説明

毛髪化粧料組成物

【課題】毛髪に対して、潤いのあるしっとり感と滑らか感と十分な光沢とを付与しつつ、毛髪の強度を高め得る毛髪化粧料組成物を提供する
【解決手段】平均分子量が90〜200である人毛由来のケラチンアミノ酸と界面活性剤とを、毛髪化粧料組成物に含有せしめた。そして、かかる毛髪化粧組成物中のケラチンアミノ酸の含有量を0.1〜20重量%とすると共に、毛髪化粧組成物のpHの値を3〜9の範囲内の値に調整した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料組成物に係り、特に、シャンプーや、トリートメント、パーマ前処理剤、染毛前処理剤等として好適に用いられる毛髪化粧料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、毛髪は、汚れや太陽の紫外線によるストレスを絶えず受けており、それ以外にも、ヘアドライヤの熱や、パーマや染毛等の美容処理によっても、過酷なストレスを受けて、損傷する。そして、それらのストレスで損傷した毛髪は、潤いのないパサついた状態や、滑らかさや光沢に欠ける状態となり、その上、強度が低下してしまうことが、知られている。
【0003】
かかる状況下、例えば、シャンプーやリンス、トリートメント、コンディショナー、スタイリング剤、パーマ前処理剤、染毛前処理剤等の、所謂、毛髪化粧料組成物に、その用途に応じて、本来含まれる各種の成分に加えて、特殊な成分を含有させることにより、ストレスによる毛髪の損傷の防止や、損傷した毛髪の修復等を図る試みが、為されている。
【0004】
例えば、そのような試みの一種として、200〜30000程度の十分に大きな平均分子量を有する、ケラチンの加水分解物が、単独で、或いはそれとは別の特別な成分と組み合わされて、添加された毛髪化粧料組成物(例えば、下記特許文献1乃至4参照)が、提案されている。
【0005】
よく知られているように、ケラチンは、脊椎動物の毛髪、羽毛、羊毛、表皮、爪、角等の上皮系組織を構成する硬タンパク質であり、毛髪の保湿、造膜効果や、ダメージ修復効果を発揮する。そのため、そのようなケラチンの加水分解物が含まれる毛髪化粧料組成物を用いることによって、毛髪に対して、潤いのあるしっとり感と滑らか感と十分な光沢とを付与することが出来るのである。しかも、かかる従来の毛髪化粧料組成物では、それに含まれるケラチンの加水分解物として、200〜30000程度の大きな平均分子量を有するものが選択されて、使用されているため、例えば水溶液とされた毛髪化粧料組成物中でのケラチン加水分解物の分散性が高く、それによって、上記の優れた効果が、より確実に達成され得るのである。
【0006】
ところが、本発明者等が、そのような従来の毛髪化粧料組成物を様々な用途に使用して得られる効果について、様々な角度から検証したところ、従来の毛髪化粧料組成物は、ダメージを受けた毛髪の強度の低下を防止することが極めて困難であり、その点において、未だ改良の余地を有していることが、明らかとなったのである。
【0007】
【特許文献1】特開平10−17427号公報
【特許文献2】特開2000−86464号公報
【特許文献3】特開平3−11099号公報
【特許文献4】特開2004−203778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、毛髪に対して、潤いのあるしっとり感と滑らか感と十分な光沢とを付与しつつ、毛髪の強度を効果的に高めることが出来る毛髪化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、かかる課題の解決のために、本発明者等が様々な実験を行ったところ、人毛由来のケラチンを加水分解等して得られるケラチンアミノ酸のうち、特に、従来の毛髪化粧料組成物の含有成分としては何等使用されていない、比較的に小さな平均分子量のケラチンアミノ酸を、敢えて毛髪化粧料組成物の含有成分として、所定の量で用いることにより、毛髪の強度低下の問題が改善されることを見出した。また、それに加えて、そのような特定のケラチンアミノ酸を含む毛髪化粧料組成物に、界面活性剤を含有させた上で、更に、かかる毛髪化粧料組成物のpH(水溶液のpH)を特定の範囲内の値に調整することによって、平均分子量の小さなケラチンアミノ酸の毛髪化粧料組成物中での分散性が有利に向上され得ることも、また、見出したのである。かくして、本発明は、それらの知見に基づいて更に実施された本発明者等による研究の結果、完成に至ったのである。
【0010】
かかる本発明にあっては、上記した課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。なお、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能であり、また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0011】
(1) 平均分子量が90〜200である人毛由来のケラチンアミノ酸と界面活性剤とを含有し、且つ該ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜20重量%とされると共に、pHの値が3〜9の範囲内の値に調整されていることを特徴とする毛髪化粧料組成物。
【0012】
(2) 前記界面活性剤の含有量が、1〜60重量%とされている上記態様(1)に記載の毛髪化粧料組成物。
【0013】
(3) 前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜5.0重量%であると共に、前記界面活性剤がアニオン界面活性剤であり、且つシャンプーとして用いられるものである上記態様(1)又は(2)に記載の毛髪化粧料組成物。
【0014】
(4) 前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜10重量%であると共に、前記界面活性剤が、カチオン界面活性剤であり、且つトリートメントとして用いられるものである上記態様(1)又は(2)に記載の毛髪化粧料組成物。
【0015】
(5) 前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜20重量%であると共に、前記界面活性剤が、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れか一方であり、且つパーマ前処理剤として用いられるものである上記態様(1)又は(2)に記載の毛髪化粧料組成物。
【0016】
(6) 前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜20重量%であると共に、前記界面活性剤が、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れか一方であり、且つ染毛前処理剤として用いられるものである上記態様(1)又は(2)に記載の毛髪化粧料組成物。
【発明の効果】
【0017】
すなわち、本発明に従う毛髪化粧料組成物にあっては、ケラチンを加水分解等して得られるケラチンアミノ酸が含有されていることによって、毛髪に対して、潤いのあるしっとり感と滑らか感と十分な光沢とを付与することが出来る。
【0018】
そして、かかる毛髪化粧料組成物においては、特に、ケラチンアミノ酸として、毛髪に浸透し易い90〜200の十分に小さな平均分子量を有する人毛由来のケラチンアミノ酸が用いられ、それが、0.1〜20重量%の範囲内の量において含有されているところから、そのようなケラチンアミノ酸が、様々なストレスによって損傷した毛髪に容易に且つ確実に浸透すると共に、ケラチンアミノ酸の毛髪に対する吸着性も向上し、以て、毛髪の強度が、効果的に高められ得る。
【0019】
しかも、本発明に係る毛髪化粧料組成物では、ケラチンアミノ酸が、界面活性剤と共に含有され、そして、毛髪化粧料組成物のpHの値が3〜9の範囲内の値に調整されている。これによって、従来では、毛髪化粧料組成物中での分散性に乏しいと考えられていた、平均分子量の小さなケラチンアミノ酸の毛髪化粧料組成物中での分散性が、効果的に高められ得た。その結果、例えば毛髪化粧料組成物水溶液中でのケラチンアミノ酸の沈殿等が有利に解消されて、毛髪化粧料組成物の使用性の向上はもとより、ケラチンアミノ酸の毛髪への浸透性や吸着性の向上が、より確実に実現され得ることとなったのである。
【0020】
従って、かくの如き本発明に従う毛髪化粧料組成物にあっては、毛髪に対して、潤いのあるしっとり感と滑らか感と十分な光沢とを効果的に付与し得るだけでなく、毛髪の強度を、より高いレベルで、確実に且つ安定的に高めることが可能となったのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ところで、本発明に従う毛髪化粧料組成物には、必須成分として、ケラチンアミノ酸と界面活性剤とが含有されるが、ケラチンアミノ酸は、人毛由来のもの、即ち、人毛を構成する硬タンパク質であるケラチンの構成成分でなければならない。何故なら、ケラチンは、人毛以外に、人の爪や人を除く脊椎動物の毛髪、表皮、爪、角、或いは羽毛や羊毛等の上皮系組織を構成するが、人毛の構成成分たるケラチン以外のケラチンを構成するケラチンアミノ酸の如何なるものを使用しても、上記せる所望の効果が得られないからである。
【0022】
そして、本発明では、そのような人毛由来のケラチンアミノ酸のうちでも、特に、平均分子量が90〜200のものが、用いられる。何故なら、平均分子量が200を超えるラチンアミノ酸を使用した場合には、そのようなケラチンアミノ酸の毛髪への浸透性が低下して、ケラチンアミノ酸の浸透による毛髪の強度の向上効果が低くなってしまうからである。また、90を下回る極めて小さな平均分子量を有するケラチンアミノ酸を使用したときには、ケラチンアミノ酸の分子量が余りに小さいために、毛髪に対する吸着性が著しく低下し、これによっても、毛髪の強度の十分な向上が望めなくなってしまうからである。
なお、かかるケラチンアミノ酸の平均分子量の好適な範囲は、90〜200未満、より好ましくは100〜180である。
【0023】
このような平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸は、例えば、人毛を公知の手法にて加水分解すること等によって、得られるものである。このケラチンアミノ酸には、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン、メチオニン等が含まれる。
【0024】
そして、本発明の毛髪化粧料組成物中には、かかるケラチンアミノ酸が、0.1〜20重量%の範囲内において、含有せしめられている。何故なら、毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量が0.1重量%未満の場合には、組成物中のケラチンアミノ酸の含有量が少な過ぎるために、ケラチンアミノ酸の含有によって得られる毛髪の保湿、造膜効果や、ダメージ修復効果、更には前記せる如き毛髪の強度の向上効果等が、十分に得られなくなってしまうからである。また、そのようなケラチンアミノ酸の組成物中への含有による効果は、何れも、ケラチンアミノ酸の含有量の上昇に伴って増強される傾向を示すが、かかる効果の増強の度合いは、組成物中のケラチンアミノ酸の含有量が20重量%に近づくに従って、徐々に鈍化し、その含有量が20重量%を超えるようになると、ケラチンアミノ酸の含有量が上昇しても、ケラチンアミノ酸の組成物中への含有による効果の増強は殆ど認められなくなり、却って、ケラチンアミノ酸の使用量の増大によるコストの高騰が顕著なものとなる。それ故、毛髪化粧料組成物の製造コストを抑制しつつ、ケラチンアミノ酸の含有によって得られる効果を十分に確保する上から、ケラチンアミノ酸の毛髪化粧料組成物中の含有量が、0.1〜20重量%とされていなければならないのである。なお、ケラチンアミノ酸の毛髪化粧料組成物中の含有量の好適な範囲は、1〜20重量%である。
【0025】
また、本発明に従う毛髪化粧料組成物には、ケラチンアミノ酸と共に、必須成分として、界面活性剤が含まれる。それによって、平均分子量の小さなケラチンアミノ酸の毛髪化粧料組成物の、例えば水溶液中での分散性が、効果的に高められ得る。このような界面活性剤としては、従来の毛髪化粧料組成物にも一般に含まれるアニオン界面活性剤や、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等が、それぞれ単独で、或いは2種類以上が組み合わされて、使用される。
【0026】
本発明において使用せるアニオン界面活性剤としては、例えば、ココイルメチルタウリンNa、ステアロイルメチルタウリンNa、スルホコハク酸ラウレス2Na、オレフィン(C14−16)スルホン酸Na、ラウリル硫酸Na、POEラウリルエーテル硫酸Na、ラウレス硫酸Na、ドデシベルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸Na、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が、挙げられる。
【0027】
カチオン界面活性剤としては、ベヘントリモニウムクロリド、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が、例示され得る。
【0028】
ノニオン界面活性剤としては、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル類等が、例示される。また、POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が、挙げられる。
【0029】
両面界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ジメチコンコポリオール、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキメチル)−2−イミダソリンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が、挙げられる。
【0030】
それらの界面活性剤の毛髪化粧料組成物中の含有量は、特に限定されるものではないものの、好ましくは、1〜60重量%の範囲内の値とされる。何故なら、かかる界面活性剤の含有量が1重量%を下回る場合には、毛髪化粧料組成物中の界面活性剤の量が少な過ぎるために、界面活性剤の含有によって得られる効果、即ち、毛髪化粧料組成物(例えば、その水溶液)中での平均分子量の小さなケラチンアミノ酸の分散性が高められるといった優れた効果が、十分に発揮され得なくなるからである。また、界面活性剤の含有量が60重量%を超える場合には、ケラチンアミノ酸の毛髪への浸透性や吸着性に悪影響が及ぶといった問題が惹起されるようになるからである。
【0031】
そして、界面活性剤とケラチンアミノ酸とが含有された毛髪化粧料組成物は、例えば水溶液として用いられることとなるが、そのような毛髪化粧料組成物の水溶液のpHの値が3〜9の範囲内の値に調整されていなければならない。何故なら、上記のように、本発明の毛髪化粧料組成物においては、それに含まれるケラチンアミノ酸が、従来では、毛髪化粧料組成物中での分散性に劣ること等を理由として用いられることのなかった平均分子量の小さなものであるにも拘わらず、毛髪化粧料組成物に界面活性剤が必須成分として含まれることに加えて、毛髪化粧料組成物のpHの値が3〜9の範囲内の値とされることによって、毛髪化粧料組成物中でのケラチンアミノ酸の分散性が、効果的に向上され得ることとなったのである。それ故、毛髪化粧料組成物のpHの値が3未満である場合には、たとえ、かかる毛髪化粧料組成物に界面活性剤が含まれていても、毛髪化粧料組成物中でのケラチンアミノ酸の分散性を十分に高めることが、困難となるからであり、また、pHの値が9を超える値となっている場合には、毛髪化粧料としての機能が十分に発揮されないといった不具合を生ずるからである。なお、毛髪化粧料組成物のpH値は、4〜8の範囲内の値とされていることが、望ましい。
【0032】
そして、本発明に従う毛髪化粧料組成物は、界面活性剤とケラチンアミノ酸とを必須成分として含有する他、その用途に応じて、各種の成分が含有されて、例えば、シャンプーやリンス、トリートメント、スタイリング剤、パーマ前処理剤、パーマ後処理剤、染毛前処理剤、染毛後処理剤等として、使用されることとなる。
【0033】
そのような毛髪化粧料組成物が、例えば、シャンプーとして使用される場合には、毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量が、好ましくは、0.1〜5.0重量%とされる。何故なら、ケラチンアミノ酸の含有量が0.1重量%未満では、ケラチンアミノ酸の含有による上記せる様々な効果が有効に得られない恐れがあるからである。また、ケラチンアミノ酸の含有量の増大に伴って、ケラチンアミノ酸の含有による効果の増強が図られるものの、その含有量が5.0重量%に近づくに従って、その効果の増強の程度が徐々に鈍化し、更に、含有量が5.0重量%を超えるようになると、ケラチンアミノ酸の含有量が上昇しても、それによる効果の増強は殆ど認められなくなり、却って、ケラチンアミノ酸の使用量の増大によるコストの高騰が顕著なものとなるからである。なお、シャンプーとして使用される毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量は、より好ましくは1〜5重量%程度とされる。
【0034】
また、本発明の毛髪化粧料組成物がシャンプーとして使用されるものである場合にあっては、ケラチンアミノ酸と共に必須の成分として含有される界面活性剤の種類が、特に限定されるものではないものの、好ましくは、アニオン界面活性剤が、用いられる。このアニオン界面活性剤としては、先に例示されたもの等が、何れも使用され得る。また、かかるアニオン界面活性剤の毛髪化粧料組成物中の含有量は、上記と同様な理由から、本発明の毛髪化粧料組成物中の好適な含有量たる30〜60重量%とされていることが、望ましい。
【0035】
このように、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸が0.1〜5.0重量%の割合で含まれると共に、アニオン界面活性剤が含有せしめられて、pHが3〜9、好ましくは5〜7に調整された毛髪化粧料組成物が、シャンプーとして用いられることにより、毛髪の洗浄に際して、皮膚への刺激性が少なくされ得ると共に、優れた泡立ちと洗浄力とが発揮され、そにれ加えて、潤いのあるしっとり感と滑らか感と十分な光沢とが、毛髪に付与され得るだけでなく、ダメージを受けた毛髪の強度の向上も、効果的に図られ得ることとなるのである。
【0036】
一方、本発明の毛髪化粧料組成物が、トリートメントとして使用される場合には、毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量が、好ましくは、0.1〜10重量%とされる。何故なら、ケラチンアミノ酸の含有量が0.1重量%未満では、ケラチンアミノ酸の含有による上記せる様々な効果が有効に得られない恐れがあるからである。また、ケラチンアミノ酸の含有量が10重量%を超える場合には、毛髪化粧料組成物の水溶液をクリーム状の形態とすることが困難となり、トリートメントとして使い難くなってしまうからである。なお、トリートメントとして使用される毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量は、より好ましくは5〜7重量%程度とされる。
【0037】
また、本発明の毛髪化粧料組成物がトリートメントとして使用されるものである場合にあっては、ケラチンアミノ酸と共に必須の成分として含有される界面活性剤の種類が、特に限定されるものではないものの、好ましくは、カチオン界面活性剤が、用いられる。このカチオン界面活性剤としては、先に例示されたもの等が、何れも使用され得る。また、かかるカチオン界面活性剤の毛髪化粧料組成物中の含有量は、上記と同様な理由から、本発明の毛髪化粧料組成物中の好適な含有量たる5〜30重量%とされていることが、望ましい。
【0038】
このように、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸が0.1〜10重量%の割合で含まれると共に、カチオン界面活性剤が含有せしめられて、pHが3〜9、より好ましくは4〜8に調整された毛髪化粧料組成物が、トリートメントとして用いられることにより、毛髪に対する高い吸着性が発揮され得ると共に、毛髪に対して優れた湿潤作用を発揮し、更に、十分な滑らか感と光沢とが毛髪に付与され得ることに加えて、ダメージを受けた毛髪の強度の向上が、効果的に図られ得ることとなる。
【0039】
本発明の毛髪化粧料組成物が、パーマ前処理剤として使用される場合には、毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量が、好ましくは、0.1〜20重量%とされる。何故なら、ケラチンアミノ酸の含有量が0.1重量%未満では、ケラチンアミノ酸の含有による上記せる効果が有効に得られない恐れがあるからである。また、毛髪化粧料組成物がパーマ前処理剤として用いられる場合にあっても、ケラチンアミノ酸の含有量の増大に伴って、ケラチンアミノ酸の含有による効果の増強が図られるものの、その含有量が20重量%に近づくに従って、その効果の増強の程度が徐々に鈍化し、更に、含有量が20重量%を超えるようになると、ケラチンアミノ酸の含有量が上昇しても、それによる効果の増強は殆ど認められなくなり、却って、ケラチンアミノ酸の使用量の増大によるコストの高騰が著しくなるからである。なお、パーマ前処理剤として使用される毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量は、より好ましくは5〜8重量%程度とされる。
【0040】
また、本発明の毛髪化粧料組成物がパーマ前処理剤として使用されるものである場合にあっては、ケラチンアミノ酸と共に必須の成分として含有される界面活性剤の種類が、特に限定されるものではないものの、好ましくは、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちが何れか一方が、用いられる。それらアニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤としては、先に例示されたもの等が、何れも使用され得る。また、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れを用いる場合にあっても、それら界面活性剤の毛髪化粧料組成物中の含有量は、上記と同様な理由から、本発明の毛髪化粧料組成物中の好適な含有量たる1〜10重量%とされていることが、望ましい。
【0041】
このように、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸が0.1〜20重量%の割合で含まれると共に、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れか一方が含有せしめられて、pHが3〜9、より好ましくは5〜8に調整された毛髪化粧料組成物が、パーマ前処理液として用いられることにより、過酷なダメージを受けるパーマ処理が行われる前に、毛髪に対して、ケラチンアミノ酸が十分に浸透され、吸着されて、パーマ処理による毛髪の強度低下や毛髪表面の損傷が、予め、有利に防止され得ることとなるのである。
【0042】
さらに、本発明の毛髪化粧料組成物が、染毛前処理剤として使用される場合には、毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量が、好ましくは、0.1〜20重量%とされる。これは、本発明の毛髪化粧料組成物をパーマ前処理剤として用いる場合と同様な理由による。なお、染毛前処理剤として用いられる毛髪化粧料組成物中のケラチンアミノ酸の含有量は、1〜20重量%程度とされていることが、より好ましい。
【0043】
また、本発明の毛髪化粧料組成物が染毛前処理剤として使用されるものである場合にあっては、ケラチンアミノ酸と共に必須の成分として含有される界面活性剤の種類が、特に限定されるものではないものの、好ましくは、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れか一方が、用いられる。それらアニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤としては、先に例示されたもの等が、何れも使用され得る。また、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れを用いる場合にあっても、それら界面活性剤の毛髪化粧料組成物中の含有量は、上記と同様な理由から、本発明の毛髪化粧料組成物中の好適な含有量たる1〜20重量%とされていることが、望ましい。
【0044】
このように、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸が0.1〜20重量%の割合で含まれると共に、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れか一方が含有せしめられて、pHが3〜9、より好ましくは5〜8に調整された毛髪化粧料組成物が、染毛前処理液として用いられることにより、パーマ処理と同様に、過酷なダメージを受ける染毛処理が行われる前に、毛髪に対して、ケラチンアミノ酸が十分に浸透され、吸着されて、染毛処理による毛髪の強度低下や毛髪表面の損傷が、予め、有利に防止され得ることとなる。しかも、染毛処理の前に、毛髪に対して、ケラチンアミノ酸が十分に吸着されることで、染毛された毛髪の色落ちも、より効果的に防止され得るのである。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り、部や比、百分率は、何れも重量基準にて示されている。
【0046】
<実施例1>
先ず、所定量の人毛を用い、これを公知の手法により加水分解して、人毛由来のケラチンアミノ酸を所定の量を生成して、準備した。このケラチンアミノ酸の平均分子量を従来手法に従って測定したところ、その値が90〜200であった。また、それとは別に、所定量の羊毛を公知の手法により加水分解して、平均分子量が400の加水分解ケラチン液と、平均分子量が10000の加水分解ケラチン液とを、それぞれ、所定量ずつ調製して、準備した。更に、界面活性剤として、アニオン界面活性剤たるココイルメチルタウリンNa及びスルホコハク酸ラウレス2Naのそれぞれの所定量ずつと、両性界面活性剤たるラウリルベタイン及びジメチコンコポリオールのそれぞれの所定量ずつとを、準備した。
【0047】
次いで、準備された人毛由来のケラチンアミノ酸と羊毛由来の加水分解ケラチン液と界面活性剤と、その他の任意成分とを用い、下記表1に示す組成に従って、6種類のシャンプー液を調製した。また、それら6種類のシャンプー液は、何れも、含有成分の濃度を調整する等して、pHの値を5〜7とした。人毛由来のケラチンアミノ酸を0.1重量%、1.0重量%、2.0重量%、5.0重量%の割合でそれぞれ含むシャンプー液を、各々、発明例1、発明例2、発明例3、発明例4とした。また、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むシャンプー液を比較例1とし、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むシャンプー液を比較例2とした。なお、表1及び後述する表2乃至6には、平均分子量が400の加水分解ケラチン液を、加水分解ケラチン液Aとして示し、また、平均分子量が10000の加水分解ケラチン液を、加水分解ケラチン液Bとして示した。
【0048】
【表1】

【0049】
そして、かくして調整された6種類のシャンプー液(発明例1〜4、比較例1及び2)のうちの発明例1のシャンプー液を用い、これを、人毛の毛髪サンプル(毛束)に塗布して、毛髪サンプルを洗浄した後、シャンプー液を水で洗い流した。その後、毛髪サンプルをタオルで軽く水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥させた。そして、この毛髪サンプルに対する洗浄及び乾燥操作を10回繰り返し行った後、かかる毛髪サンプルから、無作為に、0.08mmの同一口径の毛髪を複数本切り取った。その後、かくして得られた複数本の毛髪から30本だけ選び出し、それら30本の毛髪の1本ずつに対して、温度:23℃、湿度:60%の環境下で、公知の毛髪引張り試験機[KES−G1−SH高感度毛髪引張り試験機(株)カトーテック製]を用いた引張り試験を行って、それぞれの毛髪の破断時の荷重値を調べた。そして、それら30本の毛髪のそれぞれの破断時の荷重値の平均値を算出した。その結果を、図1に示した。
【0050】
また、それとは別に、発明例2〜4のシャンプー液と、比較例1及び比較例2のシャンプー液とをそれぞれ用い、発明例1のシャンプー液を用いたときと同様に、5個の毛髪サンプルに対する洗浄及び乾燥操作を、それぞれ繰り返し10回行った後、各毛髪サンプルから30本の毛髪をそれぞれ採取した。そして、それら各毛髪サンプルから採取した30本の毛髪に対する引張り試験を、1本ずつ行って、それぞれの破断時の荷重を調べ、更に、その平均値を、各毛髪サンプル毎に算出した。また、比較のために、シャンプー液を何等用いずに、水洗いによる洗浄と乾燥の操作を10回繰り返して行った毛髪サンプルからも30本の毛髪を採取した後、それら30本の毛髪に対する引張り試験を1本ずつ行って、それぞれの破断時の荷重を調べ、更に、その平均値を算出した。それらの結果を、図1に併せて示した。なお、図1に示される発明例1〜4、比較例1、2のそれぞれの平均荷重値は、発明例1〜4と比較例1、2のそれぞれのシャンプー液を用いて洗浄された毛髪の破断時の平均荷重値を示す。また、無処理の平均荷重値は、シャンプー液を用いることなく、水洗いによって洗浄された毛髪の破断時の平均荷重値を示す。
【0051】
かかる図1から明らかなように、シャンプー液を用いることなく、水洗いによる洗浄と乾燥とが繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪は、引張り試験による破断時の荷重値の平均値が93.08gとなっていた。これに対して、シャンプー液を用いて、洗浄と乾燥とが繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の引張り試験による破断時の荷重値の平均値は、発明例1のシャンプー液を用いた場合には98.02g、発明例2のシャンプー液を用いた場合には123.06g、発明例3のシャンプー液を用いた場合には125.41g、発明例4のシャンプー液を用いた場合には126.2gであった。また、比較例1のシャンプー液を用いたときには113.2gで、比較例2のシャンプー液を用いたときには110.48gであった。
【0052】
これらの結果から、アニオン界面活性剤を含む本発明の毛髪化粧料組成物をシャンプー液として用いて、毛髪を洗浄することによって、水洗いだけで毛髪を洗浄する場合と比較したときは勿論、羊毛由来の平均分子量の大きなケラチンアミノ酸を含む加水分解ケラチン液を含有したシャンプー液(比較例1及び2)を用いて毛髪を洗浄する場合に比しても、毛髪の引張強度が、効果的に高められ得ることが、容易に認識され得る。また、本発明の毛髪化粧料組成物をシャンプー液として用いる場合にあっても、人毛由来のケラチンアミノ酸の含有量が増加するに従って、毛髪の引張強度も向上することが、認められる。
【0053】
<実施例2>
実施例1で準備された、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸の所定量と、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量と、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量とを準備した。また、それとは別に、界面活性剤として、ノニオン界面活性剤たるステアリン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、及びポリソルベート60のそれぞれの所定量ずつを準備した。
【0054】
次に、それら準備された人毛由来のケラチンアミノ酸と羊毛由来の加水分解ケラチン液と界面活性剤と、その他の任意成分とを用い、下記表2に示す組成に従って、6種類のトリートメント液を調製した。それら6種類のトリートメント液は、含有成分の濃度を調整する等して、pHの値を4〜8とした。そして、人毛由来のケラチンアミノ酸を含むトリートメント液を1.0重量%、2.0重量%、5.0重量%、10重量%の割合でそれぞれ含むトリートメント液を、各々、発明例5、発明例6、発明例7、発明例8とした。また、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むトリートメント液を比較例3とし、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むトリートメント液を比較例4とした。
【0055】
【表2】

【0056】
そして、かくして調整された6種類のトリートメント液(発明例5〜8、比較例3及び4)のうちの発明例5のトリートメント液を用い、これを、人毛の毛髪サンプル(毛束)に塗布して、5分間放置した後に、トリートメント液を水で洗い流した。その後、毛髪サンプルをタオルで軽く水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥させた。そして、この毛髪サンプルのトリートメント及び乾燥操作を5回繰り返し行った。次いで、実施例1と同様にして、毛髪サンプルから採取された30本の毛髪の引張り試験を行って、それら30本の毛髪のそれぞれの破断時の荷重値の平均値を算出した。その結果を、図2に示した。
【0057】
また、それとは別に、発明例6〜8のトリートメント液と、比較例3及び比較例4のトリートメント液とをそれぞれ用い、発明例5のトリートメント液を用いたときと同様に、5個の毛髪サンプルのそれぞれに対するトリートメント及び乾燥操作を繰り返し5回行った後、各毛髪サンプルから30本の毛髪をそれぞれ採取した。そして、それら各毛髪サンプルから採取した30本の毛髪に対する引張り試験を1本ずつ行って、それら30本の毛髪の破断時の荷重値の平均値を、各毛髪サンプル毎に算出した。また、比較のために、トリートメント液を何等用いずに、別の毛髪サンプルを水に5分間浸した後、ドライヤーで乾燥させる操作を5回繰り返して行った。そして、かかる毛髪サンプルからも30本の毛髪を採取して、引張り試験を実施した後、それら30本の毛髪の破断時の荷重値の平均値を算出した。それらの結果を、図2に併せて示した。なお、図2に示される発明例5〜8、比較例3、比較例4のそれぞれの平均荷重値とは、発明例5〜8と比較例3及び4のそれぞれのトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪の破断時の平均荷重値を示す。また、無処理とは、トリートメント液を用いることなく、水に浸した後乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪の破断時の平均荷重値を示す。
【0058】
かかる図2から明らかなように、トリートメント液を用いることなしに、水に浸した後、乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪は、引張り試験による破断時の荷重値の平均が93.08gとなっていた。これに対して、トリートメント液を用いて、トリートメントと乾燥とが繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の引張り試験による破断時の荷重値の平均値は、発明例5のトリートメント液を用いた場合には130.07g、発明例6のトリートメント液を用いた場合には132.4g、発明例7のトリートメント液を用いた場合には134.2g、発明例8のトリートメント液を用いた場合には136.0gであった。また、比較例3のトリートメント液を用いたときには117.16g、比較例4のトリートメント液を用いたときには110.06gとなっていた。
【0059】
これらの結果から、ノニオン界面活性剤を含む本発明の毛髪化粧料組成物をトリートメント液として用いて、毛髪をトリートメントすることによって、単に、毛髪を水に浸した後、乾燥させる場合と比較したときは勿論、羊毛由来の平均分子量の大きなケラチンアミノ酸を含む加水分解ケラチン液を含有したトリートメント液(比較例3及び4)を用いてトリートメントする場合に比しても、毛髪の引張強度が、効果的に高められ得ることが、明確に認識され得る。また、本発明の毛髪化粧料組成物をトリートメント液として用いる場合、人毛由来のケラチンアミノ酸の含有量が増大するに従って、毛髪の引張強度が徐々に増加することが認められる。
【0060】
<実施例3>
実施例1及び2で準備された、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸の所定量と、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量と、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量とを準備した。また、それとは別に、界面活性剤として、アニオン界面活性剤たるオレフィン(C14−16)スルホン酸Naの所定量と、両性界面活性剤たるオレイン酸グリセリル及びラウリン酸のそれぞれの所定量ずつとを、準備した。
【0061】
次に、それら準備された人毛由来のケラチンアミノ酸と羊毛由来の加水分解ケラチン液と界面活性剤と、その他の任意成分とを用い、下記表3に示す組成に従って、3種類のトリートメント液を調製した。それら3種類のトリートメント液は、含有成分の濃度を調整する等して、pHの値を4〜8とした。そして、人毛由来のケラチンアミノ酸を含むトリートメント液を発明例9とし、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むトリートメント液を比較例5とし、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むトリートメント液を比較例6とした。
【0062】
【表3】

【0063】
そして、かくして調整された3種類のトリートメント液(発明例9、比較例5及び6)
と3個の毛髪サンプルとを用い、実施例2と同様にして、各毛髪サンプルに対するトリートメントと乾燥操作を繰り返し行った後、それら各毛髪サンプルから採取された30本の毛髪に対する引張り試験を1本ずつ行って、各毛髪の破断時の荷重値を調べると共に、その平均値を、各毛髪サンプル毎に算出した。それらの結果を、図3に示した。なお、図3に示される発明例9、比較例5、比較例6のそれぞれの平均荷重値とは、発明例9と比較例5及び6のそれぞれのトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪の破断時の平均荷重値を示す。また、無処理とは、トリートメント液を用いることなく、水に浸した後乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪の破断時の平均荷重値を示す。
【0064】
かかる図3から明らかなように、トリートメント液を用いることなしに、水に浸した後、乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪は、引張り試験による破断時の荷重値の平均値が93.08gであったのに対して、トリートメント液を用いて、トリートメントと乾燥とが繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の引張り試験による破断時の荷重値の平均値は、発明例6のトリートメント液を用いた場合には127.6gで、比較例5のトリートメント液を用いたときには117.3g、比較例6のトリートメント液を用いたときには111.4gとなっていた。
【0065】
これらの結果から、アニオン界面活性剤を含む本発明の毛髪化粧料組成物をトリートメント液として用いて、毛髪をトリートメントすることによって、単に、毛髪を水に浸した後、乾燥させる場合と比較したときは勿論、羊毛由来の平均分子量の大きなケラチンアミノ酸を含む加水分解ケラチン液を含有したトリートメント液(比較例5及び6)を用いてトリートメントする場合に比しても、毛髪の引張強度が、効果的に高められ得ることが、容易に認識され得る。
【0066】
<実施例4>
実施例1乃至3で準備された、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸の所定量と、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量と、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量とを準備した。また、それとは別に、界面活性剤として、カチオン界面活性剤たるベヘントリモニウムクロリドの所定量と、両性界面活性剤たるステアリン酸グリセリルの所定量とを、準備した。
【0067】
次に、それら準備された人毛由来のケラチンアミノ酸と羊毛由来の加水分解ケラチン液と界面活性剤と、その他の任意成分とを用い、下記表4に示す組成に従って、3種類のトリートメント液を調製した。それら3種類のトリートメント液は、含有成分の濃度を調整する等して、pHの値を4〜6とした。そして、人毛由来のケラチンアミノ酸を含むトリートメント液を発明例10とし、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むトリートメント液を比較例7とし、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むトリートメント液を比較例8とした。
【0068】
【表4】

【0069】
そして、かくして調整された3種類のトリートメント液(発明例10、比較例7及び8)と3個の毛髪サンプルとを用い、実施例2と同様にして、各毛髪サンプルに対するトリートメントと乾燥操作を繰り返し行った後、それら各毛髪サンプルから採取された30本の毛髪に対する引張り試験を1本ずつ行って、各毛髪の破断時の荷重値を調べると共に、その平均値を、各毛髪サンプル毎に算出した。それらの結果を、図4に示した。なお、図4に示される発明例10、比較例7、比較例8のそれぞれの平均荷重値とは、発明例10と比較例7及び8のそれぞれのトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪の破断時の平均荷重値を示す。また、無処理とは、トリートメント液を用いることなく、水に浸した後乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪の破断時の平均荷重値を示す。
【0070】
かかる図4から明らかなように、トリートメント液を用いることなしに、水に浸した後、乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪は、引張り試験による破断時の荷重値の平均値が93.08gであったのに対して、トリートメント液を用いて、トリートメントと乾燥とが繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の引張り試験による破断時の荷重値の平均値は、発明例10のトリートメント液を用いた場合には132.02gで、比較例7のトリートメント液を用いたときには118.86g、比較例8のトリートメント液を用いたときには114.06gとなっていた。
【0071】
これらの結果から、カチオン界面活性剤を含む本発明の毛髪化粧料組成物をトリートメント液として用いて、毛髪をトリートメントすることによって、単に、毛髪を水に浸した後、乾燥させる場合と比較したときは勿論、羊毛由来の平均分子量の大きなケラチンアミノ酸を含む加水分解ケラチン液を含有したトリートメント液(比較例7及び8)を用いてトリートメントする場合に比しても、毛髪の引張強度が、効果的に高められ得ることが、容易に認識され得る。
【0072】
次に、3種類のトリートメント液(発明例10、比較例7及び8)を用いて、前記せる如きトリートメント及び乾燥操作が5回繰り返して行われた毛髪サンプルと、単に、水に
浸した後乾燥させる操作が5回繰り返し行われた毛髪サンプルとから、0.08mmの同一口径の毛髪をそれぞれ5本ずつ採取した。その後、それら採取された毛髪の表面の摩擦感を調べるために、それぞれの毛髪の平均摩擦係数(MIU)を、温度:23℃、湿度:60%の環境下で、公知の摩擦感試験機[KES−SE摩擦感テスター(株)カトーテック製]を用いて、それぞれ測定した。また、比較のために、トリートメント液を何等用いずに、水に浸した後、乾燥させる操作を5回繰り返して行った毛髪サンプルから採取した5本の毛髪の平均摩擦係数も、同様に測定した。それらの結果を、図5に示した。なお、図5に示される発明例10、比較例7、比較例8のそれぞれの平均摩擦係数とは、発明例10と比較例7及び8のそれぞれのトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪の表面の平均摩擦係数を示す。また、無処理とは、トリートメント液を用いることなく、水に浸した後乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪の平均摩擦係数を示す。
【0073】
かかる図5から明らかなように、トリートメント液を用いることなしに、水に浸した後、乾燥させる操作が繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪は、平均摩擦係数が0.27であったのに対して、トリートメント液を用いて、トリートメントと乾燥とが繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の平均摩擦係数は、発明例10のトリートメント液を用いた場合には0.20で、比較例7のトリートメント液を用いたときには0.22、比較例8のトリートメント液を用いたときには0.24であった。
【0074】
これらの結果から、カチオン界面活性剤を含む本発明の毛髪化粧料組成物をトリートメント液として用いて、毛髪をトリートメントすることによって、単に、毛髪を水に浸した後、乾燥させる場合と比較したときは勿論、羊毛由来の平均分子量の大きなケラチンアミノ酸を含む加水分解ケラチン液を含有したトリートメント液(比較例7及び8)を用いてトリートメントする場合に比しても、毛髪に対して、より十分な滑らか感が付与され得ることが、明確に認識される。
【0075】
<実施例5>
実施例1乃至4で準備された、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸の所定量と、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量と、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量とを準備した。また、それとは別に、界面活性剤として、アニオン系界面活性剤たるココイルアラニンTEAの所定量を、準備した。
【0076】
次に、それら準備された人毛由来のケラチンアミノ酸と羊毛由来の加水分解ケラチン液と界面活性剤と、その他の任意成分とを用い、下記表5に示す組成に従って、6種類のパーマ前処理剤を調製した。それら6種類のパーマ前処理剤は、含有成分の濃度を調整する等して、pHの値を5〜8とした。そして、人毛由来のケラチンアミノ酸を含むパーマ前処理剤を5.0重量%、9.0重量%、20.0重量%の割合でそれぞれ含むパーマ前処理剤を、各々、発明例11、発明例12、発明例13とした。また、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むパーマ前処理剤を比較例9とし、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むパーマ前処理剤を比較例10とし、ケラチンアミノ酸や加水分解ケラチン液等を何等含まないパーマ前処理剤を比較例11とした。
【0077】
【表5】

そして、かくして調整された6種類のパーマ前処理剤(発明例11〜13、比較例9〜11)のうちの発明例11のパーマ前処理剤を用い、これを、洗浄後に、タオルで水分を十分に拭き取った人毛の毛髪サンプル(毛束)に塗布した。その後、還元性の第1剤としてのチオグリコール酸アンモニウムと酸化性の第2剤としての臭素酸ナトリウムとを用いて、公知の手法により、毛髪サンプルに対する縮毛矯正施術を行った後、毛髪サンプルをドライヤーで乾燥させた。そして、このパーマ前処理操作及びパーマ処理操作を3回繰り返し行った。次いで、実施例1と同様にして、毛髪サンプルから採取された30本の毛髪の引張り試験を行って、それら30本の毛髪のそれぞれの破断時の荷重値の平均値を算出した。その結果を、図6に示した。
【0078】
また、それとは別に、発明例12及び13のパーマ前処理剤と、比較例9〜11のパーマ前処理剤とをそれぞれ用い、発明例5のパーマ前処理剤を用いたときと同様に、5個の毛髪サンプルのそれぞれに対するパーマ前処理操作及びパーマ処理操作を繰り返し3回行った後、各毛髪サンプルから30本の毛髪をそれぞれ採取した。そして、それら各毛髪サンプルから採取した30本の毛髪に対する引張り試験を1本ずつ行って、それら30本の毛髪の破断時の荷重値の平均値を、各毛髪サンプル毎に算出した。それらの結果を図6に併せて示した。なお、図6に示される発明例11〜13及び比較例9〜11のそれぞれの平均荷重値とは、発明例11〜13及び比較例9〜11のそれぞれのパーマ前処理剤を用いてパーマ前処理された毛髪の破断時の平均荷重値を示す。
【0079】
かかる図6から明らかなように、ケラチンアミノ酸や加水分解ケラチン液等を何等含まない比較例11のパーマ前処理剤を用いて、パーマ前処理及びパーマ処理操作が繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の引張り試験による破断時の荷重値の平均値は83.4gであった。これに対して、人毛由来のケラチンアミノ酸を含むパーマ前処理剤を用いて、パーマ前処理及びパーマ処理操作が繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の引張り試験による破断時の荷重値の平均値は、発明例11のパーマ前処理剤を用いた場合には90.2g、発明例12のパーマ前処理剤を用いたときには90.06g、発明例13のパーマ前処理剤を用いた場合には93.45gであった。また、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含むパーマ前処理剤を用いて、パーマ前処理及びパーマ処理操作が繰り返し行われた毛髪サンプルから採取された毛髪の引張り試験による破断時の荷重値の平均値は、比較例9のパーマ前処理剤を用いた場合には85.62g、比較例10のパーマ前処理剤を用いたときには83.2gであった。
【0080】
これらの結果から、ココイルアラニンTEA界面活性剤を含む本発明の毛髪化粧料組成物をパーマ前処理剤として用いて、パーマ前処理を行うことによって、単に、ケラチンを何等含まないパーマ前処理剤(比較例11)や、羊毛由来の平均分子量の大きなケラチンアミノ酸を含む加水分解ケラチン液を含有したパーマ前処理剤(比較例9及び10)を用いてパーマ前処理を行う場合に比しても、毛髪の引張強度が、効果的に高められ得ることが、容易に認識され得る。また、本発明の毛髪化粧料組成物をパーマ処理剤として用いる場合、人毛由来のケラチンアミノ酸の含有量が増大するに従って、毛髪の引張強度が徐々に増加することが認められる。
【0081】
<実施例6>
実施例1乃至5で準備された、平均分子量が90〜200の人毛由来のケラチンアミノ酸の所定量と、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量と、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液の所定量とを準備した。また、それとは別に、界面活性剤として、アニオン系界面活性剤たるオレフィン(C14−16)スルホン酸Naの所定量を、準備した。
【0082】
次に、それら準備された人毛由来のケラチンアミノ酸と羊毛由来の加水分解ケラチン液と界面活性剤と、その他の任意成分とを用い、下記表6に示す組成に従って、3種類の染毛前処理剤を調製した。それら3種類の染毛前処理剤は、含有成分の濃度を調整する等して、pHの値を5〜8とした。そして、人毛由来のケラチンアミノ酸を含む染毛前処理剤を発明例14とし、平均分子量が400の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む染毛前処理剤を比較例12とし、平均分子量が10000の羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む染毛前処理剤を比較例13とした。
【0083】
【表6】

【0084】
そして、かくして調整された3種類の染毛前処理剤(発明例14、比較例12及び13)のうちの発明例14のパーマ前処理剤を用い、これを、人毛の毛髪サンプル(毛束)に塗布した。その後、酸性染毛剤を用いて、公知の手法により、毛髪サンプルに対する染毛施術を行った。次いで、実施例1と同様にして、毛髪サンプルから採取された30本の毛髪の引張り試験を行って、それら30本の毛髪のそれぞれの破断時の荷重値の平均値を算出した。その結果を、図7に示した。
【0085】
また、それとは別に、比較例12及び13の染毛前処理剤をそれぞれ用い、発明例14の染毛前処理剤を用いたときと同様に、2個の毛髪サンプルのそれぞれに対する染毛前処理操作を行った後、各毛髪サンプルに対する染毛操作を行った。その後、各毛髪サンプルから30本の毛髪をそれぞれ採取した。そして、それら各毛髪サンプルから採取した30本の毛髪に対する引張り試験を1本ずつ行って、それら30本の毛髪の破断時の荷重値の平均値を、各毛髪サンプル毎に算出した。それらの結果を、図7に併せて示した。なお、図7に示される発明例14と比較例12及び13のそれぞれの平均荷重値とは、発明例14と比較例12及び13のそれぞれの染毛前処理剤を用いて染毛前処理された毛髪の破断時の平均荷重値を示す。
【0086】
かかる図7から明らかなように、発明例14の染毛前処理剤を用いて染毛前処理された毛髪サンプルから採取された毛髪は、引張り試験による破断時の荷重値の平均値が90.38gであった。これに対して、比較例12の染毛前処理剤を用いて染毛前処理された毛髪サンプルから採取された毛髪は、引張り試験による破断時の荷重値の平均値が89.3gであった。また、比較例13の染毛前処理剤を用いて染毛前処理された毛髪サンプルから採取された毛髪は、引張り試験による破断時の荷重値の平均値が87.6gであった。
【0087】
これらの結果から、オレフィン(C14−16)スルホン酸Na界面活性剤を含む本発明の毛髪化粧料組成物を染毛前処理剤として用いて、毛髪の染毛前処理を行うことによって、羊毛由来の平均分子量の大きなケラチンアミノ酸を含む加水分解ケラチン液を含有した染毛前処理剤(比較例12及び13)を用いて染毛前処理を行う場合に比して、毛髪の引張強度が、効果的に高められ得ることが、容易に認識され得る。
【0088】
次に、3種類の染毛前処理剤(発明例14、比較例12及び13)を用いて、前記せる如き染毛前処理を行った後、染毛操作が行われた3個の毛髪サンプルを、それぞれ、精製水に浸した状態で、30日間放置した。そして、その際の精製水の着色の推移を10日経過毎に、目視で観察した。その結果を、下記表7に示した。
【0089】
【表7】

【0090】
かかる表7から明らかなように、発明例14の染毛前処理剤を用いて染毛前処理が行われた毛髪サンプルが浸された精製水は、30日の経過しても、薄く着色されたに過ぎなかった。これに対して、比較例12及び比較例13の各染毛前処理剤を用いて染毛前処理が行われた毛髪サンプルが浸された精製水は、30日の経過後に、濃い色で着色した。これは、平均分子量の小さな人毛由来のケラチンアミノ酸を含む染毛前処理剤を用いて、毛髪に対する染毛前処理を行うことによって、染毛後の色落ちが効果的に防止され得ることを、如実に示している。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施例1において得られた、人毛由来のケラチンアミノ酸を含む毛髪化粧料組成物からなるシャンプー液を用いて洗浄された毛髪サンプルと、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む毛髪化粧料組成物からなるシャンプー液とを用いて洗浄された毛髪サンプルのそれぞれの引張強度を示すグラフである。
【図2】実施例2において得られた、人毛由来のケラチンアミノ酸とノニオン界面活性剤とを含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪サンプルと、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液とを用いてトリートメントされた毛髪サンプルのそれぞれの引張強度を示すグラフである。
【図3】実施例3において得られた、人毛由来のケラチンアミノ酸とアニオン界面活性剤とを含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪サンプルと、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液とを用いてトリートメントされた毛髪サンプルのそれぞれの引張強度を示すグラフである。
【図4】実施例4において得られた、人毛由来のケラチンアミノ酸とカチオン界面活性剤とを含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪サンプルと、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液とを用いてトリートメントされた毛髪サンプルのそれぞれの引張強度を示すグラフである。
【図5】実施例4において得られた、人毛由来のケラチンアミノ酸とアニオン界面活性剤とを含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液を用いてトリートメントされた毛髪サンプルと、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む毛髪化粧料組成物からなるトリートメント液とを用いてトリートメントされた毛髪サンプルのそれぞれの表面の平均摩擦係数を示すグラフである。
【図6】実施例5において得られた、人毛由来のケラチンアミノ酸と ココイルアラニンTEA界面活性剤とを含む毛髪化粧料組成物からなるパーマ前処理剤を用いてパーマ前処理された毛髪サンプルと、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む毛髪化粧料組成物からなるパーマ前処理剤を用いてパーマ前処理された毛髪サンプルのそれぞれの引張強度を示すグラフである。
【図7】実施例6において得られた、人毛由来のケラチンアミノ酸と オレフィン(C14−16)スルホン酸Naとを含む毛髪化粧料組成物からなる染毛前処理剤を用いて染毛前処理された毛髪サンプルと、羊毛由来の加水分解ケラチン液を含む毛髪化粧料組成物からなる染毛前処理剤を用いて染毛前処理された毛髪サンプルのそれぞれの引張強度を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均分子量が90〜200である人毛由来のケラチンアミノ酸と界面活性剤とを含有し、且つ該ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜20重量%とされると共に、pHの値が3〜9の範囲内の値に調整されていることを特徴とする毛髪化粧料組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤の含有量が、1〜60重量%とされている請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜5.0重量%であると共に、前記界面活性剤がアニオン界面活性剤であり、且つシャンプーとして用いられるものである請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜10重量%であると共に、前記界面活性剤が、カチオン界面活性剤であり、且つトリートメントとして用いられるものである請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項5】
前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜20重量%であると共に、前記界面活性剤が、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れか一方であり、且つパーマ前処理剤として用いられるものである請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項6】
前記ケラチンアミノ酸の含有量が0.1〜20重量%であると共に、前記界面活性剤が、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤のうちの何れか一方であり、且つ染毛前処理剤として用いられるものである請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−37283(P2010−37283A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202919(P2008−202919)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(503139669)株式会社アスター美容 (3)
【Fターム(参考)】