毛髪化粧料

【課題】 伸びがよく毛髪への塗布が容易で、乾燥時にも指通りがよく、毛髪に艶とうるおいを与え、毛髪に適度なボリューム感を与える毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】 (A)下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体、
Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)

(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、EOとBOはブロック状に結合している。aは1〜50、kは1〜50で、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部)
(B)シリコーン又はシリコーン誘導体、及び
(C)分岐を有する炭化水素、を含有し、
毛髪化粧料全量に対し(A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が0.1〜10質量%、(C)成分の含有量が0.5〜50質量%である、毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘアミルク、ヘアエッセンス、ヘアワックス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアリンス等の毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、良好な伸びにより毛髪への塗布が容易であり、傷んだ毛髪に対して乾燥時にも良好な指通りを保ち、毛髪に艶とうるおいを与え、毛髪に適度なボリューム感を与える毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より毛髪化粧料においては、毛髪の指通りを良くし、艶を付与し、まとまりのある髪に仕上げる等の性能が求められている。そのため、炭化水素油、エステル油、シリコーン等の油性成分が毛髪化粧料に配合されている。中でも、シリコーンは表面張力が低く、潤滑性に優れるため、毛髪に塗布した場合、薄く均一に伸展し毛髪の指通りを向上させることから、毛髪化粧料に広く用いられている。
しかし、シリコーンは毛髪の指通りを向上させる一方で、髪のボリュームを低下させる傾向にある。また、加齢に伴う老化や現代社会生活における日常的なストレスから、毛周期の乱れ、毛髪量の減少、毛髪径の縮小によって、髪にボリュームがなくなるという悩みを抱えている消費者は多い。そこで、特許文献1においては、不溶性粉体とシリコーンを組み合わせた毛髪化粧料が提案されている。しかしながら、上記の毛髪化粧料は、毛髪に十分に艶を与えるものではなかった。
【0003】
一方、近年では染毛やパーマネントウェーブが一般的となり、毛髪に対してヘアカラー、ブリーチ等の脱色処理やパーマネントウェーブ等の酸化還元処理を行う機会が増えている。脱色又は酸化還元処理された毛髪では細胞間脂質や蛋白質が酸化・変性し、シャンプー等の洗髪時に徐々に流出し、キューティクルが部分的に剥離し、毛髪の一部表面の親水性が高くなる。その結果、乾燥時には毛髪同士の摩擦により帯電し易くなり、感触を著しく損ねることになる。また、親水性が高くなった毛髪にはシリコーンがなじみにくくなり、充分な指通り性が付与されないという問題もあった。
そこで、各種のシリコーン誘導体を応用した毛髪化粧料組成物が提案されている。例えば、特許文献2においては、特定のシリコーン誘導体とα−ヒドロキシ酸及び特定の油剤を組み合わせた毛髪化粧料が、特許文献3においては、シリコーン誘導体と界面活性剤及びポリオール類を組み合わせた毛髪化粧料が提案されている。しかし、上記の毛髪化粧料組成物では切れ毛を防止する、又は、傷んだ毛髪を補修する効果はあるものの、乾燥時にも髪の指通りを保つものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−26242号公報
【特許文献2】特開2007−8884号公報
【特許文献3】特開2008−169182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、良好な伸びにより毛髪への塗布が容易であり、傷んだ毛髪に対して乾燥時にも良好な指通りを保ち、毛髪に艶とうるおいを与え、毛髪に適度なボリューム感を与える毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねたところ、特定のポリアルキレングリコール誘導体とシリコーン化合物、及び分岐を有する炭化水素を組み合わせることにより、上記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は以下に示されるものである。
【0007】
(A)下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体、

Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)

(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6であり、EOはオキシエチレン基であり、BOはオキシブチレン基であり、EOとBOはブロック状に結合している。
aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは1〜50、kは1〜50である。また、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部である。)
(B)シリコーン又はシリコーン誘導体、及び
(C)分岐を有する炭化水素、を含有し、
毛髪化粧料全量に対し(A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が0.1〜10質量%、(C)成分の含有量が0.5〜50質量%である、毛髪化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明の毛髪化粧料は、伸びが良いために毛髪へよくなじみ塗布がし易い。傷んだ毛髪であっても、乾燥後の指通りが良好に保たれ、毛髪に艶とうるおいを与えることができる。また、適度なボリューム感を与えることができるなど、優れた作用効果を奏することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の毛髪化粧料に用いられる(A)成分は、下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体である。
Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)

式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基を示し、多価アルコールとして、水酸基が3個のグリセリン、トリメチロールプロパン、水酸基が4個のジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、メチルグルコシド、水酸基が5個のキシリトール、トリグリセリン、水酸基が6個のソルビトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールが例示される。使用感の問題から、好ましくは、水酸基を4個以上持つ多価アルコールであり、さらに好ましくは、水酸基が4個のジグリセリン、ペンタエリスリトールである。
mは、Zの水酸基の数と同数の3〜6であり、好ましくは4〜6、より好ましくは4である。
EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基を示し、EOとBOはブロック状に結合している。BOは1,2−オキシブチレン基であることが好ましい。
aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは1〜50、好ましくは5〜40であり、kは1〜50、好ましくは5〜40である。また、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部、好ましくは15〜70質量部である。
(A)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一般式(I)で示されるポリアルキレングリコール誘導体は、それ自体公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を3〜6個有する多価アルコールに、アルカリもしくは酸触媒下、エチレンオキシド、及びブチレンオキシドを付加重合させることによって得ることができる。
【0010】
本発明の毛髪化粧料に用いられる(B)成分は、シリコーン又はシリコーン誘導体である。一般的に「シリコーン」とは、シロキサン結合[−Si(R)]−O−]を骨格とし、これに有機の基(R、R)としてメチル基、ビニル基、フェニル基などが結合している有機ケイ素化合物のポリマーオルガノポリシロキサンの総称であるが、本発明においては、化粧料として最も汎用性の高い(R、R)がメチル基であるジメチルポリシロキサンをシリコーンと称す。また、シリコーン誘導体としては、ジメチルポリシロキサン骨格に、アミノ基、アルキル基、ポリエーテル基、カチオン基などを導入した各種変性シリコーンが挙げられる。シリコーン又はシリコーン誘導体の分子量(重合度)については、低分子量のシリコーン油からシリコーングリース、シリコーンゴム、シリコーン樹脂(ケイ素樹脂)といった高分子量のものが使用できるが、本発明においては、乾燥時の毛髪の指通り性や髪に艶を与える効果から、好ましくは平均重合度が500〜10000のシリコーン又はシリコーン誘導体であり、更に好ましくは平均重合度が1000〜5000のシリコーン又はシリコーン誘導体である。
(B)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0011】
本発明の毛髪化粧料に用いられる(C)成分である分岐を有する炭化水素としては、水添ポリイソブテン、スクワラン、スクワレン、プリスタン、イソヘキサデカン、イソドデカン、α―オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。好ましくは、水添ポリイソブテン、スクワランである。これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0012】
(A)成分の含有量は、毛髪化粧料組成物全量中に、0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%である。
0.1質量%未満では、毛髪への塗布時に良好な伸びが得られず、毛髪に十分なうるおいと適度なボリューム感を与えることができない。10質量%を超えると、乾燥時の指通り性が悪くなる。
(B)成分の含有量は、毛髪化粧料組成物全量中に、0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%である。0.1質量%未満では、乾燥時に良好な指通りを保つことができず、毛髪に艶を与え難くなる。10質量%を超えると、毛髪にボリュームを与え難くなる。
(C)成分の含有量は、毛髪化粧料組成物全量中に、0.5〜50質量%、好ましくは1〜30質量%である。0.5質量%未満では、毛髪への塗布時に良好な伸びが得られず、毛髪のうるおいが不十分になる。50質量%を超えると、毛髪にボリュームを与え難くなる。また、(A)成分と(B)成分の合計量に対する(C)成分の質量比率((A)+(B))/(C)は、1/5〜1/1であることが好ましい。1/5未満では、毛髪に適度なボリューム感を与えにくくなる。1を超えると、伸びが悪くなり毛髪への塗布が容易でなくなる。
【0013】
本発明の毛髪化粧料には、化粧料や医薬品に常用されている添加剤を、本発明の毛髪化粧料の性能が損なわれない範囲で適宜配合することが可能である。例えば、低級アルコール、多価アルコール、糖類、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、半極性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、水溶性高分子、脂肪酸、高級アルコール、分岐を有しない炭化水素、エステル油、動植物油、有機又は無機塩類、pH調整剤、殺菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、アミノ酸類、ビタミン類、動植物由来の抽出物、色素、顔料、香料などが挙げられる。
【0014】
本発明の毛髪化粧料は、常法により調製することができる。例えば、水相と油相をそれぞれ80℃前後で別途溶解させ、油相を水そうに加えた後、ホモミキサーを使用して混合し、続いて攪拌しながら40℃前後まで素早く冷却する、といった方法により調製することができる。
【実施例】
【0015】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<(A)成分(ポリアルキレングリコール誘導体)の合成>
水酸基価は、JISK1557 6.4に準じて測定した。
<合成例>
合成例1:ポリオキシブチレン(48モル)ポリオキシエチレン(88モル)ペンタエリスリトールエーテル (化合物1)
ペンタエリスリトール45g、トルエン50g、水酸化カリウム8.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら、110℃にて、滴下装置より、エチレンオキシド1292gを滴下して2時間撹拌した。引き続き、110℃にて1,2−ブチレンオキシド1208gを滴下し、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有するトルエン及び水分を除去するため、115℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、2345gの化合物1を得た。水酸基価は、エチレンオキシド反応後が56.0mgKOH/g、1,2−ブチレンオキシド反応後が30.0mgKOH/gであった。
【0016】
合成例2:ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(60モル)グリセリル(化合物2)
グリセリン31g、水酸化カリウム5.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら、140℃にて滴下装置より、エチレンオキシド885gを滴下して2時間撹拌した。引き続き、140℃にて、1,2−ブチレンオキシド725gを滴下し、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃にて1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、1550gのポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(60モル)グリセリルエーテル(化合物3a)を得た。水酸基価は、エチレンオキシド反応後が62.1mgKOH/g、1,2−ブチレンオキシド反応後が35.0mgKOH/gであった。
本発明者らは、上記合成例1〜2に準じて、下記表1に示す組成のポリアルキレングリコール誘導体を合成した。
なお、表1において、化合物1〜4は、本発明の(A)成分である。化合物5は1,2−ブチレンオキシドの代わりに1,2−オキシプロピレンを使用している点、化合物6は1,2−ブチレンオキシドの代わりに1,2−オキシヘキシレンを使用している点で、本発明の(A)成分と異なる。
【0017】
【表1】

【0018】
実施例1〜8及び比較例1〜4
表3〜4に示す処方に従ってヘアリンスを調し、5項目について下記評価基準による評価を行った。但し、共通添加成分として表2に示す6成分を使用し、クエン酸一水和物によりpHを4.0〜5.0に調整した。
実施例の評価結果を表3、比較例の評価結果を表4に示す。
【0019】
【表2】

【0020】
(1)毛髪への塗布し易さ
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアリンス5gを塗布した時の塗布し易さについて下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を伸びがよく毛髪に塗布し易いヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 伸びがとてもよく、非常に塗布し易いと感じる。
10点 : 伸びがよく、塗布し易いと感じる。
0点 : 伸びが悪く、塗布し難いと感じる。
(2)傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通り性
脱色処理溶液(4.5質量%過酸化水素水/2.5質量%アンモニア水)に向きを揃えた長さ20cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。この操作を合計3回繰り返し、損傷毛とした。各ヘアリンスの10%水溶液に損傷毛を10分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。タオルドライ後、23℃の各恒湿槽(相対湿度20%又は50%)に12時間静置し、それぞれ乾燥処理毛及び非乾燥処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、乾燥処理毛の指通り性について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を傷んだ毛髪に対して乾燥時にも指通り性を保つヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 非乾燥処理毛と同等に指通り性に優れる。
10点 : 非乾燥処理毛より、僅かに指通り性が劣る。
0点 : 非乾燥処理毛より、明らかに指通り性が劣る。
【0021】
(3)毛髪の艶
各ヘアリンスの10%水溶液に長さ10cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。タオルドライ後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、目視により各処理毛の艶について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を毛髪に艶を与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとても艶がある。
10点 : 処理毛にやや艶がある。
0点 : 処理毛に艶がない。
(4)毛髪のうるおい
各ヘアリンスの10%水溶液に長さ10cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。タオルドライ後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、毛髪のうるおい感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪にうるおいを与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとてもうるおいがあり、しっとりしていると感じる。
10点 : 処理毛にややうるおいがあると感じる。
0点 : 処理毛にうるおいがないと感じる。
【0022】
(5)毛髪のボリューム感
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアリンス5gを塗布し洗い流して、タオルドライ後2時間乾燥した後の毛髪のボリューム感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪に適度なボリューム感を与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 毛髪に適度なボリューム感があると感じる。
10点 : 毛髪にややボリューム感があると感じる。
0点 : 毛髪にボリューム感がないと感じる。
【0023】
【表3】

【0024】
【表4】

【0025】
表3に示すとおり、実施例1〜9のヘアリンスは、良好な伸びにより毛髪への塗布が容易であり、傷んだ毛髪に対して乾燥時にも良好な指通りを保ち、毛髪に艶とうるおいを与え、適度なボリューム感を与えた。
これに対し、表4に示すとおり、比較例1〜7のヘアリンスは、良好な性能が得られなかった。すなわち、比較例1は、(A)成分が配合されていないため、伸びが悪くて毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなくボリューム感も十分ではなかった。比較例2は、(A)成分が本発明の範囲を超えて配合されているため、毛髪に塗布し難く、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪かった。比較例3は、(B)成分が配合されていないため、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪く、毛髪に艶がなかった。比較例4は、(C)成分が配合されていないため、毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなかった。比較例5〜6は、(A)成分と異なるポリアルキレングリコール誘導体が配合されているため、伸びが悪く毛髪に塗布し難く、毛髪に適度なボリュームを与えることができなかった。比較例7は、(C)成分の代わりに流動パラフィンが配合されているため、毛髪に塗布し難く、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪かった。
【0026】
実施例10〜15及び比較例8〜12
表6〜7に示すヘアミルクを調製し、5項目について下記評価基準により評価を行った。但し、共通添加成分として表5に示す7成分を使用し、クエン酸一水和物によりpHを4.5〜5.5に調整した。
実施例の評価結果を表5、比較例の評価結果を表6に示す。
【0027】
【表5】

【0028】
(1)毛髪への塗布し易さ
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、頭髪に各ヘアミルク5gを塗布した時の塗布し易さについて下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を伸びがよく毛髪に塗布し易いヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 伸びがとてもよく、非常に塗布し易いと感じる。
10点 : 伸びがよく、塗布し易いと感じる。
0点 : 伸びが悪く、塗布し難いと感じる。
(2)傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通り性
脱色処理溶液(4.5質量%過酸化水素水/2.5質量%アンモニア水)に向きを揃えた長さ20cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。この操作を合計3回繰り返し、損傷毛とした。各ヘアミルク2gを損傷毛に塗布した後、23℃の各恒湿槽(相対湿度20%又は50%)に12時間静置し、それぞれ乾燥処理毛及び非乾燥処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、乾燥処理毛の指通り性について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を傷んだ毛髪に対して乾燥時にも指通り性を保つヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 非乾燥処理毛と同等に指通り性に優れる。
10点 : 非乾燥処理毛より、僅かに指通り性が劣る。
0点 : 非乾燥処理毛より、明らかに指通り性が劣る。
【0029】
(3)毛髪の艶
各ヘアミルク2gを長さ10cmの毛束に塗布した後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、目視により各処理毛の艶について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を毛髪に艶を与えるヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとても艶がある。
10点 : 処理毛にやや艶がある。
0点 : 処理毛に艶がない。
(4)毛髪のうるおい
各ヘアミルク2gを長さ10cmの毛束に塗布した後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、毛髪のうるおい感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪にうるおいを与えるヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとてもうるおいがあり、しっとりしていると感じる。
10点 : 処理毛にややうるおいがあると感じる。
0点 : 処理毛にうるおいがないと感じる。
【0030】
(5)毛髪のハリ・コシ
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、頭髪に各ヘアミルク5gを塗布し、乾燥した時の毛髪のハリ・コシについて下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪にハリ・コシを与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 毛髪にハリ・コシがあると感じる。
10点 : 毛髪にややハリ・コシがあると感じる。
0点 : 毛髪にハリ・コシがなく、ボリューム感がないと感じる。
(6)毛髪のボリューム感
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、頭髪に各ヘアミルク2gを塗布し乾燥した後の毛髪のボリューム感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪に適度なボリューム感を与えるヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 毛髪に適度なボリューム感があると感じる。
10点 : 毛髪にややボリューム感があると感じる。
0点 : 毛髪にボリューム感がないと感じる。
【0031】
【表6】

【0032】
【表7】

【0033】
表6に示すとおり、実施例10〜15のヘアミルクは、良好な伸びにより毛髪への塗布が容易であり、傷んだ毛髪に対して乾燥時にも良好な指通りを保ち、毛髪に艶とうるおいを与え、毛髪に適度なボリューム感を与えた。
これに対し、表7に示すとおり、比較例8〜12のヘアミルクは、充分な性能が得られなかった。比較例8は(A)成分が配合されていないため、伸びが悪く毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなく、ボリューム感も十分ではなかった。比較例9は(A)成分が本発明の範囲を超えて配合されているため、毛髪に塗布し難く、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪かった。比較例10は(B)成分が配合されていないため、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪く、毛髪に艶がなかった。比較例11は(C)が配合されていないため、毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなかった。比較例12は(A)成分と異なるポリアルキレングリコール誘導体が配合されているため、伸びが悪く毛髪に塗布し難く、毛髪に適度なボリュームを与えることができなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体、

Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)

(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6であり、EOはオキシエチレン基であり、BOはオキシブチレン基であり、EOとBOはブロック状に結合している。
aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは1〜50、kは1〜50である。また、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部である。)
(B)シリコーン又はシリコーン誘導体、及び
(C)分岐を有する炭化水素、を含有し、
毛髪化粧料全量に対し(A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が0.1〜10質量%、(C)成分の含有量が0.5〜50質量%である、毛髪化粧料。




















【公開番号】特開2013−95738(P2013−95738A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242554(P2011−242554)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】