説明

毛髪又は睫毛の成長を刺激又は誘発させ、及び/又は抜毛を遅延化するための複素環化合物、及びそれを含有する組成物、及びその用途

本発明は、式(I)の複素環化合物又はその塩の一つを含有する、毛髪又は睫毛を手入れ又はメークアップする組成物に関し:Hyは、カルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4ないし7の原子を有する複素環であり、またハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、NRSOR'、飽和又は不飽和のC-C20アルキル基、飽和又は不飽和の環で、場合によってはヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該環は分離又は縮合していてよく、さらにアルキル基及び環は置換されていてもよく、ここでR、R'、R''及びR'''は、水素、C-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;Gは、O、S、NHを表し;R、R及びRは、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、NRSO'基、C-C20アルキル基、少なくとも一の飽和又は不飽和の環で、場合によってはヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合していてよく、さらにアルキル基は置換されていてもよく、ここでR、R'、R''及びR'''は、水素、C-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
本発明の主題事項は、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させることを意図した組成物における、有効量の複素環化合物、特にフェニルフラン、フェニルチオフェン又はフェニルピロールの使用にある。本発明の他の主題事項は、このような組成物にある。さらに、ケラチン繊維の成長を刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させることを意図した美容処理方法、及び新規の複素環化合物に関する。
本発明が適用されるヒトのケラチン繊維は、特に毛髪、眉毛、睫毛、あごひげ、口ひげ及び陰毛である。特に本発明は、ヒトの毛髪及び/又は睫毛に適用される。
特に本発明は、毛髪又は睫毛の密度を増加させ、及び/又はそれらの外観を改善することを意図した、フェニル基を有する複素環化合物を有効量含有する、毛髪又は睫毛の手入れ又はメークアップをするための組成物に関する。
【0002】
(発明の背景)
毛髪の成長及び再生は、主として毛髪の小胞の活動及びそれらの基質環境によって決まる。それらの活動は周期的で、本質的に3つの段階、つまり発育期、退行期及び休止期を含む。
発育期(活性又は成長期)は、数年間続いてその間に毛髪が伸長するが、その次の非常に短く一時的である退行期は数週間続く。この段階の間に毛髪は変化し、小胞は退化し、その皮膚における着床性は、ますます深くはならないことは明らかである。
数ヶ月続く末期又は休止期は、小胞の休止段階に相当し、最後に毛髪は抜け落ちてしまう。この休止段階の後に、新しい小胞が適所で再生されて、別のサイクルが始まる。
【0003】
毛髪はこのように連続的に再生されており、毛髪をつくる約150000本のうちの約10%が休止していて数カ月で生え替わる。
毛髪の自然な抜毛は、正常な生理状態で、平均して、1日当たり数100本の毛髪であると推定される。この永続的な物理的再生のプロセスは、加齢中に自然に変化を受け;毛髪はより細くなり、それらのサイクルは短くなる。
さらに、種々の原因より、結果として、実質的に、一時的又は最終的に抜毛になる可能性もある。妊娠(分娩後)からの回復中、栄養不良の状態又はアンバランスな食事、又は無気力症又はホルモン機能障害の状態では、毛髪は喪失したり悪影響を受けたりし、同様に更年期障害中又は更年期障害からの回復中のケースにおいてもしかりである。また季節的現象に関連して、毛髪は喪失するか、又は悪影響を受けるおそれもある。
【0004】
またそれは、最初に毛髪の質、次に毛髪の量が費やされて、サイクル頻度が加速されることによる、本質的に毛髪の再生障害である脱毛症の問題である。この結果、連続した成長サイクルにより、毛髪はどんどん細くなり、またどんどん短くなり、徐々に色素脱失されて、この結果、頭髪は徐々に薄くなる。ある領域、特に男性では側頭葉及び前頭葉が影響を受けやすく、女性では、頭頂部に散らばった脱毛症がみられる。
また「脱毛症」なる用語は、その最終的な結末が、部分的又は一般的な永続的な抜毛である、毛髪の小胞の全種類の状態をカバーする。
これは特にアンドロゲン性脱毛症の問題である。かなり多くのケースにおいて、早期の抜毛が、遺伝的に起こりやすい患者で生じており、それは特に男性型(androchronogenetic)脱毛症の問題である。この形態の脱毛症は、特に男性に影響を及ぼす。
【0005】
さらに、ある種の要因、例えばホルモンのアンバランス、生理的ストレス又は栄養失調により、現象が激化するおそれがあることが知られている。
また、炎症の特徴を伴う頭皮のいくつかの皮膚病、例えば乾癬又は脂漏性皮膚炎において、抜毛はかなり増加し、又は結果として小胞のサイクルがかなり崩壊されるおそれがある。
【0006】
脱毛症を抑制又は低減する、特に、毛髪の成長を誘発又は刺激する、又は抜毛を低減させることができる組成物が、化粧品又は製薬産業において、長年探究されている。
この観点において、かなり多様な活性成分、例えば、特許第4139619号及び米国特許第4596812号に開示されている2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン-3-オキシド、すなわち「ミノキシジル」、又はその多数の誘導体、例えば、欧州特許出願第0353123号、同0356271号、同0408442号、同0522964号、同0420707号、同0459890号及び同0519819号に開示されているものを含有する多数の組成物が既に提案されている。
【0007】
臨床的研究では、PGF2α類似体が、ヒト及び動物の体毛及び睫毛を成長させるという特性を有することが示されている(Murray A及びJohnstone M.D., 1997. Am. J. Opht., 124(4), 544-547)。ヒトにおいて頭皮でなされたテストでは、プロスタグランジンE類似体(ビプロストール(viprostol))が毛髪密度を増加させる特性を有していることが示されている(Roenigk HH., 1988, Clinic Dermatol, 6(4), 119-121)。
さらに、国際公開第98/33497号には、ヒトの抜毛に抗することを意図したプロスタグランジン類又はプロスタグランジン誘導体を含有する製薬用組成物が開示されている。A、F2α及びE型のプロスタグランジン類が特に好ましいものとして挙げられる。
しかしながら、プロスタグランジン類は、非常に短い生物学的半減期を有し、オートクリン又はパラクリン方式で作用する分子であり、これは、プロスタグランジン類の代謝が局部的で、変化しやすいことを表している(Narumiya Sら., 1999, Physiol Rev, 79(4), 1193-1226)。
【0008】
よって、ヒトの毛髪密度を維持及び/又は増加させること、毛髪の小胞又はその近傍の皮膚環境の多様な区画におけるPGF2α並びにPGEの内在性蓄積を保持することが重要であることは明らかである。
よい結果を付与するための解決策は、毛髪の成長を促進させる目的で、シクロオキシゲナーゼの誘発剤、及び/又はリポキシゲナーゼの阻害剤である化合物を使用することであり;このような化合物の使用により、他の経路に優先して、プロスタグランジン類の内的合成へ、脂肪酸代謝が指向するという仮説となる。
しかしながら、結果をさらに改善するために、毛髪の成長及び毛髪個々の小胞の活性度の維持に関与するプロスタグランジン類の活性を長引かせることを可能とすることが所望されている。
【0009】
さらに、毛髪の小胞及び表皮のケラチノサイトの分化プログラムが明らかに異なっていることはよく知られている。よって、毛幹のケラチンが、表皮で発現するものとは異なるファミリーを表す(Langbeinら., 2001, J. Biol. Chem. 276:35123-35132)ことが知られており、分化マーカー、例えばケラチンK及びK10は、毛髪の小胞、特に外鞘では発現せず(Lenoirら., 1988, Dev. Biol. 130:610-620)、トリコヒアリン(O'Guinら., 1992, J. Invest. Dermatol. 98:24-32)及びケラチンK6irs(Porterら., 2001, Br. J. Dermatol. 145:558-568)は毛髪の小胞、特に内鞘で発現するが、表皮では発現せず、シクロオキシゲナーゼ1型は表皮では発現するが、毛髪の小胞のケラチノサイトでは発現せず、また真皮乳頭ではしかりである(Michelet.ら., 1997, J. Invest. Dermatol. 108:205-209)。
【0010】
本出願人は、これらのプロスタグランジン類の劣化に特異的に関与する酵素が、個々の毛髪の寿命にとっての決定的な区画である、個々の毛髪の真皮乳頭に存在していることを示した。このことは、本出願人が、そこに15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15-PGDHと省略)が存在していることを証明しているためである。さらに、15-PGDHの阻害は、毛髪の成長にとって有益な効果を有していることも示されている。
これは、本発明が15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼの少なくとも一の特定のインヒビター、及び生理学的に許容可能な媒体を含有する、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪繊維を手入れ又はトリートメントするための組成物に関するからである。
【0011】
15-PGDHは、個々の毛髪の成長及び生存の重要な媒介物である、特にPGF2α、及びPGE等の、プロスタグランジンの不活性化における鍵酵素である。それは、EC.1.1.1.141分類に相当し、NAD-+依存性である。ブタの腎臓から単離され;生理学的用量よりもかなり多い用量での、甲状腺ホルモン、トリヨードチロニンによる阻害が、特に観察されている。
しかしながら、ヒトのケラチン繊維の密度、特に毛髪密度を維持及び/又は増加させ、及び/又はケラチン繊維、特にヒトの頭髪の直径の不均一度合いを低減させるために、15-PGDHインヒビターを使用することは提案さえされていない。ケラチン繊維の密度、特に毛髪密度を増加させるとは、皮膚又は頭皮のcm当たりのケラチン繊維、特に頭髪の数を増加させることを意味すると理解される。
【0012】
(発明の説明)
本出願人は、驚くべきことに、塩化されていてもいなくてもよい、いくつかの複素環化合物、特にいくつかのフェニルフラン類、フェニルチオフェン類又はフェニルピロール類が、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪繊維の密度の改善において、好ましい活性を有することを見出した。さらに、これらの化合物は15-ヒドロキシプロスタグランジンでヒドロゲナーゼのインヒビターであることも見出された。
【0013】
本発明の主題事項は、次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば睫毛及びヒトの毛髪の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させるための薬剤としての使用、特に美容的使用にある。
また本発明は、ヒトではない哺乳動物(例えばイヌ、ウマ又はネコ)のケラチン繊維へも適用される。
【0014】
さらに本発明は、ヒトのケラチン繊維を手入れ及び/又はメークアップする化粧品用組成物における、ヒトのケラチン繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置するための、少なくとも一の式(I)の複素環又はその塩の一つの使用、及びヒトのケラチン繊維を手入れ又はトリートメントする組成物の調製における、繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置することを意図した、少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つの使用に関する。
本発明が適用されるヒトのケラチン繊維は、特に毛髪、眉毛、睫毛、あごひげ、口ひげ、及び陰毛である。特に本発明は、ヒトの毛髪及び/又は睫毛に適用される。
【0015】
また本発明は、ヒトの毛髪を手入れする化粧品用組成物における、抜毛を低減させ、及び/又は毛髪密度を増加させるための、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの美容的使用に関する。さらに本発明の主題事項は、毛髪の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又は毛髪密度を増加させることを意図した、ヒトの毛髪用組成物の調製における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用にある。
特に本発明は、ヒトの毛髪を手入れする化粧品用組成物における、天然由来の脱毛症、特に男性型脱毛症の処置のための、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用、又はヒトの毛髪用組成物の調製における、天然由来の脱毛症、特にアンドロゲン性脱毛症の処置を意図した、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用に関する。よって、この組成物により、毛髪を良好な状態に保持し、及び/又は、特にヒトにおける天然の抜毛に抗することができる。
【0016】
さらに本発明の主題事項は、ヒトの睫毛を手入れ及び/又はメークアップする化粧品用組成物における、睫毛の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又はそれらの密度を増加させるための、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用、及びヒトの睫毛を手入れ及び/又はトリートメントする組成物の調製における、睫毛の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又はそれらの密度を増加させることを意図した、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用にある。よって、この組成物により、睫毛を良好な状態に保持し、及び/又はそれらの状態及び/又は外観を改善することができる。
【0017】
本発明の他の主題事項は、生理学的に許容可能な媒体と、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つを含有する、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維を手入れ及び/又はメークアップするための組成物にある。
【0018】
本発明の他の主題事項は、ヒトの皮膚の15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼインヒビターとしての、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用にある。
また本発明の他の主題事項は、特にヒトにおける、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼに関連した疾患の処置を意図した組成物の製造における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用にある。
【0019】
本発明の他の主題事項は、ヒトのケラチン繊維の成長を刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させることを意図した、ケラチン繊維(特に毛髪又は睫毛)、及び/又は該繊維が出ている、頭皮及び瞼を含む皮膚の美容処理方法にあり、該方法は、ケラチン繊維及び/又は該繊維が出ている皮膚に、少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩を一つを有効量含有する化粧品用組成物を適用し、ケラチン繊維及び/又は該繊維が出ている皮膚とこの組成物とを接触させて放置し、場合によっては繊維及び/又は該皮膚をすすぐことからなることを特徴とする。
この処理方法は、かなりの活力と改善された外観を付与することにより、毛髪の美しさを改善可能な限り、美容処理としての特徴を有している。加えてそれは、医学的処方箋なしに、数ヶ月の間、毎日使用することもできる。
【0020】
特に本発明の主題事項は、ヒトの毛髪及び/又はヒトの頭皮の状態及び/又は外観を改善する目的で、ヒトの毛髪及び/又はヒトの頭皮を手入れする美容方法にあり、該方法は、毛髪及び/又は頭皮に、少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩を一つを有効量含有する化粧品用組成物を適用し、毛髪及び/又は頭皮とこの組成物とを接触させて放置し、場合によっては毛髪及び/又は頭皮をすすぐことからなることを特徴とする。
本発明の他の主題事項は、ヒトの睫毛の状態及び/又は外観を改善する目的で、ヒトの睫毛を手入れ及び/又はメークアップする美容方法にあり、該方法は、睫毛及び/又は瞼に、少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩を一つを含有するマスカラ用組成物を適用し、睫毛及び/又は瞼とこの組成物とを接触させて放置することからなることを特徴とする。このマスカラ用組成物は、単独で、又は従来からの有色マスカラのアンダーコートとして適用することができ、従来からの有色マスカラと同様に除去することができる。
【0021】
本発明の他の主題事項は、生理学的に許容可能な媒体、特に化粧品用媒体に、少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つ、及びアミネキシル、FP受容体アゴニスト及び血管拡張剤から選択される、特にアミネキシル、ミノキシジル、ラタノプロスト(latanoprost)、ブタプロスト(butaprost)及びトラボプロスト(travoprost)から選択される、ヒトのケラチン繊維の再成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する、少なくとも一の付加的な活性成分を含有せしめてなる、ケラチン繊維を手入れ又はメークアップする組成物にある。
また本発明の他の主題事項は、毛髪の小胞におけるプロスタグランジン類の量及び/又は活性を保持する薬剤としての、化粧品用組成物における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの美容的使用にある。
さらに本発明の他の主題事項は、毛髪の小胞におけるプロスタグランジン類の量及び/又は活性を保持することを意図した、組成物の製造における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用にある。
【0022】
(本発明の詳細な記載及び実施態様)
本記載において、特に記載しない限りは、「式(I)の化合物」なる用語の使用は、中性、酸性又は塩基性の形態、及び塩の形態である、式(I)の化合物の双方を意味すると理解すべきである。
「15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼインヒビター」なる用語は、特にヒトにおいて15-PGDH酵素の活性を阻害又は低減可能で、及び/又はこの酵素により触媒される反応を阻害、低減又は遅延化可能な式(I)の化合物を意味すると理解される。
【0023】
本発明の有利な実施態様において、式(I)の化合物は、15-PGDHに対して特異的なインヒビターであり;「特異的なインヒビター」なる用語は、プロスタグランジン類の合成、特にPGF2α又はPGEの合成のインヒビターではない、又はほんのわずかしか阻害しない活性成分を意味すると理解される。本発明の特定の実施態様において、15-PGDHのインヒビターは、プロスタグランジン類の合成、特にPGF2α又はPGEの合成のインヒビターではない、又はほんのわずかしか阻害しない。また本発明の特定の実施態様において、15-PGDHのインヒビターは、プロスタグランジンシンターゼ(PGFシンターゼ)のインヒビターではない、又はほんのわずかしか阻害しない。
これは、本出願人が、PGFシンターゼが、真皮乳頭においても発現していることを見出したからである。よって、作用部位におけるプロスタグランジン類の有効量の維持は、これらの分子の合成と分解との間の複合生物学的平衡に起因する。しかして、この活性がこれらのプロスタグランジン類の合成阻害と組合せられるならば、異化作用を阻害する化合物の外的供給はあまり効果的ではない。
【0024】
塩化されていてもいなくてもよい、式(I)の化合物は、有利には、PGFシンターゼ阻害活性よりも大きな15-PGDH阻害活性を示す。特に、それぞれPGFシンターゼIC50sf及び15-PGDHIC50dhである、酵素活性を50%阻害する濃度により活性度が決定される場合、付与された濃度における、15-PGDH阻害活性度に対するPGFシンターゼ阻害活性度の比は、少なくとも1を超える、特に少なくとも3:1、有利には5:1以上である。本発明の好ましい化合物は、10:1以上のIC50sf/IC50dh比を示す。
【0025】
本発明において「少なくとも一」とは、一又は複数(2、3又はそれ以上)であることを意味する。特に、組成物は、一又は複数の式(I)の化合物を含有することができる。これ又はこれらの化合物は、シス又はトランス、又はZ又はE異性体、又はシス/トランス又はZ/E異性体の混合物であってよい。それらは互変異性体であってもよい。特に、複素環Hyは、シス又はトランス、又はZ又はE位、好ましくは隣接する二重結合のE位にあってもよい。これ又はこれらの化合物は、エナンチオマー及び/又はジアステレオ異性体、又はこれらの異性体の混合物、特にラセミ混合物であってよい。
【0026】
本発明の趣意の範囲内において、「アルキル基」なる用語は、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状であってよい、炭化水素含有基(hydrocarbonaceous radical)を意味すると理解される。アルキル基は、好ましくは1〜10の炭素原子を有する。本発明で使用可能なアルキル基の例としては、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、2-エチルヘキシル、エチレン又はプロピレン基を挙げることができる。この基は、特にORにより置換されていてもよく、ここでRは、H又は、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10、例えばC-Cアルキル基である。
本発明において、Hyのヘテロ原子又はヘテロ原子群は、O、N、S、P、Si又はSe、特にO、N又はSであってよい。複素環Hyは飽和又は不飽和であってよい。さらに、4、5、6又は7の原子、及び一又は複数のカルボニル又はチオカルボニル官能基、もしくはその双方を含有可能であり、これらの官能基の炭素は複素環の一部を形成する。
【0027】
本発明の特定の実施態様において、Hyは、ヘテロ原子として、硫黄、窒素及びそれらの組合せを含む、5つの原子を有する芳香環を表す。さらに、この複素環Hyは一又は二のカルボニル基を有し、この基の炭素は複素環の一部を形成する。例えば、この複素環は、次の式(II):

[上式中、Z、Z'及びXは独立して、S又はOを表し、Rは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル基を表す]
を示す。また、XはNHを表すこともできる。有利には、Z及びZ'は酸素を表し、この場合は1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン環に相当する。
【0028】
本発明において、置換基(S)として使用される環は、4〜7の原子、好ましくは5〜6の原子を有する。それらは飽和又は不飽和であってよく、また一又は複数のヘテロ原子、例えばS、N、O又はそれらを組合せて有していてよい。さらにこれらの環は、単独で、又は同様のもしくは異なる化学構造を有する他の環と縮合していてもよい。それらが縮合している場合、それらは縮合環を形成する。
【0029】
使用可能な飽和した炭化水素含有環としては、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を挙げることができ、不飽和の炭化水素含有基としては、シクロヘキセニル又はフェニル環を挙げることができる。縮合した炭化水素含有環としては、ナフチル基を挙げることができる。複素環としては、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピロール、フラン、又はチアゾール環を挙げることができる。さらに、これらの環はR又はRにおいて上述した定義を有する、一又は複数の置換基で置換することができる。
【0030】
本発明において、式(I)の化合物は、単離された形態、すなわち非重合形態である。それらはフェニルフラン類、フェニルチオフェン類、又はフェニルピロール類である。さらに、Rは3-又は4位に位置し、Gは5つの原子を有する複素環の1位にあるとされている。さらに、R及びRは、それらを担持しているフェニル環の任意の位置、特に次の部分(A):

に対してパラ-又はメタ位に位置することができる。
好ましくは、Rは水素原子を表す。
【0031】
有利には、R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である。使用可能なアルキル基の例としては、メチル、エチル、tert-ブチル、イソプロピル、n-ブチル又はn-ヘキシルを挙げることができる。特に、COORはCOOH又はCOOCH-CHを表す。さらに、ORは、特にOH又はOCHを表す。特に、RはCOOH又はOHを表し、RはHを表し;RはCOOCH-CHを表し、RはHを表し;R及びRはCF又はOCHを表す。
【0032】
本発明において、「式(I)の化合物の塩」なる用語は、式(I)の化合物の有機又は無機の単塩又は複塩を意味すると理解される。
本発明で使用可能な無機塩としては、ナトリウム又はカリウムの単塩又は複塩、亜鉛(Zn2+)、カルシウム(Ca2+)、銅(Cu2+)、鉄(Fe2+)、ストロンチウム(Sr2+)、マグネシウム(Mg2+)、アンモニウム及びマンガン(Mn2+)の塩;水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物(例えば塩化物)、硫酸塩、硝酸塩、又はリン酸塩を挙げることができる。好ましくは、塩はナトリウム塩である。
本発明で使用可能な有機塩は、例えばトリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩である。
【0033】
本発明の特定の実施態様において、本発明で適用される複素環化合物は、次の式(III)、好ましくは次の式(IIIa):


[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩(一塩又は二塩)の形態を示す。
【0034】
本発明の他の主題事項は、特に、ヒトの毛髪の小胞におけるプロスタグランジン類の量及び/又は活性を保持し、及び/又は15-PGDHを阻害する特性を示す、次の式(IV):

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;Xは、O、NH又はSを表し;Rは、水素又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル基を表し;R及びR基の少なくとも一は、水素、CN、NO、CF、フェニル、OR又はCOOR基、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であり、但し、X=S及びZ=Z'=G又はZ≠Z'である場合に、R及びRはCOOH以外である]
の新規の複素環化合物、又はその塩の一形態にある。
【0035】
特定の実施態様において、複素環化合物は、次の式(V):

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、フェニル、NO、CF、OR、COOR基、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であり、但し、Z=Z'=G又はZ≠Z'である場合に、R及びRはCOOH以外である]
のもの、又はその対応する塩を示す。
有利には、Z=Z'=Gである場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10、好ましくはC-Cアルキル基である。本発明の他の好ましい実施態様において、Z=Z'であり、Gとは異なる場合、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRはHである。
【0036】
本発明の他の実施態様において、複素環化合物は、次の式(VI):

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、水素、CN、CF、NO、CR、COOR、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩の形態を示す。
本発明の他の実施態様において、複素環化合物は、次の式(VII):

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;Rは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル基を表し;R及びR基の少なくとも一は、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基、NO又はORを表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩の形態を示す。
好ましくは、本発明の複素環化合物はZ形態である。
【0037】
本出願人の知識によれば、従来技術の文献にはいずれも、式(I)の複素環化合物又はそれらの塩の一つが、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪及び睫毛の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化する特性を有しているか、又はこれらの化合物が、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪及び睫毛の密度を増加させるために局所的に使用可能であることについては、開示も示唆もされていない。
式(I)の化合物又はそれらの塩は、国際公開第01/066541号に開示されている公知の方法で製造することができる。式(I)の化合物は周囲温度で固体状である。
【0038】
有効量の式(I)の化合物又はその塩の一つは、所望する結果(すなわち、ケラチン繊維、特に毛髪及び睫毛の密度を増加させ、又はそれらの成長を促進させる)を得るのに必要な量に相当する。よって、当業者は、使用される化合物の性質、適用されるヒト、及びこれの適用時間に応じて、この有効量を判断することができる。
以下の記載において、特に示さない限りは、組成物の種々の成分の量は、組成物の全重量に対する重量パーセンテージとして付与される。
指針を述べると、本発明において、式(I)の化合物又はその塩の一つ、もしくは式(I)の化合物及び/又はそれらの塩の混合物は、組成物の全重量に対して10−3%〜10%で表される量、好ましくは組成物の全重量に対して10−3%〜5%、より好ましくは10−2%〜2%で表される量、例えば0.5〜2%で使用することができる。
【0039】
本発明の組成物は、美容的又は製薬的に使用することができる。本発明の組成物は、好ましくは美容的に使用されるものである。よって、組成物は、頭皮及び瞼を含むヒトの皮膚、及びヒトのケラチン繊維に適用可能な、無毒で生理学的に許容可能な媒体を含有するべきである。本発明の趣意の範囲内において、「化粧品」なる用語は、好ましい外観、匂い及び感触を有する組成物を意味すると理解される。
【0040】
塩化されていてもいなくてもよい式(I)の化合物は、皮膚又はケラチン繊維(処置される任意の皮膚領域又は全ての繊維)に摂取、注射又は適用される組成物に使用可能である。
本発明において、式(I)の化合物又はその塩の一つは、1日当たり0.1〜300mg、例えば5〜10mg/日の量で、経口的に使用することができる。
【0041】
本発明の好ましい組成物は、美容的使用される、特に皮膚及びケラチン繊維、中でも頭皮、毛髪及び睫毛に局所適用される組成物である。
従って、本発明の他の主題事項は、生理学的に許容可能な媒体と、上述した少なくとも一の式(I)の化合物又はこれらの塩の一つを有効量含有し、局所適用される、ケラチン繊維を手入れ及び/又はメークアップする組成物、特にヘアケア用又はマスカラ用組成物にある。
【0042】
この組成物は、使用方法に適した任意の公知の投与形態で提供することができる。
皮膚へ局所適用するための組成物は、水性、アルコール性又は水性/アルコール性溶液又は懸濁液、又は油性懸濁液、水相に油相を分散させて得られる(O/W)又はその逆(W/O)の、多かれ少なかれ流動的なコンシステンシー、特に、液体又は半液体のコンシステンシーを有するエマルション、(O/W)又は(W/O)の固体状エマルション、多かれ少なかれ流動的又は固体状で、水性、水性/アルコール性又は油性のゲル、そのままで使用されるか、又は生理学的に許容可能な媒体に導入されるフリー又はコンパクトパウダー、又はマイクロカプセル、又は微小粒子、又はイオン性及び/又は非イオン性の小胞体分散液の形態にすることができる。
加圧された噴霧剤を含有するエアゾール又はスプレーの形態、もしくはフォームの形態の組成物を考慮することができる。
例えば、組成物は、ローション、漿液、ミルク、O/W又はW/Oのクリーム、ゲル、軟膏、ポマード、パウダー、バルム、パッチ、含浸パッド、ケーキ又はフォームの形態で提供することもできる。
【0043】
特に頭皮又は毛髪に適用される組成物は、例えば毎日もしくは週に2回適用されるヘアケア用ローション、特に週に2回又は1回適用される毛髪のコンディショナー又はシャンプー、毎日適用される液状又は固体状の頭皮クレンジング用の石鹸、ヘアスタイルを整えるための製品(ラッカー、毛髪のセット用製品、スタイリングゲル)、トリートメントマスク、毛髪のクレンジング用の発泡ゲル又はクリームの形態で提供することができる。また、ブラシ又は櫛で適用されるマスカラ又は毛髪用染料の形態することもできる。
さらに睫毛及び体毛に適用される本発明の組成物は、有色又は無色のマスカラの形態で適用することができ、睫毛、又はあごひげもしくは口ひげにブラシで適用することもできる。
【0044】
注射により使用される組成物は、水性ローション又は油性懸濁液の形態で提供することができる。経口経路で使用される組成物は、カプセル、顆粒、飲用シロップ又は錠剤の形態で提供することができる。
特定の実施態様において、本発明の組成物は、毛髪用クリーム又はローション、シャンプー、毛髪用コンディショナー、毛髪用マスカラ、又は睫毛用マスカラの形態で提供される。
【0045】
本発明の組成物の種々の成分の量は、考慮される分野で一般的に使用される量である。加えて、これらの組成物は従来からの方法に従い調製される。
組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して2重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜50重量%の範囲とすることができる。水相は、脂肪相及び化合物(類)(I)の含有量、及び可能な付加的な成分の含有量に応じて、100重量%になるように調節される。実際には、水相は5〜99.9重量%である。
【0046】
脂肪相は、一般的に公知の油であり、室温(25℃)、大気圧(760mm/Hg)で液状である脂肪又は油性の化合物を含むことができる。これらの油は、互いに混和性であってもなくてもよく、肉眼で均質な液状脂肪相又は2相もしくは3相系であってよい。
油に加えて、脂肪相は、ロウ、ガム、親油性ポリマー又は「ペースト状」又は粘性のある生成物で、固体状部分と液状部分を含有するものを含むことができる。
【0047】
水相は、水、及び水と全ての割合で混和性のある任意の成分、例えばC〜C低級アルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール、ポリオール、例えばプロピレングリコール、グリセロール又はソルビトール、又はアセトン又はエーテルを含む。
エマルションの形態の組成物を製造するために使用される乳化剤又は共乳化剤は、化粧品及び製薬の分野で一般的に使用されているものである。それらの種類はエマルションの感触に依存する。実際、乳化剤、場合によっては共乳化剤は、0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、さらに好ましくは1重量%〜8重量%の範囲の割合で組成物中に存在する。さらにエマルションは脂質小球体、特にリポソームを含有することができる。
【0048】
組成物が油性溶液又はゲルの形態である場合、脂肪相は組成物の全重量に対して90%を超える。
有利には、毛髪に適用される組成物は、水性、アルコール性又は水性/アルコール性溶液又は懸濁液、好ましくは水/エタノールの溶液又は懸濁液である。アルコール留分は5〜99.9%、好ましくは8%〜80%であり得る。
マスカラ適用される組成物は、有色又は無色であってよい水中ロウ型又は油中ロウ型の分散液、ゲル化油又は水性ゲルである。
【0049】
また本発明の組成物は、溶媒、水相又は油相のための増粘剤又はゲル化剤、組成物の媒体に溶解する着色物質、フィラー又は顔料型の固体状粒子、酸化防止剤、防腐剤、香料、電解質、中和剤、皮膜形成ポリマー、UVブロッカー剤、例えばサンスクリーン剤、式(I)の化合物以外で、皮膚又はケラチン繊維に有益な効果を有する化粧品用又は製薬用活性成分、又はそれらの混合物から選択され、考慮される分野において一般的に使用されている他の成分をさらに含有することができる。これらの添加剤は、化粧品及び皮膚科学の分野で一般的に使用されている量、特に組成物の全重量に対して0.01%〜50%、好ましくは0.1%〜20%、例えば0.1%〜10%の割合で組成物に存在することができる。それらの性質に依存して、これらの添加剤は、脂肪相、水相及び/又は脂質小球体、特にリポソームに導入することができる。
もちろん、当業者であれば、考慮される添加により、本発明の組成物の有利な特性、すなわち15-PGDHを阻害、特に特異的に阻害し、さらにケラチン繊維(毛髪又は睫毛)の密度を増加させることが悪影響を受けないか、又は実質的に受けないように留意して、可能な付加的な添加剤及び/又はその量を選択するであろう。
【0050】
本発明で使用可能な溶媒としては、低級C〜Cアルコール類、例えばエタノール又はイソプロパノール、プロピレングリコール及びある種の化粧品用軽油、例えばC〜C16アルカン類を挙げることができる。
本発明で使用可能な油としては、鉱物由来の油(流動ワセリン、水素化イソパラフィン)、植物由来の油(カリテバターの液状留分、ヒマワリ油、アプリコット油、脂肪アルコール又は脂肪酸)、動物由来の油(ペルヒドロスクワレン)、合成油(脂肪酸エステル、プルセリン油)、シリコーン油(フェニルトリメチコーン、直鎖状又は環状のポリジメチルシロキサン)及びフッ化油(ペルフルオロポリエーテル)を挙げることができる。ロウとしては、シリコーンロウ、ミツロウ、ライスワックス、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、パラフィンロウ又はポリエチレンワックスを挙げることができる。
【0051】
本発明で使用可能な乳化剤としては、ステアリン酸グリセリル又はラウリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビトール又はオレイン酸ソルビトール、アルキルジメチコーンコポリオール類(アルキル≧8)及びそれらの混合物で、W/Oエマルション用のものを挙げることができる。またポリエチレングリコールのモノステアラート又はモノラウラート、ポリオキシエチレン化されたステアリン酸ソルビトール又はオレイン酸ソルビトール、ジメチコーンコポリオール及びそれらの混合物が、O/Wエマルション用のものとして使用され得る。
本発明で使用可能な親水性のゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー(カーボマー(carbomer))、アクリルコポリマー、例えばアクリラート/アルキルアクリラートのコポリマー、ポリアクリルアミド類、多糖類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガム及びクレー類を挙げることができ、親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン類、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム、疎水性処理されたシリカ、エチルセルロース、又はそれらの混合物を挙げることができる。
【0052】
組成物は、タンパク質、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール類、尿素、アラントイン、糖類、及び糖類誘導体、水溶性のビタミン類、植物抽出物(アヤメ科植物又は大豆からのもの)及びヒドロキシ酸、例えば果実酸又はサリチル酸から選択され、親水性であってよい;又はレチノール(ビタミンA)及びその誘導体、特にエステル(パルミチン酸レチノール)、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、特にエステル(酢酸トコフェロール)、必須脂肪酸、セラミド類、精油、サリチル酸誘導体、例えば5-(n-オクタノイル)サリチル酸、ヒドロキシ酸エステル、及びリン脂質、例えばレシチン、及びそれらの混合物から選択され、親油性であってよい、式(I)の化合物以外の化粧品用又は製薬用の活性成分をさらに含有することができる。
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物又はその塩の一つは、ケラチン繊維(毛髪、睫毛)の再成長を促進及び/又は抜毛を制限する少なくとも一の付加的な活性化合物と組合せることができる。これらの付加的な化合物は、例えば欧州特許第0648488号に開示されているリポキシゲナーゼインヒビター、特に欧州特許第0845700号に開示されているブラジキニンインヒビター、プロスタグランジン類及びその誘導体、特に国際公開第98/33497号、国際公開第95/11003号、日本国特許第97-100091号又は日本国特許第96-134242号に開示されているもの、プロスタグランジン受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、非プロスタン酸プロスタグランジン類似体、例えば欧州特許第1175891号及び欧州特許第1175890号、国際公開第01/74307号、国際公開第01/74313号、国際公開第01/74314号、国際公開第01/74315号又は国際公開第01/72268号に開示されているもの、又はそれらの混合物から選択される。
【0053】
本発明の組成物に存在可能で、ケラチン繊維(特に毛髪)の成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する他の付加的な活性剤としては、血管拡張剤、抗アンドロゲン剤、サイクロスポリン類及びその類似体、抗菌剤及び抗真菌剤、抗炎症剤、又はレチノイド類の単独物又は混合物を挙げることができる。
使用可能な血管拡張剤は、特に、ミノキシジルを含むカリウムチャンネルアゴニスト、また米国特許第3382247号、同5756092号、同5772990号、同5760043号、同5466694号、同5438058号及び同4973474号に開示されている化合物、クロマカリム、ニコランジル及びジアキソジド(diaxozide)の単独物又は組合せ物である。
使用可能な抗アンドロゲン類には、特にステロイド性又は非ステロイド性の5α-レダクターゼインヒビター、例えばフィナステリド、及び米国特許第5516779号に開示された化合物、シプロステロンアセタート(cyprosterone acetate)、アゼライン酸、その塩とその誘導体、米国特許第5480913号に開示されている化合物、フルタミド、オキセンドロン(oxendolone)、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロール、及び米国特許第5411981号、同5565467号、及び同4910226号に開示されている化合物が含まれる。
【0054】
抗菌又は抗真菌化合物は、セレン誘導体、オクトピロックス、ケトコナゾール、トリクロカルバン、トリクロサン、ジンクピリチオン、イトラコナゾール、アジア酸(asiatic acid)、ヒノキチオール、ミピロシン(mipirocin)、テトラサイクロン類、特にエリスロマイシン、及び欧州特許第0680745号に開示されている化合物、塩酸クリニシン、過酸化ベンゾイル又は過酸化ベンジル、ミノサイクリン、及びイミダゾール類のクラスに属する化合物、例えばエコナゾール、ケトコナゾール又はミコナゾール、又はそれらの塩、又は特にニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、及びニコチン酸C-Cアルキル、例えばニコチン酸メチル又はニコチン酸ヘキシルを含むニコチン酸エステルから選択することができる。
抗炎症剤は、ステロイド性抗炎症剤、例えば糖質コルチコイド又は副腎皮質ステロイド(例えば:ヒドロコルチゾン)、及び非ステロイド性の抗炎症剤、例えばグリシルレチン酸、及びα-ビサロボール、ベンジダミン(benzydamine)、サリチル酸、及び欧州特許第0770399号、国際公開第94/06434号及び仏国特許第2268523号に開示されている化合物から選択することができる。
レチノイド類は、イソトレチノイン、アシトレチン(acitretin)及びタザロテン(tazarotene)から選択することができる。
【0055】
式(I)の化合物と組合せて使用可能であり、毛髪を成長させ、及び/又は抜毛を制限する、他の活性化合物として、アミネキシル、6-O-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、メントール、ペパーミント油、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、プロテインキナーゼCアクチベータ、グリコシダーゼインヒビター、グリコサミノグリカナーゼインヒビター、ピログルタミン酸エステル、六糖酸又はアシル六糖酸、アリール置換されたエチレン類、N-アシル化アミノ酸、フラボノイド類、アスコマイシン(ascomycin)誘導体及び類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、サポニン類、プロテオグリカナーゼインヒビター、エストロゲンアゴニスト及びアンタゴニスト、シュードプテリン類(pseudopterines)、サイトカイン類、及び成長因子プロモーター、IL-1又はIL-6インヒビター、IL-10プロモーター、TNFインヒビター、ベンゾフェノン類、及びヒダントイン、レチノイン酸;ビタミン類、例えばビタミンD、ビタミンB12類似体及びパントテノール;トリテルペン類、例えばウルソル酸、及び米国特許第5529769号、米国特許第5468888号又は米国特許第5631282号に開示されている化合物;止痒剤、例えばテナルジン、トリメプラジン又はシプロヘプタジン;駆虫剤、特にメトロニダゾール、クロタミトン又はピレスロイド類;カルシウム拮抗剤、例えばシンナリジン、ジルチアゼム、ニモジピン、ベラパミル、及びニフェジピン;ホルモン類、例えばエストリオール又はその類似体、チロキシン及びその塩、又はプロゲステロン;FP受容体(F型プロスタグランジン受容体)アゴニスト、例えばラタノプロスト、ビマトプロスト、トラボプロスト又はウノプロストン(unoprostone);及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0056】
有利には、本発明の組成物は、上述した少なくとも一の15-PGDHインヒビター、及び少なくとも一のプロスタグランジン又はプロスタグランジン誘導体の一つ、例えば特にPGF2α及びPGEを含む、シリーズ2のプロスタグランジン類で、塩又はエステルの形態のもの(例えばイソプロピルエステル)、それらの誘導体、例えば16,16-ジメチルPGE、17-フェニルPGE、及び16,16-ジメチルPGF2α、17-フェニルPGF2α、シリーズ1のプロスタグランジン類、例えば11-デオキシプロスタグランジンE、又は1-デオキシプロスタグランジンEで、塩又はエステルの形態のもの、それらの類似体、特にラタノプロスト、トラボプロスト、ビマトプロスト、フルプロステノール、クロプロステノール、ビプロストール、ブタプロスト、ミソプロストール、又はウノプロストン、それらの塩又はそれらのエステルを含有するであろう。
好ましくは、組成物は、特に欧州特許第1175892号に開示されている、EP2及び/又はEP4受容体の、少なくとも一の非プロスタン性アゴニストを含有する。
【0057】
塩化されていてもいなくてもよい、少なくとも一の式(I)の化合物を含有する組成物は、特に国際公開第94/22468号公報に開示されているように、リポソームの形態であってもよいと考慮することができる。よって、リポソームにカプセル化された化合物は、毛髪の小胞又は睫毛の基部に選択的に送達され得る。
【0058】
本発明の組成物は、脱毛症に罹患した個人の毛髪又は頭皮の領域に適用可能で、場合によっては数時間接触させて放置し、場合によってはすすぐこともできる。
【0059】
塩化されていてもいなくてもよい、式(I)の化合物を有効量含有する組成物を、例えば夕方に適用し、一晩、この組成物を接触させたままにし、場合によっては次の朝シャンプー等で繊維を洗浄してもよい。これらの適用は、個人によって1ヶ月又はそれ以上、毎日繰り返すことができる。
有利には、本発明の方法において、15-PGDHインヒビターを0.001%〜5%含有する、5〜500μlの上述した組成物又は溶液が、処理される頭皮の領域に適用される。
本発明の実施例は例証のために付与されるものであって、その実施例は、本発明の趣意を何ら制限するものではない。
【実施例】
【0060】
本発明で使用可能な式(I)の複素環化合物の例として、次の化合物を挙げることができる:
化合物1:4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸

及び特に次の式1aの化合物:

化合物2:4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸エチル

化合物3:5-({5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フリル}メチレン)-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン

【0061】
化合物4:3-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸

化合物5:4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-チオフェニル}安息香酸

化合物6:4-{5-[(2-スルホ-4-オキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸

【0062】
化合物7:4-{5-[(2,4-ジスルホ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸


化合物8:4-{5-[(2,4-ジスルホ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩(Z異性体)

式(I)の化合物は、有利には4-{5-[(2,4-ジスルホ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩、特にZ形態の異性体である。
【0063】
本発明で使用可能な、式(I)の他の化合物としては、次のものを挙げることができる:
















*LC:液体クロマトグラフィー
**MS:質量分析
本発明の化合物は、以下に記載する方法に従い、合成することができる。
【0064】
D、E、F又はG構造を有する化合物を合成するための一般的手順
これらの複素環構造は、それぞれ3-エチル-2-チオキソ-4-オキサゾリジノン(CAS番号:10574-66-0、モル質量:145、構造D)、2-チオヒダントイン(CAS番号:503-87-7、モル質量:116、構造E)、2,4-チアゾリジンジオン(CAS番号:2295-31-0、モル質量:117、構造F)、及びチアゾロ[2,3-b]ベンゾイミダゾール-3(2H)-オン(CAS番号:3042-01-1、モル質量:190、構造G)に相当する。
100mgのアルデヒド、1当量の構造D、E、F又はGの複素環、20μlのピペリジン、ついで1.5mlの無水エタノールを、STEMのDiscoverマイクロ波照射下にある合成システムのPyrex(登録商標)反応チューブに導入する。
チューブには磁石式棒が具備されており、クリンプストッパーで閉塞される。
【0065】
続いて、反応媒体に、次のパラメータ:
− 放出力:250W
− 設定温度:150℃
− 照射時間:2分
− セットに到達する最大時間:4分
に従い、Discover装置にて照射する。
冷却後、反応媒体を焼結ガラスフィルターを通して濾過し、固形物を最小量の無水エタノールで洗浄し、真空下で乾燥させる。
収率:40-100%
【0066】
サンプルを次の条件:
勾配:8分の間にアセトニトリル10/水90〜アセトニトリル90/水10
カラム:X-terra MS C18 3.5μm 3x50mm
流速:0.5ml/分
UV:リニアアレイの290nm〜450nmダイオード
MS:正及び負の大気圧でのイオン化を伴う電子スプレー
に従い、LC-UV-MSにより分析する。
化合物1、3、4及び8の反応概略式を以下の実施例において付与する。
【0067】
実施例1:化合物1
4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸の調製
反応概略式

手順
段階1
1.99g(6.16mmol)のテトラブチルアンモニウムブロミドを、冷却システムと磁石式攪拌機を具備する50mlの三口丸底フラスコにおいて、100mlの水に溶解させ、ついで、1.12g(6.7mmol)の4-カルボキシフェニルボロン酸(反応体B)、1.08g(6.16mmol)の5-ブロモ-2-フルアルデヒド(反応体A)、30mg(2mol%)の酢酸パラジウム、及び2.12g(15.4mmol)の炭酸カリウムを導入する。反応媒体を周囲温度(20-25℃)で12時間放置する。続いて、混合物を酢酸エチルで洗浄する(50mlで3回)。35%の塩酸溶液を用い、水相をpH1-2に酸性化する。形成された黄色-ベージュ色の固形物(化合物A)を濾過し、ついで水ですすぎ(20mlで3回)、1.2gの五酸化リンの存在下で、真空にて乾燥させる。反応収率は90%である。
【0068】
段階2
0.38g(3.25mmol)のチアゾリジン-2,4-ジオンを、Dean and Stark装置、温度計及び磁石式攪拌機を具備する、50mlの三口丸底フラスコにおいて、20mlのトルエンに溶解させ、ついで、上述にて形成された0.7g(3.25mmol)の黄色-ベージュ色の固形物(化合物A)を導入する。その後、0.15mlの酢酸及び0.15mlのピペリジンを添加し、ついで、混合物を5時間還流する。黄色の固形物が形成され、これを濾過し、ついでトルエンですすぐ(20mlで2回)。ついで、生成物を0.85gの五酸化リンの存在下で、真空にて乾燥させる。粗反応収率は78%である。
分析
核磁気共鳴:得られたスペクトルは提案する構造と一致する。
【0069】
実施例2:化合物3
5-({5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フリル}メチレン)-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの調製
反応概略式

手順
0.38g(3.25mmol)のチアゾリジン-2,4-ジオン(反応体A)を、Dean and Stark装置、温度計及び磁石式攪拌機を具備する、50mlの三口丸底フラスコにおいて、20mlのトルエンに溶解させ、ついで、1g(3.25mmol)の5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルアルデヒド(反応体B)を導入する。その後、0.15mlの酢酸(AcOH)及び0.15mlのピペリジンを添加し、ついで、混合物を5時間還流する。反応中に黄色の固形物が形成される。これを濾過し、ついでトルエンですすぎ(20mlで2回)、0.86gの五酸化リンの存在下で、真空にて乾燥させる。反応収率は65%である。
分析
− 質量分析:主として、所望の分子、C16NOSの擬分子イオン(M-H)が検出される。
− 核磁気共鳴:得られたスペクトルは提案する構造と一致する。
【0070】
実施例3:化合物4
3-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸の調製
反応概略式

手順
段階1
1.99g(6.16mmol)のテトラブチルアンモニウムブロミドを、冷却システムと磁石式攪拌機を具備する50mlの三口丸底フラスコにおいて、100mlの水に溶解させ、ついで、1.12g(6.7mmol)の3-カルボキシフェニルボロン酸(反応体B)、1.08g(6.16mmol)の5-ブロモ-2-フルアルデヒド(反応体A)、30mg(2mol%)の酢酸パラジウム、及び2.12g(15.4mmol)の炭酸カリウムを導入する。反応媒体を周囲温度(20-25℃)で12時間放置する。続いて、混合物を酢酸エチルで洗浄する(50mlで3回)。35%の塩酸溶液を用い、水相をpH1-2に酸性化する。形成されたピンクがかったベージュ色の固形物(化合物A)を濾過し、ついで水ですすぎ(20mlで3回)、1.1gの五酸化リンの存在下で、真空にて乾燥させる。得られた反応収率は82%である。
【0071】
段階2
0.542g(4.62mmol)のチアゾリジン-2,4-ジオンを、Dean and Stark装置、温度計及び磁石式攪拌機を具備する、50mlの三口丸底フラスコにおいて、20mlのトルエンに溶解させ、ついで、上述にて形成された1g(4.62mmol)のピンクがかったベージュ色の固形物(化合物A)を導入する。その後、0.15mlの酢酸(AcOH)及び0.15mlのピペリジンを添加し、ついで、混合物を5時間還流する。黄色の固形物の形成が観察され、この固形物を濾過し、ついでトルエンですすぐ(20mlで2回)。その後、固形物を100mlの水に分散させる。ついで、2Nの水酸化ナトリウム水溶液を、生成物が完全に溶解するまで添加し、ついで、1Nの塩酸溶液を用い、pHが1-2に到達するまで酸性化する。形成された茶色の固形物を濾過し、ついで水で洗浄し(50mlで2回)、0.86gの五酸化リンの存在下で、真空にて乾燥させる。収率は63%である。
分析
核磁気共鳴:得られたスペクトルは提案する構造と一致する。
【0072】
実施例4:化合物8
3-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩の調製
反応概略式

手順
15gの3-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸を、500mlの水酸化ナトリウム水溶液(2当量)に溶解させる。この溶液を50mlのジクロロメタンで2回洗浄し、ついで、部分的に濃縮する。ついで、この溶液をアセトンに流し込む。このようにして、Z形態の3-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩に相当するオレンジ色-黄色の沈殿物が11g得られる。
分析
核磁気共鳴:得られたスペクトルは提案する構造と一致する。
【0073】
実施例5:式(I)の化合物の、15-PGDHに対する特異的な阻害特性の例示
1)15-PGDHにおけるテスト
酵素15-PGDHを、ロレアルの代理として出願された仏国特許出願公開第02/05067号に開示されたようにして、適切な媒体における0.3mg/ml濃度の懸濁液に調製し、ついで−80℃でブロックする。テストで必要とされる場合に、懸濁液を解凍し、氷中で保管する。
さらに、0.1mMのジチオトレイトール(D5545, Sigma-Aldrich, L'isle D'Abeau Chesne, BP701, 38297, Saint Quentin Fallavier)、1.5mMのβ-NAD(N6522, Sigma-Aldrich, L'isle D'Abeau Chesne, BP701, 38297, Saint Quentin Fallavier)、及び50μlのプロスタグランジンE(P4172, Sigma-Aldrich, L'isle D'Abeau Chesne, BP701, 38297, Saint Quentin Fallavier)を含有するトリス100mM、pH=7.4のバッファーを調製する。
0.965mlのこのバッファー(予め37℃にしておく)を、37℃に温度制御され、測定波長を340nmに調節された分光光度計(Perkin-Elmer, ラムダ2)のセルに入れる。37℃の0.0.035mlの酵素懸濁液を、記録しながらセルに入れる(340nmでの光学密度の増加に相当)。反応の最大比率を記す。
テスト値(式(I)の化合物を含有)を対照値(化合物(I)を含有せず)と比較し;示された結果に、IC50dhと称される、15-PGDHの酵素活性を50%阻害する化合物(I)の濃度を表す。
【0074】
2)PGFSにおけるテスト
酵素PGFシンターゼを、仏国特許公開第02/05067号公報に開示されたようにして、適切な媒体における0.5mg/ml濃度の懸濁液に調製し、ついで−80℃でブロックする。テストで必要とされる場合に、懸濁液を解凍し、氷中で保管する。
さらに、20μMの9,10-フェナントレンキノン*(P2896, Sigma-Aldrich, L'isle D'Abeau Chesne, BP701, 38297, Saint Quentin Fallavier)、及び100μMのβ-NADPH(N1630, Sigma-Aldrich, L'isle D'Abeau Chesne, BP701, 38297, Saint Quentin Fallavier)を含有するトリス100mM、pH=6.5のバッファーを、茶色のボトル(遮光)に調製する。
* 1mMのアッセイ用母溶液を無水エタノール中で調製し、40℃にし;生成物の溶解を容易にするために、ボトルを超音波浴に配する。
0.950mlのこのバッファー(予め37℃にしておく)を、37℃に温度制御され、測定波長を340nmに調節された分光光度計(Perkin-Elmer, ラムダ2)のセルに入る。37℃の0.05mlの酵素懸濁液を、記録しながらセルに入れる(340nmでの光学密度の増加に相当)。反応の最大比率を記す。
テスト値(式(I)の化合物を含有)を対照値(化合物(I)を含有せず)と比較し;示された結果に、IC50fsと称される、PGFSの酵素活性を50%阻害する化合物(I)の濃度を表す。
【0075】

この表には、化合物1のIC50fs/IC50dhの比率が13を超えることが表されている。よって、化合物1は、明らかに15-PGDHに対する阻害活性を有しており、特にその活性はPGFSに対して選択的である。
【0076】
以下の組成物は、化粧品又は製薬の分野において一般的に使用されている通常の技術により得られる。
実施例6:毛髪用ローション
−化合物1 0.80g
−プロピレングリコール 10.00g
−イソプロピルアルコール 全体を100.00gにする量
このローションは、適用当たり1mlの割合で、1日に1又は2回、頭皮に適用され、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。ついで、毛髪を空気乾燥させる。このローションにより、抜毛を低減させ、毛髪の再成長を促進させることができる。
【0077】
実施例7:毛髪用ローション
−化合物2 1.00g
−プロピレングリコール 30.00g
−エチルアルコール 40.00g
−水 全体を100.00gにする量
このローションは、適用当たり1mlの割合で、1日に1又は2回、頭皮に適用され、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。ついで、毛髪を空気乾燥させる。
【0078】
実施例8:毛髪用ローション
−化合物1 1g
−エチルアルコール 40.00g
−NaOH 適量(*)
−水 全体を100.00gにする量
(*)(R等)フェニル環により担持される酸性官能基を中和するのに十分量
このローションは、適用当たり1mlの割合で、1日に1又は2回、頭皮に適用され、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。
【0079】
実施例9:細胞モデルにおける15PGDHに対して特異的な阻害効果の例示
本研究は、細胞モデルにおける式(I)の化合物を評価することを目的としている。この研究により、サイトゾル内部への活性成分の浸透性、及び単純な反応媒体よりも複雑な実験条件下における15-PGDHに対する特異的なインヒビターとしての効果を測定することができる。
【0080】
道具及び方法
D-2.37℃で5%のCO下、RPMI媒体1640+10%の子ウシ胎児血清+2mMのL-グルタミン+抗生物質においてU937(CRL-1593 アメリカン・タイプ・セル・コレクション(American Type Cells Collection))を培養。
D-1.RPMI媒体1640+10%の子ウシ胎児血清+2mMのグルタミン+抗生物質+10nMのPMA(ホルボール-12-ミリスタート-13-アセタート)においてU937(1x10細胞/ml)の懸濁液を調製;96-ウェルプレート(テストされる+対応する対照体に対する濃度当たり、及び分子当たり3ウェル)に、テスト用ウェル当たり200μlのこの懸濁液を導入;37℃、5%のCO下で36時間0分インキュベート。
D0.上清(細胞はウェルの底部に付着:顕微鏡を用いて監視)を除去、及び100μlのRPMI媒体1640+2mMのL-グルタミン+10ngのリポ多糖類(LPS)(無水対照体を除く)+所望される濃度(ここでは5及び25μM)のテスト用分子を各ウェルに導入。
37℃、5%のCO下で6時間0分インキュベート。
テスト用分子の母溶液は、ジメチルスルホキシドにおいて25mMである。
全てのウェルは、同様の最終量のDMSOを収容している。
免疫酵素アッセイキット(Cayman ref. 516011)を使用し、種々の条件下(分子又は対照体)、細胞(50μl)により分泌されたPGF2αの量を即時評価。
【0081】
LPS対照体の%としての結果

これにより、本発明の化合物が、細胞環境において15-PGDHの選択的インヒビターであり、プロスタグランジンを保護していることが確認された。
【0082】
実施例10:毛髪用ローション
−化合物8 1g
−エチルアルコール 40.00g
−プロピレングリコール 30.00g
−水 全体を100.00gにする量
【0083】
実施例11:ロウ/水のマスカラ
−ミツロウ 6.00%
−パラフィンロウ 13.00%
−水素化ホホバ油 2.00%
−水溶性の皮膜形成ポリマー 3.00%
−ステアリン酸トリエタノールアミン 8.00%
−化合物5 1.00%
−黒色顔料 5.00%
−防腐剤 適量
−水 全体を100.00gにする量
このマスカラを、マスカラブラシを用い、従来のマスカラと同様にして、睫毛に適用する。
【0084】
実施例12:毛髪用ローション
−化合物8 0.10g
−ラタノプロスト 0.10g
−プロピレングリコール 30.00g
−エチルアルコール 40.00g
−水 全体を100.00gにする量
【0085】
実施例13:毛髪用ローション
−化合物8 1g
−エチルアルコール 49.5g
−水 全体を100gにする量
このローションは、適用当たり1mlの割合で、1日に1又は2回、頭皮に適用され、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。ついで、毛髪を空気乾燥させる。このローションにより、抜毛を低減させ、毛髪の再成長を促進させることができる。また、毛髪の外観を改善することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の次の式(I):
【化1】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトのケラチン繊維等のケラチン繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させるための薬剤としての使用。
【請求項2】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトのケラチン繊維を手入れ及び/又はメークアップする化粧品用組成物における、ケラチン繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置するための使用。
【請求項3】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトのケラチン繊維を手入れ又はトリートメントする組成物の調製における、繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置するための使用。
【請求項4】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ、特にヒトの15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼのインヒビターとしての使用。
【請求項5】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトにおける、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼに関連した疾患の処置を意図した、ヒトのケラチン繊維を手入れ又はトリートメントする組成物の製造における使用。
【請求項6】
ケラチン繊維が、毛髪、眉毛、睫毛、あごひげ、口ひげ、及び陰毛であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトの毛髪を手入れする化粧品用組成物における、抜毛を低減させ、及び/又は毛髪密度を増加させ、及び/又は男性型脱毛症を処置し、及び/又は天然由来の脱毛症を処置するための使用。
【請求項8】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトの毛髪用組成物の調製における、毛髪の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又は毛髪密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置し、及び/又は天然由来の脱毛症を処置することを意図した使用。
【請求項9】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトの睫毛を手入れ及び/又はメークアップする化粧品用組成物における、睫毛の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又はそれらの密度を増加させるための使用。
【請求項10】
次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つの、ヒトの睫毛を手入れ及び/又はトリートメントする組成物の調製における、睫毛の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又はそれらの密度を増加させることを意図した使用。
【請求項11】
Hyのヘテロ原子又はヘテロ原子群が、O、N又はSから選択されることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
及びRが、次の部分A:

に対してパラ-又はメタ位にあることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
が水素原子を表すことを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
及びR基の少なくとも一が、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
COORがCOOH又はCOOCH-CHを表すことを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
がCOOHを表し、RがHを表し;RがCOOCH-CHを表し、RがHを表し;又はR及びRがCF又はOCHを表すことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
式(I)の化合物が一又は二のカルボニル基を有し、該基の炭素が複素環の一部を形成していることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
複素環化合物が、次の式(IIIa):
【化11】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩の形態のものを示すことを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
式(I)の化合物がチアゾリジンジオン環を有することを特徴とする、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
Z=Z'=Gである場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10、好ましくはC-Cアルキル基であり;又はZ=Z'であり、Gとは異なる場合、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRはHであることを特徴とする、請求項18に記載の使用。
【請求項21】
式(I)の化合物の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛(Zn2+)、カルシウム(Ca2+)、銅(Cu2+)、鉄(Fe2+)、ストロンチウム(Sr2+)、マグネシウム(Mg2+)、マンガン(Mn2+)、又はアンモニウムの塩、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの塩、又は水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩から選択される塩であることを特徴とする、請求項1ないし20のいずれか1項に記載の使用。
【請求項22】
前記化合物が、次の式:
【化12】








のものから選択されることを特徴とする、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項23】
式(I)の化合物、もしくは式(I)の化合物の混合物が、組成物の全重量に対して10−3%〜10%、好ましくは10−2%〜2%の範囲の濃度で使用されることを特徴とする、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
組成物が、局所適用される組成物であることを特徴とする、請求項2ないし23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
生理学的に許容可能な媒体と、有効量の次の式(I):

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含有する、ケラチン繊維を手入れ又はメークアップするための組成物。
【請求項26】
Hyのヘテロ原子又はヘテロ原子群が、O、N又はSから選択されることを特徴とする、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
及びRが、次の部分A:

に対してパラ-又はメタ位にあることを特徴とする、請求項25又は26に記載の組成物。
【請求項28】
が水素原子を表すことを特徴とする、請求項25ないし27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
及びR基の少なくとも一が、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であることを特徴とする、請求項25ないし28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
COORがCOOH又はCOOCH-CHを表すことを特徴とする、請求項25ないし29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
がCOOHを表し、RがHを表し;RがCOOCH-CHを表し、RがHを表し;又はR及びRがCF又はOCHを表すことを特徴とする、請求項25ないし30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
式(I)の化合物が一又は二のカルボニル基を有し、該基の炭素が複素環の一部を形成していることを特徴とする、請求項25ないし31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
複素環化合物が、次の式(IIIa):
【化15】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその塩の形態のものを示すことを特徴とする、請求項25ないし32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
式(I)の化合物が1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン環を有することを特徴とする、請求項25ないし33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
Z=Z'=Gである場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10、好ましくはC-Cアルキル基であり;又はZ=Z'であり、Gとは異なる場合、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRはHであることを特徴とする、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
式(I)の化合物を塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛(Zn2+)、カルシウム(Ca2+)、銅(Cu2+)、鉄(Fe2+)、ストロンチウム(Sr2+)、マグネシウム(Mg2+)、マンガン(Mn2+)、又はアンモニウムの塩、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの塩、又は水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩から選択される塩であることを特徴とする、請求項25ないし35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
式(I)の化合物が、次の化合物:
【化16】








から選択されることを特徴とする、請求項25ないし36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
式(I)の化合物が、組成物の全重量に対して10−3%〜10%、好ましくは10−2%〜2%の範囲の濃度で使用されることを特徴とする、請求項25ないし37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
ヘアケア用のクリーム又はローション、シャンプー又はコンディショナー、毛髪用マスカラ、又は睫毛用マスカラの形態で提供されることを特徴とする、請求項25ないし38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
組成物が、水性、アルコール性又は水性/アルコール性溶液又は懸濁液の形態であることを特徴とする、請求項25ないし39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
溶媒、水相又は油相のための増粘剤又はゲル化剤、組成物の媒体に溶解する着色物質、フィラー又は顔料、酸化防止剤、防腐剤、香料、電解質、中和剤、皮膜形成ポリマー、UVブロッカー剤、式(I)の化合物以外の化粧品用又は製薬用活性成分、又はそれらの混合物から選択される他の成分を含有していることを特徴とする、請求項25ないし40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
ケラチン繊維の再成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する、少なくとも一の付加的な活性化合物を含有していることを特徴とする、請求項25ないし41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
アミネキシル、6-O-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、カリウムチャンネルアゴニスト、リポキシゲナーゼインヒビター、ブラジキニンインヒビター、プロスタグランジン類及びその誘導体、プロスタグランジン受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、非プロスタン酸プロスタグランジン類似体、血管拡張剤、抗アンドロゲン剤、サイクロスポリン類及びその類似体、抗菌剤、抗炎症剤、レチノイド類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、メントール、ペパーミント油、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、プロテインキナーゼCアクチベータ、グリコシダーゼインヒビター、グリコサミノグリカナーゼインヒビター、ピログルタミン酸エステル、六糖酸又はアシル六糖酸、アリール置換されたエチレン類、N-アシル化アミノ酸、フラボノイド類、アスコマイシン誘導体及び類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、サポニン類、プロテオグリカナーゼインヒビター、エストロゲンアゴニスト及びアンタゴニスト、シュードプテリン類、サイトカイン類、及び成長因子プロモーター、IL-1又はIL-6インヒビター、IL-10プロモーター、TNFインヒビター、ビタミン類、ベンゾフェノン類、ヒダントイン、オクトピロックス、レチノイン酸、止痒剤、駆虫剤、抗真菌剤、ニコチン酸エステル、カルシウム拮抗剤、ホルモン類、トリテルペン類、抗アンドロゲン類、ステロイド性又は非ステロイド性の5α-レダクターゼインヒビター、FP受容体アゴニスト、又はそれらの混合物から選択される、毛髪の再成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する、少なくとも一の付加的な化合物を含有していることを特徴とする、請求項25ないし42のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
付加的な化合物が、アミネキシル、FP受容体アゴニスト及び血管拡張剤から選択されることを特徴とする、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
タンパク質、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール類、尿素、アラントイン、糖類及び糖類誘導体、植物抽出物、ヒドロキシ酸、レチノール又はトコフェロール誘導体、必須脂肪酸、セラミド類、精油、サリチル酸又は5-(n-オクタノイル)サリチル酸等の誘導体、ヒドロキシ酸エステル、及びリン脂質から選択される、他の活性成分をさらに含有していることを特徴とする、請求項25ないし44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
生理学的に許容可能な媒体、特に化粧品用媒体に、少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つ、及びアミネキシル、FP受容体アゴニスト及び血管拡張剤から選択される、ヒトのケラチン繊維の再成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する、少なくとも一の付加的な活性成分を含有せしめてなる、ケラチン繊維を手入れ又はメークアップする組成物。
【請求項47】
付加的な活性成分が、アミネキシル、ミノキシジル、ラタノプロスト、ブタプロスト及びトラボプロストから選択されることを特徴とする、請求項42ないし46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
請求項25ないし47のいずれか1項に記載の化粧品用組成物を、繊維又は皮膚に適用し、この組成物と繊維及び/又は皮膚とを接触させて放置し、場合によってはすすぐことからなることを特徴とする、ケラチン繊維及び/又は該繊維が出ている皮膚の美容処理方法。
【請求項49】
少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つを含有するマスカラ用組成物を、睫毛又は瞼に適用し、この組成物と睫毛及び/又は瞼とを接触させて放置することからなることを特徴とする、ヒトの睫毛の状態及び/又は外観を改善する目的での、ヒトの睫毛の美容的手入れ及び/又はメークアップ方法。
【請求項50】
有効量の少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つを含有する化粧品用組成物を、毛髪及び/又は頭皮に適用し、この組成物と毛髪及び/又は頭皮とを接触させて放置し、場合によっては毛髪及び/又は頭皮をすすぐことからなることを特徴とする、ヒトの毛髪及び/又はヒトの頭皮の状態及び/又は外観を改善する目的での、ヒトの毛髪及び/又はヒトの頭皮の美容的手入れ方法。
【請求項51】
次の式(IV):
【化17】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;Xは、O、NH又はSを表し;Rは、水素又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル基を表し;R及びR基の少なくとも一が、水素、CN、NO、CF、フェニル、OR又はCOOR基、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であり、但し、X=S及びZ=Z'=G又はZ≠Z'である場合に、R及びRはCOOH以外である]
の複素環化合物又はその塩の一つ。
【請求項52】
次の式(V):
【化18】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、フェニル、NO、CF、OR、COOR基、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であり、但し、Z=Z'=G又はZ≠Z'である場合に、R及びRはCOOH以外である]
の複素環化合物又はその塩の一つ。
【請求項53】
Z=Z'=Gである場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10、好ましくはC-Cアルキル基であり;又はZ=Z'であり、Gとは異なる場合、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRはHであることを特徴とする、請求項51又は52に記載の化合物。
【請求項54】
4-{5-[(2,4-ジスルホ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩であることを特徴とする、請求項51ないし53のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項55】
次の式(VI):
【化19】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、水素、CN、CF、NO、OR、COOR、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩の形態を示すことを特徴とする、請求項51に記載の化合物。
【請求項56】
次の式(VII):
【化20】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;Rは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル基を表し;R及びR基の少なくとも一は、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基、NO又はORを表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩の形態を示すことを特徴とする、請求項51に記載の化合物。
【請求項57】
Z形態であることを特徴とする、請求項51ないし56のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項58】
毛髪の小胞におけるプロスタグランジン類の量及び/又は活性を保持する薬剤としての、化粧品用組成物における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの美容的使用。
【請求項59】
毛髪の小胞におけるプロスタグランジン類の量及び/又は活性を保持することを意図した、組成物の製造における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の次の式(I):
【化1】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトのケラチン繊維等のケラチン繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させるための薬剤
【請求項2】
次の式(I):
【化2】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトのケラチン繊維を手入れ及び/又はメークアップする化粧品用組成物に使用される、ケラチン繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置するための薬剤
【請求項3】
次の式(I):
【化3】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトのケラチン繊維を手入れ又はトリートメントする組成物の調製に使用される、繊維の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又はそれらの密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置するための薬剤
【請求項4】
次の式(I):
【化4】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ、特にヒトの15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼのインヒビターとしての薬剤
【請求項5】
次の式(I):
【化5】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトのケラチン繊維を手入れ又はトリートメントする組成物の製造に使用される、ヒトにおける、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼに関連した疾患の処置を意図した薬剤
【請求項6】
ケラチン繊維が、毛髪、眉毛、睫毛、あごひげ、口ひげ、及び陰毛であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項7】
次の式(I):
【化6】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトの毛髪を手入れする化粧品組成物に使用される、抜毛を低減させ、及び/又は毛髪密度を増加させ、及び/又は男性型脱毛症を処置し、及び/又は天然由来の脱毛症を処置するための薬剤
【請求項8】
次の式(I):
【化7】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトの毛髪用組成物の調製に使用される、毛髪の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又は抜毛を遅延化させ、及び/又は毛髪密度を増加させ、及び/又はアンドロゲン性脱毛症を処置し、及び/又は天然由来の脱毛症を処置することを意図した薬剤
【請求項9】
次の式(I):
【化8】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトの睫毛を手入れ及び/又はメークアップする化粧品用組成物に使用される、睫毛の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又はそれらの密度を増加させるための薬剤
【請求項10】
次の式(I):
【化9】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲン、OR、SR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含んでなる、ヒトの睫毛を手入れ及び/又はトリートメントする組成物の調製に使用される、睫毛の成長を誘発及び/又は刺激し、及び/又はそれらの密度を増加させることを意図した薬剤
【請求項11】
Hyのヘテロ原子又はヘテロ原子群が、O、N又はSから選択されることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項12】
及びRが、次の部分A:
【化10】

に対してパラ-又はメタ位にあることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項13】
が水素原子を表すことを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項14】
及びR基の少なくとも一が、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項15】
COORがCOOH又はCOOCH-CHを表すことを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項16】
がCOOHを表し、RがHを表し;RがCOOCH-CHを表し、RがHを表し;又はR及びRがCF又はOCHを表すことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項17】
式(I)の化合物が一又は二のカルボニル基を有し、該基の炭素が複素環の一部を形成していることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項18】
複素環化合物が、次の式(IIIa):
【化11】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩の形態のものを示すことを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項19】
式(I)の化合物がチアゾリジンジオン環を有することを特徴とする、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項20】
Z=Z'=Gである場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10、好ましくはC-Cアルキル基であり;又はZ=Z'であり、Gとは異なる場合、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRはHであることを特徴とする、請求項18に記載の薬剤
【請求項21】
式(I)の化合物の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛(Zn2+)、カルシウム(Ca2+)、銅(Cu2+)、鉄(Fe2+)、ストロンチウム(Sr2+)、マグネシウム(Mg2+)、マンガン(Mn2+)、又はアンモニウムの塩、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの塩、又は水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩から選択される塩であることを特徴とする、請求項1ないし20のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項22】
前記化合物が、次の式:
【化12】








のものから選択されることを特徴とする、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項23】
式(I)の化合物、もしくは式(I)の化合物の混合物が、組成物の全重量に対して10−3%〜10%範囲の濃度で使用されることを特徴とする、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項24】
組成物が、局所適用される組成物であることを特徴とする、請求項2ないし23のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項25】
生理学的に許容可能な媒体と、有効量の次の式(I):
【化13】

[上式中:
− Hyは、少なくとも一のカルボニル官能基及び/又はチオカルボニル官能基を有していてよく、4、5、6又は7の原子を有する複素環を表し、該複素環は、ハロゲンSR、NRR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNRR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONRR'、CF、CN、NRCOR'、SOR'、SONRR'、又はNRSOR'基、は飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものから選択される少なくとも一の置換基で置換されていてもよく、該これらの環縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示し;
− Gは、O、S又はNHを表し;
− R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、OR、SR、NR'、COR、CSR、NRCONR'R''、C(=NR)R'、C(=NR)NR'R''、NRC(=NR')NR''R'''、OCOR、COSR、SCOR、CSNR'、NRCSR'、NRCSNR'R''、COOR、CONR'、CF、NO、CN、NRCOR'、SO'、SONR'、又はNRSO'基、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又は少なくとも一の飽和又は不飽和で4ないし7原子を有する環で、場合によっては少なくとも一のヘテロ原子を含むものを表し、ここで、該環は分離又は縮合可能で、さらにアルキル基及び環は置換可能であり、ここでR、R'、R''及びR'''は同一又は異なっており、水素、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、又はアリール基で、置換されていてもよいものを示す]
の少なくとも一の複素環化合物又はその塩の一つを含有し、局所適用されるものである、ケラチン繊維を手入れ又はメークアップするための組成物。
【請求項26】
Hyのヘテロ原子又はヘテロ原子群が、O、N又はSから選択されることを特徴とする、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
及びRが、次の部分A:
【化14】

に対してパラ-又はメタ位にあることを特徴とする、請求項25又は26に記載の組成物。
【請求項28】
が水素原子を表すことを特徴とする、請求項25ないし27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
及びR基の少なくとも一が、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であることを特徴とする、請求項25ないし28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
COORがCOOH又はCOOCH-CHを表すことを特徴とする、請求項25ないし29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
がCOOHを表し、RがHを表し;RがCOOCH-CHを表し、RがHを表し;又はR及びRがCF又はOCHを表すことを特徴とする、請求項25ないし30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
式(I)の化合物が一又は二のカルボニル基を有し、該基の炭素が複素環の一部を形成していることを特徴とする、請求項25ないし31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
複素環化合物が、次の式(IIIa):
【化15】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、H又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその塩の形態のものを示すことを特徴とする、請求項25ないし32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
式(I)の化合物が1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン環を有することを特徴とする、請求項25ないし33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
Z=Z'=Gである場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10、好ましくはC-Cアルキル基であり;又はZ=Z'であり、Gとは異なる場合、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRはHであることを特徴とする、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
式(I)の化合物を塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛(Zn2+)、カルシウム(Ca2+)、銅(Cu2+)、鉄(Fe2+)、ストロンチウム(Sr2+)、マグネシウム(Mg2+)、マンガン(Mn2+)、又はアンモニウムの塩、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの塩、又は水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩から選択される塩であることを特徴とする、請求項25ないし35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
式(I)の化合物が、次の化合物:
【化16】








から選択されることを特徴とする、請求項25ないし36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
式(I)の化合物が、組成物の全重量に対して10−3%〜10%濃度で使用されることを特徴とする、請求項25ないし37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
ヘアケア用のクリーム又はローション、シャンプー又はコンディショナー、毛髪用マスカラ、又は睫毛用マスカラの形態で提供されることを特徴とする、請求項25ないし38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
組成物が、水性、アルコール性又は水性/アルコール性溶液又は懸濁液の形態であることを特徴とする、請求項25ないし39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
溶媒、水相又は油相のための増粘剤又はゲル化剤、組成物の媒体に溶解する着色物質、フィラー又は顔料、酸化防止剤、防腐剤、香料、電解質、中和剤、皮膜形成ポリマー、UVブロッカー剤、式(I)の化合物以外の化粧品用又は製薬用活性成分、又はそれらの混合物から選択される他の成分を含有していることを特徴とする、請求項25ないし40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
ケラチン繊維の再成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する、少なくとも一の付加的な活性化合物を含有していることを特徴とする、請求項25ないし41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
アミネキシル、6-O-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、カリウムチャンネルアゴニスト、リポキシゲナーゼインヒビター、ブラジキニンインヒビター、プロスタグランジン類及びその誘導体、プロスタグランジン受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、非プロスタン酸プロスタグランジン類似体、血管拡張剤、抗アンドロゲン剤、サイクロスポリン類及びその類似体、抗菌剤、抗炎症剤、レチノイド類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、メントール、ペパーミント油、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、プロテインキナーゼCアクチベータ、グリコシダーゼインヒビター、グリコサミノグリカナーゼインヒビター、ピログルタミン酸エステル、六糖酸又はアシル六糖酸、アリール置換されたエチレン類、N-アシル化アミノ酸、フラボノイド類、アスコマイシン誘導体及び類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、サポニン類、プロテオグリカナーゼインヒビター、エストロゲンアゴニスト及びアンタゴニスト、シュードプテリン類、サイトカイン類、及び成長因子プロモーター、IL-1又はIL-6インヒビター、IL-10プロモーター、TNFインヒビター、ビタミン類、ベンゾフェノン類、ヒダントイン、オクトピロックス、レチノイン酸、止痒剤、駆虫剤、抗真菌剤、ニコチン酸エステル、カルシウム拮抗剤、ホルモン類、トリテルペン類、抗アンドロゲン類、ステロイド性又は非ステロイド性の5α-レダクターゼインヒビター、FP受容体アゴニスト、又はそれらの混合物から選択される、毛髪の再成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する、少なくとも一の付加的な化合物を含有していることを特徴とする、請求項25ないし42のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
付加的な化合物が、アミネキシル、FP受容体アゴニスト及び血管拡張剤から選択されることを特徴とする、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
タンパク質、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール類、尿素、アラントイン、糖類及び糖類誘導体、植物抽出物、ヒドロキシ酸、レチノール又はトコフェロール誘導体、必須脂肪酸、セラミド類、精油、サリチル酸又は5-(n-オクタノイル)サリチル酸等の誘導体、ヒドロキシ酸エステル、及びリン脂質から選択される、他の活性成分をさらに含有していることを特徴とする、請求項25ないし44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
生理学的に許容可能な媒体、特に化粧品用媒体に、少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つ、及びアミネキシル、FP受容体アゴニスト及び血管拡張剤から選択される、ヒトのケラチン繊維の再成長を促進させ、及び/又は抜毛を制限する、少なくとも一の付加的な活性成分を含有せしめてなる、ケラチン繊維を手入れ又はメークアップする組成物。
【請求項47】
付加的な活性成分が、アミネキシル、ミノキシジル、ラタノプロスト、ブタプロスト及びトラボプロストから選択されることを特徴とする、請求項42ないし46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
請求項25ないし47のいずれか1項に記載の化粧品用組成物を、繊維又は皮膚に適用し、この組成物と繊維及び/又は皮膚とを接触させて放置し、場合によってはすすぐことからなることを特徴とする、ケラチン繊維及び/又は該繊維が出ている皮膚の美容処理方法。
【請求項49】
少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つを含有するマスカラ用組成物を、睫毛又は瞼に適用し、この組成物と睫毛及び/又は瞼とを接触させて放置することからなることを特徴とする、ヒトの睫毛の状態及び/又は外観を改善する目的での、ヒトの睫毛の美容的手入れ及び/又はメークアップ方法。
【請求項50】
有効量の少なくとも一の式(I)の化合物又はその塩の一つを含有する化粧品用組成物を、毛髪及び/又は頭皮に適用し、この組成物と毛髪及び/又は頭皮とを接触させて放置し、場合によっては毛髪及び/又は頭皮をすすぐことからなることを特徴とする、ヒトの毛髪及び/又はヒトの頭皮の状態及び/又は外観を改善する目的での、ヒトの毛髪及び/又はヒトの頭皮の美容的手入れ方法。
【請求項51】
次の式(V):
【化17】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し、ここでZ=Z'であり;R及びR基の少なくとも一は、フェニルCF、OR、COOR基、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であり、但し、Z=Z'=Gある場合に、R及びRはCOOH以外であり;Z=Z'=G=Oである場合に、R及び/又はRは、メタ位においてCOORを表し、ここでRがH、CFとは異なり、パラ位又はオルト位において、ORで置換され、飽和した直鎖状又は分岐状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基、又はR=R=CFを表し;Z=Z'=S及びG=Oである場合に、R及びRの一は、パラ位においてメチルとは異なり、パラ位においてORとは異なるものあり、ここでRはメチルを表し、及びメタ位においてCFとは異なる] の複素環化合物又はその塩の一つ。
【請求項52】
Z=Z'=Gである場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF、OR又はCOORを表し、ここでRは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10、好ましくはC-Cアルキル基であり;又はZ=Z'であり、Gとは異なる場合に、R及びR基の少なくとも一は、CF又はCOORを表し、ここでRはHであることを特徴とする、請求項51記載の化合物。
【請求項53】
4-{5-[(2,4-ジスルホ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩であることを特徴とする、請求項51又は52に記載の化合物。
【請求項54】
次の式(VI):
【化18】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し、ここでZ=S及びZ'=Oであり;R及びR基の少なくとも一は、水素、CN、CFOR、COOR、又はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基であり、但しG=Z'=O及びZ=Sである場合に、R及びR基はORで置換されていてもよい、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基を表す]
のもの、又はその対応する塩の形態を示すことを特徴とする複素環化合物。
【請求項55】
次の式(VII):
【化19】

[上式中、Z、Z'及びGは独立して、O又はSを表し;Rは、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル基を表し;R及びR基の少なくとも一は、飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基、NO又はORを表し、ここでRは、H又は飽和した直鎖状又は分枝状のC-C20、好ましくはC-C10アルキル基である]
のもの、又はその対応する塩の形態を示すことを特徴とする複素環化合物。
【請求項56】
Z形態であることを特徴とする、請求項51ないし55のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項57】
毛髪の小胞におけるプロスタグランジン類の量及び/又は活性を保持する薬剤としての、化粧品用組成物における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの美容的使用。
【請求項58】
毛髪の小胞におけるプロスタグランジン類の量及び/又は活性を保持することを意図した、組成物の製造における、少なくとも一の式(I)の複素環化合物又はその塩の一つの使用。

【公表番号】特表2006−518338(P2006−518338A)
【公表日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501926(P2005−501926)
【出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002823
【国際公開番号】WO2004/028441
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】