説明

毛髪用外用剤

【課題】 白髪の改善・防止。
【解決手段】 アセチルヘキサペプチド−1を含有することを特徴とする毛髪用外用剤

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアセチルヘキサペプチド−1を含有して白髪を予防・改善する毛髪用外用剤に関する。ここで毛髪用外用剤とは、シャンプー、リンス、トリートメント剤、ヘアケア剤、ヘアカラー、育毛剤等の化粧品、医薬部外品、医薬品を含む。
【背景技術】
【0002】
白髪の原因は加齢やDNAの損傷によりメラノサイトが減少することである、或いは、メラノサイトが存在しても正常に機能せず、メラニンを産生しない、産生してもケラチノサイトへの移動が上手く行われないためである。
【0003】
白髪を予防したり、改善する技術として、特定の植物抽出液、界面活性剤、脂肪酸、尿素化合物、ホルモン、たんぱく質などが開示されているが、その効果は満足のいくものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来技術で満足されない白髪の予防・改善方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような状況下でなされたものであり、合成ペプチドと酢酸の反応生成物であるアセチルヘキサペプチド−1を配合することで、目的が達成できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、
(1)アセチルヘキサペプチド−1を含有することを特徴とする毛髪用外用剤
である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアセチルヘキサペプチド−1を含有する毛髪用外用剤を適用することにより、白髪の予防・改善ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のアセチルヘキサペプチド−1を0.1ppm含むグリセリン/水溶液(メリタン GL200 0.05%)はα−MSH(メラノサイト刺激ホルモン)に比べて5倍のメラニン増加率を示した。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳述する。本発明に用いるアセチルヘキサペプチド−1は6種のアミノ酸のから成る合成ペプチドと酢酸との反応生成物である。このアセチルヘキサペプチド−1は、200ppmのグリセリン/水溶液として、カナダのユニペックス社の市販原料「メリタンGL200」の商品名で入手することができる。
【0010】
本発明は、上記のアセチルヘキサペプチド−1を毛髪用外用剤に配合するものであるが、その配合量は、毛髪用外用剤全量中に対し、0.000001〜0.02重量%(上記「メリタン GL200」として0.005〜100重量%)、好ましくは0.000002〜0.01重量%(上記「メリタン GL200」として0.01〜50重量%)である。0.000001重量%より少ない配合では、白髪の予防・改善が十分発揮できず、また、0.02重量%を超えて配合しても配合量に見合う効果が期待できない。
【0011】
本発明の毛髪用外用剤には上記の必須成分以外に、通常、化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に使用される他の成分を配合することができる。かかる他の成分としては下記成分が例示される。本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分にこれらの一種又は二種以上を配合して常法に従って製造される。
【0012】
油性成分として次のものを挙げることができる。オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、小麦胚芽油、サフラワー油、モリンガ油、綿実油、大豆油、茶実油、ヒマワリ油、月見草油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、馬脂、カカオ脂、モクロウ等の油脂類、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等のワックス類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、バチルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ペンタエリスリトールテトラエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステアリル、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールオレエート、ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルシリコーン油、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、3次元網目構造シリコーン、シリコーンゴム等のシリコーン。
【0013】
多価アルコールとして次のものを挙げることができる。グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ペンタンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等。
【0014】
糖類として次のものを挙げることができる。ソルビトール、マンニトール、ショ糖、乳糖、キシリトール、マルチトール、トレハロース等。
【0015】
高分子化合物として次のものを挙げることができる。グアーガム、クインスシード、ペクチン、マンナン、カンテン、カラギ−ナン、キサンタンガム、カードラン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、POE・POP共重合体等の合成高分子、ベントナイト、ヘクトライト、マグネシウムケイ酸ナトリウム等の無機系増粘剤、両性メタクリル酸エステル共重合体、カチオン化セルロース、ポリ塩化ジメチルピペリジニウム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、高分子シリコーン、シリコーンレジン等の被膜形成性高分子。
【0016】
界面活性剤として次のものを挙げることができる。高級脂肪酸石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油、POEアルキルエーテル、POEPOPアルキルエーテル、POEアルキルアミン・脂肪酸アミド、PEG脂肪酸エステル、アルキルアミンオキサイド等のノニオン界面活性剤。
【0017】
色剤及び粉体、粒体として次のものを挙げることができる。黒酸化鉄、ベンガラ、黄酸化鉄、群青、カーボンブラック等の無機顔料、パール顔料、有機顔料、タール色素、天然色素等の色素、タルク、カオリン、雲母、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸、酸化チタン、雲母チタン、亜鉛華、ゼオライト等の無機粉体、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、セルロースパウダー、シルクパウダー等の有機粉体、ナイロン、ポリエチレン、セルロース、ワックス、脂肪酸エステル、天然物からなる粒体。
【0018】
動植物抽出物として次のものを挙げることができる。ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、キチン・キトサン、コラーゲン、エラスチン、ペプチド等の動物抽出物、アロエエキス、オオバクエキス、オオヒレアザミ、オドリコソウエキス、カモミラエキス、カンゾウエキス、クルミの種子エキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、茶エキス、トウキエキス、ニンニクエキス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ヒノキチオール、ビワ葉エキス、ブナの木の幼芽エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ヤナギランエキス、ケーパーエキス、キバナオランダセンニチエキス、クルミ種子エキス、モモ葉エキス、ユーカリエキス、ローズ水、アスパラゴプシスアルマタエキス等の植物抽出物。
【0019】
鉱物抽出物として次のものを挙げることができる。孔雀石、菱マンガン鉱石、菱亜鉛鉱石、赤鉄鉱等の抽出物。
【0020】
殺菌・防腐剤として次のものを挙げることができる。安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、トリクロサン等。
【0021】
酸化防止剤として次のものを挙げることができる。没食子酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム等。酸化防止助剤としては次のものを挙げることができる。リン酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、ケファリン、フィチン酸、EDTA等。
【0022】
金属封鎖剤として次のものを挙げることができる。エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、フィチン酸等。
【0023】
紫外線吸収剤として次のものを挙げることができる。2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸等。
【0024】
pH調整剤として次のものを挙げることができる。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミン等のアルカリ剤、クエン酸、リン酸等の酸。
【0025】
各種薬剤して次のものを挙げることができる。アルブチン、コウジ酸、ビタミンC類等の美白剤、センブリエキス、γ−オリザノール、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル、エストラジオール、エチニルエストラジオール、パントテン酸、感光素301等の育毛用薬剤、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、ε−アミノカプロン酸、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸、乳酸、メントール、副腎皮質ホルモン、抗ヒスタミン剤等の肌荒れ防止用薬剤、イオウ、サリチル酸、レゾルシン、塩化ベンザルコニウム、ハロカルバン等のニキビ用薬剤、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛等の制汗剤、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸とこれらの塩酸塩。
【0026】
本発明の毛髪用外用剤の剤型は液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、エアゾールフォーム状、固形、粉末分散系など、通常毛髪用外用剤として用いられる形態をとることができる。
【実施例】
【0027】
次に本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り重量%で示す。
【0028】
実施例1 白髪用ヘアトニック
エタノール 30.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
メリタン GL200*1) 10.0
香料 適量
香料可溶化剤 適量
精製水 残部
100.0
*1)「メリタン GL200」:ユニペックス社商品
上記成分配合のヘアトニックを常法に従って調製した。
【0029】
実施例2 白髪用エアゾールヘアトニック
(原液)
エタノール 90.0
プロピレングリコール 2.0
メリタン GL200*1) 0.4
香料 適量
100.0
(充填)
原液 90.0
LPG 10.0
100.0
上記成分配合のエアゾールヘアトニックを常法に従って調製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセチルヘキサペプチド−1を含有することを特徴とする毛髪用外用剤

【図1】
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【公開番号】特開2013−14567(P2013−14567A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161304(P2011−161304)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(391056701)池田物産株式会社 (22)
【Fターム(参考)】