マグネシウム、軽石、非晶質シリカ、ダイヤモンド、セラミックス、
・有機粒子、例えば果実の種、特にアンズの種、例えばScrubami(登録商標)アンズ、木材セルロース、特に粉砕竹茎、やしの殻、ポリアミド、特にナイロン‐6、及び
・有機及び無機化合物を組み合わせた混合粒子及び上述の化合物で被覆された粒子から選択される、請求項27〜34のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項36】
前記毛髪を研磨後にすすぎ洗いするステップを有する、請求項27〜35のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項37】
前記ヘアケア配合物による処理後に、前記毛髪に後処理を施すステップを含み、前記後処理は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物を施すことから選択される、請求項27〜35のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項38】
前記研磨処理は、一房の毛髪ごとに実施される、請求項27〜37のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項39】
前記毛髪の研磨ステップは、前記毛髪を裸の両手で又は前記両手相互間に介在して位置する少なくとも位置する少なくとも1つの表面でこすることにより実施され、前記毛髪は、ヘアケア配合物で被覆される、請求項27〜38のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、前記毛髪を滑らかにするよう実施される、請求項27〜39のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項41】
毛髪処理用キットであって、
・50μm以上の、特に100μm以上の、特に100μmから500μmまでの範囲にある平均寸法の研磨固体粒子を含有したヘアケア配合物、及び
・前記毛髪を研磨する目的で前記毛髪に対する前記ヘアケア配合物の使用説明書を含む媒体を包装器具内に有する、キット。
【請求項42】
前記研磨固体粒子の含有率は、前記配合物の全重量に対して0.1重量%から20重量%までの範囲、特に5重量%から20重量%までの範囲、良好には10重量%から20重量%までの範囲、より良好には15重量%から20重量%までの範囲にある、請求項41記載のキット。
【請求項43】
前記毛髪のための後処理用配合物を有する、請求項41又は42記載のキット。
【請求項44】
前記後処理用配合物は、コンディショナ、パーマネントウェーブ、くせ取り配合物、着色配合物又は毛髪用漂白配合物から選択される、請求項43記載のキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公表番号】特表2011−521932(P2011−521932A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511069(P2011−511069)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051024
【国際公開番号】WO2009/156668
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051024
【国際公開番号】WO2009/156668
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]