説明

毛髪化粧料

【課題】毛髪になめらかさを付与すると共に、優れたフケ改善・痒み抑制効果を有し、基剤臭が抑制された毛髪化粧料の提供。
【解決手段】(A)アクリル酸系ポリマー0.2〜2.0質量%、(B)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物0.1〜1.0質量%、及び(C)カチオン性界面活性剤0.2〜5.0質量%を含有し、(A)/(C)(質量比)が0.30〜1.60である毛髪化粧料。(A)一般式(1)と、一般式(2)とを含むアクリル酸系ポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪になめらかさを付与すると共に、優れたフケ改善・痒み抑制効果を有し、基剤臭が抑制された毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ダメージケアを目的とした毛髪化粧料のニーズが高まっており、市場ではこれら商品が多数販売されている。これらダメージケアを目的とした毛髪化粧料は、各種界面活性剤やシリコーン類、油剤、高級アルコール、高分子化合物等を頭髪に吸着させることで、効果を発現させている。しかしながら、これら成分は毛髪だけでなく頭皮に残留することにより、頭皮の刺激や痒みを引き起こし、炎症等の症状を引き起こすことが懸念される。これにより、従来は菌の繁殖に主たる原因を持つフケ自体よりも、化粧料成分の頭皮へ残留や、地肌の乾燥によるフケや痒み、かさつきが、地肌トラブルの主流になってきている。
【0003】
従来、フケや痒みの改善には、例えば1−ヒドロキシ−2−ピリドン、イオウ、ジンクピリチオン等のフケ改善・痒み抑制等の薬用成分を配合した毛髪化粧料が使用されている。これら毛髪化粧料を用いることにより一定の効果は得られていたが、上記状況の変化に伴い、昨今問題となっている頭皮トラブルに対しては、満足させるだけの効果は得られていない。より高い頭皮ケア効果を得るために、これら成分を高濃度に配合すると、薬用成分のコストが高いこと、薬用成分を配合した製剤の品質安定性、薬用成分の臭い等により、香りの嗜好性や良好な使用感の確保が困難であるといった問題があった。なお、本発明に関連する先行技術文献としては下記が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−176446号公報
【特許文献2】特開2001−261529号公報
【特許文献3】特開2007−137830号公報
【特許文献4】特開2007−161986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、毛髪になめらかさを付与すると共に、優れたフケ改善・痒み抑制効果を有し、(B)成分等の基剤臭が抑制された毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)特定のアクリル酸系ポリマー、(B)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物及び(C)カチオン性界面活性剤を含有する毛髪化粧料であって、毛髪化粧料中における(A)成分の含有量を0.2〜2.0質量%、(B)成分の含有量を0.1〜1.0質量%、(C)成分の含有量を0.2〜5.0質量%にし、(A)/(C)で表される(A)成分と(C)成分との質量比を0.30〜1.60にすることにより、毛髪になめらかさを付与すると共に、優れたフケ改善・痒み抑制効果を発揮し、特に(B)成分、(A)成分の基剤臭が抑制されることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、
[1].下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する毛髪化粧料であって、毛髪化粧料中における(A)成分の含有量が0.2〜2.0質量%、(B)成分の含有量が0.1〜1.0質量%、(C)成分の含有量が0.2〜5.0質量%であり、(A)/(C)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.30〜1.60であることを特徴とする毛髪化粧料、
(A)下記一般式(1)で表される単量体単位70〜95モル%と、下記一般式(2)で表される単量体単位5〜30モル%とを、構成単位として含むアクリル酸系ポリマー
(B)下記一般式(3)で表される1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物
(C)カチオン性界面活性剤
[2].(B)成分が、ピロクトンオラミンであることを特徴とする[1]記載の毛髪化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、毛髪になめらかさを付与すると共に、優れたフケ改善・痒み抑制効果を有し、基剤臭が抑制された毛髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、(A)本発明のアクリル酸系ポリマー、(B)一般式(3)で表される1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物、及び(C)カチオン性界面活性剤を含有する毛髪化粧料であって、毛髪化粧料中における(A)成分の含有量が0.2〜2.0質量%、(B)成分の含有量が0.1〜1.0質量%、(C)成分の含有量が0.2〜5.0質量%であり、(A)/(C)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.30〜1.60であることを特徴とする毛髪化粧料である。
【0010】
(A)アクリル酸系ポリマー
下記一般式(1)で表される単量体単位70〜95モル%と、下記一般式(2)で表される単量体単位5〜30モル%とを、構成単位として含む共重合体からなるアクリル酸系ポリマーであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0011】
【化1】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子又は−CH2OH基を示し、Aは酸素原子又は−NH−を示す。)
【化2】

(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンを示す。)
【0012】
アルカリ金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子、アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられ、なお、Mがアルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンの場合、−COOMは塩を形成する。
【0013】
一般式(1)で表される単量体単位としては、R1が水素原子、R2が水素原子、Aが−NH−であるものが好ましく、下記一般式(2)で表される単量体単位としては、R3が水素原子、Mは水素原子及び/又はナトリウム原子のものが好ましい。
【0014】
一般式(1)で表される単量体単位の割合は、アクリル酸系ポリマー中(全単量体単位100モル%中)70〜95モル%であり、75〜90モル%が好ましく、一般式(2)で表される単量体単位の割合は、アクリル酸系ポリマー中(全単量体単位100モル%中)5〜30モル%であり、10〜25モル%が好ましい。一般式(1)で表される単量体単位の割合が95モル%を超えると、指通りが悪くなりなめらかさが低下し、70モル%未満だと、やわらかさが低下し、ぱさつきが生じる。
【0015】
アクリル酸系ポリマーには、本発明の効果を損なわない限り、一般式(1)又は(2)で表される単量体単位以外の単量体単位を含むことができる。他の単量体単位としては、例えば、一般式(1)又は(2)で表される単量体単位以外のノニオン性単量体、両性単量体、半極性単量体、カチオン性単量体、ポリシロキサン基含有単量体に相当する単量体単位が挙げられる。一般式(1)又は(2)で表される単量体単位以外の単量体単位の割合は、アクリル酸系ポリマー中0〜25モル%が好ましい。本発明のアクリル酸系ポリマーは、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよく、本発明のアクリル酸系ポリマーとしては、一般式(1)及び(2)で表される単量体単位を構成単位とする共重合体からなるアクリル酸系ポリマーが好ましい。
【0016】
ノニオン性単量体としては、例えば、炭素数1〜22のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、炭素数1〜22のアルキルアミンと(メタ)アクリル酸とのアミド、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのモノエステル、さらにはこのモノエステルの水酸基がメタノールやエタノール等でエーテル化されたエステル、(メタ)アクロイルモルホリン等が挙げられ、両性単量体としては例えば、ベタイン基含有(メタ)アクリルエステル、ベタイン基含有(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、半極性単量体としては、例えば、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルエステル、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、カチオン性単量体としては、例えば、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルエステル、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0017】
ポリシロキサン基含有単量体は、ポリシロキサン構造を有し、アクリル酸系ポリマーに共有結合で連結できる構造を有する化合物である。このような構成単位は、化粧料組成物中で通常併用されるシリコーン油との親和性が高く、アクリル酸系ポリマー中の他の構成単位とシリコーン油とを結びつける働きをし、肌や毛髪、特にダメージ毛等に対してシリコーン油の吸着力を高める働きがあると考えられる。
【0018】
なお、アクリル酸系ポリマー中の各単量体単位の割合は、カルボニル基、アミド結合、ポリシロキサン構造や各種官能基等のIR吸収や、ポリジメチルシロキサンのメチル基やアミド結合部位及びそれらに隣接するメチル基、メチレン基等の1H−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等により測定することができる。
【0019】
アクリル酸系ポリマーの重量平均分子量は3,000〜100,000が好ましい。3,000未満ではコンディショニング効果が弱くなるおそれがあり、また、100,000を超えると接着感が生じるおそれがある。接着感を生じさせず、乾燥後のなめらかさを高めるには10,000〜30,000とすることがより好ましく、10,000〜20,000がさらに好ましく、12,000〜17,000が特に好ましい。
【0020】
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定することができ、具体的には、装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41(容量比))を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として求めることができる。
【0021】
アクリル酸系ポリマーの分子量の調整は、例えば、ポリマーの重合度を制御することによって行うことができる。また多官能アクリレート等の架橋剤の添加量を増減することによっても分子量及び粘度が制御できる。但し、架橋剤は少しでも添加しすぎると分子量及び粘度が急激に増大してしまう等、工業的に製造する上では制御が困難な面がある。このため架橋剤は含まないことが好ましい。
【0022】
アクリル酸系ポリマーは、特開2007−161986号公報に記載された方法に準拠して得ることができる。例えば、それぞれの構成単位を与える単量体又はその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させることにより得ることができる。また、一般式(2)中の対イオンは、重合する前に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えて重合に供することもでき、重合やその他の反応の後に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えることもできる。これらはその合成のしやすさにより適宜選択して行うことができる。重合反応はエタノール等の親水性溶媒中で行うことが好ましく、重合開始剤としてはジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)等の公知の重合開始剤を用いることができる。なお、各単量体は全単量体の合計量(100モル%)に対して、各単量体が特定モルになるように配合する。本発明の共重合体における各単量体からなる構成単位の割合は、共重合する際の各単量体の配合量と同様である。
【0023】
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでもアルコール系溶媒を用いることが好ましい。
【0024】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸塩、又はそのレドックス系等、特に限定することなく用いることができる。重合開始剤は全単量体に対して、0.01〜5質量%の範囲で用いることが好ましい。
【0025】
重合反応は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃で通常1〜30時間行うことができる。重合終了後は、生成した共重合体を、溶媒留去、貧溶媒の添加等適宜の手段で反応液から単離するとよい。この共重合体はそのまま、又はさらに精製して、例えば化粧料の製造に用いることができる。精製は再沈澱、溶媒洗浄、膜分離等、適宜の手段を必要に応じて組み合わせて行うことができる。
【0026】
毛髪化粧料中における(A)成分の含有量は0.2〜2.0質量%であり、0.4〜1.0質量%が好ましい。0.2質量%未満では本発明の効果が不十分となり、2.0質量%を超えるとべたつきが生じ、(A)成分の基剤臭が強くなる。
【0027】
(B)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物
下記一般式(3)で表される1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【化3】

(式中、R4は、1〜17個の炭素原子を有するアルキル基、2〜17個の炭素原子を有するアルケニル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7〜9個の炭素原子を有するビシクロアルキル基、シクロアルキル基が5〜8個の炭素原子を有し、かつアルキル基が1〜4個の炭素原子を有するシクロアルキル−アルキル基(但し、シクロアルキル基は、その水素原子の一部が1〜4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい)、6〜14個の炭素原子を有するアリール基、アリール基が6〜14個の炭素原子を有し、かつアルキル基が1〜4個の炭素原子を有するアラルキル基、アリール基が6〜14個の炭素原子を有し、かつアルケニル基が2〜4個の炭素原子を有するアリールアルケニル基、アリール基が6〜14個の炭素原子を有し、かつアルキル基がそれぞれ1〜4個の炭素原子を有するアリールオキシアルキル基もしくはアリールメルカプトアルキル基、ベンズヒドリル基、アルキル基が1〜4個の炭素原子を有するフェニルスルフォニルアルキル基、フリル基又はアルケニル基が2〜4個の炭素原子を有するフリルアルケニル基を示す。但し、上述のアリール基は、その水素原子の一部が1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。R5は、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基、2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基、ハロゲン原子、フェニル基又はベンジル基を示す。X+は、有機塩基、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は2〜4価の陽イオンを示す。)
【0028】
一般式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば下記化合物及びその塩等を挙げることができる。
1−ヒドロキシ−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−6−メチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4,6−ジメチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ヘプチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(1−エチルペンチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ウンデシル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−プロペニル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−オクテニル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,2−ジブチル−ビニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(シクロヘキセニリデン−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−シクロヘキシル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(メチル−シクロヘキシル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−〔2−(ジメチルシクロヘキシル)−プロピル〕−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−メチル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4―メチル−6−(3−メチル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−第3ブチル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−メチル−4−クロル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3,5−ジクロル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−ブロム−4−クロル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−メトキシスチリル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−〔1−(4−ニトロフェノキシ)−ブチル〕−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−シアノフェノキシメチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フェニルスルホニルメチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−〔1−(4−クロルフェニルスルホニル)−ブチル〕−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ベンジル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4−ジメチルベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(第3ブチル−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2−クロル−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−クロルベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,5−ジクロル−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−ブロム−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フェノキシメチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−メチルフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−第2ブチルフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,5−トリクロルフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−ブロムフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−クロルフェニルメルカプト−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−メチルフェニルメルカプト−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2−ナフチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ベンズヒドリル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−フリル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フリルビニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−スチリル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フェニルブタジエニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−フェニル−6−メチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4,6−ジフェニル−2−ピリドン等を挙げることができる。
【0029】
上記化合物は、塩として用いられ、例えば有機アミンとの塩として好適に使用することができる。具体的には、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノ−エタノール、2−アミノ−2−メチル−n−プロパノール、ジメチルアミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−プロパンジオール、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モルホリン、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ドデシルアミン、N,N−ジメチル−ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジメチルステアリルアミン、N−メチル−モルホリン、N−メチルピペラジン、4−メチルシクロヘキシルアミン、N−ヒドロキシエチル−モルホリン等が挙げられる。
【0030】
また、本発明に用いられるヒドロキシピリドン系化合物は、無機イオンとの塩であってもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩等の2〜4価の陽イオンとの塩も用いることができる。
【0031】
上記式(3)の1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物としては、シクロピロックスオらミン、下記式(4)で示されるピロクトンオラミンが好ましく、ピロクトンオラミンがより好ましい。
【0032】
【化4】

【0033】
毛髪化粧料中における(B)成分の含有量は0.1〜1.0質量%であり、0.2〜0.8質量%が好ましい。0.1質量%未満であると本発明の効果が不十分となり、1.0質量%を超えると、(B)成分の基剤臭が強くなる。
【0034】
(C)カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン、その第4級アンモニウム塩、脂肪酸アミドアミン塩、アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩、アシルグアニジン誘導体、モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩等のアミノ酸系カチオン性界面活性剤、アルキルベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、脂肪族アミンの第4級アンモニウム塩が好ましく、炭素数18〜22の第4級アンモニウム塩がより好ましく、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等がさらに好ましい。
【0035】
毛髪化粧料中における(C)成分の含有量は0.2〜5.0質量%であり、0.5〜3.0質量%が好ましい。0.2質量%未満では髪のなめらかさが劣り、5.0質量%を超えると製剤の安定性に悪影響を及ぼす。
【0036】
本発明においては、(A)成分の含有量が0.2〜2.0質量%、(B)成分の含有量が0.1〜1.0質量%、(C)成分の含有量が0.2〜5.0質量%であり、(A)/(C)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.30〜1.60の範囲であり、0.50〜1.25が好ましい。(A)/(C)を上記範囲とすることにより、毛髪になめらかさを付与すると共に、優れたフケ改善・痒み抑制効果を有することができる。また、上記質量比において、(B)成分の頭皮への吸着量が増加することから、(B)成分の頭皮への吸着が促進され、フケ改善・痒み抑制効果が向上するものと考えられる。なお、この比率は小数点第3位を四捨五入した値である。
【0037】
本発明は、上記(A)、(B)及び(C)成分を含有する毛髪化粧料において、毛髪化粧料中における(A)成分の含有量を0.2〜2.0質量%、(B)成分の含有量を0.1〜1.0質量%、(C)成分の含有量を0.2〜5.0質量%とし、(A)/(C)で表される(A)成分と(C)成分との質量比を0.30〜1.60とする、(B)成分の頭皮吸着促進方法を提供することができ、好適な成分、含有量等は上記毛髪化粧料と同様である。
【0038】
本発明の毛髪化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で一般の毛髪化粧料に用いられている各種添加成分を、所望に応じ配合することができる。これらの添加成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができ、また、毛髪化粧料を調製する際の適当な段階で配合することができる。
【0039】
添加成分としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]カチオン化グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の高分子化合物、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン、水素添加大豆リン脂質、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等の両性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、コメ胚芽油、コメヌカ油、ツバキ油、アーモンド油、水添ホホバ油等の油脂・ロウ類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、パントテン酸、没食子酸−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸メチル−3,5−ジグルコシド、エデト酸、ヒアルロン酸、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、グリコール酸等の有機酸及びその塩、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコ−ル等の多価アルコ−ル、グルコース、ショ糖、キシリット、エリスリト−ル、ソルビトール等の糖アルコール、その他、炭化水素、エステル油、高級アルコール、生薬、各種タンパク加水分解物、ビタミン、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、香料、溶剤(水、エタノール等)、微粒子粉末等が挙げられる。
【0040】
本発明の毛髪化粧料のpHは3〜6が好ましい。このpHは髪のpHに近く、髪を傷めにくい。pH調製剤としては、ピロリン酸ナトリウム等の無機酸塩、グリコール酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。本発明において、pHの測定は、東亜ディーケーケー株式会社製 HM−30GのpHメーターにより、25℃下、電極を製剤に浸漬してから2分後の値を読み値とする。
【0041】
本発明の毛髪化粧料は、例えば、液状、クリーム状、フォーム状、スプレー状、ジェル状等の多くの剤型で広く利用でき、コンディショナー、トリートメント、ヘアカラー、洗い流さないタイプのトリートメント、ヘア美容液、ヘアパック等に好適である。本発明の毛髪化粧料は、剤型の常法に基づいて調製することができ、適宜容器に充填することができる。
【実施例】
【0042】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示し、表中の各成分の量は純分換算した量である。
【0043】
[調製例1]
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートに2−ヒドロキシエチルアクリルアミド88.6質量部、アクリル酸11.4質量部及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)1質量部を投入後、単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち冷却し、水酸化ナトリウムで中和してアクリル酸系ポリマー(1)を得た。2−ヒドロキシエチルアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム=83モル%/17モル%
【0044】
[調製例2]
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートに2,3−ジヒドロキシプロピルアクリルアミド82.5質量部、アクリル酸17.5質量部及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)1質量部を投入後、単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち冷却し、アクリル酸のモル比の半量に相当する水酸化ナトリウムを加え中和してアクリル酸系ポリマー(2)を得た。2,3−ジヒドロキシプロピルアクリルアアクリル酸ミド/アクリル酸(ナトリウム)=70モル%/30モル%
【0045】
[調製例3]
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートに2,3−ジヒドロキシプロピルアクリルアミド97.5質量部、アクリル酸2.5質量部及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)1質量部を投入後、単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち冷却し、アクリル酸のモル比の半量に相当する水酸化ナトリウムを加え中和してアクリル酸系ポリマー(3)を得た。2,3−ジヒドロキシプロピルアクリルアミド/アクリル酸(ナトリウム)=95モル%/5モル%
【0046】
[調製例4]
下記表1の構成単位となるように配合量を調整する以外は、上記調製例1と同様の方法で、アクリル酸系ポリマー(4)を得た。
【0047】
[調製例5]
下記表1の構成単位となるように配合量を調整する以外は、上記調製例1と同様の方法で、アクリル酸系ポリマー(5)を得た。
【0048】
[比較調製例6]
下記表1の構成単位となるように配合量を調整する以外は、上記調製例1と同様の方法で、アクリル酸系ポリマー(6)を得た。
【0049】
アクリル酸系ポリマー(1)〜(6)の一般式(1)又は(2)の官能基、一般式(1)又は(2)単量体単位の比率(モル比)、重量平均分子量を表1に示す。なお、重量平均分子量は、装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41(容量比))を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として求めた。
【0050】
【表1】

【0051】
(B)成分(1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物)で使用したものを下記に示す。
【表2】

【0052】
[実施例1〜20、比較例1〜13]
表3〜6に示す組成のヘアコンディショナーを下記方法で調製した。得られたヘアコンディショナーについて、透明のガラス瓶にヘアコンディショナーを充填し、pHメーター(HM−30G/東亜ディーケーケー(株)製)で測定した。測定は25℃下で行い、電極を製剤に浸漬してから2分後の値を読み値とした。また、下記評価を行った。結果を表中に併記する。
【0053】
[調製方法]
80℃の湯浴槽の中で、(C)カチオン性界面活性剤、ステアリルアルコールを混合溶解し、メチルポリシロキサン及びアミノ変性シリコーンを加えて撹拌し、ソルビトール、精製水を加え転相乳化した。撹拌しながら50℃まで冷却し、(A)アクリル酸系ポリマーとグリコール酸を加えて撹拌し、40℃まで冷却した後に、香料と予めプロピレングリコールに溶解した(B)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を添加した後、さらに撹拌しながら室温まで冷却した。
【0054】
[評価方法]
頭皮にフケ・痒みを感じている20〜40代の女性20名をパネラーとした。上記例で得られたヘアコンディショナーを通常の使用方法で1日1回、1回あたりの使用量約6gで14日間の連続使用を行い、以下の項目について官能評価を行った。なおシャンプー剤は、「植物物語 ハーブブレンド さっぱりさらさらタイプ(ライオン(株)製)」を使用した。結果を下記基準に基づいて示す。
【0055】
(1)髪のなめらかさ
使用後にドライヤーにて頭髪を乾燥させた後、髪のなめらかさについて官能評価を行い、集計した結果から下記の評価基準に基づいて判定を行った。
◎:良好であると答えた人が15名以上
○:良好であると答えた人が10名以上14名以下
△:良好であると答えた人が5名以上9名以下
×:良好であると答えた人が5名未満
【0056】
(2)基剤臭のなさ
使用中〜後の基剤臭のなさについて官能評価を行い、集計した結果から下記の評価基準に基づいて判定を行った。
◎:良好であると答えた人が15名以上
○:良好であると答えた人が10名以上14名以下
△:良好であると答えた人が5名以上9名以下
×:良好であると答えた人が5名未満
【0057】
(3)フケ改善効果
試験開始前後の「フケ改善効果」について官能評価を行い、集計した結果から下記の評価基準に基づいて判定を行った。
◎:フケが改善されたと答えた人が15名以上
○:フケが改善されたと答えた人が10名以上14名以下
△:フケが改善されたと答えた人が5名以上9名以下
×:フケが改善されたと答えた人が5名未満
【0058】
(4)痒みの抑制効果
試験開始前後の「頭皮に感じる痒み」について官能評価を行い、集計した結果を下記の評価基準に基づいて判定を行った。
◎:痒みが無くなった・少なくなったと答えた人が15名以上
○:痒みが無くなった・少なくなったと答えた人が10名以上14名以下
△:痒みが無くなった・少なくなったと答えた人が5名以上9名以下
×:痒みが無くなった・少なくなったと答えた人が5名未満
【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
(B)成分(ピロクトンオラミン)頭皮吸着量測定方法
下記の方法によって実施例で得られた毛髪化粧料を使用した際のピロクトンオラミンの頭皮への吸着量を測定した。
頭頂部付近の頭髪をカミソリを用いて剃り、3cm×3cm角の被験部位を作製した。この被験部位に毛髪化粧料1mLを塗布して30秒間擦った後1分間放置し、40℃流水ですすぎ、ドライヤーで乾かした。処理された被験部位に角質ストリッピング用のテープ(D−SQUAME(商標) Skin Sampling Discs 22mm/CuDerm製)をしっかり貼り、テープとともに角層を1枚剥がした。これをメタノールに浸漬し、超音波洗浄機(US−3/エスエヌディ製)にて10分間の超音波処理を行った。テープをメタノールですすいで除去し、窒素気流下でメタノールを除去したものに、下記内部標準液及び移動相をそれぞれ1mL加え総量2mLとし、0.45μmフィルターを通したサンプル溶液を下記表7に示す条件の高速液体クロマトグラフィーにて測定を行った。得られた結果から、下記の式よりピロクトンオラミンの量を算出した。このピロクトンオラミンから、比較例1を100%としたときのピロクトンオラミン頭皮吸着割合(%)を表8、図1に示す。
(内部標準液の調製)
サリチル酸n−ブチルをメタノールにて溶解(0.1g→1000mL)
(標準溶液の調製)
標準ピロクトンオラミンをメタノールにて溶解(0.1g→1000mL)し、この溶液と内部標準液を1:1(容量比)に調製したものを使用した。
ピロクトンオラミンの吸着量(μg/cm2)=WS/QS×QT×2/S×1000
S:標準溶液中のピロクトンオラミン濃度(mg/mL)
S:標準溶液のピロクトンオラミンと内部標準のピーク面積比(ピロクトンオラミン/内部標準)
T:サンプル溶液のピロクトンオラミンと内部標準のピーク面積比(ピロクトンオラミン/内部標準)
S :テープ面積(cm2
【0064】
【表7】

【0065】
【表8】

【0066】
[実施例21]
下記組成のヘアトリートメントを常法に従い調製した。
【表9】

(A)/(C)=0.60
評価結果
髪のなめらかさ:◎
基剤臭のなさ :◎
フケ改善効果 :◎
痒みの抑制効果:◎
【0067】
[実施例22]
下記組成のヘア美容液を常法に従い調製した。
【表10】

(A)/(C)=1.00
評価結果
髪のなめらかさ:◎
基剤臭のなさ :◎
フケ改善効果 :◎
痒みの抑制効果:◎
【0068】
上記例で使用した原料を示す。
【表11】

【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】ピロクトンオラミン頭皮吸着割合(%)を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する毛髪化粧料であって、毛髪化粧料中における(A)成分の含有量が0.2〜2.0質量%、(B)成分の含有量が0.1〜1.0質量%、(C)成分の含有量が0.2〜5.0質量%であり、(A)/(C)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.30〜1.60であることを特徴とする毛髪化粧料。
(A)下記一般式(1)で表される単量体単位70〜95モル%と、下記一般式(2)で表される単量体単位5〜30モル%とを、構成単位として含むアクリル酸系ポリマー
【化1】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子又は−CH2OH基を示し、Aは酸素原子又は−NH−を示す。)
【化2】

(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンを示す。)
(B)下記一般式(3)で表される1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物
【化3】

(式中、R4は、1〜17個の炭素原子を有するアルキル基、2〜17個の炭素原子を有するアルケニル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7〜9個の炭素原子を有するビシクロアルキル基、シクロアルキル基が5〜8個の炭素原子を有し、かつアルキル基が1〜4個の炭素原子を有するシクロアルキル−アルキル基(但し、シクロアルキル基は、その水素原子の一部が1〜4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい)、6〜14個の炭素原子を有するアリール基、アリール基が6〜14個の炭素原子を有し、かつアルキル基が1〜4個の炭素原子を有するアラルキル基、アリール基が6〜14個の炭素原子を有し、かつアルケニル基が2〜4個の炭素原子を有するアリールアルケニル基、アリール基が6〜14個の炭素原子を有し、かつアルキル基がそれぞれ1〜4個の炭素原子を有するアリールオキシアルキル基もしくはアリールメルカプトアルキル基、ベンズヒドリル基、アルキル基が1〜4個の炭素原子を有するフェニルスルフォニルアルキル基、フリル基又はアルケニル基が2〜4個の炭素原子を有するフリルアルケニル基を示す。但し、上述のアリール基は、その水素原子の一部が1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。R5は、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基、2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基、ハロゲン原子、フェニル基又はベンジル基を示す。X+は、有機塩基、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は2〜4価の陽イオンを示す。)
(C)カチオン性界面活性剤
【請求項2】
(B)成分が、ピロクトンオラミンであることを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−90049(P2010−90049A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260253(P2008−260253)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】