説明

毛髪洗浄剤組成物

【課題】すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与でき、更にスタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができ、髪質の改善作用に優れる毛髪洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)カチオン性界面活性剤と、(B)長鎖脂肪族アルコールと、(C)両性界面活性剤と、(D)少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体と、を含有し、前記(D)成分に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の質量比(〔(A)+(B)〕/(D))が8〜200であり、かつ前記(D)成分に対する前記(A)成分の質量比((A)/(D))が5〜50である毛髪洗浄剤組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性の髪は、清潔志向及びおしゃれ意識の高まりに伴い、毎日の洗髪やスタイリング、ドライヤー等による物理的損傷や染毛、ブリーチ、パーマ処理等による化学的損傷を受けやすくなっている。損傷した毛髪の不具合点として、シャンプーをすすいだ時にきしみ感が強くなることや、乾燥後の毛髪にしっとり感がなくパサつき、櫛通りが悪くなること、毛髪のハリが低下することなどが挙げられる。
【0003】
そのため、乾燥後の毛髪にハリを付与し、更にその効果を持続させ、翌日でもスタイリングしやすくできるような毛髪洗浄剤組成物の提供が求められている。また、ひとつの製品でシャンプー効果とトリートメント効果との両方を得ることができる簡便なものが求められている。
【0004】
損傷した毛髪の不具合点を解決する手段として、シャンプー組成物中にリンス成分であるカチオン性界面活性剤や長鎖脂肪族アルコールを配合することで、毛髪をすすいだ時にその液晶(カチオン性界面活性剤及び長鎖脂肪族アルコールの会合体)が毛髪に吸着してなめらかさを発現し、乾燥後の毛髪のパサつきを抑制し、なめらかな感触を与える技術が提案されている(特許文献1〜2参照)。
しかし、これらの毛髪洗浄剤組成物を使用しても、乾燥後の毛髪が、コンディショナーやトリートメントをした後のようなしっとりとした仕上がりにはならず、その効果は十分なものではない点で問題である。
【0005】
また、アクリル酸とアクリルアミドとジアルキルジアリルアンモニウム塩との共重合体等の3次元の両性ポリマーを配合し、すすぎ感触が良好で、しっとり感に優れる毛髪洗浄剤組成物が提案されている(特許文献3〜4参照)。
しかし、これらの毛髪洗浄剤組成物を使用しても、すすぎ時の指通り、乾燥後の毛髪のしっとり感やハリは、十分なものではない点で問題である。
【0006】
したがって、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与でき、更にスタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができ、髪質の改善作用に優れる毛髪洗浄剤組成物の提供が望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−307463号公報
【特許文献2】特開2001−311099号公報
【特許文献3】特開2003−105382号公報
【特許文献4】特開2007−254573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与でき、更にスタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができ、髪質の改善作用に優れる毛髪洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。
即ち、(A)カチオン性界面活性剤と、(B)長鎖脂肪族アルコールと、(C)両性界面活性剤と、(D)少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体と、を含有し、前記(D)成分に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の質量比(〔(A)+(B)〕/(D))が8〜200であり、かつ前記(D)成分に対する前記(A)成分の質量比((A)/(D))が5〜50である毛髪洗浄剤組成物が、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与でき、更にスタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができ、髪質の改善作用に優れることを知見し、本発明の完成に至った。
【0010】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)カチオン性界面活性剤と、(B)長鎖脂肪族アルコールと、(C)両性界面活性剤と、(D)少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体と、を含有し、前記(D)成分に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の質量比(〔(A)+(B)〕/(D))が8〜200であり、かつ前記(D)成分に対する前記(A)成分の質量比((A)/(D))が5〜50であることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物である。
<2> (D)少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体が、前記アクリル酸と、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとからなる前記<1>に記載の毛髪洗浄剤組成物である。
<3> (E)シリコーン油及び常温で液状のエステル油の少なくともいずれかを更に含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与でき、更にスタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができ、髪質の改善作用に優れる毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(毛髪洗浄剤組成物)
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、カチオン性界面活性剤と、長鎖脂肪族アルコールと、両性界面活性剤と、少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体と、を少なくとも含有し、好ましくは、シリコーン油及び常温で液状のエステル油の少なくともいずれか含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0013】
<(A)カチオン性界面活性剤>
前記カチオン性界面活性剤(以下、「(A)成分」と称することがある。)の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数が12以上の炭化水素基を有するカチオン性界面活性剤が好ましい。炭素数が12未満であると、皮膚刺激があり、前記長鎖脂肪族アルコールとの会合体(液晶と称することもある。)が形成しにくい場合がある。これらの(A)成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記炭素数が12以上の炭化水素基を有するカチオン性界面活性剤において、炭化水素基は、−O−、−CONH−、−COO−等の官能基で分断されていてもよい。なお、このとき、該炭化水素基の炭素数12以上とは、−CONH−、−COO−等の官能基の炭素数も含むものとする。
【0014】
前記炭素数12以上の炭化水素基を有するカチオン性界面活性剤としては、毛髪洗浄剤組成物に配合し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキル第4級アンモニウム塩、分子内にエステル基を少なくとも1つ含む第4級アンモニウム塩、アミドアミン型界面活性剤、アミン型界面活性剤、グアニジン誘導体又はその塩、アミノ酸型カチオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0015】
<<アルキル第4級アンモニウム塩>>
前記アルキル第4級アンモニウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(1)で表されるアルキル第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【化1】

前記一般式(1)において、R及びRの少なくとも1つは、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、直鎖アルキル基が特に好ましい。また、前記R及び前記Rのいずれか一方は、メチル基又はエチル基であってもよい。前記R及び前記Rの少なくともいずれかは、炭素数が、12〜28が好ましく、16〜24がより好ましく、22が特に好ましい。前記R及び前記Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(1)において、R及びRはメチル基又はエチル基を表し、これらは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(1)において、Zは、アニオンを表し、例えば、CHSO、CSO、Cl、Brなどが挙げられる。
【0016】
前記アルキル第4級アンモニウム塩における塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類;グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。なお、中和に用いられる塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
前記一般式(1)で表されるアルキル第4級アンモニウム塩の具体例としては、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0018】
<<分子内にエステル基を含む第4級アンモニウム塩>>
前記分子内にエステル基を少なくとも1つ含む第4級アンモニウム塩としては、例えば、下記一般式(2)で表わされる分子内にエステル基を1つ含む第4級アンモニウム塩、下記一般式(4)で表わされる分子内にエステル基を2つ含む第4級アンモニウム塩、下記一般式(6)で表わされる分子内にエステル基を3つ含む第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0019】
−分子内にエステル基を1つ含む第4級アンモニウム塩−
前記分子内にエステル基を1つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【化2】

前記一般式(2)において、Rは、炭素数12〜26の、エステル基を少なくとも1つ含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは、メチル基、エチル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。前記Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、Xは、アニオンを表し、例えば、CHSO、CSO、Cl、Brなどが挙げられる。
【0020】
これらの中でも、前記分子内にエステル基を1つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【化3】

前記一般式(3)において、Rは、炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、炭素数13〜21の直鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。前記Rは、具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸及びエライジン酸等の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であることが好ましい。
【0021】
−分子内にエステル基を2つ含む第4級アンモニウム塩−
分子内にエステル基を2つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(4)で表わされる化合物などが挙げられる。
【化4】

前記一般式(4)において、Rは、炭素数12〜26の、エステル基を少なくとも1つ含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは、メチル基、エチル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。前記R及び前記Rは、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(4)において、Xは、アニオンを示し、例えば、CHSO、CSO、Cl、Brなどが挙げられる。
【0022】
これらの中でも、前記分子内にエステル基を2つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
【化5】

前記一般式(5)にいて、Rは、炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、炭素数13〜21の直鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。前記Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。前記Rは、具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸及びエライジン酸等の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であることが好ましい。
【0023】
−分子内にエステル基を3つ含む第4級アンモニウム塩−
分子内にエステル基を3つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(6)で表される化合物などが挙げられる。
【化6】

前記一般式(6)において、Rは、炭素数12〜26の、エステル基を1つ含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは、メチル基、エチル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。前記Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(6)において、Xは、アニオンを示し、例えば、CHSO、CSO、Cl、Brなどが挙げられる。
【0024】
これらの中でも、前記分子内にエステル基を3つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(7)で表される化合物が好ましい。
【化7】

前記一般式(7)において、Rは、炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、炭素数13〜21の直鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。前記Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。前記Rは、具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸及びエライジン酸等の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であることが好ましい。
【0025】
なお、前記一般式(2)〜(7)において、R、R、R、及びXは、他の各一般式中のR、R、R、及びXとはそれぞれ独立である。
【0026】
前記一般式(3)、前記一般式(5)、前記一般式(7)におけるRは、炭素数10〜24の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であり、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸のいずれから誘導される基であることが好ましい。
【0027】
前記Rが不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体とが存在する。前記シス体と前記トランス体との質量比(シス体/トランス体)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25/75〜80/20が好ましく、40/60〜80/20がより好ましい。
【0028】
前記Rのもととなる脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。
これらの中でも、前記Rのもととなる脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸が好ましく、植物由来のステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、及びエライジン酸の少なくともいずれかを所定量組み合わせることが特に好ましい。
【0029】
前記Rのもととなる脂肪酸を組み合わせる際の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸との質量比(飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸)が、95/5〜50/50であり、シス体とトランス体との質量比(シス体/トランス体)が、40/60〜80/20であることが好ましい。
また、炭素数が18の脂肪酸の含有量が60質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸の含有量が2質量%以下であり、炭素数22の脂肪酸の含有量が1質量%以下となるように調整した脂肪酸組成を用いることが好ましい。
【0030】
前記分子内にエステル基を少なくとも1つ含む第4級アンモニウム塩の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記脂肪酸組成物又は脂肪酸メチルエステル組成物と、トリエタノールアミンとの縮合反応、続いてジメチル硫酸等の4級化試薬による4級化反応により合成する方法などが挙げられる。
【0031】
<<アミドアミン型界面活性剤>>
前記アミドアミン型界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(8)で表されるアミドアミン型界面活性剤が好ましい。
【化8】

前記一般式(8)において、Rは、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表す。前記Rの炭素数としては、11〜27が好ましく、15〜23がより好ましく、21が特に好ましい。
前記一般式(8)において、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくはメチル基又はエチル基である。前記Rは、互いに同じであってもよく、異なってい
前記一般式(8)において、nは2〜4の整数を表す。
【0032】
前記一般式(8)で表されるアミドアミン型界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどが挙げられる。
これらの中でも、前記アミドアミン型界面活性剤は、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドが好ましい。
【0033】
前記アミドアミン型界面活性剤は、通常、塩の形で含有される。前記塩の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類;グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、酸性アミノ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩が好ましい。なお、中和に用いられる塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
<<アミン型界面活性剤>>
前記アミン型界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ステアロキシプロピルジメチルアミンが好ましい。
【0035】
前記アミン型界面活性剤は、通常、塩の形で含有される。前記塩の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類;グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、酸性アミノ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩が好ましい。なお、中和に用いられる塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
<<グアニジン誘導体又はその塩>>
前記グアニジン誘導体又はその塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(9)で表されるグアニジン誘導体又はその塩が好ましい。

前記一般式(9)において、R10は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表す。前記R10の炭素数としては、11〜27が好ましく、11〜21がより好ましい。
前記一般式(9)において、Aは、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基を表す。前記Aの炭素数としては、1〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。
前記一般式(9)において、tは1〜5の整数を表す。前記tが2以上の場合、各ブロック中のAは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記R10の具体例としては、C1123−、C1225−、C1327−、C1429−、C1531−、C1633−、C1735−、(C17CH−、4−C1530−などが挙げられる。
前記Aの具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、2−ペンテニル基、2−エチルブチレン基などが挙げられる。
【0037】
前記一般式(9)で表わされるグアニジン誘導体は、通常、塩の形で含有される。前記塩の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類;グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、塩酸塩、臭素酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、クエン酸、酸性アミノ酸塩が好ましい。なお、中和に用いられる塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
<<アミノ酸型カチオン性界面活性剤>>
前記アミノ酸型カチオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩などが挙げられる。
【0039】
前記アミノ酸型カチオン性界面活性剤中の塩基性アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルニチン、リシン、アルギニン等の天然アミノ酸などが挙げられる。また、α,γ−ジアミノ酪酸のような合成アミノ酸を用いることもできる。これらは光学活性体でもラセミ体でもよい。
【0040】
前記アミノ酸型カチオン性界面活性剤中のアシル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数が12〜22の飽和又は不飽和の高級脂肪酸残基が好ましい。これらは天然のものであってもよく、合成されたものであってもよい。
前記アミノ酸型カチオン性界面活性剤中のアシル基の具体例としては、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基等の単一脂肪酸残基;ヤシ油脂肪酸残基、牛脂高級脂肪酸残基等の天然の混合高級脂肪酸残基などが挙げられる。
【0041】
前記アミノ酸型カチオン性界面活性剤中の低級アルキルエステル成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜8のアルキルエステルが好ましい。
前記アミノ酸型カチオン性界面活性剤中の低級アルキルエステル成分の具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、及びオクチルエステルなどが挙げられる。
前記低級アルキルエステル成分は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。これらの中でも、塩酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩、酸性アミノ酸塩が好ましい。
【0042】
前記(A)成分は、前記アルキル第4級アンモニウム塩、前記分子内にエステル基を少なくとも1つ含む第4級アンモニウム塩、前記アミドアミン型界面活性剤、前記アミン型界面活性剤、前記グアニジン誘導体又はその塩、前記アミノ酸型カチオン性界面活性剤の中でも、アミドアミン型界面活性剤、アルキル第4級アンモニウム塩が好ましく、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のアミドアミン型界面活性剤、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキル第4級アンモニウム塩がより好ましく、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感及びハリを付与する作用に優れ、スタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができる点で特に好ましい。
【0043】
前記(A)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
【0044】
前記毛髪洗浄剤組成物における前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜5質量%が好ましく、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する作用に優れ、スタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができる点で、1質量%〜4質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、0.5質量%未満又は5質量%を超えると、すすぎ時の指通りが悪くなること、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないこと、スタイリングがしにくくなることなどがある。
【0045】
<(B)長鎖脂肪族アルコール>
前記長鎖脂肪族アルコール(以下、「(B)成分」と称することがある。)の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、12以上であることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記毛髪洗浄剤組成物中で、前記(B)成分は、単独で前記(A)成分と液晶構造体を形成することができる。
【0046】
前記炭素数12以上のアルコールとしては、例えば、下記一般式(10)で表される長鎖脂肪族アルコールなどが挙げられる。
13−OH ・・・一般式(10)
前記一般式(10)において、R13は、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を表す。これらの中でも、前記R13は、炭素数12〜24の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、直鎖アルキル基が特に好ましい。
【0047】
前記一般式(10)で表わされるアルコールの具体例としては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデシルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、硬化ナタネ油アルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、カルナービルアルコール、セリルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどが挙げられる。
これらの中でも、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する作用に優れ、スタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができる点で、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数16〜22の直鎖の脂肪族炭化水素基を有するアルコールが好ましく、ステアリルアルコール、べへニルアルコールが特に好ましい。
【0048】
前記(B)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
【0049】
前記毛髪洗浄剤組成物における前記(B)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜10質量%が好ましく、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する作用に優れ、スタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができる点で、4質量%〜8質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、1質量%未満であると、すすぎ時の指通りが悪くなることや、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないことがあり、10質量%を超えると、乾燥後の毛髪がごわつき、スタイリングがしにくくなることがある。
【0050】
また、前記(B)成分は、本発明の効果の点から、炭素数12以上のアルコール全量に対して、炭素数22のアルコールの割合が40質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。炭素数12以上のアルコール全量に対して、炭素数22のアルコールの割合が40質量%未満になると、分離安定性が悪くなることがある。
【0051】
<(B)成分/(A)成分>
前記(A)成分と、前記(B)成分との質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(B)成分/(A)成分は、1〜7が好ましく、すすぎ時の指通りに優れる点で、1.5〜6がより好ましい。前記質量比が、1未満であると、すすぎ時の指通りが悪くなることがあり、7を超えると、すすぎ時の指通りが悪くなることや、スタイリングがしにくくなることがある。
【0052】
<(C)両性界面活性剤>
前記両性界面活性剤(以下、「(C)成分」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベタイン型活性剤、アミドベタイン型活性剤、スルホベタイン型活性剤、ヒドロキシスルホベタイン型活性剤、アミドスルホベタイン型活性剤、ホスホベタイン型活性剤、イミダゾリニウムベタイン型活性剤、アミノプロピオン酸型活性剤、アミノ酸型活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記(C)成分は、ベタイン型界面活性剤が好ましい。
【0053】
前記ベタイン型界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
これらの中でも、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与する作用に優れる点で、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインがより好ましい。
【0054】
前記(C)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
【0055】
前記毛髪洗浄剤組成物における前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜20質量%が好ましく、すすぎ時の毛髪の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にハリを付与する作用に優れ、スタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができる点で、8質量%〜14質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、5質量%未満であると、すすぎ時の指通りが悪くなることや、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないことがあり、20質量%を超えると、乾燥後の毛髪がごわつき、スタイリングがしにくくなることがある。
【0056】
<(D)少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体>
本発明の毛髪洗浄剤組成物における共重合体は、少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である(以下、「(D)成分」と称することがある。)。
前記アクリル酸のモル含有率は、前記(D)成分における全モノマー単位のモル含有率を100モル%としたときのモル含有率である。
前記モル含有率は、モル比で表すこともでき、100を基準としたとき、前記(D)成分におけるアクリル酸のモル比は、5〜40である。また、1を基準としたときは、前記(D)成分におけるアクリル酸のモル比は、0.05〜0.4である。
【0057】
前記モル含有率は、5モル%〜40モル%であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与する作用に優れる点で、5モル%〜35モル%が好ましく、10モル%〜35モル%がより好ましい。前記モル含有率が、5モル%未満であると、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないことがあり、40モル%を超えると、すすぎ時の指通りが悪くなることや、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないこと、スタイリングがしにくくなることがある。
なお、本発明において、前記(D)成分における、アクリル酸のモル比は、前記(D)成分をドライアップした後、重水に溶解してH−NMR測定を行い、その積分値より得られる値である。
【0058】
前記(D)成分としては、前記条件を満たす共重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(D)成分の具体例としては、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸/塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリルアミド共重合体、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体/アクリルアミド共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリルアミド共重合体などが挙げられる。これらの中でも、前記(D)成分は、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する作用に優れる点で、アクリル酸と、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとからなるアクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体が特に好ましい。
【0059】
前記(D)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
【0060】
前記(D)成分の市販品の具体例としては、商品名で、MERQUAT280(アクリル酸のモル比:35)、MERQUAT281(アクリル酸のモル比:35)、MERQUAT280SD(アクリル酸のモル比:35)、MERQUAT295(アクリル酸のモル比:5)等のアクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体;MERQUAT2003PR(アクリル酸のモル比:10)、MERQUAT5300(アクリル酸のモル比:5)等のアクリル酸/塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリルアミド共重合体;MERQUAT3330PR(アクリル酸のモル比:34)、PLUS3330(アクリル酸のモル比:34)、3330DRY(アクリル酸のモル比:34)、MERQUAT PLUS3331(アクリル酸のモル比:22.5)、3331PR(アクリル酸のモル比:22.5)等のアクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体(以上、全てナルコ社製)などが挙げられる。
これらの中でも、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する作用に優れる点で、MERQUAT2003PR、MERQUAT280、MERQUAT281、280SD、MERQUAT PLUS3331がより好ましい。
【0061】
前記毛髪洗浄剤組成物における前記(D)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05質量%〜0.6質量%が好ましく、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与する作用に優れる点で、0.1質量%〜0.4質量%がより好ましい。前記(D)成分の含有量が、0.05質量%未満又は0.6質量%を超えると、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないことや、スタイリングがしにくくなることがある。
【0062】
<〔(A)成分+(B)成分〕/(D)成分>
前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(D)成分の質量比としては、[(A)成分+(B)成分]/(D)成分が、8〜200であるが、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与する作用に優れ、スタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができる点で、20〜50がより好ましい。前記含有質量比が、8未満又は200を超えると、すすぎ時の指通りが悪くなること、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないこと、スタイリングがしにくくなることなどがある。
【0063】
<(A)成分/(D)成分>
前記(A)成分及び前記(D)成分の含有質量比としては、(A)成分/(D)成分が、5〜50であるが、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪のしっとり感やハリを付与する作用に優れ、スタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができる点で、8〜25がより好ましい。前記含有質量比が、5未満又は50を超えると、すすぎ時の指通りが悪くなること、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与することができないこと、スタイリングがしにくくなることなどがある。
【0064】
<(E)シリコーン油、常温で液状エステル油>
前記シリコーン油及び常温で液状のエステル油の少なくともいずれか(以下、「(E)成分」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、本発明において、常温とは、15℃〜25℃の範囲をいう。
前記毛髪洗浄剤組成物に、前記(E)成分を配合すると、更にスタイリングのしやすさを向上させることができる点で好ましい。
【0065】
前記(E)成分の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃における動粘度が、500万mm/s以上のものが好ましく、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する点で、1,000万mm/s以上のものが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】
前記動粘度の測定方法としては、例えば、下記に示す方法により測定することができる。
1g/100mL濃度のシリコーンのトルエン溶液を作成し、下記式(1)により25℃における比粘度ηspを求める。次に下記式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。Huggins定数は中牟田、日化、77588[1956]に記載のものを用いる。次に〔η〕を下記式(3)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量を求める。最後に、Mを式(4)に示すA.J.Barryの式に代入し、シリコーンの動粘度ηを求めることができる。
ηsp=(η/η)−1・・・式(1)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕・・・式(2)
〔η〕=0.215×10−40.65・・・式(3)
logη=1.00+0.0123M0.5・・・式(4)
前記式(1)中、ηはトルエンの粘度を表し、ηは溶液の粘度を示す。
前記η及びηは、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定したものである。
【0067】
また、前記(E)成分は、オイルであってもよく、エマルジョンであってもよい。
前記(E)成分をエマルジョン化する際の、乳化剤や乳化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(E)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
【0068】
−シリコーン油−
前記シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、EO変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
前記ジメチルポリシロキサンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
これらの中でも、前記シリコーン油は、スタイリングのしやすさを向上させる作用に優れる点で、高重合のジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンがより好ましい。
【0069】
前記シリコーン油の市販品の具体例としては、商品名で、レオフローDMS−60(一方社油脂工業株式会社製、ジメチルシリコ−ン動粘度:1,000万(mm/s)/400万(mm/s)/1,000(mm/s)=9/9/42(質量比)、一方社油脂工業株式会社製)、KM−903(シリコーンオイルジメチルシリコ−ン動粘度:2,000万mm/s、ジメチルシリコ−ンの固形分換算:60%、信越化学工業株式会社製)等のジメチルポリシロキサン;X−52−2328(アミノプロピルジメチコンの固形分換算:12質量%、信越化学工業株式会社製)、X−52−2362(アミノプロピルジメチコンの固形分換算:12質量%、信越化学工業株式会社製)、KF−8018(アミノプロピルジメチコンの固形分換算:10質量%、信越化学工業株式会社製)、KF−8018(アミノプロピルジメチコンの固形分換算:10質量%、信越化学工業株式会社製)、KF―8020(アミノプロピルジメチコンの固形分換算:20質量%、信越化学工業株式会社製)等のアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
【0070】
−常温で液状エステル油−
前記常温で液状のエステル油の具体的としては、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、乳酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、オクタン酸ミリスチル、オクタン酸パルミチル、オクタン酸ステアリル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミチスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、エイコセン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、アジピン酸2−ヘプチルウンデシル、コハク酸ジエトキシエチル、カプリル酸プロピルヘプチルなどが挙げられる。
これらの中でも、スタイリングのしやすさを更に向上させる作用に優れる点で、カプリル酸プロピルヘプチルが好ましい。
【0071】
前記毛髪洗浄剤組成物における、前記(E)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜5質量%が好ましく、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する作用に優れ、スタイリングのしやすさを更に向上させることができる点で、0.2質量%〜3質量%がより好ましい。前記(E)成分の含有量が、0.1質量%未満であると、乾燥後の毛髪にしっとり感を付与する作用が十分でないことがあり、5質量%を超えると、スタイリングのしやすさを更に向上させることができないことがある。
一方、前記(E)成分の含有量が、前記好ましい範囲であると、スタイリングのしやすさを更に向上させる作用に優れる点で好ましい。
【0072】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素;ツバキ油、アーモンド油、ホホバ油等の植物油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤;没食子酸誘導体、グリシン、セリン、アルギニン等のアミノ酸;ピロリドンカルボン酸及びその塩、生薬、ビタミン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸等の消炎剤;ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等のフケ止め剤;イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等の殺菌剤;水、エタノール、プロピレングリコール等の溶剤;アクリル酸系ポリマー等のアニオン性ポリマー;ビニルピロリドン系ポリマー等のノニオン性ポリマー;カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム等のカチオン性ポリマー;無水シリカ、マグネシアシリカ等の無機粉体;ナイロン、ポリエチレン等の有機粉体;タール色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記毛髪洗浄剤組成物における前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0073】
<pH>
前記毛髪洗浄剤組成物のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜7が好ましく、4〜6がより好ましい。前記pHが、3未満であると、地肌への刺激が強いことがあり、7を超えると、防腐力が低下して微生物が繁殖することがある。
前記pHは、例えば、化粧品原料基準一般試験法pH測定法に準拠して測定することができる。
【0074】
<粘度>
前記毛髪洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000mPa・s〜6,000mPa・sが好ましい。前記粘度が、1,000mPa・s未満であると、使用時に手からこぼれるため使用しにくいことがあり、6,000mPa・sを超えると、容器からの排出性が悪くなることがある。
前記25℃における粘度は、例えば、粘度計(例えば、BM型粘度計、TOKIMEC社製)を用いて、25℃にて、No.4ローターを用い、30rpm、20秒間の条件で測定することができる。
【0075】
<容器>
前記毛髪洗浄剤組成物は、容器に収容して用いてもよい。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器などが挙げられる。
前記アルミニウムラミネートチューブのラミネートフィルムは、通常2層以上の多層を有し、その材質はポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミ蒸着プラスチック等によって構成される。強度、柔軟性、耐候性などを考慮し、一般的には2層〜5層のものを用いる。
【0076】
前記容器の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ガラスなどが挙げられる。これらは、これらは、単層で使用してもよく、2層以上組み合わせて使用してもよい。
【0077】
<用途>
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与でき、更にスタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができ、髪質の改善作用に優れるため、例えば、シャンプー、シャンプー効果とリンスやトリートメント効果が同時に得られるリンスインシャンプー、トリートメントインシャンプーなどに好適に利用できる。特に、リンスインシャンプー、トリートメントインシャンプーに好ましく用いられる。
なお、本発明において、スタイリングのしやすさは、本発明の前記毛髪洗浄剤組成物で洗浄した翌日までスタイリングしやすいことが好ましい。
【実施例】
【0078】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例において、特に明記しない限り、「%」は、質量%を表し、比率は、質量比を表し、表中の各成分の配合量は、純分換算した量を表す。
【0079】
(実施例1〜28)
下記表2〜6に示す組成及び配合量に従い、実施例1〜28のリンスインシャンプーを常法により調製した。
具体的には、80℃の湯浴中で、(C)成分、(D)成分、及び水溶性のその他の成分を混合溶解し、これを水相とした。次に、(A)成分、(B)成分、及び油溶性のその他の成分を混合溶解し、これを油相とした。前記油相を前記水相に添加し、均一混合した。次いで、pH調整剤としてのクエン酸を添加し、25℃にてpHメーター(商品名:HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)で測定しながらpH5.5に調整した。その後、香料を添加し、更に攪拌しながら約25℃まで冷却した。
【0080】
(実施例29〜40)
実施例1において、表2に示す組成及び配合量に変えて、表7〜8に示す組成及び配合量に従い、pH調整を行った後、香料と共に(E)成分を添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例29〜40のリンスインシャンプーを調製した。
【0081】
(比較例1)
実施例1において、(A)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のリンスインシャンプーを調製した。組成及び配合量は、表9に示す。
【0082】
(比較例2)
実施例1において、(B)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のリンスインシャンプーを調製した。組成及び配合量は、表9に示す。
【0083】
(比較例3)
実施例1において、(C)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例3の毛髪洗浄剤組成物を調製した。組成及び配合量は、表9に示す。
【0084】
(比較例4)
実施例1において、(D)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例4のリンスインシャンプーを調製した。組成及び配合量は、表9に示す。
【0085】
(比較例5、9、10)
実施例1において、表2に示す組成及び配合量に変えて、表9〜10に示す組成及び配合量に従い、pH調整を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例5、9、及び10のリンスインシャンプーを調製した。
【0086】
(比較例6〜8)
実施例1において、(D)成分に代えて、表9に示す(D)成分の比較成分である(D’)成分を、表9に示す量添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例6〜8のリンスインシャンプーを調製した。
【0087】
(比較例11、12)
実施例29において、表7に示す組成及び配合量に変えて、表10に示す組成及び配合量に従い、pH調整を行ったこと以外は、実施例29と同様の方法で比較例11及び12のリンスインシャンプーを調製した。
【0088】
実施例1〜40及び比較例1〜12で(D)成分として用いた共重合体、及び(D)の比較成分として用いた(D’)成分について下記表1にまとめて示す。
【0089】
【表1】

【0090】
また、表7〜8における(E)成分のシリコーンエマルジョンの配合量は、下記方法で測定した動粘度1,000万mm/sのジメチルシリコーンの配合量を表し、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の配合量は、アミノガムシリコーンの配合量を表す。
【0091】
−動粘度の測定方法−
1g/100mL濃度のシリコーンのトルエン溶液を作成し、下記式(1)により25℃における比粘度ηspを求めた。次に下記式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求めた。Huggins定数は中牟田、日化、77588[1956]に記載のものを用いた。次に〔η〕を下記式(3)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量を求めた。最後に、Mを式(4)に示すA.J.Barryの式に代入し、シリコーンの動粘度ηを求めた。
ηsp=(η/η)−1・・・式(1)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕・・・式(2)
〔η〕=0.215×10−40.65・・・式(3)
logη=1.00+0.0123M0.5・・・式(4)
前記式(1)中、ηは、トルエンの粘度を表し、ηは、溶液の粘度を示す。
前記η及びηは、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定したものである。
【0092】
実施例1〜40及び比較例1〜12のリンスインシャンプーについて、下記の方法に従い、しっとり感、すすぎ時の指通り、乾燥後の髪のハリ、翌日のスタイリングのしやすさについて評価した。結果を下記表2〜10に示す。
【0093】
<しっとり感の評価>
−損傷毛束の作製−
長さ30cm、質量10gのアジア人毛束を、該毛束の質量に対して10倍量(100mL)の下記組成のモデルブリーチ溶液中に25℃で30分間浸漬した。その後、水道水で十分に洗浄し、乾燥させたものを「損傷毛束」とした。
[モデルブリーチ溶液の組成]
過酸化水素 6%
アンモニア 3%
塩化ナトリウム 5%
水酸化ナトリウム 適量(pH10.8に調整)
精製水 残部
合計 100%
【0094】
−リンスインシャンプーによる処理−
前記損傷毛束10gに、実施例及び比較例のリンスインシャンプー1.0gを、シリンジ(商品名:テルモシリンジ、(登録商標)、ツベルクリン用針なし、1mL容量、テルモ株式会社製)を用いて塗布し、1回/1秒間で60回クシ通しをして泡立てた後、1回/2秒間で25回クシ通しをしながら流水ですすぎ、そのまま自然乾燥した。この処理を合計7回繰り返した。
【0095】
−評価方法−
毛髪洗浄剤組成物開発の専門評価者10名が、前記処理後の毛束と、未処理の損傷毛束と手で触り、未処理の損傷毛束と比較して、処理後の毛束の方がしっとり感がよいと判定した評価者の人数により、下記評価基準に基づいてしっとり感の評価を行った。
[評価基準]
◎:9名以上
○:6名〜8名
△:3名〜5名
×:2名以下
【0096】
<すすぎ時の指通りの評価>
化学処理のダメージにより、シャンプーすすぎ時の指通りが悪いと感じている、20代〜30代の女性20名が、実施例及び比較例のリンスインシャンプーをそれぞれ使用して洗髪した。連続して7日間使用し、7日目のすすぎ時の指通りについて官能評価を行った。この官能評価により、すすぎ時の指通りがよいと回答した評価者の人数により、下記評価基準に基づいてすすぎ時の指通りの評価を行った。
[評価基準]
◎ :18名以上
◎〜○:14名〜17名
○ :10名〜13名
△ :5名〜9名
× :4名以下
【0097】
<乾燥後の毛髪のハリの評価>
化学処理のダメージにより、乾燥後の髪のハリがないと感じている、20代〜30代の女性20名が、実施例及び比較例のリンスインシャンプーをそれぞれ使用して洗髪し、洗髪後ドライヤーで乾燥させた。連続して7日間同様の操作を行い、7日目における乾燥後の毛髪のハリについて官能評価を行った。この官能評価により、乾燥後の毛髪のハリがあってよいと回答した評価者の人数により、下記評価基準に基づいて乾燥後の毛髪のハリの評価を行った。
[評価基準]
◎ :18名以上
◎〜○:14名〜17名
○ :10名〜13名
△ :5名〜9名
× :4名以下
【0098】
<翌日のスタイリングのしやすさの評価>
化学処理のダメージにより、翌朝のスタイリングがしにくいと感じている、20代〜30代の女性20名が、実施例及び比較例のリンスインシャンプーをそれぞれ使用して洗髪し、洗髪後ドライヤーで乾燥させた。連続して7日間同様の操作を行い、8日目の朝に、スタイリングのしやすさについて官能評価を行った。この官能評価により、スタイリングがしやすいと回答した評価者の人数により、下記評価基準に基づいて翌日のスタイリングのしやすさの評価を行った。
[評価基準]
◎ :18名以上
◎〜○:14名〜17名
○ :10名〜13名
△ :5名〜9名
× :4名以下
【0099】
【表2】

【0100】
【表3】

【0101】
【表4】

【0102】
【表5】

【0103】
【表6】

【0104】
【表7】

【0105】
【表8】

【表9】

【表10】

【0106】
実施例及び比較例で使用した原料について下記表11に示す。
【表11】

【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、すすぎ時の指通りに優れ、乾燥後の毛髪にしっとり感やハリを付与でき、更にスタイリングのしやすい毛髪に仕上げることができ、髪質の改善作用に優れるため、例えば、シャンプー、シャンプー効果とリンスやトリートメント効果が同時に得られるリンスインシャンプー、トリートメントインシャンプーなどに好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カチオン性界面活性剤と、
(B)長鎖脂肪族アルコールと、
(C)両性界面活性剤と、
(D)少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体と、
を含有し、前記(D)成分に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の質量比(〔(A)+(B)〕/(D))が8〜200であり、かつ前記(D)成分に対する前記(A)成分の質量比((A)/(D))が5〜50であることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
【請求項2】
(D)少なくとも2種のモノマー単位からなり、該モノマー単位の少なくとも1種がアクリル酸であり、該アクリル酸のモル含有率が5モル%〜40モル%である共重合体が、前記アクリル酸と、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとからなる請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
【請求項3】
(E)シリコーン油及び常温で液状のエステル油の少なくともいずれかを更に含有する請求項1から2のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2012−232919(P2012−232919A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102294(P2011−102294)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】