説明

毛髪化粧料

【課題】良好な使用感で、仕上がりの毛髪のまとまり感に優れ、そのまとまり感が高湿度下においても持続する効果に優れ、併せて、洗髪時の洗い落とし性(洗髪性)や毛髪補修効果も有する毛髪化粧料を提供すること。
【解決手段】 次の成分(A)〜(C);(A)特定の式で表される含フッ素単量体(a1)及び別の特定の式で表されるアルコキシ基含有単量体を必須に含む単量体(a2)を必須に含む単量体を共重合して得られる含フッ素共重合体、(B)ジメチコノール、(C)毛髪補修成分を配合する毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の構造を有する含フッ素共重合体と、ジメチコノールと、毛髪補修成分とを含有する毛髪化粧料に関するものであり、更に詳しくは、良好な使用感で毛髪のまとまり感に優れ、そのまとまり感が高湿度下においても持続する効果が非常に高く、併せて、洗髪時の洗い落とし性(洗髪性)、ダメージヘアの補修効果にも優れる毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、毛髪化粧料には、求める使用感や目的、効果に応じて様々な成分が配合されてきた。(例えば、非特許文献1参照)
毛髪化粧料に、滑らかさやしなやかさなどの使用感やトリートメント感を求める場合には、例えば、各種油剤、シリコーン油、カチオン性界面活性剤等が用いられており、カラーリングやパーマ、紫外線などによるヘアダメージの補修改善には、ステロール類やアミノ酸等が用いられている。(例えば、特許文献1〜5参照)
シリコーン油の中でも、よりべたつきのない滑らかさを出すために、ジメチコノールが用いられる場合もあった。(例えば、特許文献6、7参照)
【非特許文献1】「新化粧品学」1版3刷、発行者:南山堂、第430〜439頁
【特許文献1】特開2001−139437号公報
【特許文献2】特開2009−67733号公報
【特許文献3】特開2000−273026号公報
【特許文献4】特開2004−35457号公報
【特許文献5】特開2005−298447号公報
【特許文献6】特開2008−189639号公報
【特許文献7】特開2009−161508号公報
【0003】
また、毛髪化粧料には、ハードワックスのような強い整髪力でなく、自然な仕上がりで、適度な毛髪のまとまり感が求められる場合がある。しかしながら、霧雨の日や梅雨時など湿気の多い状態では、毛髪の特性上、どうしてもうねりや広がりが生じてしまい、毛髪のまとまり感を持続させることは困難であった。特に、パーマやヘアカラーを施術した毛髪は、毛髪表面のキューティクルが剥がれたり、毛髪内部まで損傷して空洞化していたりするため、空気中の水分を吸収しやすく、そのため、より強く毛髪のクセが出やすく、うねりや広がりがひどくなりがちで、まとまり感が得難く、まとまり感のあるヘアスタイルを持続することも難しかった。また、逆に、毛髪補修成分は摩擦や洗髪等により毛髪内部に留めておき難く、毛髪の補修に必ずしも有効に作用しない場合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
毛髪にまとまり感を出し、持続させる方法としては、被膜形成性の高分子や、固形油、シリコーン油等の油剤を用いる方法等がある。
被膜形成性の高分子を用いる方法は、毛髪表面に極薄い被膜が形成されるので、ある程度耐湿性を持たせることができ、毛髪の広がりは防ぐことができるものの、被膜形成性高分子特有の硬い被膜が形成されるので毛髪がごわつき、しなやかで適度なまとまり感を出すのには不向きな場合があった。
固形油を用いて、まとまり感やその持続性を出す為には、ある程度以上配合する必要があり、多量に配合すると、どうしてもべたつきなどが生じて、良好な使用感が得られない場合があった。
また、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油を用いた場合、使用開始当初は毛髪表面がきれいにコーティングされ、滑らかでサラサラとした感触になるものの、使用回数が増えるにつれ、洗髪してもシリコーンの被膜が落とし切れないで毛髪表面に残る場合があり、これが繰り返されることで落としきれないシリコーンの被膜の上にまたシリコーンの被膜が形成され、次第に毛髪表面が硬く滑らかさがなくなったり、きしみ感を感じたりするようになる場合があった。
従って、べたつきやごわつきがなく、滑らかでしっとりした良好な使用感で、仕上がりのまとまり感に優れ、そのまとまり感が損なわれ易い高湿度下においても持続し、毛髪の広がりやうねりを抑える効果に優れる毛髪化粧料の開発が望まれており、併せて、ごわつき等の原因ともなる成分等の洗い落とし性(洗髪性)やダメージヘアの修復効果にも優れる毛髪化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の含フッ素共重合体と、ジメチコノールと、毛髪補修成分とを併用し、毛髪に適用することにより、良好な使用感で、毛髪のまとまり感に優れ、高湿度下においても髪の広がりやうねりを抑えることができ、まとまり感のあるヘアスタイルを持続する効果に優れることを見出し、また更に、ごわつき等の原因となる成分等の洗い落とし易さ(洗髪性)や、ダメージヘアの修復効果にも優れ、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)下記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a1)と、下記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(a2)とを必須に含む単量体を共重合して得られる含フッ素共重合体
CH=C(−X)−CO−Y−[−(CH−Z−]−(CH−Rf
・・・・・(1)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
CH=C(R)−COO−(RO)−R ・・・・(2)
[式中、Rは、水素原子又はメチル基であり;Rは、水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基であり;qは、1〜50の整数である。]
(B)ジメチコノール
(C)毛髪補修成分
を配合することを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0007】
また、成分(C)の毛髪補修成分が、アミノ酸及びアミノ酸誘導体、ペプタイド類、ステロール類、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性モノマーとの共重合体から選ばれる、一種又は二種以上であることを特徴とする前記毛髪化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の毛髪化粧料は、べたつきやごわつきがなく、滑らかでしっとりした良好な使用感で、毛髪のまとまり感に優れる。また、耐湿性に優れ、湿気の多い高湿度下にいても髪の広がりやうねりを抑えることができ、まとまり感のあるヘアスタイルを持続する効果に優れる。
更に、耐湿性に優れる一方で、大量の水を毛髪に曝すことになる洗髪時には、シリコーンや被膜形成性の高分子等、連用するうちにごわつき等の原因となることもある成分を蓄積することなく洗い落とすことのできる優れた洗髪性も有し、さらにまた、毛髪補修成分を毛髪表面に形成される塗膜の内側に一定時間閉じ込めて有効に作用させることができるため、ダメージヘアを補修する効果にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の毛髪化粧料に用いられる成分(A)の含フッ素共重合体は、下記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a1)と、下記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(a2)とを必須に含む単量体を共重合して得られるものである。
【0010】
含フッ素単量体(a1)は、下記一般式(1)で表される。
【0011】
CH=C(−X)−CO−Y−[−(CH−Z−]−(CH−Rf
・・・・(1)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
【0012】
アルコキシ基含有単量体(a2)は、下記一般式(2)で表わされる。
CH=C(R)−COO−(RO)−R ・・・・(2)
[式中、Rは、水素原子又はメチル基であり;Rは、水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基であり;qは、1〜50の整数である。]
【0013】
上記一般式(1)において、pが0であることが好ましい。Xの好ましい例は水素原子である。
【0014】
上記一般式(1)において、Rfは一般にはパ−フルオロアルキル基および/または部分的にフッ素化されたフルオロアルキル基を表し、パ−フルオロアルキル基であることが好ましい。Rfのアルキル基の炭素数は1〜6であり、4、5または6が好ましく、特に6が好ましい。Rfの例は、−CF、−CFCF、−CFCFCF、CF(CF、−CFCFCFCF、−CFCF(CF、−C(CF、−(CFCF、−(CFCF(CF、−CFC(CF、−CF(CF)CFCFCF、−(CFCF等が挙げられる。
【0015】
(a1)の含フッ素単量体は単独で使用することはもちろんのこと、二種以上を混合して用いてもよい。
【0016】
含フッ素単量体(a1)としては、例えば、次のものが挙げられる。
CH=C(−X)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−X)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−X)−COO−(CH−Rf
CH=C(−X)−CO−NH−(CH−Rf
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
【0017】
上記一般式(1)のさらに具体的な例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
CH=C(−H)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−Rf
CH=C(−H)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−H)−COO−CHCHN(C)SO−Rf
CH=C(−H)−COO−CHCHN(CH)SO−Rf
CH=C(−H)−COO−CHCH(OCOCH)SO−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CH)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COOCHCHN(C)SO−Rf
CH=C(−CH)−COOCHCHN(CH)SO−Rf
CH=C(−CH)−COOCHCH(OCOCH)CH−Rf
【0018】
CH=C(−F)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−Rf
CH=C(−F)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−CO−NH−(CH−Rf
【0019】
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CF)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CN)−CO−NH−(CH−Rf
【0020】
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−Rf
CH=C(−F)−CO−NH−(CH−Rf
【0021】
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
【0022】
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
[上記式中、Rfは、1〜6のフルオロアルキル基である。]
【0023】
これらのうち、特に
CH=C(−H)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−Rf
が好ましい。
【0024】
アルコキシ基含有単量体(a2)は、非フッ素単量体であり、下記一般式(2)で表される化合物(アルキレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト)である。
CH=C(R)−COO−(RO)−R ・・・・(2)
[式中、Rは、水素原子又はメチル基であり;Rは、水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基であり;qは、1〜50の整数である。]
【0025】
一般式(2)において、Rは水素原子が好ましい。
また、qは1〜30が好ましく、より好ましくは2〜10であり、特に2〜5であることが好ましい。
【0026】
さらにまた、一般式(2)において、Rは、エチレン又はプロピレンが好ましく、特にエチレンであることが好ましい。一般式(2)中のRは一種または二種類以上のアルキレンの組み合わせであっても良い。その場合、少なくともRの一つはエチレンであることが好ましい。Rの組合せとしては、例えば、エチレン基/プロピレン基の組合せ、エチレン基/ブチレン基の組合せが挙げられる。
【0027】
アルコキシ基含有単量体(a2)は、二種類以上の混合物であっても良い。
【0028】
アルコキシ基含有単量体(a2)の具体例は、例えば以下のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
CH=C(R)COO−(CHCHO)−R
(以下、「CHCHO」を「CO」と記載する場合がある)
CH=C(R)COO−(CHCH(CH)O)−R
CH=C(R)COO−(CHCHO)q’−(CHCH(CH)O)q”−R
[式中、q’+q”=q]
【0029】
さらにより具体的な例としては、以下のもの等が挙げられる。
CH=C(H)COO−CHCHO−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)30−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)23−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)50−H
CH=C(CH)COO−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CHCHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CO)−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CO)−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(H)COO−(CO)−(CHCH(CH)O)−CH
【0030】
これらのうち、特に
CH=C(H)COO−CHCHO−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(CH)COO−CHCHO−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)−H
が好ましい。
【0031】
本発明の含フッ素共重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a1)と、上記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(a2)と、他の共重合可能な単量体(a3)とを共重合して得られる共重合体であってもよい。
【0032】
他の共重合可能な単量体(a3)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリル酸アミドメチルプロパンスルホン酸、アクリル酸アシッドホスホアキシアルキル等の重合性酸、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル等の重合性エステル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等の重合性ビニル誘導体、シリコーンマクロマー、ポリアクリルマクロモノマー、ポリエステルマクロモノマー、ポリアミドマクロモノマー、ポリオキシアルキレンマクロモノマー等の重合性マクロモノマーや、重合性糖、スチレン等を挙げることができる。
【0033】
また、他の共重合可能な単量体(a3)としては、さらに架橋性単量体を含んでもよい。
架橋性単量体は、少なくとも2つの反応性基および/または炭素−炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない化合物とすることができる。架橋性単量体は、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する化合物、あるいは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物とすることができる。反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックドイソシアネ−ト、カルボキシル基などである。本発明においては、アミノ基を有する単量体を使用しない。
架橋性単量体を含有すると、水溶性が上がり、洗髪時の洗い流し易さも良好なものとなり好ましい。
【0034】
架橋性単量体は非フッ素架橋性単量体であることが好ましく、ジ(メタ)アクリレ−トであることがより好ましい。
【0035】
架橋性単量体は、一般式:
【0036】
CH=C(R)−COO−(RO)−CO−C(R)=CH…(3)
【0037】
[式中、それぞれのRは、水素原子またはメチル基であり;Rは、水素原子の一部または全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルキレン基であり;sは、1〜50の整数である。]
で示される化合物(アルキレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト)であることが特に好ましい。
なお、Rの炭素数は、2〜10、例えば2〜6、特に2〜4であることが好ましく、Rが、エチレン基であることが好ましい。
【0038】
本発明の含フッ素共重合体(A)を構成する各モノマ−の分子量やモル比をコントロ−ルすることで、溶解性や粘稠性を調整できる。本発明の含フッ素共重合体(A)の重量平均分子量は、1000〜1000000程度、好ましくは5000〜500000程度とすることができる。
1000未満であると被膜形成能が弱くポリマ−としての特性が十分に発揮されない場合があり、1000000より大きいと粘稠でポリマ−の溶解性が悪くなるばかりか分散性が悪化する場合がある。
なお、この重量平均分子量は、ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−によりポリスチレン換算で求めた値である。
【0039】
本発明の含フッ素共重合体(A)において含フッ素単量体(a1)100質量部に対するアルコキシ基含有単量体(a2)の量は、10〜400質量部、好ましくは25〜150質量部、より好ましくは43〜100質量部である。
(a2)の量が少ないと親水性が得られない場合があり、大きいと撥油性が低下する場合がある。
また、他の共重合可能な単量体(a3)を用いる場合は、その割合は共重合体に対し30質量%未満が好ましい。
特に、架橋性単量体を含有させる場合、架橋性単量体の量は、含フッ素単量体(a1)100質量部に対し、30質量部以下、例えば0.1〜20質量部、特に0.5〜10質量部が好ましい。30質量部より大きいと硬い被膜になり使用感触が悪くなる場合がある。
なお、本発明において使用する含フッ素共重合体(A)の重合方法は、特に限定されず、塊状重合、溶液重合、乳化重合、放射線重合などの種々の方法を選択できる。例えば一般的には有機溶剤を用いた溶液重合や、水又は有機溶剤と水を併用する乳化重合が選定される。さらに一般的には、重合後に水で希釈したり、乳化剤を加えて水に乳化することで処理液に調製し、化粧料、外用医薬品等に配合される。
具体的には、例えば、特開2000−290640号公報やWO2009/142047号パンフレットの共重合体の製造例として開示される方法で製造可能であるがこれに限定されるものではない。
【0040】
本発明の毛髪化粧料における成分(A)の含フッ素共重合体は、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、特に限定はされないが、0.01〜20質量%(以下、単に「%」と略す)が好ましく、0.1〜10%がより好ましい。
成分(A)をこの範囲で配合すると、製剤時には水やエタノールへの溶解性、分散性に優れ、ハンドリングを良好なものとし、毛髪に適用した場合には、高湿度下でも毛髪のまとまり感の持続性に優れると共に、洗髪性にも優れ、また、毛髪補修を効果的に促すことができる。
より詳細に説明すると、製剤時及び洗髪時には、本共重合体はアルコキシ基を含有することから、水やエタノールへの溶解性、分散性に優れ、製剤上のハンドリングを良好なものとし、洗髪時には、連用するうちに毛髪表面の硬化やごわつき、滑らかさの低減、きしみ感につながることもあるシリコーン油や被膜形成性の高分子等を速やかにきれいに洗い落とすよう作用する。
一方、毛髪に化粧料として塗布している際は、本共重合体のフッ素含有に起因する密閉性、耐湿性を有する塗膜が毛髪表面に形成されるため、霧雨や梅雨時等の高湿度下においても、毛髪の外側からの水分は取り込まないようにでき、髪が広がったりうねったりすることなく、まとまり感のあるヘアスタイルが保たれると共に、塗膜の内側においては成分(C)の毛髪補修成分等の成分を留めることができるため、これら有効成分を効果的に作用させるよう働く。
【0041】
本発明の毛髪化粧料に用いられる成分(B)のジメチコノールは、ジメチルポリシロキサンの末端を水酸基で置換したものである。
成分(B)としては、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されないが、25℃における粘度が1万mPa・s以上、かつ、500万mPa・s以下であることが好ましく、一種又はニ種以上を組み合わせて用いることができる。また、成分(B)は、成分(B)以外のシリコーン、エステル油、炭化水素油などで希釈して配合してもよい。
また、市販品として、XF49−C2497(ジメチコノール35%含有:モメンティブ社製)、XF49−C2070(ジメチコノール20%含有:モメンティブ社製、1501Fluid(ジメチコノール15%含有:東レ・ダウコーニング社製)、1503Fluid(ジメチコノール12%含有:東レ・ダウコーニング社製)等を用いることも可能である。
【0042】
本発明における成分(B)は、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、特に限定はされないが、0.01〜20%が好ましく、特に優れた使用感を得るには、0.1〜10%がより好ましい。成分(B)をこの範囲で配合すると、ごわつきのない滑らかでしっとりした仕上がりと毛髪のまとまり感に優れたものが得られる。また、成分(A)の働きを助け、耐湿性をより向上させ、後述する毛髪補修成分である成分(C)を有効に作用させることができる。
【0043】
本発明の毛髪化粧料に用いられる成分(C)の毛髪補修成分は、毛髪の表面や内部のダメージを受けて損傷した部分に作用し、毛髪を損傷前のハリやコシのある状態に戻す(近づける)効果を有するものである。
成分(C)の毛髪補修成分としては、例えば、アミノ酸及びアミノ酸誘導体、ペプタイド類、ステロール類、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性モノマーとの共重合体などが、好ましいものとして挙げられる。
具体的には、アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アセチルグルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、シトルリン、テアニン、トリメチルグリシン等が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル、ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステイル/デシルテトラデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチルドデシル等が挙げられる。市販品としては、エルデュウPS−203、エルデュウCL−301、エルデュウCL−202、エルデュウPS−304、エルデュウPS−306、エルデュウSL−205、エルデュウAPS−307(いずれも味の素社製)、アミテルLGOD(日本エマルジョン社製)などを使用することができる。
ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物、絹由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。
ステロール類としては、コレステロール、フィトステロール等が挙げられる。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体または、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性モノマーとの共重合体を、更に具体的に例示するならば、MPCの単独重合体として、LIPIDURE−HM、LIPIDURE−HM−500、LIPIDURE−HM−600(いずれも日油社製)、MPCとメタクリル酸ブチルとの共重合体として、LIPIDURE−PMB、LIPIDURE A、LIPIDURE C、LIPIDURE−NA、LIPIDURE−NR、LIPIDURE−S(いずれも日油社製)等の市販品を使用することができる。
これら成分(C)の毛髪補修成分は、一種又は二種以上を適宜選択、組み合わせて配合することができる。
【0044】
本発明における成分(C)の配合量は、特に限定はされないが、0.001〜10%が好ましく、特に優れた補修効果を得るには、0.01〜5%がより好ましい。成分(C)をこの範囲で配合すると、毛髪を補修する効果に優れ、パサツキのない美しい髪にすることができる。特に、本発明においては、上記成分(A)、(B)と併用することで、毛髪表面に形成される密閉性のある塗膜が、成分(C)を毛髪表面だけでなく内部にまで一定時間留めるよう作用するため、毛髪内部からの補修が効果的になされ、その結果、滑らかで、弾力性やハリ、コシ感のある健康で美しい髪にすることができる。
【0045】
本発明の毛髪化粧料には、上記成分(A)〜(C)以外の通常、化粧料に使用される成分、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、ワックス類、成分(B)以外のシリコーン油、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、紫外線吸収剤、水溶性高分子、増粘剤、多価アルコール、糖類、低級アルコール等の水性成分、抗菌剤、防腐剤、pH調整剤、清涼剤、ビタミン類、美容成分、香料、粉体等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0046】
油剤としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等の成分(B)以外のシリコーン等が挙げられる。
【0047】
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤として、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロレンヤシ油脂肪酸モノイソパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
【0048】
水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、セット剤として汎用されるアニオン性高分子としては、例えばアクリル酸・アクリル酸エチル・N−tert−ブチルアクリルアミド共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、ビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等を例示することができる。また両性高分子としては、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体等を例示することができる。カチオン性高分子としては、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体ジエチル硫酸塩、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化グリシジルトリメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体等が例示することができる。非イオン性高分子としては、例えばポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を例示することができる。
【0049】
水性成分としては、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等の低級アルコール等がある。
【0050】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられ、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0051】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0052】
ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0053】
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。
【0054】
本発明の毛髪化粧料の製造方法は、特に限定されず、固形状、クリーム状、乳液状、白濁ローション状等として実施可能であり、ヘアワックス、ヘアクリーム、ヘアミルク、ヘアトリートメント、枝毛コート剤、或いは液化石油ガス(LPG)等の噴射剤を用いてヘアフォーム等として、種々のアウトバスの毛髪化粧料に利用が可能である。
【実施例】
【0055】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0056】
[参考製造例1〜7]:含フッ素共重合体の参考製造例
本発明において使用する含フッ素共重合体の参考製造例を以下に示した。
【0057】
[参考製造例1]
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、含フッ素モノマ−CH=C(H)COO−CHCH13(以下、「C6FA(a1)」と記す)を18.6g、ポリエチレングリコ−ルアクリレ−トCH=C(H)COO−(CHCHO)−H(BLEMMER AE90 日油株式会社製 nの平均値は2.0、 以下、「AE90(a2)」と記す)を11.4gとメチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す)を45g仕込んで、30分間窒素バブリングした。窒素気流下で内温を50〜65℃に昇温後、パ−ブチルPV(以下、「PV」と記す)を0.4g添加し、60〜65℃で6時間反応させた。得られた溶液を減圧条件下にて約70℃でMEKを留去、淡黄色ポリマ−残渣を得た後、精製水を122.4g添加し、内温を約80℃で1時間以上保った後、冷却して固形分濃度が約20%の水分散液を調製した。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて18200であった。
【0058】
[参考製造例2]
参考製造例1におけるAE90をポリエチレングリコ−ルメタアクリレ−トCH=C(CH)COO−(CHCHO)−H(BLEMMER PE350 日油株式会社製 nの平均値は8.0、 以下「PE350(a2)」と記す)に置き換えて参考製造例1と同様の重合反応を行い、固形分濃度が約20%の水分散液を調製した。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて16400であった。
【0059】
[参考製造例3]
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、C6FA(a1)を18.6g、AE90(a2)を5.7g、ポリエチレングリコ−ルアクリレ−トCH=C(H)COO−(CHCHO)−H(BLEMMER AE200 日油株式会社製 nの平均値は4.5、 以下、「AE200(a2)」と記す)を5.7gとMEKを仕込んで、参考製造例1と同様の重合反応を行い、固形分濃度が約20%の水分散液を調製した。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて15500であった。
【0060】
[参考製造例4]
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、C6FA(a1)を18.6g、PE350(a2)を10.5g、ポリエチレングリコ−ルジアクリレ−トCH=C(H)COO−(CHCHO)−CO−CH=CH(BLEMMER ADE300 日油株式会社製 nの平均値は7.0、 以下、「ADE300(a3)」と記す)を0.9g、イソプロパノ−ル(以下、「IPA」と記す)45.0gを仕込んで、参考製造例1と同様の重合反応を行い、固形分濃度が約20%の水分散液を調製した。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて16400であった。
【0061】
[参考製造例5]
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、C6FA(a1)を18.6g、ヒドロキシエチルアクリレ−ト(東京化成工業社製、以下「HEA(a3)」と記す)を2.5g、AE200(a2)を8.0g、ADE300(a3)を0.9gとIPAを45g仕込んで、30分間窒素バブリングした。窒素気流下で内温を50−65℃に昇温後、PVを0.4g添加し、60〜65℃で6時間反応させた。得られた溶液を減圧条件下にて70℃でIPAを除去し、淡黄色の共重合体を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて16280であった。
この共重合体を精製水で洗浄後、IPAを添加し、固形分濃度30%の溶液を調製した。
【0062】
[参考製造例6]
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、C6FA(a1)を18.6g、HEA(a3)を2.5g、AE90(a2)を8.0g、ADE300(a3)を0.9gとIPAを45g仕込んで、参考製造例5と同様の重合反応を行い、淡黄色の共重合体を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて17900であった。
この共重合体を参考製造例5と同様、精製水で洗浄後、IPAを添加し、固形分濃度30%の溶液を調製した。
【0063】
[参考製造例7]
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、C6FA(a1)を18.6g、HEAを3.5g、AE200(a2)を7.2g、ADE300(a3)を0.7gとIPAを45g仕込んで、参考製造例5と同様の重合反応を行い、淡黄色の共重合体を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて17200であった。
この共重合体を参考製造例5と同様、精製水で洗浄後、IPAを添加し、固形分濃度40%のIPA溶液を調製した。
【実施例1】
【0064】
実施例1(本発明品1〜7及び比較品1〜7):ヘアミルク
下記表1、2に示すヘアミルクを下記製造方法により調製し、(イ)しっとりした滑らかさ、(ロ)まとまり感、(ハ)まとまり感の持続性、(ニ)洗髪性、(ホ)耐湿性、(ニ)毛髪補修効果(弾力性)の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1、2に示した。
尚、以下の実施例の処方において、本発明の成分(A)の含フッ素共重合体の参考製造例は、全て純分量で記載している。
【0065】
【表1】

【0066】
【表2】

【0067】
(製造方法)
A:成分1〜9を80℃に加熱し、混合する。
B:成分10〜13を80℃に加熱し、混合する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分14〜21を順次添加し、均一混合して、ヘアミルクを得た。
【0068】
〔評価項目(イ)〜(ハ)及び(ニ)の評価方法〕
化粧品評価専門パネル10名に、前日から一昼夜雨が降り続いている雨天の日の朝(高湿度下)、本発明品及び比較品のヘアミルクを乾いた髪に使用してもらい、(イ)しっとりした滑らかさ、(ロ)まとまり感、及び(ハ)まとまり感の持続性、(ニ)洗髪性の各項目について、各自が以下の評価基準(I)に従って5段階に官能評価し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準(II)に従って判定した。
(イ)しっとりした滑らかさ、(ロ)まとまり感は、本発明品及び比較品のヘアミルクを、乾いた髪に塗布した際の仕上がりの感触や外観を評価し、(ハ)まとまり感の持続性は、塗布後3時間経過後の毛髪のまとまり感を感触及び外観で評価してもらった。
(ニ)の洗髪性については、塗布した日の夜、下記参考調製例のシャンプーAで洗髪する際の本発明品及び比較品のヘアミルクの落とし易さ及び洗い残しのなさを(イ)〜(ハ)と同様に評価、判定した。
【0069】
評価基準(I)
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準(II)
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0070】
〔(ホ)耐湿性の評価方法〕
ヘアブリーチ処理し、ダメージを加えたアジア人の毛髪の毛束(長さ10cm、1g)を下記参考調製例のシャンプーAで洗髪し、同じく下記参考調製例のリンスBを塗布してすすいだ後、タオルドライし、それに、表1、2のヘアミルク0.3gを塗布した後、更にドライヤーで乾燥させ評価用毛束を作製した。この毛束を40℃、湿度90%の恒温恒湿槽に90分間静置した。
評価用毛束作製直後と、上記恒温恒湿槽に90分間静置後の毛束の先端側(結束していない側)の最も広がっている部分の幅をそれぞれ測定し、作製直後に対する90分後の毛束の幅の変化率を(ホ)耐湿性として、下記判定基準(III)を用いて判定、評価した。
【0071】
判定基準(III)
[評価] :[判定]
毛束の幅の変化率 +5%未満 : ◎
毛束の幅の変化率 +5%以上10%未満 : ○
毛束の幅の変化率 +10%以上20%未満 : △
毛束の幅の変化率 +20%以上 :×
【0072】
〔(ヘ)毛髪補修効果(弾力性)の評価方法〕
上記(ホ)の耐湿性の評価同様、ヘアブリーチ処理し、ダメージを加えたアジア人の毛髪の毛束(長さ10cm、1g)を下記参考調製例のシャンプーAで洗髪し、リンスBを塗布してすすいだ後、タオルドライし、それに、表1、2のヘアミルク0.2gを塗布した後、更にドライヤーで乾燥させる工程を1日1回、5日間繰り返した。
この毛束から中央部を長さ5cm、10本ずつ取って評価用毛束を作製した。
更に、この毛束を曲げた時の応力荷重値を毛髪弾力測定機(特開2000−321186号公報参照)で測定し、ヘアミルクを塗布しない毛束の応力荷重値と比較した場合の荷重値の変化率により、毛髪補修効果(弾力性)を以下の判定基準(IV)を用いて判定した。
【0073】
判定基準(IV)
[評価] :[判定]
荷重値の変化率 +20%以上 : ◎
荷重値の変化率 +10%以上20%未満: ○
荷重値の変化率 +5%以上10%未満 : △
荷重値の変化率 +5%未満 : ×
【0074】
参考調製例:シャンプーA
下記処方及び製法でシャンプーAを調製した。
(成分) (%)
1.テトラデセンスルホン酸ナトリウム 10
2.ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 6
3.ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 4
4.ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン 3
5.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 6
6.1,3−ブチレングリコール 2
7.カチオン化グァーガム 1
8.エデト酸二ナトリウム 0.2
9.防腐剤 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 残量
(製法)
成分1〜11を70℃で均一に加熱混合し、後に冷却する。
【0075】
参考調製例:リンスB
下記処方及び製法でリンスを調製した。
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 5
2.ミリスチン酸イソプロピル 2
3.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2
4.プロピレングリコール 5
5.ヒドロキシエチルセルロース 0.5
6.防腐剤 0.1
7.香料 0.1
8.精製水 残量
(製法)
成分1、2を70℃で均一に加熱混合し、加熱溶解した成分3〜6、8に添加し、乳化する。冷却後、成分7を添加する。
【0076】
表1、2の結果から明らかなように、本発明品1〜7のヘアミルクは、比較品1〜7に比べ、成分(A)〜(C)を併用することで、各成分の特性が十二分に発揮されるため、いずれもごわつきがなく、滑らかでしっとりした仕上がりで、まとまり感、まとまり感の持続性、洗髪性、耐湿性、毛髪補修効果(弾力性)にも優れた良好なものであった。
一方、成分(A)を配合せず、代わりにヘアセット剤として汎用の被膜形成性高分子を配合した比較品1は、まとまり感はあり、まとまり感の持続性もある程度は得られるものの、毛髪(毛束)表面に硬い被膜が形成され、ごわついて、しっとりした滑らかさに劣り、(ヘ)の弾力性の評価の割にダメージが修復されたという感触のあまりしないものであった。これは、おそらく、(ヘ)の弾力性の評価として測定した毛束を曲げた時の応力荷重値が、毛束表面に形成された被膜の硬さゆえに高い値を示しただけで、毛髪のダメージが根本的に修復された結果の反映ではないからだと考えられる。また、洗髪性が非常に悪く、ヘアミルクの塗膜が十分に洗い落とせていない感じが残るものであった。
また、被膜形成性の高分子を比較品1より減らした比較品2においても、まだ、被膜に硬さがあり、しっとりした滑らかさがなく、洗髪性にも劣り、まとまり感の持続性は低下した。
更にまた、成分(A)を配合しない代わりに、成分(B)、(C)の配合量を増やした比較品3は、しっとりした滑らかさやまとまり感は得られるものの、成分(A)を配合していないのでこれの特性に起因する、まとまり感の持続性、耐湿性に欠け、高湿度下においては毛束が広がってしまい、また、反面、洗い落とせていない感じの残る、洗髪性に劣るものであった。
成分(B)を配合せず、代わりに高粘度のジメチコンを配合した比較品4は、耐湿性やまとまり感の持続性はあるものの、元々、仕上がり時のまとまり感に劣るもので、また、洗髪性も著しく悪く、ヘアミルクが洗い落とし切れていない感じが残り、(ヘ)の弾力性の評価の割に毛髪の修復効果を感じないものであった。
更に、成分(B)を配合しない代わりに、成分(A)、(C)の配合量を増やした比較品5は、耐湿性や洗髪性は良いものの、しっとりした滑らかさに欠け、まとまり感に劣るものであった。
また、成分(C)の毛髪補修成分の代わりにカチオン化セルロースを配合した比較品6は、毛束の表面が硬く、しなやかさや毛髪補修効果に劣り、成分(C)を配合せず、成分(A)、(B)の配合量を増やした比較品7では、毛髪にハリやコシ、ツヤが感じられず、ダメージを受けた毛髪の補修効果が低いものであった。
【実施例2】
【0077】
実施例2:白濁ヘアローション
(成分) (%)
1.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウム
メトサルフェート 1
2.ジメチコノール(1万mPa・s) 0.5
3.塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2
4.プロピレングリコール 5
5.クレアチン 0.2
6.L−プロリン 0.2
7.クレアチニン 0.2
8.アセチルグルタミン酸 0.2
9.L−セリン 0.2
10.L−アルギニン 0.1
11.テアニン 0.1
12.アスパラギン酸 0.1
13.アセチルシステイン 0.1
14.トリメチルグリシン 0.4
15.バリン 0.1
16.アラニン 0.1
17.グルタミン 0.1
18.ヒドロキシプロリン 0.1
19.グリセリン 5
20.ジプロピレングリコール 5
21.参考製造例3の含フッ素共重合体 2
22.参考製造例5の含フッ素共重合体 2
23.参考製造例7の含フッ素共重合体 2
24.エタノール 15
25.香料 0.5
26.精製水 残量
【0078】
(製造方法)
A:成分1〜26を均一に混合溶解して、白濁ヘアローションを得た。
【0079】
実施例2の白濁ヘアローションを実施例1と同様に評価したところ、しっとりした滑らかな使用感で、仕上がりのまとまり感に優れ、耐湿性が高く、まとまり感の持続性に大変優れるものであった。また、洗髪時の洗い落とし性(洗髪性)、毛髪補修効果(弾力性)も併せ持つ優れたものであった。
【実施例3】
【0080】
実施例3:ヘアミルク
(成分) (%)
1.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.5
2.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
3.セトステアリルアルコール 2
4.ベヘニルアルコール 1
5.トリエチルヘキサノイン 3
6.パルミチン酸オクチル 1
7.パルミチン酸セチル 1
8.メチルフェニルポリシロキサン 0.5
9.オクチルドデカノール 0.5
10.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル
・2−オクチルドデシル)(注1) 0.5
11.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベ
ヘニル・オクチルドデシル)(注2) 0.5
12.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチルドデシル
(注3) 0.5
13.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル
・ベヘニル・2−オクチルドデシル)(注4) 0.5
14.N−ラウロイルサルコシンイソプロピル(注5) 0.5
15.ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステイル/
デシルテトラデシル)(注6) 0.5
16.ジメチコノール(10万mPa・s) 5
17.エタノール 2
18.香料 0.3
19.参考製造例2の含フッ素共重合体 1
20.参考製造例6の含フッ素共重合体 1
21.1,2−ペンタンジオール 5
22.フェノキシエタノール 0.5
23.精製水 残量
(注1)エルデュウPS−203(味の素社製)
(注2)エルデュウCL−301(味の素社製)
(注3)アミテルLGOD(日本エマルジョン社製)
(注4)エルデュウPS−304(味の素社製)
(注5)エルデュウSL−205(味の素社製)
(注6)エルデュウAPS−307(味の素社製)
【0081】
(製造方法)
A:成分1〜16を80℃に加熱し、混合する。
B:成分21〜23を80℃に加熱し、混合する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分17〜20を順次添加し、均一混合して、ヘアミルクを得た。
【0082】
実施例3のヘアミルクについて、実施例1と同様に評価したところ、しっとりした滑らかさ、まとまり感、まとまり感の持続性、洗髪性、耐湿性、毛髪補修効果(弾力性)のいずれの項目も優れていた。
【実施例4】
【0083】
実施例4:ヘアクリーム
(成分) (%)
1.N−ステアロイル−L−グルタミン酸 0.7
2.ジプロピレングリコール 5
3.メチルパラベン 0.1
4.1,3−ブチレングリコール 5
5.ベヘニルアルコール 0.3
6.ミリスチルアルコール 0.2
7.ミツロウ 1
8.コレステロール 0.5
9.フィトステロール 0.5
10.ジメチコン(100mPa・s) 0.5
11.ジメチコノール(6万mPa・s) 10
12.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.5
13.参考製造例4の含フッ素共重合体 4
14.参考製造例5の含フッ素共重合体 6
15.加水分解小麦ペプチド 1
16.加水分解シルク 1
17.魚由来コラーゲン 0.5
18.加水分解コンキオリン 0.5
19.加水分解ダイズペプチド 0.5
20.加水分解ケラチン 0.5
21.加水分解エラスチン 0.1
22.加水分解イカスミエキス 0.1
23.加水分解コラーゲン 0.1
24.香料 0.1
25.モノエタノールアミン 0.3
26.精製水 残量
【0084】
(製造方法)
A:成分1〜12を80℃に加熱し、混合する。
B:成分25〜26を80℃に加熱し、混合する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分13〜24を順次添加し、均一混合して、ヘアクリームを得た。
【0085】
実施例4のヘアクリームを、実施例1と同様に評価したところ、べたつきがなくしっとりした滑らかな使用感で、仕上がりのまとまり感に優れ、耐湿性が高く、まとまり感の持続性に大変優れるものであった。また、洗髪性、毛髪補修効果(弾力性)も併せ持つ優れたものであった。
【実施例5】
【0086】
実施例5:泡沫状ヘアトリートメント
エアゾール原液処方
(成分) (%)
1.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
2.ジメチコノール(500万mPa・s) 1
3.ジメチコノール(100万mPa・s) 2
4.オレイン酸フィトステリル 0.5
5.1,3−ブチレングリコール 5
6.参考製造例4の含フッ素共重合体 2
7.参考製造例7の含フッ素共重合体 1
8.ポリクオタニウム−51(注7) 0.3
9.ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
(注8) 0.7
10.ポリクオタニウム−65(注9) 0.4
11.ポリクオタニウム−64(注10) 0.6
12.ポリクオタニウム−61(注11) 0.4
13.香料 0.1
14.メチルパラベン 0.3
15.精製水 残量
(注7)LIPIDURE−PMB(日油社製)
(注8)LIPIDURE−HM−600(日油社製)
(注9)LIPIDURE A(日油社製)
(注10)LIPIDURE C(日油社製)
(注11)LIPIDURE−NR(日油社製)
【0087】
(製造方法)
A:成分1〜15を均一に混合溶解して、エアゾール原液を得た。
B:Aのエアゾール原液と噴射剤(液化石油ガス)の質量比が97:3になるようにエアゾール缶に充填し、泡沫状ヘアトリートメントを得た。
【0088】
実施例5の泡沫状ヘアトリートメントを、実施例1と同様に評価したところ、しっとりした滑らかさ、まとまり感、まとまり感の持続性、洗髪性、耐湿性、毛髪補修効果(弾力性)のいずれの項目も優れていた。
以 上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分 (A)〜(C);
(A)下記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a1)と、下記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(a2)とを必須に含む単量体を共重合して得られる含フッ素共重合体
CH=C(−X)−CO−Y−[−(CH−Z−]−(CH−Rf
・・・・(1)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
CH=C(R)−COO−(RO)−R ・・・・(2)
[式中、Rは、水素原子又はメチル基であり;Rは、水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基であり;qは、1〜50の整数である。]
(B)ジメチコノール
(C)毛髪補修成分
を配合することを特徴とする毛髪化粧料。
【請求項2】
成分(C)の毛髪補修成分が、アミノ酸及びアミノ酸誘導体、ペプタイド類、ステロール類、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性モノマーとの共重合体から選ばれる、一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2011−195554(P2011−195554A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67318(P2010−67318)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】