説明

毛髪化粧料用陳列トレイ

【課題】毛髪化粧料用陳列トレイに取り付けられた毛束見本を自由に手に取りやすく、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩の確認や手触り感を店頭にて確認しやすく、毛髪化粧料用トレイ前面の広告訴求面積を確保することができる毛髪化粧料用トレイを提供する。
【解決手段】上面に毛髪化粧料を載置する台板部3と、該台板部の前端に立設された前板部5と、該前板部の上端部から前方へ下がるように傾斜する表示部6と、該表示部に取り付けられた毛束見本7からなる毛髪化粧料用陳列トレイであって、前記毛束見本は、紐状部材82によって前記表示部から吊り下げられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛束見本を有する毛髪化粧料用陳列トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
販売店で毛髪化粧料、特に毛髪染毛剤や毛髪脱色剤などが販売されるときには、販売されている毛髪化粧料を実際に使用した場合に、毛髪の色彩や手触りが実際にどのように仕上がるかを示すために、毛束見本が使用されている。この毛束見本は、販売されている毛髪化粧料が載置されているトレイに取り付けられ、毛髪化粧料の効果を示すようになっている。
【0003】
従来の毛髪化粧料用陳列トレイは、図9のように、毛束見本7が毛髪化粧料用陳列トレイ1の表示部6の左側部に取り付けられ、表示部6の右側部には製品名、ブランド名、製品情報が記載されているものが多い。また、図9よりも毛束見本7を下方に取り付け、上部にブランド名や商品名を記載し、商品情報については右側部に記載されている場合もある。
しかし、毛束見本は、毛髪化粧料用陳列トレイ前面に固定されているため、毛束見本を手に取りにくく、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩や手触り感を店頭にて確認しにくいという問題が生じている。また、毛束見本が毛髪化粧料用陳列トレイ前面に固定されていることから、毛髪化粧料用陳列トレイの限りある表示部の一部を占有するため、トレイ前面の広告訴求面積が減少するという問題も生じている。
【0004】
トレイ前面の広告面が減少するという問題を解決するため、例えば、実用新案登録第3093990号公報では、台板部分に特定種類の化粧料に関する情報が記載された情報板が着脱自在に取着され、台板部分に該当する化粧料を載置することができる毛髪化粧料用陳列トレイが提案されている。情報板を容易に取り替えることができるため、毛髪化粧料に関する情報を容易に交換することが可能となり、場合によっては情報を追加することができる。
【0005】
しかしながら、情報板に記載された情報を交換することは可能であっても、一度に情報板に記載することができる情報量には限りがあるため、毛束見本が毛髪化粧料用陳列トレイ前面に固定されていることによる毛髪化粧料用陳列トレイ前面の広告訴求面積が減少するという問題は解決できていない。また、毛束見本の手に取りやすさについては、全く解決できていない。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3093990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、毛髪化粧料用陳列トレイに取り付けられた毛束見本を自由に手に取りやすく、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩や手触り感を店頭にて確認しやすい毛髪化粧料用陳列トレイを提供することを目的とする。また、毛髪化粧料用陳列トレイ前面の広告訴求面積を確保することができる毛髪化粧料用陳列トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、上面に毛髪化粧料を載置する台板部と、該台板部の前端に立設された前板部と、該前板部の上端部から前方へ下がるように傾斜する表示部と、該表示部に取り付けられた毛束見本からなる毛髪化粧料用陳列トレイであって、前記毛束見本は、紐状部材によって前記表示部から吊り下げられていることを特徴とする毛髪化粧料用陳列トレイに関する。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記表示部が、側面視円弧状の凸曲面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料用陳列トレイに関する。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記表示部上端部には水平部が設けられ、前記毛束見本は、前記水平部から吊り下げられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料用陳列トレイに関する。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記表示部前面から間隔を隔てて該表示部を覆うように透明カバーが設けられ、該透明カバーは側面視円弧状の凸曲面に形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の毛髪化粧料用陳列トレイに関する。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記毛束見本は、前記表示部に着脱可能に係合する楕円柱状の固定具から吊り下げられていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の毛髪化粧料用陳列トレイに関する。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記毛束見本は、前記紐状部材を巻き取る方向に付勢している巻き取り機構を介して吊り下げられていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の毛髪化粧料用陳列トレイに関する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、毛束見本は、紐状部材によって表示部から吊り下げられていることから、紐状部材の長さの範囲内であればトレイ上に載置された毛髪化粧料の毛束見本を自在に動かすことができ、毛髪化粧料用陳列トレイに取り付けられた毛束見本を購買者は自由に手に取りやすく、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩や手触り感を店頭にて確認しやすい毛髪化粧料用陳列トレイを提供することができる。また、トレイ前面に毛束見本が固定されていないため、毛髪化粧料用トレイ前面の広告訴求面積を確保することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、表示部が、側面視円弧状の凸曲面に形成されていることから、毛束群自体と毛髪化粧料用陳列トレイ前面との間に隙間が形成されるため、毛髪化粧料用陳列トレイに取り付けられた毛束見本をより手に取りやすくすることができる。表示部は曲面で形成されていることから、平面で形成されるよりも面積を広く確保することができ、より毛髪化粧料用陳列トレイ前面の広告訴求面積を広く確保することができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、表示部上端部には水平部が設けられ、毛束見本は、水平部から吊り下げられていることから、毛髪化粧料用陳列トレイ前面の広告訴求部には固定具を設けることがなく、より毛髪化粧料用陳列トレイ前面の広告訴求面積を広く確保することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、表示部前面から間隔を隔てて表示部を覆うように透明カバーが設けられ、該透明カバーは側面視円弧状の凸曲面に形成されていることから、毛髪化粧料用陳列トレイに取り付けられた毛束見本を自由に手にとることができることが一目でわかり、毛束群自体と透明カバーとの間に隙間が形成されるため、より毛束見本を自由に手に取りやすくすることができる。毛束見本自体が毛髪化粧料用陳列トレイの前面に接触していないため、毛束見本の浮遊感を演出することができ、購買者は販売されている毛髪化粧料を実際の毛髪に使用した場合のイメージを容易に想像することができる。透明カバーは曲面で形成されていることから、平面で形成されるよりも面積を広く確保することができ、従来より毛髪用化粧料用陳列トレイ前面の広告訴求面積を広く確保することができる。透明カバーは透明に構成されているため、表示部にも毛髪化粧料の広告を行うことができ、よりトレイ前面の広告訴求面積を広く確保することができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、毛束見本は、前記表示部に着脱可能に係合する楕円柱状の固定具から吊り下げられていることから、毛束見本が傷んだ場合であっても、毛束見本の結束具自体が表示部に取り付けられる従来の毛髪化粧料用陳列トレイと比べて、容易に毛束見本を交換することができる。固定具が楕円柱状に形成されていることから、固定具を容易に回転させることができ、商品を毛髪化粧料用陳列トレイから降ろすことなく、容易に毛束見本を交換することができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、前記毛束見本は前記紐状部材を巻き取る方向に付勢している巻き取り機構を介して吊り下げられていることから、毛髪化粧料用陳列トレイから毛束見本を引き伸ばして自由に手に取ることができる。毛髪化粧料用陳列トレイが、下方の棚や上方の棚に陳列された場合であっても、容易に毛束見本を手に取ることができ、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩や手触り感を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイの斜視図である。図2は、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイの側面図である。
【0021】
本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイ1は、トレイ本体2と毛束見本7と吊り下げ具8とからなる。
【0022】
トレイ本体2は、台板部3と側板部4と前板部5と表示部6とからなり、合成樹脂によって一体成型されたものである。トレイ本体2に使用可能な合成樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン樹脂が挙げられる。トレイ本体2の色彩については特に限定されることはなく、通常は白色が用いられるのが一般的ではあるが、毛髪化粧料用陳列トレイ1の意匠性を考慮して、青色、黒色等着色される場合もあり、また、透明が用いられる場合もある。
【0023】
台板部3は、トレイ本体2の基礎となるものであって、上部には外箱によって梱包された毛髪化粧料9が載置される。台板部3は平面視略矩形状であり、左右方向の長さについては、載置する毛髪化粧料9が梱包された外箱の大きさによって適宜選択される。前後方向の長さについては、特に限定はされないが、少なくとも1個の毛髪化粧料9を載置することができる程度の長さを要し、2〜3個の毛髪化粧料9を載置可能な長さとするのが好ましい。台板部3の厚みは特に限定されないが、通常は1mm前後である。台板部3の長手方向側部において、後述する側板部4が立設されていない側(図1では手前側)には、毛髪化粧料用陳列トレイ1を横方向に連結可能とすべく、図1では連結凸部11が2箇所設けられている。使用する合成樹脂量を軽減することから、図1のように、台板部3には切り抜き穴31が設けられる場合がある。
【0024】
側板部4は、台板部3の一方の長手方向側辺(図1では奥側の長辺)に立設されている。側板部4を有することにより、毛髪化粧料9を載置する際に位置決めを行うことができ、複数載置する場合は、揃えて載置することができる。また、側板部4と後述する前板部5とが一体成型されることにより、前板部5のぐらつきを防止することができる。側板部4の高さは、前板部5のぐらつきを防止でき且つ毛髪化粧料9を揃えて載置できる高さがあれば特に限定されないが、例えば1〜2cmでよい。側板部4の厚みは、台板部3の厚みと同様、特に限定はされないが、通常は1mm前後である。図1では、台板部3から側板部4底部にかけて側板部4が立設する部分において、連結凸部11と対応する位置に連結凹部12が2箇所設けられている。連結凸部11と連結凹部12とが嵌合することによって、毛髪化粧料用陳列トレイ1は、横方向に連結可能となっている。
【0025】
前板部5は、後述する表示部6を設けるために、台板部3の前端に立設される。前板部5の高さは、4cm〜5cmが好ましい。4cm未満であると、表示部6を設置するための高さが十分ではなく広告訴求面積が減少するため、5cmを超えると、販売店にて実際に陳列棚に陳列された際において、毛髪化粧料9を毛髪化粧料用陳列トレイ1から取り出しにくくなるため、いずれの場合も好ましくない。前板部5の厚みは、台板部3、側板部4の厚みと同様、特に限定はされないが、通常は1mm前後である。
【0026】
表示部6は、前板部5の上端部から前方へ下がるように傾斜している。表示部6の表面には、毛髪化粧料用陳列トレイ1に載置されている毛髪化粧料9のブランド名、商品名、着色される色等の商品情報が記載される。商品情報の記載方法については、特に限定されず、表示部6の合成樹脂成型部分自体に印刷してもよく、また、合成樹脂成型部分には印刷されず、印刷された紙等を表示部6に設けてもよい。印刷面保護のため、表示部6に沿って透明なカバー65が設けられる場合もある。
図2に記載されている表示部6と前板部5との成す角aは、特には限定されないが、20〜50°が好ましい。表示部6の下端64は、なるべく表示部6の広告訴求面積を多く確保するという観点から、台板部3よりも下方に形成するのが好ましく、長くとも実際に毛髪化粧料用陳列トレイ1を販売店等の陳列棚に載置した場合に、下部に陳列されている商品に影響を与えない程度とする。前板部5と表示部6との接続部分には、カバー溝10が形成される。前述した表示部6にカバー65が設けられる形態において、カバー65の一方の端部はカバー溝10に折り込まれ、他方の端部は表示部6の下端64に差し込まれることによってカバー65は固定される。
【0027】
毛束見本7は、結束具71と毛束群72とからなる。結束具71は、毛束群72を保持するものであって、図1では丸型に形成されている。丸型に限定されず、例えば多角形型、意匠性の観点からハート型等でもよい。結束具71の大きさは、保持する毛束群72の量によって適宜選択されるが、本発明の目的は表示部6の広告訴求面積を確保することから、結束具71をなるべく小さく成型することが好ましい。
毛束群72は、毛髪化粧料用陳列トレイ1に載置される毛髪化粧料9を実際に使用した場合に、毛髪の色彩の仕上がりを確認することができるようにするために設けられる。購買者は、毛束群72を実際に手に取ることによって、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩や手触り感を店頭にて確認することができる。図1では、毛束群72の両端部が結束具71内に保持されている。
【0028】
吊り下げ具8は、固定具81と紐状部材82とからなる。固定具81は、表示部6に紐状部材82を介して毛束見本7を吊り下げるための支持部となるべく表示部6に取り付けられる。
紐状部材82としては、毛束見本7を吊り下げることができるものであれば特に限定されることはないが、鎖、紐、糸、ゴムや付勢ばね等の弾性部材等を使用することができる。紐状部材82の長さは、固定具81を表示部6に取り付ける位置と表示部6の大きさによって適宜選択されるが、長くとも実際に毛髪用化粧料用陳列トレイ1を販売店等の陳列棚に載置した場合に、下部に陳列されている商品に影響を与えない程度の長さとするのが好ましい。
【0029】
本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイ1において、毛束見本7は紐状部材82によって表示部6から吊り下げられる。毛束見本7が吊り下げられることにより、ある程度自由に毛束見本7を動かせることができるため、毛束見本7を自由に手に取りやすく、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩や手触り感を店頭にて確認しやすい毛髪化粧料用陳列トレイ1とすることができる。トレイ前面に毛束見本7が固定されていないため、表示部6表面の広告訴求面積を確保することができる。
【0030】
図3は、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイ1において、表示部6を側面視円弧状の凸曲面に形成した形態の側面図である。本実施形態においては、表示部6が側面視円弧状の凸曲面で形成されている。表示部6が側面視円弧状の凸曲面に形成されていることにより、結束具71が表示部6の曲面に接触し、毛束群72と表示部6の曲面との間に隙間が形成されるため、毛束見本7をより自由に手に取りやすく、毛髪化粧料使用後の毛髪の色彩や手触り感を店頭にて確認しやすい毛髪化粧料用陳列トレイ1とすることができる。結束具71が表示部6の側面視円弧状の凸曲面部において、中間付近に位置するように毛束見本7が吊り下げられることが好ましい。毛束群72と表示部6との間に形成される隙間がより広くなり、より毛束見本7を自由に手に取りやすくなるからである。
形成される凸曲面は特に限定されないが、側面視において半径10cm程度の側面視円弧状の凸曲面が例示される。
【0031】
図4は、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイ1において、表示部6上端に水平部61を形成した実施形態の図である。本実施形態においては、表示部6上端部には水平部61が設けられ、固定具81は水平部61に取り付けられ、毛束見本7は水平部61から吊り下げられている。水平部61から吊り下げられていることにより、固定具81は表示部6の広告訴求面積上に存在しないため、より多くの広告訴求面積を確保することができる。
水平部61が設けられる幅は、特に限定されないが、固定具81を取り付け可能な程度の幅を確保することができればよい。
【0032】
図5は、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイ1において、表示部前面から間隔を隔てて表示部を覆うように透明カバーが設けられた実施形態の図である。図6は、図5の側面図である。本実施形態においては、表示部6には更に表示部6前面から間隔を隔てて該表示部6を覆うように透明カバー62が設けられ、透明カバー62は側面視円弧状の凸曲面に形成されている。透明カバー62が設けられることにより、毛束見本7を自由に手にとることができることが一目でわかり、図6に示す通り、毛束見本7の毛束群72と透明カバー62との間に隙間が形成されることから、より毛束見本7を自由に手に取りやすくすることができる。毛束見本7自体が毛髪化粧料用陳列トレイ1の表示部6に接触していないため、毛束見本7の浮遊感を演出することができ、より実際の毛髪に使用した場合のイメージを想像することができる。透明カバー62は曲面で形成されていることから、平面で形成されるよりも面積を広く確保することができ、毛髪化粧料用陳列トレイ1前面の広告訴求面積をより広く確保することができる。透明カバー62は透明に構成されているため、透明カバー62上と、表示部6上において毛髪化粧料の広告を行うことができ、よりトレイ前面の広告訴求面積を広く確保することができる。
【0033】
透明カバー62は、透明素材であれば特に限定はされないが、PETを例示することができる。透明カバー62は、図5では無色透明が使用されているが、意匠性、広告性の観点から青色、赤色等の有色透明であってもよい。透明カバー62の厚みは、曲面を形成するための弾性変形を行うことができる程度の厚みであれば特に限定されず、通常は、0.3mm〜0.8mmである。透明カバー62は、一方の端部はカバー溝10に折り込まれ、他方の端部は表示部6の下端64に差し込まれることによって取り付けられる。透明カバー62が、表示部6の前下がりの長さより長く成型され、表示部6の下端64に差し込んで表示部6に取り付けた場合に、透明カバー62が撓むことによって曲面が形成される。透明カバー62が形成する曲面は、表示部6の前下がりの長さと透明カバー62が成型される長さを調節することによって適宜変更することが可能であるが、透明カバー62が表示部6の面垂直方向に生じる隙間が2〜3cmとなるように透明カバー62の曲面を形成することが好ましい。2cm未満であると、透明カバー62が形成する曲面が表示部6と近くなりすぎるため、3cmを超えると、透明カバー62が撓みすぎ、表面に広告を印刷した場合に読みにくくなるため、いずれの場合も好ましくないからである。
【0034】
図6の通り、透明カバー62をさらに長く成型し、適宜折り曲げ、両端部を表示部6の下端64に差し込むことにより、透明カバー62と、表示部6のカバー65を同時に形成することができる。透明カバー62表面には広告文章、商品情報等を印刷することができ、同時に表示部6にも広告文章、商品情報等を印刷することができるため、広告訴求面積を増加させることができる。
【0035】
図7は、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイ1において、固定具81を係合させることによって毛束見本7を取り付ける実施形態の図であって、(a)は図6のA方向矢視図であり、(b)は本形態で使用される固定具81を90°回転させた側面図であり、(c)は本形態で使用される固定具81の背面図であり、(d)は本形態で使用される固定具81を表示部6に係合させた際のA方向矢視図である。
【0036】
表示部6には、係合孔63が設けられている。固定具81には図7(b)の通り円柱状の突起84に係合片83が設けられており、係合片83を係合孔63に挿通し、固定具81を90°回転させることにより、係合片83を表示部6裏面に係合させる。表示部6の裏面側において、表示部6の係合孔63近傍には図7(a)の通り係合突条66が係合孔63の長さ方向と直角方向に左右2箇所ずつ並列に設けられている。図7(d)の通り係合片83が係合突条66に挟持されることによって、固定具81が固定される。
【0037】
本実施形態においては、毛束見本7が吊り下げられている固定具81は、表示部6に着脱可能に係合されている。着脱可能に係合されていることにより、毛束見本7が傷んだ場合であったとしても、毛髪化粧料用陳列トレイ1から毛髪化粧料9を降ろすことなく、毛束見本7を交換することができる。また、図7(c)の通り、固定具81は楕円柱状であるため、固定具81を容易に回転させることができ、商品を毛髪化粧料用陳列トレイ1から降ろすことなく、容易に毛束見本7を交換することができる。
【0038】
図8は、本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイ1において、紐状部材82を巻き取る方向に付勢している巻き取り機構13を有する実施形態の図であり、(a)は紐状部材82が巻き取られた状態の図であり、(b)は毛束見本7を引き伸ばした状態の図である。
本実施形態において、吊り下げ具8は、固定具81と、巻き取り機構13と、紐状部材82とからなる。本実施形態で使用される巻き取り機構13は、紐状部材82を巻き取る方向に付勢している。図8では巻き取り機構13側を固定具81に取り付け、毛束見本7を紐状部材82側に取り付けている。
本実施形態においては、毛束見本7は巻き取り機構13を介して吊り下げられる。従って、本実施形態における毛髪化粧料用陳列トレイ1が通常陳列されている状態では、紐状部材82は巻き取り機構13によって巻き取られる方向に付勢されているため、紐状部材82は巻き取り機構13に収納され、図8(a)の状態で、毛束見本7は表示部6に吊り下げられた状態となる。一方、購買者が毛束見本7を手にとるため、巻き取り機構13の付勢方向とは逆方向に毛束見本7を引き伸ばした場合は、巻き取り機構13内に収納されていた紐状部材82が引き伸ばされ、図8(b)の通り毛束見本7を毛髪化粧料用陳列トレイ1からより遠くまで自由に引っ張ることができ、より毛束見本7を自由に手に取りやすくすることができる。
【0039】
図8では巻き取り機構13側を固定具81に取り付け、紐状部材82側に毛束見本7が取り付けられているが、逆に、紐状部材82側を固定具81に取り付け、巻き取り機構13側に毛束見本7を取り付ける形態でもよい。この場合、表示部6の広告訴求面積減少を抑制するため、巻き取り機構13に毛束群72を取り付け、巻き取り機構13と結束具71とを兼用することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、毛束見本を有する毛髪化粧料用陳列トレイに好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイの斜視図である。
【図2】本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイの側面図である。
【図3】本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイにおいて、表示部を側面視円弧状の凸曲面に形成した形態の側面図である。
【図4】本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイにおいて、表示部上端に水平部を形成した実施形態の斜視図である。
【図5】本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイにおいて、表示部上面から間隔を隔てて表示部を覆うように透明カバーが設けられた実施形態の図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイにおいて、固定具を係合させることによって毛束見本を取り付ける実施形態の図であって、(a)は図6におけるA方向矢視図であって、(b)は本形態で使用される固定具を90°回転させた側面図であり、(c)は本形態で使用される固定具の背面図であり、(d)は本形態で使用される固定具を表示部に係合させた際のA方向矢視図である。
【図8】本発明に係る毛髪化粧料用陳列トレイにおいて、紐状部材を巻き取る方向に付勢している巻き取り機構を有する実施形態の図であって、(a)は紐状部材が巻き取られた状態の図であり、(b)は毛束見本を引き伸ばした状態の図である。
【図9】従来の毛髪化粧料用陳列トレイの斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 毛髪化粧料用陳列トレイ
2 トレイ本体
3 台板部
4 側板部
5 前板部
6 表示部
7 毛束見本
8 吊り下げ具
13 巻き取り機構
61 水平部
62 透明カバー
81 固定具
82 紐状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に毛髪化粧料を載置する台板部と、該台板部の前端に立設された前板部と、該前板部の上端部から前方へ下がるように傾斜する表示部と、該表示部に取り付けられた毛束見本からなる毛髪化粧料用陳列トレイであって、
前記毛束見本は、紐状部材によって前記表示部から吊り下げられていることを特徴とする毛髪化粧料用陳列トレイ。
【請求項2】
前記表示部が、側面視円弧状の凸曲面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料用陳列トレイ。
【請求項3】
前記表示部上端部には水平部が設けられ、前記毛束見本は、前記水平部から吊り下げられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料用陳列トレイ。
【請求項4】
前記表示部前面から間隔を隔てて該表示部を覆うように透明カバーが設けられ、該透明カバーは側面視円弧状の凸曲面に形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の毛髪化粧料用陳列トレイ。
【請求項5】
前記毛束見本は、前記表示部に着脱可能に係合する楕円柱状の固定具から吊り下げられていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の毛髪化粧料用陳列トレイ。
【請求項6】
前記毛束見本は、前記紐状部材を巻き取る方向に付勢している巻き取り機構を介して吊り下げられていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の毛髪化粧料用陳列トレイ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−33340(P2008−33340A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2007−214162(P2007−214162)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】